JP4069094B2 - 通信装置、通信システムおよび通信方法 - Google Patents

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Description

この発明は、所定の通信可能領域内においてデータ通信を行なう通信装置、通信システムおよび通信方法に関する。
従来の無線通信システムにおいては、データの伝送速度を適正なものに制御可能とする構成例として、無線LANによるホットスポットを用いるものがある。無線LANでのデータ伝送速度の制御方法としては、所望のデータを送信するに際して、最初の通信では、予め設定されたデータ伝送速度を用い、その受信信号からノイズの影響や誤り量などの伝送品質を観測し、その結果によってデータ伝送速度の制御を行なうようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−290417号公報(第4頁、第4図)
しかし、上記したデータ伝送速度の制御方法の場合、予め設定されたデータ伝送速度が大きすぎると、送信されるデータにおいて誤りが発生してしまう。したがって、当該誤りの訂正を受信機において行なうことができない場合には、当該データの再送を行わなければならない。この誤りの発生は、高速で移動する移動体(例えば、車両)と、所定の場所(例えば、道路)に設置されたアクセスポイントとの間でデータ通信を行なう無線通信システムに前記制御方法を適用した場合に特に問題となる。
また、上述のように誤りの発生に応じてデータの再送を行なうにしても、上述のような移動体とアクセスポイントとの間で行なう通信システムのように、通信可能な領域(以下、通信可能領域という。)が限られた通信システムの場合には、当該通信可能領域において前記移動体がアクセスポイントと通信可能な時間が限られてしまうため、必ずしも再送を行なうことが可能であるとは限らず、また、当該データを再送したとしても再送したデータの全てが前記移動体に受信されないにも関わらず前記移動体が通信可能領域から進出してしまう場合もある。さらに、データの再送を行なうことは、伝送効率の観点からも好ましくない。
上記問題の解決策として、予め設定するデータ伝送速度を小さくして誤りの発生を抑えることにより、データの再送の必要性を小さくすることも考えられる。
しかし、データ伝送速度が小さすぎると、移動体とアクセスポイントとの間で送受信するデータの大きさ(サイズ)が大きい場合、移動体が通信可能領域内を移動している間に通信を完了することができない。
また、通信可能領域内に他の移動体が存在する場合には、1の移動体の通信時間が長くなることは望ましくない。さらに、各移動体の移動速度によって通信可能領域に前記移動体が滞在する時間(以下、滞在時間という。)が異なる。さらにまた、移動体が要求するデータのサイズは各々の移動体で異なるため、最適なデータ伝送速度の初期設定は困難である。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであって、所定の通信可能領域内でのデータ通信において最適なデータ伝送速度を得ることができる通信装置、通信システムおよび通信方法を得ることを目的とする。
本発明における通信装置は、所定の通信可能領域内でデータ通信を行なう通信装置であって、該通信装置の移動速度および前記通信可能領域の大きさに基づいて、当該通信装置が前記通信可能領域内に進入してから進出するまでの時間である滞在時間を演算する滞在時間演算手段、および、該滞在時間演算手段において演算された前記滞在時間と、当該通信装置によって送信されるデータのサイズとに基づいて前記データの伝送速度を制御する伝送速度制御手段を備える。
この発明によれば、所定の通信可能領域内でのデータ通信において最適なデータ伝送速度を得ることができる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1における通信システムの構成を説明するための説明図である。なお、実施の形態1においては、当該通信システムの適用例として、移動体である車両1と、道路3等に設置されたアクセスポイント2との間で無線通信を行なう路車間通信システムについて説明する。当該路車間通信システムは、図1に示すように、道路3に設置され、無線LANのホットスポットを利用したアクセスポイント2と、前記道路3を走行する車両1との間でデータ(信号)の送受信を行なう無線通信システムである。前記アクセスポイント2は通信可能領域4を形成し、車両1は当該通信可能領域4内において前記アクセスポイント2とのデータの送受信を行なう。
図2は、車両1に設置される第1の送受信手段10の構成およびアクセスポイント2に設置される第2の送受信手段20の構成を示すブロック図である。
前記第1の送受信手段10は、第1の受信機11、第1の送信機12、および第1の制御部13を有して構成される。前記第1の受信機11は、アクセスポイント2から送信される所望のデータ(後述する)に対応する信号(データ信号)の受信、またはアクセスポイント2から出力されるAP信号(後述する)の受信等を行なう。
また、前記第1の送信機12は、前記所望のデータを要求する信号(以下、要求信号という。)のアクセスポイント2への送信、車両情報(後述する)に対応する車両信号の送信等を行なう。なお、前記所望のデータとは、例えば、前記アクセスポイント2から出力される信号に基づいて車両1に設ける再生手段(図示せず)により映像や音声の再生を行なう場合には、当該映像または音声に対応するデータが所望のデータである。
すなわち、当該所望のデータは、第1の送受信手段10と第2の送受信手段20との間でのデータ通信において、当該第1の送受信手段10または第2の送受信手段20の制御に最低限必要なデータ以外のデータである。
なお、図2に示した第1の送受信手段10において、送信データは、前記要求データ等を含むデータである。また、受信データは、前記所望のデータ等を含むデータである。これらのデータは図示しないメモリ等に記憶され前記第1の制御部13により制御される。
また、前記車両情報とは、車両1の走行速度(移動速度)、当該第1の送受信手段10における、信号の受信に関する特性(以下、受信特性という。)または信号の送信に関する特性(以下、送信特性という。)に対して設定される指向性(以下、第1の指向性という。)等を含む情報である。さらに、車両1とアクセスポイント2との間でID等の確認を行なってデータ通信を行なう場合には、当該IDも車両情報に含まれる。
ここで、前記指向性とは、当該第1の送受信手段10の受信特性における受信感度、または送信特性における信号の出力強度等をある特定の方向に対して大きくまたは小さくするように前記第1の送受信手段10に設定する特性をいう。当該指向性は、例えばアンテナ100の指向性を変えることによって設定することができる。また、前記アンテナ100の指向性を変えなくても当該アンテナ100によって受信された信号のうち、特定の信号に重み付けを行なう等により実質的に指向性を設定することもできる。
前記指向性を第1の送受信手段10に設定した場合、アクセスポイント2に対する第1の送受信手段10の位置によって、当該第1の送受信手段10においてアクセスポイント2から送信された信号を受信した際に得られる、前記信号に対応する受信電力を大きくまたは小さくすることができる。また、アクセスポイント2に対する第1の送受信手段10の位置によって、前記アクセスポイント2に対して当該第1の送受信手段10から送信する種々の信号の強度を大きくまたは小さくすることができる。
例えば、図3におけるD1〜D4のように第1の送受信手段10の送信特性に対して指向性を設定した場合、通信可能領域4内に車両1が進入した際、D1に示すように、アクセスポイント2に対する指向性が最も大きくなる。よって、当該第1の送受信手段10から出力される信号の強度(電力)が大きくなる。したがって、通信可能領域4内に車両1が進入した際、アクセスポイント2は前記信号を確実かつ迅速に受信することができ、当該信号を前記車両信号とした場合には車両1の走行速度等を迅速に認識することができる。なお、前記指向性のうち、送信特性に関する指向性と受信特性に関する指向性とは同一の指向性にする必要はなく、例えば、送信特性に対する指向性を前記図3のように設定し、受信特性に対する指向性を無指向性と設定してもよい。
一方、第2の送受信手段20は、第2の受信機21、第2の送信機22、および第2の制御部23を有して構成される。前記第2の受信機21は、車両1における第1の送受信手段10から出力された車両信号の受信等を行なう。
また、前記第2の送信機22は、前記第1の送受信手段10が要求するデータに対応するデータ信号の送信、アクセスポイント2に関する情報であるアクセスポイント情報(以下、AP情報という。)に対応するAP信号の送信等を行なう。
なお、前記AP情報とは、通信可能領域4の大きさ、アクセスポイント2の送信特性または受信特性に関する指向性、前記通信可能領域4における車両の数(以下、車両数という。)等が含まれる情報である。また、前記第1の送受信手段10の要求に応じて送信するデータに課金がされている場合には、当該課金に関する情報(料金等。以下、課金情報という。)等も当該AP情報に含まれる。
また、図2に示した第2の送受信手段20において、送信データは、前記データ信号に対応するデータ等を含むデータである。また、受信データは、前記要求信号を含むデータである。これらのデータは図示しないメモリ等に記憶され前記第2の制御部23により制御される。
なお、第2の送受信手段20における指向性(以下、第2の指向性という。)は、前記第1の送受信手段10における指向性と同様であるが、当該第2の指向性を設定した場合には、通信可能領域4内において前記第1の受信手段10がアクセスポイント2から送信される種々の信号を受信した際に得られる受信電力の大きさが当該通信可能領域4内の位置によって異なる。したがって、通信可能領域4内における一部の領域において前記第1の受信手段10における受信電力を大きくまたは小さくすることができる。
例えば、図4のように、アクセスポイント2から遠い通信可能領域4の境界に近い領域の指向性(D1、D5)を他の領域の指向性(D2〜D4)よりも高くすることで、アクセスポイント2から遠いことにより信号強度が小さくなってしまう通信可能領域4の境界に近い部分おいてもデータの送受信を確実に行なうことができる。なお、前記第1の指向性および前記第2の指向性は、任意に設定することができ、前記第1の指向性と前記第2の指向性とを異なる指向性にすることができる。
以下、第1の送受信手段10における各構成について詳細に説明する。当該車両1が通信可能領域4に進入すると、第1の受信機11は、アクセスポイント2から送信されるAP信号を受信する。そして、第1の受信機11は受信したAP信号に対応するAP情報を第1の制御部13に出力する。
第1の制御部13は、入力された前記AP情報に基づいて第1の送信機12から出力される車両信号、要求信号等の信号をアクセスポイント2に出力する際のデータ伝送速度を設定し、当該データ伝送速度に対応する信号を第1の送信機12に出力する。
第1の送信機12は、前記第1の制御部13から出力された信号に対応するデータ伝送速度に従って車両信号、要求信号等をアクセスポイント2に送信する。
図5は、第1の制御部13の構成を示すブロック図である。以下、当該第1の制御部13の構成及び動作について説明する。第1の制御部13は、第1の車両滞在時間情報獲得手段14、および第1の伝送速度制御手段15を有して構成される。
第1の車両滞在時間情報獲得手段14は、滞在時間、すなわち通信可能領域4に車両1が進入してから進出するまでの時間をAP情報及び車両情報に基づいて演算する。具体的には、車両情報に含まれる車両の走行速度と、前記AP信号に対応するAP情報に含まれる通信可能領域4の大きさとに基づいて前記滞在時間を求める。なお、前記通信可能領域4の大きさ(距離)は、第1の車両滞在時間情報獲得手段14に予め設定しておいてもよく、その場合、当該第1の車両滞在時間情報獲得手段14はAP信号を受信しなくても前記滞在時間を演算することができる。また、前記通信可能領域4の大きさは、当該通信システムを適用するシステムの仕様等に応じて適宜設定することができる。
第1の伝送速度制御手段15は、前記第1の車両滞在時間情報獲得手段14によって演算された滞在時間と、前記第1の送信機12からアクセスポイント2に送信する信号に対応するデータのサイズまたはデータの種類とに基づいて、アクセスポイント2に対する前記データの送信に最適なデータ伝送速度を設定して、当該データ伝送速度に対応する信号を第1の送信機12に出力する。第1の制御部13は、データ伝送速度に対応する信号を第1の送信機12に出力することにより、前記データ伝送速度に従って第1の送信機12が動作するように制御する。
例えば、滞在時間が短い場合にはデータ伝送速度の値を大きく設定し、滞在時間が長い場合にはデータ伝送速度の値を小さく設定する。また、送信するデータのサイズが大きい場合にはデータ伝送速度の値を大きく設定し、送信するデータのサイズが小さい場合にはデータ伝送速度の値を小さく設定する。さらに、送信するデータのサイズが大きくても滞在する時間が長い場合には、データ伝送速度の値を小さく設定することで、データ中に発生する誤りの数を少なくして通信を行なうことができる。
また、例えば、前記車両信号は当該車両の走行速度等を含みアクセスポイント2とのデータ通信を行なう際に必要なデータであるため、データ伝送速度の値を大きく設定することで、より早くアクセスポイント2に当該車両信号を受信させるようにしてもよい。また、車両信号に対応するデータのサイズが大きくない場合には、伝送速度を下げることによりアクセスポイント2においてより正確かつ確実に当該車両信号を受信できるようにしてもよい。一方、要求信号は、アクセスポイントとのデータ通信を行なう際に必須のデータではないことからデータ伝送速度の値をそれほど大きくない値に設定してもよい。このように、第1の伝送速度制御手段15は、滞在時間、当該第1の送受信手段10から送信されるデータのサイズまたはデータの種類に応じて最適なデータ伝送速度を設定する。
第2の送受信手段20における第2の受信機21は、第1の送受信手段10から送信された車両信号、要求信号等の信号を受信する。そして、前記要求信号、および受信した車両信号に対応する車両情報を第2の制御部23に出力する。
第2の制御部23は、前記要求信号および前記車両情報に基づいて、データ伝送速度を設定して第2の送信機22に出力する。第2の送信機22は、第2の制御部23において設定されたデータ伝送速度に従って、前記要求信号に対応するデータまたは前記車両1に対応するAP信号を当該車両1に送信する。
図6は、第2の制御部23の構成を示すブロック図である。当該第2の制御部23は、第2の車両滞在時間情報獲得手段24、第2の伝送速度制御手段25、データ送信中止手段26、および車両数情報獲得手段27を有して構成される。
第2の車両滞在時間情報獲得手段24は前記滞在時間を得る手段である。具体的に説明すると、当該第2の車両滞在時間情報獲得手段24は、前記AP情報に含まれる通信可能領域4の大きさ、および車両1から送信された信号に対応する車両情報に含まれる前記車両1の走行速度に基づいて前記車両滞在時間を求める。
第2の伝送速度制御手段25は、前記滞在時間、車両1に送信するデータのサイズまたはデータの種類に応じて車両1にデータを送信するのに適正なデータ伝送速度を設定し、当該データ伝送速度に対応する信号を第2の送信機22に出力する。そして、第2の送信機22は前記第2の伝送速度制御手段25から出力された信号に応じてデータ伝送速度を変更し、前記車両1にAP信号またはデータ信号を送信する。
なお、当該第2の送信機22から前記車両1に送信されるデータは、前記要求信号に対応するデータ(所望のデータ)、AP情報等である。したがって、当該第2の伝送速度制御手段25は、例えば、前記車両1における第1の送受信手段10と当該第2の送受信手段20とのデータ通信に必要なデータであるAP情報に対応するデータ伝送速度の値は大きく設定し、第1の送受信手段10と当該第2の送受信手段20とのデータ通信に必須ではない、前記要求信号に対応するデータの伝送速度の値を小さく設定する。また、前記要求信号に対応するデータのサイズが大きい場合(例えば、当該データが映像に対応するデータである場合等)には当該データに対応するデータ伝送速度の値を大きく設定する。
データ送信中止手段26は、通信可能領域4から進出した車両1に対するデータ送信を中止する手段である。なお、データ送信の中止は、当該第2の制御部23において演算された滞在時間を経過した時に通信可能領域4から前記車両1が進出したと判断して行なってもよいし、車両1が通信可能領域4から進出する際、当該車両1から信号を出力させ当該信号に基づいてデータ送信の中止を行なってもよい。
車両数情報獲得手段27は、通信可能領域4内の車両数に対応する情報を得る手段である。なお、この車両数情報は、当該車両数情報獲得手段27において、車両から送信される車両信号の数をカウントする等によって得ることができる。また、当該車両数情報は前記AP情報の一部に含まれて送信される。
なお、前記第1の伝送速度制御手段15または前記第2の伝送速度制御手段25における前記データ伝送速度の設定は、具体的には以下のようにして行なうことができる。
図7は、伝送速度制御手段15、25における伝送速度の設定方法を説明するための説明図である。伝送速度制御手段15、25は、車両情報獲得手段17、27において演算された滞在時間tに対応してポイントが設定された時間テーブル(図7(A))と、送信機12、22から送信するデータの大きさdに対応してポイントが設定されたデータテーブル(図7(B))とが設けられる。また、前記時間テーブルのポイントおよび前記データテーブルのポイントを加算した結果と、データ伝送速度とを関係付ける所定の関数が図7(E)のように設定される。
なお、図7(A)におけるt1ないしt3は前記車両情報獲得手段17、27によって演算された演算時間tを所定の区分に分けるためのしきい値であり、t3>t2>t1となるように設定される。すなわち、滞在時間tがt3よりも大きい場合は滞在時間が長いと判断し、また、滞在時間tがt1よりも小さい場合には滞在時間が短いと判断する。なお、前記しきい値は、当該通信システムを適用するシステムの仕様等に応じて適宜設定することができる。
また、図7(B)におけるd1ないしd3は前記送信機11、21から送信するデータの大きさを所定の区分に分けるためのしきい値であり、d1>d2>d3となるように設定される。すなわち、データの大きさdがd1よりも大きい場合はデータが大きいと判断し、また、データの大きさdがd3よりも小さい場合にはデータのサイズが小さいと判断する。
さらに、図7(E)におけるR1ないしR7は、R7>R6>R5>R4>R3>R2>R1となるように設定される。
なお、前記時間テーブルに設定された各々のポイントとデータテーブルに設定された各々のポイントとを加算した結果は図7(D)のようになり前記図7(E)における加算結果は当該図7(D)に示した値に対応する。また、前記図7(D)に示したポイントの加算結果は図7(C)に示した加算テーブルの式に従って行なったものである。
伝送速度制御手段15、25は、滞在時間情報獲得手段14、24において演算された滞在時間tに対応するポイントを時間テーブルから選択し、送信機12、22から送信するデータdの大きさに対応するポイントをデータテーブルから選択する。そして、各テーブルから選択したポイントを加算する。そして、当該加算の結果に応じて、図7(E)に示した関数に従ってデータ伝送速度を選択し、当該選択したデータ伝送速度に対応する信号を送信機12、22に出力する。したがって、例えば、演算された滞在時間tがt1よりも小さく、データのサイズdがd1よりも大きい場合には、前記時間テーブルおよびデータテーブルからそれぞれ4ポイントが選択され、加算結果が8となり、図7(E)において最大の伝送速度R7が選択される。すなわち、上述のようにt1>tの条件およびd>d1の条件を満足する場合、当該伝送速度制御手段は、当該滞在時間が短くデータのサイズが大きいと判断し、データ伝送速度の値を大きく設定する。
なお、当該伝送速度制御手段12、25に設定される関数は、前記加算結果の増加に伴って伝送速度が増加するような関数であればよく、図7(E)に示したような1次関数でもよいし、また、図7(F)に示すような2次関数でもよい。
また、当該伝送速度制御手段15、25には、前記時間テーブル及びデータテーブルに加えて図7(G)のように送信機12、22から送信する信号の種類に対応してポイントを設定した種別テーブルを設けてもよい。当該種別テーブルを設定した場合には、送信機12、22から送信する信号の種類に応じて伝送速度を設定することができる。例えば、図7(G)のように種別テーブルを設定した場合には、滞在時間およびデータの大きさが同一であっても、例えば、第1のデータ送受信手段10から送信される信号に対応する伝送速度のうち、アクセスポイント2により早く伝送する必要がある車両信号に対する伝送速度は、要求信号に対する伝送速度よりも大きく設定される。具体的に説明すると、例えば、車両信号または要求信号のそれぞれに対する加算結果が5ポイントの場合であっても、車両信号に対しては1ポイント加算されることにより設定される伝送速度はR5となる。一方、要求信号に対して設定される伝送速度はR4となる。
図8は、実施の形態1における路車間通信システムの動作を説明するためのフローチャートである。
通信可能領域4内に車両1が進入すると、第1の受信機11は、第2の送信機22が送信しているAP信号を受信(S1)して、当該AP信号に含まれるAP情報に対応する信号を第1の制御部13に出力する。なお、アクセスポイント2は通信可能領域4内の車両全てが受信できるように当該AP信号を送信(ブロードキャスト送信)する。
第1の制御部13における第1の車両滞在時間情報獲得手段14は、車両1が有する車両情報と前記第1の受信機11から出力された信号に対応するAP情報とに基づいて、滞在時間を演算し、当該滞在時間に対応する信号を第1の伝送速度制御手段15に出力する(S2)。
第1の伝送速度制御手段15は、前記滞在時間と、前記第1の送信機12から送信されるデータ(要求信号に対応する情報、車両情報等)の大きさまたはデータの種類とに基づいて最適なデータ伝送速度を設定して当該データ伝送速度に対応する信号を第1の送信機12に出力する(S3)。
第1の送信機12は、第1の伝送速度制御手段15から出力された前記データ伝送速度に従って、車両信号をアクセスポイント2に出力する(S4)。
第2の受信機21は、前記第1の送信機12から出力された車両信号を受信する(S5)。なお、第2の受信機21によって受信された車両信号に基づいてアクセスポイント2が前記車両情報を得ることで、当該アクセスポイント2と車両1とが同一の車両情報およびAP情報を共有する。
また、第2の車両滞在時間情報獲得手段24は、車両情報に含まれる車両1の走行速度と、アクセスポイント2自身が有するAP情報に含まれる通信可能領域4の大きさとから滞在時間を演算する(S6)。
そして、車両1およびアクセスポイント2は、それぞれ車両1とアクセスポイント2との間が通信可能な状態にあるか否かを確認する(S7)。具体的に説明すると、第1の制御部13は、前記第1の受信機11がアクセスポイント2からブロードキャスト送信される信号を一定時間内に受信しているか否かを確認し、受信していれば通信可能な状態であると判断する。一方、アクセスポイント2における第2の制御部23は、演算した滞在時間を経過していなければ通信可能状態であると判断する。
車両1およびアクセスポイント2の双方において通信可能状態であると判断された場合(S7:YES)、前記第1の制御部13は第1の送信機12から送信するデータを第1の送受信手段10が有するか否かを判断し、また、第2の制御部23は第2の送信機22から送信するデータを第2の送受信手段20が有するか否かを判断する(S8)。当該判断の結果、第1の送受信手段10または第2の送受信手段20が送信するデータを有しない場合には(S8:NO)、前記S7に戻る。なお、前記第1の送信機12から送信するデータは、前記車両情報または要求信号に対応するデータであり、一方、第2の送信機22から送信するデータは前記要求信号に対応するデータまたはAP情報である。
一方、前記S8における判断の結果、第1の送受信手段10または第2の送受信手段20が送信するデータを有する場合(S7:YES)、各伝送速度制御手段15、25は、滞在時間と、送信するデータの大きさまたはデータの種類とに基づいて、データ伝送速度を設定する(ステップS9)。例えば、前記第2の送受信手段20における第2の送信機22から前記要求信号に対応するデータを送信する場合であって、当該データが車両1内の表示装置等(図示せず)によって再生される映像および音声に対応するデータである場合、通常このような映像等に対応するデータのサイズは大きいため、データ伝送速度の値は大きな値に設定される。
そして、第1の送信機12は第1の伝送速度制御手段15において設定されたデータ伝送速度に基づいてデータを送信し、また、第2の送信機22は第2の伝送速度制御手段25において設定されたデータ伝送速度に基づいてデータを送信する(ステップS10)。
当該第1の送信機12によって送信されたデータは第2の受信機21によって受信され、また、第2の送信機22によって送信されたデータは第1の受信機11によって受信される(ステップS11)。なお、第1の受信機11によって第2の送信機22から出力された信号を受信した場合、または第2の受信機21によって第1の送信機12から出力された信号を受信した場合、各送受信手段10、20はS7からの処理を前記滞在時間が経過するまで繰り返し行なう。
一方、前記S7における判断の結果、車両1とアクセスポイント2との通信が可能な状態でない場合(S7:NO)、車両1における第1の送受信手段10、およびアクセスポイント2における第2の送受信手段20は処理を終了する(ステップS12)。
以上の説明のように、実施の形態1における無線通信システムを適用した路車間通信システムによれば、アクセスポイント2と車両1との間で行なうデータの送受信に対応するデータ伝送速度を適正なデータ伝送速度に設定(制御)することができる。したがって、データの送受信を効率的に行なうことができる。
また、データ送信中止手段26により、通信可能領域4から進出した車両1に対するデータの送信を確実に防止することができる。したがって、データの送信に使用するチャネルを無駄に使用することを防ぐことができ、チャネルの利用効率を高くすることができる。
さらに、車両1とアクセスポイント2との間のデータの送受信を滞在時間内に確実に終了させることができる。
さらにまた、前記滞在時間を、車両情報とAP情報とに基づいて求めることにより、車両1の走行速度や通信可能領域4の大きさが変化した場合でも、車両1とアクセスポイント2との間のデータの送受信を滞在時間内に確実に終了させることができる。
なお、伝送速度制御手段15、25において設定されるデータ伝送速度は、以上の説明のように滞在時間、データのサイズまたはデータの種類に応じて設定されるが、当該データ伝送速度は、第1の送受信手段10と第2の送受信手段20とのデータ通信が通信領域4内において完了するように設定されればよい。すなわち、例えば、第2の送受信手段20から第1の送受信手段10に対してデータ信号が送信される場合には、少なくとも、第1の送受信手段10が前記データ信号に対応する所望のデータの全てを通信可能領域4内において受信できるようにデータ伝送速度を設定すればよく、当該データ伝送速度の値をより大きな値に設定してもよい。ただし、送信されるデータ中における誤りの数が受信機11、21において許容される誤りの数を越えないようにする必要がある。
なお、前記データ伝送速度は、車両1が通信可能領域4に進入した際に設定した後、当該車両1が通信可能領域4内を移動している間は変更することなく一定のデータ伝送速度としてもよいし、前記車両1が通信可能領域4内を移動している間に随時変更してもよい。一定のデータ伝送速度とした場合には、当該データ伝送速度の演算を1回だけ行なえばよいので、データ伝送速度の演算に必要な電力消費等を抑えることができる。また、前記データ伝送速度を随時変更するようにすれば、前記車両1の移動中、常に最適なデータ伝送速度でデータ通信を行なうことができる。
なお、前記データ伝送速度を前記車両1が通信可能領域4内を移動している間に随時変更する場合には、通信可能領域4の大きさ(図9における範囲(距離)A)に基づいて前記滞在時間を演算するのではなく、当該車両1の現在位置から通信可能領域4の終端(図9における位置e)までの間の距離(図9におけるa)に基づいて前記滞在時間の演算を行なうことが望ましい。前記aに基づいてデータ伝送速度の演算を行なう場合には、前記AP情報に当該aに対応する情報を含めればよい。または、第1の車両滞在時間情報獲得手段14に予め設定された通信可能領域4の大きさから当該車両1の移動距離を減算することで前記前記aを演算し、当該演算の結果に基づいて前記滞在時間を演算してもよい。
また、以上の説明においては、第1の送受信手段10および第2の送受信手段20の双方でデータ伝送速度を演算する場合について説明したが、例えば、車両1にのみ車両滞在時間情報獲得手段を設けて当該車両滞在時間獲得手段に予め通信可能領域4の大きさ等を設定し、当該車両滞在時間獲得手段において前記滞在時間を演算した後に、当該滞在時間をアクセスポイント2に送信するようにしてもよい。
第1の送受信手段10および第2の送受信手段20の双方でデータ伝送速度を演算する場合には、例えば、双方で演算された滞在時間が同一の滞在時間であるかを確認することによって、演算された滞在時間が正確であるか否かを判断することができる。そして、正確な滞在時間に基づいて、最適なデータ伝送速度をより確実に設定することができる。一方、第1の送受信手段10または第2の送受信手段20の一方でデータ伝送速度を演算する場合には、いずれか一方の制御部13、23を簡易な構成とすることができ、装置の小型化を図ることができる。
また、以上の説明においては、前記第1の送受信手段10から車両情報を送信する際のデータ伝送速度を通信可能領域4の大きさに基づいて演算する場合について説明したが、当該第1の送受信手段10から送信される信号の種類に応じて、当該信号を送信する領域を設定してもよい。例えば、図10のように当該通信可能領域4内に車両情報送信領域aをA<aとなるように設定し、当該aの大きさ(距離)に基づいて前記車両情報の送信に対応するデータ伝送速度を演算してもよい。なお、前記aに基づいてデータ伝送速度の演算を行なう場合、当該aに対応する情報を前記AP情報に含めてアクセスポイント2から送信することにより車両1がaに対応する情報を得るようにしてもよいし、予め車両1に設ける車両滞在時間情報獲得手段14にaの大きさを設定しておいてもよい。なお、前記aは、当該通信システムを適用するシステムの仕様等に応じて適宜設定することができる。
<実施の形態2>
上述した実施の形態1における路車間通信システムは、滞在時間に基づいてデータ伝送速度を制御したが、実施の形態2における路車間通信システムは、通信可能領域4における車両数に基づいてデータ伝送速度を制御する。なお、本実施の形態2において前記実施の形態1と異なる部分は、第1の制御部13Aの構成および第2の制御部23Aの構成のみであるため、以下、当該第1の制御部13Aの構成および第2の制御部23Aについてのみ説明する。また、実施の形態2において前記実施の形態1における構成と同様の構成については同一の符号を使用し、詳細な説明を省略する。
図11は、実施の形態2における第1の制御部13Aの構成を示すブロック図である。また、図12は、第2の制御部23Aの構成を示すブロック図である。
前記第1の制御部13A(車両側)は、図11に示すように、通信可能領域4内における車両数を演算する第1の車両数情報獲得手段17、および、前記車両数と、第1の送受信手段10から送信されるデータの大きさまたはデータの種類とに応じてデータ伝送速度を設定する第1の伝送速度制御手段15Aとを有して構成される。
一方、第2の制御部23A(アクセスポイント側)は、図12に示すように、前記車両数を演算する第1の車両数情報獲得手段27と、当該車両数と、送信するデータのサイズまたはデータの種類とに応じてデータ伝送速度を設定する第2の伝送速度制御手段25Aとを有する。
第2の車両数情報獲得手段27は、第2の受信機21によって受信された車両信号に対応する車両情報およびAP情報に基づいて前記車両数を演算して、当該車両数を第2の送信機22に出力する。具体的には、第2の受信機21が受信した車両信号の個数を当該通信可能領域4における車両数とする。そして、第2の送信機22は、前記車両数を含むAP情報に対応するAP信号を第1の送受信手段10に送信する。
一方、第1の送受信手段10における第1の受信機11は、前記第2の送信機22から出力されたAP信号を受信して、当該AP信号に対応するAP情報を第1の制御部13Aに出力する。前記第1の受信機11から出力された前記AP情報は、第1の制御部13Aにおける前記第1の車両数情報獲得手段17に出力される。そして、当該第1の車両数情報獲得手段17は、入力されたAP情報に含まれる車両数を、そのまま記憶する。
第1の伝送速度制御手段15Aは、前記第1の車両数情報獲得手段17に記憶された前記車両数と、送信するデータのサイズまたはデータの種類とに応じて、最適なデータ伝送速度を設定して、当該設定したデータ伝送速度に対応する信号を第1の送信機12に出力する。そして、第1の送信機12は入力された信号に対応するデータ伝送速度に従って車両信号または要求信号を出力する。
なお、前記第1の伝送速度制御手段15におけるデータ伝送速度の設定について具体的に説明すると、当該第1の伝送速度制御手段15は、前記第1の車両数情報獲得手段17に記憶された車両数が多い場合にはデータ伝送速度の値を大きく設定し、一方、前記車両数が少ない場合にはデータ伝送速度の値を小さく設定する。また、第1の送受信手段10と第2の送受信手段2とのデータ通信に必須なデータに対応する信号(例えば、車両信号)については無条件に最大のデータ伝送速度としてもよい。
通信可能領域4内における車両数が多い場合にデータ伝送速度の値を大きく設定することで、当該通信可能領域4内において、できるだけ多くの車両1がアクセスポイント2との間でデータの送受信を行なうことができる。一方、通信可能領域4内における車両数が少ない場合にデータ伝送速度の値を小さく設定することで、当該第1の送信機から送信されるデータ中における誤りを少なくして正確かつ確実なデータの送受信を行なうことができる。
前記第2の受信機21は、前記第1の送信機12から出力された要求信号または車両信号を受信して、当該要求信号に対応する情報または車両信号に対応する車両情報を第2の制御部23Aに送信する。
前記第2の受信機21から出力された要求信号に対応する情報または車両情報は、第2の制御部23Aにおける前記第2の伝送速度制御手段23Aに入力される。そして、第2の伝送速度制御手段23Aは、前記第2の受信機21から入力された前記情報のうち、要求信号に対応する情報に基づいて、送信するデータのサイズを演算し、前記第2の車両数情報獲得手段27において演算された車両数および当該演算したデータのサイズに基づいてデータ伝送速度を設定する。
当該第2の伝送速度制御手段23Aにおいて設定された前記データ伝送速度は、第2の送信機22に出力され、当該第2の送信機22は入力されたデータ伝送速度に従って、前記第1の送受信手段10から要求されたデータに対応する信号を出力する。
以上の説明のように、実施の形態2における無線通信システムを適用した路車間通信システムによれば、通信可能領域4内における車両数に応じて、アクセスポイント2と通信可能領域4内における車両1との間におけるデータ伝送速度を適正なものに制御できる。したがって、データの送受信を効率的に行なうことができる。
なお、当該実施の形態2においては、アクセスポイント2において通信可能領域4内の車両数を演算する場合について説明したが、車両1において前記通信可能領域4内の車両数を検知して、アクセスポイント2に当該車両数に対応する信号を出力するようにしてもよい。
車両1において通信可能領域4内の車両数を検知する場合には、第1の送受信手段10における第1の受信機11を他の車両から出力される車両信号を受信(検知)できるように構成し、前記車両数情報獲得手段17において、前記通信可能領域4内で前記第1の受信機11が受信した他の車両から出力された車両信号の数を計数することによって前記車両数を検知することができる。
そして、第1の送信機12は、前記車両数情報獲得手段17において計数された車両数を前記車両情報に含めて車両信号をアクセスポイント2に出力し、当該アクセスポイント2は前記車両信号に対応する車両情報に基づいてデータ伝送速度を演算し、車両1から要求されたデータを送信する。
なお、当該実施の形態2の伝送速度制御手段15A、25Aにおけるデータ伝送速度の設定は、前記実施の形態1において図7により説明した設定方法と同様にして行なうことができる。ただし、実施の形態2の場合には、車両数に基づいて伝送速度の設定を行なうため前記図7(A)の時間テーブルに替えて図13に示した車両数テーブルを使用する。
なお、前記実施の形態1および2においては、無線LANのホットスポットを路車間狭域通信に適用した場合について説明したが、複数のデータ伝送速度を制御できる通信方式を用いた路車間通信システムにも適用してもよい。
すなわち、上述した実施の形態1および2では、1つのアクセスポイント2による狭域路車間通信について説明したが、複数のアクセスポイント2を道路3に設置し、1つ1つの通信可能領域4が互いに重なり合い、広域な通信可能領域4を形成する場合においても、本発明の無線通信システムを適用することができる。
また、AP情報の一部として車両数情報を含ませることにより、実施の形態1における路車間通信システムと実施の形態2における路車間通信システムとを組み合わせて構築することもできる。
実施の形態1における路車間通信システムと実施の形態2における路車間通信システムとを組み合わせた場合、前記データ伝送速度は滞在時間、車両数、データのサイズまたはデータの種類に基づいて設定される。したがって、滞在時間が短く、車両数が多く、そしてデータのサイズが大きいほど、データ伝送速度の値が大きく設定される。一方、滞在時間が長く、車両数が少なく、またデータのサイズが小さいほどデータ伝送速度の値が小さく設定される。
また、前記実施の形態1ないし2においては車両1と道路3上に設置されたアクセスポイント2との間でデータの送受信をする路車間通信システムを一例として説明したが、本発明に係る無線通信システムは他の場合にも適用できる。
例えば、駅周辺に通信可能領域を設定して、鉄道車両と当該駅との間でデータ通信を行なう場合にも適用できるし、航空機と地上のアクセスポイントとの間でデータ通信を行なうこともできる。
なお、携帯端末(携帯電話、PDA等)にも適用することは可能であるが、通常、これらの携帯端末は人が所有することが多く、また、人の移動速度はそれほど速くないことから当該人の移動速度に基づく通信可能領域4内における滞在時間が問題となることは少ない。したがって、本発明に係る無線通信システムは上述のような車両、鉄道車両、航空機といった高速移動体とアクセスポイントとの間でデータ通信を行なう場合において非常に効果的である。ただし、前記携帯端末を高速移動体で使用する場合には、前記車両等とアクセスポイントとの間のデータ通信に適用した場合と同様に非常に効果的である。
本発明の実施の形態1における通信システムを適用した路車間通信システムの構成を説明するための説明図である。 実施の形態1における、第1の送受信手段の構成および第2の送受信手段の構成を示すブロック図である。 第1の送受信手段の指向性を説明するための説明図である。 第2の送受信手段の指向性を説明するための説明図である。 実施の形態1における第1の制御部の構成を示すブロック図である。 実施の形態1における第2の制御部の構成を示すブロック図である。 実施の形態1における伝送速度制御手段における伝送速度の設定方法を説明するための説明図である。 実施の形態1における路車間通信システムの動作を示すフローチャートである。 滞在時間の演算を車両1の位置に応じて演算する場合を説明するための説明図である。 各信号の送信領域を通信可能領域内に設定する場合を説明するための説明図である。 実施の形態2における第1の制御部の構成を示すブロック図である。 実施の形態2における第2の制御部の構成を示すブロック図である。 実施の形態2における伝送速度制御手段における伝送速度の設定方法を説明するための説明図である。
符号の説明
1 車両、2 アクセスポイント、3 道路、4 通信可能領域、10 第1の送受信手段、11 第1の受信機、12 第1の送信機、13,13A 第1の制御部、14 第1の車両滞在時間情報獲得手段、15,15A 第1の伝送速度制御手段、17 第1の両数情報獲得手段、20 第2の送受信手段、21 第2の受信機、22 第2の送信機、23,23A 第2の制御部、24 第2の車両滞在時間情報獲得手段、25,25A 第2の伝送速度制御手段、26 データ送信中止手段、27 第2の車両数情報獲得手段。


Claims (7)

  1. 所定の通信可能領域内でデータ通信を行なう通信装置であって、
    該通信装置の移動速度および前記通信可能領域の大きさに基づいて、当該通信装置が前記通信可能領域内に進入してから進出するまでの時間である滞在時間を演算する滞在時間演算手段、
    および、該滞在時間演算手段において演算された前記滞在時間と、当該通信装置によって送信されるデータのサイズとに基づいて前記データの伝送速度を制御する伝送速度制御手段を備える通信装置。
  2. 伝送速度制御手段は、滞在時間、および当該通信装置によって送信されるデータのサイズに加えて、当該通信装置によって送信されるデータの種類に基づいて前記データの伝送速度を制御するように構成されてなる請求項1に記載の通信装置。
  3. 通信可能領域の大きさは滞在時間演算手段に予め設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  4. 伝送速度制御手段は、
    前記滞在時間が予め定める第1のしきい値以上であって、かつ前記データのサイズが予め定める第2のしきい値より小さい場合には前記伝送速度を小さくするように制御を行ない、
    前記滞在時間が前記第1のしきい値よりも小さく、かつ前記データのサイズが前記第2のしきい値以上である場合には前記伝送速度を大きくするように制御を行なうように構成されてなる請求項1ないし3のいずれかに記載の通信装置。
  5. 前記伝送速度制御手段は、
    前記滞在時間の長さに応じてポイントが設定された時間テーブル、
    前記データのサイズに応じてポイントが設定されたデータテーブル、
    および、前記時間テーブルに設定されたポイントと前記データテーブルに設定されたポイントとを加算した値と、所定の伝送速度とを所定の関数によって対応付けた伝送速度テーブルを有して構成され、
    前記滞在時間演算手段において演算された滞在時間の長さに応じて前記時間テーブルから選択した前記ポイントと、当該通信装置によって送信するデータのサイズに応じて前記データテーブルから選択したポイントとを加算し、当該加算の結果に応じて伝送速度テーブルから伝送速度を選択することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の通信装置。
  6. 所定の場所に設置されるアクセスポイントと、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の通信装置とを有して構成され、
    前記アクセスポイントは、前記通信装置が当該アクセスポイントと通信可能な領域である通信可能領域の大きさに対応する情報を前記通信装置に送信し、
    前記通信装置は、前記アクセスポイントから送信される信号に含まれる前記通信可能領域の大きさに対応する情報、および当該通信装置の移動速度に基づいて、当該通信装置が前記通信可能領域内に進入してから進出するまでの時間である滞在時間を演算して、当該通信装置から送信するデータの大きさまたはデータの種類、および前記滞在時間に基づいて前記データを伝送する速度を設定するように構成されてなる通信システム。
  7. 所定の通信可能領域内でデータ通信を行なう通信装置の移動速度および前記通信可能領域の大きさに基づいて、当該通信装置が前記通信可能領域内に進入してから進出するまでの時間である滞在時間を演算し、
    前記滞在時間と、当該通信装置によって送信されるデータのサイズとに基づいて前記データの伝送速度を制御することを含む通信方法。
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