JP2007517915A - 麻酔からの回復のためのリボースの使用方法 - Google Patents

麻酔からの回復のためのリボースの使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007517915A
JP2007517915A JP2006549671A JP2006549671A JP2007517915A JP 2007517915 A JP2007517915 A JP 2007517915A JP 2006549671 A JP2006549671 A JP 2006549671A JP 2006549671 A JP2006549671 A JP 2006549671A JP 2007517915 A JP2007517915 A JP 2007517915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ribose
administered
patients
surgery
effective amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006549671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4890266B2 (ja
Inventor
シール,ジョン,エー. セント
ペルコウスキー,ダビッド,アー.
Original Assignee
バイオエナジー インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バイオエナジー インコーポレイティド filed Critical バイオエナジー インコーポレイティド
Publication of JP2007517915A publication Critical patent/JP2007517915A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4890266B2 publication Critical patent/JP4890266B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P23/00Anaesthetics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P39/00General protective or antinoxious agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

D-リボースを全身麻酔の前後に投与し、全身麻酔の影響から回復するためにかかる時間を短縮する。好ましくは、発熱性物質(パイロジェン)を含まない D-リボースを、全身麻酔中に静脈投与し、また、経口投与前に麻酔後インターバルを再び取ることもできる。 D-グルコースを共に投与して、 D-リボース投与によって起こりうる低脂血症の影響を軽減することができる。
【選択図】なし

Description

[関連出願へのクロスリファレンス]
本発明は、 Provisional Application Serial Number 60/536,460 (2004年01月14日出願)に関して優先権を主張するものである。
五炭糖(ペントース)であるリボースが、アデノシン三リン酸(ATP)および核酸類を構成する物質のひとつとして、エネルギーサイクルにおいて重要な役割を持つものであることはよく知られている。また、リボースは食餌中には低濃度でしか存在しておらず、さらには、多くの組織内では、リボースを産生する身体の代謝プロセス(ペントースリン酸経路)の速度が制限されている、ということも公知である。
リボースを、クロスクランプ ( cross clamp ) を取り除いた後に五日間投与することで、標準体温で全脳虚血 ( global ischemia ) にした健康なイヌの心臓の蘇生率が向上することが知られている。これらの発明者らは、以前(United States Patent Number 6,159,942)にも、リボースの投与によって、虚血発作に罹ったことのない被験者の活力を増強できることを発見している。ヒトの患者の場合、心臓手術が必要になるまでには、心臓の状態と、ともすれば全体的な健康状態とが、共に悪化する。血液不足となった作動領域 ( dry working field ) が生じることになる心筋虚血の後の罹病率および死亡率は、組織の損傷に因って増大しうる。加えて、患者は、かなりの期間を麻酔の影響下に置かれることにもなる。
ほとんどの麻酔術は、中枢神経系(CNS)に可逆的障害を起こすことによって行われている。局所麻酔薬を、脊髄もしくは硬膜外に適用すると、脊髄神経の段階におけるインパルス伝達を局所的に阻害して、中枢神経の遮断が起こり、本質的な特徴として感覚・運動機能の部分損失が顕われる。静脈投与された全身麻酔薬は、オピオイド受容体もしくは GABA(γ-アミノブチル酸)受容体といった特定の受容体への結合を介して機能するが、吸入した麻酔薬の活性メカニズムについては、あまり説明されていない。麻酔薬が局所用であるか全身用であるかにかかわらず、麻酔薬の役割は CNS機能の抑制として意図されているものである。 CNSの抑制によって、すべての身体プロセスが遅緩することになる。加えて、通常は、クラーレ系薬剤の投与によって麻痺が起こるため、患者の呼吸補助のために挿管する必要があり、広範囲の外科手術が必要となる。ただ、呼吸補助を行っても、肺機能が最適な状態になるとは言い難い。横隔膜および肋間筋の筋緊張(筋トーヌス)が減少することによって、無気肺となり、その結果として低酸素血症が起こる。また、このような骨格筋の筋緊張の減少もしくは消失によって、循環が衰え、局所的な低酸素血症が起こりうる。同様に、腎機能および肝機能といった他の器官の機能も、何らかのかたちで抑制され、毒素代謝物が蓄積してしまうようになる。最悪の場合、不可逆的なものである可能性のある脳の機能障害が起こり、認識能力の若干の喪失、もしくは卒中、もしくは不可逆的昏睡、もしくは大脳死、といった症状となって顕れる。
麻酔からの回復時には、通常、患者は或る期間に亘って精神的・肉体的な損傷を受ける。麻酔を受けた後の最初の一ヶ月間においては、患者は、より多くの睡眠を必要とし、目覚めているときの注意力が落ち、また、体力が衰えるのが普通である。手術の痛みが再発すると、強力な鎮痛剤の投与が必要となることがあり、このような鎮痛剤は、既に損なわれている精神・肉体の状態をさらに悪化させる虞がある。
全身麻酔を要するような、手術もしくは何らかの処置を受けている患者について、麻酔後の機能損傷を軽減し、且つ、通常の注意力、歩行機能、および体力を迅速に回復することは、有用であると言える。
D-リボースは、単独の薬剤としてか、もしくはより好ましくは D-グルコースとの配合物として、全身麻酔を要する処置が予定された患者に投与される。こうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤は、全身麻酔の前後に投与される。好ましくは、こうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤は、全身麻酔の前および中途および後に投与される。もっとも好ましくは、こうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤は、手術前の一日〜七日間に亘って投与され、且つ手術中に投与され、且つ手術後の一日〜七日間に亘って投与される。こうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤は、嚥下ができる患者に経口投与され、また、静脈点滴をしている期間中に静脈投与される。
静脈投与に適するような、実質的に純粋であって発熱性物質(パイロジェン)を含まないリボースの調製方法については、開示されている。ひとつもしくは複数の薬剤の、それぞれについての静脈用量は、 30〜300mg/kg/hour であり、発熱性物質を含まない D-リボースの 5〜30% w/v 水溶液として与えられる。 D-グルコースを共に投与する場合には、 D-グルコースの 5〜30% w/v 水溶液として与えることができる。こうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤は、静脈への管内に滴下され、その流量はこうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤について 30〜300mg/kg/hour に設定する。もっとも好ましくは、発熱性物質を含まない D-リボースを、 D-グルコースと共に投与し、それぞれが静脈に 100mg/kg/hour の速度で点滴されるようにする。こうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤を経口投与する際には、 1〜20グラムの D-リボースを、 200ml の水と混合し、一日あたり一回〜四回嚥下させる。もっとも好ましくは、 5グラムの D-リボースと 5グラムの D-グルコースとを水に溶かして、一日あたり四回嚥下させる。
集中治療室(ICU)の患者には、発熱性物質を含まない D-リボースを単独で投与するか、もしくは、より好ましくは D-グルコースと組み合わせて投与する。こうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤は、ICUに滞在する間に静脈投与される。静脈用量は、ひとつの薬剤もしくは複数の薬剤のそれぞれについて、 30〜300mg/kg/hour であり、発熱性物質を含まない D-リボースの 5〜30% w/v 水溶液として与えられる。 D-グルコースを共に投与する場合には、 D-グルコースの 5〜30% w/v 水溶液として与えることができる。こうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤は、静脈への管内に滴下され、その流量はこうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤について 30〜300mg/kg/hour に設定する。もっとも好ましくは、発熱性物質を含まない D-リボースを、 D-グルコースと共に投与し、それぞれが静脈に 100mg/kg/hour の速度で点滴されるようにする。患者がICUから退室する際に、こうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤の投与を継続することが有益である。静脈投与は、静脈への管 ( IV line ) が適切な場所にある間、継続されることになる。こうしたひとつの薬剤もしくは複数の薬剤を経口投与する場合には、 20グラムの D-リボースを、 200ml の水と混合し、一日あたり一回〜四回嚥下させる。もっとも好ましくは、 5グラムの D-リボースと 5グラムの D-グルコースとを水に溶かし、一日あたり四回嚥下させる。
以下の実施例は、本発明がどのように実施されてきたか、もしくはどのように実施されるべきかを示すためのものである。当業者は、本発明に係る方法および組成物に対して、本発明の範囲から外れること無く、本質的では無い変更を容易に施すことができる。特に、実施例の大部分においては、 D-リボースと D-グルコースとを併用して与えると示していることに留意されたい。 D-グルコースの投与は、治療法として推奨するものでは無いが、 D-リボースを与えた際に起こりうる低血糖症を予防するものである、ということに留意されたい。 D-リボースの投与を受けても低血糖の症状を呈さなかった特定の被験者については、 D-グルコースの投与を省くことができる。麻酔薬を与える七日前〜一日前、および一日後〜七日後に、これらの薬剤を与えることが推奨される。多くの被験者については、さらに長い期間に亘り、自身でリボースを投与することができる。このように、本発明に係る方法は、所与の最小限の期間についてのみのものには限定されず、麻酔処置の前および後の双方の長期に亘るリボースの投与も含む。もっとも重要なこととして、リボースという語には、 D-リボース、ならびに、他の関連する化合物(生体内でリボースへと容易に転換される化合物、もしくは、内因性リボースを与える化合物)、が含まねばならない。このような化合物には、リビトール、リブロース、 5-ホスホリボース、キシリトール、キシルロース、およびセドヘプツロースが含まれる。
[実施例1 実質的に純粋であって発熱性物質を含まないリボースの調製]
一般的に、醗酵による生成物には、発熱性物質(静脈投与された際に発熱を齎しうる物質)がいくらか残留しているものである。もっともよくある発熱性夾雑物は、細菌性の菌体内毒素類(エンドトキシン)である。このため、物質が発熱性物質を本質的に含んでいるかそうでないかを判断するために、エンドトキシン分析を使用している。加えて、コンジェナー類(醗酵中に生成する望まざる副産物)、および重金属類も、醗酵物中に残留していることがある。
醗酵によって生成し精製した D-リボースは、ほぼ 97% の純度であって、そこに含まれうるエンドトキシンの量はさまざまである。この生成物は、経口摂取しても安全であり、「食用」と称することができるものではあるが、静脈投与に適する「薬用」では無い。 D-リボースは、薬用となるように精製することができ、また、発熱性物質を含まないように調製することもできる。かいつまんで言うと、すべての器具を、仕上げとして、発熱性物質を含まない水(二回蒸留したもの、もしくは逆浸透法で調製したもの、とすることができる)で丹念に洗う、ということである。すべての溶液と試薬は、発熱性物質を含まない水から調製する。
リボースの約 30%〜40% 水溶液を調製する。活性炭を加えてできた懸濁液を、温度を 50〜60℃に保ちながら、少なくとも三十分間混合する。活性炭は濾過して除去する。濾液は、透明、且つほぼ無色となっているはずである。
エタノールを加えて結晶化させて、この結晶を一日〜二日に亘って成長させておく。扱いやすくするために、結晶は粉末にして、筒 ( drums ) 、袋、もしくは他の容器に移す。好ましくは、容器のそれぞれに乾燥剤の袋を入れる。最終生成物は、本質的に純粋であって、且つ、発熱性物質、重金属、およびコンジェナー類を含まないものとなる。
[実施例2 全心筋虚血 ( global cardiac ischemia ) 後における心筋機能回復の向上]
心臓手術中に全心筋虚血が起こると、心筋は、高エネルギーのリン酸貯蔵を使い果してしまう。 ATP は高速で分解されて、細胞膜を容易に貫通するために主要な有用経路であるサルベージ経路(循環が回復したときに ATP を再合成する経路)において使うことができないプリン塩基となる。したがって、心臓手術の後に消費された心筋 ATP を補償することによって、酸化的ペントースリン酸経路 ( oxidative pentose phosphate pathway ) を介して、主にアデニンヌクレオチドの de novo 合成へとつなげることができる。
Zimmer(Zimmer et al., J. Mol. Cell. Cardiol. 16(9) 863-866, 1984)は、酸化的ペントースリン酸経路の完全なレビューを行っている。要約すると、 5-ホスホリボシル-1-ピロリン酸(PRPP)の利用能によって、アデニンヌクレオチド類の合成速度が決まる、ということである。一方、 PRPP の生成は、ペントースリン酸経路における第一律速酵素であるグルコース-6-リン酸脱水素酵素の活性に依存する。ペントースである D-リボースの投与は、律速段階を迂回するため、 ATP の再合成が増大することになる。
Foker(United States Patent Number 4,719,201)は、健康なイヌの心臓について、正常体温における二十分間の全心筋虚血の後、平常の ATP のベースライン量に落ち着くまでには、九日間が必要であることを発見した。再灌流時に即座に D-リボースを投与し、さらに少なくとも四日間に亘って投与を継続することで、 ATP の回復を増大させることができる。冠動脈バイパス術(CABG)と併せた弁の手術か、または CABG 単独、のいずれかを受けている、心機能が低下したヒトの被験者について、 Foker の研究における健康なイヌに対しての行為と同様にして心臓手術後にリボースを投与することが、有益であるかどうかを検定するためのプロトコールが考案されている。
FDA および治験審査委員会の承認を得た後、四十九名の患者から、心臓手術中の全心筋虚血に因る心筋機能障害の処置のための、静脈内の D-リボースの有用性を見積るために設計された、前向き単一施設二重盲検偽薬対照臨床試験への参加についてのインフォームドコンセントを取った。
対象選択基準 ( inclusion criteria ) は以下である。

・十八歳以上の男性もしくは女性。
・冠動脈疾患が記録されており、手術前の八週間の内に行った心エコー図、放射線核種イメージング、もしくは心臓カテーテル検査に基づいた心駆出率(EF)が 35% 以下であって、 CABG を受けている患者(この期間中の EF を評価するために用いた方法が複数ある場合には、それぞれの方法による値の平均が 35% 以下であったこと)。
・冠動脈疾患が記録されており、単弁置換もしくは複弁置換を受けていて、さらに CABG を受けた患者、あるいは、単弁置換もしくは複弁置換を受けていて、 CABG は受けていない患者。
・血清クレアチニン量が 2.35mg/dl 未満。
・妊娠の可能性のある女性について、妊娠検査陰性であること。
・インフォームドコンセントへの署名。
偽薬もしくはリボースである供試体を、コンピュータで生成した乱数表に従い、 CABG のみを受けている患者と、 CABG を受けているか、もしくは受けておらず ( +/-CABG ) 且つ心弁手術を受けている患者とのいずれかに対して割り当てた。すべての患者には、フェンタニル(50〜100μg/kg)もしくはスフェンタニル(10〜20μg/kg)のいずれか一方、ならびにミダゾラム、から構成される高用量麻酔術を施した。投与した麻酔薬のタイプには制限をかけなかった。患者のケアの責任者である麻酔医と外科医が、患者に必要なことに関する知見と、許容される医事とに基づいて、供試体の内容にかかわらず、強心薬によるサポート、大動脈内バルーンパンプサポート、もしくはバイパス手術後循環サポート ( post bypass circulatory support ) 、を行う臨床的判断を下した。大動脈クロスクランピングを行った時点から、供試体の静脈への注入を開始し、肺動脈カテーテル導入具を取り除く時点か、または五日間(百二十時間)経った時点か、のいずれか早い方の時点まで、継続した。患者の臨床ケアの責任者である外科医が、供試体の内容にかかわらず、肺動脈心臓カテーテルを取り除いた。
心搏、血圧、肺動脈圧、 肺毛細血管楔入圧 ( pulmonary capillary wedge pressure; PCWP ) 、中心静脈圧 ( central venous pressure; CVP ) 、および、熱希釈法による心係数(CI)、から成る循環動態測定値 ( hemodynamic measurements ) を、以下の時間間隔で得た。即ち、麻酔薬の導入直前、麻酔薬導入から胸骨切開までの間、胸骨切開から心肺バイパスの開始までの間、心肺バイパスが成功裡に完了してから胸骨閉鎖までの間ならびにプロタミンによるヘパリン処置の逆転 ( reversal ) までの間、胸骨閉鎖後、ならびに、集中治療室に到着してから後に肺動脈カテーテルを取り除く一時間〜二時間前、である。
経食道心エコー検査データ ( transesophageal echocardiography data ) (H. P. Sonos OR, 5.0MHz, Andover, MA)を、以下の時間間隔で採取した。即ち、麻酔薬の導入から胸骨切開までの間、および、胸骨閉鎖の直後、である。経胸壁心エコー検査 ( transthoracic echocardiography ) (H. P. Sonos 1500. 2.5MHz, Andover, MA)を、治験期間の三日目および七日目に行った。経食道心エコー検査および経胸壁心エコー検査の双方のために、乳頭筋間の長軸断面積および短軸断面積の変化を、拡張末期面積 ( end diastolic area; EDA ) 、収縮末期面積 ( end systolic area; ESA ) 、ならびに心腔面積変化率 ( fractional area change; FAC ) の +dA/dt および -dA/dt について、音響定量法 ( acoustic quantification techniques; AQ法 ) を用いて三重に測定した。また、すべての面積変化量のデータは、マニュアルの off line 分析によっても解析した。また、長軸断面ビューから、 EF を off line で測定した。加えて、局所壁運動を、正常 ( normal ) = 1 、収縮低下 ( hypokinetic ) = 2 、無収縮 ( akinetic ) = 3 、逆運動 ( dyskinetic ) = 4 、として定量評価した。壁運動スコアインデックス ( wall motion index score; WMIS ) および正常心筋のパーセンテージを、最大で十六分画から読み取ることによって算出した。壁運動と面積変化を評価するための心エコーデータについては、完全心周期を通じて心内膜が 75% よりも多く可視化された場合にのみ、分析を行った。 off line 分析は、 Image View echocardiography workstation(Nova Microsonics, Allendale, NJ)上で行った。経僧帽弁血流ドプラ速度 ( transmitral Doppler flow velocity ) を僧帽弁尖位で、拡張早期充満 ( early diastolic filling ) (E)と、心房充満成分 ( the atrial filling component ) (A)と、 E/A比とを含めて測定した。弁閉鎖不全について、無 ( none ) 、微量 ( trace ) 、若干 ( mild ) 、中程度 ( moderate ) 、もしくは重篤 ( severe ) 、として定量評価した。処置と結果の双方に対して盲検化された解析者が、すべての心エコーデータを分析した。
供試体投与の二十四時間以内および治験七日目までの間に投与されたすべての付随薬剤については、症状、投与開始時刻、投与完了時刻、および全用量を含めて記録を行った。投入分( NG 、経口投与流体、および静脈投与流体)、ならびに排出分(尿および他の流体)を計測して、院内巡回毎に得られたものを治験七日目まで記録した。
臨床的な結果を示すパラメータには、以下が含まれる。即ち、 CPB の影響下から脱する試みの回数、抜管時刻、ICUから退室した時刻、退院した時刻、強心薬の投与回数と継続期間、大動脈内バルーンパンプサポートの使用と継続期間、ならびに、術後三十日間の生存、である。
血糖値は、治験薬の注入を開始した後、一時間毎に、動脈カテーテルで採取した血液を dextrastix(Accu-Chk III, Boehringer Mannheim Corp. Indianapolis IN)にかけて測定した。血糖値が十二時間に亘り安定したままであった場合、その後の血糖値測定は、治験薬の注入を止めるまでの間、四時間〜六時間毎に行った。他の臨床検査測定としては、総血球数(分画有り)、血小板数、電解質測定 ( electrolytes = ) 、肝機能検査、血清浸透圧、および尿検査、が含まれ、これらは手術の次の朝までに完了させた。異常値を示した臨床検査については、臨床的に必要とされる平常値になるまで繰り返し行ったか、または、臨床的に重要ではないと判断した。
すべてのデータは、 Microsoft Excel スプレッドシート(v4.0, Microsoft Corp., Redmond, WA)に入力した。盲検を終了する前に、心エコーデータの 100% と、 循環動態データのうちの 20% と、その他のすべてのデータのうちの 5% について検定を行った。エントリーエラー率は 0.001% 未満であった。個体群統計、安全性、および効能を評価するための詳細な統計分析のプランは、治験の盲検を終了する前に構築した。すべての統計は、 JMP software(v3.1 for Windows(登録商標), SAS Institute Inc., Cary, N.C.)上でコンピュータ計算して行った。四時間よりも長く供試体投与が中断したこと(一名の被験者)、技術的な制限を受けた心エコー検査、および、薬理学的処置とは関係しない外科手術中の難点(二名の被験者)、を含んだ治験実施計画書違反(プロトコール不遵守)のために評価することができないと思われる患者については、このプランから除いた。共変動には、年齢、動脈クロスクランプ時間、ベースラインEF 、およびベースラインWMIS 、を含めた。統計的検定には、χ2乗検定、 t検定、繰り返し測定に対する単変量ANOVA 、および ANCOVA 、を含めた。すべての統計検定について、 p < 0.05 (両側検定)で統計的に有意であるとした。
四十九名の患者を受け入れた後は、すべての心臓手術患者について、臨床的に安定したならば、手術後六時間以内に抜管するということと、ICUから患者を二十四時間以内に退室するということを組織決定する必要があったため、追加の患者の入院については一時中断した。この決定にあたっては、麻酔術と術後の管理の変更を要した。この治験を早期に終了させた結果として、われわれは分析から九名の入院患者を除くことになった。この九名には、孤発性僧帽弁閉鎖不全症 ( isolated mitral insufficiency ) ( n = 3 )、孤発性僧帽弁狭窄症 ( isolated mitral stenosis ) ( n = 3 )、大動脈弁僧帽弁複合疾患 ( combined aortic and mitral valve disease ) ( n = 3 )が含まれていた。
ベースラインと治験七日目の双方において、 EF を心エコーによって確認することができ、且つ、大動脈狭窄もしくは冠動脈疾患に罹患していた患者群( n = 27 )の心機能について、個体群統計学的ベースライン測定を行った。リボースで処置した患者群は、偽薬で処置した患者群よりも、年長であり(66.5歳 vs. 56.4歳、 p = 0.026)、且つベースライン EF が低くなる傾向が見られた。しかしながら、 EF のベースラインの差異は、統計的に有意では無かった。これらの患者群においては、他の有意なベースラインの差異も見られなかった。
偽薬で処置した患者群の平均ベースライン EF は、治験七日目に 55% から 38% まで減少した( p = 0.0025 )。リボースで処置した患者群の平均ベースライン EF は、治験七日目にも変化が無かった( 44% vs. 41% 、 p = 0.0025 )。処置群の EF への分割時間区画の影響を、繰り返し測定に対する単変量ANOVAモデルから算出し、無作為な影響と比較したところ、統計的に差が見られた( prob > F, p = 0.04 )。リボース処置をした患者群では EF が保たれていた一方、偽薬処置をした患者群では EF が減少した。 JMP による仮説検定は、 SAS-PROC GLM(types III and IV)による仮説検定の結果と合致する。
リボース処置群のうちの五名の患者(28%)は、このペントースの公知の副作用である低血糖症(指尖部血糖値 < 70mg/dl)を発症した。偽薬処置群では、いずれの患者についても低血糖症を示さなかった。低血糖症を示した患者の平均血糖値は、 58mg/dl であった。最低血糖値は 31mg/dl であった。三名の患者について D50W の大量投与 ( bolus injection ) で処置し、また、一名の患者について経口でアップルジュースを与えて処置し、また、一名の患者については処置をする必要は無かった。二名の患者について、低血糖症のために治験薬注入を中止した。これらの患者のいずれも、低血糖症に関連する神経学的症状もしくは他の臨床的症状は発症しなかった。その他の臨床検査測定値には、統計的な差は見られなかった。治験実施計画書違反をした患者を含めた分析は、統計的な結果にはまったく関与していない、ということに留意することが重要である。
この治験により、動脈クロスクランピングを受けた患者の術後EF の維持のために、 100mg/kg/hr の D-リボース注入が有用である可能性が示唆された。偽薬処置患者群では EF がベースラインから減少したが、その一方、リボース処置患者群では EF が保たれていた。この母集団においては、標準法を用いて無作為化が行われているにもかかわらず、リボースを与えた患者は EF が低めであったことに留意されたい。それにもかかわらず、これらの患者の EF は維持され、その一方で偽薬対照群の高めの EF は下落している。
[実施例3 クロスクランピングに先立つ、 D-リボースによる前処置]
実施例2では、大動脈のクロスクランピングの途中および後に、 D-リボースを静脈投与することによって、 D-グルコースを投与した場合に較べて、 EF が保たれ改善される、ということを示した。 D-リボースの術前経口投与と、その後の D-リボースの周術期・術中静脈投与とによって、種々の心臓手術処置のためにクロスクランプされた心臓の駆出率および他の心機能パラメータの改善をすることができるかどうかを判定するために、単一施設無作為二重盲検偽薬対照臨床試験を構築した。
対象選択基準および除外基準 ( exclusion criteria ) に適合し、インフォームドコンセントに署名した三十名の患者を、外科処置に先立って七日間または十四日間に亘って D-リボースを経口で与える群(十五名)と D-グルコース(偽薬)を経口で与える群(十五名)とに、無作為に振り分け、これらの患者群に対して、 5% D5NS(生理食塩水中の 5% D-グルコース、 0.5mL/kg/hour )、または、 5%D5W 中の 10% 発熱性物質を含まないD-リボースを、動脈クロスクランピング開始時から、用量 100mg/kg/hour で五日間に亘って(肺動脈 ( pulmonary artery cordis ) を介して)投与した。(五日間に亘る注入の終了に先立つ、肺動脈カテーテルを取り除く作業時には、供試体の残留分を末梢静脈(IV)への管から投与することになる。) D-リボース群に無作為に振り分けられた患者は、経口もしくは IV で供試剤 ( test supplement ) を投与されることになり、また、偽薬群に無作為に振り分けられた患者は、経口もしくは IV で D-グルコースを投与されることになる。患者群については、ベースライン x 2 (経口供試剤の開始に先立って一度、さらに外科処置に先立つ三日間の内にもう一度)、ならびに、手術中および手術後、ならびに、治験一日目、五日目、および七日目、に評価されることになる。また、退院日を記録する。
対象選択基準は以下を含む。

・十八歳以上の男性もしくは女性。
・動脈弁疾患が記録されており、 AVR を受けており、手術前の四週間の内に行った心エコー図、放射線核種イメージング、もしくは心臓カテーテル検査に基づいた EF が 35% 以下であるような患者。この期間中の EF を評価するために用いた方法が複数ある場合には、それぞれの方法による値の平均が 35% 以下であること。

・血清クレアチニン量が 2.5mg/dl 未満。
・妊娠の可能性のある女性について、手術前の二週間の内に行った妊娠検査で陰性であること。
・この治験場に関して the Institutional Review Board によって承認されたインフォームドコンセントへの署名。
除外基準は以下を含む。

・気管支拡張薬を必要とする、臨床的に重篤な慢性閉塞性肺疾患。
・術前の強心薬によるサポートを必要とする、心原性ショック。
・臨床的に重篤な肝疾患。
・経食道心エコーを妨げるような食道病態。
・妊娠した女性。

乱数表を生成して、供試体および偽薬の調製のための調剤薬局に与える。無作為化された時点から、患者には乱数表から番号を連番で割り当てる。割り当てられた番号に加えて、薬局の記録においてのみ、患者を識別するために患者のイニシャルを用いることになる。
有害な反応が起きた場合、および、治験研究者が、処置上の決定のために、供試体の確認が必要であると判断した場合には、独立監査官(医師)に対して、薬局から供試体の確認について報せることになる。盲検の終了時点については、薬局の記録、および患者の症例報告書に残す。監査官は、有害な反応が供試体に関係するかどうかを判断することになる。
治験は以下のように進行する。
患者を、供試体の最初の投与に先立つ三日間の内に適格であると評定し、また、手術に先立つ三日間の内に評価を更新する。過去四週間以内の駆出率の測定について検定する。治験のタイプ、治験の日時、および結果を、症例報告書に入力する。インフォームドコンセント、および限定した既往歴を、以前の開心術歴、脳血管疾患、以前の血管手術歴、狭心症 ( angina ) の既往歴、喫煙およびアルコールの摂取、を含む、術前リスク要因を算定するために取得する。投薬履歴を記録し、すべての投薬について症例報告書に記録する。この投薬履歴は手術前に更新する。限定した健康診断を行い、これには、血圧、体重、ならびに、心臓、肺、および四肢の検査、を含める。臨床検査には、総血球数(分画として CBC 、 Hgb 、 Hct 、 RBC 、 WBC 、また、血小板数)、クレアチニン量、 BUN 、血糖値(グルコース)、 Na 、 K 、 Cl 、 CO2 、 AST 、 ALT 、ビリルビン、カルシウム、 PO4 、血清浸透圧、ならびに尿検査、が含まれ、手術に先立つ三日間のいずれかの時点で測定値を得ることになる。心電図検査は、手術に先立つ三日間の内に行う。ベースラインとしての経胸壁心エコー検査は、供試体の最初の投与に先立つ十四日間の期間内に行う。患者がインフォームドコンセントに署名して初期スクリーニングを満たした後に、手術に先立つ七日間に亘って D-リボースか D-グルコースのいずれかを投与するように無作為に振り分ける。
治験七日目の供試体もしくは偽薬の経口投与の後に、患者の手術が許諾されることになる。麻酔をかける前、麻酔薬の注入後(胸骨切開の前)、および、胸骨切開後であって心肺バイパス(CPB)の開始前、の時点で、循環動態測定値( CI 、 CVP 、肺血管楔入圧、 PA圧、血圧)を得る。経食道心エコー検査を、麻酔薬の注入後(胸骨切開の前)に行う。動脈クロスクランプの継続時間を、症例報告書に記録する。
供試体および偽薬の IV 投与を、動脈クロスクランピングをした時点から開始する。実施例1で見られた低血糖症の影響を予防するために、 D-グルコースを D-リボースと共に投与する。 10% D-リボースに 5% D-グルコースを併せたもの、もしくは偽薬相当物を、肺動脈心カテーテルを介して、 D-リボースもしくは偽薬相当物が 100mg/kg/hour で搬送される速度で投与する。供試体の IV 注入を、五日間に亘って継続する。
循環動態測定を、以下に示す時点で繰り返す。

・CPBが成功裡に完了してから、胸骨閉鎖をするまでの間
・プロタミンによるヘパリン処置の逆転の後
・胸骨閉鎖後
・術後 ICU に到着した後
・治験研究者が、患者が循環動態的に安定したと結論づけるまでの間において、一時間毎に
・肺動脈カテーテルを取り除くまでの間において、二時間毎に
また、経食道心エコー検査を、胸骨閉鎖直後に行う。経胸壁心エコー検査は、術後一日目、五日目、および七日目、に行う。 Mモード法、二次元法、およびドプラ法の心エコー検査を用いて、左室(LV)収縮および拡張についての心筋機能を評価する。以下に挙げる測定を、それぞれの評価のために記録する。

測定:
・心臓病学ガイドラインに従った、標準Mモード法の測定と算出
・左心房の、二次元的前後径、上下径、および、中央横方向の直径
・Simpson法を用いた左室容積
・心尖部からの二腔ビューおよび四腔ビューの双方からの、右室の二次元的な腔サイズ
・右房の、二次元的な上下径、および、中央横方向の直径

心室の EF および心搏出量 ( stroke volume; SV ) を以下のように算出する。
LVSV = LV拡張末期容積 引く LV収縮末期容積
LVEF = LVSV/LV拡張末期容積
拡張能を、僧帽弁位血流および肺静脈血流の速度プロファイルを用いて評価する。シグナル品質と再現性を向上させるために、造影剤の使用が必要になることがある。算出されることになるパラメータは以下である。

・僧帽弁血流:拡張早期ピーク血流速(EV)および心房収縮期ピーク血流速(AV波)、拡張早期血流速度の時間積分値(EVTI)および拡張末期血流速度の時間積分値(AVTI)、拡張早期持続時間(ET)および拡張末期持続時間(AT
・肺静脈血流:左房における、収縮期ピーク血流速(SV)および拡張期ピーク血流速(DV)、ならびに、収縮期血流速度の時間積分値(SVTI)および拡張期血流速度の時間積分値(DVTI
・E/A比 = EV/AV
・E/AVTI = EVTI/AVTI
・S/DV = SV/DV
・S/DVTI = SVTI/DVTI

肺動脈圧は、三尖弁・肺動脈機能不全が存在する場合には、心エコーから算定することが可能であり、このときには右心房圧を 10mmHg と見做す。
供試体の IV 投与後に手術室で行われた、すべての付随薬剤投与(供試体の IV 投与の五日後までのものを含む)については、症例報告書に記録し、そこには、症状、開始時刻、完了時刻、および用量を含める。動脈内バルーンパンプ(IABP)が必要である場合には、ICUから退室するまでの間、その使用時刻を記録する。投入分( NG 、経口投与流体、および静脈投与流体)、ならびに排出分(尿および他の流体)を、 ICU の退室時まで測定且つ記録する。電気的除細動(カルディオバージョン)、心房刺激(心房ペーシング)、除細動、もしくは再挿管 ( reintubation ) といった重篤な処置についても、症例報告書に記録する。
心電計モニタリングは、手術室およびICUにおいて継続して行うこととする。カルディオバージョンまたは高頻度刺激(高頻度ペーシング)を必要とするような心室性頻脈、心室細動、および心房性不整脈の発症について、症状の持続期間を含めて、症例報告書に記録する。退室前に、 12誘導心電図 ( 12 lead EKG ) を採っておく。血糖値は、 IV 注入開始後から、 dextrastix に動脈カテーテルから汲み出した血液を用いて一時間毎に測定し、安定した後は、四時間〜六時間毎に測定する。上述した概要の臨床検査は、手術後の朝に行うこととする。異常値を示した臨床検査については、臨床的に必要とされる平常値になるまで、または、臨床的に重要ではないと判断されるまで繰り返し行う。血清浸透圧は、 IV 注入期間の間、少なくとも一日おきに測定する。 ICU から退室するまでは、健康診断を繰り返し行うこととする。
以下に挙げる指標 ( endpoints ) を、有用性を示すものとして考慮する。即ち、抜管時刻、 ICU 退室時刻、退院時刻、強心薬によるサポート(ひとつもしくは複数の強心薬ならびにひとつもしくは複数の強心薬の継続期間、ならびに/あるいは、 IABP の継続時間)、術後三十日間の生存もしくは死亡、心係数、 PA楔入圧、経食道心エコー検査ならびに経胸壁心エコー検査における心収縮性および壁運動異常に関する変化、である。
実施例2に関連して予想されることは、 D-リボース投与群の患者の方が、より良好な心筋機能を呈し、強心薬および/もしくは IABP の継続期間が短く、且つ、 ICU 退室および退院が早い、ということである。さらに、実施例1で得られた薬剤は、患者に D-リボースを事前に経口負荷投与 ( preloading ) することによって増幅されることになる。
[実施例4 術前のリボース負荷投与]
安定した冠動脈疾患を有する患者、もしくは急性心筋梗塞を起こした患者は、オフポンプ心肺バイパス法 ( "off" cardiopulmonary bypass procedure; OCBP ) を用いて血管再建術 ( revascularization ) を受けることができる。この術法により、この術法を選択することができる患者について、クロスクランピングによる有害な影響を回避することができる。選択基準は以下を含む。即ち、移植片の到達性(アクセシビリティ)、移植片の数、患者の体調、である。血管再建を行うべき領域が、心臓の背面である場合には、心臓を裏返すように扱う必要があり、これによって心搏に影響が生じうる。いくつかの移植片が必要である場合には、手術時間が長引くので、患者の心臓には長時間に亘る循環サポートが必要となってくる。最後に、機能が衰えている心臓には、循環をサポートするためのパンプの援用が必要になる。それでも、適切に選択した患者については、クロスクランピングを回避する利点の方が重要である。
治験には四十四名の成人患者が参加した。患者のうちの少なくとも三分の一は、発症前に急性心筋梗塞を経ており、且つ、術前の駆出率が 30〜72% の範囲であった。すべての患者は OCBP血管再建術を施すために選択された者であり、そのうちの二十名の患者は術前にリボースを摂取せず、また、二十四名の患者は術前に D-リボースを経口投与された。また、すべての患者について、ベースラインおよび術後に心係数を測定した。心臓へのすべての投薬、およびリスク評価を記録した(STC基準)。リボース処置患者群は、心係数が対照群と較べて 49% 大きくなった( p < 0.028 )。
[実施例5 麻酔からの回復]
深麻酔の間は、すべての身体機能が低下する。長時間の全身麻酔(ヒトの患者が少なくとも三時間は意識を喪う麻酔)の後には、完全な活動状態まで回復するには、満一ヶ月以上が必要となると思われる。本発明を記載するにあたって、「回復」 ( "recovery" ) とは、全身麻酔を受けた患者が、平常の注意力、歩行機能、および食事能力を取り戻すことができることを意味する。患者が手術処置による痛みを覚えた場合、痛みが消えることが、回復の大きな特徴となる。 Hendricks et al.(Resuscitation 1984 November: 12(3): 213-21 、教示するところは、この参照により本開示に含まれる)は、ハロタンで三十分間に亘り麻酔をかけたラットが、麻酔後の最初の一週間には、自発性活動が低下し、神経障害を生じたことを発見している。著者らは、ハロタンおよび亜酸化窒素が、運動様式に対して、麻酔直後の回復期間を超えた長期に亘る影響を及ぼす、と結論している。同様の影響が、手術後のヒトの患者においてよく観察される。患者は、睡眠が足りないと感じ、日中に疲れやすく、また、数週間に亘って自動車を運転できないほどに注意力が散漫になる。加えて、術後の痛みにより、鎮痛剤を長期使用することになりえ、患者は痛みを最低限にしようとして動かなくなりがちであるので、これによってさらに肉体活動が阻害されることになる。実施例4で示したものからわかるように、心臓をクロスクランプし、その結果の虚血によって心機能が低下するような心臓手術において見られる影響は、すべてが虚血のみに因るものであるというわけでは無い。虚血に罹っておらず、則ち平常の心機能を有すると見做せるような患者においても、リボース投与による利点が、良好な心臓病学的な結果として顕われてくる、ということに留意されたい。麻酔からの回復についての他の特徴は、今回の治験では記録しなかった。治験は、リボース投与に因る、心臓病学的パラメータに関する良好な作用が、全身麻酔の他の症例においても観察されるかどうかを判断するために行われたものである。
[A. 全身麻酔を伴った非心臓手術からの経験的事例]
経験的報告として、 D-リボースの投与によって、完全な活動状態への回復が早まり、さらに、痛みの症状の程度と持続期間が少なくなったようだ、ということがある。例えば、五ヶ月の間隔をとって二度の人工股関節置換 ( hip replacement operations ) を受けた六十九歳の女性について。二度目の手術の際、彼女に対して、麻酔から覚醒した直後からリボースの経口投与を開始した。彼女の注意力および活力の回復は、一度目の手術の後よりも早いものであった。さらに、彼女の痛みの程度は軽かった。同様に、やはり二度の人工膝関節置換を受けた五十二歳の男性について。二度目の手術の際、彼は術前および術後に、 D-リボースを自力投与した。彼の注意力および活力の回復は、一度目の手術の後よりも早いものであった。 Bauer et al.(Z. Geb. Neonatal 2001 May-Jun, 205(3): 80-85)は、新生児の処置に伴う痛みを手当するためのグルコースの経口投与の有用性について研究している。著者らは、グルコース水溶液を乳児の舌に垂らすことで、静脈採血時の痛みの程度を軽減することができることを発見した。著者らは、甘味に因る口腔味覚刺激 ( orogustatory stimulation ) が、エンドルフィンの分泌を齎しているのではないかと述べている。ここでの結果が、グルコースの局所作用に因るものであるのか、もしくは全身性作用に因るものであるのかについては、明らかになっていない。
[B. 心臓手術 ─ ヒツジを用いた研究]
動脈弁置換術の研究を、ヒツジを用いて行った。十四頭の雑種(雄と雌)のヒツジ(年齢の範囲は二十五週〜六十八週、体重の範囲は 47〜68kg )を、この研究に用いた。術後の死亡が二例あった。平均CPB時間は二時間であった(1 Heart Valve Disease Vol 9. No 6, November 2000 、教示するところは、この参照により本開示に含まれる)。手術プロトコールを以下に示す。手術二日前に、各動物に抗生物質(チカルシリン二ナトリウム 0.03g/kg (SmithKline Beecham Pharmaceuticals, Philadelphia)、および、 Gentocin 1mg/kg (Fermenta Veterinary Products, Kansas City, MO))を筋肉内注射した。手術当日に、各動物に Gentocin 1mg/kg および硫酸アトロピン(Medco, St. Joseph, MO)の 2% w/v 生理食塩水溶液 5ml を、筋肉内注射した。末梢静脈への管を挿入した。ペントタールナトリウム(2.5%, Abbott Laboratories, North Chicago, IL)およびチカルシリン二ナトリウム(0.03g/kg)。全身麻酔をイソフルランと補給分の酸素とで維持し、必要であればさらにペントタールナトリウムの用量を加えた。動物は挿管され、呼吸サポートを構成した。切開を行う前には、サクシニルコリンを投与した。
通常の術中パラメータは以下に挙げるものであり、即ち、 EEG 、直腸温度および食道温度、動脈血ガス連続分析、である。動物は、 Maxima(R) 中空ファイバー膜型人工肺 ( hollow fiber membrane oxygenator ) に、静脈リザーバー(貯血槽)ポンプと BioMedicus 80 強制渦流遠心ポンプ ( constrained vortex centrifugal pump ) とを組み合わせた心肺バイパスに接続された。冷却を開始した。適切な冷却がされた時点で、動脈クロスクランプを、上行大動脈末端部を横切るように装着し、 10 meq KCl(Plegisol, Abbott Laboratories)を併せた低温(4℃)の心筋保護液 ( cardioplegia ) を、装着した動脈クロスクランプの基部側に投与し、氷水 ( ice slush ) を心臓に被せ且つ心臓の周囲に配置して、すみやかに心臓を停止した。上行大動脈のクロスクランプの基部側を完全に横切開した。この処置の間、さらに心筋保護液の追加の用量を、二十分〜二十五分間の間隔をあけて、それぞれの冠動脈口 ( coronary ostia ) に直接投与した。大動脈弁尖を切除し、人工弁の選択のために弁輪の大きさを計測した。人工大動脈弁(19mm)をそれぞれの動物に移植し、 Ethibond マットレス縫合糸を、割込ませて ( interrupted ) 、翻転 ( everting )し、接合 ( abutting ) して大動脈弁輪内に縫合を行い、その後、大動脈弁輪内に選択した人工弁の縁を入れ込んだ。横切開した大動脈を、再吻合 ( reapproximated ) して縫合した。循環血液を 42℃まで再加温し、心臓の除細動を行った。動物をオフポンプCPB にかけて循環動態的に安定した時点で、閉胸した。動物が自発呼吸をできるようになるまで、人工呼吸を継続した。動物の注意力が戻ったと判断された時点で、気道内挿管を取り除いた。抜管までの平均時間は、閉胸から約三〜四時間であった。固形食餌を与え、動物を観察した。動物が静かにじっとしていているままの状態であった時間が、平均として、さらに二時間がかかり、抜管から約二時間半〜三時間後まで食餌を摂らなかったことが観察された。
リボースの投与によって、術後の回復時間の短縮できるかどうかを判断するために、六頭の雑種(雄と雌)のヒツジ(年齢の範囲は二十五週〜六十八週、体重の範囲は 46〜65kg )に対して、発熱性物質を含まない 5% D-リボースと 5% デキストロースの水溶液を静脈投与し、その速度は、術前に点滴を挿入してから取り外すまでの間について、 100cc/hour とした。この一連の手術手順においては、 CPB の平均時間が若干長くなり、二時間半〜三時間となった。それにもかかわらず、抜管までにかかる時間の平均は、一時間半〜二時間半まで短縮された。心筋保護液の投与中ならびに投与後の心搏出量、血圧、および心筋弛緩状態の観察、また、心筋保護液を与えて心停止するまでの時間、心筋保護液の注入時間間隔、および、手術完了時の心臓の除細動の後の心収縮の活発度、について、動物をモニターした。
すべての動物は、投与したリボースに耐性を示し、代謝異常もしくは化学的異常は見られなかった。リボースを含んだ心筋保護液の注入によって、リボースを投与しなかった動物群と較べて、心停止が幾分か早まったが、この差異は統計的に有意では無かった。心臓は容易に除細動することができた。心機能がすみやかに増大したので、バイパスを取り外した。人工呼吸器を外した後、動物は、リボースを投与しなかった動物群に較べて、よりすみやかに意識があると思われる状態に復帰し、その後抜管した。動物が静かにじっとしていた時間は約一時間のみであり、その後は直立して活動性を示し、さらには歩行活動も見られた。次の一時間には、固形食餌を摂る動物もいた。活動性と食欲の増大から、実施例5Aで報告したヒトの患者と同程度にまで、痛みの程度が軽くなっているものと推察した。
[C. 血管置換移植 ( Vascular graft placement ) ]
成年のヒツジもしくはイヌ科動物を、血管移植を受けている動物に対する、リボースによる回復効果についての動物モデルとして用いることとする。血管移植片は、 Dacron といった何らかの人造物、およびドナー動物から採取した天然の血管、といったものにすることができる。実施例5Bと同様にして動物に全身麻酔をかけた後、断頭して、総頸動脈と頸静脈の双方を分離する。動脈カテーテルを総頸動脈に挿入して、血圧をモニターし、続いて採血を行う。静脈カテーテルを頸静脈に挿入する。発熱性物質を含まない D-リボース、もしくは D-グルコース(それぞれ 12.5gm/l )を、手術開始時から速度 100cc/hour で静脈投与する。動物の両鼠蹊部を剃毛し、手術の用意をして、滅菌ドレープをかける。大まかな左鼠蹊部と右鼠蹊部との切除を行う。両方(左右)の大腿動脈を分離し、アンビリカルテープ ( umbilical tapes ) を用いて、基部と末端部との双方をループさせる。末端筋肉の生検を、動物の両脚について行い、これらの生検で得た組織はすみやかに冷凍して、アデニンヌクレオチド分析のために保存する。 ACT値 ( ACT vaslues ) の定量のため、動物には、許容可能な全身ヘパリン処置を行う。発熱性物質を含まない D-リボース、もしくは D-グルコース(各 7gm/l )の大量注入(400cc)を行うこととする。分離した大腿動脈のそれぞれについて、基部側と末端側の両方に血管クランプを装着する。生体動脈切片を切除し、移植材料の挿入切片を合わせて、連続縫合法 ( running suturing technique ) で縫合を行う。 180°の角度を以って走っている二つの縫合糸を互いに結び合わせて、吻合をそれぞれ行う。
各吻合が完了した時点で、特に残留している空気が確実に排出されるようにするため、血管クランプを取り除く。大腿動脈の基部に、発熱性物質を含まない D-リボース、もしくは D-グルコース(各 7gm/l )の大量注入(400cc)を再度行う。吻合に先立つ最初の大量注入の時点で決めておいた適当な脚に同一の供試物質を用いる。循環動態および透視検査評価を治癒期間中に行い、移植片の開存性および完全性 ( integrity ) を確認する。
動物の回復をモニターし、実験動物からすみやかに抜管できるか、すみやかに敏感となるか ( appear alert ) 、および自発運動をするか、について判断する。追加の鎮痛剤 ( boliAnalgesics ) を、動物の行動から痛みがあるものと判断した場合に投与する。
[D. 非心臓手術 ─ ラットを用いた研究]
上記のセクションBおよびCで得られた結果が、心機能の改善に因るものであるのか、または、上述のセクションAで示したような全身麻酔を原因とする欠損の改善に因るものであるのか、について、よりはっきりと判断するために、以下の研究を構成した。同腹且つ番い ( littered-paired ) の Wistar ラットに、治験薬としての D-リボース(250mg/day 、動物十匹に対して)、もしくは偽薬としての D-グルコース(250mg/day 、動物十匹に対して)を、経口で与えて五日間に亘って前処置する。前処置の後、ラットにハロタンで麻酔をかけ、人工呼吸のために挿管し、クラーレで麻痺させる。全身麻酔した後、ラットに、治験薬か偽薬のいずれかを、静脈(IV)投与する。腹部を2インチ切開し、臓腑を慎重に扱って、腹部検査手術をシミュレートする。切開部位を閉鎖し、さらに一時間、動物を麻酔下に置く。その後、麻酔を停止し、 IV注入を休止する。動物を個別に運動室 ( activity cage ) に入れ、動物の活動を五日間に亘って毎日評価する。治験薬もしくは偽薬を、用量 5%wt/vol で飲料水に混ぜる。盲検結果を、初期運動 ( first movement ) (擬似手術の後、意識を取り戻すとき)、および一日目から五日目に亘る毎日の活動性、について得る。食餌および水の摂取および胃腸機能について計測を行う。
擬似手術の前、中途、および後に D-リボースを投与されたラット群は、麻酔後により早く運動を開始し、また、その後の五日間における活動性が増大すると予想され、これは、これらのラットの回復レベルが、偽薬対照群よりも高いということ、および/もしくは、これらのラットの受ける痛みが少ないということ、を示唆する。
[実施例5 ICU滞在時間を最小化するための D-リボースの使用]
患者は、その症状が連続モニタリングを要する場合は、いつでも集中治療室(ICU)への入室を認められる。このような重病患者には、実施例2、3、4、および5Bの心臓手術のような長時間の手術を受けた患者、または、重篤な事故に因るトラウマを受けた患者、などが含まれる。加えて、 ICU 認定を必要とする公知の症状としては、敗血症がある。敗血症は、全身に伝播する劇症型感染症として定義することができる。それぞれの病原体は、血流中で増殖する多数の病巣をつくるか、または、ひとつもしくは少数の病巣をつくり、これらの病巣からの毒素が全身を灌流する。これらの毒素は、複数の器官に損傷を与える可能性があり、細胞膜の完全性を通過して影響を及ぼすこともある。この感染を抗生物質治療によっては制御できず、且つ身体機能を支持的治療によって維持できない場合、患者はショック症状に陥り、血圧が下落し、複数の器官が機能不全となり、死に至ることになる。組織の衰弱状態は、組織の ATP の量の低下として反映される。健康なヒトでは、 United States Patent Number 6,159,942 に示されているように、筋 ATP が増大して、筋運動の間に減少した ATP 量が回復するようになっている。治験は、 ATP 量が低下した ICU の患者に対して、敗血症の治療に付加するものとしてのリボース投与が有益であるかどうかを判定するために、構成することになる。
これらの実施例に係る組成物および方法は、本発明の製造および使用方法についての教示のためのものにほかならず、添付の請求項の範囲を制限するものでは無い。当業者は、これらの実施例に係る組成物および方法に対して、本発明の範疇から外れること無く、本質的では無い変更を容易に施すことができる。

Claims (11)

  1. 全身麻酔を受けている哺乳類の、回復にかかる時間を低減するための方法であって、 D-リボースの有効量を前記哺乳類に投与することを含むことを特徴とする、方法。
  2. D-リボースの前記有効量が、全身麻酔の前および後に経口投与されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. D-リボースの前記有効量が 2〜10グラムであり、また、 D-リボースの前記有効量が、一日あたり二回〜四回投与されることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 発熱性物質を含まない D-リボースの有効量を、全身麻酔をしている間およびその後に静脈投与することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  5. D-リボースの前記有効量が、 20〜300mg/kg/hour であることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 全身麻酔を受けている哺乳類の、回復にかかる時間を低減するための方法であって、前記哺乳類が前記D-リボースを嚥下できる場合には、 D-リボースの有効量を前記哺乳類に経口投与し、また、前記哺乳類が意識を喪っている場合もしくは前記D-リボースを嚥下できない場合には、発熱性物質を含まない D-リボースの有効量を前記哺乳類に静脈投与することを特徴とする、方法。
  7. 経口投与される D-リボースの前記有効量が、 2〜10gm であり、一日あたり二回〜四回投与されるものであって、また、静脈投与される発熱性物質を含まない D-リボースの前記有効量が、 20〜300mg/kg/hour であることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 敗血症からの回復を増強するための方法であって、敗血症に罹患している前記哺乳類に、 D-リボースを投与することを含むことを特徴とする、方法。
  9. 実質的に純粋であって発熱性物質を含まない D-リボースを含むことを特徴とする、静脈投与に適する組成物。
  10. D-グルコースをさらに含むことを特徴とする、請求項9記載の組成物。
  11. 5%〜10% の発熱性物質を含まない D-リボース、および、 5%〜10% の D-グルコース、を含むことを特徴とする、請求項10記載の組成物。
JP2006549671A 2004-01-14 2005-01-14 D−リボースを含む、麻酔からの回復のための医薬 Expired - Fee Related JP4890266B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US53646004P 2004-01-14 2004-01-14
US60/536,460 2004-01-14
PCT/US2005/001435 WO2005067548A2 (en) 2004-01-14 2005-01-14 Use of ribose in recovery from anaesthesia

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007517915A true JP2007517915A (ja) 2007-07-05
JP4890266B2 JP4890266B2 (ja) 2012-03-07

Family

ID=34794404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006549671A Expired - Fee Related JP4890266B2 (ja) 2004-01-14 2005-01-14 D−リボースを含む、麻酔からの回復のための医薬

Country Status (9)

Country Link
US (2) US20070105787A1 (ja)
EP (1) EP1703913B1 (ja)
JP (1) JP4890266B2 (ja)
CN (1) CN1909912B (ja)
AU (1) AU2005204946B2 (ja)
BR (1) BRPI0506485A (ja)
CA (1) CA2552529C (ja)
ES (1) ES2388859T3 (ja)
WO (1) WO2005067548A2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020119933A1 (en) * 2000-07-28 2002-08-29 Butler Terri L. Compositions and methods for improving cardiovascular function
AU2005204946B2 (en) * 2004-01-14 2010-03-11 Bioenergy, Inc. Use of ribose in recovery from anaesthesia
US20100099630A1 (en) * 2004-04-29 2010-04-22 Maccarter Dean J Method for improving ventilatory efficiency
ES2393786T3 (es) * 2004-04-29 2012-12-28 Ribocor, Inc. Método para mejorar la eficacia ventilatoria
ES2352154T3 (es) * 2007-01-23 2011-02-16 Bioenergy Inc. Uso de d-ribosa para tratar arritmias cardiacas.
CA2757442A1 (en) * 2008-04-02 2009-10-08 Bioenergy, Inc. Use of ribose in first response to acute myocardial infarction
EP3411041A1 (en) 2016-02-01 2018-12-12 RiboCor, Inc. Use of ribose for treatment of subjects having congestive heart failure
CN107213154B (zh) * 2017-05-16 2020-06-26 牡丹江医学院 一种用于促进手术后麻醉觉醒和神经损伤保护的护理药物组合物及其用途

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4719201A (en) * 1985-02-07 1988-01-12 Regents Of The University Of Minnesota Method for stimulating recovery from ischemia
US4605644A (en) * 1985-02-07 1986-08-12 Regents Of The University Of Minnesota Method for stimulating recovery from ischemia employing ribose and adenine
US4824660A (en) * 1985-06-06 1989-04-25 Paul S. Angello Method of determining the viability of tissue in an organism
US6218366B1 (en) * 1998-06-19 2001-04-17 Bioenergy, Inc. Method for raising the hypoxic threshold
US6159942A (en) * 1998-06-19 2000-12-12 Bioenergy, Inc. Compositions for increasing energy in vivo
US20020119933A1 (en) * 2000-07-28 2002-08-29 Butler Terri L. Compositions and methods for improving cardiovascular function
US6534480B2 (en) * 1999-06-17 2003-03-18 Bioenergy Inc. Compositions for increasing energy in vivo
US6159943A (en) * 1999-09-24 2000-12-12 Bioenergy, Inc. Use of ribose to prevent cramping and soreness in muscles
US6339716B1 (en) * 1999-09-24 2002-01-15 Bioenergy Inc. Method for determining viability of a myocardial segment
US6511964B2 (en) * 1999-09-24 2003-01-28 Bioenergy, Inc. Method for treating acute mountain sickness
US6703370B1 (en) * 1999-10-27 2004-03-09 Bioenergy, Inc. Use of ribose to treat fibromyalgia
WO2001045502A1 (en) * 1999-12-21 2001-06-28 Bioenergy Inc. Compositions for the storage of platelets
GB2364642B (en) * 2000-01-07 2004-10-27 Bioenergy Inc Compositions for enhancing the immune response
WO2001052831A1 (en) * 2000-01-20 2001-07-26 Bioenergy Inc. Use of ribose supplementation for increasing muscle mass and decreasing body fat in humans
US6420342B1 (en) * 2000-05-08 2002-07-16 N.V. Nutricia Nutritional preparation comprising ribose and medical use thereof
US20030212006A1 (en) * 2002-05-13 2003-11-13 Seifert John G. Method for reducing free radical formation in healthy individuals undergoing hypoxic exercise and medical conditions with increased oxygen free radicals
US8486859B2 (en) * 2002-05-15 2013-07-16 Bioenergy, Inc. Use of ribose to enhance plant growth
US8759315B2 (en) * 2003-05-14 2014-06-24 Viacell, Llc Methods for rejuvenating
US7687468B2 (en) * 2003-05-14 2010-03-30 Viacell, LLC. Rejuvenation of stored blood
US20040229205A1 (en) * 2003-05-16 2004-11-18 Ericson Daniel G. Compositions for the storage of platelets
AU2005204946B2 (en) * 2004-01-14 2010-03-11 Bioenergy, Inc. Use of ribose in recovery from anaesthesia
ES2393786T3 (es) * 2004-04-29 2012-12-28 Ribocor, Inc. Método para mejorar la eficacia ventilatoria
US8835396B2 (en) * 2006-12-15 2014-09-16 Bioenergy, Inc. Method and compositions for improving pulmonary hypertension
US20080312169A1 (en) * 2007-03-20 2008-12-18 Clarence Albert Johnson Cosmetic use of D-ribose
US20090286750A1 (en) * 2008-05-16 2009-11-19 Kasubick Robert V Use of ribose in lessening the clinical symptoms of aberrant firing of neurons

Also Published As

Publication number Publication date
JP4890266B2 (ja) 2012-03-07
CN1909912B (zh) 2011-05-11
AU2005204946A1 (en) 2005-07-28
WO2005067548A3 (en) 2005-11-10
EP1703913A2 (en) 2006-09-27
BRPI0506485A (pt) 2007-02-13
ES2388859T3 (es) 2012-10-19
CA2552529C (en) 2013-05-28
EP1703913A4 (en) 2008-09-03
WO2005067548A2 (en) 2005-07-28
US20070105787A1 (en) 2007-05-10
EP1703913B1 (en) 2012-08-01
CA2552529A1 (en) 2005-07-28
AU2005204946B2 (en) 2010-03-11
CN1909912A (zh) 2007-02-07
US20090197818A1 (en) 2009-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4890266B2 (ja) D−リボースを含む、麻酔からの回復のための医薬
MODIG Effectiveness of dextran 70 versus Ringer's acetate in traumatic shock and adult respiratory distress syndrome
JPH06145054A (ja) 再灌流損傷を治療するための方法および組成物
Rivas-Alcala et al. Chemotherapy of onchocerciasis: a controlled comparison of mebendazole, levamisole, and diethylcarbamazine
JPH06503359A (ja) 血流減少に由来する組織障害の処置及び予防のためのaicaリボシド化合物の用途
US20200206252A1 (en) Use of ribose in first response to acute myocardial infarction
Vacek et al. Spontaneous dissection of the left anterior descending coronary artery in a male with survival
Graf et al. Successful resuscitation during fetal surgery
RU2299730C1 (ru) Способ лечения острого инфаркта миокарда
Baer et al. Severe weight loss and fatal intra-abdominal hemorrhage in an elderly man.
RU2371122C2 (ru) Способ лечения острой ишемии конечностей
RU2159089C1 (ru) Способ предупреждения интраоперационных осложнений при эндопротезировании крупных суставов с использованием костного цемента на основе метилметакрилата
Margulescu et al. Noncardiogenic acute pulmonary edema due to severe hypoglycemia—an old but ignored cause
Zhou et al. Successful treatment of acute coronary syndrome complicated with massive gastrointestinal bleeding: A case report
Uğurlu et al. Pulmonary hypertension due to lithium therapy: a case report
Mizogami et al. Stunned myocardium after hip arthroplasty.
RU2267323C1 (ru) Способ лечения острого инфаркта миокарда
RU2197996C1 (ru) Способ лечения травматической жировой эмболии
RU2416413C1 (ru) Средство для лечения кровопотери (&#34;спаскровь&#34;)
Rotheram Jr et al. Case report: Two-Year Cure of Candida Infection of Prosthetic Mitral Valve
CN106822903A (zh) 用于治疗心衰的药物组合物及其应用
Burr et al. Thrombotic thrombocytopaenic purpura
Jenkins et al. Levy JH, Schwieger IM, Zaidan JR, et al: Evaluation of patients at risk for protamine reactions. J Thorac Cardiovasc Surg 98: 200-204
Yoshimura Idiopathic cardiomyopathies and tooth extractions: Report of 3 cases
Vee New Uses of Electrocardiography

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees