JP2004130330A - 砂型鋳造鋳型のフィルター装置および造型装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳型にフィルターを装着する際の装着精度、および作業性を向上し、部品のコストダウンを図ることにある。
【解決手段】鋳造鋳型の型割り面6を垂直方向に形成し、型割り面6に湯道15を形成するとともに、湯道15の一部に金属溶湯をろ過するフィルター部品19を備えた砂型鋳造鋳型のフィルター装置において、フィルター部品19に、溶湯をろ過するフィルター23と、フィルター23の外縁部分に取り付けられ弾性材料で形成したホルダー25とを設けたる。
【選択図】 図4
【解決手段】鋳造鋳型の型割り面6を垂直方向に形成し、型割り面6に湯道15を形成するとともに、湯道15の一部に金属溶湯をろ過するフィルター部品19を備えた砂型鋳造鋳型のフィルター装置において、フィルター部品19に、溶湯をろ過するフィルター23と、フィルター23の外縁部分に取り付けられ弾性材料で形成したホルダー25とを設けたる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳造鋳型の型割り面が垂直方向に形成された砂型に用いるフィルター装置および造型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
垂直割金型を備えた鋳型造型機については、種々の技術が公開されている(例えば、特許文献1参照。)。一方、ディサマティック造型機に代表される垂直鋳型造型機では、異物の混入により発生する「砂かみ」等のトラブルを防止するため、鋳型の内部の湯道(溶湯が製品成形部に届くまでの途中の経路)に異物を除去するフィルターを設けている。このフィルターには、約1350℃の溶湯が通過するため、溶損が生じないセラミックを使用して、フィルターの内部を網状構造に形成している(例えば、特許文献2および3参照。)。
【0003】
実際に使用するフィルターは、たとえば約50mm×50mm×15mmの直方体形状に加工されたものであり、自動搬送機(コアセッター)を用いて鋳型にセットされる。しかし、上記フィルターは、寸法精度が50mmに対し公差が2mmと大きいため、フィルターの外形がセットする湯道の形状に合わないことがある。そのため、フィルターのセット不良が発生する。
【0004】
この対策として、外形寸法精度の良いホルダーを製作し、その内側にフィルターを嵌合させて、ホルダーを鋳型にセットする方法がある。このホルダーは、熱に強いレジンコーテッドサンドを加熱・成形して製作する。この方法によれば、中子を取り付けるコアセッターを利用して、中子納めと同時に精度良くフィルターをセットすることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−275996号公報
【特許文献2】
特開平5−51278号公報
【特許文献3】
特開平11−285782号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レジンコーテッドサンドのホルダーは部品単価が高いだけでなく、材料が硬質なため、生産現場への納入過程や、鋳型にセットする際の微妙な寸法ずれ等によりホルダーが割れてしまい、セットできないことがある。そのため、作業効率の低下や交換品を購入するためのコストアップの点で問題があり、代替品が望まれていた。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、その目的は、鋳型(生砂型)にフィルターを装着する際の装着精度、および作業性を向上させ、作業工数の低減、および部品のコストダウンを図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、鋳造鋳型の型割り面を垂直方向に形成し、型割り面に湯道を形成するとともに、該湯道の一部に金属溶湯をろ過するフィルター部品を備えた砂型鋳造鋳型のフィルター装置において、前記フィルター部品に、溶湯をろ過するフィルターを、該フィルターの外縁部分に取り付けられ弾性材料で形成したホルダーとから形成した。
また、前記フィルター部品を前記湯道に取り付けたときに、前記ホルダーは前記湯道の内側と前記フィルターの外縁部分に挟まれて圧縮保持される。
また、前記フィルターが、3次元の網状構造をなしたセラミック多孔体で形成することもできる。
さらに、前記ホルダーを帯状または環状に形成し、フィルター部の外周を枠状に巻回することもできる。
【0009】
また、本発明では、鋳造鋳型の型割り面を垂直方向に形成し、型割り面に湯道を形成するとともに、該湯道の一部に金属溶湯をろ過するフィルター部品を備えた砂型鋳造鋳型造型装置において、該湯道に取り付けるフィルター部品を、溶湯をろ過するフィルターと、該フィルターの外縁部分に取り付けられ弾性材料で形成したホルダーとから形成し、砂型の型割り面にフィルター部品をセットするコアセッターに、陥状凹部を形成し、該コアセッターがフィルター部品を砂型にセットしたときに、前記ホルダーが前記陥状凹部とフィルターの外縁部分に挟まれて圧縮保持されるように構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係る砂型鋳造鋳型のフィルター装置の一例について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1に例示する垂直鋳型造型機1は、砂供給ユニット3と、砂型5を造型するユニット4と、造型する金型5を変更する金型交換ユニット7と、砂型5に中子をセットするコアセッター9と、砂型5を搭載しながら砂型造型ユニット4と同調して動くコンベヤ11と、これらユニット類の動作を自動的に制御する図示しない制御装置を含んで構成する。
【0012】
図2は、図1のA部の拡大斜視図であって、複数の砂型5が互いに対向する型割り面6を合わせた状態を示し、この状態で、溶湯の注入工程に搬送される状態を示す。図3は、図2の砂型5の単体を表す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図を示す。
【0013】
型割り面6には、上部に設けられた湯口カップ13と、湯口カップ13から注入された溶湯を案内する湯道15と、湯道15の各末端部に設けられ鋳造製品を成形する製品成形部17を備えている。型割り面6は、対応するもう一対の型割り面6と重合して、湯道15や製品成形部17の中空形状が完成する。湯口カップ13の近くの湯道15には、溶湯をろ過するフィルター部品19を取り付ける。図3に示す湯道15には、フィルター部品19を取り付けるフィルター挿入溝21を設けることもできる。このフィルター挿入溝21は、フィルター部品19の周縁部を上下から挟んで支持するよう構成する。
なお、成形する製品の内側部分に中空形状を設ける場合には、図示しない中子が製品成形部17にセットすることができる。
【0014】
図4は、フィルター部品19の詳細図であって、(a)は正面図、(b)はD−D線による断面図を示す。フィルター部品19は、フィルター23と発泡ウレタンフォーム枠25(以下、ホルダーという。)から構成される。
フィルター23は、例えば、従来技術として用いられる3次元の網状構造をなしたセラミック多孔体で形成することができる。
【0015】
ホルダー25は、弾性を有するウレタンフォーム材(例えば、軟質エバーライト MP−GM:商標 (株)ブリヂストン製)を使用しており、フィルター23の外縁を覆う形状をしている。例えば、図4(a)に示すフィルター23は、四角形の4辺の外縁を全て覆うようにホルダー25を取り付けている。フィルター部品19を取り付ける湯道15の形状に合わせて、対向する2辺の外縁にのみホルダー25を設けてもよい。また、図4に示すフィルター部品19は、形状を四角形としているが、湯道15またはフィルター挿入溝21の形状に合わせて最適な形状を選択することができる。
【0016】
ホルダー25の加工は、ホルダー25の形状に合わせて製作した刃型を用いて発泡ウレタン材を打ち抜いて行なう。また、帯状または環状の発泡ウレタンを製作し、これをフィルター23の外周に枠状に巻回することもできる。
【0017】
ウレタンフォーム材の物性は、JIS K 6400−1997に準拠して測定した場合、以下の特性の少なくとも一つを有するものがよい。
(1)硬さ70N以上、(2)伸び30%以上、(3)引張強さ60kPa以上、(4)密度(見かけ密度)0.023以上
【0018】
ホルダー25の成形寸法は、以下の公差範囲がよい。
(1)内径寸法は、フィルター23の外形寸法に対して、0〜−3mm以内(更に好適には0〜−1mm以内)とする。
(2)外形寸法は、ホルダー25の内径寸法に対して、+6〜+20mm以内(更に好適には+10〜+16mm以内)とする。
(3)枠高さは、フィルター23の厚みに対して、0〜+8mm以内(更に好適には+2から+5mm以内)とする。
【0019】
湯道15またはフィルター挿入溝21の寸法は、ホルダー25の外形寸法よりやや小さくなるよう造型する。フィルター部品19の取り付けは、ホルダー25の弾性を利用してフィルター挿入溝21または湯道15(以下、湯道等という。)に圧入して行なう。このとき、ホルダー25が湯道15等の内側とフィルター23の外縁部分に挟まれて圧接されて取り付いているので、フィルター23と湯道15またはフィルター挿入溝21が接触することはない。
【0020】
フィルター部品19を砂型5に取り付ける作業は、コアセッター9を用いて行なう。コアセッター9の所定位置には、図示しないエア吸引装置を備えた陥状凹部が形成されており、該陥状凹部にフィルター部品19が保持される。陥状凹部の寸法は、ホルダー25の外形寸法より小さく形成してある。フィルター部品19は、ホルダー25の弾性と前記エア吸引装置の吸引力を利用して陥状凹部に圧縮保持される。このとき、ホルダー25は該陥状凹部の内側とフィルター23の外縁部分に挟まれて圧縮されるとともに、エア吸引力で陥状凹部に吸引された状態で保持されるので、フィルター23と陥状凹部が接触することはない。
【0021】
本発明の砂型鋳造鋳型のフィルター装置によれば、ホルダー25を弾性体で形成することにより、生産現場への納入過程でホルダー25が割れたり、砂型5に取り付ける時に、ホルダー25と砂型5が接触して起こる割れを防止することができる。また、ホルダー25は、本体が独立発泡の多孔体であって弾力特性と空気を通し難い特性を同時に備えているため、フィルター23の接触面の凹凸に食い込み、ずれ落ちが防止されるとともに、前記エア吸収装置による陥状凹部への吸引力が安定して得られ陥状凹部へ確実に保持することができる。
【0022】
また、砂型5にフィルター部品19を圧入するときに、ホルダー25と砂型5がこすれても、ホルダー25が弾性変形して砂型5に加える圧力を小さくすることができ、削られた砂が製品成形部17に混入して起きる「砂かみ」不良を回避することができる。
さらに、ウレタンフォームを用いたホルダー25は、レジンコーテッドサンド枠と比較して安価であり、製造コストをより抑えることができる。
【0023】
本発明の砂型鋳造鋳型造型装置によれば、コアセッター9の陥状凹部がフィルター部品19を保持する際に、ホルダー25はその弾性力とエア吸引力により陥状凹部にしっかり保持されるので、フィルター部品19をコアセッター9から落下させることなく移動させて砂型5にセットすることができる。さらに、ホルダー25は、レジンコーテッドサンド枠に比べて、1/50程度の質量なので、コアセッター9および搬送ロボット等に重量による負担をかけない。また、コアセッター9や搬送ロボットの異常によりフィルター部品19が湯道15等に接触しても、ホルダー25が割れるおそれがなく、ホルダー25がフィルター23を保護する働きもする。
【0024】
なお、本発明は既述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ホルダー25の材料は、ウレタンフォーム材の他に、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエチレンウレタン、ポリエチレンスチレン、フェノール樹脂、ゴムなどの伸縮性(弾性)を有する有機物を用いることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係る砂型鋳造鋳型のフィルター装置によれば、次のような効果がある。
(1)鋳造鋳型の型割り面を垂直方向に形成し、型割り面に湯道を形成するとともに、該湯道の一部に金属溶湯をろ過するフィルター部品を備えた砂型鋳造鋳型のフィルター装置において、前記フィルター部品に、溶湯をろ過するフィルターと、該フィルターの外縁部分に取り付けられ弾性材料で形成したホルダーとを設けているので、フィルター部品の取り付け作業時にホルダーが割れることがなくなり、作業性及び生産性の向上を図ることができる。
(2)前記フィルター部品を前記湯道に取り付けたときに、前記ホルダーが前記湯道の内形と前記フィルターの外縁部分に挟まれて圧接されるので、フィルターの寸法精度が悪くても、ホルダーの弾性を利用してフィルター部品を湯道に取り付けられ、作業性の向上を図ることができる。
【0026】
(3)前記フィルターが、3次元の網状構造をなしたセラミック多孔体で形成されるので、耐熱衝撃性、およびろ過性能に優れ、溶融金属を効率よくろ過することができる。
(4)前記ホルダーを帯状または環状に形成し、フィルター部の外周を枠状に巻回するので、フィルターの周縁部に容易にホルダーを形成することができる。
(5)前記ホルダーが前記陥状凹部とフィルターの外縁部分に挟まれて圧接されているので、コアセッターでフィルター部品を移動し、砂型にセットするときにホルダーが割れることがなくなり、作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルター部品の装着をおこなう垂直鋳型造型機の斜視図である。
【図2】図1のA部拡大斜視図であって、複数の砂型が互いに対向する型割り面を合わせた状態でコンベヤに搭載され、溶湯の注入工程に搬送される状態を示す。
【図3】本発明のフィルター部品をセットする砂型の単体を表す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図を示す。
【図4】本発明の実施の形態に係るフィルター部品の詳細図であって、(a)は正面図、(b)はD−D線による断面図を示す。
【符号の説明】
1 垂直鋳型造型機
3 砂供給ユニット
4 砂型造型ユニット
5 砂型
6 型割り面
7 金型交換ユニット
9 中子セットユニット
11 コンベヤ
13 湯口カップ
15 湯道
17 製品成形部
19 フィルター部品
21 フィルター挿入溝
23 フィルター
25 発泡ウレタンフォーム枠(ホルダー)
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳造鋳型の型割り面が垂直方向に形成された砂型に用いるフィルター装置および造型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
垂直割金型を備えた鋳型造型機については、種々の技術が公開されている(例えば、特許文献1参照。)。一方、ディサマティック造型機に代表される垂直鋳型造型機では、異物の混入により発生する「砂かみ」等のトラブルを防止するため、鋳型の内部の湯道(溶湯が製品成形部に届くまでの途中の経路)に異物を除去するフィルターを設けている。このフィルターには、約1350℃の溶湯が通過するため、溶損が生じないセラミックを使用して、フィルターの内部を網状構造に形成している(例えば、特許文献2および3参照。)。
【0003】
実際に使用するフィルターは、たとえば約50mm×50mm×15mmの直方体形状に加工されたものであり、自動搬送機(コアセッター)を用いて鋳型にセットされる。しかし、上記フィルターは、寸法精度が50mmに対し公差が2mmと大きいため、フィルターの外形がセットする湯道の形状に合わないことがある。そのため、フィルターのセット不良が発生する。
【0004】
この対策として、外形寸法精度の良いホルダーを製作し、その内側にフィルターを嵌合させて、ホルダーを鋳型にセットする方法がある。このホルダーは、熱に強いレジンコーテッドサンドを加熱・成形して製作する。この方法によれば、中子を取り付けるコアセッターを利用して、中子納めと同時に精度良くフィルターをセットすることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−275996号公報
【特許文献2】
特開平5−51278号公報
【特許文献3】
特開平11−285782号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レジンコーテッドサンドのホルダーは部品単価が高いだけでなく、材料が硬質なため、生産現場への納入過程や、鋳型にセットする際の微妙な寸法ずれ等によりホルダーが割れてしまい、セットできないことがある。そのため、作業効率の低下や交換品を購入するためのコストアップの点で問題があり、代替品が望まれていた。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、その目的は、鋳型(生砂型)にフィルターを装着する際の装着精度、および作業性を向上させ、作業工数の低減、および部品のコストダウンを図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、鋳造鋳型の型割り面を垂直方向に形成し、型割り面に湯道を形成するとともに、該湯道の一部に金属溶湯をろ過するフィルター部品を備えた砂型鋳造鋳型のフィルター装置において、前記フィルター部品に、溶湯をろ過するフィルターを、該フィルターの外縁部分に取り付けられ弾性材料で形成したホルダーとから形成した。
また、前記フィルター部品を前記湯道に取り付けたときに、前記ホルダーは前記湯道の内側と前記フィルターの外縁部分に挟まれて圧縮保持される。
また、前記フィルターが、3次元の網状構造をなしたセラミック多孔体で形成することもできる。
さらに、前記ホルダーを帯状または環状に形成し、フィルター部の外周を枠状に巻回することもできる。
【0009】
また、本発明では、鋳造鋳型の型割り面を垂直方向に形成し、型割り面に湯道を形成するとともに、該湯道の一部に金属溶湯をろ過するフィルター部品を備えた砂型鋳造鋳型造型装置において、該湯道に取り付けるフィルター部品を、溶湯をろ過するフィルターと、該フィルターの外縁部分に取り付けられ弾性材料で形成したホルダーとから形成し、砂型の型割り面にフィルター部品をセットするコアセッターに、陥状凹部を形成し、該コアセッターがフィルター部品を砂型にセットしたときに、前記ホルダーが前記陥状凹部とフィルターの外縁部分に挟まれて圧縮保持されるように構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係る砂型鋳造鋳型のフィルター装置の一例について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1に例示する垂直鋳型造型機1は、砂供給ユニット3と、砂型5を造型するユニット4と、造型する金型5を変更する金型交換ユニット7と、砂型5に中子をセットするコアセッター9と、砂型5を搭載しながら砂型造型ユニット4と同調して動くコンベヤ11と、これらユニット類の動作を自動的に制御する図示しない制御装置を含んで構成する。
【0012】
図2は、図1のA部の拡大斜視図であって、複数の砂型5が互いに対向する型割り面6を合わせた状態を示し、この状態で、溶湯の注入工程に搬送される状態を示す。図3は、図2の砂型5の単体を表す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図を示す。
【0013】
型割り面6には、上部に設けられた湯口カップ13と、湯口カップ13から注入された溶湯を案内する湯道15と、湯道15の各末端部に設けられ鋳造製品を成形する製品成形部17を備えている。型割り面6は、対応するもう一対の型割り面6と重合して、湯道15や製品成形部17の中空形状が完成する。湯口カップ13の近くの湯道15には、溶湯をろ過するフィルター部品19を取り付ける。図3に示す湯道15には、フィルター部品19を取り付けるフィルター挿入溝21を設けることもできる。このフィルター挿入溝21は、フィルター部品19の周縁部を上下から挟んで支持するよう構成する。
なお、成形する製品の内側部分に中空形状を設ける場合には、図示しない中子が製品成形部17にセットすることができる。
【0014】
図4は、フィルター部品19の詳細図であって、(a)は正面図、(b)はD−D線による断面図を示す。フィルター部品19は、フィルター23と発泡ウレタンフォーム枠25(以下、ホルダーという。)から構成される。
フィルター23は、例えば、従来技術として用いられる3次元の網状構造をなしたセラミック多孔体で形成することができる。
【0015】
ホルダー25は、弾性を有するウレタンフォーム材(例えば、軟質エバーライト MP−GM:商標 (株)ブリヂストン製)を使用しており、フィルター23の外縁を覆う形状をしている。例えば、図4(a)に示すフィルター23は、四角形の4辺の外縁を全て覆うようにホルダー25を取り付けている。フィルター部品19を取り付ける湯道15の形状に合わせて、対向する2辺の外縁にのみホルダー25を設けてもよい。また、図4に示すフィルター部品19は、形状を四角形としているが、湯道15またはフィルター挿入溝21の形状に合わせて最適な形状を選択することができる。
【0016】
ホルダー25の加工は、ホルダー25の形状に合わせて製作した刃型を用いて発泡ウレタン材を打ち抜いて行なう。また、帯状または環状の発泡ウレタンを製作し、これをフィルター23の外周に枠状に巻回することもできる。
【0017】
ウレタンフォーム材の物性は、JIS K 6400−1997に準拠して測定した場合、以下の特性の少なくとも一つを有するものがよい。
(1)硬さ70N以上、(2)伸び30%以上、(3)引張強さ60kPa以上、(4)密度(見かけ密度)0.023以上
【0018】
ホルダー25の成形寸法は、以下の公差範囲がよい。
(1)内径寸法は、フィルター23の外形寸法に対して、0〜−3mm以内(更に好適には0〜−1mm以内)とする。
(2)外形寸法は、ホルダー25の内径寸法に対して、+6〜+20mm以内(更に好適には+10〜+16mm以内)とする。
(3)枠高さは、フィルター23の厚みに対して、0〜+8mm以内(更に好適には+2から+5mm以内)とする。
【0019】
湯道15またはフィルター挿入溝21の寸法は、ホルダー25の外形寸法よりやや小さくなるよう造型する。フィルター部品19の取り付けは、ホルダー25の弾性を利用してフィルター挿入溝21または湯道15(以下、湯道等という。)に圧入して行なう。このとき、ホルダー25が湯道15等の内側とフィルター23の外縁部分に挟まれて圧接されて取り付いているので、フィルター23と湯道15またはフィルター挿入溝21が接触することはない。
【0020】
フィルター部品19を砂型5に取り付ける作業は、コアセッター9を用いて行なう。コアセッター9の所定位置には、図示しないエア吸引装置を備えた陥状凹部が形成されており、該陥状凹部にフィルター部品19が保持される。陥状凹部の寸法は、ホルダー25の外形寸法より小さく形成してある。フィルター部品19は、ホルダー25の弾性と前記エア吸引装置の吸引力を利用して陥状凹部に圧縮保持される。このとき、ホルダー25は該陥状凹部の内側とフィルター23の外縁部分に挟まれて圧縮されるとともに、エア吸引力で陥状凹部に吸引された状態で保持されるので、フィルター23と陥状凹部が接触することはない。
【0021】
本発明の砂型鋳造鋳型のフィルター装置によれば、ホルダー25を弾性体で形成することにより、生産現場への納入過程でホルダー25が割れたり、砂型5に取り付ける時に、ホルダー25と砂型5が接触して起こる割れを防止することができる。また、ホルダー25は、本体が独立発泡の多孔体であって弾力特性と空気を通し難い特性を同時に備えているため、フィルター23の接触面の凹凸に食い込み、ずれ落ちが防止されるとともに、前記エア吸収装置による陥状凹部への吸引力が安定して得られ陥状凹部へ確実に保持することができる。
【0022】
また、砂型5にフィルター部品19を圧入するときに、ホルダー25と砂型5がこすれても、ホルダー25が弾性変形して砂型5に加える圧力を小さくすることができ、削られた砂が製品成形部17に混入して起きる「砂かみ」不良を回避することができる。
さらに、ウレタンフォームを用いたホルダー25は、レジンコーテッドサンド枠と比較して安価であり、製造コストをより抑えることができる。
【0023】
本発明の砂型鋳造鋳型造型装置によれば、コアセッター9の陥状凹部がフィルター部品19を保持する際に、ホルダー25はその弾性力とエア吸引力により陥状凹部にしっかり保持されるので、フィルター部品19をコアセッター9から落下させることなく移動させて砂型5にセットすることができる。さらに、ホルダー25は、レジンコーテッドサンド枠に比べて、1/50程度の質量なので、コアセッター9および搬送ロボット等に重量による負担をかけない。また、コアセッター9や搬送ロボットの異常によりフィルター部品19が湯道15等に接触しても、ホルダー25が割れるおそれがなく、ホルダー25がフィルター23を保護する働きもする。
【0024】
なお、本発明は既述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ホルダー25の材料は、ウレタンフォーム材の他に、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエチレンウレタン、ポリエチレンスチレン、フェノール樹脂、ゴムなどの伸縮性(弾性)を有する有機物を用いることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係る砂型鋳造鋳型のフィルター装置によれば、次のような効果がある。
(1)鋳造鋳型の型割り面を垂直方向に形成し、型割り面に湯道を形成するとともに、該湯道の一部に金属溶湯をろ過するフィルター部品を備えた砂型鋳造鋳型のフィルター装置において、前記フィルター部品に、溶湯をろ過するフィルターと、該フィルターの外縁部分に取り付けられ弾性材料で形成したホルダーとを設けているので、フィルター部品の取り付け作業時にホルダーが割れることがなくなり、作業性及び生産性の向上を図ることができる。
(2)前記フィルター部品を前記湯道に取り付けたときに、前記ホルダーが前記湯道の内形と前記フィルターの外縁部分に挟まれて圧接されるので、フィルターの寸法精度が悪くても、ホルダーの弾性を利用してフィルター部品を湯道に取り付けられ、作業性の向上を図ることができる。
【0026】
(3)前記フィルターが、3次元の網状構造をなしたセラミック多孔体で形成されるので、耐熱衝撃性、およびろ過性能に優れ、溶融金属を効率よくろ過することができる。
(4)前記ホルダーを帯状または環状に形成し、フィルター部の外周を枠状に巻回するので、フィルターの周縁部に容易にホルダーを形成することができる。
(5)前記ホルダーが前記陥状凹部とフィルターの外縁部分に挟まれて圧接されているので、コアセッターでフィルター部品を移動し、砂型にセットするときにホルダーが割れることがなくなり、作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルター部品の装着をおこなう垂直鋳型造型機の斜視図である。
【図2】図1のA部拡大斜視図であって、複数の砂型が互いに対向する型割り面を合わせた状態でコンベヤに搭載され、溶湯の注入工程に搬送される状態を示す。
【図3】本発明のフィルター部品をセットする砂型の単体を表す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図を示す。
【図4】本発明の実施の形態に係るフィルター部品の詳細図であって、(a)は正面図、(b)はD−D線による断面図を示す。
【符号の説明】
1 垂直鋳型造型機
3 砂供給ユニット
4 砂型造型ユニット
5 砂型
6 型割り面
7 金型交換ユニット
9 中子セットユニット
11 コンベヤ
13 湯口カップ
15 湯道
17 製品成形部
19 フィルター部品
21 フィルター挿入溝
23 フィルター
25 発泡ウレタンフォーム枠(ホルダー)
Claims (4)
- 鋳造鋳型の型割り面を垂直方向に形成し、型割り面に湯道を形成するとともに、該湯道の少なくとも一部に金属溶湯をろ過するフィルター部品を備えた砂型鋳造鋳型のフィルター装置において、前記フィルター部品に、溶湯をろ過するフィルターと、該フィルターの外縁部分に取り付けられ弾性材料で形成されたホルダーとを設けたことを特徴とする砂型鋳造鋳型のフィルター装置。
- 前記フィルターが、3次元の網状構造をなしたセラミック多孔体で形成されることを特徴とする請求項1に記載の砂型鋳造鋳型のフィルター装置。
- 前記ホルダーを帯状または環状に形成し、フィルター部の外周を枠状に巻回したことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の砂型鋳造鋳型のフィルター装置。
- 鋳造鋳型の型割り面を垂直方向に形成し、型割り面に湯道を形成するとともに、該湯道の少なくとも一部に金属溶湯をろ過するフィルター部品を備えた砂型鋳造鋳型造型装置において、該湯道に取り付けるフィルター部品に、溶湯をろ過するフィルターと、該フィルターの外縁部分に取り付けられ弾性材料で形成したホルダーを設け、砂型の型割り面にフィルター部品をセットするコアセッターに、該コアセッターの所定位置に陥状凹部を形成し、前記ホルダーが前記陥状凹部とフィルターの外縁部分に挟まれて圧縮保持されることを特徴とする砂型鋳造鋳型造型装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002295772A JP2004130330A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 砂型鋳造鋳型のフィルター装置および造型装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002295772A JP2004130330A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 砂型鋳造鋳型のフィルター装置および造型装置 |
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JP2002295772A Pending JP2004130330A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 砂型鋳造鋳型のフィルター装置および造型装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7594950B2 (en) | 2005-07-22 | 2009-09-29 | Sanki Dengyo Co., Ltd. | Method and device for removing slag |
KR101066334B1 (ko) | 2010-10-13 | 2011-09-20 | 김대섭 | 다공성압축모래필터의 제조방법 |
JP2014036965A (ja) * | 2012-08-11 | 2014-02-27 | Kitagawa Iron Works Co Ltd | 鋳造用フィルタ投入装置 |
CN108031795A (zh) * | 2017-12-26 | 2018-05-15 | 宁夏苏宁新能源设备有限公司 | 槽帮单冒口立式浇注铸型及铸型系统及浇注方法 |
-
2002
- 2002-10-09 JP JP2002295772A patent/JP2004130330A/ja active Pending
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