JP2004128635A - 無線通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基地局1に、送信信号を等化処理する送信端等化器12と、受信信号を等化処理する受信端等化器13と、信号伝播路の予め想定される異なった伝播特性に対してそれぞれ最適な複数の等化処理用パラメータを記憶するパラメータ記憶部18と、記憶した等化処理用パラメータの1つを順次選択して送信端等化器12及び受信端等化器13に切替え設定する等化器制御部17と、等化器制御部17の設定動作を制御する制御部11とを備え、基地局1から等化処理信号を送信し受信信号を等化処理して取込み、車載器2からの応答信号が受信されたとき、その時の設定パラメータが最適と判断して設定パラメータを固定し通信を行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムに関し、特に、端末局の構成の簡素化が可能で専用狭帯域通信(Dedicated Short Range Communications:以下、DSRCと略す)システム等に有効な無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
基地局と端末局との間で無線信号により情報を送受信する無線通信システムにおいては、マルチパスフェージング等による伝播遅延によって符号間干渉が発生し通信エラーが発生する。この通信エラーを低減するため、従来、等化処理で信号波形を整形して符号間干渉を低減させる方法が一般的に用いられる。
【0003】
かかる等化処理には、送信側で等化処理する送信端等化と受信側で等化処理する受信端等化がある。
送信端等化は、基地局と端末局が共に固定されている場合に用いられる。この場合には、基地局と端末局との間の通信環境は略一定と考えられ、信号伝播路の伝播特性は変化しないと見なせるので、伝播路で信号がどのように歪むかを測定して信号伝播路の伝播特性を予め測定し、その伝播特性に対して最適な等化処理用パラメータ(信号伝播路の伝播特性と逆特性を信号に与えるパラメータ)を決定して等化器に予め設定する。そして、送信側から等化処理した信号を送信する。送信された信号は伝播過程で歪むが送信時に逆特性の歪みが与えられているので、受信側では本来の送信信号と同じ信号形態に復元されて受信されるので、正しい情報が受信できる。
【0004】
受信端等化は、端末局が携帯電話等のような移動可能な移動体通信の場合に用いられる。この場合は、基地局と端末局との間の伝播路が変化し伝播特性が変化するため送信端等化は適用できない。従って、通信の度に伝播路の伝播特性を推測し、受信側でその時の伝播特性と逆特性を信号に与える等化処理を行って受信信号を復元する受信端等化により符号間干渉を低減する。
【0005】
即ち、基地局と端末局の両方に予め同一の教示信号データを保持させる。基地局から端末局に教示信号を送信し、端末局は受信した教示信号と予め保持した教示信号データを比較する。一致していれば歪みなしと判断して受信信号をそのまま送信信号として処理する。不一致の場合は、比較結果に基づいてその時の信号伝播路の伝播特性を推測し、推測した伝播特性と逆特性を信号に与える等化処理用パラメータを等化器に設定し、教示信号に続いて受信される送信情報を等化器で等化処理して本来の送信信号と同じ信号形態に復元することにより正しい情報が受信できる。
【0006】
ところで、等化器は大規模なディジタルフィルタや積和演算器等を必要とするため、機器や消費電力が大きくなり、コストも高くなる。このため、移動体通信において従来のような受信端等化技術を採用すると、移動可能な端末局となる例えば携帯電話等に要求される性能(携帯性、低コスト等)が損なわれる。
そこで、等化処理技術により符号間干渉を低減すると共に移動局の小型化及び省電力を図るようにした無線通信システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
これは、基地局から符号間干渉が問題とならない程度の低速の通信速度で信号を送信し、移動局との間で初期接続処理を行う。基地局と接続できた移動局は、通常の通信速度(符号間干渉が問題となるような高速の通信速度)で教示信号を基地局に送信する。基地局は、受信した教示信号パターンと予め記憶した教示信号パターンを比較し、比較結果に基づいてその時の伝播特性を推測して等化処理用パラメータを決定し、その等化処理用パラメータ情報を符号間干渉が問題とならない低速の通信速度で移動局に送信する。移動局は、その情報を受信して等化処理用パラメータを等化器に設定し、受信端等化により通信エラーの低減を図るようにしている。このように、基地局側に信号伝播路の伝播特性に対して最適な等化処理用パラメータを決定する適応等化機構を持たせ、端末局には等化器だけを設ける構成とすることにより、移動端末局の構成の簡素化を図るようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特許第2788788号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許第2788788号公報に記載された無線通信システムは、受信信号の等化処理用等化器が移動局に残るため、端末局の構成簡素化の点で十分とは言えない。また、従来の受信端等化と同様に等化処理用パラメータを設定するために教示信号を使用するので、DSRCシステムのような予め通信方式が規格化されていて教示信号が使用できないシステムには適用できないという問題がある。
【0010】
尚、従来のDSRCシステムの場合、マルチパスフェージング等による符号間干渉を低減するために、周囲に電波吸収体を設ける等の方法が採用されているが、基地局の設定場所等が制約されるという欠点がある。
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、マルチパスフェージング等による符号間干渉に起因する通信エラーを低減できると共に、通常の送受信機能だけを備えた簡素な構成の端末局を使用できる無線通信システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1の発明は、固定の基地局と該基地局の通信エリア内の端末局とで、無線信号により情報の送受信を行う無線通信システムであって、前記基地局が、信号伝播路の伝播特性に対して最適な等化処理用パラメータが設定されて送信信号に対して等化処理を行う送信信号等化処理部と、該送信信号等化処理部からの処理信号を送信する送信部と、前記端末局からの信号を受信する受信部と、前記送信信号等化処理部と同一の等化処理用パラメータが設定されて前記受信部の受信した受信信号に対して等化処理を行う受信信号等化処理部と、前記伝播路について予め想定される複数の異なる伝播特性に対してそれぞれ最適な複数の等化処理用パラメータを記憶するパラメータ記憶部と、前記記憶された複数の等化処理用パラメータのいずれか1つを前記送信信号等化処理部及び受信信号等化処理部に順次設定し、送信信号に対する端末局からの応答信号の有無に基づいて最適な等化処理用パラメータを決定して通信を行う通信制御部と、を備える構成とした。
【0012】
かかる構成では、通信制御部は、パラメータ記憶部に記憶された複数の等化処理用パラメータのいずれか1つを送信信号等化処理部及び受信信号等化処理部に設定し送信信号を発生する。そして、送信信号を送信信号等化処理部で等化処理し、その処理信号を送信部から端末局に対して送信する。設定した等化処理用パラメータが信号伝播路の伝播特性に対して最適なものでなければ、端末局で受信する受信信号は本来の送信信号ではないため端末局は応答せず、基地局は端末局からの応答信号を受信しないので、通信制御部は、設定した等化処理用パラメータが不適と判断し、別の等化処理用パラメータを設定して送信信号を送信する。基地局はこの動作を繰返す。そして、設定した等化処理用パラメータが信号伝播路の伝播特性に対して最適であれば、送信信号が端末局側で本来の形態に復元されて受信されるので、端末局は送信信号に対する応答信号を等化処理なしの本来の信号形態のまま基地局に対して送信する。基地局は、受信した応答信号を受信信号等化処理部において送信信号等化処理部と同一の等化処理用パラメータにより等化処理し、処理信号が端末局からの応答信号であれば端末局から応答ありと判断し、その時の設定パラメータが最適と判断する。このように、通信制御部は端末局からの応答があるまで等化処理用パラメータの設定動作を繰返し、その時の信号伝播路の伝播特性に対して最適な等化処理用パラメータを決定して送信信号等化処理部及び受信信号等化処理部に設定する。これにより、マルチパスフェージング等による符号間干渉が低減し通信エラーを低減できるようになると共に、端末局側は、送受信信号の等化処理を必要としないので、通常の送受信機能を設けるだけでよい。
【0013】
前記通信制御部は、請求項2のように、前記記憶された複数の等化処理用パラメータの1つを設定する毎に送信信号を送信する動作を常時繰り返し行う構成とすればよい。
かかる構成では、基地局から、異なる等化処理用パラメータにより等化処理された信号が、常時周期的に通信エリアに送信されるようになる。
【0014】
請求項3のように、前記基地局が、伝播路の伝播特性を測定し最適な等化処理用パラメータを決定して前記パラメータ記憶部に記憶する伝播特性測定部を備える構成とするとよい。
かかる構成では、基地局を設置した後、基地局自体で信号伝播路の伝播特性を測定できるようになる。
【0015】
請求項4のように、前記端末局が、車両に搭載された移動端末局であり、前記基地局の通信エリアに前記移動端末局を搭載した車両が進入したときに、基地局からの送信信号に対して前記移動端末局から応答信号が送信される路車間通信システムに適用するとよい。
この場合、請求項5のように、前記端末局を搭載する予め想定される複数の車種毎に伝播路の伝播特性を測定し、それぞれの車種に対応した最適な等化処理用パラメータを決定して前記パラメータ記憶部に記憶する構成とするとよい。
【0016】
また、請求項6のように、基地局が、通信エリアに進入する車両の車種を検出する車種センサを備え、該車種センサにより進入車両の車種が判明したときに、前記パラメータ記憶部に記憶された複数の等化処理用パラメータの中から、判明車種に関連する等化処理用パラメータを選択し、前記送信信号等化処理部及び受信信号等化処理部に設定する構成とするとよい。
【0017】
かかる構成では、最適な等化処理用パラメータの選択動作を効率よくできるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の無線通信システムをDSRCシステムによる路車間通信システムに適用した場合の第1実施形態の構成図を示す。
図1において、本実施形態の無線通信システムは、例えば路側の適当な場所に固定設置される基地局としての路側器1と、車両に搭載され路側器1と無線通信する端末局としての車載器2とを備える。
【0019】
路側器1は、制御部11と、送信信号等化処理部としての送信端等化器12と、受信信号等化処理部としての受信端等化器13と、送信部14と、受信部15と、送受信用のアンテナ16と、等化器制御部17と、パラメータ記憶部18と、伝播特性測定部19と、伝播特性測定用のアンテナ20とを備える。
前記制御部11は、路側器1の各部の動作を制御し、送受信情報を処理する。送信端等化器12は、後述のようにして等化器制御部17により設定された等化処理用パラメータにより制御部11からの送信信号を送信端等化処理する。送信部14は、送信端等化器12で等化処理された処理信号をダウンリンク信号としてアンテナ16を介して外部に送信する。受信部15は、アンテナ16を介して受信した車載器2からのアップリンク信号を受信する。受信端等化器13は、受信部15で受信された受信信号を等化器制御部17により設定された送信端等化器12と同一の等化処理用パラメータにより受信端等化処理する。制御部11は、受信端等化器13からの受信信号を処理して車載器2からの応答信号か否かを判断し、設定されている等化処理用パラメータが最適か否かを判断し、この判断結果に基づいて等化器制御部17のパラメータ設定動作を制御する。等化器制御部17は、制御部11からの指令に基づいてパラメータ記憶部18に記憶されている複数の等化処理用パラメータのうちから1つを順次読出し送信端等化器12及び受信端等化器13に設定する。パラメータ記憶部18には、伝播特性測定部19により後述のようにして決定された予め想定される複数の異なる等化処理用パラメータが記憶されている。伝播特性測定部19は、制御部11からの指令に基づいて測定動作を実行する。ここで、前記制御部11及び等化器制御部17で通信制御部が構成される。
【0020】
車載器2は、送受信のアンテナ31と、送信部32と、受信部33と、制御部34とを備え、基地局1からのダウンリンク信号をアンテナ31を介して受信部33で受信して制御部34で処理し、受信情報に応じて制御部34から出力される送信信号を送信部32からアップリンク信号としてアンテナ31を介して外部に送信する構成である。
【0021】
次に、伝播特性の測定動作について説明する。
DSRCシステムは非常に狭いエリアで通信するシステムであるので、伝播環境をある程度特定でき、路車間通信の場合には、伝播環境は車両の形状等により変化すると考えられる。そこで、各車種毎に伝播特性を測定する。また、後続車が存在する場合を想定し、後続車との組合せについても伝播特性を測定し、測定した各伝播特性に対して最適なパラメータを決定して記憶させる。
【0022】
測定手順は、路側器1を設置場所に固定し、測定対象データ(車種データ、各車種の組合せデータ)を伝播特性測定部19に入力する。そして、測定対象の車両を通信エリア内に配置し、路側器1の受信部15に接続した測定用のアンテナ20を車両の規定位置(例えばダッシュボード上等)に載置し、この状態で図2のフローチャートに示すような測定動作を開始する。
【0023】
ステップ1(図中、S1で示し以下同様とする)で、伝播特性測定部19の操作部(図示せず)で測定対象の指定操作を行う。これにより、測定が開始される。具体的には、伝播特性測定部19から既知のパターンのビットデータ系列を送信部14に出力して通信エリアに送信する。車両側に載置したアンテナ20を介して受信部15でビットデータ系列を受信し、伝播特性測定部19に送る。伝播特性測定部19は、受信したビットデータ系列を送信した既知のビットデータ系列と比較し、データの変化具合を測定する。この測定結果に基づいて伝播特性を算出し、算出した伝播特性に対して最適な等化処理用パラメータ(伝播特性と逆特性を送信信号に与えるようなパラメータ)を算出する。
【0024】
ステップ2で、ステップ1で算出したパラメータを、パラメータ記憶部18に測定対象データと対応付けて記憶する。
更に、通信エリアに隣接する位置(例えば後方)に他の全ての車種の車両を配置し、同様にして等化処理用パラメータを記憶する。
以後、他の異なる車種について車両単独の場合と後続車が存在する場合について等化処理用パラメータを決定して記憶する。
【0025】
ステップ3では、指定された測定数が予め入力された測定対象データ数と一致したか否かを判定し、一致したら全ての測定が終了したと判断し伝播特性の測定動作を終了する。
このようにして、予め想定した複数の異なる伝播特性に対する最適な等化処理用パラメータを、測定対象データと対応付けてパラメータ記憶部18に記憶し、等化処理用パラメータのデータベースを作成する。測定後は、伝播特性測定部19を制御部11から遮断して使用しない。また、受信部15からアンテナ20を外し格納しておけばよい。
【0026】
次に、図3のフローチャートを参照して実際の路車間通信動作を説明する。
ステップ11では、制御部11からの指令に基づいて等化器制御部17は、パラメータ記憶部18に記憶された第1の等化処理用パラメータを選択して送信端等化器12及び受信端等化器13に設定する。
ステップ12では、路側器1から車載器2と通信を開始するための通信開始スロットを送信する。具体的には、制御部11が通信開始スロットを発生すると、送信端等化器12で設定されている等化処理用パラメータ等化処理し、送信部14に送る。送信部14は、送信端等化器12からの処理信号をダウンリンク信号として通信エリアに送信する。車載器2の受信部33は、受信信号を復調して制御部34に転送する。ここで、制御部34が転送された信号が路側器1からの送信信号であると正常に判定できるのは、送信信号が伝播過程で歪むことなく本来の信号形態で受信された場合に限られる。即ち、送信端等化器12の等化処理用パラメータが伝播路の伝播特性と逆特性を信号に与えるような最適なパラメータが設定されている場合である。この場合、送信信号は伝播路の伝播特性と逆の特性で予め歪んだ状態で送信され、伝播過程でその伝播特性による歪みを受けることにより本来の信号形態に復元されて車載器2側で受信される。従って、路側器1の送信端等化器12の設定パラメータが不適であれば車載器2は応答せず路側器1は応答信号を受信できない。一方、路側器1の送信端等化器12の設定パラメータが最適なものであれば、車載器2の制御部34は、路側器1の送信信号であると判定し、ACKを含む応答スロットを発生し、そのままの状態で送信部32からアップリンク信号として路側器1に対して送信する。
【0027】
ステップ13では、車載器2から応答があった否かを判定する。路側器1では、受信部15で受信した信号を受信端等化器13に転送し、設定パラメータで等化処理した後、制御部11に転送する。受信端等化器13の設定パラメータが不適であれば制御部11は車載器2の本来の信号形態の応答スロットを受信できない。受信端等化器13の設定パラメータが最適なものであれば、制御部11は車載器2の本来の信号形態の応答スロットの受信によりACKを受信する。即ち、受信端等化器13の等化処理用パラメータが伝播路の伝播特性と逆特性を信号に与える最適なパラメータが設定されている場合である。この場合、受信信号は伝播過程で伝播特性により歪んで受信されるが、伝播特性と逆特性を受信信号に与えるパラメータが設定された受信端等化器13で本来の信号形態に復元される。従って、制御部11では、所定時間内にACKを受信すれば車載器2から応答ありと判断し、所定時間内にACKが受信できなければ車載器2から応答なし判断する。応答ありと判断した場合は、ステップ14に進み通信成立と判断して車載器2との間で情報の送受信を行い、通信が終了すればステップ11に戻り、最初に設定した等化処理用パラメータを送信端等化器12及び受信端等化器13に設定する。一方、応答なしと判断した場合はステップ15に進む。
【0028】
ステップ15では、パラメータ記憶部18に記憶された全てのパラメータが設定されたか否かを判定し、判定がNOであればステップ16に進み、次の等化処理用パラメータを送信端等化器12及び受信端等化器13に設定する。判定がYESであれば、ステップ11に戻り、最初に設定した等化処理用パラメータを送信端等化器12及び受信端等化器13に再度設定する。
【0029】
以上のように、路側器1では、パラメータ記憶部18に記憶された等化処理用パラメータの1つを順次選択して送信端等化器12及び受信端等化器13に設定する。この動作を常時周期的に繰り返し行う。車載器2からの応答が合ったときは、その時の設定パラメータが伝播特性に対して最適なパラメータと判断してパラメータの切替え動作を停止して車載器2との通信を行い、通信の終了後は、パラメータの切替え動作を再開して車載器2からの応答を待つ。
【0030】
かかる構成によれば、端末局である車載器に等化器等を設けることなく、通信エラーを低減できる。また、通信エラーの低減により実質的な通信速度の向上が可能となる。そして、端末局には通常の送受信機能だけを備えればよいので、端末局の構成を従来よりも簡素化でき、端末局の小型化及び軽量化を図ることが可能となる。従って、端末局を極力低コスト、省電力化、小型・軽量化することが要求される通信システム、例えばDSRCシステムによる路車間通信システムのような端末局が車両に搭載する移動端末となる通信システムに、特に有効な通信システムである。また、DSRCシステムによる路車間通信システムのように、既に通信規格が制定され、車載器が大量生産され販売されて仕様や方式の変更が行い難い場合に、車載器の構成を変更しなくとも済むという効果もある。また、符号間干渉防止のための電波吸収体等を設ける必要がなく、DSRCシステムを採用する場合の機器の設置場所の自由度を拡大できる。
【0031】
図4に、本発明の第2実施形態の構成図を示す。尚、図1の第1実施形態と同一要素には同一符号を付してある。
図4において、第2実施形態は、第1実施形態の構成に車種センサ21を付加する構成である。車種センサは、例えば複数の光センサで構成され、車両の高さ及び長さ等を判定して車種を特定するものである。また、車両検知センサも兼ねる。
【0032】
図5のフローチャートに従って第2実施形態の通信動作を説明する。尚、伝播特性を測定して等化処理用パラメータを記憶させる方法は第1実施形態と同様であり、ここでは説明を省略する。
ステップ21で、車種センサ21から信号に基づいて通信エリア内に車両が進入したか否かを判定する。YESであればステップ22に進み、車種センサ1により車種が判明したか否かを判定する。YESであればステップ23に進む。一方、ステップ21でNOと判定された場合及びステップ22でNOと判定された場合、即ち、車両が通信エリア内に車載器2を搭載した車両が存在しない場合及び存在しても車種が判明しない場合は、ステップ27〜ステップ31の処理を実行し、記憶されている等化処理用パラメータを順次設定する動作を周期的に繰返す。従って第2実施形態は、通信エリアに車載器2を搭載した車両が存在しない場合は、第1実施形態と同様に設定パラメータを順次切換え送信信号を送信する動作を周期的に繰返し行っている。尚、ステップ27〜31の動作は、図3のステップ11〜16の動作においてステップ13でNOと判定された場合と同様の動作である。
【0033】
車種が判明してステップ23に進んだ場合は、パラメータ記憶部18内の等化処理用パラメータの中から、パラメータと対応付けて記憶されている測定対象データに基づいて判明した車種用の等化処理用パラメータを選択し、送信端等化器12及び受信端等化器13に設定する。
ステップ24では、通信開始スロットの送信を行う。
【0034】
ステップ25では、車載器2からの応答スロットの受信の有無を判定し、応答があればステップ26に進み、通信成立と判断して車載器2との間で情報の送受信を行い、通信が終了すればステップ21に戻る。所定時間内に応答がなければ、ステップ27に進み、ステップ23で設定したパラメータを除いて第1パラメータから順次送信端等化器12及び受信端等化器13に設定する。そして、応答があればステップ29の判定がYESとなり、ステップ26に進み、車載器2との通信を行う。
【0035】
以上にように第2実施形態の構成によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、車種を判別してその車種に関連する等化処理用パラメータを選択して設定することにより、等化処理用パラメータの設定を効率良くできるという効果を有する。
尚、本発明の無線通信システムは、路車間通信システムに限らず、その他の近距離或いは中距離の基地局−端末局間の通信システム、例えばRFID(Radio Frequency Identification)システム等にも適用できることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、符号間干渉の影響を抑制でき通信エラーを低減できることは勿論、端末局には等化器等が不要で通常の送受信機能だけでよいので、端末局の構成を簡素化でき、端末局の小型化、軽量化及び省電力化図ることができる。従って、端末局を極力低コスト、省電力化、小型・軽量化することが要求される通信システムに特に有効な通信システムである。
【0037】
また、基地局に伝播特性の測定機能を備えることで、基地局を実際に設置した状態での通信環境で伝播特性を測定できるので、等化処理用パラメータの設定精度を高めることができ、符号間干渉の低減効果を向上できる。
また、路車間通信システムに適用した場合に、車種センサを設けて進入車種に応じて等化処理用パラメータを選択設定するようにすれば、等化処理用パラメータの設定動作を効率よくでき、最適なパラメータの決定を迅速にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のブロック構成図
【図2】第1実施形態の伝播特性の測定動作を説明するフローチャート
【図3】第1実施形態の通信動作を説明するフローチャート
【図4】本発明の第2実施形態のブロック構成図
【図5】第2実施形態の通信動作を説明するフローチャート
【符号の説明】
1 路側器
2 車載器
11 制御部
12 送信端等化器
13 受信端等化器
14 送信部
15 受信部
16 送受信用アンテナ
17 等化器制御部
18 パラメータ記憶部
19 伝播特性測定部
20 伝播特性測定用アンテナ
21 車種センサ
Claims (6)
- 固定の基地局と該基地局の通信エリア内の端末局とで、無線信号により情報の送受信を行う無線通信システムであって、
前記基地局が、
信号伝播路の伝播特性に対して最適な等化処理用パラメータが設定されて送信信号に対して等化処理を行う送信信号等化処理部と、
該送信信号等化処理部からの処理信号を送信する送信部と、
前記端末局からの信号を受信する受信部と、
前記送信信号等化処理部と同一の等化処理用パラメータが設定されて前記受信部の受信した受信信号に対して等化処理を行う受信信号等化処理部と、
前記伝播路について予め想定される複数の異なる伝播特性に対してそれぞれ最適な複数の等化処理用パラメータを記憶するパラメータ記憶部と、
前記記憶された複数の等化処理用パラメータのいずれか1つを前記送信信号等化処理部及び受信信号等化処理部に順次設定し、送信信号に対する端末局からの応答信号の有無に基づいて最適な等化処理用パラメータを決定して通信を行う通信制御部と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。 - 前記通信制御部は、前記記憶された複数の等化処理用パラメータの1つを設定する毎に送信信号を送信する動作を常時繰り返し行う構成である請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記基地局が、伝播路の伝播特性を測定し最適な等化処理用パラメータを決定して前記パラメータ記憶部に記憶する伝播特性測定部を備える構成である請求項1又は2に記載の無線通信システム。
- 前記端末局が、車両に搭載された移動端末局であり、前記基地局の通信エリアに前記移動端末局を搭載した車両が進入したときに、基地局からの送信信号に対して前記移動端末局から応答信号が送信される路車間通信システムに適用する請求項1〜3のいずれか1つに記載の無線通信システム。
- 前記端末局を搭載する予め想定される複数の車種毎に伝播路の伝播特性を測定し、それぞれの車種に対応した最適な等化処理用パラメータを決定して前記パラメータ記憶部に記憶する構成である請求項4に記載の無線通信システム。
- 基地局が、通信エリアに進入する車両の車種を検出する車種センサを備え、該車種センサにより進入車両の車種が判明したときに、前記パラメータ記憶部に記憶された複数の等化処理用パラメータの中から、判明車種に関連する等化処理用パラメータを選択し、前記送信信号等化処理部及び受信信号等化処理部に設定する構成とした請求項5に記載の無線通信システム。
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