JP2004131038A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のマニュアルエアコンに比べ、圧縮機の省動力を達成し、車両の燃料消費率の向上に寄与できる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】車室内に吹き出す空気を冷却する冷却器と、冷却器能力調節手段と、車室内に吹き出す空気を加熱する加熱器と、加熱器能力調節手段と、車室内温度検知手段とを備えた車両用空調装置において、車室内温度検知手段からの情報に基づいて冷却器能力調節手段による冷却能力の調節量を制御することにより車室内温度を自動制御する車室内温度自動制御手段を備え、かつ、該車室内温度自動制御手段による冷却器冷却能力の調節量の自動制御領域を、加熱器能力調節手段の操作量に応じた特定の領域に限定したことを特徴とする車両用空調装置。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置に関し、とくに、従来のマニュアルエアコンシステムに限定的にオートエアコンシステムを組み合わせ、車両の空調の際に冷凍回路に設けられた圧縮機の省動力化を達成し、車両の燃料消費率の向上に寄与できる車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用空調装置において、従来一般のマニュアルエアコンにおける蒸発器(冷却器)の蒸発温度制御(冷却器温度制御)は、基本的に、蒸発器が着霜しない温度の下限で蒸発器を動作させ、温度調節上必要な温度は、通風ダクト内の蒸発器下流に設置される加熱器の能力制御によって実施していた。このような制御形態では、実質的に常に蒸発器を着霜しない限界まで冷却するため、蒸発器に冷媒を供給する圧縮機の動力としては、必要以上に消費していた。換言すれば、蒸発器設置場所にて一端下限温度(着霜回避限界温度)まで下げ、その下流側で加熱器により目標温度まで加熱することになるので、目標空気温度への制御の観点からは、消費されるエネルギーに無駄が生じることがある。したがって、このような従来のマニュアルエアコンのような制御方法では、必要以上に圧縮機の動力を消費するため、車両のエンジン負荷が大きくなり、燃料消費率を悪化させる原因となっていた。
【0003】
一方、基本的に蒸発器の温度を着霜回避限界温度まで下げることなく、各種条件に応じて最適な温度にコントロールするようにしたオートエアコンシステムが知られている。このオートエアコンシステムでは、目標吹出空気温度から最適な蒸発器温度(蒸発器出口空気温度)を演算し、その目標温度になるように圧縮機を制御するので、圧縮機の省動力化をはかることが可能になる。しかし、制御領域の全領域をオートエアコンとすると、とくに車室内温度を上げる場合、蒸発器の蒸発温度を上げることになるため、車室内の湿度が上昇する場合があり、湿度が上昇しすぎると、乗員に不快感を与えるおそれがある。
【0004】
なお、従来のオートエアコンシステムは、一般に、多くの熱負荷検出部、および各種温調制御機器駆動部を有し、複雑な制御系や演算式を多用しているため、制御系を構成するのに多大な時間とコストを必要とするという問題がある。しかしこのような問題に対しては、未だ出願未公開の段階であるが、先に本出願人により、従来のオートエアコンと同等の性能を保ちながら、制御系を大幅に簡素化した、車両用空調装置に適用して最適な安価な制御装置が提案されている(たとえば、特許文献1)。この提案では、車室内温度を設定する車室内温度設定手段と、車室内温度を検知する車室内温度検知手段と、車室内温度が設定温度となるように制御する車室内温度制御手段と、車室内温度が設定温度に到達するための過渡状態における目標応答を算出し指定する車室内温度目標応答算出手段と、その目標応答における車室内目標温度と前記車室内温度検知手段により検知された車室内温度との偏差を演算する車室内温度フィードバック演算手段とを備えた車両用空調装置であって、前記車室内温度目標応答算出手段による目標応答における過渡特性を実現するに必要なフィードフォワード制御入力を予測するフィードフォワード制御入力予測手段を有し、該フィードフォワード制御入力と、前記車室内温度フィードバック演算手段により算出されたフィードバック制御入力との和を、前記車室内温度制御手段への制御入力として車室内温度を制御することを特徴とする車両用空調装置が提供されている。
【0005】
【特許文献1】
特願2001−397484(請求項2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前述の従来のマニュアルエアコンにおける圧縮機の動力が必要以上に消費されてしまうという問題と、従来のオートエアコンを制御全領域に適用した場合に車室内湿度が上昇するおそれがある場合があるという問題とに着目し、これら問題を両方とも解決することにある。つまり、車室内湿度上昇の問題を生じさせることなく、従来のマニュアルエアコンに比べ、圧縮機の省動力を達成し、車両の燃料消費率の向上に寄与できる車両用空調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用空調装置は、車室内に吹き出す空気を冷却する冷却器と、該冷却器の冷却能力を調節する冷却器能力調節手段と、車室内に吹き出す空気を加熱する加熱器と、該加熱器の加熱能力を調節する加熱器能力調節手段と、車室内温度を検知する車室内温度検知手段とを備えた車両用空調装置において、前記車室内温度検知手段からの情報に基づいて前記冷却器能力調節手段による冷却能力の調節量を制御することにより車室内温度を自動制御する車室内温度自動制御手段を備え、かつ、該車室内温度自動制御手段による冷却器冷却能力の調節量の自動制御領域を、前記加熱器能力調節手段の操作量に応じた特定の領域に限定したことを特徴とするものからなる。すなわち、車室内温度自動制御手段による自動制御するか否かを加熱器能力調節手段の操作量に応じて決定する。
【0008】
この車両用空調装置においては、車室内温度目標値設定手段を備え、該車室内温度目標値設定手段の設定量と前記加熱器能力調節手段の操作量とが互いに関連させた構成とすることができる。この場合、車室内温度目標値設定手段と前記加熱器能力調節手段が一つの操作手段で調節することが可能に兼用されている構成とすることもでき、車室内温度目標値設定手段と前記加熱器能力調節手段がそれぞれ別の操作手段として構成され、両操作手段が互いに連動されている構成とすることもできる。
【0009】
また、本発明に係る車両用空調装置においては、冷却器温度目標値設定手段を備え、前記冷却器冷却能力の調節量の自動制御領域においては、前記冷却器温度目標値設定手段による冷却器温度目標値が上限値を有する構成とすることができる。この場合、冷却器冷却能力の調節を自動制御しない領域においては、前記冷却器温度目標値設定手段による冷却器温度目標値の下限値を前記自動制御領域の冷却器温度目標値の上限値とし、前記加熱器能力調節手段の操作量に応じて該操作量と相関を持つように冷却器温度目標値を制御することもできるし、前記冷却器冷却能力の調節を自動制御しない領域においては、前記冷却器温度目標値設定手段による冷却器温度目標値を前記冷却器温度目標値の上限値とし、前記加熱器能力調節手段の操作量とは無関係に、冷却器温度目標値をその一定値に制御するようにすることもできる。
【0010】
また、前記冷却器能力調節手段は、前記冷却器に冷媒を循環させる冷凍回路中に設けられた圧縮機の容量制御手段を有しており、圧縮機の容量制御によって冷却器能力が調節される。
【0011】
上記圧縮機の容量制御手段としては、圧縮機の容量を圧縮機の稼働/非稼働の断続運転で制御する手段、外部信号により圧縮機の容量を任意に制御可能な手段、圧縮機の容量を圧縮機の回転数で制御する手段のいずれに構成してもよい。
【0012】
上記のように構成された本発明に係る車両用空調装置においては、加熱器能力調節手段の操作量に応じて、加熱器への通風が実質的に要求されない領域においてのみ、車室内温度自動制御手段により冷却器冷却能力の調節量が自動制御され、この領域では、着霜限界温度とある設定温度(第1設定温度)との間で、最も効率のよい運転が行われるよう、冷却器冷却能力が自動制御され(オートエアコン機能)、この領域で可能な圧縮機の省動力化が達成される。そして、その他の領域、つまり、基本的に多かれ少なかれ加熱器能力調節が要求される領域においては、マニュアルエアコンに近い調節が行われる。ただし、従来のマニュアルエアコンのように冷却器冷却能力を着霜限界温度まで下げてそれを加熱器で加熱して目標温度にするのではなく、冷却器冷却能力を、上記第1設定温度と同等か、それよりも高い温度に調節し(つまり、従来の着霜限界温度よりもはるかに高い温度に調節し)、その前提条件下にて加熱器による加熱動作を加えて目標とする温度に制御する。したがって、従来のように一旦着霜限界温度まで下げてそれを加熱器により再加熱する場合に比べて、目標温度に制御するためのエネルギー、つまり、加熱器で消費する動力に加え、とくに冷却器側における圧縮機で消費する動力が大幅に低減される。したがって、圧縮機の省動力化が達成され、それによって車両の燃料消費率が向上されることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る車両用空調装置の機器系統図を示している。図1において、1は、車両用空調装置の機械的な構成部分全体を示しており、通風回路と冷凍回路が設けられている。通風ダクト2の入口側には、内気導入口3側からの空気吸入量と外気導入口4側からの空気吸入量との割合を制御する内外気切替ダンパ5が設けられている。吸入された空気は、モータ6により駆動される送風機7によってダクト2内を吸引、圧送される。通風ダクト2内には、冷却器としての蒸発器8と、その下流側に配置された加熱器としての温水ヒータ9が設けられており、温水ヒータ9にはエンジンからのエンジン冷却水10が循環され、それによって加熱されるようになっている。
【0014】
冷却器として設けられた蒸発器8には、冷凍回路11内を循環される冷媒が供給される。冷媒は、クラッチ制御により容量を可変制御できる固定容量式圧縮機(コンプレッサ)12で圧縮され、凝縮器13で凝縮された後、受液器14、膨張弁15を介して蒸発器8に送られ、蒸発器8から圧縮機12に吸入される。圧縮機12の運転は、本実施例では、クラッチコントローラ16の制御を介して、制御されるようになっており、それによって冷却器としての蒸発器8による冷却能力を調節できるようになっている。
【0015】
温水ヒータ9の直下流側にはエアミックスダンパ17が設けられており、前記送風機7の送風量を調節し、エアミックスダンパ17の開度を調節することにより、吹出温度を調節できるようになっている。エアミックスダンパ17は、ワイヤー18(ワイヤーリンク)を介した機械的な方法で駆動される。具体的には、車室内温度調節器19(温度調節レバー)により、乗員が手動で設定する。つまり、車室内温度調節器19の操作量(調節量)と、エアミックスダンパ17の開度とは実質的に対応している。エアミックスダンパ17の軸には回転式ボリューム20(可変抵抗器)が取り付けられており、メインコントローラ21は抵抗値の変化による電気的な信号を受けて、ダンパ開度を認識する。
【0016】
温調された空気は、各吹出口22、23、24(たとえば、DEF、VENT、FOOT吹出口)を介して車室内に吹き出される。各吹出口22、23、24には、それぞれダンパ25、26、27が設けられている。
【0017】
上記圧縮機12のクラッチコントローラ16は、メインコントローラ21からの信号に基づいて制御されるようになっている。メインコントローラ21には、車室内温度センサ28からの検出信号が入力されるようになっている。また、冷却器8の出口側に、冷却器出口空気温度センサ29が設けられており、その検出信号がメインコントローラ21に入力されるようになっている。
【0018】
制御は、図2、図3に示すように行われ、車室内温度調節器19の操作量(エアミックスダンパ17の開度)に応じて、本発明における車室内温度自動制御手段による冷却器冷却能力の調節量の自動制御領域と、その他の領域とに分けた形態で行われる。
【0019】
図2、図3に示すように、車室内温度調節器19の操作に対応してエアミックスダンパ17の開度(AMD)がMAX COOL付近に設定されると(開度が0またはその付近)、加熱器9を通過する空気が遮断されるが、この特定の限定された領域(図3の斜線領域)では、後述のフィードフォワード制御方法で、車室内温度TR(車室内温度センサ28による検出温度)、車室内温度目標値Tsetから目標吹出温度Tocを算出し、クラッチコントローラ16により、冷却器出口空気温度目標値TVを自動制御し、自動制御された冷却器能力の調節量にて車室内温度が制御される。但し、車室内温度目標値は、予め温度調節レバー位置に対応させて定められているTset1、Tset2により決定される。また、車室内湿度上昇および、温度調節レバー上昇時における吹出温度低下防止のため、冷却器温度目標値制御範囲は、着霜限界温度〜第1温度設定値までとしている。この第1温度設定値は、この自動制御領域における冷却器温度目標値制御範囲(冷却器冷却能力制御範囲)の上限値である。
【0020】
エアミックスダンパ開度がMAX COOL付近以外、すなわち加熱器能力を利用して車室内温度を制御する場合には、エアミックスダンパ開度に応じて、冷却器出口空気温度目標値を上記第1温度設定値と同等か、より高い温度に制御して加熱器9による再加熱量を低減しながら、車室内温度を制御する。図3に示す制御形態では、温度調節レバー位置がMAX COOLよりエアミックスダンパ開度約50%の位置までは、ダンパ開度に応じて冷却器出口空気温度目標値を比例的に上げてゆくが、ダンパ開度50%以降は、冷却器出口空気温度目標値を第2温度設定値一定にて制御するようにしている(この領域は暖房用として使われることを想定している)。
【0021】
このように、限定された特定領域のみ冷却器出口空気温度目標値TVを自動制御し、他の領域では、第1温度設定値(つまり、着霜限界温度よりもはるかに高い温度)以上に冷却器出口空気温度目標値TVに制御することにより、従来のマニュアルエアコンに比べて、目標吹出温度に制御するためのエネルギー、とくに圧縮機の動力が大幅に低減される。また、上記自動制御領域は、実質的に加熱動作を必要としない低温領域に限定されるから、温度上昇させる際の車室内湿度上昇の問題は発生しない。
【0022】
なお、図3に示した制御形態では、自動制御以外の領域における冷却器出口空気温度目標値TVを、温度調節レバー位置(エアミックスダンパ開度)に応じて変化させるようにしたが、たとえば図4に示すように、この領域において、エアミックスダンパ開度と無関係に、冷却器出口空気温度を第1温度設定値(自動制御領域における上限値)に一定値制御することもでき、この場合にも加熱器による再加熱量を大幅に低減して車室内温度を制御することが可能である。
【0023】
図2に示した自動制御領域における制御では、制御の簡素化をはかるため、フィードフォワード主体の制御形態を採用している。上述の如く、温度調節レバー位置(エアミックスダンパ開度)に応じて設定される車室内温度設定値Tsetに基づいて、たとえば図5に基本概念を示すように、設定温度31に応じて、予め設定した初期値(たとえば、常温の25℃)からその設定温度目標値に到達するまでの目標値応答モデルが車室内温度目標応答算出手段32によりF(S)として演算される。この演算結果に基づいて、目標吹出温度の制御対象モデルが、フィードフォワード制御入力予測手段33により1/P’(S)のフィードフォワード制御入力として演算される。
【0024】
このフィードフォワード制御入力予測信号に、車室内温度センサ28からの車室内温度検出信号34によるフィードバックが加えられる。つまり、上記予測制御量としての目標値応答モデルF(S)と、フィードバックされた車室内温度検出信号34の偏差がPID演算される。そして、上記フィードフォワード信号1/P’(S)と、上記PID演算された補正信号(フィードバック信号)とが加算され、これが目標吹出温度の制御信号、つまり、本実施態様では、冷却器出口空気温度制御の基本信号として出力される。この冷却器出口空気温度制御の基本信号は、冷却器出口空気温度目標値演算手段35により、クラッチコントローラ16へのクラッチ信号36として演算され、出力される。このクラッチ信号36により、実際にクラッチコントローラ16が制御され、冷却器出口空気温度が上記目標値となるように制御され、車室内温度が目標値となるように制御される。
【0025】
すなわち、図6に示すように、設定温度に対し、制御開始時からの過渡特性を含む目標応答から適切に算出されて指定され、それからフィードフォワード制御量が予測され、そのフィードフォワード制御量に、実際の車室内検出温度と目標応答値との差分がフィードバックされ、そのフィードフォワード制御入力とフィードバックとの和が実際の制御量の基本信号とされる。つまり、基本的には制御系を簡単に構成できるフィードフォワード制御系とし、それに唯一車室内検出温度に基づく信号がフィードバックされて、フィードフォワード制御入力がより適切な信号量に修正されて実際の制御が行われる。
【0026】
より具体的な制御ブロック図として示された図2の制御は、図5に示した基本制御に基づくものである。すなわち、Tsetとして設定された車室内温度目標値に応じて車室内温度応答モデルの目標値Tfが、
Tf=(TL×Tset+Tc×Tf(前回値))/(Tc+TL)
の一次遅れ近似の差分方程式として演算される。ここで、
TL:制御周期
Tc:車室内温度応答性指定パラメータ
である。
【0027】
目標吹出温度Tocの演算に際しては、目標吹出温度のフィードフォワード予測演算値Toc1が車室内温度応答目標値Tfに対して算出される。この演算項は、制御対象の車室内温度の応答変化を考慮した動特性モデルを有しており、その動特性モデルを、静特性式Tff1と、一次遅れを近似した差分方程式Tff2で近似したものである。本来、車室内温度応答モデル出力Tfを、制御対象の車室内温度動特性モデルへ入力するとToc1出力となるわけであるが、実際は、車室内温度応答モデルと、制御対象の動特性モデルを結合させたものと同等であるため、この結合したものを採用したものであり、結局、入力値としてはTsetとなる。
【0028】
そして、車室内温度応答目標値Tfと実際に検出された車室内温度TRとから、目標吹出温度のフィードバック演算値Toc2が算出される。
【0029】
これら目標吹出温度のフィードフォワード予測演算値Toc1とフィードバック演算値Toc2との和により、目標吹出温度Tocが、
Toc=Toc1+Toc2
として算出される。
【0030】
目標吹出温度Tocの参照により、冷却器出口空気温度目標演算値TVが算出され、検出された冷却器出口空気温度Teを考慮しつつ、クラッチ信号が発せられて、クラッチコントローラ16により冷却器出口空気温度が制御され、前述の自動制御領域内における車室内温度が制御される。
【0031】
クラッチコントローラ16によるクラッチ制御条件は、図7にも示すように、たとえば、Te>TV+1のときをクラッチON条件とし、Te<TV−1のときをクラッチOFF条件とすればよい。
【0032】
なお、上記実施態様ではクラッチコントローラ16によるクラッチの稼働/非稼働の制御により圧縮機の容量制御を行うようにしたが、他の手法によって圧縮機の容量制御を行ってもよい。たとえば、可変容量圧縮機を使用し、外部信号に基づいて任意に容量制御できるようにしてもよく、圧縮機の回転数制御により容量制御できるようにしてもよい。
【0033】
また、本発明においては、車室内温度目標値設定手段と加熱器能力調節手段が一つの操作手段で調節可能に兼用されていてもよい。たとえば図8に示すように、前述の車室内温度調節器19が、車室内温度目標値設定手段としても機能し、かつ、加熱器能力調節手段としてのエアミックスダンパ開度調節手段としても機能するように構成し、この車室内温度調節器19に実質的に図3や図4に示したTset1 およびTset2 が設定されている構成とすることができる。
【0034】
あるいは、たとえば図9に示すように、車室内温度目標値設定手段41と加熱器能力調節手段42がそれぞれ別の操作手段として構成されている場合には、両操作手段41、42が互いに連動されている構成とすることもできる。連動手段43は、たとえばリンクやワイヤー等の機械的手段によって容易に構成できる。図9に示す例では、加熱器能力調節手段42のレバー位置が0のときには車室内温度目標値設定手段41のボリューム位置がTset1 となり、加熱器能力調節手段42のレバー位置が1のときには車室内温度目標値設定手段41のボリューム位置がTset2 になるようになっている。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置によれば、車室内湿度上昇の問題を生じることなく、従来のマニュアルエアコンに比べ、圧縮機の省動力を達成でき、車両の燃料消費率の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る車両用空調装置の概略構成図である。
【図2】図1の装置の制御ブロック図である。
【図3】図1の装置における車室内温度調節器・エアミックスダンパ・冷却器出口空気温度目標値の操作/制御特性を示す概略構成図である。
【図4】図3の変形例に係る車室内温度調節器・エアミックスダンパ・冷却器出口空気温度目標値の操作/制御特性を示す概略構成図である。
【図5】図1の装置における自動制御領域でのフィードフォワード制御の基本構成を示すブロック図である。
【図6】図5の制御形態における概念を示す特性図である。
【図7】クラッチ制御例を示す特性図である。
【図8】加熱器能力調節手段と車室内温度目標値設定手段との兼用例を示す正面図である。
【図9】加熱器能力調節手段と車室内温度目標値設定手段との別構成・連動作動例を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 車両用空調装置
2 通風ダクト
6 モータ
7 送風機
8 冷却器としての蒸発器
9 加熱器としての温水ヒータ
10 エンジン冷却水
11 冷凍回路
12 固定容量式圧縮機
13 凝縮器
14 受液器
15 膨張弁
16 クラッチコントローラ
17 エアミックスダンパ
18 ワイヤー
19 車室内温度調節器
20 回転式ボリューム(可変抵抗器)
21 メインコントローラ
22、23、24 吹出口
25、26、27 ダンパ
28 車室内温度センサ
29 冷却器出口空気温度センサ
32 車室内温度目標応答算出手段
33 フィードフォワード制御入力予測手段
35 冷却器出口空気温度目標値演算手段
41 車室内温度目標値設定手段
42 加熱器能力調節手段
43 連動手段

Claims (11)

  1. 車室内に吹き出す空気を冷却する冷却器と、該冷却器の冷却能力を調節する冷却器能力調節手段と、車室内に吹き出す空気を加熱する加熱器と、該加熱器の加熱能力を調節する加熱器能力調節手段と、車室内温度を検知する車室内温度検知手段とを備えた車両用空調装置において、前記車室内温度検知手段からの情報に基づいて前記冷却器能力調節手段による冷却能力の調節量を制御することにより車室内温度を自動制御する車室内温度自動制御手段を備え、かつ、該車室内温度自動制御手段による冷却器冷却能力の調節量の自動制御領域を、前記加熱器能力調節手段の操作量に応じた特定の領域に限定したことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 車室内温度目標値設定手段を備え、該車室内温度目標値設定手段の設定量と前記加熱器能力調節手段の操作量とが互いに関連されている、請求項1の車両用空調装置。
  3. 前記車室内温度目標値設定手段と前記加熱器能力調節手段が一つの操作手段で調節可能に兼用されている、請求項2の車両用空調装置。
  4. 前記車室内温度目標値設定手段と前記加熱器能力調節手段がそれぞれ別の操作手段として構成され、両操作手段が互いに連動されている、請求項2の車両用空調装置。
  5. 冷却器温度目標値設定手段を備え、前記冷却器冷却能力の調節量の自動制御領域においては、前記冷却器温度目標値設定手段による冷却器温度目標値が上限値を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用空調装置。
  6. 前記冷却器冷却能力の調節を自動制御しない領域においては、前記冷却器温度目標値設定手段による冷却器温度目標値の下限値を前記自動制御領域の冷却器温度目標値の上限値とし、前記加熱器能力調節手段の操作量に応じて該操作量と相関を持つように冷却器温度目標値を制御する、請求項5の車両用空調装置。
  7. 前記冷却器冷却能力の調節を自動制御しない領域においては、前記冷却器温度目標値設定手段による冷却器温度目標値を前記冷却器温度目標値の上限値とし、前記加熱器能力調節手段の操作量とは無関係に、冷却器温度目標値をその一定値に制御する、請求項5の車両用空調装置。
  8. 前記冷却器能力調節手段が、前記冷却器に冷媒を循環させる冷凍回路中に設けられた圧縮機の容量制御手段を有している、請求項1〜7のいずれかに記載の車両用空調装置。
  9. 前記圧縮機の容量制御手段が、圧縮機の容量を圧縮機の稼働/非稼働の断続運転で制御する手段からなる、請求項8の車両用空調装置。
  10. 前記圧縮機の容量制御手段が、外部信号により圧縮機の容量を任意に制御可能な手段からなる、請求項8の車両用空調装置。
  11. 前記圧縮機の容量制御手段が、圧縮機の容量を圧縮機の回転数で制御する手段からなる、請求項8の車両用空調装置。
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