JP2004128838A - 通信システム及び携帯物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の通信システムは、所定の交信範囲内に常時又は所定時間間隔で外部から放射される質問電波を受信したときに、予め割り当てられている応答情報を含む応答電波を返信する非接触タグが取り付けられているものであって、物品に付けられた着脱可能な携帯物品と、質問電波を放射し、所定の交信範囲内に存在する非接触タグからの応答電波に含まれる応答情報を取り込む処理装置本体とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信システム及び携帯物品に関し、例えば、携帯物品(例えば携帯電話機に付ける携帯電話機用ストラップの紐部分やキャラクタ部分等)に非接触タグを取り付け、その非接触タグを用いた通信システム及び携帯物品に適用しうる。
【0002】
【従来の技術】
パソコン等のハードウェア資源の電源制御システムや、パソコン等の使用許可システムや、入退室管理システム等に、さまざまな形態のシステムに認証システムが適用されている。
【0003】
例えば、パソコン等のハードウェア資源の自動電源制御システムに適用されている認証システムとして、社員証等のカードに記憶された固有情報(例えばID情報)をカードリーダに読み取らせて認証するものや、認証対象者のみが知るパスワードを利用して認証するものや、認証対象者の指紋や虹彩や声紋等の個体の身体的特徴を利用して認証するものなどがある。
【0004】
下に示す特許文献1は、カードを使用してハードウェア資源(例えばパソコン等)の電源をオン/オフ制御する自動電源制御システムに関する技術が記載されている。
【0005】
特許文献1は、カード所有者に記録されている固有情報を、カード読取装置が読取ることによりカード所有者の位置を特定する。そして、その特定したカード所有者の位置に基づいて、対応する制御対象のハードウェア資源の電源を制御するものである。
【0006】
すなわち、特許文献1には、カード所有者が、使用するパソコン等が置いてある部屋にいると判断した場合、そのパソコン等の電源をオンにし、使用するパソコン等が置いてある部屋にいない場合、そのパソコン等の電源をオフに制御することが記載されている。
【0007】
【特許文献1】特願平10−175497号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動電源制御システムに適用する認証システムは、カードの固有情報を読み取ったカード読取装置の位置情報に基づいてカード所有者の位置を特定し、予め設定された認証対象者リストと、取得したカードの固有情報とを対応させて認証する必要があり、システム構成が大規模になってしまうという問題がある。
【0009】
また、認証対象者側の利便性の観点から、認証対象者がパソコン等の置いてある部屋に入室する際、所有するカードの固有情報を、カード読取装置に読み取らせる必要があり、認証対象者にとっては便利なものではなかった。
【0010】
例えば、認証対象者がパソコン等のある場所から何度も離着席しなければならない事情がある場合、認証対象者が着席してパソコン等を使用しようとする度に、上記のような認証に必要な特定の行為をしなければならず、認証対象者にとって必ずしも便利でなかった。
【0011】
また、認証対象者が外出や離席する場合、カードを取り忘れてしまい、カード読取装置にカードを挿入したまま外出や離席をしてしまうこともある。この場合、使用者がいないにも拘わらずパソコン等の電源はオンのままとなり、当該システムの実効が図れないおそれもある。
【0012】
これらのことは、カードを使用した認証システムの場合に限らず、認証システムが自己の登録パスワードを使用する場合はパスワードの入力が必要であり、また、認証システムが自己の身体的特徴を利用する場合は、自己個体の身体的特徴の読取りが必要となり、それぞれのシステムに応じた、認証に必要な特定の行為をしなければならなかった。
【0013】
まして、近年、社会的にセキュリティの向上が強く望まれており、異なる複数の認証システムを多重化させて適用する場合もあり、このような場合は、それら全ての特定行為を認証対象者は行わなければならず、ますます認証対象者の負担が大きくなっていくおそれもある。
【0014】
そのため、高いセキュリティ能力を維持したままで、認証対象者にとって認証に必要な特定行為を簡易にし、認証対象者が無意識のうちに、より簡便かつ正確に認証できる通信システム及びそれに係る携帯物品が求められている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の通信システムは、所定の交信範囲内に常時又は所定時間間隔で、外部から放射された質問電波を受信したときに、予め割り当てられている応答情報を含む応答電波を返信する非接触タグが取り付けられているものであって、物品に付けられた着脱可能な携帯物品と、質問電波を放射し、所定の交信範囲内に存在する非接触タグからの応答電波に含まれる応答情報を取り込む処理装置本体とを備えることを特徴とする。
【0016】
第2の本発明の携帯物品は、所定の交信範囲内に常時又は所定時間間隔で外部から放射された質問電波を受信したときに、予め割り当てられている応答情報を含む応答電波を返信する非接触タグを有し、所定の物品に着脱可能に設けられることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
(A)実施の形態
以下、本発明の通信システムを、認証システムとして適用した場合の本実施形態について図面を参照しながら詳述する。
【0018】
本実施形態は、パソコン自動電源制御システムに適用した認証システムに関し、パソコン使用者が常備する物品に、着脱可能な携帯物品を付属的に装着し、その携帯物品の内部又は外部に非接触タグを取り付けて、その非接触タグから発せられる電磁波に基づいて、認証をする場合の適用である。
【0019】
ここで、常備する物品とは、所持者がある特定目的を達成させるために機能する物品であって、所持者が離着席・外出する際であっても所持者が所持している物品を意味しており、携帯物品とは、その物品に対して脱着可能な物品であって、それ自体は物品が果たす機能に影響を与えない付属的な物品を意味している。
【0020】
この常備する物品の例として、移動通信端末(例えば携帯電話機、PDA、PHS端末等)や、ベルトや、かばん等が挙げられる。
【0021】
また、この物品に着脱可能な携帯物品の例として、移動通信端末に付するストラップ(ストラップの紐の部分、ストラップのキャラクタ部分を共に含む)や、ベルトのバックル、かばんの提げ手(肩掛けかばんの肩掛け部や、提げ手・肩掛け部の取り付け部分)、キーホルダーなどが挙げられる。
【0022】
勿論、これらの例に限られることなく、それぞれ広く適用できる。
【0023】
(A−1)実施形態の構成
図1は、本実施形態のパソコン自動電源制御システムに適用した認証システムの全体構成図である。
【0024】
なお、本実施形態は、認証対象者が常備する物品の例として携帯電話機を挙げ、それの携帯物品の例として、その携帯電話機に付けられる携帯ストラップを挙げる。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の認証システム1は、携帯電話機2aと、その携帯電話機2aに付けられた携帯ストラップ2bと、その携帯ストラップ2bに取り付けられた非接触タグ3と、個人認証装置4と、電源制御部5とを備えるものである。
【0026】
携帯電話機2aは、認証対象者が常備する移動通信網と通信可能な移動通信端末である。この携帯電話機2aは、認証対象者自身が所有するものであってもよいし、また、その認証対象者が属する企業から貸出されたものであってもよい。携帯電話機2aは、公衆網に対応するものや、会社内又は工場内の特定用途向けの専用網と通信可能なものであってもよい。
【0027】
また、携帯電話機2aは、一般的に側部にストラップを取り付けるための取り付け部2cを有しており、その取り付け部2cに携帯ストラップ2bを取り付けることが可能なものである。携帯電話機2aがこの取り付け部2cを有する位置は、携帯電話機2aの側部に限定されず、携帯電話機2aの裏部や、携帯電話機2aの側部から裏部にかけて備えられた箇所等であってもよい。
【0028】
携帯ストラップ2bは、主に携帯電話機2aの側部にある取り付け部2cに取り付け可能なつり紐である。また、この携帯ストラップ2bは、取り替え可能(脱着可能)なものである。この携帯ストラップ2bは、多種多様なものがあるが、その形態(例えば、ストラップの大きさや長さや太さや厚さ等)やその素材等に限定されるものではない。従って、首から釣り下げることができる長いものや、布製のストラップや、樹脂製のストラップ等にも適用できる。
【0029】
また携帯ストラップ2bは、単に紐部分のみから構成されるものだけを意味するのではなく、その紐部分にキャラクタ部分等を付属的に取り付けられた場合には、そのキャラクタ部分も含めたものも意味する。このキャラクタ部分の形態やその素材等についても、限定されるものではない。
【0030】
携帯ストラップ2bは、後述する非接触タグ3が取り付けられており、その非接触タグを取り付ける箇所は、例えば、携帯ストラップ2bの紐部分の内部に編み込むように組み込んだり、また、キャラクタ部分の内部に埋め込むように組み込んだりできる。また、携帯ストラップ2bの外部に貼り付けるようにしてもよい。本実施形態は、説明の便宜上、携帯ストラップ2bのキャラクタ部分の外部に、非接触タグ3を貼り付けた場合の適用とし、このようすを図1に示す。
【0031】
非接触タグ3は、携帯ストラップ2bに取り付けられる非接触型のICタグである。この非接触タグ3は、後述する質問器41からの質問電波に応じて、自己に割り当てられた識別情報(応答情報ともいう。)を含む応答電波を返信するものである。
【0032】
この識別情報は、各非接触タグ3毎に予め割り当てられた識別コードであり、その非接触タグ3を特定するためのものである。従って、識別コードに基づいて非接触タグ3を特定し、非接触タグ3を所持する認証対象者を特定することができる。
【0033】
なお、識別情報について、各非接触タグ3を特定するものでなく、例えば、大きく、パソコン使用許可者と、許可しない者とを示す2値で表わせるものであってもよい。
【0034】
非接触タグ3は、識別情報を格納しうる機能と、その格納されている識別情報を読み出す読出し機能とを少なくとも備えたものであって、無指向性の構成を備えたものである。つまり、非接触タグ3は、質問器41からの質問電波を受信した場合にのみ、応答電波を送信するものであり、この質問器41は所定の交信距離内にのみ質問電波を放射している。そのため、質問器41の交信距離内に存在しない非接触タグ3は、応答電波を送信しない。
【0035】
図5は、非接触タグ3の内部構成を示したブロック図である。図5に示すように、非接触タグ3は、少なくとも識別情報を格納するメモリ310と、メモリ310に格納されている識別情報を読み出すメモリ制御部320と、識別情報を電波にのせて送信する送信部330と、アンテナ340とを有している。
【0036】
非接触タグ3は、質問器41からの質問電波をエネルギーに変換して使用する無電池式(受動型)や、電池を内蔵しその電池からの供給により使用する電池式(能動型)を適用することができる。
【0037】
図5が、無電池式の非接触タグ3の内部構成を示し、図6は、電池350を内蔵した電池式の非接触タグ30の内部構成を示す。電池350は、メモリ310、メモリ制御部320、送信部330にそれぞれ送信動作に必要な電源を供給する。なお、図6において、対応する構成については対応する番号を付してある。
【0038】
また、図7は、発電部を内蔵した非接触タグ31の内部構成を示したブロック図である。図7に示すように、この非接触タグ31は、発電部360と、蓄電部370、電圧制御部380とを有している。なお、図5の非接触タグ3の内部構成と対応する構成については対応する番号を付してある。
【0039】
発電部360は、外部からのエネルギー(例えば、振動、衝撃力、応力等のような機械的エネルギーや、太陽光エネルギー等)を与えられることにより電気的エネルギーを発生し、メモリ310、メモリ制御部320、送信部330の送信動作に必要な電源として、その電気的エネルギーを供給するものである。
【0040】
発電部360は、発生した電気的エネルギーを蓄積部370に与える。また、発電部360は、機械的エネルギー(例えば振動、衝撃力、応力等)に基づいて電気的エネルギーを発生する圧電素子や、太陽光エネルギーに基づいて電気的エネルギーを発生する太陽電池等に適用することができる。
【0041】
なお、図7では、発電部360からの電気的エネルギーが蓄積部370に与えられるように表したが、発電部360からメモリ310等へ直接供給できるようにしてもよい。
【0042】
蓄積部370は、発電部360からの電気的エネルギーを一時的に蓄積するものである。
【0043】
電圧制御部380は、蓄積部370から一時的に蓄積された電気的エネルギーを受け取り、そのメモリ310、メモリ制御部320、送信部330に与える電源電圧を制御するものである。
【0044】
例えば、発電部360が圧電素子である場合、図7に示す発電部360を有する非接触タグ31を携帯ストラップ2bが具備することにより、携帯電話機を所持する認証対象者の歩行等による振動や衝撃力等の影響(外部からの機械的エネルギー)に基づいて、発電部360が発生させた電気的エネルギーを送信動作に必要な電気的エネルギーに変換することができる。
【0045】
以上のように、非接触タグ3が発電部360を有するようにしてもよい。
【0046】
また、非接触タグ3は、1個の識別情報のみでなく、複数の異なる識別情報を格納するようにしてもよい。
【0047】
例えば、非接触タグ3は質問器41からの質問電波に対応した応答電波を返信するものであることから、1個の携帯ストラップ2bに複数の非接触タグ3を取り付けようにしてもよい。このようにすることで、例えば、セキュリティを高めるために、複数個の質問器41を設けてそれぞれ異なる識別情報で認証する場合、上記複数の非接触タグ3は、それぞれ異なる識別情報を格納し、特定の質問電波を受信した場合にそれぞれが格納している識別情報を含んだ応答電波を返信することができる。ただし、このとき、質問器41の配置設定にもよるが、質問器41と非接触タグ3との間の電波周波数を調整して、他の質問器41又は他の非接触タグ3の電波周波数と互いに干渉し合わないようすることが好ましい。
【0048】
また、携帯ストラップ2bへの非接触タグ3の取り付け方に応じて、非接触タグ3の形態を変化させることができる。例えば、シール(粘着テープ)上に非接触タグ3を設置し、携帯ストラップ2bのキャラクタ部分の外部に貼り付けることができるようにしてもよい。また例えば、携帯ストラップ2bの紐部分に非接触タグ3を編み込むように挿入してもよい。また例えば、非接触タグ3を携帯ストラップ2bに内蔵する場合には、交信ができるように非接触タグ3のアンテナ340が露出(または、交信可能な程度に内蔵)するようにする。
【0049】
個人認証装置4は、認証対象者の携帯ストラップ2bに取り付けられた非接触タグ3との交信に基づいて、その認証対象者を認証するものである。また、個人認証装置4は、その認証結果に基づいてパソコンの電源制御部5に制御信号を与えるものである。すなわち、個人認証装置4は、認証対象者が本人であると認定した場合、パソコンの電源制御部5に制御信号を与え、認証対象者が本人でないと認定した場合、パソコンの電源制御部5に制御信号を与えないようにする。
【0050】
なお、個人認証装置4が出力する制御信号を、有意な信号又は無意な信号としてもよい。
【0051】
個人認証装置4は、例えば、パソコン本体やディスプレイやパソコン周辺機器等に備えうるものである。また例えば、個人認証装置4のみが1つの装置として独立に設置しうるようにしてもよい。このように個人認証装置4が1つの装置である場合、当該パソコンの付近にこの個人認証装置を設置し、その使用者(認証対象者)の携帯電話機2(正確に言えば非接触タグ3)と交信しうる範囲内で、個人認証装置を移動させることもできる。
【0052】
本実施形態は、個人認証装置4が1台のパソコンに対して1個設置されるものとして説明するが、1個の個人認証装置4が、複数のパソコンに対して設置でき、複数の個人認証をするようにしてもよい。
【0053】
図1に示すように、個人認証装置4は、質問器41と、認証部42と、表示部43とを有するものである。
【0054】
質問器41は、質問電波を放射し、所定の交信距離内に存在する非接触タグ3からの応答電波を捕捉し、応答した非接触タグ3からの識別情報を認証部42に与えるものである。質問器41は、質問電波を常時又は所定時間間隔で放射する。
【0055】
認証部42は、質問器41からの識別情報を受け取り、その識別情報が認証対象者本人のものであるかを認証するものである。認証部42は、パソコンを使用できる者の識別情報を予め設定されており、その使用できる者の識別情報と、質問器41が受信した識別情報とを比較して、この受信した識別情報が登録されているものであるか否かを確認して認証する。認証部42は、当該対応するパソコンについて、1又は複数の者が使用することができこととした場合、それに応じて複数の識別情報を登録しておくことができる。そのため、認証部42に登録されている複数の識別情報に該当する識別情報を受けた場合、その識別情報が正当な者であると認証部42は判断する。
【0056】
図3は、認証部42が行なう認証処理を説明する説明図である。図3において、登録識別コードは、予め登録されたパソコン使用許可者の識別コード(識別情報)である。
【0057】
ここで、識別コードは、上述したように、非接触タグ3毎に割り当てられたコードであり、この識別コードの設定は、各適用場面に応じて最適な設定をすることができる。
【0058】
例えば、図3は企業内において識別コードを設定する場合であり、8桁の識別コードのうち、左の2桁は「部署コード」、次の4桁は「課コード」、右の2桁は「課員コード」として表した場合である。このように、パソコン自動電源制御システムに適した識別コードを設定することができる。
【0059】
また、認証部42は、認証した結果に基づいて、制御信号を電源制御部5に与えるものである。さらに、認証部42は、認証結果を表示部43に与えるものである。
【0060】
表示部43は、認証部42からの認証結果を表示するものである。表示部43は、認証部42の認証結果に応じて、点灯制御するものである。
【0061】
例えば、認証対象者本人であるという認証結果であるとき、表示部43は緑色に発光し、また、認証対象者本人でないという認証結果であるとき、表示部43は赤色に発光するようにする。また、表示部43は、点灯制御に限られることなく、例えば、文字表示、音響、音等による報知機能を備えるものであってもよい。
【0062】
電源制御部5は、パソコンの電源を制御するものであり、認証部42からの制御信号に応じてパソコン本体及びディスプレイ等の電源をオン/オフするものである。なお、電源制御部5は、認証部42からの制御信号が与えられた場合、パソコン等の電源をオンにし、認証部42からの制御信号が与えられない場合、パソコン等の電源をオフにする。
【0063】
(A−2)実施の形態の動作
本実施形態に係る認証システムをパソコン自動電源制御システムに適用した場合における、当該認証システムの動作について図2を参照して説明する。
【0064】
図2は、個人認証によるパソコンの電源制御動作を表したフローチャートである。
【0065】
認証対象者は、携帯ストラップ2bを付けた携帯電話機2aを常備するものとする。この携帯ストラップ2bは非接触タグ3を有しており、本実施形態は携帯ストラップ2bの外部に非接触タグ3が貼り付けられている。
【0066】
認証対象者が使用するパソコン本体は、個人認証装置4を備えており、個人認証装置4の少なくとも質問器41(アンテナ部分)が外部に露出している。
【0067】
質問器41の所定の交信範囲内に、質問器41から質問電波が放射されている(S210)。この質問電波は、所定周期又は常時放射されるものである。
【0068】
そして、認証対象者がパソコンを使用する場合、当然認証対象者はパソコンの前に着席する。これは、質問器41が質問電波を放射する所定の交信距離内に、認証対象者が間接的に所持する非接触タグ3があることを意味し、この非接触タグ3は、質問器41からの質問電波を受信する。
【0069】
非接触タグ3が質問器41から放射される質問電波を受信すると、非接触タグ3に格納されている識別情報を含んだ応答電波が、非接触タグ3から質問器41に返信される。この応答電波は、非接触タグ3が質問電波を受信している間、質問器41に返信され続ける。
【0070】
非接触タグ3からの応答電波が質問器41に受信されると(S211)、その応答電波に含まれている識別情報が認証部42に与えられる。
【0071】
認証部42において、質問器41からの識別情報は、認証部42に予め登録されているパソコンの使用許可者の識別情報と比較される。そして、認証部42は、受信された識別情報が、登録された識別情報に対応するものであると判断したとき、認証対象者が正当な者であると判断し、登録された識別情報に対応しないものであると判断したとき、認証対象者が正当な者でないと判断する(S212)。
【0072】
認証部42が認証対象者であると判断したとき、認証部42から電源制御部5に制御信号が与えられ、電源制御部5に制御信号が与えられると、電源制御部5はパソコンの電源をオンに切替える(S213)。
【0073】
また、認証部42が認証対象者であると判断したとき、認証部42から電源制御部5に制御信号は与えられない。従って、電源制御部5はパソコン電源をオフ状態で維持する(S213)。
【0074】
また、認証対象者がパソコンのある場所から離席する場合、これは、質問器41が放射できる所定の交信距離内に非接触タグ3がない場合を意味する。
【0075】
従って、非接触タグ3は質問器41からの質問電波を受信し得ず、非接触タグ3からの応答信号は送信されない。そのため、質問器41は非接触タグ3からの応答電波を受信しないので、認証部42における認証処理は行われない。
【0076】
すなわち、認証部42から制御信号が出力されず、電源制御部5はパソコンの電源をオフに切り替えるように制御する(S213)。
【0077】
(A−3)実施の形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、認証対象者が間接的に所持する付属物品として携帯ストラップ2bを所持し、その携帯ストラップ2bに非接触タグ3が組み込まれていることにより、認証対象者が無意識のまま、その非接触タグ3と個人認証装置4との間の交信により、簡易かつ正確な個人認証を行なうことができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、非接触タグ3からの応答電波に基づいて、個人認証をするので、従来よりも簡易なシステム構成にすることができる。
【0079】
(B)他の実施形態
上記認証システムの他の実施形態について図4を参照して説明する。なお、この認証システムも、パソコン自動電源制御システムに適用した場合であって、認証対象者が非接触タグ3を有する携帯ストラップ2bを所持する場合として説明する。
【0080】
図4に示すように、この認証システム100は、複数の質問器41−1〜41−nと、管理装置42と、制御部5−1〜5−nとを備える。
【0081】
複数の各質問器41−1〜41−nは、上記実施形態で説明した質問器41に対応するものであって、それぞれ対応するパソコンに備えられるものである。
【0082】
各質問器41−1〜41−nは、所定の更新可能範囲内に質問電波を放射しており、その質問電波を受信した非接触タグ(図4には図示しないが上記実施形態の非接触タグに対応する。)から返信された応答電波を受け取り、その応答電波に含まれている識別情報を管理装置42に与えるものである。
【0083】
管理装置42は、各質問器41−1〜41−nからの識別情報に基づいて、認証処理機能と、認証管理機能と、制御指令機能とを少なくとも有するものである。管理装置42は、各質問器41−1〜41−n及び各制御部5−1〜5−nとネットワークを通じて接続されており、このネットワークは、例えば、本社・各支店内における社内ネットワークや、各部署単位毎に設けられたネットワークや、1個の建物で管理するネットワーク等、そのネットワークの大きさは特に問題としない。
【0084】
また、この変形例に係る認証システム100は、パソコン自動制御システムに適用した場合であるが、例えば、本社及び各支店を含む社内管理が必要な他のシステム(例えば、タイムカードを使用した勤務時間管理システム等)に適用する場合には、本社及び各支店を含むネットワークにも適用できる。
【0085】
管理装置42は、各質問器41−1〜41−nからの識別情報に基づいて認証処理を行い、その認証結果が正当なものである場合、対応する制御部5−1〜5−nに対して制御信号を与えるものである。
【0086】
また、管理装置42は、複数の識別情報について認証管理することができるので、例えば、ある部署が管理する複数のパソコンについて、その部署の構成員が共有して使用する場合などに好適である。また、管理装置42は、従来既存する認証管理装置に当該機能を備えさせることもできる。
【0087】
各制御部5−1〜5−nは、上記実施形態の電源制御部5に対応するものであり、それぞれ対応するパソコンを制御するものである。
【0088】
各制御部5−1〜5−nは、パソコン電源オン/オフ制御についてのみ制御するものとして説明したが、複数の他の制御(例えば、入退室におけるドアの開閉や、郵便ボックスのドアの開閉等)をするものであってもよい。
【0089】
以上のように、他の実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、認証対象者が無意識のうちに簡易かつ正確な個人認証をすることができる。
【0090】
また、上記他の実施形態によれば、管理装置42が複数の質問器41−1〜41−nと接続し、それぞれに対応した制御部5−1〜5−nに対して制御指令するので、統括的に認証処理や認証管理をすることができる。
【0091】
上述した2つの実施形態に係る認証システムは、パソコン自動電源制御システムに適用したものであり、パソコン使用者を認証対象者とし、その認証対象者が間接的に所持する、非接触タグ3が組み込まれた携帯ストラップ2bに基づいて、個人認証するものとして説明した。この認証システムを適用する他の変形例として、例えば、建物の入退室管理システムや、パソコン等の使用許可システムや、企業内におけるOA機器(例えば社内共通のコピー機やファックシミリ等)の使用許可システムや、勤務時間管理システム等に適用することができる。
【0092】
以下、本発明の通信システムを認証システムとして適用する場合、この認証システムを他のシステムに適用した場合を説明する。
【0093】
まず、入退室管理システムは、認証対象者の携帯ストラップに組み込まれた非接触タグと、ドア付近に設置された個人認証装置との間で電波の送受信が行われ、非接触タグから返信される識別情報に基づいて個人認証装置が個人認証して、その認証結果に基づいてドアの開閉を行う。この入退室管理システムによれば、従来のような個人認証に必要な特定の行為を必要としないで入退室することができる。
【0094】
パソコン使用許可システム又は企業内のOA機器等使用許可システムは、認証対象者の携帯ストラップに組み込まれた非接触タグと、パソコンやOA機器等が備えた個人認証装置との間で電波の送受信が行われ、非接触タグから返信される識別情報に基づいて個人認証装置が個人認証して、その認証結果に基づいてパソコンやOA機器等の使用許可をする。このパソコン使用許可システムよれば、認証対象者が離席する際に、第三者にパソコンを使用されないようにロックする必要がなく、離席に応じて自動的にロックすることができる。また、企業内のOA機器等使用許可システムによれば、そのOA機器等を管理する社内部署の構成員のみが、そのOA機器等の使用を許可することができる。
【0095】
勤務時間管理システムは、認証対象者の携帯ストラップに組み込まれた非接触タグと、個人認証装置との間で電波の送受信が行われ、個人認証装置が非接触タグから返信される識別情報に基づいて個人認証装置が個人認証するものであり、認証対象者が出勤したときに、個人認証装置が認証した時刻を出勤時刻として記録し、認証対象者が退社するときに、個人認証装置が認証した時刻を退社時刻として記録するものである。このとき、個人認証装置がその日の最初に認証した時刻を出社時刻とし、その日の最後に認証した時刻を退社時刻とする。
【0096】
また、上述した実施形態は、非接触タグ3を組み込む付属物品を携帯ストラップ2bのキャラクタ部分として説明したが、もちろん、キャラクタ部分に限られることなく、携帯ストラップ2bのつり紐部分であっても当然よい。また、認証対象者が間接的に所持する付属物品であれば、上述した付属物品の例など広く適用することができる。
【0097】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、所定の交信範囲内に常時又は所定時間間隔で、外部から放射された質問電波を受信したときに、予め割り当てられている応答情報を含む応答電波を返信する非接触タグが取り付けられているものであって、物品に付けられた着脱可能な携帯物品と、質問電波を放射し、所定の交信範囲内に存在する非接触タグからの応答電波に含まれる応答情報を取り込む処理装置本体とを備えることにより、高いセキュリティ能力を維持したままで、認証対象者にとって認証に必要な特定行為を簡易にし、認証対象者が無意識のうちに、より簡便かつ正確に認証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る通信システムを認証システムとして適用し、その認証システムをパソコン自動電源制御システムに適用した場合の全体構成図である。
【図2】実施形態に係る通信システムを認証システムとして適用し、その認証システムによるパソコンの電源制御動作を表したフローチャートである。
【図3】実施形態に係る認証部が行なう認証処理を説明する説明図である。
【図4】他の実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
【図5】実施形態に係る非接触タグの内部構成を示したブロック図である。
【図6】電池式内蔵の非接触タグの内部構成を示したブロック図である。
【図7】発電部を内蔵した非接触タグの内部構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
2a…携帯端末機、2b…携帯ストラップ、3…非接触タグ、360…発電部
370…蓄電部、380…電圧制御部、4…個人認証装置、41…質問器、
42…認証部、43…表示部。
Claims (4)
- 所定の交信範囲内に常時又は所定時間間隔で、外部から放射された質問電波を受信したときに、予め割り当てられている応答情報を含む応答電波を返信する非接触タグが取り付けられているものであって、物品に付けられた着脱可能な携帯物品と、
上記質問電波を放射し、上記所定の交信範囲内に存在する上記非接触タグからの応答電波に含まれる応答情報を取り込む処理装置本体と
を備えることを特徴とする通信システム。 - 上記非接触タグが、
外部からのエネルギーに基づいて電気的エネルギーを発生する発電部と、
上記発電部が発生した電気的エネルギーを一時的に蓄積する蓄積部と、
上記蓄積部からの電気的エネルギーの電圧を調整して、上記応答電波の送信に必要な電気的エネルギーを制御する電圧制御部と
を有することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。 - 所定の交信範囲内に常時又は所定時間間隔で、外部から放射された質問電波を受信したときに、予め割り当てられている応答情報を含む応答電波を返信する非接触タグを有し、所定の物品に着脱可能に設けられることを特徴とする携帯物品。
- 上記非接触タグが、
外部からのエネルギーに基づいて電気的エネルギーを発生する発電部と、
上記発電部が発生した電気的エネルギーを一時的に蓄積する蓄積部と、
上記蓄積部からの電気的エネルギーの電圧を調整して、上記応答電波の送信に必要な電気的エネルギーを制御する電圧制御部と
を有することを特徴とする請求項3に記載の携帯物品。
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