JP6831239B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の車室内を空調するヒートポンプ式の空気調和装置に関するものである。
近年の環境問題の顕在化から、ハイブリッド自動車や電気自動車が普及するに至っている。そして、このような車両に適用することができる空気調和装置として、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、冷媒を放熱させて車室内に供給する空気を加熱する放熱器と、冷媒を吸熱させて車室内に供給する空気を冷却する吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、室外熱交換器に流入する冷媒を減圧する室外膨張弁と、吸熱器に流入する冷媒を減圧する室内膨張弁を備え、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、この放熱器において放熱した冷媒を室外熱交換器において吸熱させることで車室内を暖房する暖房モードや、室外膨張弁を全開とし、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外膨張弁を経て室外熱交換器に流し、この室外熱交換器で放熱させ、放熱した冷媒を室内膨張弁で減圧した後、吸熱器で吸熱させることで車室内を冷房する冷房モードを切り換えて実行するものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−94676号公報
ここで、この種車両用空気調和装置には、圧縮機の吐出冷媒圧力や吐出冷媒温度が上昇して所定の制限閾値に到達した場合、圧縮機の回転数を低下(制限)させて圧縮機の保護を行う回転数制限制御が行われる。この回転数制限制御によって圧縮機の吐出冷媒圧力や吐出冷媒温度の上昇を抑え、制限閾値を超えないように圧縮機の回転数は制限されるものであるが、冷房モードでは圧縮機から吐出された冷媒が放熱器や室外膨張弁を通るため、比較的狭い径の管路を冷媒が通過することになり、例えば高負荷の条件下では吐出冷媒圧力や吐出冷媒温度が高くなり、回転数制限制御に入り易い。また、車両用空気調和装置では外気導入と内気循環を切り換え可能とされているが、外気温度が高い環境下で冷房モードにおいて外気導入の状態とされた場合にも、吐出冷媒圧力や吐出冷媒温度が高くなって回転数制限制御に入り易くなる。
一方で、係る回転数制限制御が行われると、圧縮機の回転数が低下することによって吸熱器の温度が目標とする温度に到達できなくなり、快適な車室内冷房を実現することが難しくなると云う問題が発生していた。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、圧縮機の回転数制限制御が行われる車両用空気調和装置においても、快適な車室内冷房を実現することを目的とする。
請求項1の発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を吸熱させるための室外熱交換器と、この室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、吸熱器に流入する冷媒を減圧するための室内膨張弁と、制御装置とを備え、この制御装置により、室外膨張弁を全開とし、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外膨張弁を経て室外熱交換器に流し、この室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を室内膨張弁で減圧した後、吸熱器にて吸熱させる冷房モードを実行するものであって、放熱器及び室外膨張弁をバイパスして圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に直接流入させるためのバイパス装置を備え、制御装置は、圧縮機の吐出冷媒圧力Pd、又は、吐出冷媒温度Tdが所定の制限閾値以上となった場合に圧縮機の回転数を制限する回転数制限制御を実行すると共に、冷房モードで運転中に回転数制限制御となり、且つ、吸熱器の温度である吸熱器温度Teが上昇した場合、室外膨張弁を全閉とし、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流すこと無く、バイパス装置により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を室内膨張弁で減圧した後、吸熱器にて吸熱させる最大冷房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項2の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御装置は、冷房モードで運転中に回転数制限制御となり、且つ、吸熱器温度Teが、その目標値である目標吸熱器温度TEOより高い状態が所定時間継続した場合、最大冷房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項3の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において制御装置は、最大冷房モードに切り換えた後、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器の温度の目標値である目標ヒータ温度TCOを達成できない場合、又は、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器によるリヒート要求がある場合、冷房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項4の発明の車両用空気調和装置は、請求項1又は請求項2の発明において、空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置を備え、制御装置は、最大冷房モードに切り換えた後、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器の温度の目標値である目標ヒータ温度TCOを達成できない場合、又は、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器によるリヒート要求がある場合、補助加熱装置を発熱させることを特徴とする。
請求項5の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御装置は、最大冷房モードに切り換えた後、回転数制限制御では無くなり、且つ、目標ヒータ温度TCOを達成できない場合、又は、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器によるリヒート要求がある場合、外気温度が高い状況で補助加熱装置を発熱させ、外気温度が低い状況では冷房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項6の発明の車両用空気調和装置は、請求項3乃至請求項5の発明において、制御装置は、放熱器の風下側の空気の温度である加熱温度THが目標ヒータ温度TCOより低い状態が所定時間継続した場合、目標ヒータ温度TCOを達成できないと判断することを特徴とする。
請求項7の発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を吸熱させるための室外熱交換器と、この室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、吸熱器に流入する冷媒を減圧するための室内膨張弁と、少なくとも空気流通路に外気を導入する外気導入モードと空気流通路に車室内の空気を導入する内気循環モードとを切り換えるための吸込切換ダンパと、制御装置とを備え、この制御装置により、室外膨張弁を全開とし、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外膨張弁を経て室外熱交換器に流し、この室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を室内膨張弁で減圧した後、吸熱器にて吸熱させる冷房モードを実行するものであって、放熱器及び室外膨張弁をバイパスして圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に直接流入させるためのバイパス装置を備え、制御装置は、圧縮機の吐出冷媒圧力Pd、又は、吐出冷媒温度Tdが所定の制限閾値以上となった場合に圧縮機の回転数を制限する回転数制限制御を実行すると共に、冷房モードで運転中に外気導入モードとされた場合、室外膨張弁を全閉とし、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流すこと無く、バイパス装置により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を室内膨張弁で減圧した後、吸熱器にて吸熱させる最大冷房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項8の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御装置は、外気温度が高い状況において、冷房モードで運転中に外気導入モードとされた場合、最大冷房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項9の発明の車両用空気調和装置は、請求項7又は請求項8の発明において制御装置は、最大冷房モードに切り換えた後、外気温度が低くなった場合、又は、外気導入モード以外の状態とされた場合、冷房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を吸熱させるための室外熱交換器と、この室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、吸熱器に流入する冷媒を減圧するための室内膨張弁と、制御装置とを備え、この制御装置により、室外膨張弁を全開とし、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外膨張弁を経て室外熱交換器に流し、この室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を室内膨張弁で減圧した後、吸熱器にて吸熱させる冷房モードを実行する車両用空気調和装置において、放熱器及び室外膨張弁をバイパスして圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に直接流入させるためのバイパス装置を設け、制御装置が、圧縮機の吐出冷媒圧力Pd、又は、吐出冷媒温度Tdが所定の制限閾値以上となった場合に圧縮機の回転数を制限する回転数制限制御を実行すると共に、冷房モードで運転中に回転数制限制御となり、且つ、吸熱器の温度である吸熱器温度Teが上昇した場合、室外膨張弁を全閉とし、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流すこと無く、バイパス装置により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を室内膨張弁で減圧した後、吸熱器にて吸熱させる最大冷房モードに切り換えるようにしたので、冷房モードで運転中に例えば高負荷条件となり、圧縮機の吐出冷媒圧力Pd、又は、吐出冷媒温度Tdが所定の制限閾値以上となって回転数制限制御に入り、吸熱器温度Teが上昇した場合には、最大冷房モードに切り換わることになる。
この最大冷房モードでは、バイパス装置によって圧縮機から吐出された冷媒は放熱器と室外膨張弁には流れず、室外熱交換器に直接流入するようになるので、比較的狭い径の管路がバイパスされ、圧縮機の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値に上昇し難くなる。これにより、回転数制限制御では無くなって吸熱器の温度を制御することができるようになるので、快適な車室内冷房を実現することができるようになる。
この場合、請求項2の発明の如く制御装置が、冷房モードで運転中に回転数制限制御となり、且つ、吸熱器温度Teが、その目標値である目標吸熱器温度TEOより高い状態が所定時間継続した場合、最大冷房モードに切り換えるようにすることで、的確に吸熱器温度Teの上昇を判定して、円滑に冷房モードから最大冷房モードへの切り換えを実現することができるようになる。
ここで、最大冷房モードでは放熱器でのリヒート(再加熱)が行われなくなるため、車室内に吹き出される空気の温度が低くなり過ぎる可能性があるが、請求項3の発明の如く制御装置が、最大冷房モードに切り換えた後、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器の温度の目標値である目標ヒータ温度TCOを達成できない場合、又は、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器によるリヒート要求がある場合、冷房モードに切り換えるようにすることで、適切に最大冷房モードから冷房モードに切り換えて快適な車室内冷房を継続することができるようになる。
一方、請求項4の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明に加えて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置が設けられている場合、制御装置が、最大冷房モードに切り換えた後、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器の温度の目標値である目標ヒータ温度TCOを達成できない場合、又は、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器によるリヒート要求がある場合、補助加熱装置を発熱させることで、最大冷房モードでの吸熱器による加熱と補助加熱装置によるリヒート(再加熱)で快適な車室内冷房を継続することができるようになる。
この場合、請求項5の発明の如く制御装置が、外気温度が高い状況で補助加熱装置を発熱させ、外気温度が低い状況では冷房モードに切り換えるようにすることで、補助加熱装置によるリヒートを外気温度が高い状況の場合のみに限定して、運転効率の悪化を解消、若しくは、抑制することができるようになる。
また、請求項6の発明の如く制御装置が、放熱器の風下側の空気の温度である加熱温度THが目標ヒータ温度TCOより低い状態が所定時間継続した場合、目標ヒータ温度TCOを達成できないと判断するようにすることで、的確に最大冷房モードから冷房モードへの切り換えを行い、又は、補助加熱装置を発熱させて快適な車室内冷房を円滑に継続することができるようになる。
請求項7の発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を吸熱させるための室外熱交換器と、この室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、吸熱器に流入する冷媒を減圧するための室内膨張弁と、少なくとも空気流通路に外気を導入する外気導入モードと空気流通路に車室内の空気を導入する内気循環モードとを切り換えるための吸込切換ダンパと、制御装置とを備え、この制御装置により、室外膨張弁を全開とし、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外膨張弁を経て室外熱交換器に流し、この室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を室内膨張弁で減圧した後、吸熱器にて吸熱させる冷房モードを実行する車両用空気調和装置において、放熱器及び室外膨張弁をバイパスして圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に直接流入させるためのバイパス装置を設け、制御装置が、圧縮機の吐出冷媒圧力Pd、又は、吐出冷媒温度Tdが所定の制限閾値以上となった場合に圧縮機の回転数を制限する回転数制限制御を実行すると共に、冷房モードで運転中に外気導入モードとされた場合、室外膨張弁を全閉とし、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流すこと無く、バイパス装置により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を室内膨張弁で減圧した後、吸熱器にて吸熱させる最大冷房モードに切り換えるようにしたので、冷房モードで運転中に外気導入モードとされ、圧縮機の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値以上となることが予想される場合には、最大冷房モードに切り換わることになる。
この最大冷房モードでは、同様にバイパス装置によって圧縮機から吐出された冷媒は放熱器と室外膨張弁には流れず、室外熱交換器に直接流入するようになるので、比較的狭い径の管路がバイパスされ、圧縮機の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値に上昇し難くなる。これにより、回転数制限制御に入ることが予想される外気導入モードにおいても吸熱器の温度を制御することができるようになるので、快適な車室内冷房を実現することができるようになる。
この場合、外気温度が高いときに外気導入モードとなると、圧縮機の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値に上昇すると予想されるので、請求項8の発明の如く制御装置が、外気温度が高い状況において、冷房モードで運転中に外気導入モードとされた場合、最大冷房モードに切り換えるようにすることで、外気温度を考慮して適切に最大冷房モードへの切り換えを行うことができるようになる。
また、請求項9の発明の如く制御装置が、最大冷房モードに切り換えた後、外気温度が低くなった場合、又は、外気導入モード以外の状態とされた場合、冷房モードに切り換えることで、適切に最大冷房モードから冷房モードに切り換えて快適な車室内冷房を継続することができるようになる。
本発明を適用した一実施形態の車両用空気調和装置の構成図である。 図1の車両用空気調和装置の制御装置のブロック図である。 図1の車両用空気調和装置の空気流通路の模式図である。 図2のヒートポンプコントローラの暖房モードにおける圧縮機制御に関する制御ブロック図である。 図2のヒートポンプコントローラの除湿暖房、除湿冷房、冷房、MAX冷房の各運転モードにおける圧縮機制御に関する制御ブロック図である。 図2のヒートポンプコントローラの除湿暖房モードにおける補助ヒータ(補助加熱装置)制御に関する制御ブロック図である。 図2のヒートポンプコントローラによる回転数制限制御時の冷房モードとMAX冷房モードの切換制御を説明するフローチャートである(実施例1)。 図2のヒートポンプコントローラによる吸込切換ダンパの状態に基づく冷房モードとMAX冷房モードの切換制御を説明するフローチャートである(実施例2)。 図2のヒートポンプコントローラによる回転数制限制御時の冷房モードとMAX冷房モードのもう一つの切換制御を説明するフローチャートである(実施例3)。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の車両用空気調和装置1の構成図を示している。本発明を適用する実施例の車両は、エンジン(内燃機関)が搭載されていない電気自動車(EV)であって、バッテリに充電された電力で走行用の電動モータを駆動して走行するものであり(何れも図示せず)、本発明の車両用空気調和装置1も、バッテリの電力で駆動されるものとする。
即ち、実施例の車両用空気調和装置1は、エンジン廃熱による暖房ができない電気自動車において、冷媒回路を用いたヒートポンプ運転により暖房モードを行い、更に、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、MAX冷房モード(最大冷房モード)及び補助ヒータ単独モードの各運転モードを選択的に実行するものである。
尚、車両として電気自動車に限らず、エンジンと走行用の電動モータを供用する所謂ハイブリッド自動車にも本発明は有効であり、更には、エンジンで走行する通常の自動車にも適用可能であることは云うまでもない。
実施例の車両用空気調和装置1は、電気自動車の車室内の空調(暖房、冷房、除湿、及び、換気)を行うものであり、冷媒を圧縮する電動式の圧縮機2と、車室内空気が通気循環されるHVACユニット10の空気流通路3内に設けられ、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒が冷媒配管13Gを介して流入し、この冷媒を放熱させて車室内に供給する空気を加熱するための放熱器4と、暖房時に冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室外膨張弁6(減圧装置)と、車室外に設けられて冷房時には放熱器として機能し、暖房時には蒸発器として機能すべく冷媒と外気との間で熱交換を行わせる室外熱交換器7と、冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室内膨張弁8(減圧装置。尚、機械式膨張弁を用いてもよい)と、空気流通路3内に設けられ、冷房時及び除湿時に冷媒を吸熱させて車室内外から吸い込んで車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器9と、アキュムレータ12等が冷媒配管13により順次接続され、冷媒回路Rが構成されている。
そして、この冷媒回路Rには所定量の冷媒と潤滑用のオイルが充填されている。尚、室外膨張弁6の前後の冷媒配管は、その目的から他の冷媒配管(例えば圧縮機2の吐出側の冷媒配管13G等)よりも内径が狭い構成とされている。即ち、放熱器4を経て室外膨張弁6を通過する場合、冷媒は比較的狭い径の管路を通過するかたちとなる。また、室外熱交換器7には、室外送風機15が設けられている。この室外送風機15は、室外熱交換器7に外気を強制的に通風することにより、外気と冷媒とを熱交換させるものであり、これにより停車中(即ち、車速が0km/h)にも室外熱交換器7に外気が通風されるよう構成されている。
また、室外熱交換器7は冷媒下流側にレシーバドライヤ部14と過冷却部16を順次有し、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷房時に開放される電磁弁17(電磁弁は本発明において流路切換装置を構成する。以下、同じ)を介してレシーバドライヤ部14に接続され、過冷却部16の出口側の冷媒配管13Bは室内膨張弁8介して吸熱器9の入口側に接続されている。尚、レシーバドライヤ部14及び過冷却部16は構造的に室外熱交換器7の一部を構成している。
また、過冷却部16と室内膨張弁8間の冷媒配管13Bは、吸熱器9の出口側の冷媒配管13Cと熱交換関係に設けられ、両者で内部熱交換器19を構成している。これにより、冷媒配管13Bを経て室内膨張弁8に流入する冷媒は、吸熱器9を出た低温の冷媒により冷却(過冷却)される構成とされている。
また、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷媒配管13Dに分岐しており、この分岐した冷媒配管13Dは、暖房時に開放される電磁弁21を介して内部熱交換器19の下流側における冷媒配管13Cに連通接続されている。この冷媒配管13Cがアキュムレータ12に接続され、アキュムレータ12は圧縮機2の冷媒吸込側に接続されている。更に、放熱器4の出口側の冷媒配管13Eは室外膨張弁6を介して室外熱交換器7の入口側に接続されている。
また、圧縮機2の吐出側と放熱器4の入口側の間の冷媒配管13Gには後述する除湿暖房とMAX冷房時に閉じられる電磁弁30が介設されている。この場合、冷媒配管13Gは電磁弁30の上流側でバイパス配管35に分岐しており、このバイパス配管35は除湿暖房とMAX冷房時に開放される電磁弁40を介して室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに連通接続されている。これらバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40によりバイパス装置45が構成される。
このようなバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40によりバイパス装置45を構成したことで、後述する如く圧縮機2から吐出された冷媒を放熱器4及び室外膨張弁6に流すこと無く、室外熱交換器7に直接流入させる除湿暖房モードやMAX冷房モードと、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱器4に流入させ、室外膨張弁6を経て室外熱交換器7に流入させる暖房モードや除湿冷房モード、冷房モードとの切り換えを円滑に行うことができるようになる。
また、吸熱器9の空気上流側における空気流通路3には、外気吸込口と内気吸込口の各吸込口が形成されており(図1では吸込口25で代表して示す)、この吸込口25には空気流通路3内に導入する空気を車室内の空気である内気(内気循環モード)と、車室外の空気である外気(外気導入モード)とに切り換える吸込切換ダンパ26が設けられている。
尚、後述する空調コントローラ20は係る外気導入モードと内気循環モードの切換を空調操作部53へのマニュアル操作によって行うが、それに加えて、実施例ではオート切換モードを備えている。このオート切換モードは、外気中に含まれる臭いや汚染物質に応じて外気導入モードと内気循環モードとを吸込切換ダンパ26により自動的に切り換えるモード(例えば、煙成分等が多い場合に外気導入モードから内気循環モードに切り換える)である。このオート切換モードへの切換も空調操作部53へのマニュアル操作によって行われる。また、外気中に臭いや汚染物質が含まれているか否かは、後述する汚染物質センサ70により検出され、空調コントローラ20が汚染物質センサ70が検出した外気中に含まれる汚染物質の濃度が高くなった場合に内気循環モードとし、低くなった場合に外気導入モードに切り換えるものであるが、係るオート切換モードを有しない車両、即ち、マニュアル操作により外気導入モードと内気循環を切り換えるのみの車両でも差し支えない。更に、この吸込切換ダンパ26の空気下流側には、導入した内気や外気を空気流通路3に送給するための室内送風機(ブロワファン)27が設けられている。
また、図1において23は実施例の車両用空気調和装置1に設けられた補助加熱装置としての補助ヒータである。実施例の補助ヒータ23は電気ヒータであるPTCヒータにて構成されており、空気流通路3の空気の流れに対して、放熱器4の風上側(空気上流側)となる空気流通路3内に設けられている。そして、補助ヒータ23に通電されて発熱すると、吸熱器9を経て放熱器4に流入する空気流通路3内の空気が加熱される。即ち、この補助ヒータ23が所謂ヒータコアとなり、車室内の暖房を行い、或いは、それを補完する。
ここで、HVACユニット10の吸熱器9より風下側(空気下流側)の空気流通路3は仕切壁10Aにより区画され、暖房用熱交換通路3Aとそれをバイパスするバイパス通路3Bとが形成されており、前述した放熱器4と補助ヒータ23は暖房用熱交換通路3Aに配置されている。
また、補助ヒータ23の風上側における空気流通路3内には、当該空気流通路3内に流入し、吸熱器9を通過した後の空気流通路3内の空気(内気や外気)を、補助ヒータ23及び放熱器4が配置された暖房用熱交換通路3Aに通風する割合を調整するエアミックスダンパ28が設けられている。
更に、放熱器4の風下側におけるHVACユニット10には、FOOT(フット)吹出口29A、VENT(ベント)吹出口29B、DEF(デフ)吹出口29Cの各吹出口が形成されている。FOOT吹出口29Aは車室内の足下に空気を吹き出すための吹出口で、最も低い位置にある。また、VENT吹出口29Bは車室内の運転者の胸や顔付近に空気を吹き出すための吹出口で、FOOT吹出口29Aより上方にある。そして、DEF吹出口29Cは車両のフロントガラス内面に空気を吹き出すための吹出口で、他の吹出口29A、29Bよりも上方の最も高い位置にある。
そして、FOOT吹出口29A、VENT吹出口29B、及び、DEF吹出口29Cには、空気の吹き出し量を制御するFOOT吹出口ダンパ31A、VENT吹出口ダンパ31B、及び、DEF吹出口ダンパ31Cがそれぞれ設けられている。
次に、図2は実施例の車両用空気調和装置1の制御装置11のブロック図を示している。制御装置11は、何れもプロセッサを備えたコンピュータの一例であるマイクロコンピュータから構成された空調コントローラ20及びヒートポンプコントローラ32から構成されており、これらがCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)を構成する車両通信バス65に接続されている。また、圧縮機2と補助ヒータ23も車両通信バス65に接続され、これら空調コントローラ20、ヒートポンプコントローラ32、圧縮機2及び補助ヒータ23が車両通信バス65を介してデータの送受信を行うように構成されている。
空調コントローラ20は、車両の車室内空調の制御を司る上位のコントローラであり、この空調コントローラ20の入力には、車両の外気温度Tamを検出する外気温度センサ33と、外気湿度を検出する外気湿度センサ34と、吸込口25から空気流通路3に吸い込まれて吸熱器9に流入する空気の温度(吸込空気温度Tas)を検出するHVAC吸込温度センサ36と、車室内の空気(内気)の温度(室内温度Tin)を検出する内気温度センサ37と、車室内の空気の湿度を検出する内気湿度センサ38と、車室内の二酸化炭素濃度を検出する室内CO2濃度センサ39と、車室内に吹き出される空気の温度を検出する吹出温度センサ41と、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdを検出する吐出圧力センサ42と、車室内への日射量を検出するための例えばフォトセンサ式の日射センサ51と、車両の移動速度(車速)を検出するための車速センサ52の各出力と、設定温度や運転モードの切り換えを設定するための空調(エアコン)操作部53が接続されている。更に、空調コントローラ20には、前述した汚染物質センサ70の出力も接続されている。
また、空調コントローラ20の出力には、室外送風機15と、室内送風機(ブロワファン)27と、吸込切換ダンパ26と、エアミックスダンパ28と、各吹出口ダンパ31A〜31Cが接続され、それらは空調コントローラ20により制御される。
ヒートポンプコントローラ32は、主に冷媒回路Rの制御を司るコントローラであり、このヒートポンプコントローラ32の入力には、圧縮機2の吐出冷媒温度Tdを検出する吐出温度センサ43と、圧縮機2の吸込冷媒圧力Psを検出する吸込圧力センサ44と、圧縮機2の吸込冷媒温度Tsを検出する吸込温度センサ55と、放熱器4の冷媒温度(放熱器温度TCI)を検出する放熱器温度センサ46と、放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI)を検出する放熱器圧力センサ47と、吸熱器9の冷媒温度(吸熱器温度Te)を検出する吸熱器温度センサ48と、吸熱器9の冷媒圧力を検出する吸熱器圧力センサ49と、補助ヒータ23の温度(補助ヒータ温度Tptc)を検出する補助ヒータ温度センサ50と、室外熱交換器7の出口の冷媒温度(室外熱交換器温度TXO)を検出する室外熱交換器温度センサ54と、室外熱交換器7の出口の冷媒圧力(室外熱交換器圧力PXO)を検出する室外熱交換器圧力センサ56の各出力が接続されている。
また、ヒートポンプコントローラ32の出力には、室外膨張弁6、室内膨張弁8と、電磁弁30(リヒート用)、電磁弁17(冷房用)、電磁弁21(暖房用)、電磁弁40(バイパス用)の各電磁弁が接続され、それらはヒートポンプコントローラ32により制御される。尚、圧縮機2と補助ヒータ23はそれぞれコントローラを内蔵しており、圧縮機2と補助ヒータ23のコントローラは車両通信バス65を介してヒートポンプコントローラ32とデータの送受信を行い、このヒートポンプコントローラ32によって制御される。
ヒートポンプコントローラ32と空調コントローラ20は車両通信バス65を介して相互にデータの送受信を行い、各センサの出力や空調操作部53にて入力された設定に基づき、各機器を制御するものであるが、この場合の実施例では外気温度センサ33、吐出圧力センサ42、車速センサ52、空気流通路3に流入した空気の体積風量Ga(空調コントローラ20が算出)、エアミックスダンパ28による風量割合SW(空調コントローラ20が算出)、吸込切換ダンパ26の状態を含む空調操作部53の出力等は空調コントローラ20から車両通信バス65を介してヒートポンプコントローラ32に送信され、ヒートポンプコントローラ32による制御に供される構成とされている。
以上の構成で、次に実施例の車両用空気調和装置1の動作を説明する。この実施例では制御装置11(空調コントローラ20、ヒートポンプコントローラ32)は、暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、MAX冷房モード(最大冷房モード)及び補助ヒータ単独モードの各運転モードを切り換えて実行する。先ず、各運転モードにおける冷媒の流れと制御の概略について説明する。
(1)暖房モード
ヒートポンプコントローラ32により(オートモード)或いは空調操作部53へのマニュアル操作(マニュアルモード)により暖房モードが選択されると、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁21(暖房用)を開放し、電磁弁17(冷房用)を閉じる。また、電磁弁30(リヒート用)を開放し、電磁弁40(バイパス用)を閉じる。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、基本的には室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全て空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とするが、風量を調整してもよい。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒(補助ヒータ23が動作するときは当該補助ヒータ23及び放熱器4)により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。
放熱器4内で液化した冷媒は当該放熱器4を出た後、冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。室外膨張弁6に流入した冷媒はそこで減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気中から熱を汲み上げる。即ち、冷媒回路Rがヒートポンプとなる。そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13A及び電磁弁21及び冷媒配管13Dを経て冷媒配管13Cからアキュムレータ12に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。放熱器4(補助ヒータ23が動作するときは当該補助ヒータ23及び放熱器4)にて加熱された空気は各吹出口29A〜29Cから吹き出されるので、これにより車室内の暖房が行われることになる。
ヒートポンプコントローラ32は、空調コントローラ20が目標吹出温度TAOから算出する目標ヒータ温度TCO(放熱器温度TCIの目標値。実施例では基本的にTAO=TCOとされる)を常時算出しており、暖房モードではこの目標ヒータ温度TCOから目標放熱器圧力PCO(放熱器圧力PCIの目標値)を算出し、この目標放熱器圧力PCOと、放熱器圧力センサ47が検出する放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI。冷媒回路Rの高圧圧力)に基づいて圧縮機2の回転数NCを制御し、放熱器4による加熱を制御する。また、ヒートポンプコントローラ32は、放熱器温度センサ46が検出する放熱器4の冷媒温度(放熱器温度TCI)及び放熱器圧力センサ47が検出する放熱器圧力PCIに基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の出口における冷媒の過冷却度SCを制御する。
また、ヒートポンプコントローラ32はこの暖房モードにおいては、車室内空調に要求される暖房能力に対して放熱器4による暖房能力が不足する場合、その不足する分を補助ヒータ23の発熱で補完するように補助ヒータ23の通電を制御する。それにより、快適な車室内暖房を実現し、且つ、室外熱交換器7の着霜も抑制する。このとき、補助ヒータ23は放熱器4の空気上流側に配置されているので、空気流通路3を流通する空気は放熱器4の前に補助ヒータ23に通風されることになる。
ここで、補助ヒータ23が放熱器4の空気下流側に配置されていると、実施例の如くPTCヒータで補助ヒータ23を構成した場合には、補助ヒータ23に流入する空気の温度が放熱器4によって上昇するため、PTCヒータの抵抗値が大きくなり、電流値も低くなって発熱量が低下してしまうが、放熱器4の空気上流側に補助ヒータ23を配置することで、実施例の如くPTCヒータから構成される補助ヒータ23の能力を十分に発揮させることができるようになる。
(2)除湿暖房モード
次に、除湿暖房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、基本的には室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全て空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とするが、風量の調整も行う。
これにより、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出された高温高圧のガス冷媒は、放熱器4に向かうこと無くバイパス配管35に流入し、電磁弁40を経て室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに至るようになる。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、冷媒は室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却され、且つ、当該空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気流通路3内の空気は冷却され、且つ、除湿される。吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
このとき、室外膨張弁6の弁開度は全閉とされているので、圧縮機2から吐出された冷媒が室外膨張弁6から放熱器4に逆流入する不都合を抑制若しくは防止することが可能となる。これにより、冷媒循環量の低下を抑制若しくは解消して空調能力を確保することができるようになる。更に、この除湿暖房モードにおいてヒートポンプコントローラ32は、補助ヒータ23に通電して発熱させる。これにより、吸熱器9にて冷却され、且つ、除湿された空気は補助ヒータ23を通過する過程で更に加熱され、温度が上昇するので車室内の除湿暖房が行われることになる。
空調コントローラ20は吸熱器温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOを常時算出しており、ヒートポンプコントローラ32は除湿暖房モードでは吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)と、空調コントローラ20が算出した目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御すると共に、補助ヒータ温度センサ50が検出する補助ヒータ温度Tptcと前述した目標ヒータ温度TCO(この場合、補助ヒータ温度Tptcの目標値となる)に基づいて補助ヒータ23の通電(発熱による加熱)を制御することで、吸熱器9での空気の冷却と除湿を適切に行いながら、補助ヒータ23による加熱で各吹出口29A〜29Cから車室内に吹き出される空気温度の低下を的確に防止する。これにより、車室内に吹き出される空気を除湿しながら、その温度を適切な暖房温度に制御することが可能となり、車室内の快適且つ効率的な除湿暖房を実現することができるようになる。
尚、補助ヒータ23は放熱器4の空気上流側に配置されているので、補助ヒータ23で加熱された空気は放熱器4を通過することになるが、この除湿暖房モードでは放熱器4に冷媒は流されないので、補助ヒータ23にて加熱された空気から放熱器4が吸熱してしまう不都合も解消される。即ち、放熱器4によって車室内に吹き出される空気の温度が低下してしまうことが抑制され、COPも向上することになる。
(3)除湿冷房モード
次に、除湿冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を開放し、電磁弁40を閉じる。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、基本的には室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全て空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とするが、風量の調整も行う。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化していく。
放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至り、開き気味で制御される室外膨張弁6を経て室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。この除湿冷房モードではヒートポンプコントローラ32は補助ヒータ23に通電しないので、吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱(暖房時よりも放熱能力は低い)される。これにより車室内の除湿冷房が行われることになる。
この除湿冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEO(空調コントローラ20から送信される)に基づいて圧縮機2の回転数NCを制御する。また、ヒートポンプコントローラ32は前述した目標ヒータ温度TCOから目標放熱器圧力PCOを算出し、この目標放熱器圧力PCOと、放熱器圧力センサ47が検出する放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI。冷媒回路Rの高圧圧力)に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4による加熱を制御する。
(4)冷房モード
次に、冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は上記除湿冷房モードの状態において室外膨張弁6の弁開度を全開とする。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の空気が、暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入すると共に、放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。このとき室外膨張弁6は全開とされているので冷媒はそれを通過し、そのまま室外熱交換器7に流入し、そこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮液化することになるが、前述した如くこの冷房モードで冷媒は、室外膨張弁6前後の狭い管路を通過することになる。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。この室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。また、空気中の水分は吸熱器9に凝結して付着する。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気が各吹出口29A〜29Cから車室内に吹き出されるので(一部は放熱器4を通過して熱交換する)、これにより車室内の冷房が行われることになる。また、この冷房モードにおいては、ヒートポンプコントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である前述した目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御する。
(5)MAX冷房モード(最大冷房モード)
次に、最大冷房モードとしてのMAX冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の空気が、暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。
これにより、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出された高温高圧のガス冷媒は、放熱器4に向かうこと無くバイパス配管35に流入し、電磁弁40を経て室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに至るようになる。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、冷媒は室外熱交換器7に直接流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。また、空気中の水分は吸熱器9に凝結して付着するので、空気流通路3内の空気は除湿される。吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、同様に圧縮機2から吐出された冷媒が室外膨張弁6から放熱器4に逆流入する不都合を抑制若しくは防止することが可能となる。これにより、冷媒循環量の低下を抑制若しくは解消して空調能力を確保することができるようになる。
ここで、前述した冷房モードでは放熱器4に高温の冷媒が流れているため、放熱器4からHVACユニット10への直接の熱伝導が少なからず生じるが、このMAX冷房モードでは放熱器4に冷媒が流れないため、放熱器4からHVACユニット10に伝達される熱で吸熱器9からの空気流通路3内の空気が加熱されることも無くなる。そのため、車室内の強力な冷房が行われ、特に外気温度Tamが高いような環境下では、迅速に車室内を冷房して快適な車室内空調を実現することができるようになる。また、このMAX冷房モードにおいても、ヒートポンプコントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である前述した目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御する。
(6)補助ヒータ単独モード
尚、実施例の制御装置11は室外熱交換器7に過着霜が生じた場合などに、冷媒回路Rの圧縮機2と室外送風機15を停止し、補助ヒータ23に通電してこの補助ヒータ23のみで車室内を暖房する補助ヒータ単独モードを有している。この場合にも、ヒートポンプコントローラ32は補助ヒータ温度センサ50が検出する補助ヒータ温度Tptcと前述した目標ヒータ温度TCOに基づいて補助ヒータ23の通電(発熱)を制御する。
また、空調コントローラ20は室内送風機27を運転し、エアミックスダンパ28は、室内送風機27から吹き出された空気流通路3内の空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23に通風し、風量を調整する状態とする。補助ヒータ23にて加熱された空気が各吹出口29A〜29Cから車室内に吹き出されるので、これにより車室内の暖房が行われることになる。
(7)運転モードの切換
空調コントローラ20は、下記式(I)から前述した目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは、車室内に吹き出される空気の温度の目標値である。
TAO=(Tset−Tin)×K+Tbal(f(Tset、SUN、Tam))
・・(I)
ここで、Tsetは空調操作部53で設定された車室内の設定温度、Tinは内気温度センサ37が検出する室内温度、Kは係数、Tbalは設定温度Tsetや、日射センサ51が検出する日射量SUN、外気温度センサ33が検出する外気温度Tamから算出されるバランス値である。そして、一般的に、この目標吹出温度TAOは外気温度Tamが低い程高く、外気温度Tamが上昇するに伴って低下する。
ヒートポンプコントローラ32は、起動時には空調コントローラ20から車両通信バス65を介して送信される外気温度Tam(外気温度センサ33が検出する)と目標吹出温度TAOとに基づいて上記各運転モードのうちの何れかの運転モードを選択すると共に、各運転モードを車両通信バス65を介して空調コントローラ20に送信する。また、起動後は外気温度Tam、車室内の湿度、目標吹出温度TAO、後述する加熱温度TH(放熱器4の風下側の空気の温度。推定値)、目標ヒータ温度TCO、吸熱器温度Te、目標吸熱器温度TEO、車室内の除湿要求の有無、等のパラメータに基づいて各運転モードの切り換えを行うことで、環境条件や除湿の要否に応じて的確に暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、MAX冷房モード及び補助ヒータ単独モードを切り換えて車室内に吹き出される空気の温度を目標吹出温度TAOに制御し、快適且つ効率的な車室内空調を実現するものである。
また、ヒートポンプコントローラ32は、この実施例では後述する回転数制限制御に応じて冷房モードとMAX冷房モードとを切り換えるものであるが、それについては後に詳述する。
(8)ヒートポンプコントローラ32による暖房モードでの圧縮機2の制御
次に、図4を用いて前述した暖房モードにおける圧縮機2の制御について詳述する。図4は暖房モード用の圧縮機2の目標回転数(圧縮機目標回転数)TGNChを決定するヒートポンプコントローラ32の制御ブロック図である。ヒートポンプコントローラ32のF/F(フィードフォワード)操作量演算部58は外気温度センサ33から得られる外気温度Tamと、室内送風機27のブロワ電圧BLVと、SW=(TAO−Te)/(TH−Te)で得られるエアミックスダンパ28による風量割合SWと、放熱器4の出口における過冷却度SCの目標値である目標過冷却度TGSCと、放熱器4の温度の目標値である前述した目標ヒータ温度TCO(空調コントローラ20から送信される)と、放熱器4の圧力の目標値である目標放熱器圧力PCOに基づいて圧縮機目標回転数のF/F操作量TGNChffを演算する。
ここで、風量割合SWを算出する上記THは、放熱器4の風下側の空気の温度(以下、加熱温度と云う)であり、ヒートポンプコントローラ32が下記に示す一次遅れ演算の式(II)から推定する。
TH=(INTL×TH0+Tau×THz)/(Tau+INTL) ・・(II)
ここで、INTLは演算周期(定数)、Tauは一次遅れの時定数、TH0は一次遅れ演算前の定常状態における加熱温度THの定常値、THzは加熱温度THの前回値である。このように加熱温度THを推定することで、格別な温度センサを設ける必要がなくなる。
尚、ヒートポンプコントローラ32は前述した運転モードによって上記時定数Tau及び定常値TH0を変更することにより、上述した推定式(II)を運転モードによって異なるものとし、加熱温度THを推定する。そして、この加熱温度THは車両通信バス65を介して空調コントローラ20に送信される。
前記目標放熱器圧力PCOは上記目標過冷却度TGSCと目標ヒータ温度TCOに基づいて目標値演算部59が演算する。更に、F/B(フィードバック)操作量演算部60はこの目標放熱器圧力PCOと放熱器4の冷媒圧力である放熱器圧力PCIに基づいて圧縮機目標回転数のF/B操作量TGNChfbを演算する。そして、F/F操作量演算部58が演算したF/F操作量TGNCnffとF/B操作量演算部60が演算したTGNChfbは加算器61で加算され、リミット設定部62で制御上限値と制御下限値のリミットが付けられた後、圧縮機目標回転数TGNChとして決定される。前記暖房モードにおいては、ヒートポンプコントローラ32はこの圧縮機目標回転数TGNChに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御する。
(9)ヒートポンプコントローラ32による除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、及び、MAX冷房モードでの圧縮機2の制御
一方、図5は前記除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、及び、MAX冷房モード用の圧縮機2の目標回転数(圧縮機目標回転数)TGNCcを決定するヒートポンプコントローラ32の制御ブロック図である。ヒートポンプコントローラ32のF/F操作量演算部63は外気温度Tamと、空気流通路3に流入した空気の体積風量Gaと、放熱器4の圧力(放熱器圧力PCI)の目標値である目標放熱器圧力PCOと、吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)の目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機目標回転数のF/F操作量TGNCcffを演算する。
また、F/B操作量演算部64は目標吸熱器温度TEO(空調コントローラ20から送信される)と吸熱器温度Teに基づいて圧縮機目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを演算する。そして、F/F操作量演算部63が演算したF/F操作量TGNCcffとF/B操作量演算部64が演算したF/B操作量TGNCcfbは加算器66で加算され、リミット設定部67で制御上限値と制御下限値のリミットが付けられた後、圧縮機目標回転数TGNCcとして決定される。除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、MAX冷房モードにおいては、ヒートポンプコントローラ32はこの圧縮機目標回転数TGNCcに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御する。
(10)除湿暖房モードにおける補助ヒータ23の制御
また、図6は除湿暖房モードにおける補助ヒータ23の補助ヒータ要求能力TGQPTCを決定するヒートポンプコントローラ32の制御ブロック図である。ヒートポンプコントローラ32の減算器73には目標ヒータ温度TCOと補助ヒータ温度Tptcが入力され、目標ヒータ温度TCOと補助ヒータ温度Tptcの偏差(TCO−Tptc)が算出される。この偏差(TCO−Tptc)はF/B制御部74に入力され、このF/B制御部74は偏差(TCO−Tptc)を無くして補助ヒータ温度Tptcが目標ヒータ温度TCOとなるように補助ヒータ要求能力F/B操作量を演算する。
このF/B制御部74で算出された補助ヒータ要求能力F/B操作量はリミット設定部76で制御上限値と制御下限値のリミットが付けられた後、補助ヒータ要求能力TGQPTCとして決定される。除湿暖房モードにおいては、コントローラ32はこの補助ヒータ要求能力TGQPTCに基づいて補助ヒータ23の通電を制御することにより、補助ヒータ温度Tptcが目標ヒータ温度TCOとなるように補助ヒータ23の発熱(加熱)を制御する。
このようにしてヒートポンプコントローラ32は、除湿暖房モードでは吸熱器温度Teと目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機の運転を制御すると共に、目標ヒータ温度TCOに基づいて補助ヒータ23の発熱を制御することで、除湿暖房モードにおける吸熱器9による冷却と除湿、並びに、補助ヒータ23による加熱を的確に制御する。これにより、車室内に吹き出される空気をより適切に除湿しながら、その温度をより正確な暖房温度に制御することが可能となり、より一層快適且つ効率的な車室内の除湿暖房を実現することができるようになる。
(11)エアミックスダンパ28の制御
次に、図3を参照しながら空調コントローラ20によるエアミックスダンパ28の制御について説明する。図3においてGaは前述した空気流通路3に流入した空気の体積風量、Teは吸熱器温度、THは前述した加熱温度(放熱器4の風下側の空気の温度)である。
空調コントローラ20は、前述した如き式(下記式(III))により算出される暖房用熱交換通路3Aの放熱器4と補助ヒータ23に通風する風量割合SWに基づき、当該割合の風量となるようにエアミックスダンパ28を制御することで放熱器4(及び補助ヒータ23)への通風量を調整する。
SW=(TAO−Te)/(TH−Te) ・・(III)
即ち、暖房用熱交換通路3Aの放熱器4と補助ヒータ23に通風する風量割合SWは0≦SW≦1の範囲で変化し、「0」で暖房用熱交換通路3Aへの通風をせず、空気流通路3内の全ての空気をバイパス通路3Bに通風するエアミックス全閉状態、「1」で空気流通路3内の全ての空気を暖房用熱交換通路3Aに通風するエアミックス全開状態となる。即ち、放熱器4への風量はGa×SWとなる。
(12)圧縮機2の回転数制限制御
ここで、ヒートポンプコントローラ32は圧縮機2を保護するための回転数制限制御を行う。以下に実施例の回転数制限制御について説明する。ヒートポンプコントローラ32は、前述した圧縮機2の吐出冷媒圧力Pd及び吐出冷媒温度Tdを常時監視しており、吐出冷媒圧力Pdが上昇して所定の制限閾値PdHに到達した場合、又は、吐出冷媒温度Tdが上昇して所定の制限閾値TdHに到達した場合、ヒートポンプコントローラ32は回転数制限制御を開始し、図4及び図5における圧縮機目標回転数TGNCh及びTGNCcを所定ステップ低下させ、圧縮機2の回転数NCを下げる。以降、吐出冷媒圧力Pd又は吐出冷媒温度Tdが各制限閾値PdH又はTdH以上である間、所定の周期で圧縮機目標回転数TGNCh及びTGNCcを所定ステップずつ低下させていく。
係る圧縮機2の回転数制限(圧縮機目標回転数TGNCh及びTGNCcの低下)によって吐出冷媒圧力Pd及び吐出冷媒温度Tdが各制限閾値PdH及びTdHより低くなった場合(所定のヒステリシス有り)、ヒートポンプコントローラ32は回転数制限制御を終了し、前述した加熱温度THが目標ヒータ温度TCOに到達するように段階的に圧縮機目標回転数TGNCh及びTGNCcを上昇させ、圧縮機2の回転数NCを上げていく。このような回転数制限制御によりヒートポンプコントローラ32は圧縮機2の回転数NCを制限し、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pd及び吐出冷媒温度Tdの上昇を抑え、各制限閾値PdH及びTdHを超えないように保護を行っている。
(13)回転数制限制御時における冷房モードとMAX冷房モードの切換制御(その1)
このように、ヒートポンプコントローラ32は吐出冷媒圧力Pd及び吐出冷媒温度Tdに基づいて圧縮機2の回転数NCを制限する回転数制限制御を行っているが、冷房モードでは前述した如く圧縮機2から吐出された冷媒が放熱器4から室外膨張弁6を通過するため、比較的狭い径の管路を冷媒が通過することになり、高負荷の条件下では吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが高くなり、回転数制限制御に入り易くなる。しかしながら、回転数制限制御が行われると、圧縮機2の回転数NCが低下することによって吸熱器温度Teが目標吸熱器温度TEOに到達できなくなる問題が生じる。
そこで、ヒートポンプコントローラ32は冷房モードにおいて回転数制限制御が開始された場合、運転モードをMAX冷房モードに切り換える制御を行う。以下、図7に基づいて係る切換制御の詳細について説明する。図7はヒートポンプコントローラ32による回転数制限制御時における冷房モードとMAX冷房モードの切換制御を説明するフローチャートである。ヒートポンプコントローラ32は図7のステップS1で、現在の運転モードがMAX冷房モードであるか否か判断する。現在はMAX冷房モードではない場合はステップS2に進み現在の運転モードが冷房モードであるか否か判断する。
現在の運転モードが冷房モードである場合、ヒートポンプコントローラ32はステップS2からステップS3に進み、前述した吐出冷媒圧力Pd又は吐出冷媒温度Tdによる回転数制限制御中であるか否か判断する。冷房モードで運転中に例えば高負荷条件となって現在回転数制限制御中である場合、ステップS4に進んで吸熱器温度Teが目標吸熱器温度TEO+α(αは所定の正数)以上(Te≧TEO+α)となった状態が所定時間継続したか否か判断する。
前述した回転数制限制御で吸熱器温度Teが上昇し、目標吸熱器温度TEOより高いTEO+α以上となってから所定時間継続した場合、ヒートポンプコントローラ32はステップS4からステップS5に進んで運転モードをMAX冷房モードに切り換える。このMAX冷房モードでは、バイパス装置45によって圧縮機2から吐出された冷媒は放熱器4と室外膨張弁6には流れず、室外熱交換器7に直接流入するようになるので、室外膨張弁6前後の比較的狭い径の管路がバイパスされ、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値より低下するようになるので、回転数制限制御は終了され、吸熱器7の温度を制御することができるようになる。
その後、ヒートポンプコントローラ32はステップS1からステップS6に進むようになり、MAX冷房モードに切り換わったことで圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値より低下し、上記の如く回転数制限制御が終了されると、ヒートポンプコントローラ32はステップS6からステップS7に進むようになる。ステップS7では加熱温度THが目標ヒータ温度TCO−β(βは所定の正数)以下の状態が所定時間継続したか否か判断する。即ち、加熱温度THが目標ヒータ温度TCOより低いTCO−β以下である状態が所定時間継続したか否か判断し、継続していたら目標ヒータ温度TCOを達成できないと判断してステップS9に進み、運転モードを冷房モードに切り換える。
また、ステップS7で目標ヒータ温度TCOを達成できている場合には、ヒートポンプコントローラ32はステップS8に進み、今度は放熱器4によるリヒート要求があるか否か判断する。このリヒート要求とは目標吹出温度TAO>目標吸熱器温度TEOとなっていることである。MAX冷房モードでは目標ヒータ温度TCO=下限値、又は、TAO=TCO=TEOとなり、放熱器4におけるリヒート(再加熱)が行われなくなるが、TAO>TEOとなることは、除湿温度(TEO)が吹出温度(TAO)より低くなることであり、係る状況でリヒートが行われないと、車室内に吹き出される空気の温度が低下し、車室内の温度が下がってしまうことになる。そこで、ヒートポンプコントローラ32は係るリヒート要求がある場合にも、ステップS9に進み、冷房モードに切り換える。
以上の如く、ヒートポンプコントローラ32は冷房モードで運転中に回転数制限制御となり、且つ、吸熱器温度Teが上昇した場合、MAX冷房モードに切り換えるので、冷房モードで運転中に高負荷条件となり、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pd、又は、吐出冷媒温度Tdが制限閾値以上となって回転数制限制御に入り、吸熱器温度Teが上昇した場合には、MAX冷房モードに切り換える。このMAX冷房モードでは、バイパス装置45によって圧縮機2から吐出された冷媒は放熱器4と室外膨張弁6には流れず、室外熱交換器7に直接流入するようになるので、比較的狭い径の管路がバイパスされ、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値に上昇し難くなる。これにより、回転数制限制御では無くなって吸熱器9の温度を制御することができるようになるので、快適な車室内冷房を実現することができるようになる。
この場合、ヒートポンプコントローラ32は、冷房モードで運転中に回転数制限制御となり、且つ、吸熱器温度Teが目標吸熱器温度TEOより高い状態(Te>TEO+α)が所定時間継続した場合、MAX冷房モードに切り換えるので、的確に吸熱器温度Teの上昇を判定して、円滑に冷房モードから最大冷房モードへの切り換えを実現することができるようになる。
一方、MAX冷房モードでは放熱器4でのリヒート(再加熱)が行われなくなるため、車室内に吹き出される空気の温度が低くなり過ぎる可能性があるが、ヒートポンプコントローラ32はMAX冷房モードに切り換えた後、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器4の温度の目標値である目標ヒータ温度TCOを達成できない場合、又は、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器4によるリヒート要求がある場合、冷房モードに切り換えるので、適切に最大冷房モードから冷房モードに切り換えて快適な車室内冷房を継続することができるようになる。
この場合、ヒートポンプコントローラ32は放熱器4の風下側の空気の温度である加熱温度THが目標ヒータ温度TCOより低い状態が所定時間継続した場合、目標ヒータ温度TCOを達成できないと判断するので、的確にMAX冷房モードから冷房モードへの切り換えを行って快適な車室内冷房を円滑に継続することができるようになる。
(14)吸込切換ダンパの状態に基づく冷房モードとMAX冷房モードの切換制御
また、前述した如く空調コントローラ20は吸込切換ダンパ26により、空気流通路3に外気導入する外気導入モードと車室内の空気を導入する内気循環モードをマニュアル操作により切り換え、或いは、オート切換モードによって自動的に切り換えるものであるが、外気温度Tamが高い状況で冷房モードにおいてマニュアルで外気導入モードとされた場合は、温度が高い外気が導入されるため、吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが高くなって回転数制限制御に入り易くなる。
そこで、ヒートポンプコントローラ32は前述した実施例1の(13)の切換制御に加えて、或いは、それに代えて、冷房モードで外気導入モードとされた場合にも、運転モードをMAX冷房モードに切り換える制御を行う。以下、図8に基づいて係る切換制御の詳細について説明する。図8はヒートポンプコントローラ32による吸込切換ダンパの状態に基づく冷房モードとMAX冷房モードの切換制御を説明するフローチャートである。
ヒートポンプコントローラ32は図8のステップS10で、現在の運転モードがMAX冷房モードであるか否か判断する。現在はMAX冷房モードではない場合はステップS11に進み現在の運転モードが冷房モードであるか否か判断する。現在の運転モードが冷房モードである場合、ヒートポンプコントローラ32はステップS11からステップS12に進み、空調コントローラ20から送られてくる外気温度Tamが所定値γ(γは所定の高い外気温度)以上であるか否か判断する。
冷房モードで運転中に外気温度Tamが高い状況となり、所定値γ以上となった場合、ヒートポンプコントローラ32はステップS14に進んで空調コントローラ20から送信される吸込切換ダンパ26の状態が現在外気導入モードであるか否か判断し、外気導入モードである場合、ヒートポンプコントローラ32はステップS13からステップS14に進んで運転モードをMAX冷房モードに切り換える。このMAX冷房モードでは、前述同様にバイパス装置45によって圧縮機2から吐出された冷媒は放熱器4と室外膨張弁6には流れず、室外熱交換器7に直接流入するようになるので、室外膨張弁6前後の比較的狭い径の管路がバイパスされ、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値に上昇し難くなるので、回転数制限制御が回避されて吸熱器7の温度を制御することができるようになる。
その後、ヒートポンプコントローラ32はステップS10からステップS15に進むようになり、ステップS15では外気温度Tamが所定値γより低くなったか否か判断する。そして、外気温度Tamが所定値γより低くなった場合、ステップS17に進んで運転モードを冷房モードに切り換える。また、ステップS15で外気温度Tamが所定値γより低くなっていない場合には、ヒートポンプコントローラ32はステップS16に進み、今度は吸込切換ダンパ26の状態が外気導入モード以外のモード、即ち、内気循環モードかオート切換モードに切り換えられたか否か判断する。そして、外気導入モード以外のモード(実施例では内気循環モード若しくはオート切換モード)となった場合にも、ヒートポンプコントローラ32はステップS17に進み、冷房モードに切り換える。
以上の如く、ヒートポンプコントローラ32は冷房モードで運転中に外気導入モードとされた場合、MAX冷房モードに切り換えるようにしたので、冷房モードで運転中に外気導入モードとされ、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値以上となることが予想される場合には、MAX冷房モードに切り換える。このMAX冷房モードでは、同様にバイパス装置45によって圧縮機2から吐出された冷媒は放熱器4と室外膨張弁6には流れず、室外熱交換器7に直接流入するようになるので、比較的狭い径の管路がバイパスされ、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値に上昇し難くなる。これにより、回転数制限制御に入ることが予想される外気導入モードにおいても吸熱器7の温度を制御することができるようになるので、快適な車室内冷房を実現することができるようになる。
この場合、外気温度Tamが高いときに外気導入モードとなると、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値に上昇すると予想されるが、ヒートポンプコントローラ32は実施例の如く外気温度Tamが高い状況において、冷房モードで運転中に外気導入モードとされた場合、MAX冷房モードに切り換えるようにしているので、外気温度Tamを考慮して適切にMAX冷房モードへの切り換えを行うことができるようになる。
また、ヒートポンプコントローラ32は、MAX冷房モードに切り換えた後、外気温度Tamが低くなった場合、又は、外気導入モード以外の状態とされた場合、冷房モードに切り換えるので、適切にMAX冷房モードから冷房モードに切り換えて快適な車室内冷房を継続することができるようになる。
(15)回転数制限制御時における冷房モードとMAX冷房モードの切換制御(その2)
ここで、前述した実施例1の(13)の切換制御では、外気温度Tamが高い状況ではMAX冷房モードから冷房モードに切り換えた後に、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが直ぐに制限閾値に上昇し、MAX冷房モードに戻ってしまう可能性がある。そこで、実施例の車両用空気調和装置1では補助ヒータ23が設けられているので、この補助ヒータ23を用いてリヒートを行うようにしてもよい。
以下、図9に基づいて係る切換制御の詳細について説明する。図9はヒートポンプコントローラ32による回転数制限制御時におけるもう一つの冷房モードとMAX冷房モードの切換制御を説明するフローチャートである。尚、図9において、図7と同一ステップで示すステップは同様であるので説明を省略する。
この実施例でもステップS5でMAX冷房モードに切り換えた後、ヒートポンプコントローラ32はステップS1からステップS6に進むようになる。MAX冷房モードに切り換わったことで同様に圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdや吐出冷媒温度Tdが制限閾値より低下し、回転数制限制御が終了されると、ヒートポンプコントローラ32はステップS6からステップS7に進むようになる。ステップS7では同様に加熱温度THが目標ヒータ温度TCO−β以下の状態が所定時間継続したか否か判断する。即ち、加熱温度THが目標ヒータ温度TCOより低いTCO−β以下である状態が所定時間継続したか否か判断し、継続していたら目標ヒータ温度TCOを達成できないと判断するが、この実施例では目標ヒータ温度TCOを達成できないと判断した場合、ステップS18に進んで現在外気温度Tamが所定値γ以上であるか否か判断する。
また、ステップS7で目標ヒータ温度TCOを達成できている場合には、同様にヒートポンプコントローラ32はステップS8に進み、放熱器4によるリヒート要求があるか否か判断し、リヒート要求がある場合にも、ステップS18に進んで外気温度Tamが所定値γ以上であるか否か判断する。
そして、ステップS18で外気温度Tamが高く、所定値γ以上である場合、ヒートポンプコントローラ32はステップS19に進んで補助ヒータ23に通電する(ON)。尚、ヒートポンプコントローラ32はこの場合も補助ヒータ温度センサ50が検出する補助ヒータ温度Tptcと目標ヒータ温度TCOに基づいて補助ヒータ23の通電(発熱による加熱)を制御する。これにより、補助ヒータ23によるリヒート(再加熱)が行われ、目標ヒータ温度TCOを達成することができるようになる。
他方、ステップS18で外気温度Tamが所定値γより低い場合、ヒートポンプコントローラ32はステップS18からステップS9に進み、運転モードを冷房モードに切り換えることになる。
このように、ヒートポンプコントローラ32がMAX冷房モードに切り換えた後、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器4の温度の目標値である目標ヒータ温度TCOを達成できない場合、又は、回転数制限制御では無くなり、且つ、放熱器4によるリヒート要求がある場合、補助ヒータ23を発熱させるようにすることで、MAX冷房モードでの吸熱器9による加熱と補助ヒータ23によるリヒート(再加熱)で快適な車室内冷房を継続することができるようになる。
この場合、ヒートポンプコントローラ32は、外気温度Tamが高い状況で補助ヒータ23を発熱させ、外気温度Tamが低い状況では冷房モードに切り換えるようにしているので、補助ヒータ23によるリヒートを外気温度Tamが高い状況の場合のみに限定することができるようになり、運転効率の悪化を解消、若しくは、抑制することができるようになる。
尚、上記実施例3においても、実施例2を加えて行ってもよい。また、各実施例で示した数値等はそれに限られるものでは無く、適用する装置に応じて適宜設定すべきものである。また、補助加熱装置は実施例で示した補助ヒータ23に限られるものでは無く、ヒータで加熱された熱媒体を循環させて空気流通路3内の空気を加熱する熱媒体循環回路や、エンジンで加熱されたラジエター水を循環するヒータコア等を利用してもよい。
1 車両用空気調和装置
2 圧縮機
3 空気流通路
4 放熱器
6 室外膨張弁
7 室外熱交換器
8 室内膨張弁
9 吸熱器
10 HVACユニット
11 制御装置
20 空調コントローラ
23 補助ヒータ(補助加熱装置)
26 吸込切換ダンパ
27 室内送風機(ブロワファン)
28 エアミックスダンパ
32 ヒートポンプコントローラ
33 外気温度センサ
42 吐出圧力センサ
43 吐出温度センサ
45 バイパス装置
65 車両通信バス
R 冷媒回路

Claims (9)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
    冷媒を吸熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
    車室外に設けられて冷媒を吸熱させるための室外熱交換器と、
    該室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、
    前記吸熱器に流入する冷媒を減圧するための室内膨張弁と、
    制御装置とを備え、
    該制御装置により、前記室外膨張弁を全開とし、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器及び前記室外膨張弁を経て前記室外熱交換器に流し、該室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を前記室内膨張弁で減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる冷房モードを実行する車両用空気調和装置において、
    前記放熱器及び前記室外膨張弁をバイパスして前記圧縮機から吐出された冷媒を前記室外熱交換器に直接流入させるためのバイパス装置を備え、
    前記制御装置は、前記圧縮機の吐出冷媒圧力Pd、又は、吐出冷媒温度Tdが所定の制限閾値以上となった場合に前記圧縮機の回転数を制限する回転数制限制御を実行すると共に、
    前記冷房モードで運転中に前記回転数制限制御となり、且つ、前記吸熱器の温度である吸熱器温度Teが上昇した場合、前記室外膨張弁を全閉とし、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器に流すこと無く、前記バイパス装置により前記室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を前記室内膨張弁で減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる最大冷房モードに切り換えることを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 前記制御装置は、前記冷房モードで運転中に前記回転数制限制御となり、且つ、前記吸熱器温度Teが、その目標値である目標吸熱器温度TEOより高い状態が所定時間継続した場合、前記最大冷房モードに切り換えることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  3. 前記制御装置は、前記最大冷房モードに切り換えた後、前記回転数制限制御では無くなり、且つ、前記放熱器の温度の目標値である目標ヒータ温度TCOを達成できない場合、又は、前記回転数制限制御では無くなり、且つ、前記放熱器によるリヒート要求がある場合、前記冷房モードに切り換えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空気調和装置。
  4. 前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置を備え、
    前記制御装置は、前記最大冷房モードに切り換えた後、前記回転数制限制御では無くなり、且つ、前記放熱器の温度の目標値である目標ヒータ温度TCOを達成できない場合、又は、前記回転数制限制御では無くなり、且つ、前記放熱器によるリヒート要求がある場合、前記補助加熱装置を発熱させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空気調和装置。
  5. 前記制御装置は、前記最大冷房モードに切り換えた後、前記回転数制限制御では無くなり、且つ、前記目標ヒータ温度TCOを達成できない場合、又は、前記回転数制限制御では無くなり、且つ、前記放熱器によるリヒート要求がある場合、外気温度が高い状況で前記補助加熱装置を発熱させ、外気温度が低い状況では前記冷房モードに切り換えることを特徴とする請求項4に記載の車両用空気調和装置。
  6. 前記制御装置は、前記放熱器の風下側の空気の温度である加熱温度THが前記目標ヒータ温度TCOより低い状態が所定時間継続した場合、前記目標ヒータ温度TCOを達成できないと判断することを特徴とする請求項3乃至請求項5のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
  7. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
    冷媒を吸熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
    車室外に設けられて冷媒を吸熱させるための室外熱交換器と、
    該室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、
    前記吸熱器に流入する冷媒を減圧するための室内膨張弁と、
    少なくとも前記空気流通路に外気を導入する外気導入モードと前記空気流通路に前記車室内の空気を導入する内気循環モードとを切り換えるための吸込切換ダンパと、
    制御装置とを備え、
    該制御装置により、前記室外膨張弁を全開とし、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器及び前記室外膨張弁を経て前記室外熱交換器に流し、該室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を前記室内膨張弁で減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる冷房モードを実行する車両用空気調和装置において、
    前記放熱器及び前記室外膨張弁をバイパスして前記圧縮機から吐出された冷媒を前記室外熱交換器に直接流入させるためのバイパス装置を備え、
    前記制御装置は、前記圧縮機の吐出冷媒圧力Pd、又は、吐出冷媒温度Tdが所定の制限閾値以上となった場合に前記圧縮機の回転数を制限する回転数制限制御を実行すると共に、
    前記冷房モードで運転中に前記外気導入モードとされた場合、前記室外膨張弁を全閉とし、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器に流すこと無く、前記バイパス装置により前記室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を前記室内膨張弁で減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる最大冷房モードに切り換えることを特徴とする車両用空気調和装置。
  8. 前記制御装置は、外気温度が高い状況において、前記冷房モードで運転中に前記外気導入モードとされた場合、前記最大冷房モードに切り換えることを特徴とする請求項7に記載の車両用空気調和装置。
  9. 前記制御装置は、前記最大冷房モードに切り換えた後、外気温度が低くなった場合、又は、前記外気導入モード以外の状態とされた場合、前記冷房モードに切り換えることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の車両用空気調和装置。
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