JP2004130922A - アクチュエータ駆動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポテンショメータの部分的な欠損による異常な帰還信号に起因するハンチング現象を防止する。
【解決手段】目標値とポテンショメータ40からのフィードバック信号値との比較に基づいてアクチュエータの駆動源18の作動を制御する装置10。駆動制御装置10は、フィードバック信号が正常か否かを判定する異常信号検出回路44と、この回路44が異常を検出したとき、異常値Dnを与えたポテンショメータ40の作動位置に対応する目標値情報Tnを格納するメモリ46と、目標値Tnが与えられたとき該目標値をメモリ46に格納されている目標値情報から検索し、検索によって前記目標値に対応する目標値情報が得られたとき、目標値Tnに代えて該目標値に隣接する値Tn+1またはTnー1を新たな目標値としてフィードバック信号との比較のために出力するデータ置換回路45とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】目標値とポテンショメータ40からのフィードバック信号値との比較に基づいてアクチュエータの駆動源18の作動を制御する装置10。駆動制御装置10は、フィードバック信号が正常か否かを判定する異常信号検出回路44と、この回路44が異常を検出したとき、異常値Dnを与えたポテンショメータ40の作動位置に対応する目標値情報Tnを格納するメモリ46と、目標値Tnが与えられたとき該目標値をメモリ46に格納されている目標値情報から検索し、検索によって前記目標値に対応する目標値情報が得られたとき、目標値Tnに代えて該目標値に隣接する値Tn+1またはTnー1を新たな目標値としてフィードバック信号との比較のために出力するデータ置換回路45とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用空気調和装置のインテークドアやエアミックスドアを作動させるためのアクチュエータにその駆動源として組み込まれる電動ドア開閉制御モータの作動を制御するのに好適なアクチュエータ駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空気調和装置に帰還制御を用いたものがある(例えば特許文献1参照。)。この空気調和装置では、外気および内気の吸入割合を調整するためのインテークドアあるいは冷風および温風の混合割合を調整するためのエアミックスドアと称される制御弁体がアクチュエータにより操作される。このアクチュエータは、電動モータを駆動源とし、この電動モータにより作動されるドアの開度は、ドアと一体的に動作する摺動子が設けられたポテンショメータにより検出される。ポテンショメータは、抵抗体上の摺動子が電動モータの作動に応じて前記抵抗体上を連続的に摺動することにより、ドア開度に応じた電圧値すなわちドア開度情報を帰還信号として出力する。この帰還信号と目標値との偏差に基づいてドアが目標開度となるように制御を受ける。
【0003】
従って、ポテンショメータの抵抗体に損傷がなく、この抵抗体上を電動モータの作動に応じて摺動子が摺動するとき、この摺動に比例的に増減する帰還信号が得られることから、ドアを目標値へ向けて迅速に操作することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−309120号公報(第3−5頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ポテンショメータの例えば抵抗体の一部に損傷が生じあるいは塵埃等が付着すると、帰還信号が比例的に増減しない異常な信号を発生する欠損部が生じることがある。また、この欠損部が生じた状況下で、前記抵抗体上の異常信号を与える部分に対応する開度が目標値として与えられることがある。例えば、長さLの摺動領域の中央部(L/2)に欠損が生じている場合に、この中央部(L/2)は、ドアの最大開度(F)の半値である半開度(F/2)が対応する。そのため、抵抗体上の摺動領域の中央部に欠損部がある状況下で、ドアの目標値として半開度(F/2)が与えられると、ドアは目標値に一致する所望の半開度(F/2)に移動されているにも拘わらず、この半開度に対応する適正な帰還信号が得られないことから、目標値を中心とした振動であるハンチング現象が引き起こされる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ポテンショメータの部分的な欠損による異常な帰還信号に起因するハンチング現象を防止し得るアクチュエータ駆動制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、アクチュエータの駆動源の作動を、前記アクチュエータの目標値とその作動位置を検出するポテンショメータからのフィードバック信号値との比較に基づいて制御する装置であって、前記ポテンショメータから帰還されるフィードバック信号が正常か否かを判定する異常信号検出回路と、該異常信号検出回路が異常を検出したとき、この異常値を与えた前記ポテンショメータの作動位置に対応する目標値情報を格納するためのメモリと、目標値が与えられたとき該目標値を前記メモリに格納されている目標値情報から検索し、検索によって前記目標値に対応する目標値情報が得られたとき、前記目標値に代えて、該目標値に隣接する値を新たな目標値として前記フィードバック信号との比較のために出力するデータ置換回路とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明では、異常信号検出回路がポテンショメータから帰還されるフィードバック信号が比例的に増減するか否かを順次判定し、例えばデジタル信号では所定の段階毎に比例的に増減するか否かを判定する。異常信号検出回路は、フィードバック信号が比例的に増減しない、すなわち、この比例関係からずれる異常なフィードバック信号を検出すると、例えば、この異常値を与える前記ポテンショメータの摺動抵抗上の各摺動子位置P(0〜摺動領域長L)に対応する目標値情報(Tn:0〜最大開度F)をメモリに順次書き込む。
【0009】
データ置換回路は、目標値を受けると、メモリ内の目標値情報を検索し、与えられた目標値に対応する開度情報が検索できたとき、この与えられた目標値に代えて該目標値に近接した他の目標値を新たな目標値として出力する。
【0010】
従って、データ置換回路にポテンショメータの欠損部分に対応する目標値が入力されても、この欠損部分に対応する目標値がこれに近接する新たな目標値に変換されるので、この欠損部分に対応する目標値を使用しない制御が可能となり、欠損部分に起因するハンチング現象が防止される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動源がデジタル制御により回転位置の制御を受ける電動モータであり、前記異常信号検出回路が、前記電動モータの動作回転角度に対応して前記ポテンショメータから出力されかつデジタル変換された開度データを順次先入れ先出し方式で保持する第1の記憶部および第2の記憶部と、前記第1の記憶部に保持された開度データおよび第2の記憶部に保持され前記第1の記憶部に保持された前記開度データに引き続く開度データを比較し、両開度データの値が所定の値を越えたとき前記メモリに前記第2の記憶部に保持された開度データを与えた前記ポテンショメータの位置情報Pに対応する目標値情報Tnを書き込む演算処理部とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明では、異常信号検出回路は、いわゆるFIFO形式の2つの記憶部と、演算処理部とを備え、これにより比較的容易かつ単純な構成で異常信号検出回路を形成することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記演算処理部が前記第1および第2の両記憶部に保持されたそれぞれの前記開度データに2段階分以上の差があったとき前記メモリに、前記第2の記憶部に保持された開度データに対応する前記目標値情報を書き込むことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明では、演算処理部がデジタル化され継時的に与えられる2つの開度データに2段階以上の差があるとき、後の開度データが異常データであると判定する。このような演算処理部は、アップダウンカウンタのような既製回路素子を利用して比較的容易に構成することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記データ置換回路が、前記目標値が与えられたとき該目標値に一致する目標値情報を前記メモリに格納されている目標値情報から検索する検索部を備え、該検索部が一致する目標情報を見い出したとき前記目標値に代えて該目標値よりも1段階分大きなまたは小さな目標値を新たな目標値として出力することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明では、検索部がメモリに格納されている目標値情報から目標値に一致する目標値情報を検索したとき、前記目標値よりも一段階分増加或いは減少する新たな目標値が設定される。この目標値は、例えばドアの最大開度が300度のような大きな開度が与えられていても、8ビットのデジタル処理によれば、256段階で開度を制御することができ、1段階でたとえば約1度(300度/256)という極めて微少な開度を制御することができる。従って、たとえある目標値から1段階の増減する新たな目標値が与えられても、この目標値の変更が制御精度に実質的な影響を与えることはない。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1において、前記駆動源が自動車用空気調和装置の電動ドア開閉制御モータであることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明では、電動ドア開閉制御モータを駆動源とするアクチュエータが設けられた自動車用空気調和装置で、ポテンショメータの部分的な欠損によるハンチング現象を防止できる。自動車用空気調和装置の電動ドア開閉制御モータにハンチング現象が生じると、このハンチング現象に伴う異音が車内騒音の原因となるので、ハンチング現象の防止は車内騒音の低減の上で、極めて有効である。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記電動ドア開閉制御モータは、前記空気調和装置に設けられる各ドアを作動させることを特徴とする。この電動ドア開閉制御モータを駆動源とするアクチュエータにより作動の制御を受ける空気調和装置のドアとして、外気及び内気の吸入割合を調整するためのインテークドア、冷風及び温風の混合割合を調整するためのエアミックスドアの他、従来よく知られたセパレートドア、モードドア、フレッシュベントドア、バイレベルドア等がある。
【0020】
請求項6に記載の発明では、空気調和装置の比較的頻繁に作動の制御を受ける各ドアの過剰なハンチング動作を抑制することができ、これにより過剰なハンチング現象による異音発生の抑制に著しい効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の特徴を図示の実施の形態に沿って、詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の電気回路図を概略的に示す。この図1に沿っての説明に先立ち、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置が適用される自動車用空気調和装置の一例を図2に沿って説明する。
【0023】
本発明に係る自動車用空気調和装置11は、図2に示すように、車外からの外気或いは車内の内気を選択的に取り入れるためのインテークユニット12と、該インテークユニットを経て取り入れられた空気を冷却するクーリングユニット13と、このクーリングユニット13からの冷風を温風との調和によって温度を調整した後、車内に吹き出すヒータユニット14とを備える。
【0024】
インテークユニット12に設けられた外気取入口15および内気取入口16の合流点には、各取入口15、16を経て内部に取り入れられる外気と内気との吸入量の割合を調整するインテークドア17が、その枢軸17aの回りに揺動自在に設けられている。インテークドア17は、電動ドア開閉制御モータである例えばDCモータのような電動モータ18aを駆動源とするインテークドアアクチュエータの動作により、内気取入口16を全閉する符号Aで示す開度位置および外気取入口15を全閉する符号Bで示す開度位置との間で回動する。
【0025】
従って、従来よく知られているように、ファンモータ19が作動すると、そのファン20の回転によって生じる吸気負圧に応じて、インテークドア17が開度位置Aにあるとき、外気導入モード(FRE)として外気取入口15から、また開度位置Bにあるとき内気循環モード(REC)として内気取入口16からそれぞれ空気がインテークユニット12内に取り入れられる。また、両開度位置A、Bの中間位置ではインテークドア17の開度位置に応じた割合で、外気および内気が、それぞれの取入口15、16からインテークユニット12内に取り入れられる。
【0026】
クーリングユニット13には、エバポレータ21が設けられている。エバポレータ21は、これに接続されたコンプレッサ(図示せず)から圧縮された冷却媒体の供給を受けると、この冷却媒体との熱交換作用により、インテークユニット12からの取入れ空気を冷却する。
【0027】
ヒータユニット14には、例えばエンジン冷却水を熱源とするヒータコア22が設けられている。また、ヒータコア22に関連して、エアミックスドア23が設けられている。エアミックスドア23は、従来よく知られているように、クーリングユニット13からの冷却空気のうち、ヒータコア22を通過する量とヒータコア22を迂回する量との割合を調整するために、その枢軸23aの回りに揺動自在であり、前記したと同様な電動ドア開閉制御モータである電動モータ18bを駆動源とするエアミックスドアアクチュエータの作動により、そのドア開度を可変とする。このエアミックスドア23の開度を調整することにより、ヒータコア22を通過することによって該ヒータコアで加熱された温風とヒータコア22を迂回するクーリングユニット13からの冷風との混合割合を調整することができる。
【0028】
この混合割合の調整によって適温に調整された空気は、霜取り用吹出口24、ベンチレータ吹出口25、足元吹出口26のそれぞれから車室内に供給可能である。吹出口24、25および26のそれぞれには、各吹出口の開閉のためのドア27、28および29が設けられている。各ドア27、28、29は、図示しないが、前記したと同様な電動モータを駆動源とするアクチュエータにより作動させることができる。
【0029】
各アクチュエータ110は、図5に示す例では、電動モータ18(18aまたは18b)と、該電動モータの回転軸に固定されたウォーム111と、該ウォームに噛合する減速ギヤ列112(112a、112b、112cおよび112d)と、最終ギヤ111dの回転軸に固定されたアクチュエータレバー13とを備え、該アクチュエータレバーが各ドアの前記枢軸に連結されている。
【0030】
インテークドア17およびエアミックスドア23の各ドア開度を調整するために、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置が用いられている。図示の実施の形態では、インテークドアアクチュエータおよびエアミックスドアアクチュエータ毎に、各電動モータ18a、18bの制御のためのアクチュエータ駆動制御回路10(10a、10b)が設けられている。本発明に係るアクチュエータ駆動制御回路は、各ドア17、23、27、28、29の他、従来よく知られたセパレートドア、モードドア、フレッシュベントドア、バイレベルドア等、空気調和装置の全てのドアの制御に適用することができる。各アクチュエータ駆動制御回路10は、従来よく知られているように、ACアンプと称される空気調和装置用の主制御装置30との間で無線交信が可能である。
【0031】
主制御装置30は、図示しないが、車内温度を検出する内気センサ、日射量を検出する日射センサ、外気温度を検出する外気センサ等の各種センサや自動制御を選択するオートスイッチ、車内温度設定器のような手動スイッチ類からの各信号に基づいて、各ドア17、23の最適な目標開度を算出する。主制御装置30は、それぞれのアクチュエータ駆動制御回路10(10a、10b)を通して各ドア17、23をその目標開度に動作させるために、それぞれのアクチュエータ駆動制御回路10(10a、10b)に各ドア開度の目標値を与えるように、これらと交信する。
【0032】
図1に示すアクチュエータ駆動制御回路10は、インテークドア17またはエアミックスドア23のドア開度の操作のために、それぞれに設けられている。
【0033】
以下、説明の簡素化のために、アクチュエータ駆動制御回路10をインテークドアアクチュエータの駆動源である電動モータ18aのためのアクチュエータ駆動制御回路10aとして説明する。
【0034】
図1に示すアクチュエータ駆動制御回路10は、主制御装置30との交信によって与えられるインテークドア17のドア開度の目標値に沿ってこのドア開度を帰還制御するために設けられている。
【0035】
アクチュエータ駆動制御回路10は、主制御装置30との交信のための通信部31と、電源Bから帰還制御のための所定の電圧電源を得るための電源回路32と、インテークドア17を操作する電動モータ18aへの給電制御のためのコントロール回路部33とを備える。電動モータ18aは、インテークドア17を操作するインテークドアアクチュエータ内にその駆動源として組み込まれている。
【0036】
通信部31は、主制御装置30とのデータ交換のためのインタフェースとして機能する入出力回路34と、該入出力回路を経て主制御装置30とデータ交信するための通信処理回路35と、各アクチュエータ駆動制御回路10(10a、10b)を識別するための通信識別子を設定するID設定回路36とを備える。通信処理回路35は、主制御装置30から送信されるデータのうち、ID設定回路36により設定された自己の識別子に一致するデータを識別し、また必要なデータを主制御装置30に送信する。図示の例では、主制御装置30との間の通信プロトコルは、ローカル・インターコネクト・ネットワーク(LIN)が適用されている。
【0037】
コントロール回路部33は、この実施の形態では、インテークドア17のアクチュエータの駆動源である電動モータ18aを作動させるための駆動回路37と、該駆動回路に制御信号を出力する駆動制御回路38と、該駆動制御回路に動作許可信号を出力するタイマー回路39とを備える。
【0038】
駆動回路37は、図示しないが4つの例えばMOSトランジスタのようなスイッチング素子をH字状に結線して形成された従来よく知られたHブリッジ回路で構成することができる。この駆動回路37は、駆動制御回路38から供給される制御信号に応じて、電源Bの一対の電力供給端子と電動モータ18aの一対の接続端子との接続関係を切り替える。この駆動回路37による切替え動作に応じて電動モータ18aは、例えば停止動作、正転動作、逆転動作または動作停止時での発電ブレーキ動作を選択される。発電ブレーキ動作では、従来よく知られているように、回転動作中の電動モータ18aの一対の接続端子を接地させることにより、この電動モータ18aを発電ブレーキとして機能させることができる。
【0039】
インテークドアアクチュエータの駆動源である電動ドア開閉制御モータすなわち電動モータ18aの回転軸は、図5に示したように、ウォーム111、該ウォームに噛合する減速ギヤ列112(112a、112b、112cおよび112d)およびアクチュエータレバー113を介して、インテークドア17の枢軸17aに連結され、これによりインテークドア17のドア開度は、電動モータ18aの作動に応じて変化する。このインテークドア17の開度は、ポテンショメータ40により、電圧値として検出される。
【0040】
ポテンショメータ40は、従来よく知られているように、抵抗体40aと、該抵抗体上を摺動可能の摺動子40bとを備える。抵抗体40aの両端間には電源回路32の直流電圧が印加され、摺動子40bがインテークドア17の回動に応じて抵抗体40a上をその一端と他端との間で摺動することから、インテークドア17のドア開度に対応した電圧を摺動子40bから順次取り出すことができる。
【0041】
ポテンショメータ40の摺動子40bから出力される電圧値すなわちドア開度情報は、A/D変換回路41によって例えば8ビットのデジタルデータに変換される。この8ビットのデジタルデータへの変換により、インテークドア17のドア開度は、その調整可能範囲の1/256の角度毎に、ドア開度に応じた256段階のデジタルデータによって段階的、すなわち離散的に示される。そのため、抵抗体40aに部分的な欠損等がない限り、電動モータ18aの作動に応じたポテンショメータ40の摺動子40bの摺動に応じて、比例的に増加または減少するアナログ電圧値が出力されることから、A/D変換回路41からは所定の1段階(1ビット)分のデータ値差を示すデジタル化された開度データが順次出力される。A/D変換回路41によりデジタルデータに変換されたフィードバック信号は、ノイズ成分を除去するデジタルフィルタ42を経て駆動制御回路38に接続された比較器43に供給される。
【0042】
デジタルフィルタ42を不要とすることができる。また、図1に示すとおり、必要に応じて前記フィードバック信号を通信処理回路35から主制御装置30に送出することができる。
【0043】
A/D変換回路41によりデジタルデータに変換されたフィードバック信号すなわち開度データは、図示の例ではデジタルフィルタ42を経て、比較器43に供給されると共に、本発明に係る異常信号検出回路44に供給される。この異常信号検出回路44は、データ置換回路45に接続されており、両回路44および45間には、メモリ46が接続されている。
【0044】
異常信号検出回路44は、図3に示すように、A/D変換回路41からのデジタル化された開度データを順次先入れ先出し方式で格納する第1および第2の記憶部44aおよび44bと、両記憶部44a、44bに格納された開度データを比較する演算処理部44cとを備える。本実施の形態では、A/D変換回路41から出力されたデジタル化された開度データは、デジタルフィルタ42を経て、第1の記憶部44aおよび第21の記憶部44bに順次先入れ先出し方式で入力される。従って、デジタルフィルタ42から第1の記憶部44aに新たな開度データDnが出力される毎に、第2の記憶部44bには、第1の記憶部44aに格納されていた旧開度データDn−1が格納されることから、A/D変換回路41から新たなデジタル化された開度データが出力される毎に、両記憶部44a、44bに格納される開度データが順次更新される。第2の記憶部42bの初期値には、第1の記憶部42bに格納される開度データと同一のデジタルデータが格納される。
【0045】
演算処理部44cは、第1の記憶部44aに格納された開度データDnと、第2の記憶部44bに格納された開度データDnー1とを比較し、両デジタル開度データDnおよびDn−1のデータ値の差が2段階分以上であるか否かを判定する。このような演算処理部44cの比較機能は、アップダウンカウンタのような既製回路素子により容易に得ることができる。
【0046】
データ値の差が2段階分以上であるとき、演算処理部44cは、第1の記憶部44aに格納されている開度データDnが異常であると判断し、この異常データを出力したときの電動モータ18aの回転方向(時計方向:c.w.、反時計方向:c.c.w.)すなわちポテンショメータ40の摺動子40bの摺動方向と、異常データを与えたときの目標値データとを相互に対応付けてメモリ46に書き込む。演算処理部44cには、後述するようにデータ置換回路45からの指示データが目標値データとして供給される。
【0047】
図4は、メモリ46に格納されるデータ内容を示すデータテーブルである。演算処理部44cは、図4のデータテーブルに示すように、異常データを検出したとき、そのときの電動モータ18aの回転方向(時計方向:c.w.、反時計方向:c.c.w.)毎に、異常結果を得たときの第1の記憶部44a内に格納されていた異常データDnと、この異常データDnを与えた、データ置換回路45からの目標値データTnとを対応付けてメモリ46に格納する。
【0048】
再び図3を参照するに、データ置換回路45は検索部45aを有する。検索部45aは、データ置換回路45が通信部31の通信処理回路35から目標値データを受けると、この目標値データに一致する目標値データをメモリ46内のデータから検索する。この検索では、比較器43の後述する比較結果を参照して、電動モータ18aの回転方向と同一方向(時計方向:c.w.、反時計方向:c.c.w.)についての目標値データDが検索される。検索部45aが一致するデータを見出せないとき、データ置換回路45は、通信処理回路35からの目標値データを指示データとして比較器43に向けて出力する。
【0049】
他方、検索部45aが目標値データTnに一致するデータをメモリ46内のデータから見出すと、それに対応する前記目標値データTnに隣接する値、すなわち目標値データよりも1段階(1ビット)分大きなまたは小さな新たな目標値データ(Tn−1またはTn+1)を指示データとして、データ置換回路45は比較器43に向けて出力する。
【0050】
このデータ置換回路45から出力される各指示データは、前記したデータテーブルの作成のための目標値データとして、演算処理部44cにも供給される。
【0051】
フィードバック信号を受ける比較器43が設けられたコントロール回路部33は、図示の例では、データ置換回路45から目標値データとして供給される指示データを一時的に保持するための第3の記憶部47と、該第3の記憶部に直列的に接続された第4の記憶部48とを備える。両記憶部47および48は、データラッチ回路で構成することができる。これらデータラッチ回路47および48は、主制御装置30から送出された目標値が通信処理回路35からデータ置換回路45に送出される毎に、通信処理回路35から供給されるクロックパルスをトリガーとして、データ置換回路45から送出される指示データを先入れ先出し方式で順次格納する。
【0052】
第3の記憶部47に格納されたデータ置換回路45からの最新の指示データは、デジタルフィルタ42からの帰還信号を受ける前記した比較器43に送出される。比較器43は、この第3の記憶部47からの最新の目標値すなわち指示データと、デジタルフィルタ42からのフィードバック信号とを比較し、その偏差を電動モータ18aの作動を制御するための駆動制御回路38に出力する。
【0053】
駆動制御回路38は、タイマー回路39から動作許可信号を受けている限り、すなわち、タイマー回路39から動作禁止信号を受けていない限り、第3の記憶部47に格納された目標値とフィードバック信号値とを一致させるように駆動回路37に制御信号を出力する。駆動回路37は、駆動制御回路38からの制御信号により、例えば目標値がフィードバック信号値よりも大きいとき、電動モータ18aを正転させるように動作し、これによりインテークドア17の開度が増大し、あるいは目標値がフィードバック信号値よりも小さいとき、電動モータ18aを逆転させるように動作し、これによりインテークドア17の開度が減少する。
【0054】
また、図示の実施の形態では、タイマー回路39に加えて、電動モータ18aへの過電流の供給を阻止する過電流検出回路49および駆動電圧制御回路50が設けられている。駆動制御回路38は、過電流検出回路49により電動モータ18aへの過電流が検出されたとき、電動モータ18aへの給電を停止すべく駆動回路37を動作させる。また、駆動制御回路38は、電動モータ18aの制動時に駆動電圧制御回路50からの制御信号を受けたとき、駆動回路37のMOSトランジスタからなるスイッチング素子の動作に時間遅延を与えるように各MOSトランジスタのゲート電圧を制御する。この時間遅延により、急激な制動によるバックラッシュの発生を抑制することができる。
【0055】
駆動制御回路38に動作許可信号を送出するタイマー回路39は、第3の記憶部47および第4の記憶部48に格納された両データを比較する比較器51と、該比較器からのタイマーリセット信号に応じて動作するタイマー52とを備える。比較器51は、第3の記憶部47に新たな目標値が格納されたとき、この第3の記憶部47に格納された新たな目標値と、第4の記憶部48に格納された前の目標値である旧指示データとを相互に比較し、両者が一致しないときタイマー52にタイマーリセット信号を出力する。タイマー52は、比較器51からタイマーリセット信号を受けたとき該タイマーリセット信号を受けてから所定の時間、動作許可信号を駆動制御回路38に出し続け、所定の時間が経過したとき動作許可信号の送出を停止する。
【0056】
タイマー49によって設定される所要時間すなわち動作許可信号を出し続ける時間は、ポテンショメータ40の摺動子40bが抵抗体40aの一端から他端へ移動するのに要する時間よりも僅かに長い、例えば15秒が設定される。この設定時間として、通常の電動モータ18aの作動によってインテークドア17がいずれの開度位置にあっても、与えられた目標の開度にインテークドア17を移動させ、その運動を目標開度に収束させるに必要かつ充分な時間が採用される。
【0057】
タイマー回路39の比較器51は、第3の記憶部47に新たな目標値が格納された場合、該第3の記憶部に格納された目標値が第4の記憶部47に格納された目標値と一致するとき、タイマー52にタイマーリセット信号を出力することはない。
【0058】
従って、例えば、主制御装置30から前の目標値と同一の新たな目標値がアクチュエータ駆動制御回路10に送信されたとき、データ置換回路45によるデータの置き換えなしに前記目標値が第3の記憶部47に出力されると、第3の記憶部47および第4の記憶部48の目標値すなわち指示データは相互に一致することから、比較器51がタイマー52にタイマーリセット信号を出力することはない。そのため、この場合、駆動制御回路38は作動が停止した状態におかれることから、駆動回路37は電動モータ18aを作動させることなく停止状態に保持する。その結果、インテークドア17は、先の目標値に一致する開度に保持され続ける。
【0059】
他方、主制御装置30から前の目標値と異なる新たな目標値がアクチュエータ駆動制御回路10に送信されたとき、データ置換回路45によるデータの置き換えなしに前記目標値が第3の記憶部47に出力されると、タイマー回路39の比較器51は、第3の記憶部47に格納された新たな目標値と第4の記憶部48に格納された前の目標値との不一致を検出し、タイマー52にタイマーリセット信号を出力する。
【0060】
タイマー52は、比較器51からのタイマーリセット信号を受けると、駆動制御回路38に動作許可信号を例えば15秒の間、出力する。駆動制御回路38は、この動作許可信号を受けている間、動作可能状態におかれることから、過電流検出回路49からの過電流検出信号を受けない状況下では、前記したとおり、第3の記憶部47からの目標値と、ポテンショメータ40からA/D変換回路41を経て帰還されるフィードバック信号との偏差を出力する比較器43の出力が零になるように、駆動回路37を経て電動モータ18aの作動を制御する。
【0061】
このアクチュエータ駆動制御回路10の制御動作中に、例えば電動モータ18aに機械的な障害によりロック状態が生じ、あるいは何らかの原因でインテークドア17が目標の開度に収束することなく、この目標開度を中心として振動を生じるハンチング現象が生じても、所定時間を超えるとタイマー52が駆動制御回路38への動作許可信号の送出を停止することから、駆動回路37から電動モータ18aへの給電が停止される。
【0062】
このタイマー52の動作により、電動モータ18aの過熱防止機構に依存することなく、また格別なデューティ比制御用プログラムを採用することなく、電動モータ18aのロックによる過熱あるいは所定時間を超える過剰なハンチング現象を確実に防止することができる。
【0063】
また、本発明に係るアクチュエータ駆動制御回路10では、前記した帰還制御で、異常信号検出回路44の演算処理部44cは、A/D変換回路41からのフィードバック信号の各デジタル開度データDnが異常であるか否かを前のデジタル開度データDn−1との比較で判定する。この判定の結果、前のデジタルデータDn−1に継時的に出力されたデジタルデータDnが異常であると判定されると、演算処理部44cは、この異常データを得たときの電動モータ18aの回転方向と、この異常データを与えた目標値データTnを順次メモリ46に書き込む。
【0064】
データ置換回路45の検索部45aは、前記したように、データ置換回路45が通信部31の通信処理回路35から目標値データを受ける毎に、この目標値データに一致する目標値データをメモリ46内のデータから検索する。検索部45aが目標値データTnに一致するデータをメモリ46内のデータから見出すと、データ置換回路45は、通信処理回路35から受けた目標値データTnに代えて、この目標値データTnよりも1段階(1ビット)分大きなまたは小さな新たな目標値データ(Tn+1またはTn−1)を指示データとして、比較器43に向けて出力する。
【0065】
従って、この場合、置換された新たな目標値データ(Tn−1またはTn+1)にインテークドア17の開度が一致するように、電動モータ18aが制御を受ける。この置換された目標値データ(Tn−1またはTn+1)への制御では、ポテンショメータ40からの適正なフィードバック信号がA/D変換回路41により適正なデジタル開度データ(Dn−1またはDn+1)に変換されて比較器43に戻される。このことから、電動モータ18aは、インテークドア17のドア開度を目標値データ(Tn−1またはTn+1)に一致させるように、迅速に動作の制御を受ける。
【0066】
その結果、本発明のアクチュエータ駆動制御回路10によれば、ポテンショメータ40の抵抗体40aの部分的な欠損箇所に対応する目標値データが自動的にメモリ46内に書き込まれ、このメモリ46内に記憶された異常データを与える目標値データの入力があったとき、該目標値データが自動的に適正な目標データに置換されるので、このポテンショメータ40の部分的な欠損による異常なフィードバック信号に起因するハンチング現象を確実に防止することができる。
【0067】
アクチュエータ駆動制御回路10において、タイマー回路39を不要とすることができる。しかしながら、自動車用空気調和装置11では、機械的なロックによってインテークドア17の作動で前記したハンチング現象が生じると、このハンチング現象に伴う異音が車内騒音の原因となる。そこで、タイマー回路39を設けることにより、前記空気調和装置におけるロックによる過剰なハンチング現象を防止することができるので、このハンチング現象による車内騒音をも低減する上で、タイマー回路39を設けることが望ましい。
【0068】
タイマー回路39により設定される所要時間として、電動モータ18aの通常の作動で、インテークドア17がいずれの開度位置にあっても、与えられた目標の開度にインテークドア17を移動させ、その運動を目標開度に収束させるに必要な時間を適宜選択することができる。
【0069】
インテークドア17に代えてエアミックスドア23の電動モータ18bの駆動制御に図1に示したと同様なアクチュエータ駆動制御回路10を適用することができ、また、必要に応じて各ドア27〜29およびその他のドアの駆動制御にも前記アクチュエータ駆動制御回路を適用することができる。
【0070】
また、前記アクチュエータ駆動制御回路は、前記した無線方式の他、有線方式の駆動制御回路にも適用することができる。
【0071】
本発明に係る異常信号検出回路44、データ置換回路45およびメモリ46を備えるアクチュエータ駆動制御回路10では、ポテンショメータ40の部分的な欠損により、A/D変換回路41によりデジタル化されたフィードバック信号に異常が生じたとき、異常信号検出回路44は、異常信号を与えた目標値情報(Tn)をメモリ46に書き込む。データ置換回路45は新たな目標値データ(Tn)の入力を受けたとき、この目標値データをメモリ46内のデータから検索し、対応するデータを見出したとき、当該目標値に代えて、これに隣接するデータ(Tn+1またはTnー1)を新たな目標値として比較器43に出力する。従って、この欠損部分に対応する目標値が入力されている状況下であっても、当該目標値がこれに隣接する新たな目標値に置換されるので、ポテンショメータ40の部分的な欠損に対応する目標値の使用が阻止され、これによりポテンショメータ40の部分的な欠損に起因するハンチング現象を防止することができる。
【0072】
また、A/D変換回路41から出力されるデジタル開度データを順次先入れ先出し方式で格納する第1および第2の記憶部44aおよび44bと、該両記憶部に格納された開度データを比較し、その比較で異常が検出されたとき異常信号を与えた目標値情報をメモリ46に書き込む演算処理部44cとにより、異常信号検出回路44を形成することができ、これにより、比較的容易かつ単純な構成で異常信号検出回路を形成することができる。
【0073】
演算処理部44cは、デジタル化されかつ継時的に与えられる2つの開度データ(Dnー1、Dn)に2段階(2ビット)以上の差があるとき、後の開度データ(Dn)に異常があると判定する。このような演算処理部44cは、アップダウンカウンタのような既製の回路素子を利用することにより、比較的容易に形成することができる。
【0074】
また、異常信号検出回路44がポテンショメータ40からの帰還信号に異常を検出したとき、データ置換回路45はメモリ46内のデータを検索し、該当するデータを見出したとき、目標値よりも1段階(1ビット)分大きな或いは小さなデータを新たな目標値として出力する。この目標値の1段階の増減による変更は制御精度に実質的な影響を与えることはなく、その結果、ポテンショメータ40の部分的な欠損に起因するハンチング現象が確実に防止される。
【0075】
さらに、本発明の異常信号検出回路44を備えるアクチュエータ駆動制御回路10を空気調和装置11の比較的頻繁に作動の制御を受けるインテークドア17またはエアミックスドア23の電動モータ18(18a、18b)の制御に適用することにより、ポテンショメータ40の部分的な欠損によるハンチング動作を防止することができることから、ハンチング現象による異音発生を効果的に抑制することができる。
【0076】
前記したところでは、本発明に係る異常信号検出回路44をタイマー回路39からの動作許可信号に応じて動作する駆動制御回路38が設けられたアクチュエータ駆動制御装置に組み込んだ例に沿って説明した。これに代えて、本発明に係る異常信号検出回路44をタイマー回路39による制御を受けることのない駆動制御回路が設けられたアクチュエータ駆動制御装置に適用することができる。また、メモリ46を異常信号検出回路44およびデータ置換回路45から独立的に設けることに代えて、いずれか一方の回路44または45に一体的に形成することができる。
【0077】
また、前記したところでは、デジタル制御の例に沿って本発明を説明したが、これに限らず、A/D変換回路41によるデジタル化処理を施すことのないアナログ制御に本発明を適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、データ置換回路にポテンショメータの欠損部分に対応する目標値が入力されても、この欠損部分に対応する目標値がこれに近接する新たな目標値に変換されるので、この欠損部分に対応する目標値を使用しない制御装置が可能となり、欠損部分に起因するハンチング現象を防止することができる。
【0079】
請求項2に記載の発明によれば、異常信号検出回路を比較的容易かつ単純な構成で形成することができる。
【0080】
請求項3に記載の発明によれば、異常検出回路の演算処理部をアップダウンカウンタのような既製回路素子を利用して比較的容易に構成することができる。
【0081】
請求項4に記載の発明によれば、この目標値の変更によっても空調の性能上に実質的な影響を与えることなくハンチング現象を防止することができる。
【0082】
請求項5および6に記載の発明によれば、自動車用空気調和装置におけるポテンショメータの部分的な欠損によるハンチング現象を防止することにより、このハンチング現象に起因する車内騒音の低減を効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の電気回路を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る駆動制御装置が組み込まれる車両用空気調和装置の一例を概略的に示す断面図である。
【図3】図1に示した異常信号検出回路およびデータ置換回路を示すブロック図である。
【図4】メモリ内のデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図5】本発明に係るアクチュエータの内部構成を示す構造図である。
【符号の説明】
10 アクチュエータ駆動制御回路(アクチュエータ駆動制御装置)
40 ポテンショメータ
41 A/D変換回路
44 異常信号検出回路
44a 第1の記憶部
44b 第2の記憶部
44c 演算処理部
45 データ置換回路
45a 検索部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用空気調和装置のインテークドアやエアミックスドアを作動させるためのアクチュエータにその駆動源として組み込まれる電動ドア開閉制御モータの作動を制御するのに好適なアクチュエータ駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空気調和装置に帰還制御を用いたものがある(例えば特許文献1参照。)。この空気調和装置では、外気および内気の吸入割合を調整するためのインテークドアあるいは冷風および温風の混合割合を調整するためのエアミックスドアと称される制御弁体がアクチュエータにより操作される。このアクチュエータは、電動モータを駆動源とし、この電動モータにより作動されるドアの開度は、ドアと一体的に動作する摺動子が設けられたポテンショメータにより検出される。ポテンショメータは、抵抗体上の摺動子が電動モータの作動に応じて前記抵抗体上を連続的に摺動することにより、ドア開度に応じた電圧値すなわちドア開度情報を帰還信号として出力する。この帰還信号と目標値との偏差に基づいてドアが目標開度となるように制御を受ける。
【0003】
従って、ポテンショメータの抵抗体に損傷がなく、この抵抗体上を電動モータの作動に応じて摺動子が摺動するとき、この摺動に比例的に増減する帰還信号が得られることから、ドアを目標値へ向けて迅速に操作することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−309120号公報(第3−5頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ポテンショメータの例えば抵抗体の一部に損傷が生じあるいは塵埃等が付着すると、帰還信号が比例的に増減しない異常な信号を発生する欠損部が生じることがある。また、この欠損部が生じた状況下で、前記抵抗体上の異常信号を与える部分に対応する開度が目標値として与えられることがある。例えば、長さLの摺動領域の中央部(L/2)に欠損が生じている場合に、この中央部(L/2)は、ドアの最大開度(F)の半値である半開度(F/2)が対応する。そのため、抵抗体上の摺動領域の中央部に欠損部がある状況下で、ドアの目標値として半開度(F/2)が与えられると、ドアは目標値に一致する所望の半開度(F/2)に移動されているにも拘わらず、この半開度に対応する適正な帰還信号が得られないことから、目標値を中心とした振動であるハンチング現象が引き起こされる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ポテンショメータの部分的な欠損による異常な帰還信号に起因するハンチング現象を防止し得るアクチュエータ駆動制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、アクチュエータの駆動源の作動を、前記アクチュエータの目標値とその作動位置を検出するポテンショメータからのフィードバック信号値との比較に基づいて制御する装置であって、前記ポテンショメータから帰還されるフィードバック信号が正常か否かを判定する異常信号検出回路と、該異常信号検出回路が異常を検出したとき、この異常値を与えた前記ポテンショメータの作動位置に対応する目標値情報を格納するためのメモリと、目標値が与えられたとき該目標値を前記メモリに格納されている目標値情報から検索し、検索によって前記目標値に対応する目標値情報が得られたとき、前記目標値に代えて、該目標値に隣接する値を新たな目標値として前記フィードバック信号との比較のために出力するデータ置換回路とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明では、異常信号検出回路がポテンショメータから帰還されるフィードバック信号が比例的に増減するか否かを順次判定し、例えばデジタル信号では所定の段階毎に比例的に増減するか否かを判定する。異常信号検出回路は、フィードバック信号が比例的に増減しない、すなわち、この比例関係からずれる異常なフィードバック信号を検出すると、例えば、この異常値を与える前記ポテンショメータの摺動抵抗上の各摺動子位置P(0〜摺動領域長L)に対応する目標値情報(Tn:0〜最大開度F)をメモリに順次書き込む。
【0009】
データ置換回路は、目標値を受けると、メモリ内の目標値情報を検索し、与えられた目標値に対応する開度情報が検索できたとき、この与えられた目標値に代えて該目標値に近接した他の目標値を新たな目標値として出力する。
【0010】
従って、データ置換回路にポテンショメータの欠損部分に対応する目標値が入力されても、この欠損部分に対応する目標値がこれに近接する新たな目標値に変換されるので、この欠損部分に対応する目標値を使用しない制御が可能となり、欠損部分に起因するハンチング現象が防止される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動源がデジタル制御により回転位置の制御を受ける電動モータであり、前記異常信号検出回路が、前記電動モータの動作回転角度に対応して前記ポテンショメータから出力されかつデジタル変換された開度データを順次先入れ先出し方式で保持する第1の記憶部および第2の記憶部と、前記第1の記憶部に保持された開度データおよび第2の記憶部に保持され前記第1の記憶部に保持された前記開度データに引き続く開度データを比較し、両開度データの値が所定の値を越えたとき前記メモリに前記第2の記憶部に保持された開度データを与えた前記ポテンショメータの位置情報Pに対応する目標値情報Tnを書き込む演算処理部とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明では、異常信号検出回路は、いわゆるFIFO形式の2つの記憶部と、演算処理部とを備え、これにより比較的容易かつ単純な構成で異常信号検出回路を形成することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記演算処理部が前記第1および第2の両記憶部に保持されたそれぞれの前記開度データに2段階分以上の差があったとき前記メモリに、前記第2の記憶部に保持された開度データに対応する前記目標値情報を書き込むことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明では、演算処理部がデジタル化され継時的に与えられる2つの開度データに2段階以上の差があるとき、後の開度データが異常データであると判定する。このような演算処理部は、アップダウンカウンタのような既製回路素子を利用して比較的容易に構成することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記データ置換回路が、前記目標値が与えられたとき該目標値に一致する目標値情報を前記メモリに格納されている目標値情報から検索する検索部を備え、該検索部が一致する目標情報を見い出したとき前記目標値に代えて該目標値よりも1段階分大きなまたは小さな目標値を新たな目標値として出力することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明では、検索部がメモリに格納されている目標値情報から目標値に一致する目標値情報を検索したとき、前記目標値よりも一段階分増加或いは減少する新たな目標値が設定される。この目標値は、例えばドアの最大開度が300度のような大きな開度が与えられていても、8ビットのデジタル処理によれば、256段階で開度を制御することができ、1段階でたとえば約1度(300度/256)という極めて微少な開度を制御することができる。従って、たとえある目標値から1段階の増減する新たな目標値が与えられても、この目標値の変更が制御精度に実質的な影響を与えることはない。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1において、前記駆動源が自動車用空気調和装置の電動ドア開閉制御モータであることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明では、電動ドア開閉制御モータを駆動源とするアクチュエータが設けられた自動車用空気調和装置で、ポテンショメータの部分的な欠損によるハンチング現象を防止できる。自動車用空気調和装置の電動ドア開閉制御モータにハンチング現象が生じると、このハンチング現象に伴う異音が車内騒音の原因となるので、ハンチング現象の防止は車内騒音の低減の上で、極めて有効である。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記電動ドア開閉制御モータは、前記空気調和装置に設けられる各ドアを作動させることを特徴とする。この電動ドア開閉制御モータを駆動源とするアクチュエータにより作動の制御を受ける空気調和装置のドアとして、外気及び内気の吸入割合を調整するためのインテークドア、冷風及び温風の混合割合を調整するためのエアミックスドアの他、従来よく知られたセパレートドア、モードドア、フレッシュベントドア、バイレベルドア等がある。
【0020】
請求項6に記載の発明では、空気調和装置の比較的頻繁に作動の制御を受ける各ドアの過剰なハンチング動作を抑制することができ、これにより過剰なハンチング現象による異音発生の抑制に著しい効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の特徴を図示の実施の形態に沿って、詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の電気回路図を概略的に示す。この図1に沿っての説明に先立ち、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置が適用される自動車用空気調和装置の一例を図2に沿って説明する。
【0023】
本発明に係る自動車用空気調和装置11は、図2に示すように、車外からの外気或いは車内の内気を選択的に取り入れるためのインテークユニット12と、該インテークユニットを経て取り入れられた空気を冷却するクーリングユニット13と、このクーリングユニット13からの冷風を温風との調和によって温度を調整した後、車内に吹き出すヒータユニット14とを備える。
【0024】
インテークユニット12に設けられた外気取入口15および内気取入口16の合流点には、各取入口15、16を経て内部に取り入れられる外気と内気との吸入量の割合を調整するインテークドア17が、その枢軸17aの回りに揺動自在に設けられている。インテークドア17は、電動ドア開閉制御モータである例えばDCモータのような電動モータ18aを駆動源とするインテークドアアクチュエータの動作により、内気取入口16を全閉する符号Aで示す開度位置および外気取入口15を全閉する符号Bで示す開度位置との間で回動する。
【0025】
従って、従来よく知られているように、ファンモータ19が作動すると、そのファン20の回転によって生じる吸気負圧に応じて、インテークドア17が開度位置Aにあるとき、外気導入モード(FRE)として外気取入口15から、また開度位置Bにあるとき内気循環モード(REC)として内気取入口16からそれぞれ空気がインテークユニット12内に取り入れられる。また、両開度位置A、Bの中間位置ではインテークドア17の開度位置に応じた割合で、外気および内気が、それぞれの取入口15、16からインテークユニット12内に取り入れられる。
【0026】
クーリングユニット13には、エバポレータ21が設けられている。エバポレータ21は、これに接続されたコンプレッサ(図示せず)から圧縮された冷却媒体の供給を受けると、この冷却媒体との熱交換作用により、インテークユニット12からの取入れ空気を冷却する。
【0027】
ヒータユニット14には、例えばエンジン冷却水を熱源とするヒータコア22が設けられている。また、ヒータコア22に関連して、エアミックスドア23が設けられている。エアミックスドア23は、従来よく知られているように、クーリングユニット13からの冷却空気のうち、ヒータコア22を通過する量とヒータコア22を迂回する量との割合を調整するために、その枢軸23aの回りに揺動自在であり、前記したと同様な電動ドア開閉制御モータである電動モータ18bを駆動源とするエアミックスドアアクチュエータの作動により、そのドア開度を可変とする。このエアミックスドア23の開度を調整することにより、ヒータコア22を通過することによって該ヒータコアで加熱された温風とヒータコア22を迂回するクーリングユニット13からの冷風との混合割合を調整することができる。
【0028】
この混合割合の調整によって適温に調整された空気は、霜取り用吹出口24、ベンチレータ吹出口25、足元吹出口26のそれぞれから車室内に供給可能である。吹出口24、25および26のそれぞれには、各吹出口の開閉のためのドア27、28および29が設けられている。各ドア27、28、29は、図示しないが、前記したと同様な電動モータを駆動源とするアクチュエータにより作動させることができる。
【0029】
各アクチュエータ110は、図5に示す例では、電動モータ18(18aまたは18b)と、該電動モータの回転軸に固定されたウォーム111と、該ウォームに噛合する減速ギヤ列112(112a、112b、112cおよび112d)と、最終ギヤ111dの回転軸に固定されたアクチュエータレバー13とを備え、該アクチュエータレバーが各ドアの前記枢軸に連結されている。
【0030】
インテークドア17およびエアミックスドア23の各ドア開度を調整するために、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置が用いられている。図示の実施の形態では、インテークドアアクチュエータおよびエアミックスドアアクチュエータ毎に、各電動モータ18a、18bの制御のためのアクチュエータ駆動制御回路10(10a、10b)が設けられている。本発明に係るアクチュエータ駆動制御回路は、各ドア17、23、27、28、29の他、従来よく知られたセパレートドア、モードドア、フレッシュベントドア、バイレベルドア等、空気調和装置の全てのドアの制御に適用することができる。各アクチュエータ駆動制御回路10は、従来よく知られているように、ACアンプと称される空気調和装置用の主制御装置30との間で無線交信が可能である。
【0031】
主制御装置30は、図示しないが、車内温度を検出する内気センサ、日射量を検出する日射センサ、外気温度を検出する外気センサ等の各種センサや自動制御を選択するオートスイッチ、車内温度設定器のような手動スイッチ類からの各信号に基づいて、各ドア17、23の最適な目標開度を算出する。主制御装置30は、それぞれのアクチュエータ駆動制御回路10(10a、10b)を通して各ドア17、23をその目標開度に動作させるために、それぞれのアクチュエータ駆動制御回路10(10a、10b)に各ドア開度の目標値を与えるように、これらと交信する。
【0032】
図1に示すアクチュエータ駆動制御回路10は、インテークドア17またはエアミックスドア23のドア開度の操作のために、それぞれに設けられている。
【0033】
以下、説明の簡素化のために、アクチュエータ駆動制御回路10をインテークドアアクチュエータの駆動源である電動モータ18aのためのアクチュエータ駆動制御回路10aとして説明する。
【0034】
図1に示すアクチュエータ駆動制御回路10は、主制御装置30との交信によって与えられるインテークドア17のドア開度の目標値に沿ってこのドア開度を帰還制御するために設けられている。
【0035】
アクチュエータ駆動制御回路10は、主制御装置30との交信のための通信部31と、電源Bから帰還制御のための所定の電圧電源を得るための電源回路32と、インテークドア17を操作する電動モータ18aへの給電制御のためのコントロール回路部33とを備える。電動モータ18aは、インテークドア17を操作するインテークドアアクチュエータ内にその駆動源として組み込まれている。
【0036】
通信部31は、主制御装置30とのデータ交換のためのインタフェースとして機能する入出力回路34と、該入出力回路を経て主制御装置30とデータ交信するための通信処理回路35と、各アクチュエータ駆動制御回路10(10a、10b)を識別するための通信識別子を設定するID設定回路36とを備える。通信処理回路35は、主制御装置30から送信されるデータのうち、ID設定回路36により設定された自己の識別子に一致するデータを識別し、また必要なデータを主制御装置30に送信する。図示の例では、主制御装置30との間の通信プロトコルは、ローカル・インターコネクト・ネットワーク(LIN)が適用されている。
【0037】
コントロール回路部33は、この実施の形態では、インテークドア17のアクチュエータの駆動源である電動モータ18aを作動させるための駆動回路37と、該駆動回路に制御信号を出力する駆動制御回路38と、該駆動制御回路に動作許可信号を出力するタイマー回路39とを備える。
【0038】
駆動回路37は、図示しないが4つの例えばMOSトランジスタのようなスイッチング素子をH字状に結線して形成された従来よく知られたHブリッジ回路で構成することができる。この駆動回路37は、駆動制御回路38から供給される制御信号に応じて、電源Bの一対の電力供給端子と電動モータ18aの一対の接続端子との接続関係を切り替える。この駆動回路37による切替え動作に応じて電動モータ18aは、例えば停止動作、正転動作、逆転動作または動作停止時での発電ブレーキ動作を選択される。発電ブレーキ動作では、従来よく知られているように、回転動作中の電動モータ18aの一対の接続端子を接地させることにより、この電動モータ18aを発電ブレーキとして機能させることができる。
【0039】
インテークドアアクチュエータの駆動源である電動ドア開閉制御モータすなわち電動モータ18aの回転軸は、図5に示したように、ウォーム111、該ウォームに噛合する減速ギヤ列112(112a、112b、112cおよび112d)およびアクチュエータレバー113を介して、インテークドア17の枢軸17aに連結され、これによりインテークドア17のドア開度は、電動モータ18aの作動に応じて変化する。このインテークドア17の開度は、ポテンショメータ40により、電圧値として検出される。
【0040】
ポテンショメータ40は、従来よく知られているように、抵抗体40aと、該抵抗体上を摺動可能の摺動子40bとを備える。抵抗体40aの両端間には電源回路32の直流電圧が印加され、摺動子40bがインテークドア17の回動に応じて抵抗体40a上をその一端と他端との間で摺動することから、インテークドア17のドア開度に対応した電圧を摺動子40bから順次取り出すことができる。
【0041】
ポテンショメータ40の摺動子40bから出力される電圧値すなわちドア開度情報は、A/D変換回路41によって例えば8ビットのデジタルデータに変換される。この8ビットのデジタルデータへの変換により、インテークドア17のドア開度は、その調整可能範囲の1/256の角度毎に、ドア開度に応じた256段階のデジタルデータによって段階的、すなわち離散的に示される。そのため、抵抗体40aに部分的な欠損等がない限り、電動モータ18aの作動に応じたポテンショメータ40の摺動子40bの摺動に応じて、比例的に増加または減少するアナログ電圧値が出力されることから、A/D変換回路41からは所定の1段階(1ビット)分のデータ値差を示すデジタル化された開度データが順次出力される。A/D変換回路41によりデジタルデータに変換されたフィードバック信号は、ノイズ成分を除去するデジタルフィルタ42を経て駆動制御回路38に接続された比較器43に供給される。
【0042】
デジタルフィルタ42を不要とすることができる。また、図1に示すとおり、必要に応じて前記フィードバック信号を通信処理回路35から主制御装置30に送出することができる。
【0043】
A/D変換回路41によりデジタルデータに変換されたフィードバック信号すなわち開度データは、図示の例ではデジタルフィルタ42を経て、比較器43に供給されると共に、本発明に係る異常信号検出回路44に供給される。この異常信号検出回路44は、データ置換回路45に接続されており、両回路44および45間には、メモリ46が接続されている。
【0044】
異常信号検出回路44は、図3に示すように、A/D変換回路41からのデジタル化された開度データを順次先入れ先出し方式で格納する第1および第2の記憶部44aおよび44bと、両記憶部44a、44bに格納された開度データを比較する演算処理部44cとを備える。本実施の形態では、A/D変換回路41から出力されたデジタル化された開度データは、デジタルフィルタ42を経て、第1の記憶部44aおよび第21の記憶部44bに順次先入れ先出し方式で入力される。従って、デジタルフィルタ42から第1の記憶部44aに新たな開度データDnが出力される毎に、第2の記憶部44bには、第1の記憶部44aに格納されていた旧開度データDn−1が格納されることから、A/D変換回路41から新たなデジタル化された開度データが出力される毎に、両記憶部44a、44bに格納される開度データが順次更新される。第2の記憶部42bの初期値には、第1の記憶部42bに格納される開度データと同一のデジタルデータが格納される。
【0045】
演算処理部44cは、第1の記憶部44aに格納された開度データDnと、第2の記憶部44bに格納された開度データDnー1とを比較し、両デジタル開度データDnおよびDn−1のデータ値の差が2段階分以上であるか否かを判定する。このような演算処理部44cの比較機能は、アップダウンカウンタのような既製回路素子により容易に得ることができる。
【0046】
データ値の差が2段階分以上であるとき、演算処理部44cは、第1の記憶部44aに格納されている開度データDnが異常であると判断し、この異常データを出力したときの電動モータ18aの回転方向(時計方向:c.w.、反時計方向:c.c.w.)すなわちポテンショメータ40の摺動子40bの摺動方向と、異常データを与えたときの目標値データとを相互に対応付けてメモリ46に書き込む。演算処理部44cには、後述するようにデータ置換回路45からの指示データが目標値データとして供給される。
【0047】
図4は、メモリ46に格納されるデータ内容を示すデータテーブルである。演算処理部44cは、図4のデータテーブルに示すように、異常データを検出したとき、そのときの電動モータ18aの回転方向(時計方向:c.w.、反時計方向:c.c.w.)毎に、異常結果を得たときの第1の記憶部44a内に格納されていた異常データDnと、この異常データDnを与えた、データ置換回路45からの目標値データTnとを対応付けてメモリ46に格納する。
【0048】
再び図3を参照するに、データ置換回路45は検索部45aを有する。検索部45aは、データ置換回路45が通信部31の通信処理回路35から目標値データを受けると、この目標値データに一致する目標値データをメモリ46内のデータから検索する。この検索では、比較器43の後述する比較結果を参照して、電動モータ18aの回転方向と同一方向(時計方向:c.w.、反時計方向:c.c.w.)についての目標値データDが検索される。検索部45aが一致するデータを見出せないとき、データ置換回路45は、通信処理回路35からの目標値データを指示データとして比較器43に向けて出力する。
【0049】
他方、検索部45aが目標値データTnに一致するデータをメモリ46内のデータから見出すと、それに対応する前記目標値データTnに隣接する値、すなわち目標値データよりも1段階(1ビット)分大きなまたは小さな新たな目標値データ(Tn−1またはTn+1)を指示データとして、データ置換回路45は比較器43に向けて出力する。
【0050】
このデータ置換回路45から出力される各指示データは、前記したデータテーブルの作成のための目標値データとして、演算処理部44cにも供給される。
【0051】
フィードバック信号を受ける比較器43が設けられたコントロール回路部33は、図示の例では、データ置換回路45から目標値データとして供給される指示データを一時的に保持するための第3の記憶部47と、該第3の記憶部に直列的に接続された第4の記憶部48とを備える。両記憶部47および48は、データラッチ回路で構成することができる。これらデータラッチ回路47および48は、主制御装置30から送出された目標値が通信処理回路35からデータ置換回路45に送出される毎に、通信処理回路35から供給されるクロックパルスをトリガーとして、データ置換回路45から送出される指示データを先入れ先出し方式で順次格納する。
【0052】
第3の記憶部47に格納されたデータ置換回路45からの最新の指示データは、デジタルフィルタ42からの帰還信号を受ける前記した比較器43に送出される。比較器43は、この第3の記憶部47からの最新の目標値すなわち指示データと、デジタルフィルタ42からのフィードバック信号とを比較し、その偏差を電動モータ18aの作動を制御するための駆動制御回路38に出力する。
【0053】
駆動制御回路38は、タイマー回路39から動作許可信号を受けている限り、すなわち、タイマー回路39から動作禁止信号を受けていない限り、第3の記憶部47に格納された目標値とフィードバック信号値とを一致させるように駆動回路37に制御信号を出力する。駆動回路37は、駆動制御回路38からの制御信号により、例えば目標値がフィードバック信号値よりも大きいとき、電動モータ18aを正転させるように動作し、これによりインテークドア17の開度が増大し、あるいは目標値がフィードバック信号値よりも小さいとき、電動モータ18aを逆転させるように動作し、これによりインテークドア17の開度が減少する。
【0054】
また、図示の実施の形態では、タイマー回路39に加えて、電動モータ18aへの過電流の供給を阻止する過電流検出回路49および駆動電圧制御回路50が設けられている。駆動制御回路38は、過電流検出回路49により電動モータ18aへの過電流が検出されたとき、電動モータ18aへの給電を停止すべく駆動回路37を動作させる。また、駆動制御回路38は、電動モータ18aの制動時に駆動電圧制御回路50からの制御信号を受けたとき、駆動回路37のMOSトランジスタからなるスイッチング素子の動作に時間遅延を与えるように各MOSトランジスタのゲート電圧を制御する。この時間遅延により、急激な制動によるバックラッシュの発生を抑制することができる。
【0055】
駆動制御回路38に動作許可信号を送出するタイマー回路39は、第3の記憶部47および第4の記憶部48に格納された両データを比較する比較器51と、該比較器からのタイマーリセット信号に応じて動作するタイマー52とを備える。比較器51は、第3の記憶部47に新たな目標値が格納されたとき、この第3の記憶部47に格納された新たな目標値と、第4の記憶部48に格納された前の目標値である旧指示データとを相互に比較し、両者が一致しないときタイマー52にタイマーリセット信号を出力する。タイマー52は、比較器51からタイマーリセット信号を受けたとき該タイマーリセット信号を受けてから所定の時間、動作許可信号を駆動制御回路38に出し続け、所定の時間が経過したとき動作許可信号の送出を停止する。
【0056】
タイマー49によって設定される所要時間すなわち動作許可信号を出し続ける時間は、ポテンショメータ40の摺動子40bが抵抗体40aの一端から他端へ移動するのに要する時間よりも僅かに長い、例えば15秒が設定される。この設定時間として、通常の電動モータ18aの作動によってインテークドア17がいずれの開度位置にあっても、与えられた目標の開度にインテークドア17を移動させ、その運動を目標開度に収束させるに必要かつ充分な時間が採用される。
【0057】
タイマー回路39の比較器51は、第3の記憶部47に新たな目標値が格納された場合、該第3の記憶部に格納された目標値が第4の記憶部47に格納された目標値と一致するとき、タイマー52にタイマーリセット信号を出力することはない。
【0058】
従って、例えば、主制御装置30から前の目標値と同一の新たな目標値がアクチュエータ駆動制御回路10に送信されたとき、データ置換回路45によるデータの置き換えなしに前記目標値が第3の記憶部47に出力されると、第3の記憶部47および第4の記憶部48の目標値すなわち指示データは相互に一致することから、比較器51がタイマー52にタイマーリセット信号を出力することはない。そのため、この場合、駆動制御回路38は作動が停止した状態におかれることから、駆動回路37は電動モータ18aを作動させることなく停止状態に保持する。その結果、インテークドア17は、先の目標値に一致する開度に保持され続ける。
【0059】
他方、主制御装置30から前の目標値と異なる新たな目標値がアクチュエータ駆動制御回路10に送信されたとき、データ置換回路45によるデータの置き換えなしに前記目標値が第3の記憶部47に出力されると、タイマー回路39の比較器51は、第3の記憶部47に格納された新たな目標値と第4の記憶部48に格納された前の目標値との不一致を検出し、タイマー52にタイマーリセット信号を出力する。
【0060】
タイマー52は、比較器51からのタイマーリセット信号を受けると、駆動制御回路38に動作許可信号を例えば15秒の間、出力する。駆動制御回路38は、この動作許可信号を受けている間、動作可能状態におかれることから、過電流検出回路49からの過電流検出信号を受けない状況下では、前記したとおり、第3の記憶部47からの目標値と、ポテンショメータ40からA/D変換回路41を経て帰還されるフィードバック信号との偏差を出力する比較器43の出力が零になるように、駆動回路37を経て電動モータ18aの作動を制御する。
【0061】
このアクチュエータ駆動制御回路10の制御動作中に、例えば電動モータ18aに機械的な障害によりロック状態が生じ、あるいは何らかの原因でインテークドア17が目標の開度に収束することなく、この目標開度を中心として振動を生じるハンチング現象が生じても、所定時間を超えるとタイマー52が駆動制御回路38への動作許可信号の送出を停止することから、駆動回路37から電動モータ18aへの給電が停止される。
【0062】
このタイマー52の動作により、電動モータ18aの過熱防止機構に依存することなく、また格別なデューティ比制御用プログラムを採用することなく、電動モータ18aのロックによる過熱あるいは所定時間を超える過剰なハンチング現象を確実に防止することができる。
【0063】
また、本発明に係るアクチュエータ駆動制御回路10では、前記した帰還制御で、異常信号検出回路44の演算処理部44cは、A/D変換回路41からのフィードバック信号の各デジタル開度データDnが異常であるか否かを前のデジタル開度データDn−1との比較で判定する。この判定の結果、前のデジタルデータDn−1に継時的に出力されたデジタルデータDnが異常であると判定されると、演算処理部44cは、この異常データを得たときの電動モータ18aの回転方向と、この異常データを与えた目標値データTnを順次メモリ46に書き込む。
【0064】
データ置換回路45の検索部45aは、前記したように、データ置換回路45が通信部31の通信処理回路35から目標値データを受ける毎に、この目標値データに一致する目標値データをメモリ46内のデータから検索する。検索部45aが目標値データTnに一致するデータをメモリ46内のデータから見出すと、データ置換回路45は、通信処理回路35から受けた目標値データTnに代えて、この目標値データTnよりも1段階(1ビット)分大きなまたは小さな新たな目標値データ(Tn+1またはTn−1)を指示データとして、比較器43に向けて出力する。
【0065】
従って、この場合、置換された新たな目標値データ(Tn−1またはTn+1)にインテークドア17の開度が一致するように、電動モータ18aが制御を受ける。この置換された目標値データ(Tn−1またはTn+1)への制御では、ポテンショメータ40からの適正なフィードバック信号がA/D変換回路41により適正なデジタル開度データ(Dn−1またはDn+1)に変換されて比較器43に戻される。このことから、電動モータ18aは、インテークドア17のドア開度を目標値データ(Tn−1またはTn+1)に一致させるように、迅速に動作の制御を受ける。
【0066】
その結果、本発明のアクチュエータ駆動制御回路10によれば、ポテンショメータ40の抵抗体40aの部分的な欠損箇所に対応する目標値データが自動的にメモリ46内に書き込まれ、このメモリ46内に記憶された異常データを与える目標値データの入力があったとき、該目標値データが自動的に適正な目標データに置換されるので、このポテンショメータ40の部分的な欠損による異常なフィードバック信号に起因するハンチング現象を確実に防止することができる。
【0067】
アクチュエータ駆動制御回路10において、タイマー回路39を不要とすることができる。しかしながら、自動車用空気調和装置11では、機械的なロックによってインテークドア17の作動で前記したハンチング現象が生じると、このハンチング現象に伴う異音が車内騒音の原因となる。そこで、タイマー回路39を設けることにより、前記空気調和装置におけるロックによる過剰なハンチング現象を防止することができるので、このハンチング現象による車内騒音をも低減する上で、タイマー回路39を設けることが望ましい。
【0068】
タイマー回路39により設定される所要時間として、電動モータ18aの通常の作動で、インテークドア17がいずれの開度位置にあっても、与えられた目標の開度にインテークドア17を移動させ、その運動を目標開度に収束させるに必要な時間を適宜選択することができる。
【0069】
インテークドア17に代えてエアミックスドア23の電動モータ18bの駆動制御に図1に示したと同様なアクチュエータ駆動制御回路10を適用することができ、また、必要に応じて各ドア27〜29およびその他のドアの駆動制御にも前記アクチュエータ駆動制御回路を適用することができる。
【0070】
また、前記アクチュエータ駆動制御回路は、前記した無線方式の他、有線方式の駆動制御回路にも適用することができる。
【0071】
本発明に係る異常信号検出回路44、データ置換回路45およびメモリ46を備えるアクチュエータ駆動制御回路10では、ポテンショメータ40の部分的な欠損により、A/D変換回路41によりデジタル化されたフィードバック信号に異常が生じたとき、異常信号検出回路44は、異常信号を与えた目標値情報(Tn)をメモリ46に書き込む。データ置換回路45は新たな目標値データ(Tn)の入力を受けたとき、この目標値データをメモリ46内のデータから検索し、対応するデータを見出したとき、当該目標値に代えて、これに隣接するデータ(Tn+1またはTnー1)を新たな目標値として比較器43に出力する。従って、この欠損部分に対応する目標値が入力されている状況下であっても、当該目標値がこれに隣接する新たな目標値に置換されるので、ポテンショメータ40の部分的な欠損に対応する目標値の使用が阻止され、これによりポテンショメータ40の部分的な欠損に起因するハンチング現象を防止することができる。
【0072】
また、A/D変換回路41から出力されるデジタル開度データを順次先入れ先出し方式で格納する第1および第2の記憶部44aおよび44bと、該両記憶部に格納された開度データを比較し、その比較で異常が検出されたとき異常信号を与えた目標値情報をメモリ46に書き込む演算処理部44cとにより、異常信号検出回路44を形成することができ、これにより、比較的容易かつ単純な構成で異常信号検出回路を形成することができる。
【0073】
演算処理部44cは、デジタル化されかつ継時的に与えられる2つの開度データ(Dnー1、Dn)に2段階(2ビット)以上の差があるとき、後の開度データ(Dn)に異常があると判定する。このような演算処理部44cは、アップダウンカウンタのような既製の回路素子を利用することにより、比較的容易に形成することができる。
【0074】
また、異常信号検出回路44がポテンショメータ40からの帰還信号に異常を検出したとき、データ置換回路45はメモリ46内のデータを検索し、該当するデータを見出したとき、目標値よりも1段階(1ビット)分大きな或いは小さなデータを新たな目標値として出力する。この目標値の1段階の増減による変更は制御精度に実質的な影響を与えることはなく、その結果、ポテンショメータ40の部分的な欠損に起因するハンチング現象が確実に防止される。
【0075】
さらに、本発明の異常信号検出回路44を備えるアクチュエータ駆動制御回路10を空気調和装置11の比較的頻繁に作動の制御を受けるインテークドア17またはエアミックスドア23の電動モータ18(18a、18b)の制御に適用することにより、ポテンショメータ40の部分的な欠損によるハンチング動作を防止することができることから、ハンチング現象による異音発生を効果的に抑制することができる。
【0076】
前記したところでは、本発明に係る異常信号検出回路44をタイマー回路39からの動作許可信号に応じて動作する駆動制御回路38が設けられたアクチュエータ駆動制御装置に組み込んだ例に沿って説明した。これに代えて、本発明に係る異常信号検出回路44をタイマー回路39による制御を受けることのない駆動制御回路が設けられたアクチュエータ駆動制御装置に適用することができる。また、メモリ46を異常信号検出回路44およびデータ置換回路45から独立的に設けることに代えて、いずれか一方の回路44または45に一体的に形成することができる。
【0077】
また、前記したところでは、デジタル制御の例に沿って本発明を説明したが、これに限らず、A/D変換回路41によるデジタル化処理を施すことのないアナログ制御に本発明を適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、データ置換回路にポテンショメータの欠損部分に対応する目標値が入力されても、この欠損部分に対応する目標値がこれに近接する新たな目標値に変換されるので、この欠損部分に対応する目標値を使用しない制御装置が可能となり、欠損部分に起因するハンチング現象を防止することができる。
【0079】
請求項2に記載の発明によれば、異常信号検出回路を比較的容易かつ単純な構成で形成することができる。
【0080】
請求項3に記載の発明によれば、異常検出回路の演算処理部をアップダウンカウンタのような既製回路素子を利用して比較的容易に構成することができる。
【0081】
請求項4に記載の発明によれば、この目標値の変更によっても空調の性能上に実質的な影響を与えることなくハンチング現象を防止することができる。
【0082】
請求項5および6に記載の発明によれば、自動車用空気調和装置におけるポテンショメータの部分的な欠損によるハンチング現象を防止することにより、このハンチング現象に起因する車内騒音の低減を効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の電気回路を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る駆動制御装置が組み込まれる車両用空気調和装置の一例を概略的に示す断面図である。
【図3】図1に示した異常信号検出回路およびデータ置換回路を示すブロック図である。
【図4】メモリ内のデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図5】本発明に係るアクチュエータの内部構成を示す構造図である。
【符号の説明】
10 アクチュエータ駆動制御回路(アクチュエータ駆動制御装置)
40 ポテンショメータ
41 A/D変換回路
44 異常信号検出回路
44a 第1の記憶部
44b 第2の記憶部
44c 演算処理部
45 データ置換回路
45a 検索部
Claims (6)
- アクチュエータの駆動源の作動を、前記アクチュエータの目標値とその作動位置を検出するポテンショメータからのフィードバック信号値との比較に基づいて制御する装置であって、前記ポテンショメータから帰還されるフィードバック信号が正常か否かを判定する異常信号検出回路と、該異常信号検出回路が異常を検出したとき、この異常値を与える前記ポテンショメータの作動位置に対応する目標値情報を格納するためのメモリと、目標値が与えられたとき該目標値を前記メモリに格納されている目標値情報から検索し、検索によって前記目標値に対応する目標値情報が得られたとき、前記目標値に代えて、該目標値に隣接する値を新たな目標値として前記フィードバック信号との比較のために出力するデータ置換回路とを備えることを特徴とする、アクチュエータのための駆動制御装置。
- 前記駆動源はデジタル制御により回転位置の制御を受ける電動モータであり、前記異常信号検出回路は、前記電動モータの動作回転角度に対応して前記ポテンショメータから出力されかつデジタル変換された開度データを順次先入れ先出し方式で保持する第1の記憶部および第2の記憶部と、前記第1の記憶部に保持された開度データおよび第2の記憶部に保持され前記第1の記憶部に保持された前記開度データに引き続く開度データを比較し、両開度データの値が所定の値を越えたとき前記メモリに前記第2の記憶部に保持された開度データを与えた前記ポテンショメータの位置情報に対応する目標値情報を書き込む演算処理部とを備える請求項1記載の駆動制御装置。
- 前記演算処理部は前記第1および第2の両記憶部に保持されたそれぞれの前記開度データに2段階分以上の差があったとき前記メモリに、前記第2の記憶部に保持された開度データに対応する前記目標値情報を書き込むことを特徴とする請求項2記載の駆動制御装置。
- 前記データ置換回路は、前記目標値が与えられたとき該目標値に一致する目標値情報を前記メモリに格納されている目標値情報から検索する検索部を備え、該検索部が一致する目標情報を見い出したとき前記目標値に代えて該目標値よりも1段階分大きなまたは小さな目標値を新たな目標値として出力する請求項2記載の駆動制御装置。
- 前記駆動源は、自動車用空気調和装置の電動ドア開閉制御モータである請求項1記載の駆動制御装置。
- 前記電動ドア開閉制御モータは、前記空気調和装置に設けられる各ドアを作動させる請求項5記載の駆動制御装置。
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