JP2004130926A - アクチュエータ作動制御装置 - Google Patents

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Hideki Sunaga
須永 英樹
Kaoru Tanaka
田中 馨
Akira Fujisaki
藤崎 彰
Eiji Takahashi
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Abstract

【課題】ポテンショメータの部分的な欠損による異常な帰還信号に起因するハンチング現象を防止する。
【解決手段】アクチュエータの作動位置を特定する目標値とアクチュエータの作動位置を検出するポテンショメータ40からのフィードバック信号との比較に基づいてアクチュエータの駆動源18の作動を制御する装置10。この制御装置10は、ポテンショメータ40から帰還されるアナログフィードバック信号を順次デジタル化するA/D変換回路41と、該A/D変換回路から順次出力されるデジタルデータのうち異常なデジタルデータを適正なデジタルデータで補完する補完回路42とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用空気調和装置のインテークドアやエアミックスドアを作動させるためのアクチュエータにその駆動源として組み込まれる電動ドア開閉制御モータの作動を制御するのに好適なアクチュエータ作動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空気調和装置に帰還制御を用いたものがある(例えば特許文献1参照。)。この空気調和装置では、外気および内気の吸入割合を調整するためのインテークドアあるいは冷風および温風の混合割合を調整するためのエアミックスドアと称される制御弁体がアクチュエータにより操作される。このアクチュエータは、電動モータを駆動源とし、この電動モータにより作動されるドアの開度は、ドアと一体的に動作する摺動子が設けられたポテンショメータにより検出される。ポテンショメータは、抵抗体上の摺動子が電動モータの作動に応じて前記抵抗体上を連続的に摺動することにより、ドア開度に応じた電圧値すなわちドア開度情報を帰還信号として出力する。この帰還信号と目標値との偏差に基づいてドアが目標開度となるように制御を受ける。
【0003】
従って、ポテンショメータの抵抗体に損傷がなく、この抵抗体上を電動モータの作動に応じて摺動子が摺動するとき、この摺動に比例的に増減する帰還信号が得られることから、ドアを目標値へ向けて迅速に操作することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−309120号公報(第3−5頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ポテンショメータの例えば抵抗体の一部に損傷が生じあるいは塵埃等が付着すると、帰還信号が比例的に増減しない異常な信号を発生する欠損部が生じることがある。また、この欠損部が生じた状況下で、前記抵抗体上の異常信号を与える部分に対応する開度が目標値として与えられることがある。例えば、長さLの摺動領域の中央部(L/2)に欠損が生じている場合に、この中央部(L/2)は、ドアの最大開度(F)の半値である半開度(F/2)が対応する。そのため、抵抗体上の摺動領域の中央部に欠損部がある状況下で、ドアの目標値として半開度(F/2)が与えられると、ドアは目標値に一致する所望の半開度(F/2)に移動されているにも拘わらず、この半開度に対応する適正な帰還信号が得られないことから、目標値を中心とした振動であるハンチング現象が引き起こされる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ポテンショメータの部分的な欠損による異常な帰還信号に起因するハンチング現象を防止し得るアクチュエータ作動制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、アクチュエータの駆動源の作動を、前記アクチュエータの目標値とその作動位置を検出するポテンショメータからのフィードバック信号との比較に基づいて制御する装置であって、前記ポテンショメータから帰還されるアナログフィードバック信号を順次デジタル化するA/D変換回路と、該A/D変換回路から順次出力されるデジタルデータを比較し、引き続く2つのデジタルデータの比較結果が1段階分以内であるとき、引き続く前記2つのデジタルデータの中の後のデジタルデータを出力し、前記比較結果が2段階分以上となるとき、引き続く前記2つのデジタルデータの中の後のデジタルデータを前記2つのデジタルデータの中の前のデジタルデータよりも1段階分増大もしくは減少したデジタルデータで補完し、当該補完値を適正なデジタルデータとして出力する補完回路とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明では、A/D変換回路から順次出力されるデジタル値は、ポテンショメータから順次漸増もしくは漸減するアナログ値に対応した離散的なデジタル値であり、ポテンショメータに異常がない限り、このデジタル値の変化は1段階毎の増減を示すに過ぎない。補完回路は、引き続く2つのデジタルデータを比較し、その比較結果が1段階以内のとき、すなわち2段階分を越えないとき、2つのデータの中の後のデジタルデータを出力し、また比較結果が2段階分以上となるとき、引き続く2つのデジタルデータの中の前のデジタルデータよりも1段階分増大もしくは減少したデジタルデータを出力する。このように、補完回路は、前のデジタルデータを基準として、これよりも2段階を越えるデジタルデータは異常として判定し、このとき前のデジタルデータよりも1段階分の差を有するデジタルデータを補完値として出力する。
【0009】
従って、ポテンショメータから帰還されA/D変換回路によりデジタル化されたフィードバック信号に、ポテンショメータの部分的な欠損によりたとえ欠落等の異常が生じても、補完回路により適正なデジタルデータがリアルタイムで補完されることから、この欠損部分に対応する目標値が入力されている状況下であってもポテンショメータの部分的な欠損によるハンチング現象を確実に防止することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記補完回路が、前記A/D変換回路から出力されるデジタルデータを順次先入れ先出し方式で格納する第1および第2の記憶部と、前記第1の記憶部に格納されたデジタルデータおよび前記第2の記憶部に格納され、前記第1の記憶部に格納されたデジタルデータに引き続くデジタルデータの両値を比較する比較器と、該比較器による比較結果がデジタル値についての所定の2段階分を越えないとき第2の記憶部に格納されているデジタルデータをフィードバック信号として出力し、前記比較器による比較結果が2段階を越えるとき前記アクチュエータの前記駆動源の作動方向に応じて前記第1の記憶部に格納されたデジタルデータよりも1段階分増減した適正な補完デジタルデータをフィードバック信号として出力する演算処理部とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明では、A/D変換回路から出力されるデジタルデータを順次先入れ先出し方式で格納する第1および第2の記憶部と、両記憶部に格納されたデジタルデータを比較する比較器と、演算処理部とにより補完回路を構成することができ、これにより比較的容易かつ単純な構成で補完回路を形成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記デジタルデータは開度データであり、さらに前記補完回路はメモリを有し、前記演算処理部は、前記比較器による比較結果が2段階分以上となるときの前記第2の記憶部に格納されている開度データと該開度データに対応する補完開度データとを当該両開度データの対応関係および前記駆動源の作動方向の情報と共に、前記メモリに書き込こむことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明では、補完回路がさらにメモリを有し、前記演算処理部は、このメモリに、第2の記憶部に格納されている開度データと該開度データに対応する補完開度データとを両者の対応関係およびアクチュエータの駆動源の作動方向の情報と共に記憶する。前記補完回路は、このメモリに格納された情報から補完すべきデータを迅速に求めることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記比較器による比較結果が2段階分以上となるとき、前記演算処理部が前記駆動源の作動方向に応じて、前記第1の記憶部に格納されている開度データに基づいて該開度データに対応した補完開度データを前記メモリ内の書込みデータから検索し、検索によって得られた補完開度データをフィードバック信号として出力し、検索によって対応する補完開度データが得られなかった場合、前記駆動源の作動方向に応じて前記第1の記憶部に格納された開度データよりも1段階分増減した補完開度データを求め、前記第1の記憶部に格納された開度データおよび求められた前記補完開度データを両者の対応関係および前記駆動源の作動方向の情報と共に前記メモリに書き込み、前記補完開度データをフィードバック信号として出力することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明では、前記演算処理部が検索動作によりメモリー内のデータを検索し、対応する補完開度データが得られなかったときに補完開度データを求めるための演算処理を行うことから、演算処理部の処理の高速化に有利である。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1において、前記駆動源が自動車用空気調和装置の電動ドア制御モータであることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明では、電動ドア制御モータを駆動源とするアクチュエータが設けられた自動車用空気調和装置で、ポテンショメータの部分的な欠損によるハンチング現象を防止できる。自動車用空気調和装置の電動ドア開閉制御モータにハンチング現象が生じると、このハンチング現象に伴う異音が車内騒音の原因となるので、ハンチング現象の防止は車内騒音の低減の上で、極めて有効である。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記電動ドア開閉制御モータは、前記空気調和装置に設けられる各ドアを作動させることを特徴とする。この電動ドア開閉制御モータを駆動源とするアクチュエータにより作動の制御を受ける空気調和装置のドアとして、外気及び内気の吸入割合を調整するためのインテークドア、冷風及び温風の混合割合を調整するためのエアミックスドアの他、従来よく知られたセパレートドア、モードドア、フレッシュベントドア、バイレベルドア等がある。
【0019】
請求項6に記載の発明では、空気調和装置の比較的頻繁に作動の制御を受ける各ドアの過剰なハンチング動作を抑制することができ、これにより過剰なハンチング現象による異音発生の抑制に著しい効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の特徴を図示の実施の形態に沿って、詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係るアクチュエータ作動制御装置の電気回路図を概略的に示す。この図1に沿っての説明に先立ち、本発明に係るアクチュエータ作動制御装置が適用される自動車用空気調和装置の一例を図2に沿って説明する。
【0022】
本発明に係る自動車用空気調和装置11は、図2に示すように、車外からの外気或いは車内の内気を選択的に取り入れるためのインテークユニット12と、該インテークユニットを経て取り入れられた空気を冷却するクーリングユニット13と、このクーリングユニット13からの冷風を温風との調和によって温度を調整した後、車内に吹き出すヒータユニット14とを備える。
【0023】
インテークユニット12に設けられた外気取入口15および内気取入口16の合流点には、各取入口15、16を経て内部に取り入れられる外気と内気との吸入量の割合を調整するインテークドア17が、その枢軸17aの回りに揺動自在に設けられている。インテークドア17は、電動ドア開閉制御モータである例えばDCモータのような電動モータ18aを駆動源とするインテークドアアクチュエータの動作により、内気取入口16を全閉する符号Aで示す開度位置および外気取入口15を全閉する符号Bで示す開度位置との間で回動する。
【0024】
従って、従来よく知られているように、ファンモータ19が作動すると、そのファン20の回転によって生じる吸気負圧に応じて、インテークドア17が開度位置Aにあるとき、外気導入モード(FRE)として外気取入口15から、また開度位置Bにあるとき内気循環モード(REC)として内気取入口16からそれぞれ空気がインテークユニット12内に取り入れられる。また、両開度位置A、Bの中間位置ではインテークドア17の開度位置に応じた割合で、外気および内気が、それぞれの取入口15、16からインテークユニット12内に取り入れられる。
【0025】
クーリングユニット13には、エバポレータ21が設けられている。エバポレータ21は、これに接続されたコンプレッサ(図示せず)から圧縮された冷却媒体の供給を受けると、この冷却媒体との熱交換作用により、インテークユニット12からの取入れ空気を冷却する。
【0026】
ヒータユニット14には、例えばエンジン冷却水を熱源とするヒータコア22が設けられている。また、ヒータコア22に関連して、エアミックスドア23が設けられている。エアミックスドア23は、従来よく知られているように、クーリングユニット13からの冷却空気のうち、ヒータコア22を通過する量とヒータコア22を迂回する量との割合を調整するために、その枢軸23aの回りに揺動自在であり、前記したと同様な電動ドア開閉制御モータである電動モータ18bを駆動源とするエアミックスドアアクチュエータの作動により、そのドア開度を可変とする。このエアミックスドア23の開度を調整することにより、ヒータコア22を通過することによって該ヒータコアで加熱された温風とヒータコア22を迂回するクーリングユニット13からの冷風との混合割合を調整することができる。
【0027】
この混合割合の調整によって適温に調整された空気は、霜取り用吹出口24、ベンチレータ吹出口25、足元吹出口26のそれぞれから車室内に供給可能である。吹出口24、25および26のそれぞれには、各吹出口の開閉のためのドア27、28および29が設けられている。各ドア27、28、29は、図示しないが、前記したと同様な電動モータを駆動源とする各アクチュエータにより作動させることができる。
【0028】
各アクチュエータ110は、図6に示す例では、電動モータ18(18aまたは18b)と、該電動モータの回転軸に固定されたウォーム111と、該ウォームに噛合する減速ギヤ列112(112a、112b、112cおよび112d)と、最終ギヤ111dの回転軸に固定されたアクチュエータレバー13とを備え、該アクチュエータレバーが各ドアの前記枢軸に連結されている。
【0029】
インテークドア17およびエアミックスドア23の各ドア開度を調整するために、本発明に係るアクチュエータ作動制御装置が用いられている。図示の実施の形態では、インテークドアアクチュエータおよびエアミックスドアアクチュエータ毎に、各電動モータ18a、18bの制御のためのアクチュエータ作動制御回路10(10a、10b)が設けられている。本発明に係るアクチュエータ作動制御回路は、各ドア17、23、27、28、29の他、従来よく知られたセパレートドア、モードドア、フレッシュベントドア、バイレベルドア等、空気調和装置の全てのドアの制御に適用することができる。各アクチュエータ作動制御回路10は、従来よく知られているように、ACアンプと称される空気調和装置用の主制御装置30との間で無線交信が可能である。
【0030】
主制御装置30は、図示しないが、車内温度を検出する内気センサ、日射量を検出する日射センサ、外気温度を検出する外気センサ等の各種センサや自動制御を選択するオートスイッチ、車内温度設定器のような手動スイッチ類からの各信号に基づいて、各ドア17、23の最適な目標開度を算出する。主制御装置30は、それぞれのアクチュエータ作動制御回路10(10a、10b)を通して各ドア17、23をその目標開度に動作させるために、それぞれのアクチュエータ作動制御回路10(10a、10b)に各ドア開度の目標値を与えるように、これらと交信する。
【0031】
図1に示すアクチュエータ作動制御回路10は、インテークドア17またはエアミックスドア23のドア開度の操作のために、それぞれに設けられている。
【0032】
以下、説明の簡素化のために、アクチュエータ作動制御回路10をインテークドアアクチュエータの駆動源である電動モータ18aのためのアクチュエータ作動制御回路10aとして説明する。
【0033】
図1に示すアクチュエータ作動制御回路10は、主制御装置30との交信によって与えられるインテークドア17のドア開度の目標値に沿ってこのドア開度を帰還制御するために設けられている。
【0034】
アクチュエータ作動制御回路10は、主制御装置30との交信のための通信部31と、電源Bから帰還制御のための所定の電圧電源を得るための電源回路32と、インテークドア17を操作する電動モータ18aへの給電制御のためのコントロール回路部33とを備える。電動モータ18aは、インテークドア17を操作するインテークドアアクチュエータ内にその駆動源として組み込まれている。
【0035】
通信部31は、主制御装置30とのデータ交換のためのインタフェースとして機能する入出力回路34と、該入出力回路を経て主制御装置30とデータ交信するための通信処理回路35と、各アクチュエータ作動制御回路10(10a、10b)を識別するための通信識別子を設定するID設定回路36とを備える。通信処理回路35は、主制御装置30から送信されるデータのうち、ID設定回路36により設定された自己の識別子に一致するデータを識別し、また必要なデータを主制御装置30に送信する。図示の例では、主制御装置30との間の通信プロトコルは、ローカル・インターコネクト・ネットワーク(LIN)が適用されている。
【0036】
コントロール回路部33は、この実施の形態では、インテークドア17のアクチュエータの駆動源である電動モータ18aを作動させるための駆動回路37と、該駆動回路に制御信号を出力する駆動制御回路38と、該駆動制御回路に動作許可信号を出力するタイマー回路39とを備える。
【0037】
駆動回路37は、図示しないが4つの例えばMOSトランジスタのようなスイッチング素子をH字状に結線して形成された従来よく知られたHブリッジ回路で構成することができる。この駆動回路37は、駆動制御回路38から供給される制御信号に応じて、電源Bの一対の電力供給端子と電動モータ18aの一対の接続端子との接続関係を切り替える。この駆動回路37による切替え動作に応じて電動モータ18aは、例えば停止動作、正転動作、逆転動作または動作停止時での発電ブレーキ動作を選択される。発電ブレーキ動作では、従来よく知られているように、回転動作中の電動モータ18aの一対の接続端子を接地させることにより、この電動モータ18aを発電ブレーキとして機能させることができる。
【0038】
インテークドアアクチュエータの駆動源である電動ドア開閉制御モータすなわち電動モータ18aの回転軸は、図6に示したように、ウォーム111、該ウォームに噛合する減速ギヤ列112(112a、112b、112cおよび112d)およびアクチュエータレバー113を介して、インテークドア17の枢軸17aに連結され、これによりインテークドア17のドア開度は、電動モータ18aの作動に応じて変化する。このインテークドア17の開度は、ポテンショメータ40により、電圧値として検出される。
【0039】
ポテンショメータ40は、従来よく知られているように、抵抗体40aと、該抵抗体上を摺動可能の摺動子40bとを備える。抵抗体40aの両端間には電源回路32の直流電圧が印加され、摺動子40bがインテークドア17の回動に応じて抵抗体40a上をその一端と他端との間で摺動することから、インテークドア17のドア開度に対応した電圧を摺動子40bから順次取り出すことができる。
【0040】
ポテンショメータ40の摺動子40bから出力される電圧値すなわちドア開度情報は、A/D変換回路41によって例えば8ビットのデジタルデータに変換される。この8ビットのデジタルデータへの変換により、インテークドア17のドア開度は、その調整可能範囲の1/256の角度毎に、ドア開度に応じた256段階のデジタルデータによって段階的、すなわち離散的に示される。このデジタルデータに変換されたフィードバック信号は、ノイズ成分を除去するデジタルフィルタ42′を経て、本発明に係る補完回路42に供給され、この補完回路42から、駆動制御回路38に接続された比較器43に供給される。
【0041】
デジタルフィルタ42′を不要とすることができる。また、図1に示すとおり、必要に応じて前記フィードバック信号を通信処理回路35から主制御装置30に送出することができる。
【0042】
補完回路42は、図3に示すように、A/D変換回路41から出力されるデジタルデータを順次先入れ先出し方式で格納する第1および第2の記憶部42aおよび42bと、両記憶部42a、42bに格納されたデータを比較する比較器42cと、該比較器による比較結果を受ける演算処理部42dと、該演算処理部に接続された例えばROMのような、望ましくは不揮発性のメモリ42eとを有する。
【0043】
本実施の形態では、A/D変換回路41から出力されたデジタルデータは、デジタルフィルタ42′を経て、第2の記憶部42bおよび第1の記憶部42aに順次先入れ先出し方式で入力される。従って、デジタルフィルタ42′から出力されているデジタルデータDが第2の記憶部42bに格納されているとき、第1の記憶部42aには、第2の記憶部42bに格納されていた前のデジタルデータDn−1が格納されており、A/D変換回路41からデジタルフィルタ42′を経てデジタルデータが第2の記憶部42bに出力される毎に、両記憶部42a、42bに格納されるデータが順次更新される。第1の記憶部42aの初期値には、第2の記憶部42bに格納されるデータと同一のデジタルデータが格納される。
【0044】
比較器42cは、第1の記憶部42aに格納されたデジタルデータDn−1と、第2の記憶部42bに格納されたデジタルデータDとを比較し、両デジタルデータDおよびDn−1のデータ値の差が1段階分以内であるかあるいは2段階分以上であるかを判定する。
【0045】
演算処理部42dは、比較器42cの判定結果と、電動モータ18aの回転方向すなわちポテンショメータ40の摺動子40bの摺動方向とに応じたデジタルデータを比較器43に出力する。
【0046】
比較器42cにより、両デジタルデータDおよびDn−1のデータ値が所定の1段階(±1ビット)分以内である、すなわち2段階(±2ビット)分以上にならないと判定されたとき、演算処理部42dは、第2の記憶部42bに格納されたデジタルデータDを帰還開度データとして比較器43に出力する。従って、初期値として第1の記憶部42aおよび第2の記憶部42bに同一のデジタルデータDが格納されている場合も、第2の記憶部42bに格納されたデジタルデータDが帰還開度データとして、第2の記憶部42bに出力される。
【0047】
他方、比較器42cにより、両デジタルデータDおよびDn−1のデータ値が所定の2段階(±2ビット)分以上であると判定されたとき、演算処理部42dは、そのときの電動モータ18aの回転方向が正転方向すなわち時計方向であれば、第1の記憶部42bに格納されたデジタルデータDnー1よりも1段階分増大した補完デジタルデータ値dy(Dnー1+1)を帰還開度データdnとして、比較器43に出力する。また、演算処理部42dは、そのときの電動モータ18aの回転方向が逆転方向すなわち反時計方向であれば、第1の記憶部42bに格納されたデジタルデータDnー1よりも1段階分減少した補完デジタルデータ値dy(Dnー1−1)を帰還開度データdnとして比較器43に出力する。
【0048】
前記した比較器42cによる判定結果毎に、比較器43に出力する帰還デジタルデータdnを演算処理部42dに演算処理させることができる。しかしながら、次に述べるように、比較器42cが異常を検出したときの各データをメモリ42eに格納し、この格納データを演算処理部42dに検索させることが、該演算処理部の作業能力の軽減の上で、望ましい。
【0049】
図4は、メモリ42eに格納されるデータ内容を示す補完データテーブルである。演算処理部42dは、図4のデータテーブルに示すように、比較器42cが異常を検出したとき、そのときの電動モータ18aの回転方向(時計方向:c.w.、反時計方向:c.c.w.)毎に、異常結果を与えたときの第2の記憶部42b内に格納されていた異常データDと、このとき演算処理部42dにより求められた補完デジタルデータdyとを対応付けてメモリ42eに格納する。また、演算処理部42dは、比較器42cが異常を検出したとき、そのときの電動モータ18aの回転方向に応じて、異常値と判定された第2の記憶部42b内のデジタルデータに一致する異常データがテーブル内にあるか否かを検索する。この検索結果で、一致する異常データが検出されると、既に求められたテーブル内の対応する補完デジタルデータdyが帰還開度データdnとして比較器43に出力される。
【0050】
本発明に係る補完回路42の動作を図5のフローチャートに沿って説明する。
【0051】
ステップS1: 補完回路42の比較器42cが両記憶部42a、42bに格納されたデジタルデータDn−1と、第2の記憶部42bに格納されたデジタルデータDとを比較する。
【0052】
ステップS2: 両デジタルデータDおよびDn−1のデータ値の差が2段階分を越えないとき、演算処理部42dは、第2の記憶部42bに格納されたデータDを帰還デジタルデータとして比較器43に出力する。
【0053】
ステップS3: ステップS1での比較の結果、両デジタルデータDおよびDn−1のデータ値の差が2段階分以上であるとき、演算処理部42dは、メモリ42e内のデータを検索し、2段階分以上の差を与えた異常データであるデジタルデータDに一致するデータをメモリ42e内のデータから検索する。
【0054】
ステップS4: この検索の結果に基づいて、演算処理部42dは、デジタルデータDがメモリ42e内のデータにあるか否かを判定する。
【0055】
ステップS5: ステップS4で該当するデータDがあると判定されたとき、そのデータDが時計方向(正転方向)および反時計方向(逆転方向)のいずれの方向への移動時に関するものであるかを演算処理部42dは判定する。
【0056】
ステップS6: ステップS5での判定結果が時計方向への移動時に関するものであれば、演算処理部42dは、図4の時計方向(c.w.)の欄の異常データDに対応する補完デジタルデータdyを帰還デジタルデータdnとして比較器43に出力する。
【0057】
ステップS7: 他方、ステップS5での判定結果が反時計方向への移動時に関するものであれば、演算処理部42dは、図4の反時計方向(c.c.w.)の欄の異常データDに対応する補完デジタルデータdyを帰還デジタルデータdnとして比較器43に出力する。
【0058】
ステップS8: ステップS4で該当するデータDがメモリ42e内のデータにないと判定されたとき、演算処理部42dは、そのデータDが時計方向および反時計方向のいずれの方向への移動時に関するものであるかを判定する。
【0059】
ステップS9: 異常データDが時計方向への移動時に関するものであるとき、演算処理部42dは、第1の記憶部42bに格納されたデジタルデータDnー1よりも1段階分増大した補完デジタルデータ値dy(Dnー1+1)を帰還開度データdnとして、比較器43に出力する。
【0060】
ステップS10: 続いて、演算処理部42dは、電動モータ18aの回転方向の情報(時計方向:c.w.)と共に、異常データDとステップS9で求めた補完デジタルデータ値dy(Dnー1+1)とを両者の対応を関係付けて、メモリ42e内のテーブルに書き込む。
【0061】
ステップS11: 他方、ステップS9で異常データDが反時計方向への移動時に関するものであると判断されたとき、演算処理部42dは、第1の記憶部42bに格納されたデジタルデータDnー1よりも1段階分減少した補完デジタルデータ値dy(Dnー1−1)を帰還開度データdnとして、比較器43に出力する。
【0062】
ステップS12: 続いて、演算処理部42dは、電動モータ18aの回転方向の情報(反時計方向:c.c.w.)と共に、異常データDとステップS11で求めた補完デジタルデータ値dy(Dnー1−1)とを両者の対応を関係付けて、メモリ42e内のテーブルに書き込む。
【0063】
前記したように、演算処理部42dは、比較器42cから異常データである旨の異常判定結果を受けると、先ず、メモリ42e内のデータを検索する。この検索によって該当する補完値データが得られないとき、演算処理部42dは初めて適正な補完値(Dnー1−1またはDnー1+1)を求めるべく、前記した演算処理を行う。このことから、比較器42cによる判定結果毎に、比較器43に出力する帰還デジタルデータdnを演算処理部42dに演算処理させる必要がないので、該演算処理部42dの演算処理作業の軽減が図られる。
【0064】
補完回路42の前記した補完作用により、適正にデータが補完された帰還開度データは、フィードバック信号として比較器43に出力される。この比較器43は、帰還制御のために、図1に示す例では、後述する第3の記憶部44に格納された目標値と、補完回路42からの開度データであるフィードバック信号との偏差を求める。
【0065】
この帰還制御で、ポテンショメータ40から帰還され、A/D変換回路41によりデジタル化されたフィードバック信号に、ポテンショメータ40の部分的な欠損によりたとえ欠落等の異常が生じても、補完回路42により適正なデジタルデータがリアルタイムで補完されることから、この欠損部分に対応する目標値が入力されている状況下であってもポテンショメータの部分的な欠損によるハンチング現象が確実に防止される。
【0066】
フィードバック信号が帰還される比較器43を有するコントロール回路部33は、図示の例では、通信処理回路35から出力される目標値データを一時的に保持するための第3の記憶部44と、該第3の記憶部に直列的に接続された第4の記憶部45とを備える。両記憶部44および45は、主制御装置30から送出された目標値が通信処理回路35から送出される毎に、該通信処理回路から供給されるクロックパルスをトリガーとして、通信処理回路35から送出される目標値を先入れ先出し方式で順次格納するデータラッチ回路で構成することができる。
【0067】
通信処理回路35から出力される目標値は、通信処理回路35からのトリガーに応じて第3の記憶部44に格納される。その後、通信処理回路35から新たな目標値が出力されると、通信処理回路35からのトリガーに応じて、第3の記憶部44に格納されていた目標値は前回の目標値として第4の記憶部45に送られ、該記憶部に格納される。また、通信処理回路35から出力された新たな目標値は第3の記憶部44に格納される。以降、通信処理回路35から新たな目標値が出力される毎に、通信処理回路35からのトリガーに伴い第3の記憶部44に格納されているデータは新たな目標値で更新され、第4の記憶部45に格納されているデータは第1の記憶に格納されていた目標値で更新される。従って、第3の記憶部44には主制御装置30からの最新の目標値が格納され、第4の記憶部45には前回の目標値が格納されている。
【0068】
第3の記憶部44に格納された最新の目標値は、補完回路42からの帰還信号を受ける前記した比較器43に送出される。比較器43は、この第3の記憶部44からの最新の目標値と、補完回路42からのフィードバック信号とを比較し、その偏差を電動モータ18aの作動を制御するための駆動制御回路38に出力する。
【0069】
駆動制御回路38は、タイマー回路39から動作許可信号を受けている限り、すなわち、タイマー回路39から動作禁止信号を受けていない限り、第3の記憶部44に格納された新たな目標値とフィードバック信号値とを一致させるように駆動回路37に制御信号を出力する。駆動回路37は、駆動制御回路38からの制御信号により、例えば目標値がフィードバック信号値よりも大きいとき、電動モータ18aを正転させるように動作し、これによりインテークドア17の開度が増大し、あるいは目標値がフィードバック信号値よりも小さいとき、電動モータ18aを逆転させるように動作し、これによりインテークドア17の開度が減少する。
【0070】
また、図示の実施の形態では、タイマー回路39に加えて、電動モータ18aへの過電流の供給を阻止する過電流検出回路46および駆動電圧制御回路47が設けられている。駆動制御回路38は、過電流検出回路46により電動モータ18aへの過電流が検出されたとき、電動モータ18aへの給電を停止すべく駆動回路37を動作させる。また、駆動制御回路38は、電動モータ18aの制動時に駆動電圧制御回路47からの制御信号を受けたとき、駆動回路37のMOSトランジスタからなるスイッチング素子の動作に時間遅延を与えるように各MOSトランジスタのゲート電圧を制御する。この時間遅延により、急激な制動によるバックラッシュの発生を抑制することができる。
【0071】
駆動制御回路38に動作許可信号を送出するタイマー回路39は、第3の記憶部44に新たな目標値が格納されたとき、この第3の記憶部44に格納された新たな目標値と、第4の記憶部45に格納された前の目標値とを相互に比較し、両者が一致しないときタイマーリセット信号を出力する比較器48と、該比較器からタイマーリセット信号を受けたとき該タイマーリセット信号を受けてから所定の時間、動作許可信号を駆動制御回路38に出し続け、所定の時間が経過したとき動作許可信号の送出を停止するタイマー49とを備える。
【0072】
タイマー49によって設定される所要時間すなわち動作許可信号を出し続ける時間は、ポテンショメータ40の摺動子40bが抵抗体40aの一端から他端へ移動するのに要する時間よりも僅かに長い、例えば15秒が設定される。この設定時間として、通常の電動モータ18aの作動によってインテークドア17がいずれの開度位置にあっても、与えられた目標の開度にインテークドア17を移動させ、その運動を目標開度に収束させるに必要かつ充分な時間が採用される。
【0073】
タイマー回路39の比較器48は、第3の記憶部44に新たな目標値が格納された場合、該第3の記憶部に格納された目標値が第4の記憶部45に格納された目標値と一致するとき、タイマー49にタイマーリセット信号を出力することはない。
【0074】
従って、例えば、主制御装置30から前の目標値と同一の新たな目標値がアクチュエータ作動制御回路10に送信されて来ると、第3の記憶部44および第4の記憶部45の目標値は一致することから、比較器48がタイマー49にタイマーリセット信号を出力することはない。そのため、この場合、駆動制御回路38は作動が停止した状態におかれることから、駆動回路37は電動モータ18aを作動させることなく停止状態に保持する。その結果、インテークドア17は、先の目標値に一致する開度に保持され続ける。
【0075】
他方、主制御装置30から前の目標値と異なる新たな目標値がアクチュエータ作動制御回路10に送信されて来ると、タイマー回路39の比較器48は、第3の記憶部44に格納された新たな目標値と第4の記憶部45に格納された前の目標値との不一致を検出し、タイマー49にタイマーリセット信号を出力する。
【0076】
タイマー49は、比較器48からのタイマーリセット信号を受けると、駆動制御回路38に動作許可信号を例えば15秒の間、出力する。駆動制御回路38は、この動作許可信号を受けている間、動作可能状態におかれることから、過電流検出回路46からの過電流検出信号を受けない状況下では、前記したとおり、第3の記憶部44からの目標値と、ポテンショメータ40からA/D変換回路41に出力され該A/D変換回路から本発明に係る補完回路42を経て帰還されるフィードバック信号との偏差を出力する比較器43の出力が零になるように、駆動回路37を経て電動モータ18aの作動を制御する。
【0077】
このアクチュエータ作動制御回路10の制御動作中に、例えば電動モータ18aに機械的な障害によりロック状態が生じ、あるいは何らかの原因でインテークドア17が目標の開度に収束することなく、この目標開度を中心として振動を生じるハンチング現象が生じても、所定時間を超えるとタイマー回路39が駆動制御回路38への動作許可信号の送出を停止することから、駆動回路37から電動モータ18aへの給電が停止される。
【0078】
このタイマー回路39の動作により、電動モータ18aの過熱防止機構に依存することなく、また格別なデューティ比制御用プログラムを採用することなく、電動モータ18aのロックによる過熱あるいは所定時間を超える過剰なハンチング現象を確実に防止することができる。
【0079】
タイマー回路39を不要とすることができるが、自動車用空気調和装置11では、機械的なロックによってインテークドア17の作動で前記したハンチング現象が生じると、このハンチング現象に伴う異音が車内騒音の原因となる。そこで、タイマー回路39を設けることにより、前記空気調和装置におけるロックによる過剰なハンチング現象を防止することができるので、このハンチング現象による車内騒音をも低減する上で、タイマー回路39を設けることが望ましい。
【0080】
タイマー回路39により設定される所要時間として、電動モータ18aの通常の作動で、インテークドア17がいずれの開度位置にあっても、与えられた目標の開度にインテークドア17を移動させ、その運動を目標開度に収束させるに必要な時間を適宜選択することができる。
【0081】
インテークドア17に代えてエアミックスドア23の電動モータ18bの作動制御に図1に示したと同様なアクチュエータ作動制御回路10を適用することができ、また、必要に応じて各ドア27〜29およびその他のドアの作動制御にも前記アクチュエータ作動制御回路を適用することができる。
【0082】
また、前記アクチュエータ作動制御回路は、前記した無線方式の他、有線方式の作動制御回路にも適用することができる。
【0083】
本発明に係る補完回路42を備えるアクチュエータ作動制御装置によれば、A/D変換回路41によりデジタル化されたフィードバック信号に、ポテンショメータ40の部分的な欠損による異常が生じても、補完回路42により適正なデジタルデータがリアルタイムで補完されるので、この欠損部分に対応する目標値が入力されている状況下であってもポテンショメータ40の部分的な欠損によるハンチング現象を確実に防止することができる。
【0084】
また、A/D変換回路41から出力されるデジタルデータを順次先入れ先出し方式で格納する第1および第2の記憶部42a、42bと、両記憶部に格納されたデジタルデータを比較する比較器42cと、演算処理部42dとにより補完回路42を形成することにより、比較的容易かつ単純な構成で補完回路を形成することができる。
【0085】
また、補完回路42に異常データについての情報を格納するメモリ42eを設け、このメモリ42eに、第2の記憶部42bに格納されている開度データDと該開度データDに対応する補完開度データdyとを両者の対応関係およびアクチュエータの駆動源である電動モータ18aの作動方向の情報(c.w.またはc.c.w.)と共に記憶させることにより、このメモリ42eに格納された情報から補完すべきデータを迅速に求めることができる。
【0086】
また、補完回路42の演算処理部42dがメモリ42e内のデータを検索動作により検索し、対応する補完開度データが得られなかったときに補完開度データを求めるための演算処理を演算処理部42dに行なわせることにより、この演算処理部42dの処理の高速化を図ることができる。
【0087】
さらに、本発明の補完回路42を備えるアクチュエータ作動制御装置を空気調和装置11のインテークドア17またはエアミックスドア23の各アクチュエータの電動モータ18(18a、18b)あるいはその他の各ドアのアクチュエータの駆動源の制御に適用することにより、ポテンショメータ40の部分的な欠損によるハンチング動作を防止することができることから、ハンチング現象による異音発生を効果的に抑制することができる。
【0088】
前記したところでは、本発明に係る補完回路42をタイマー回路39からの動作許可信号に応じて動作する駆動制御回路38が設けられたアクチュエータ作動制御装置に組み込んだ例に沿って説明した。これに代えて、本発明に係る補完回路42をタイマー回路39による制御を受けることのない駆動制御回路が設けられたアクチュエータ作動制御装置に適用することができ、これによりフィードバック信号の部分的な欠損による帰還データを適正に補完することができるので、適正な帰還制御が可能となる。
【0089】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ポテンショメータから帰還されるフィードバック信号に含まれるポテンショメータの部分的な欠損による異常データは、補完回路により適正なデジタルデータでリアルタイムに補完されることから、この欠損部分に対応する目標値が入力されている状況下であっても欠損部分に起因するハンチング現象を確実に防止することができる。
【0090】
請求項2に記載の発明によれば、第1および第2の記憶部と、両記憶部に格納されたデジタルデータを比較する比較と、演算処理部とにより、比較的容易かつ単純な構成で補完回路を形成することができる。
【0091】
請求項3に記載の発明によれば、補完回路がメモリに格納されている開度データと該開度データに対応する補完開度データとを両者の対応関係およびアクチュエータの作動方向の情報から補完すべきデータを迅速に求めることができる。
【0092】
請求項4に記載の発明によれば、前記演算処理部はメモリー内のデータから対応する補完開度データが得られなかったときにのみ、補完開度データを求めるための演算処理を行い、メモリに格納されている情報を有効に利用することから、演算処理部の処理の高速化を図ることができる。
【0093】
請求項5および6に記載の発明によれば、自動車用空気調和装置におけるポテンショメータの部分的な欠損によるハンチング現象を防止することにより、このハンチング現象に起因する車内騒音の低減を効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアクチュエータ作動制御装置の電気回路を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る作動制御装置が組み込まれる車両用空気調和装置の一例を概略的に示す断面図である。
【図3】図1に示した補完回路の構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】補完データデーブルの一例を示す説明図である。
【図5】補完回路の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るアクチュエータの内部構成を示す構造図である。
【符号の説明】
10 アクチュエータ作動制御回路(アクチュエータ作動制御装置)
17 インテークドア
18(18a、18b) アクチュエータの駆動源(電動モータ)
23 エアミックスドア
40 ポテンショメータ
41 A/D変換回路
42 補完回路
42a 第1の記憶部
42b 第2の記憶部
42c 比較器42c
42d 演算処理部

Claims (6)

  1. アクチュエータの駆動源の作動を、前記アクチュエータの目標値とその作動位置を検出するポテンショメータからのフィードバック信号との比較に基づいて制御する装置であって、前記ポテンショメータから帰還されるアナログフィードバック信号を順次デジタル化するA/D変換回路と、該A/D変換回路から順次出力されるデジタルデータを比較し、引き続く2つのデジタルデータの比較結果が1段階分以内であるとき、引き続く前記2つのデジタルデータの中の後のデジタルデータを出力し、前記比較結果が2段階分以上となるとき、引き続く前記2つのデジタルデータの中の後のデジタルデータを前記2つのデジタルデータの中の前のデジタルデータよりも1段階分増大もしくは減少したデジタルデータで補完し、当該補完値を適正なデジタルデータとして出力する補完回路とを備えることを特徴とする、アクチュエータのための作動制御装置。
  2. 前記補完回路は、前記A/D変換回路から出力されるデジタルデータを順次先入れ先出し方式で格納する第1および第2の記憶部と、前記第1の記憶部に格納されたデジタルデータおよび前記第2の記憶部に格納され、前記第1の記憶部に格納されたデジタルデータに引き続くデジタルデータの両値を比較する比較器と、該比較器による比較結果がデジタル値についての所定の2段階分を越えないとき前記第2の記憶部に格納されているデジタルデータをフィードバック信号として出力し、前記比較器による比較結果が2段階を越えるとき前記駆動源の作動方向に応じて前記第1の記憶部に格納されたデジタルデータよりも1段階分増減した補完デジタルデータをフィードバック信号として出力する演算処理部とを有する請求項1記載の作動制御装置。
  3. 前記デジタルデータは開度データであり、さらに前記補完回路はメモリを有し、前記演算処理部は、前記比較器による比較結果が2段階分以上となるときの前記第2の記憶部に格納されている開度データと該開度データに対応する補完開度データとを当該両開度データの対応関係および前記駆動源の作動方向の情報と共に、前記メモリに書き込こむことを特徴とする請求項2記載の作動制御装置。
  4. 前記演算処理部は、前記比較器による比較結果が2段階分以上となるとき、前記駆動源の作動方向に応じて、前記第1の記憶部に格納されている開度データに基づいて該開度データに対応した補完開度データを前記メモリ内の書込みデータから検索し、検索によって得られた補完開度データをフィードバック信号として出力し、検索によって対応する補完開度データが得られなかった場合、前記駆動源の作動方向に応じて前記第1の記憶部に格納された開度データよりも1段階分増減した補完開度データを求め、前記第1の記憶部に格納された開度データおよび求められた前記補完開度データを両者の対応関係および前記駆動源の作動方向の情報と共に前記メモリに書き込み、前記補完開度データをフィードバック信号として出力する請求項3記載の作動制御装置。
  5. 前記駆動源は、自動車用空気調和装置の電動ドア制御モータである請求項1記載の作動位置制御装置。
  6. 前記電動ドア制御モータは、前記空気調和装置に設けられる各ドアを作動させる請求項5記載の作動位置制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103684147A (zh) * 2013-12-06 2014-03-26 江苏科技大学 直流电机速度微分反馈控制装置和方法

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