JP2004131433A - 体外からの血液成分送入に伴う臓器障害の予防剤 - Google Patents

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Abstract

【構成】体外からの血液成分送入に伴う臓器障害の予防剤
【効果】ONO−5046、midesteine、DX−890、ONO−6818、AE−3763、SYN−1390、CGS−27023A、SELEX、M−249314、CE−2048、またはそれらの非毒性塩等のエラスターゼ阻害剤は、体外からの血液成分送入に伴う臓器障害に対して予防的効果を有するため、血液体外循環ならびに輸血若しくは成分輸血による臓器障害、例えば肺障害、肝障害、腎障害、心障害、多臓器不全、全身性炎症反応症候群等の予防剤として有用である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エラスターゼ阻害剤を有効成分とする、体外からの血液成分送入に伴う臓器障害の予防剤に関する。
【0002】
【発明の背景および従来技術】
医療行為として、体外より生体内に血液成分を送入する行為には、血液の導出と送入を同一個体で、かつ同時に実施する、いわゆる血液体外循環と称される行為と、予め調製し保存しておいた血液若しくは血液成分を生体内に送入する、輸血若しくは成分輸血と称される行為が存在する。血液体外循環には、当然のことながら自家血が、輸血若しくは成分輸血には自家血あるいは他家血が用いられる。
【0003】
血液体外循環回路とは、血液体外循環を目的として、血液を生体内から体外へ人工血流路により導き、一定の処置を行った後に、生体内に送入する循環回路からなるものであり、血液浄化療法である、血液透析、血液濾過、血液透析濾過、血漿交換および免疫吸着等の医学的処置、または外科的手術における心肺バイパス等の措置時において用いられる。血液体外循環回路は、体外において血液に対して行う処置の種類に基づいて、例えば人工心肺、人工肝臓、人工腎臓、人工膵臓、補助循環等に分類され得る。
【0004】
人工心肺は、心臓手術時における無血・静止野を確保するための方法として用いられるものであり、心停止中における循環機能、呼吸機能を代替するものである。また、心臓手術以外にも、胸部大動脈瘤手術、あるいは不全心における補助循環としても用いられる。人工心肺は、心臓のポンプ機能を代替する血液ポンプ、ならびに肺のガス交換機能を代替する人工肺を中心に、その他、熱交換器、貯血槽、チューブ等から構成される。また、人工肺はその構造から、▲1▼フィルム型、▲2▼膜型、▲3▼気泡型等に分類される。フィルム型は、物体表面に血液の薄膜を形成させ、酸素ガスを吹き付けることによりガス交換を行うものである。膜型は、血液と酸素が透過膜を隔てた状態でガス交換を行うものである。また、気泡型は、血液中に気泡化させた酸素を送りガス交換を行うものである。人工心肺は、その回路中に含める人工肺の種類に応じて、▲1▼フィルム型人工心肺、▲2▼膜型人工心肺、▲3▼気泡型人工心肺と呼ばれることもある。
【0005】
人工肝臓は、肝臓機能障害時における、血液中の有害成分の解毒機能、代謝機能を代替するものである。その分類としては、▲1▼吸着、透析、濾過等の物理化学的原理に基づくもの、▲2▼摘出肝若しくは肝組織灌流等の生物学的な原理に基づくもの、あるいは▲3▼両者の混合型(ハイブリッド肝)が存在する。近年米国では動物、例えばブタの肝細胞を用いたハイブリッド肝が試験的に臨床応用され、その効果が示されている。
【0006】
人工腎臓は、腎臓機能障害時における、血液中の水分調節機能、老廃物除去機能、pH調節機能を代替するものであり、慢性腎不全患者に繁用される。また、人工腎臓は一般的に透析と呼ばれることもある。分類としては、その構造から▲1▼コイル型、▲2▼平板積層型、▲3▼中空繊維型に大別されるが、いずれも血液と透析液が透析膜を隔て、血液と透析液の濃度差を利用して物質交換、すなわち血中貯留物質の除去と血中不足物質の補給を同時に行わせるものである。
【0007】
人工膵臓は、膵臓機能障害時における、血液中の血糖値調節機能を代替するものであり、主に重症糖尿病や膵臓全摘後等、膵内分泌機能欠落の際に用いられる。種々の透過性中空線維内を血流路とし、周囲に単離した膵β細胞、単離ランゲルハンス島、膵組織片等を配置し、機能させるものである。
【0008】
補助循環は、心臓機能が低下し、血行動態が維持できない状態において機械的に血流量、血圧を補助し、全身の血行動態の維持を行うものである。主に急性心筋梗塞に伴う心原性ショック、開心術後の低心拍出量症候群、各種弁膜症、冠動脈疾患に伴う重症心不全がその適応となる。
【0009】
これらの血液体外循環回路は、生体外で血液に対して行う処置の種類に関わらず、いずれも生体における臓器機能を一時的に補うべきものであるが、この回路を用いて血液体外循環を行うことにより、臓器障害が起こる症例が存在する。
【0010】
一方、一般に輸血若しくは成分輸血と称される行為は、不足した血液成分の補充、つまり循環血流量の補充、あるいは赤血球、白血球、血漿成分、血小板、凝固因子等の補充を目的として行われるが、場合によっては、有害な血液成分、例えば血漿中のビリルビンや、白血球等の交換または除去を目的として行われることもある。
【0011】
輸血若しくは成分輸血には、全血、赤血球製剤、血漿製剤、血小板製剤、およびこれらの照射製剤が用いられる。照射製剤は、移植片対宿主反応(GVHD)の予防のために放射線を一定量照射した製剤をいう。また、血漿製剤には新鮮凍結血漿、血漿分画製剤があり、血漿分画製剤には、アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤、凝固因子製剤が含まれる。
【0012】
前述したように、輸血若しくは成分輸血は、不足した血液成分の補充、あるいは有害な血液成分の交換または除去を目的として行われるものであるが、これらの行為により、臓器障害が起こる症例が存在する。
【0013】
血液体外循環ならびに輸血若しくは成分輸血という行為における共通点は、一旦体外に導き出した血液成分を、再び体内に送入するという点である。
【0014】
また、血液体外循環回路ならびに輸血若しくは成分輸血等の、体外からの血液成分送入に伴う臓器障害、例えば肺障害、肝障害、腎障害、心障害、またはこれらが複合しておこる多臓器不全、あるいは全身性炎症反応症候群(SIRS)等のうち、最も頻繁に起こり得る障害は肺障害である。
【0015】
血液体外循環による、体外からの血液成分送入に伴う肺障害は、体外に導かれた血液中において好中球、補体系等が活性化し、炎症に関わる因子であるインターロイキン8(以下IL−8と略記する)、好中球エラスターゼ、C5b−9等が増加し、これらを含む血液が体内に送入されることにより誘起される(非特許文献1、2、3参照)。
【0016】
IL−8は、好中球およびTリンパ球に対して化学走性を示す72アミノ酸残基からなるタンパク質であり、炎症反応時等において、インターロイキン1や腫瘍壊死因子(TNF)等の炎症性メディエーターで活性化された単核球、繊維芽細胞、血管内皮細胞、ケラチノサイト等から産生される。好中球の局所集積性を亢進させるとともに好中球を活性化し、殺菌能を向上させる作用を有する。
【0017】
ヒト好中球エラスターゼ(以下HNEと略記する)はセリンプロテアーゼの一種であり、種々の炎症刺激に反応して、好中球により分泌される蛋白分解酵素であり、結合組織の分解に関与している。HNEの活性は生体内の阻害因子であるα1−プロテアーゼインヒビターによって調節されており、この酵素―阻害因子のバランスが崩れたとき組織破壊性の症状が出現する。例えば、HNEが肺気腫、アテローム性動脈硬化、関節炎等に関与していることはよく知られている。
【0018】
C5b−9は細胞融解をもたらす補体活性化経路の最終生成物である。補体は動物やヒトの血清中に含まれる20種以上のタンパク質の各成分からなり、感染防御や炎症などの生体防御に重要な役割を担う反応系である。通常、生体内においては補体は活性化しないが、活性化物質の存在により、古典経路、または副経路の二種類の活性化経路により活性化する。古典経路の活性化物質としては抗原抗体複合体、副経路の活性化物質としてはザイモザンなど他の物質もその対象と成りうる。古典経路、副経路ともに活性化の最終段階は同じであり、C5が酵素活性により切断され、生じたC5bが細胞膜に付着し、これにC6、C7、C8、C9が結合して複合体C5b−9を形成することで、標的細胞膜を障害する。
【0019】
一方、輸血若しくは成分輸血による、体外からの血液成分送入に伴う肺障害は、輸血関連急性肺障害(TRALI)と呼ばれることもある。米国における1976年から1985年までの輸血関連死亡調査に関する報告では、TRALIによる死亡は、急性溶血、肝炎に次いで第3位を占め、重大な輸血後副作用であるといえる(非特許文献4参照)。TRALIの原因の一つとして、輸血もしくは成分輸血中に含まれる、好中球に対する抗体(抗好中球抗体)の関与が示唆されている。抗好中球抗体は、好中球の凝集および/または活性化を促す作用を有している。また、ウサギを用いたTRALIの実験モデルにおいては、抗好中球抗体、好中球、補体の存在が不可欠であると報告されている(非特許文献5参照)。すなわち、輸血若しくは成分輸血による、体外からの血液成分送入に伴う臓器障害も、血液体外循環によるものと同様、好中球および補体系の活性化が重要であるということができる。
【0020】
つまり、体内への血液成分送入に際して、好中球および補体系の活性化を抑制することができれば、体外からの血液成分送入が、血液体外循環によるものであろうと、輸血若しくは成分輸血によるものであろうと、臓器障害を未然に防ぐことが可能である。
【0021】
しかし、血液体外循環による、あるいは輸血若しくは成分輸血による、体外からの血液成分送入に伴う臓器障害は、臨床的に実在する事例でありながら、その障害を未然に防ぐ手段は存在しない。
【0022】
血液体外循環を原因とするものではないが、既に発症した肺障害の治療であれば、例えば好中球エラスターゼの阻害剤が有効であったという事例が存在する(例えば非特許文献6参照)。しかしながら、患者の治療という目的で血液体外循環ならびに輸血若しくは成分輸血という行為を実施しているにも関わらず、当初の治療の目的であった疾患以外の障害を誘起することは望ましいことではないし、あってはならない。従って、可能な限りの予防策を講じる必要がある。
【0023】
現在知られているエラスターゼ阻害剤としては、例えばONO−5046(特許文献1参照)、midesteine(特許文献2参照)、DX−890(非特許文献7,8参照)ONO−6818(特許文献3、8参照)、AE−3763(特許文献4参照)、SYN−1390(特許文献5参照)、CGS−27023A(非特許文献9参照)、SELEX(特許文献6参照)、M−249314(特許文献7参照)、CE−2048(特許文献8参照)、またはそれらの非毒性塩等が挙げられる。これらはいずれもin vitroおよび/またはinvivoにおいて、エラスターゼ、またはそれを含む他の酵素を特異的、あるいは非特異的に阻害するものであるが、現在のところ、日本および欧米においてエラスターゼを特異的に阻害することを作用機序とした医薬品は、日本で認可され、臨床使用されているONO−5046ナトリウム塩・四水和物のみである。
【非特許文献1】Artificial Organs, 22(10), 859, 1998
【非特許文献2】Blood, 69(1), 324, 1987
【非特許文献3】The Journal of Clinical Investigation, 96(3), 1564, 1995
【非特許文献4】Transfusion, 30, 583, 1990
【非特許文献5】Blood, 76, 1438, 1990
【非特許文献6】Journal of Clinical Therapeutics & Medicines, 14(2), 319, 1998
【非特許文献7】American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology, 26, 290, 2002
【非特許文献8】Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 89, 2429, 1992
【非特許文献9】Expert Opinion on Investigational Drugs, 9(9), 2167, 2000
【特許文献1】特開平03−20253号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第120534号明細書
【特許文献3】世界公開第98/24806号パンフレット
【特許文献4】世界公開第00/52032号パンフレット
【特許文献5】世界公開第92/18474号パンフレット
【特許文献6】米国特許第5270163号明細書
【特許文献7】世界公開第99/43308号パンフレット
【特許文献8】世界公開第96/16080号パンフレット
【発明が解決しようとする課題】
血液体外循環ならびに輸血若しくは成分輸血と称される行為は、生体の不全な機能、不足した物質、あるいは血液を補うための医療上重要な行為でありながら、それらの行為に伴い、正常な臓器機能を損失する事態が発生する。しかしながら、この臓器障害を未然に防ぐ手段は未だ存在せず、その薬剤の提供が切望されている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前述したように、エラスターゼ阻害活性を有する一部の化合物が、肺障害の治療に効果を示すことは知られている。しかしながら、エラスターゼ阻害剤が、血液体外循環ならびに輸血若しくは成分輸血と称される行為に伴う臓器障害に対し、予防的な作用を有するとは限らない。実験により確認されて初めて、好中球の活性化ならびに補体系の活性化を抑制し、血液成分送入に伴う臓器障害を予防し得ることが証明できると考える。
【0025】
このような状況下、本発明者はエラスターゼ阻害剤であるONO−6818ならびにONO−5046ナトリウム塩・四水和物が、血液体外循環回路内に添加しておくことで、好中球ならびに補体の活性化を抑制し、血液成分の体内への再送入に伴う肺障害を予防しうることを確認した。
【0026】
【発明の開示】
すなわち、本発明は、エラスターゼ阻害剤を有効成分とする、体外からの血液成分送入に伴う臓器障害の予防剤に関する。詳しくは、体外からの血液成分送入である、血液体外循環ならびに輸血若しくは成分輸血に伴う臓器障害、例えば肺障害、肝障害、腎障害、心障害、多臓器不全、全身性炎症反応症候群等の予防剤に関する。
【0027】
本発明で用いるエラスターゼ阻害剤としては、エラスターゼ阻害活性を有する物質全てが含まれ、現在までに知られているエラスターゼ阻害剤や今後見出されるエラスターゼ阻害剤を全て包含する。
【0028】
本発明において好ましいのは、ONO−5046を含む公報、およびONO−6818を含む公報記載の化合物である。詳しくは、ONO−5046を含む一般式(I
【0029】
【化1】
Figure 2004131433
【0030】
[式中、Yはスルホニル基またはカルボニル基を表わし、
(i)R1aおよびR2aは同じかまたは異なっていてもよく、
(1)水素原子、
(2)炭素数1〜16のアルキル基または
(3)式
【0031】
【化2】
Figure 2004131433
【0032】
(式中、Xは単結合、スルホニル基、炭素数1〜4のアルキレン基または−COOH基またはベンジルオキシカルボニル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基を表わし、
【0033】
【化3】
Figure 2004131433
【0034】
は炭素環または複素環を表わし、naは1から5の整数を表わし、R4aは同じかまたは異なっていても良く、
(a)水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、
(b)炭素数1〜14のアルコキシ基、
(c)炭素数1〜6のアルキルチオ基、
(d)水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリハロメチル基、
(e)式 −NR41a42a(式中、R41aおよびR42aは同じかまたは異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)で示される基、
(f)テトラゾール基、
(g)スルホン基またはヒドロキシメチル基、
(h)式 −SONR41aNR42a(式中、R41aおよびR42aは前記と同じ意味を表わす。)で示される基、
(i)式 −Z41a−COOR43a(式中、Z41aは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のアルケニレン基を表わし、R43aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはベンジル基を表わす。)で示される基、
(j)式 −CONR41a42a(R41aおよびR42aは前記と同じ意味を表わす。)で示される基、
(k)式 −COO−Z42a−COOR43a(式中、Z42aは炭素数1〜4のアルキレン基を表わし、R43aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはベンジル基を表わす。)で示される基、
(l)式 −COO−Z42a−CONR41a42a(式中、全ての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される基、
(m)式 −OCO−R45a(式中、R45aは炭素数1〜8のアルキル基またはp−グアニジノフェニル基を表わす。)で示される基、
(n)式 −CO−R46a(式中、R46aは炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)で示される基、
(o)式 −O−Z43a−COOR450a(式中、Z43aは炭素数1〜6のアルキレン基を表わし、R450aは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはp−グアニジノフェニル基を表わす。)で示される基、
(p)式
【0035】
【化4】
Figure 2004131433
【0036】
(式中、
【0037】
【化5】
Figure 2004131433
【0038】
はアミノ酸残基を表わし、R47aは単結合または炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R48aは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R49aは水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、1個ないしは2個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されたアミノ基、カルバモイルメトキシ基またはカルバモイルの窒素原子に1個ないしは2個の炭素数1〜4のアルキル基が置換されているカルバモイルメトキシ基、または式中、
【0039】
【化6】
Figure 2004131433
【0040】
は3〜6個の炭素原子を含む複素環を表わし、R47aおよびR49aは前記と同じ意味を表わす。)で示される基。)を表わすか、
(ii)R1aおよびR2aはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、−COOHで置換されている少なくとも1個の窒素原子を含む複素環かまたは無置換の少なくとも1個の窒素原子を含む複素環を表わし、R3aは、
(1)水素原子、
(2)ヒドロキシ基、
(3)炭素数1〜6のアルキル基、
(4)ハロゲン原子、
(5)炭素数1〜4のアルコキシ基または
(6)炭素数2〜5のアシルオキシ基を表わし、maは1から4の整数を表わす。]
で示されるピバル酸p−置換フェニルエステル誘導体、またはそれらの非毒性塩、ならびにONO−6818を含む一般式(I
【0041】
【化7】
Figure 2004131433
【0042】
[式中、Zは、カルボニル炭素原子が共有結合によって、ヘテロ環の炭素原子に結合しているα−アミノカルボニル含有基を表わし、
R1は、
(1)(a)ハロゲン原子、(b)水酸基、(c)シアノ基、(d)ニトロ基、(e)ハロアルキル基、(f)アルキルアミノ基、(g)ジアルキルアミノ基、(h)アルコキシ基、(i)ハロアルコキシ基、(j)カルボキシル基、(k)カルボアルコキシ基、(l)アルキルカルボキサミド基、(m)アリールカルボキサミド基および(n)−O−(C5〜C6)アリールから選択される基で置換さていてもよいアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基、
(2)水酸基、
(3)アミノ基、
(4)アルキルアミノ基、
(5)ジアルキルアミノ基、または
(6)窒素、酸素および硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含んでもよいシクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アルケニルシクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキルシクロアルケニル基、アルケニルシクロアルケニル基、(C5〜C12)アリール基、(C5〜C12)アリールアルキル基、(C5〜C12)アリールアルケニル基、縮合(C5〜C12)アリール−シクロアルキル基またはアルキル縮合(C5〜C12)アリール−シクロアルキル基を表わし、該基は(a)ハロゲン原子、(b)シアノ基、(c)ニトロ基、(d)水酸基、(e)ハロアルキル基、(f)アミノ基、(g)アミノアルキル基、(h)ジアルキルアミノ基、(i)アルキル基、(j)アルケニル基、(k)アルキレンジオキシ基、(l)アルキニル基、(m)アルコキシ基、(n)ハロアルコキシ基、(o)カルボキシル基、(p)カルボアルコキシ基、(q)アルキルカルボキサミド基、(r)(C5〜C6)アリール基、(s)−O−(C5〜C6)アリール基、(t)アリールカルボキサミド基、(u)アルキルチオ基および(v)ハロアルキルチオ基から選択される基で置換されていてもよく、
およびYは、それぞれ独立して、酸素、硫黄または窒素原子を表わし、ここで窒素原子は(1)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基またはアルケニル基、(2)アルキニル基、(3)窒素、酸素および硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含んでもよい(C5〜C6)アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基で置換されていてもよく、ここで該基は(a)ハロゲン原子、(b)シアノ基、(c)ニトロ基、(d)水酸基、(e)ハロアルキル基、(f)アミノ基、(g)アミノアルキル基、(h)ジアルキルアミノ基、(i)アルキル基、(j)アルケニル基、(k)アルキニル基、(l)アルコキシ基、(m)ハロアルコキシ基、(n)カルボキシル基、(o)カルボアルコキシ基、(p)アルキルカルボキサミド基、(q)アリールカルボキサミド基、(r)アルキルチオ基および(s)ハロアルキルチオ基から選択される基で置換されていてもよい。]
で示される5員環ヘテロ環化合物、またはそれらの非毒性塩である。
【0043】
特に好ましい化合物としては、式(II)
【0044】
【化8】
Figure 2004131433
【0045】
で示されるN−{2−[4−(2,2−ジメチルプロピオニルオキシ)フェニルスルホニルアミノ]ベンゾイル}アミノ酢酸ナトリウム・4水和物(ONO−5046ナトリウム塩・四水和物)、ならびに式(III)
【0046】
【化9】
Figure 2004131433
【0047】
で示される2−[5−アミノ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロ−1−ピリミジニル]−N−[1−[[5−(t−ブチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]カルボニル]−2−メチルプロピル]アセトアミド(ONO−6818)、またはそれらの非毒性塩である。非毒性塩は薬学的に許容され、水溶性のものが好ましい。
【0048】
その他の好ましい化合物としては、midesteine、DX−890、AE−3763、SYN−1390、CGS−27023A、SELEX、M−249314、CE−2048、および上記カッコ内の公報記載の化合物、またはそれらの非毒性塩が好ましい。
【0049】
本発明化合物の非毒性塩としては、例えば、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)、有機アミン(トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩、酸付加物塩(無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等)等)が挙げられる。
【0050】
本発明化合物の非毒性塩には、溶媒和物、または上記本発明化合物のアルカリ(土類)金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、酸付加物塩の溶媒和物も含まれる。
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水、アルコール系溶媒(エタノール等)等の溶媒和物が挙げられる。
【0051】
また本発明のエラスターゼ阻害剤は各々公知の方法で製造できる他、上記カッコ内の公報記載の方法によっても製造することができる。さらに、本発明で使用されるエラスターゼ阻害剤には、それが取りうる全ての結晶形が含まれる。
【0052】
本発明のエラスターゼ阻害剤は、体外からの血液成分送入に伴う臓器障害、例えば肺障害、肝障害、腎障害、心障害、またはこれらが複合しておこる多臓器不全、あるいは全身性炎症反応症候群等の予防剤として用いることが好ましく、特に肺障害の予防剤として用いることが好ましい。
【0053】
本発明のエラスターゼ阻害剤の使用に際しては、該エラスターゼ阻害剤と血液または血液成分との混合を、体外で行っても構わないし、体内で行っても構わない。詳しくは、体外での混合としては、該エラスターゼ阻害剤を体外循環回路内に加えても構わないし、輸血用容器内若しくは成分輸血用容器内に加えても構わない。また、輸血もしくは成分輸血の生体への送入経路であるチューブ中に加えても構わない。体内での混合としては、通常、医薬品の適応に用いられる投与形態、すなわち全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与しても構わない。経口投与のためには、内服用固形剤としても構わないし、内服用液剤としても構わない。非経口投与のためには、点滴用液剤、点滴用注射剤をはじめ、その他の注射剤、吸入剤等としても構わない。必要なことは、臓器障害が起こる以前に投与しておくことである。
【0054】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例
膜面積0.6平方mの膜型人工肺、血液ポンプ、貯血槽、チューブで構成された回路にヒト新鮮血250mLを充填した。、ヘパリン3.75U/mLを添加し、化合物添加群には、被験化合物を1μMの濃度で添加した。人工肺は95%酸素ガスで1L/分で換気した。灌流は37℃、400mL/分で120分間行った。灌流開始前および開始後30、60、120分に血液を採取し、ELISA法により好中球エラスターゼ、IL−8ならびにC5b−9を測定した。
[結果]
(1)IL−8
灌流開始後、120分で上昇する血中IL−8を、ONO−6818は抑制した。結果を図1に示す。
(2)好中球エラスターゼ
灌流開始後、30〜120分で上昇する血中好中球エラスターゼを、ONO−6818は抑制した。結果を図2に示す。
(3)C5b−9
灌流開始後、30〜120分で上昇する血中C5b−9を、ONO−6818は抑制した。結果を図3に示す。
[結論]
図1〜3に示すように、被験化合物であるONO−6818は、ヒト血液を体外循環回路内で灌流することによって上昇するIL−8、好中球エラスターゼ、C5b−9を抑制した。また、ONO−5046ナトリウム塩・四水和物について検討を行い、好中球エラスターゼならびにC5b−9について同様の抑制効果が得られることを確認した。
【0055】
【発明の効果】
本モデルにおいて、ONO−6818ならびにONO−5046ナトリウム塩・四水和物は、血液体外循環回路である人工心肺において、予防的投与により、血液循環中に上昇する好中球ならびに補体の活性化の指標であるIL−8、好中球エラスターゼ、C5b−9を抑制することが判った。この事実は今回はじめて見出されたものである。従って、エラスターゼ阻害剤は、体外からの血液成分送入に伴う臓器障害に対して、予防剤として効果を有するものと判断できる。
【毒性】
本発明化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全であると判断できる。
【医薬品への適用】
本発明のエラスターゼ阻害剤は、体外からの血液成分送入に伴う臓器障害に対して予防的効果を有するため、血液体外循環ならびに輸血若しくは成分輸血による臓器障害に対して予防剤として有用である。
【0056】
本発明のエラスターゼ阻害剤を有効成分とする予防剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される。また、使用に際しては、該エラスターゼ阻害剤と血液または血液成分との混合を、体外で行っても構わないし、体内で行っても構わない。詳しくは、体外での混合としては、該エラスターゼ阻害剤を体外循環回路内に加えても構わないし、輸血用血液若しくは成分輸血用血液、つまり輸血用容器内若しくは成分輸血用容器内に加えても構わない。また、輸血もしくは成分輸血の生体への送入経路であるチューブ中に加えても構わない。体内での混合としては、通常、医薬品の適応に用いられる投与形態、すなわち全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与しても構わない。経口投与のためには、内服用固形剤としても構わないし、内服用液剤としても構わない。非経口投与のためには、点滴用液剤、点滴用注射剤をはじめ、その他の注射剤、吸入剤等としても構わない。必要なことは、臓器障害が起こる以前に投与しておくことである。
【0057】
該エラスターゼ阻害剤と血液または血液成分との混合を体内で混合することを目的とした処方、すなわち経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤、あるいは非経口投与のための点滴用液剤、点滴用注射剤、その他の注射剤、吸入剤等の製造、調製は、それぞれ公知の方法によって行われる。
【0058】
例えば経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。また錠剤には舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠などが含まれる。
【0059】
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
【0060】
舌下錠は公知の方法に準じて製造、調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、膨潤剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、膨潤補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。口腔内貼付錠は公知の方法に準じて製造、調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、付着剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、付着補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
【0061】
口腔内速崩壊錠は公知の方法に準じて製造、調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質をそのまま、あるいは原末もしくは造粒原末粒子に適当なコーティング剤(エチルセルロース、ヒドキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸メタクリル酸コポリマー等)、可塑剤(ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル等)を用いて被覆を施した活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、分散補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
【0062】
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤・乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
【0063】
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤又は吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させて使用する形態であってもよい。
【0064】
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
【0065】
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
【0066】
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
【0067】
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
【0068】
非経口投与のための点滴用液剤、点滴用注射剤、またはその他の注射剤は、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。点滴用液剤、点滴用注射剤、またはその他の注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの点滴用液剤、点滴用注射剤、またはその他の注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造、調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
【0069】
また、該エラスターゼ阻害剤と血液または血液成分との混合を体外で混合することを目的とした処方、すなわち体外循環回路、輸血用容器、成分輸血用容器、またはそれらに付随するチューブ類の中に添加することを目的とした処方には、例えば注射剤のための処方が用いられる。これは、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の製剤を包含する。これらはまた、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの製剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造、調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ONO−6818のIL−8抑制効果
【図2】ONO−6818の好中球エラスターゼ抑制効果
【図3】ONO−6818のC5b−9抑制効果

Claims (7)

  1. エラスターゼ阻害剤を有効成分とする、体外からの血液成分送入に伴う臓器障害の予防剤。
  2. 体外からの血液成分送入が、血液体外循環によるものである請求項1記載の臓器障害の予防剤。
  3. エラスターゼ阻害剤を血液体外循環回路内に加えることを特徴とする請求項2記載の臓器障害の予防剤。
  4. 体外からの血液成分送入が、輸血または成分輸血によるものである請求項1記載の臓器障害の予防剤。
  5. エラスターゼ阻害剤を輸血用血液または成分輸血用血液に加えることを特徴とする請求項4記載の臓器障害の予防剤。
  6. 臓器障害が肺障害、肝障害、腎障害、心障害、多臓器不全、全身性炎症反応症候群である請求項1記載の臓器障害の予防剤。
  7. エラスターゼ阻害剤が、ONO−5046、midesteine、DX−890、ONO−6818、AE−3763、SYN−1390、CGS−27023A、SELEX、M−249314、CE−2048およびそれらの塩から選択される請求項1記載の予防剤。
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