JP6853036B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents
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Description
ヒートポンプコントローラ32により(オートモード)或いは空調操作部53へのマニュアル操作(マニュアルモード)により暖房モードが選択されると、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁21(暖房用)を開放し、電磁弁17(冷房用)を閉じる。また、電磁弁30(リヒート用)を開放し、電磁弁40(バイパス用)を閉じる。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、基本的には室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全て空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とするが、風量を調整してもよい。
次に、除湿暖房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、基本的には室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全て空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とするが、風量の調整も行う。
次に、除湿冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を開放し、電磁弁40を閉じる。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、基本的には室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全て空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とするが、風量の調整も行う。
次に、冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は上記除湿冷房モードの状態において室外膨張弁6の弁開度を全開とする。そして、圧縮機2を運転し、補助ヒータ23には通電しない。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の空気が、暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。
次に、最大冷房モードとしてのMAX冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2を運転し、補助ヒータ23には通電しない。空調コントローラ20は、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の空気が、暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。
尚、実施例の制御装置11は室外熱交換器7に過着霜が生じた場合などに、冷媒回路Rの圧縮機2と室外送風機15を停止し、補助ヒータ23に通電してこの補助ヒータ23のみで車室内を暖房する補助ヒータ単独モードを有している。この場合にも、ヒートポンプコントローラ32は補助ヒータ温度センサ50が検出する補助ヒータ温度Tptcと前述した目標ヒータ温度TCOに基づいて補助ヒータ23の通電(発熱)を制御する。
空調コントローラ20は、下記式(I)から前述した目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは、車室内に吹き出される空気の温度の目標値である。
TAO=(Tset−Tin)×K+Tbal(f(Tset、SUN、Tam))
・・(I)
ここで、Tsetは空調操作部53で設定された車室内の設定温度、Tinは内気温度センサ37が検出する室内温度、Kは係数、Tbalは設定温度Tsetや、日射センサ51が検出する日射量SUN、外気温度センサ33が検出する外気温度Tamから算出されるバランス値である。そして、一般的に、この目標吹出温度TAOは外気温度Tamが低い程高く、外気温度Tamが上昇するに伴って低下する。
次に、図4を用いて前述した暖房モードにおける圧縮機2の制御について詳述する。図4は暖房モード用の圧縮機2の目標回転数(圧縮機目標回転数)TGNChを決定するヒートポンプコントローラ32の制御ブロック図である。ヒートポンプコントローラ32のF/F(フィードフォワード)操作量演算部58は外気温度センサ33から得られる外気温度Tamと、室内送風機27のブロワ電圧BLVと、SW=(TAO−Te)/(TH−Te)で得られるエアミックスダンパ28による風量割合SWと、放熱器4の出口における過冷却度SCの目標値である目標過冷却度TGSCと、放熱器4の温度の目標値である前述した目標ヒータ温度TCO(空調コントローラ20から送信される)と、放熱器4の圧力の目標値である目標放熱器圧力PCOに基づいて圧縮機目標回転数のF/F操作量TGNChffを演算する。
TH=(INTL×TH0+Tau×THz)/(Tau+INTL) ・・(II)
ここで、INTLは演算周期(定数)、Tauは一次遅れの時定数、TH0は一次遅れ演算前の定常状態における加熱温度THの定常値、THzは加熱温度THの前回値である。このように加熱温度THを推定することで、格別な温度センサを設ける必要がなくなる。
一方、図5は前記除湿暖房モード用の圧縮機2の目標回転数(圧縮機目標回転数)TGNCcを決定するヒートポンプコントローラ32の制御ブロック図である。ヒートポンプコントローラ32のF/F操作量演算部63は外気温度Tamと、空気流通路3に流入した空気の体積風量Gaと、放熱器4の圧力(放熱器圧力PCI)の目標値である目標放熱器圧力PCOと、吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)の目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機目標回転数のF/F操作量TGNCcffを演算する。
次に、図3を参照しながら空調コントローラ20によるエアミックスダンパ28の制御について説明する。図3においてGaは前述した空気流通路3に流入した空気の体積風量、Teは吸熱器温度、THは前述した加熱温度(放熱器4の風下側の空気の温度)である。
SW=(TAO−Te)/(TH−Te) ・・(III)
次に、図7を参照しながら、車両用空気調和装置1を、前述したMAX冷房モード(最大冷房モード)から運転を停止する際にヒートポンプコントローラ32が実行する騒音改善制御について説明する。図7のタイミングチャートは、MAX冷房モードから運転を停止する際の圧縮機2の回転数NC、及び、室外膨張弁6の弁開度と、電磁弁40(本発明の第2の開閉弁)、電磁弁30(本発明の第1の開閉弁)、電磁弁17、及び、電磁弁21の開閉状態をそれぞれ示している。
MAX冷房モードから運転を停止する際、MAX冷房モードにおいては電磁弁30の前後の圧力差ΔPdcは大きい値となっている。また、電磁弁30は非通電(運転停止)の状態で開く。そのため、MAX冷房モードでは閉じている電磁弁30が、係る圧力差のままで非通電(運転停止)となって開くと、圧縮機2の吐出側から電磁弁30を経て放熱器4の入口側の方向に冷媒配管13G内を冷媒が急激に流れ、電磁弁30において大きな音(騒音)が発生することになる。
ここで、上記実施例(MAX冷房モードから運転を停止する際の騒音改善制御(その1))以外にも、例えば、ヒートポンプコントローラ32が、MAX冷房モードから運転を停止する際の騒音改善制御において、室外膨張弁6の弁開度を、電磁弁30の前後の圧力差ΔPdcに基づくフィードバック制御により拡大するようにしても良い。
また、上記各制御(MAX冷房モードから運転を停止する際の騒音改善制御(その1)と(その2))以外に、圧縮機2を停止してから所定時間後に電磁弁30を非通電とするようにしても良い。具体的には、ヒートポンプコントローラ32はMAX冷房モードで運転している状態から車両用空気調和装置1の運転を停止する際、先ず圧縮機2を停止し、前述の各実施例のように室外膨張弁6を開いてその弁開度を拡大する。そして、圧縮機2を停止してから所定時間T3(例えば、30秒等)が経過した場合、車両用空気調和装置1は制御装置11(空調コントローラ20とヒートポンプコントローラ32)の電源をOFFし、電磁弁30も開放を許可する。即ち、電磁弁30を非通電として開く。
2 圧縮機
3 空気流通路
4 放熱器
6 室外膨張弁
7 室外熱交換器
8 室内膨張弁
9 吸熱器
10 HVACユニット
11 制御装置
20 空調コントローラ
23 補助ヒータ(補助加熱装置)
27 室内送風機(ブロワファン)
28 エアミックスダンパ
30 電磁弁(第1の開閉弁)
32 ヒートポンプコントローラ
35 バイパス配管
40 電磁弁(第2の開閉弁)
42 吐出圧力センサ
54 室外熱交換器温度センサ
65 車両通信バス
R 冷媒回路
Claims (5)
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、
車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
冷媒を吸熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
前記車室外に設けられた室外熱交換器と、
前記放熱器を出て前記室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、
前記圧縮機の吐出側と前記放熱器の入口側の間に設けられた第1の開閉弁と、
該第1の開閉弁の上流側で分岐し、前記放熱器及び前記室外膨張弁をバイパスして前記圧縮機から吐出された冷媒を前記室外熱交換器に流すためのバイパス配管と、
該バイパス配管に設けられた第2の開閉弁と、
制御装置を備え、
該制御装置により少なくとも、前記室外膨張弁を全閉とし、前記第1の開閉弁を閉じ、前記第2の開閉弁を開くことで、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記バイパス配管により前記室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる運転モードを実行する車両用空気調和装置において、
前記制御装置は、前記運転モードで運転している状態から停止する際、前記第1の開閉弁前後の圧力差が所定値より低くなるまで当該第1の開閉弁の開放を禁止すると共に、
前記圧縮機を停止し、前記室外膨張弁を開き、その弁開度を前記第1の開閉弁前後の圧力差に基づくフィードバック制御により拡大することを特徴とする車両用空気調和装置。 - 前記制御装置は、前記第1の開閉弁前後の圧力差にかかわらず、前記圧縮機を停止してから所定時間が経過した場合、前記第1の開閉弁の開放を許可することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
- 前記第1の開閉弁は通電状態で閉じ、非通電状態で開く電磁弁であると共に、
前記制御装置は、前記運転モードで運転している状態から停止する際、前記圧縮機を停止した後も電源が供給され、前記第1の開閉弁を通電された状態に維持し、前記第1の開閉弁前後の圧力差が所定値より低くなった場合、又は、前記圧縮機を停止してから所定時間経過した場合に電源供給が絶たれ、前記第1の開閉弁を非通電とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空気調和装置。 - 前記運転モードは、前記室外膨張弁を全閉とし、前記第1の開閉弁を閉じ、前記第2の開閉弁を開くことで、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記バイパス配管により前記室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる最大冷房モードであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
- 前記空気流通路内に設けられた補助加熱装置を備え、
前記運転モードは、前記室外膨張弁を全閉とし、前記第1の開閉弁を閉じ、前記第2の開閉弁を開くことで、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記バイパス配管により前記室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させると共に、前記補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モードであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
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