JP2004128833A - 多面イコライザフィルタ付き歪補償装置 - Google Patents

多面イコライザフィルタ付き歪補償装置 Download PDF

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Abstract

【課題】適応プリディストータ型の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置に関し、電力増幅器を含むアナログ部の振幅及び位相の両方の周波数特性を等化し、適応プリディストータ型歪補償装置の歪補償特性の精度向上を図る。
【解決手段】送信信号に歪補償係数を乗じ、等化用の複素ディジタルフィルタ1−1を通過し、電力増幅器17−3を通して送信する。適応歪補償係数算出部17−1は、電力増幅器17−3の出力信号をフィードバック信号として入力し、参照信号と比較して誤差が最小となるように歪補償係数を算出する。メモリ1−3に、電力増幅器17−3の振幅及び位相特性に対する等化のためのフィルタ係数群を予め保持し、適応イコライザ1−2はフィードバック信号から得られる情報を基に、メモリ1−3に保持されたフィルタ係数群の中から適応的に最適なフィルタ係数を選択し、該フィルタ係数を複素ディジタルフィルタ1−1に設定する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多面イコライザフィルタ付き歪補償装置に関し、特に、移動通信システム用の送信装置等における電力増幅器を含むアナログ回路系の変動的な周波数特性を適応的に等化する機能を有する多面イコライザフィルタ付き適応プリディストータ型歪補償装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話を始めとする無線通信装置において、リソースである周波数の利用効率を高めるために、線形変調方式が用いられる傾向にあるが、その際、問題となるのが電力増幅器の入出力電力特性の非線形性とそれに起因する電力利用効率の低下である。
【0003】
送信装置内の電力増幅器の入出力電力特性は、図17(a)に示すように、入力信号電力のレベルがある程度以下のところでは、出力電力が入力電力に比例する線形領域となるが、入力電力がある程度以上になると、出力信号に非線形歪を生じる非線形領域となる。
【0004】
電力増幅器を線形領域でのみ使用すると電力効率が悪く、電力効率を良くするために非線形領域も使用すると、出力信号の歪によって、同図(b)のスペクトラム図における実線で示すように、隣接する周波数帯域へ漏洩電力を生じ、通信品質の劣化を招く。そのため、隣接する周波数帯域のスペクトルが同図(b)の破線のようになるよう歪補償を行って特性の改善を図る必要がある。
【0005】
このような歪補償を行うために、現在に至るまでフィードフォワード型を始めとする様々な歪補償装置が提案されている。その一つにフィードバックループを有する適応プリディストータ型歪補償装置がある(例えば、特許文献1等参照)。
【0006】
適応プリディストータ型歪補償装置は、図17の(c)に示すように、非線形歪を生じる電力増幅器17−3の出力信号をフィードバックし、適応歪補償係数算出部17−1は、該フィードバック信号と送信信号(参照信号)とを比較し、その誤差が最小となるように適応アルゴリズムによって歪補償係数を算出し、該歪補償係数を送信信号に乗算器17−2により掛け合わせて電力増幅器17−3に入力することにより、電力増幅器17−3の非線形歪を補償し、高い電力効率と出力信号の線形性とを同時に満たすことが可能となる。
【0007】
適応プリディストータ型歪補償装置による歪補償の効果が損なわれないようにするには、振幅の非線形歪以外にアナログ回路部の周波数特性の影響を低減する必要があり、アナログ回路部の周波数特性の逆特性を有するフィルタを用いて等化することにより、これをある程度解決することができる。
【0008】
また、アナログ回路部は、温度変化や経年変化により、その出力特性が大幅に変動するため、適応的なイコライザが必要であるが、アナログ回路部の振幅特性の等化にのみ焦点を絞った歪補償装置などが提案されている(例えば、特願2002−095920号「歪補償装置」参照)。
【0009】
そのほか、文献公知発明として、電力増幅器からフィードバックされた信号から帯域外電力を測定し、それを基に非線型歪補償を行う歪補償装置が特許文献2に、また、電力増幅器の利得変動に起因する歪補償機能の低下を防止するために、利得調整回路を設けて総合利得が一定値に保たれるように利得調整を行う歪補償装置が特許文献3に、また、歪補償装置に使用されるポストフィルタに起因する群遅延偏差を等化し、プリディストーション補償効果の劣化を防止する歪補償装置が特許文献4に、また、トレーニング信号を基準信号(参照信号)として使用し、等化器を通過後の信号と基準信号との誤差が最小となるように適応フィルタの係数を制御する等化器において、従来固定であった基準信号に与える遅延量を可変制御する構成にし、基準信号と等化器通過後の信号との誤差が最も小さくなる最適遅延量を算出して使用することにより、温度変化や経年変化による特性劣化を防止する歪補償装置が特許文献5に、また、周波数歪を補正するためのFIRフィルタ型補償器に関し、補償対象となる装置を通過した信号を実際に測定し、その信号の周波数特性に対する逆特性となるような周波数特性を指定ポイントで指定した後、ポイント間を直線保管して逆FFT演算を行うことにより、上記FIRフィルタのタップ係数を得る発明が特許文献6に開示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−68733号公報
【特許文献2】
特開2001−203539号公報
【特許文献3】
特開2002−94335号公報
【特許文献4】
特開2000−299652号公報
【特許文献5】
特開平8−149052号公報
【特許文献6】
特開平9−307401号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の適応プリディストータ型歪補償装置における適応型イコライザ(例えば特願2002−095920号「歪補償装置」)は、アナログ回路部の振幅特性のみを適応的に補正することを特徴としているが、位相特性も何らかの手段により補正を行えば、より歪補償の効果を損わないようにすることができる。また、マルチキャリア変調による通信では、使用されるキャリアの数及び周波数帯が変化するため、その変化に応じてアナログ回路部の周波数特性を適応的に補正する必要性がある。
【0012】
本発明は、このような課題を解決するために、適応プリディストータ型歪補償装置に適した適応型イコライザの実現手段を提示し、アナログ回路部における振幅及び位相の両方の周波数特性を等化し、適応プリディストータ型歪補償装置の歪補償特性の精度向上を図ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、適応プリディストータ型歪補償装置に適した適応型イコライザを用い、フィードバック信号から得られる平均帯域外輻射電力等の情報を基に、アナログ回路部の周波数特性を適応的に等化することにより、振幅特性及び位相特性の両方を等化を行い、かつ、それらの瞬時の周波数特性の逆特性を計算処理によって求めるのではなく、予め用意しておいた複数のフィルタ係数群の中から適応的にフィルタ係数を選定することにより実現するものである。
【0014】
即ち、本発明の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置は、(1)電力増幅器を含むアナログ回路部の出力信号のフィードバック信号を基に、適応的に歪補償係数を算出し、該歪補償係数を送信信号に乗じて前記アナログ回路部における歪を補償する歪補償装置において、前記アナログ回路部の振幅及び位相の周波数特性の逆特性を与えるフィルタを備え、前記フィルタに対して、同一の位相特性を有し、送信信号帯域内の振幅特性に一定範囲の傾斜を与えるフィルタ係数群を、位相特性の互いに異なる複数組分保持するメモリを有し、前記フィードバック信号から得られる情報に基づき、前記フィルタに与えるフィルタ係数を、前記メモリに保持されたフィルタ係数群から適応的に選定する手段を備えたものである。
【0015】
また、(2)前記フィードバック信号から帯域外輻射電力を測定する手段と、該帯域外輻射電力の時間平均が最小となるように、前記フィルタ係数をフィルタ係数群の中から適応的に選定する手段とを備えたものである。
【0016】
また、(3)同一の位相特性を有するフィルタ係数群における、各振幅傾斜のフィルタ係数に対する平均帯域外輻射電力の最小値を、位相特性の異なる全てのフィルタ係数群に対して算出する手段と、該位相特性の異なる各フィルタ係数群の各平均帯域外輻射電力の最小値の中の最小値を与える位相特性のフィルタ係数群を適応的に選定する手段を備えたものである。
【0017】
また、(4)電力増幅器を含むアナログ回路部の出力信号のフィードバック信号を基に、適応的に歪補償係数を算出し、該歪補償係数を送信信号に乗じて前記アナログ回路部における歪を補償する歪補償装置において、前記アナログ回路部の振幅及び位相の周波数特性の逆特性をそれぞれ与える従属接続された第1及び第2のフィルタを備え、送信信号帯域内の振幅特性に一定範囲の傾斜を与える振幅補正用フィルタ係数群及び位相補正用フィルタ係数群を予め保持するメモリを有し、前記フィードバック信号から得られる情報に基づき、前記第1のフィルタに与えるフィルタ係数を、前記メモリに保持された振幅補正用フィルタ係数群の中から適応的に選定し、前記第2のフィルタに与えるフィルタ係数を、前記メモリに保持された位相補正用フィルタ係数群の中かから適応的に選定する手段を備えたものである。
【0018】
また、(5)前記2つの従属されたフィルタを、切替えスイッチにより1つずつ追加挿入して接続する手段を備え、1つのフィルタのみが接続された状態で、振幅特性に関して平均帯域外輻射電力が最小となるフィルタ係数をフィルタ係数群から選定して該フィルタに設定した後、もう一方のフィルタを前記切替えスイッチにより接続し、該フィルタに対して、位相特性に関して平均帯域外輻射電力が最小となるフィルタ係数をフィルタ係数群から選定して設定する手段を備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置の基本構成を示す。同図に示すように、送信信号は、複素乗算器17−2により歪補償係数と乗算され、乗算後の信号はイコライザ用の複素ディジタルフィルタ1−1を通過し、ディジタル‐アナログ(A/D)変換され、電力増幅器17−3を通して無線周波数(RF)出力信号として送信される。
【0020】
この電力増幅器17−3の出力信号は、フィードバック信号として適応歪補償係数算出部17−1に入力され、適応歪補償係数算出部17−1は、該フィードバック信号と送信信号(参照信号)とを比較し、適応アルゴリズムにより歪補償係数を算出する。フィードバック信号と送信信号(参照信号)との差分である誤差信号が小さいほど、電力増幅器17−3の非線形歪が補償されたことになり、適応歪補償係数算出部17−1はこの誤差信号が最小となるように歪補償係数を算出する。
【0021】
本発明の歪補償装置では、フィードバック信号から得られる情報に基づいて、メモリ1−3に保持されたイコライザ用フィルタ係数群の中から、適応的にフィルタ係数を選択するように動作する。メモリ1−3には、電力増幅器17−3を含むアナログ回路部の振幅及び位相特性に対する等化のためのフィルタ係数群を予め保持しておく。メモリ1−3に保持されたフィルタ係数群の中から、適応イコライザ1−2により最適なフィルタ係数を選択し、該フィルタ係数を複素ディジタルフィルタ1−1に設定する。
【0022】
メモリ1−3に保持するフィルタ係数群の例を図2に示す。振幅特性の等化を信号帯域における1次振幅偏差の等化に限定すると、図2に示す周波数特性を有するようなフィルタ係数の集合となる。即ちフィルタ係数群は、M個の互いに異なる位相特性を有するフィルタ係数群#1〜#Mから成り、各フィルタ係数群#i(i=1,...,M)は、送信信号の帯域内にX+(k−1)Δx dB(k=1,...,N)の1次振幅傾斜の振幅特性を有し、該フィルタ係数群#i内では同一の位相特性の合計N個のフィルタ係数を含み、全てのフィルタ係数群は、M×N個のフィルタ係数から構成される。
【0023】
振幅傾斜の範囲(X〜X+(k−1)Δx dB)、傾斜の変化の幅を表す傾斜ステップサイズ(Δx dB)、及び各フィルタ係数群の位相特性は、使用するメモリ1−3の容量やアナログ回路部の周波数特性の変化量などに応じて決定する。一例として、1次振幅傾斜範囲が−2〜+2dB、傾斜ステップサイズが0.1dBの振幅特性で、3つの互いに異なる位相特性のフィルタ係数を備える場合、メモリ1−3に保持される全フィルタ係数は、
{(2−(−2))/0.1+1}×3=123個となる。
【0024】
図3に帯域外輻射電力を最小とする本発明の歪補償装置の実施形態を示す。この実施形態における適応イコライザは、同図に示すように、フィードバック信号から平均帯域外輻射電力を測定する平均帯域外輻射電力測定部3−1を設け、該平均帯域外輻射電力を、フィルタ係数群の中から特定のフィルタ係数を選択する際の基準として使用するようにしたものである。
【0025】
フィードバック信号から帯域外輻射電力を測定する手法はいくつか有るが、その一つとして、フィードバック信号をアナログ−ディジタル(A/D)変換した後のディジタル信号に対し、Kポイントの高速フーリエ変換(FFT)を行い、その結果得られるKポイントの周波数の振幅特性から瞬時の帯域外輻射電力レベルを計算する手法を用いることができる。
【0026】
高速フーリエ変換(FFT)のポイント数Kは使用する装置のメモリ量に依存するが、ポイント数Kが比較的小さい場合(例えばK=128、256など)には、1回の高速フーリエ変換(FFT)によって得られる瞬時帯域外輻射電力の精度が低いため、Kポイント高速フーリエ変換(FFT)を複数回繰り返し、その平均の振幅特性から得られる平均帯域外輻射電力を使用することができる。
【0027】
或いは別の帯域外輻射電力測定手法として、フィードバック信号のアナログ−ディジタル(A/D)変換前のアナログ信号から、電力検波用ICなどを用いて瞬時帯域外輻射電力を直接測定し、一定時間内における平均値を求めて平均帯域外輻射電力とすることも可能である。
【0028】
図4は高速フーリエ変換(FFT)による帯域外輻射電力の測定点の例を示す。帯域外輻射電力を測定する帯域は適当に選定されるが、信号帯域を挟んで周波数が低い帯域と高い帯域とから通常選定される。本発明の説明では以降、信号帯域より低い側の帯域で測定される輻射電力を−側帯域外輻射電力、高い側の帯域で測定される輻射電力を+側帯域外輻射電力と称することにする。
【0029】
図5は帯域内1次傾斜(傾斜ポジション)と平均帯域外輻射電力との関係を示す。一般的に、フィルタの信号帯域内の1次傾斜量と平均帯域外輻射電力との関係は、同図に示すように、信号帯域内1次傾斜(傾斜ポジション)の或る特定の点で平均帯域外輻射電力が最小となる曲線を描く(例えば、特願2002−095920号「歪補償装置」等参照)。
【0030】
そこで、信号帯域内の或る1次傾斜(傾斜ポジション)のフィルタ係数を基準にして、隣接する信号帯域内1次傾斜(傾斜ポジション)の2つのフィルタ係数を比較対象として選定し、それぞれのフィルタ係数に対する平均帯域外輻射電力を比較して、より小さな平均帯域外輻射電力をもたらすフィルタ係数を新たな基準として、それに隣接する信号帯域内1次傾斜(傾斜ポジション)の2つのフィルタ係数を新たな比較対象として選定し、それぞれのフィルタ係数に対する平均帯域外輻射電力を比較して上記と同様の手順を順次繰り返して、平均帯域外輻射電力が最小となるフィルタ係数を選定することができる。
【0031】
図6に上述の平均帯域外輻射電力が最小となるフィルタ係数の選定フローを示す。同図に示すように、まず、フィルタ係数群#1を選択して(ステップ6−1,6−2)、基準1次傾斜q0 (以後、「基準傾斜ポジション」と称する)を有するフィルタ係数を複素ディジタルフィルタに設定し、平均帯域外輻射電力P0 を測定する(ステップ6−3)。
【0032】
続いて基準傾斜ポジションq0 に隣接する、比較対象となる1次傾斜量q1 ,q2 を有するフィルタ係数(以後、「比較傾斜ポジション」と称する。)を順次設定し、該比較傾斜ポジションq1 ,q2 の各平均帯域外輻射電力P1 ,P2 を測定する(ステップ6−4)。
【0033】
これら3つの平均帯域外輻射電力P0 ,P1 ,P2 の中の最小値Pとそれに対応する傾斜ポジションqを求め(ステップ6−5)、最小値Pが図5の平均帯域外輻射電力の曲線の最小値となることを検出するまで、基準傾斜ポジション及び比較傾斜ポジションを順次変化させながら探索する(ステップ6−6→ステップ6−7→ステップ6−8→ステップ6−4→ステップ6−5→ステップ6−6)。この平均帯域外輻射電力が最小と成る傾斜ポジションを探索する手順の詳細については、例えば、特願2002−095920号「歪補償装置」に開示されている。
【0034】
ステップ6−7において、基準傾斜ポジションq0 の平均帯域外電力P0 が最小値Pに等しいことを検出すると、この値をフィルタ係数群#1による平均帯域外輻射電力の最小値P#1として保持する(ステップ6−9)。そして、次に使用するフィルタ係数群を#2に代え(ステップ6−11)、ステップ6−2に戻って上述の処理フローと同様の処理を行い、フィルタ係数群#2による平均帯域外輻射電力の最小値P#2を求める(ステップ6−9)。
【0035】
そして、フィルタ係数群#Mまで同様の処理を行ったか判定し(ステップ6−10)、フィルタ係数群#Mまで処理を終えると、求めたM個の各平均帯域外輻射電力の最小値(P#1,P#2,,・・・,P#M)を比較し、その中での最小値の傾斜ポジションが属するフィルタ係数群を最終的に使用するフィルタ係数群として選定する(ステップ6−12)。
【0036】
以降、この選定したフィルタ係数群の傾斜ポジションを基準傾斜ポジションとして保持しておくために、ステップ6−13でj=0と設定し(この“0”は、ステップ6―6で設定したj=1の“1”と異なる値であれば何でも良い)、ステップ6−8で、該基準傾斜ポジションとその平均帯域外輻射電力と比較傾斜ポジションとを保持し、ステップ6−4→ステップ6−5→ステップ6−6→ステップ6−8→ステップ6−4のフローを繰り返す。
【0037】
このように、周波数特性の異なる複数のフィルタ係数群の中から、最も平均帯域外輻射電力が小さいフィルタ係数群を選定することにより、これまでの1通りのフィルタ係数群しか備えていない歪補償装置と比べて、アナログ回路部の周波数特性の変化に対してより精度良く対応することが可能となる。
【0038】
次に、マルチキャリアパターンの変更に応じてフィルタ係数群を選択する本発明の実施形態について説明する。図7にこの実施形態の構成を示す。同図に示すように、キャリア情報(マルチキャリアパターン情報)を適応イコライザ1−2に通知するキャリア情報通知部7−1を備える。
【0039】
複数のキャリアを使用するマルチキャリア通信が行われる場合、マルチキャリアパターン、即ち使用するキャリア周波数やキャリア数の変更によって、最適なイコライザ用フィルタが異なるものとなる。これは一般的に、信号帯域内における周波数特性が一様でないために起こる現象で、広帯域通信の場合には個々のキャリアの使用帯域が広くなり、この現象は更に顕著になる。
【0040】
例として、4つのキャリアによるマルチキャリア通信の場合について説明する。4つのキャリアの使用帯域f1 ,f2 ,f3 ,f4 におけるアナログ回路部の振幅特性が図8の(a)に示すような特性であるとする。このような場合、周波数が最も低い信号帯域f1 のみに1キャリアを立てて通信を行なうときと、周波数が最も高い信号帯域f4 のみに1キャリアを立てて通信を行なうときでは、アナログ回路部の振幅特性の傾斜が異なるため、それぞれの帯域の振幅特性に適合したイコライザ用フィルタを選択することが必要となる。
【0041】
即ち、周波数が最も低い信号帯域f1 のキャリアのみを用いて通信を行なう場合、該信号帯域f1 におけるアナログ回路部の振幅特性は右上がりであるため、図8(b)に示すように、それと逆特性となる右下がりの1次傾斜特性をイコライザ用フィルタに与えるのが望ましい。
【0042】
一方、周波数が最も高い信号帯域f4 のキャリアのみを用いて通信を行なう場合、該信号帯域f4 におけるアナログ回路部の振幅特性は右下がりであるため、図8(c)に示すように、それと逆特性となる右上がりの1次傾斜特性をイコライザ用フィルタに与えるのが望ましい。
【0043】
図9にマルチキャリアパターンの変更に応じてフィルタ係数群を選定する処理のフローを示す。この処理のフローは、図6に示した処理フローに、上位装置からのキャリアパターンに関する情報を監視し、キャリアパターンに変化が発生したか否かを判定するステップ9−1を追加し、キャリアパターンが変化したときはステップ6−1に戻って、使用するフィルタ係数群の選択処理を最初からやり直すことにより、最も等化量の大きいフィルタ係数群を適応的に選定するようにしている。
【0044】
次に、温度情報に応じてフィルタ係数群を選定する本発明の実施形態について説明する。図10にこの実施形態の構成を示す。この実施形態の歪補償装置は温度センサー10−1を備え、該温度センサ10−1は、アナログ回路部の温度変化を監視し、一定時間の平均温度情報を適応イコライザ1−2に通知する。
【0045】
図11に温度の変化に応じてフィルタ係数群を選定する処理のフローを示す。この処理のフローは、図6に示した処理フローに、適応イコライザ1−2において温度センサ10−1より通知される平均温度Tを、予め定めた温度に関する閾値Tthと比較し、平均温度Tが該閾値Tthを超えたか否かを判定するステップ11−1を追加し、温度が閾値Tth以上に変化したときはステップ6−1に戻って、使用するフィルタ係数群の選択処理を最初からやり直すことにより、最も等化量の大きいフィルタ係数群を適応的に選定する。これにより、大幅な温度変化によるアナログ回路部の周波数特性の変動を補正することが可能となる。
【0046】
次に、従属接続した2つのフィルタを用いる本発明の実施形態について説明する。図12にこの実施形態の構成を示す。この実施形態の歪補償装置は、従属接続した第1及び第2の複素ディジタルフィルタ12−1,12−2に対し、フィードバック信号から得られる情報に基づいて、予めメモリ1−3に保持されたイコライザ用の2つのフィルタ係数群#1,#2の中から、適応イコライザ1−2により適応的にフィルタ係数を選択し設定する。
【0047】
メモリ1−3に保持しておく2つのフィルタ係数群#1,#2は、それぞれ、アナログ回路部の振幅特性の等化と位相特性の等化とを目的にした係数群が設定され、例として、図13に示すように、第1のフィルタ係数群#1は、送信信号の帯域内にX+(k−1)Δx dB(k=1,...,N)の1次振幅傾斜を有する振幅特性及び線形の位相特性を持つ合計N個のフィルタ係数群(1,1)〜(1,N)を保持する。一方、第2のフィルタ係数群#2には、信号帯域内の1次振幅傾斜がない(1次傾斜が0dB)振幅特性及びそれぞれ異なる位相特性を有する合計N個のフィルタ係数群(2,1)〜(2,N)を保持する。
【0048】
第1のフィルタ係数群#1における、振幅傾斜の範囲(X〜X+(k−1)Δx dB)や傾斜の変化の幅を表す傾斜ステップサイズ(ΔxdB)、及び第2のフィルタ係数群#2における各フィルタの位相特性は、使用するメモリ1−3の容量やアナログ回路部の周波数特性の変化量などに応じて決定する。
【0049】
なお、第1及び第2の複素ディジタルフィルタ12−1,12−2に設定するフィルタ係数として、順序を逆にして、第1の複素ディジタルフィルタ12−1に、信号帯域内の1次振幅傾斜がない(1次傾斜が0dB)振幅特性及びそれぞれ異なる位相特性を有する合計N個のフィルタ係数群(2,1)〜(2,N)の中から選定したフィルタ係数を与え、第2の複素ディジタルフィルタ12−2に、1次振幅傾斜を有する振幅特性及び線形の位相特性を有する合計N個のフィルタ係数群(1,1)〜(1,N)の中から選定したフィルタ係数を与える構成としても良い。
【0050】
図14に平均対域外電力を基に2つのフィルタの係数を選定する本発明の実施形態を示す。この実施形態における適応イコライザ1−2は、フィルタ係数群の中から特定のフィルタ係数を選択する際の基準として、フィードバック信号から測定される平均帯域外輻射電力を使用する。
【0051】
フィードバック信号から帯域外輻射電力を測定手法の一つとして、前述のように、フィードバック信号をアナログ−ディジタル(A/D)変換した後のディジタル信号に対し、Kポイントの高速フーリエ変換(FFT)を行い、その結果得られる振幅特性から瞬時帯域外輻射電力レベルを計算する手法を用いることができる。
【0052】
高速フーリエ変換(FFT)のポイント数Kは、使用する装置のメモリ1−3量に依存するが、ポイント数Kが比較的少ないとき(例えばK=128、256など)には1回の高速フーリエ変換(FFT)によって得られる瞬時帯域外輻射電力の精度は低くなるため、Kポイント高速フーリエ変換(FFT)を複数回繰り返し、その平均振幅特性から得られる平均帯域外輻射電力を使用する。
【0053】
或いは別の手法として、フィードバック信号のアナログ−ディジタル(A/D)変換前のアナログ信号から、電力検波用ICなどを用いて瞬時帯域外輻射電力を直接測定し、一定時間における平均値を求めることで平均帯域外輻射電力を得ることも可能である。
【0054】
図15に2つのフィルタの係数を順次個別に設定可能にした本発明の実施形態を示す。この実施形態の歪補償装置は、従属接続した第1及び第2の複素ディジタルフィルタ12−1,12−2を順番に1つずつ追加挿入接続し得るように、切替えスイッチ15−1を設けたもので、切替えスイッチ15−1によりまず、第1の複素ディジタルフィルタ12−1のみを接続し、フィードバック信号から得られる平均帯域外輻射電力が最小となるよう、予めメモリ1−3に保持された振幅特性等化用の第1のフィルタ係数群#1の中から、第1の複素ディジタルフィルタ12−1のフィルタ係数を選択した後、次に切替えスイッチ15−1により第2の複素ディジタルフィルタ12−2を追加接続して、位相特性に関して平均帯域外輻射電力が最小となるフィルタ係数を第2のフィルタ係数群#2の中から選定する。
【0055】
図16は2つのフィルタの係数を順次個別に設定する手順フローを示す。同図に示すように、まず切替えスイッチ15−1を図のA側に倒し(ステップ16−1)、第1の複素ディジタルフィルタ12−1のみを挿入接続して、該第1の複素ディジタルフィルタ12−1に対するフィルタ係数を第1のフィルタ係数群#1をメモリ1−3から選択する(ステップ16−2)。
【0056】
基準1次傾斜(基準傾斜ポジション)q0 を有するフィルタ係数を第1の複素ディジタルフィルタ12−1に設定し、その際の平均帯域外輻射電力P0 を測定する(ステップ16−3)。続いて、比較対象となる1次傾斜量(比較傾斜ポジション)を有するフィルタ係数(傾斜q1 、q2 )を順次第1の複素ディジタルフィルタ12−1に設定し、それぞれの場合における平均帯域外輻射電力P1 ,P2 を測定する(ステップ16−4)。
【0057】
これら3つの平均帯域外輻射電力P0 ,P1 ,P2 の中での最小値Pとそのときの傾斜ポジションqを求め、最小値Pが図5の曲線の最小値に一致するまで、基準傾斜ポジションと比較傾斜ポジションとを変化させ、最小の平均帯域外輻射電力の基準傾斜ポジションq0 を選定する(ステップ16−6→ステップ16−7→ステップ16−4→ステップ16−5→ステップ16−6)。
【0058】
ステップ16−7において、基準傾斜ポジションでの平均帯域外電力P0 が最小値Pと等いと判定されたとき、振幅特性に関して第1のフィルタ係数群#1における最適フィルタ係数を、第1の複素ディジタルフィルタ12−1のフィルタ係数に設定する(ステップ16−8)。
【0059】
次に、切替えスイッチ15−1を図のB側に倒し(ステップ16−9)、第2の複素ディジタルフィルタ12−2に対する第2のフィルタ係数群#2フィルタ係数をメモリ1−3から選択する(ステップ16−10)。第2のフィルタ係数群#2は、合計N個の位相特性の異なるフィルタ係数から成り、この中のフィルタ係数を順次、第2の複素ディジタルフィルタ12−2に設定し、それぞれの平均帯域外輻射電力P# θi (i=1,...,N)を測定し、保持する(ステップ16−11→ステップ16−12→ステップ16−13→ステップ16−14→ステップ16−11)。
【0060】
第2のフィルタ係数群#2のN個の全てに対する平均帯域外輻射電力を測定し終えたか否かを判定し(ステップ16−13)、全ての平均帯域外輻射電力を測定し終わると、保持しているN個の平均帯域外輻射電力P# θi (i=1〜N)の中での最小値Pを求め、最小値Pに対応するフィルタ係数を第2のフィルタ係数群#2から選定し、第2の複素ディジタルフィルタ12−2にこのフィルタ係数を設定する(ステップ16−15)。そして、処理フローは最初に戻るが、この際切替えスイッチ15−1は図のB側に倒したままにしておき、同様の処理フローを繰り返す。
【0061】
このように、従属接続された2つの複素ディジタルフィルタの機能を、第1の複素ディジタルフィルタは振幅特性の等化のみに、第2の複素ディジタルフィルタは位相特性の等化のみに限定することにより機能分担を分け、それによりアナログ回路部の周波数特性が最も等化される(平均帯域外輻射電力が最も小さくなる)フィルタ係数を、メモリ1−3に保持したフィルタ係数群の中から容易に選定することが可能になり、1種類のフィルタ係数群しか備えていない歪補償装置に比較して、アナログ回路部の周波数特性の変化に柔軟に対応することが可能となる。
【0062】
(付記1) 電力増幅器を含むアナログ回路部の出力信号のフィードバック信号を基に、適応的に歪補償係数を算出し、該歪補償係数を送信信号に乗じて前記アナログ回路部における歪を補償する歪補償装置において、前記アナログ回路部の振幅及び位相の周波数特性の逆特性を与えるフィルタを備え、前記フィルタに対して、同一の位相特性を有し、送信信号帯域内の振幅特性に一定範囲の傾斜を与えるフィルタ係数群を、位相特性の互いに異なる複数組分保持するメモリを有し、前記フィードバック信号から得られる情報に基づき、前記フィルタに与えるフィルタ係数を、前記メモリに保持されたフィルタ係数群から適応的に選定する手段を備えたことを特徴とする多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
(付記2) 前記フィードバック信号から帯域外輻射電力を測定する手段と、該帯域外輻射電力の時間平均が最小となるように、前記フィルタ係数をフィルタ係数群の中から適応的に選定する手段とを備えたことを特徴とする付記1に記載の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
(付記3) 同一の位相特性を有するフィルタ係数群における、各振幅傾斜のフィルタ係数に対する平均帯域外輻射電力の最小値を、位相特性の異なる全てのフィルタ係数群に対して算出する手段と、該位相特性の異なる各フィルタ係数群の各平均帯域外輻射電力の最小値の中の最小値を与える位相特性のフィルタ係数群を適応的に選定する手段を備えたことを特徴とする付記2に記載の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
(付記4) 電力増幅器を含むアナログ回路部の出力信号のフィードバック信号を基に、適応的に歪補償係数を算出し、該歪補償係数を送信信号に乗じて前記アナログ回路部における歪を補償する歪補償装置において、前記アナログ回路部の振幅及び位相の周波数特性の逆特性をそれぞれ与える従属接続された第1及び第2のフィルタを備え、送信信号帯域内の振幅特性に一定範囲の傾斜を与える振幅補正用フィルタ係数群及び位相補正用フィルタ係数群を予め保持するメモリを有し、前記フィードバック信号から得られる情報に基づき、前記第1のフィルタに与えるフィルタ係数を、前記メモリに保持された振幅補正用フィルタ係数群の中から適応的に選定し、前記第2のフィルタに与えるフィルタ係数を、前記メモリに保持された位相補正用フィルタ係数群の中かから適応的に選定する手段を備えたことを特徴とする多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
(付記5) 前記2つの従属されたフィルタを、切替えスイッチにより1つずつ追加挿入して接続する手段を備え、1つのフィルタのみが接続された状態で、振幅特性に関して平均帯域外輻射電力が最小となるフィルタ係数をフィルタ係数群から選定して該フィルタに設定した後、もう一方のフィルタを前記切替えスイッチにより接続し、該フィルタに対して、位相特性に関して平均帯域外輻射電力が最小となるフィルタ係数をフィルタ係数群から選定して設定する手段を備えたことを特徴とする付記4に記載の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
(付記6) マルチキャリア通信の送信信号におけるキャリアパターンの変更に応じて、前記フィルタに与えるフィルタ係数を前記フィルタ係数群の中から選択し直す手段を備えたことを特徴とする付記1乃至5の何れかに記載の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
(付記7) 温度センサから得られる温度情報に基づき、前記フィルタに与えるフィルタ係数を前記フィルタ係数群の中から選択し直す手段を備えたことを特徴とする付記1乃至6の何れかに記載の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、適応プリディストータ型歪補償装置に適した適応型イコライザを用い、フィードバック信号から得られる平均帯域外輻射電力等の情報を基に、アナログ回路部の振幅特性及び位相特性の両方を適応的に等化することにより、振幅特性のみの等化を行う歪補償装置に比べて、アナログ回路部の周波数特性に対する等化の精度が改善され、また、アナログ回路部の周波数特性の変動に柔軟に適応することができ、歪補償装置の歪補償の精度を向上させることができる。
【0064】
また、振幅及び位相の周波数特性の逆特性となるフィルタ係数を計算処理によって算出するのではなく、予め用意しておいた複数のフィルタ係数群の中から適応的にフィルタ係数を選定することにより、少ない演算処理量で高速にフィルタ係数を選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明によるメモリに保持するフィルタ係数群の例を示す図である。
【図3】帯域外輻射電力を最小とする本発明の歪補償装置の実施形態を示す図である。
【図4】高速フーリエ変換(FFT)による帯域外輻射電力の測定点の例を示す図である。
【図5】帯域内1次傾斜(傾斜ポジション)と平均帯域外輻射電力との関係を示す図である。
【図6】平均帯域外輻射電力が最小となるフィルタ係数の選定フローを示す図である。
【図7】マルチキャリアパターンの変更に応じてフィルタ係数群を選択する本発明の実施形態を示す図である。
【図8】キャリアの使用帯域の周波数特性の違いによるフィルタ係数の設定例を示す図である。
【図9】本発明によるマルチキャリアパターンの変更に応じてフィルタ係数群を選定する処理のフローを示す図である。
【図10】温度情報に応じてフィルタ係数群を選定する本発明の実施形態を示す図である。
【図11】本発明による温度の変化に応じてフィルタ係数群を選定する処理のフローを示す図である。
【図12】従属接続した2つのフィルタを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図13】メモリに保持する2つのフィルタ係数群#1,#2の構成とその周波数特性の例を示す図である。
【図14】平均帯域外輻射電力を基に2つのフィルタの係数を選定する本発明の実施形態を示す図である。
【図15】2つのフィルタの係数を順次個別に設定可能にした本発明の実施形態を示す図である。
【図16】2つのフィルタの係数を順次個別に設定する手順フローを示す図である。
【図17】従来の適応プリディストータ型歪補償装置の説明図である。
【符号の説明】
1−1 複素ディジタルフィルタ
1−2 適応イコライザ
1−3 フィルタ係数保持用のメモリ
17−1 適応歪補償係数算出部
17−2 乗算器
17−3 電力増幅器

Claims (5)

  1. 電力増幅器を含むアナログ回路部の出力信号のフィードバック信号を基に、適応的に歪補償係数を算出し、該歪補償係数を送信信号に乗じて前記アナログ回路部における歪を補償する歪補償装置において、
    前記アナログ回路部の振幅及び位相の周波数特性の逆特性を与えるフィルタを備え、
    前記フィルタに対して、同一の位相特性を有し、送信信号帯域内の振幅特性に一定範囲の傾斜を与えるフィルタ係数群を、位相特性の互いに異なる複数組分保持するメモリを有し、
    前記フィードバック信号から得られる情報に基づき、前記フィルタに与えるフィルタ係数を、前記メモリに保持されたフィルタ係数群から適応的に選定する手段を備えたことを特徴とする多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
  2. 前記フィードバック信号から帯域外輻射電力を測定する手段と、該帯域外輻射電力の時間平均が最小となるように、前記フィルタ係数をフィルタ係数群の中から適応的に選定する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
  3. 同一の位相特性を有するフィルタ係数群における、各振幅傾斜のフィルタ係数に対する平均帯域外輻射電力の最小値を、位相特性の異なる全てのフィルタ係数群に対して算出する手段と、
    該位相特性の異なる各フィルタ係数群の各平均帯域外輻射電力の最小値の中の最小値を与える位相特性のフィルタ係数群を適応的に選定する手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
  4. 電力増幅器を含むアナログ回路部の出力信号のフィードバック信号を基に、適応的に歪補償係数を算出し、該歪補償係数を送信信号に乗じて前記アナログ回路部における歪を補償する歪補償装置において、
    前記アナログ回路部の振幅及び位相の周波数特性の逆特性をそれぞれ与える従属接続された第1及び第2のフィルタを備え、
    送信信号帯域内の振幅特性に一定範囲の傾斜を与える振幅補正用フィルタ係数群及び位相補正用フィルタ係数群を予め保持するメモリを有し、
    前記フィードバック信号から得られる情報に基づき、前記第1のフィルタに与えるフィルタ係数を、前記メモリに保持された振幅補正用フィルタ係数群の中かから適応的に選定し、前記第2のフィルタに与えるフィルタ係数を、前記メモリに保持された位相補正用フィルタ係数群の中から適応的に選定する手段を備えたことを特徴とする多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
  5. 前記2つの従属されたフィルタを、切替えスイッチにより1つずつ追加挿入して接続する手段を備え、
    1つのフィルタのみが接続された状態で、振幅特性に関して平均帯域外輻射電力が最小となるフィルタ係数をフィルタ係数群から選定して該フィルタに設定した後、もう一方のフィルタを前記切替えスイッチにより接続し、該フィルタに対して、位相特性に関して平均帯域外輻射電力が最小となるフィルタ係数をフィルタ係数群から選定して設定する手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の多面イコライザフィルタ付き歪補償装置。
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