JP2004130652A - ボールペン - Google Patents

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Kazuhiko Furukawa
古川 和彦
Kiyoshi Fujisawa
藤沢 清志
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Abstract

【課題】樹脂製のインク収容管に金属製のボールペンチップが圧入装着されるボールペン、とりわけ加圧式ボールペンにおいて、両者の径の差と圧入長との適正なバランスをとることで、インク収容管の割れを防止しつつ確実な接合を図る。
【解決手段】内部にインク25を保蔵する樹脂製のインク収容管20と、そのインク収容管20の先端側に、後端側の一部が圧入されて装着される金属製のボールペンチップ30とを備えたボールペン10であって、前記ボールペンチップ30のインク収容管20側外径をD1、インク収容管20のボールペンチップ30側内径をD2、ボールペンチップ30の全長のうち、インク収容管20の先端に圧入嵌合される部分の長さをLとしたときに、ΔD=D1−D2で与えられるΔDは、0<ΔD/L×100<3.0なる関係を満たす。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製のインク収容管の先端に金属製ボールペンチップの一部が圧入装着されるボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、樹脂製のインク収容管の先端に金属製のボールペンチップの一部が圧入装着されるボールペンは広く製造販売されている。
このようなボールペンにおいては、ボールペンチップの後端部分がインク収容管の先端部分に圧入されることから、ボールペンチップの後端部分の外径は、インク収容管の先端部分の内径より大きくなっている。
【0003】
すなわち、ボールペンチップの後端部分をインク収容管の先端部分に圧入することで、この先端部分が延びにより変形する。そして、この変形の復元力により、ボールペンチップがインク収容管に緊密に保持されるとともに、接合部分からのインクの漏れも防止することを意図している。
とりわけ、インク収容管の後端部分に加圧ガスを封入してインクを先端方向に押し出す力を与えているようなボールペン(いわゆる加圧式ボールペン)においては、インク収容管に装着されているボールペンチップにも、先端方向の圧力がかかる。このため、加圧式ボールペンについては、ボールペンチップとインク収容管とはより緊密に接合される必要がある。また、加圧式ボールペンについては、封入されるガスの拡散による消失を防止するため、インク収容管の気密性が要求される。そのため、材料自体の気体透過性を考慮して、樹脂よりも金属をインク収容管の材質として採用することが多い。
【0004】
ここで、インク収容管とは、単一のインクチューブから構成されているもののほか、ボールペンチップを直接保持するいわゆる継ぎ手の部分が、インクチューブとは別体に形成され、最終的にインクチューブにこの継ぎ手の部分が接合されてインク収容管を構成するものをも含む。
なお、先行技術として、インク消費量の直視できる加圧ボールペンの製造方法については下記の特許文献1に、筆記具チップの溶着による装着方法については下記の特許文献2にそれぞれ開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭50−96334号公報
【特許文献2】
特開昭56−44694号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ボールペンチップの後端部分の外径は、インク収容管の先端部分の内径より大きいため、ボールペンチップをインク収容管に装着する際に、インク収容管の変形は避けられない。
ここで、ボールペンチップとインク収容管との確実な接合という観点からは、ボールペンチップの後端部分の外径とインク収容管の先端部分の内径との差は大きいことが望ましい。しかし、この差があまりに大きい場合には、インク収容管の変形量も大きくなるため、インク収容管が割れやすくなるという問題がある。
【0007】
一方、ボールペンチップとインク収容管との確実な接合については、両者の径の差という要因の他に、ボールペンチップがインク収容管に圧入される部分の長さ(以下、「圧入長」と称する。)という要因も考慮される必要がある。すなわち、両者の径の差が小さい場合であっても、圧入長を十分とることができれば、両者を確実に接合することが可能となる。しかしながら、この圧入長をあまりに長くすると、ボールペンチップのうちインク収容管内に圧入される部分の割合が大きくなる。すなわち、ボールペンチップの外部露出部分が小さくなるため、ボールペンチップの設計上制約が多くなるという問題点も生ずる。
【0008】
ところで、加圧式ボールペンの場合には、既述のように、金属製のインク収容管を採用することが多い。この場合は、ボールペンチップとインク収容管との接合は金属どうしの接合となる。しかし、金属どうしの接合より金属と樹脂との接合の方が、接合部分のシール性能が優る。したがって、接合部分のシール性能を重視する場合には、加圧式ボールペンにおいても樹脂製のインク収容管を採用することが望ましい。しかしながら、加圧式ボールペンの場合には、通常のボールペンよりもインク収容管とボールペンチップとのより確実な接合が要求されることから、上述の割れや圧入長の問題点については十分に検討する必要がある。また、封入気体の拡散防止の観点からも、樹脂材質についても吟味する必要がある。
【0009】
そこで、上記の問題点に鑑み、本発明は、樹脂製のインク収容管に金属製のボールペンチップが圧入装着されるボールペン、とりわけ加圧式ボールペンにおいて、両者の径の差と圧入長との適正なバランスをとることで、インク収容管の割れを防止しつつ確実な接合を図ることを第1の課題とする。
また、本発明は、上述の目的に加え、圧入長を適正に設定することで、ボールペンチップの設計上の制約を少なくすることを第2の課題とする。
【0010】
さらに、本発明は、上述の目的に加え、インク収容管の材質を適正に設定することで、圧入の際のインク収容管の割れを防止しつつ、ボールペンチップとの確実な接合を図ることを第3の課題とする。
また、本発明は、上述の目的に加え、インク収容管とボールペンチップとの接合をより確実なものとすることを第4の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)第1の発明
上記の第1の課題に鑑み、本発明のうち第1の発明は、内部にインク25を保蔵する樹脂製のインク収容管20と、そのインク収容管20の先端側に、後端側の一部が圧入されて装着される金属製のボールペンチップ30とを備えたボールペン10であって、前記ボールペンチップ30のインク収容管20側外径をD1、インク収容管20のボールペンチップ30側内径をD2、ボールペンチップ30の全長のうち、インク収容管20の先端に圧入嵌合される部分の長さをLとしたときに、
ΔD=D1−D2
で与えられるΔDは、
0<ΔD/L×100<3.0
なる関係を満たすことを特徴とする。
【0012】
すなわち、本発明においては、金属製のボールペンチップ30の後端側の一部が、樹脂製のインク収容管20の先端側に圧入されることとなっている。ここで、インク収容管20の先端部分には、別体に設けられた継ぎ手22部材が設けられ、ボールペンチップ30はこのインク収容管20先端の継ぎ手22部材に直接接続されることとしてもよい。
【0013】
なお、前記Lの値は、ボールペンチップ30の全長のうち、インク収容管20の先端に挿入されている部分の長さのうち、挿入の過程で一瞬でもインク収容管20内壁を圧入した部分の長さ(圧入長)をいう。したがって、現にインク収容管20に挿入されている部分の長さ、又は、現にインク収容管20の内壁を圧入している部分の長さとは必ずしも一致しない。
【0014】
そして、圧入長Lの値は一定にしつつΔDの値が大きくなることで、(ΔD/L×100)の値が3.0以上となる場合には、ボールペンチップ30後端側をインク収容管20先端側に圧入する際、大きな圧入力が必要となる。よって、部材の組み立てが困難となるとともに、インク収容管20先端の延びによる変形量が過大となり、割れを引き起こす頻度が高くなる。
【0015】
一方、ΔDの値は一定にしつつLの値が小さくなることで、(ΔD/L×100)の値が3.0以上となる場合には、ボールペンチップ30の保持が不安定になるため、ぐらつき等が生じ筆記感が損なわれることとなる。
したがって、(ΔD/L×100)の値が上記の範囲内にある場合には、ボールペンチップ30を圧入する際のインク収容管20の割れが防止される。また、部材の組み立ても容易となる。
【0016】
なお、インク収容管20内の後端側に加圧ガスが封入されている場合には、上記の構成により、ボールペンチップ30とインク収容管20との接合部分の割れが防止されるため、両者の確実な接合が保持される。よって、この接合部分が脆弱化することによるガス漏れや、著しく脆弱化した場合にガスの圧力でボールペンチップ30が脱落するようなことも防止される。
【0017】
(2)第2の発明
上記の第2の課題に鑑み、本発明のうち第2の発明は、第1の発明の特徴に加え、前記Lは、ボールペンチップ30の全長の20%以上35%以下であることを特徴とする。
ここで、前記Lの値が20%未満である場合には、インク収容管20との接合が不十分なため、ボールペンチップ30の抜けが生じやすい。とりわけ、インク収容管20内の後端側に加圧ガスが封入されているときには、ガスの圧力でボールペンチップ30が脱落する可能性が高くなる。
【0018】
一方、前記Lの値が35%を超える場合には、インク収容管20への圧入負担が大きくなり、ボールペンチップ30とインク収容管20との接合部分の割れが生じやすくなる。とりわけ、インク収容管20内の後端側に加圧ガスが封入されているときには、割れによる接合部分の脆弱化によるガス漏れが生じたり、著しく脆弱化した場合にガスの圧力でボールペンチップ30が脱落する可能性が高くなる。
【0019】
したがって、Lの値が上記範囲内にある場合には、ボールペンチップ30とインク収容管20との接合部分の割れを防止しつつ、確実な接合を図ることが可能となる。これとともに、ボールペンチップ30に占める圧入長の割合があまり大きくならないことから、ボールペンチップ30の設計上の制約を少なくすることも可能となる。
【0020】
(3)第3の発明
上記の第3の課題に鑑み、本発明のうち第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の特徴に加え、前記インク収容管20は、ASTM D−785により測定されるRスケールのロックウェル硬度が110以上の樹脂で成形されたことを特徴とする。
【0021】
上記のような樹脂としては、たとえば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、変性ポリフェニルエーテル(m−PPE)、ポリアセタール(POM)等の所定のグレードのものが挙げられる。一方、たとえば、通常一般に筆記具に用いられるポリプロピレン(PP)のロックウェル硬度は110に満たず、上記のような樹脂には該当しない。
【0022】
上記のような樹脂をインク収容管20の材質として採用することで、ボールペンチップ30を圧入した際の変形量を小さくすることが可能となる。これにより、圧入の際のインク収容管の割れを防止しつつ、ボールペンチップとの確実な接合を図ることができる。
なお、上記EVOHは特に気体透過性が小さいという性質を有するため、インク収容管20内の後端側に加圧ガスが封入されているボールペン10のインク収容管20の材質としては特に適している。
【0023】
(4)第4の発明
上記第4の課題に鑑み、本発明のうち第4の発明は、前記第1の発明、第2の発明又は第3の発明の特徴に加え、前記ボールペンチップ30とインク収容管20との接合部分を昇温することにより、ボールペンチップ30とインク収容管20とを溶融又は軟化密着させたことを特徴とする。
【0024】
ここで、「昇温」とは、接合部分の温度を上昇させることをいう。たとえば、誘導加熱でボールペンチップ30に渦電流を発生させ抵抗により発熱させて昇温することが可能である。
すなわち、ボールペンチップ30とインク収容管20との接合部分を溶融又は軟化させることで、単に圧入しただけの場合に比べ、密着度を向上させることが可能となっている。とりわけ、インク収容管20内の後端側に加圧ガスが封入されているときには、ガスの圧力に対する耐久性がより大きくなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1から図7までは、本発明の実施の形態を模式的に描いたものであって、必ずしも正確な縮尺に基づくものではない。
(1)第1の実施の形態
第1の実施の形態に係るボールペン10は、インク収容管20内部に加圧ガスが封入されているものである。本実施の形態においては、図1に示すリフィル11が採用される。すなわち、インク収容管20は、インクを直接収容するインク収容部21と、このインク収容部21の先端に装着される継ぎ手22とで構成される。また、インク収容管20の継ぎ手22の先端には、ボールペンチップ30が装着される。さらに、インク収容管20の後端には、尾栓24が装着される。
【0026】
(1−1)インク収容管20
インク収容管20のうち、インク収容部21はEVOH製の円筒チューブで構成される。インク収容部21には、インク25として、油性インクが充填される。
また、インク収容管20のうち、継ぎ手22は、EVOHにより形成される。本実施の形態におけるEVOHの、検査規格ASTM D−785により測定されるロックウェル硬度(Rスケール)は125である。継ぎ手22の内径D2は1.84mmである。継ぎ手22の先端部分には、内径をやや拡げたアプローチ23が形成されている(図2A参照)。このアプローチ23部分の長さL2は、0.1mmである。
【0027】
(1−2)ボールペンチップ30
ボールペンチップ30は、ステンレス鋼製の円柱材を切削して形成され、図2Aに示すような外径を呈する。
具体的には、円柱材の先端側を円錐状に切削してテーパー部31を形成する。そして、先端側の内側を切削して図示しないボールハウスを形成する。一方、円柱材の後端側の外径を切削により縮径して、圧入部32が形成される。圧入部32の外径D1は、1.9mmである。したがって、D1とD2との差で定義されるΔDは、
ΔD=D1−D2=1.9−1.84=0.06
より、0.06mmとなる。
【0028】
圧入部32の後端は、圧入の際の挿入の便のため面取りが施されている。圧入部32のうち、この面取りが施されている部分を除いた部分の長さ、すなわち、外径がD1を保持している部分の長さL1は、3.25mmである。
以下、円柱材の後端側から中途部分まで図示しないバック孔が穿孔される。そして、先端側からボールハウスとバック孔とを連絡する図示しないインク孔が穿孔され、さらにこのインク孔周囲に放射状に、図示しない数本の溝(インク溝と称する)が貫通される。
【0029】
そして、ボールハウス内に超硬合金製のボール34が挿入された後、テーパー部31の先端を内方にかしめてカシメ部33が形成される。
こうして形成されたボールペンチップ30の全長は12.3mmである。
(1−3) リフィル11の製造工程
リフィル11の製造工程は、以下の通りである。
【0030】
まず、インク収容部21に、インク25を充填する。一方、継ぎ手22の先端に、ボールペンチップ30の圧入部32を圧入する(図2B参照)。そして、インク収容部21の先端に、ボールペンチップ30が圧入された継ぎ手22の後端部分を圧入する。ここで、ボールペンチップ30の圧入部32のうち、外径がD1を保持している部分の長さをL1とし、また、インク収容管20の継ぎ手22のアプローチ23の長さをL2とすると、圧入の過程で、インク収容管20の内壁を変形せしめた部分の長さ(圧入長)Lは、
L=L1−L2=3.25−0.1=3.15
で3.15mmとなる(図2C参照)。
【0031】
したがって、上記Lが、ボールペンチップ30全長に占める割合は、
3.15/12.3×100=26%
で26%となる。
さらに、ΔD/L×100の値は、
ΔD/L×100=0.06/3.15×100=1.9
で1.9となる。
【0032】
ボールペンチップ30が圧入された継ぎ手22の圧入後は、ボールペンチップ30とインク収容管20の継ぎ手22との接合部分を誘導加熱させることで200℃に昇温して、溶融密着させる。そして、ボールペンチップ30先端方向に遠心力がかかるようにして遠心処理し、リフィル11内に残存した気泡を除去する。
その後、窒素ガスを満たした3気圧(絶対圧)の加圧雰囲気中へリフィル11を移してから、後端へ尾栓24を圧入し、これを溶融固定する。これにより、インク収容管20内でインク25の後方に加圧窒素ガスが封入されることとなる。
【0033】
こうして製造されたリフィル11の前半部分は、後端部分内側に雌ねじが切られた前軸12内に挿入される。そして、その後半部分を、先端部分外側に雄ねじが切られた後軸13内に挿入しつつ、後軸13と前軸12とがねじ止めされる。そして、先端にキャップ14が装着され、ボールペン10が完成する(図3参照)。
なお、上述のリフィル11のように、インク収容管20の後端に尾栓24を装着してこれを密閉する態様のほか、インク収容管20を加圧雰囲気中でさらに大径の管体で覆い、この管体を密閉する態様も可能である。
【0034】
(2)第2の実施の形態
第2の実施の形態に係るボールペンは、インク収容管20内が開放構造を有している。本実施の形態においては、図4に示すリフィル11が採用される。すなわち、インク収容管20は、インク25を直接収容するインク収容部21と、このインク収容部21の先端に装着される継ぎ手22とで構成される。また、インク収容管20の継ぎ手22の先端には、ボールペンチップ30が装着される。さらに、インク25の後端部分には、インク25の逆流を防止すべく、インク追従体26が設けられている。
【0035】
(2−1)インク収容管20
インク収容管20のうち、インク収容部21はポリプロピレン製の円筒チューブで構成される。インク収容部21には、インク25として、いわゆる中粘度水性ゲルインクが充填される。
また、インク収容管20のうち、継ぎ手22は、m−PPEにより形成される。本実施の形態におけるm−PPEの、検査規格ASTM D−785により測定されるロックウェル硬度(Rスケール)は114である。継ぎ手22の内径D2は1.85mmである。継ぎ手22の先端部分には、内径をやや拡げたアプローチ23が形成されている(図2A参照)。このアプローチ23部分の長さL2は、0.6mmである。
【0036】
(2−2)ボールペンチップ30
ボールペンチップ30は、ステンレス鋼製の円柱材を切削して形成され、図2Aに示すような外径を呈する。
具体的には、円柱材の先端側を円錐状に切削してテーパー部31を形成する。そして、先端側の内側を切削して図示しないボールハウスを形成する。一方、円柱材の後端側の外径を切削により縮径して、圧入部32が形成される。圧入部32の外径D1は、1.9mmである。したがって、D1とD2との差で定義されるΔDは、
ΔD=D1−D2=1.9−1.85=0.05
より、0.05mmとなる。
【0037】
圧入部32の後端は、圧入の際の挿入の便のため面取りが施されている。圧入部32のうち、この面取りが施されている部分を除いた部分の長さ、すなわち、外径がD1を保持している部分の長さL1は、3.25mmである。
以下、円柱材の後端側から中途部分まで図示しないバック孔が穿孔される。そして、先端側からボールハウスとバック孔とを連絡する図示しないインク孔が穿孔され、さらにこのインク孔周囲に放射状に、図示しない数本の溝(インク溝と称する)が貫通される。
【0038】
そして、ボールハウス内に超硬合金製のボール34が挿入された後、テーパー部31の先端を内方にかしめてカシメ部33が形成される。
こうして形成されたボールペンチップ30の全長は12.3mmである。
(2−3) リフィル11の製造工程
リフィル11の製造工程は、以下の通りである。
【0039】
まず、インク収容部21の先端に、インク25を充填し、さらにインク追従体26を充填する。一方、継ぎ手22の先端に、ボールペンチップ30の圧入部32を圧入する(図2B参照)。そして、インク収容部21の先端に、ボールペンチップ30が圧入された継ぎ手22の後端部分を圧入する。
ここで、ボールペンチップ30の圧入部32のうち、外径がD1を保持している部分の長さをL1とし、また、インク収容管20の継ぎ手22のアプローチ23の長さをL2とすると、圧入の過程で、インク収容管20の内壁を変形せしめた部分の長さ(圧入長)Lは、
L=L1−L2=3.25−0.6=2.65
で2.65mmとなる(図2C参照)。
【0040】
したがって、上記Lが、ボールペンチップ30全長に占める割合は、
2.65/12.3×100=22%
で22%となる。
さらに、ΔD/L×100の値は、
ΔD/L×100=0.05/2.65×100=1.9
で1.9となる。
【0041】
ボールペンチップ30が圧入された継ぎ手22の圧入後は、ボールペンチップ30とインク収容管20の継ぎ手22との接合部分を誘導加熱させることで200℃に昇温して、溶融密着させる。そして、ボールペンチップ30先端方向に遠心力がかかるようにして遠心処理し、リフィル11内に残存した気泡を除去する。
(3)第3の実施の形態
第3の実施の形態に係るボールペンは、インク収容管20内部が、外部と交通している。本実施の形態においては、図5に示すように、インク収容管20は、後半部分にインク25を直接収容するとともに前半部分にコレクター27が圧入されるインク収容部21と、このインク収容部21の先端に装着される継ぎ手22とで構成される。また、インク収容管20の継ぎ手22の先端には、ボールペンチップ30が装着される。なお、上記コレクター27とは、インク収容管20内部と外界との圧力差を緩衝するための構造であり、ABS樹脂にて形成されている。また、コレクター27の軸心には、インク25をボールペンチップ30まで毛管力により誘導する誘導芯28が設けられている。誘導芯28は、繊維束体により形成されている。
【0042】
(3−1)インク収容管20
インク収容管20のうち、インク収容部21はポリプロピレン製の盲端を有する軸筒として構成される。インク収容部21には、インク25として、低粘度水性インクが充填される。
また、インク収容管20のうち、継ぎ手22は、POMにより形成される。本実施の形態におけるPOMの、検査規格ASTM D−785により測定されるロックウェル硬度(Rスケール)は120である。継ぎ手22の内径D2は2.25mmである。継ぎ手22の先端部分には、内径をやや拡げたアプローチ23が形成されている(図6A参照)。このアプローチ23部分の長さL2は、0.1mmである。
【0043】
(3−2)ボールペンチップ30
ボールペンチップ30は、ステンレス鋼製の円柱材を切削して形成され、図6Aに示すような外径を呈する。
具体的には、円柱材の先端側を円錐状に切削してテーパー部31を形成する。そして、先端側の内側を切削して図示しないボールハウスを形成する。一方、円柱材の外径は2.3mmである。したがって、インク収容管20に圧入される圧入部32の外径D1は、2.3mmである。したがって、D1とD2との差で定義されるΔDは、
ΔD=D1−D2=2.3−2.25=0.05
より、0.05mmとなる。
【0044】
圧入部32の後端は、圧入の際の挿入の便のため面取りが施されている。圧入部32のうち、この面取りが施されている部分を除いた部分の長さ、すなわち、外径がD1を保持している部分の長さL1は、2.8mmである。
以下、円柱材の後端側から中途部分まで図示しないバック孔が穿孔される。そして、先端側からボールハウスとバック孔とを連絡する図示しないインク孔が穿孔され、さらにこのインク孔周囲に放射状に、図示しない数本の溝(インク溝と称する)が貫通される。
【0045】
そして、ボールハウス内に超硬合金製のボール34が挿入された後、テーパー部31の先端を内方にかしめてカシメ部33が形成される。
こうして形成されたボールペンチップ30の全長は8.2mmである。
(3−3) インク収容管20の製造工程
インク収容管20の製造工程は、以下の通りである。
【0046】
まず、軸筒の開放端を上向きにして、インク25を充填する。一方、継ぎ手22の先端に、ボールペンチップ30の圧入部32を圧入する(図6B参照)。そして、この継ぎ手22を、あらかじめ誘導芯28を挿入しておいたコレクター27に挿入する。さらに、このコレクター27を、インク25の充填された軸筒に挿入しつつ、継ぎ手22の後端部分を軸筒の開放端に圧入する。
【0047】
ここで、ボールペンチップ30の圧入部32のうち、外径がD1を保持している部分の長さをL1とし、また、インク収容管20の継ぎ手22のアプローチ23の長さをL2とすると、圧入の過程で、インク収容管20の内壁を変形せしめた部分の長さ(圧入長)Lは、
L=L1−L2=2.8−0.1=2.7
で2.7mmとなる(図6C参照)。
【0048】
したがって、上記Lが、ボールペンチップ30全長に占める割合は、
2.7/8.2×100=33%
で33%となる。
さらに、ΔD/L×100の値は、
ΔD/L×100=0.05/2.7×100=1.9
で1.9となる。
【0049】
ボールペンチップ30圧入後は、ボールペンチップ30とインク収容管20の継ぎ手22との接合部分を誘導加熱させることで200℃に昇温して、溶融密着させる。
(4)その他
上記第1の実施の形態においては、図1に示すリフィル11のように、継ぎ手22を別体として設けている。しかし、図7に示すリフィル11のように、インク収容管20の先端に継ぎ手22を設けずに、直接ボールペンチップ30を圧入することとしてもよい。このようなリフィル11の製造工程は、以下の通りである。
【0050】
まず、インク25を充填したインク収容部21の先端に、ボールペンチップ30の圧入部32を圧入する。
ボールペンチップ30圧入後は、ボールペンチップ30とインク収容管20の継ぎ手22との接合部分を誘導加熱させることで200℃に昇温して、溶融密着させる。そして、ボールペンチップ30先端方向に遠心力がかかるようにして遠心処理し、リフィル11内に残存した気泡を除去する。
【0051】
その後、窒素ガスを満たした3気圧(絶対圧)の加圧雰囲気中へリフィル11を移してから、後端へ尾栓24を圧入し、これを溶融固定する。これにより、インク収容管20内でインク25の後方に加圧窒素ガスが封入されることとなる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、以下に記す効果を奏する。
すなわち、本発明のうちの第1の発明の説明によると、樹脂製のインク収容管に金属製のボールペンチップが圧入装着されるボールペン、とりわけ加圧式ボールペンにおいて、両者の径の差と圧入長との適正なバランスをとることで、インク収容管の割れを防止しつつ確実な接合を図ることが可能となる。
【0053】
また、本発明のうちの第2の発明の説明によると、上述の効果に加え、圧入長を適正に設定することで、ボールペンチップの設計上の制約を少なくすることが可能となる。
さらに、本発明のうちの第3の発明の説明によると、上述の効果に加え、インク収容管の材質を適正に設定することで、圧入の際のインク収容管の割れを防止しつつ、ボールペンチップとの確実な接合を図ることが可能となる。
【0054】
また、本発明のうちの第4の発明の説明によると、上述の効果に加え、インク収容管とボールペンチップとの接合をより確実なものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるリフィルの形状を示したものである。なお、インク収容管は断面で示してある。
【図2】本発明の第1の実施の形態及び第2の実施の形態におけるボールペンチップとインク収容管との接合部分を示したものである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るボールペンの外観を示したものである。なお、キャップは一部断面で示してある。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるリフィルの形状を示したものである。なお、インク収容管は断面で示してある。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるインク収容管の形状を、一部断面で示したものである。
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるボールペンチップとインク収容管との接合部分を示したものである。
【図7】本発明の別の実施の形態におけるリフィルの形状を示したものである。なお、インク収容管は断面で示してある。
【符号の説明】
10 ボールペン      11 リフィル
12 前軸         13 後軸
14 キャップ
20 インク収容管     21 インク収容部
22 継ぎ手        23 アプローチ
24 尾栓         25 インク
26 インク追従体     27 コレクター
28 誘導芯
30 ボールペンチップ   31 テーパー部
32 圧入部        33 カシメ部
34 ボール

Claims (5)

  1. 内部にインクを保蔵する樹脂製のインク収容管と、
    そのインク収容管の先端側に、後端側の一部が圧入されて装着される金属製のボールペンチップとを備えたボールペンであって、
    前記ボールペンチップのインク収容管側外径をD1、
    インク収容管のボールペンチップ側内径をD2、
    ボールペンチップの全長のうち、インク収容管の先端に圧入嵌合される部分の長さをLとしたときに、
    ΔD=D1−D2
    で与えられるΔDは、
    0<ΔD/L×100<3.0
    なる関係を満たすことを特徴とするボールペン。
  2. 前記Lは、ボールペンチップの全長の20%以上35%以下であることを特徴とする請求項1記載のボールペン。
  3. 前記インク収容管は、ASTM D−785により測定されるRスケールのロックウェル硬度が110以上の樹脂で成形されたことを特徴とする請求項1又は2記載のボールペン。
  4. 前記ボールペンチップとインク収容管との接合部分を昇温することにより、ボールペンチップとインク収容管とを溶融又は軟化密着させたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のボールペン。
  5. 前期インク収容管内の後端側には加圧ガスが封入されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のボールペン。
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