JP2004127834A - X線発生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】X線高電圧装置とX線管とを高電圧ケーブルで接続し、前記X線高電圧装置の出力電圧を前記X線管に印加してX線を発生するX線発生装置において、前記高電圧ケーブルに前記X線管とX線高電圧装置とを接続する導電性の締め付けリングを設け、このリングを前記X線高電圧装置を収納する匡体に金属物にて面接続し、この面接続部を接地電位に接続する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線発生装置に関し、特にX線管とX線高電圧装置とを接続する高電圧ケーブルに前記X線高電圧装置から発生する電磁放射ノイズを低減する構造の高電圧ケーブルを用いたX線発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線を用いた画像診断装置は、X線管装置から発生したX線を被検体に照射し、該被検体を透過したX線量を検出して画像化するもので、前記X線管装置からのX線の発生には、該X線管装置のアノードとカソード間に直流の高電圧を印加し、前記カソードを高温にすることにより発生する熱電子を高電圧で加速し、これをアノードに衝突させてX線を発生させる高電圧電源が必要である。この高電圧電源はX線高電圧装置と呼ばれ、商用の単相または三相電源あるいはバッテリィを電源とし、これを直流高電圧に変換し、X線管のアノードとカソード間の電圧(以下、この電圧を管電圧と呼ぶ)を制御する機能と、フィラメント(カソード)を加熱し、これを制御してX線管に流れる電流(以下、これを管電流と呼ぶ)を制御する機能及び各種の撮影条件などを設定、表示する機能が必要である。前記X線高電圧装置は、X線管のアノードとカソード間に印加する直流高電圧を発生させる高電圧発生装置と、この直流高電圧の大きさ及び印加時間、さらに流れる電流など、X線を制御するためのX線制御装置からなる。
【0003】
このX線高電圧装置には、高電圧の発生方法により種々の方式があるが、最近の医用X線高電圧装置は性能面だけでなく、設置面積の縮減,小型軽量化に対する要求が益々強まる一方である。なかでも高電圧変圧器が装置容積に占める割合は大きく、高電圧変圧器を小型化することが装置全体の小型化にとって特に有効である。そのために前記X線高電圧装置には小型化及び性能面の点で格段に優れているインバータ式X線高電圧装置が普及し、現在では一般X線撮影装置から循環器X線撮影装置、X線CT装置等のほとんどのX線画像診断装置に用いられている。
【0004】
このインバータ式X線高電圧装置は、単相又は三相の商用電源電圧を整流して直流電圧に変換し(バッテリィによる直流電源の場合もある)、この直流電圧をインバータ回路により商用電源周波数よりも高い周波数の交流電圧に変換してこれを高電圧変圧器で昇圧し、ふたたび整流して直流の高電圧をX線管のアノードとカソード間に印加するものである。このようなインバータ式X線高電圧装置には、インバータ回路で管電圧を制御する方式により種々の方式があり、該管電圧の制御は、例えば[特許文献1]に記載されているようなインバータ回路の位相差や周波数あるいはパルス幅等を制御して行うものがある。上記インバータ式X線高電圧装置は内部に電力変換用の半導体素子を搭載しており、この半導体素子を動作させることで、管電圧、管電流、撮影時間を制御している。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−190556号公報。
【0006】
電力半導体素子は、数百ボルトの電圧、数百アンペアの電流を瞬時に遮断するため、スイッチングノイズが発生し、そのノイズは電磁放射ノイズとなる。この電磁放射ノイズが電源ケーブル、信号線、高電圧ケーブルを介して、外部へ放射されると、他の装置の電源電圧を高周波で振動させたり、画像表示器上にノイズが混入し、診断画像を乱す等の影響をあたえ、診断に支障をきたすこととなる。このため、各種電線には電磁放射ノイズが外部に放射しない方法がとられている。
【0007】
この電磁放射ノイズを低減するためには、X線高電圧装置に接続されている各種ケーブルの1つ1つに対策を施す必要がある。これらのケーブルのうち、電源ケーブルについては、コイルやコンデンサからなるノイズフィルタにより高周波ノイズの除去と接地電位への接続により対処し、信号線についてはシールド線を用いて、そのシールド部を金属物で接地電位に接続している。そして、最も電磁放射ノイズの低減が困難なX線高電圧装置の出力とX線管とを接続する高電圧ケーブルについては、高電圧ケーブル全体をシールドチューブ等で覆い、そのシールドチューブのシールドを線材にて接地電位に接続する方法をとっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、X線高電圧装置の出力とX線管とを接続する高電圧ケーブルは、高電圧整流回路で直流に変換された直流高電圧をX線管の陽極側と陰極側に供給するためのケーブルで、その被覆の耐圧はアース電位に対して75kV〜90kVにもなる。そのため、被覆を剥いで、内部のシールド部を接地電位に接続することは,絶縁破壊による装置の故障や、感電等の危険を伴うために、このような方法はとられていなかった。
【0009】
上記従来のシールドチューブによる方法は、電磁放射ノイズ低減が十分ではなく、画像表示器上にノイズが混入し、診断画像に少なからずの影響を与える場合がある。また、全長が15m〜25mにもなる高電圧ケーブルの全体にシールドチューブを巻きつけ、かつ、専用の配線用ダクトを設けて配線する必要があるため、装置のレイアウトにも制限がある、レイアウトの変更が困難である等の課題が残されていた。
以上のことより、電磁放射ノイズを低減するためには、X線高電圧装置に接続されている各種電線のうち、高電圧ケーブルについての何等かの対策が求められていた。
【0010】
そこで、本発明の目的は、X線管とX線高電圧装置とを接続する高電圧ケーブルに前記X線高電圧装置から発生する電磁放射ノイズを低減することができる高電圧ケーブルを用いたX線発生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記電磁放射ノイズを低減するためには、X線高電圧装置に接続されている各種ケーブルのシールドをノイズの発生源に最短距離かつ、面接触にて接地電位に接続すれば良い。
【0012】
この考えに基づいて上記目的は、X線高電圧装置とX線管とを高電圧ケーブルで接続し、前記X線高電圧装置の出力電圧を前記X線管に印加してX線を発生するX線発生装置において、前記高電圧ケーブルに前記X線管とX線高電圧装置とを接続する導電性の締め付けリングを設け、このリングを前記X線高電圧装置を収納する匡体に金属物にて面接続し、この面接続部を接地電位に接続することによって達成される。
【0013】
このように、高電圧ケーブルのシールドをノイズの発生源に最短距離かつ、面接触にて接地電位に接続することにより、前記X線高電圧装置から発生する電磁放射ノイズを低減することができるので、このX線発生装置を用いたX線画像診断システムは電磁放射ノイズの影響を受けないものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は本発明によるX線発生装置をCアーム型X線透視撮影装置に用いたシステムの構成例である。
【0015】
図1において、Cアーム型X線透視撮影装置は、X線高電圧装置100と、患者をのせる寝台101と、患者を透過したX線透過像を受けるフィルムや、イメージインテンシファイア(I.I.)等の受像装置102と、X線室内にてX線透過像を表示するモニター103と、X線条件の設定,X線透過像の表示、及びX線管6、受像装置102、寝台101を動作させる機能を有する操作卓104と、X線管6、受像装置102を支持する支持装置106とから構成されている。このように構成されたX線透視撮影装置は、寝台101及び支持装置106を操作して患者を撮影する部位の位置決めを行った後に、X線条件を操作卓104にて設定し、この設定されたX線条件に基づいてX線高電圧装置100から直流高電圧(管電圧)が高電圧ケーブル5を介してX線管6に印加され、該X線管6から寝台101に載置された患者に対してX線が照射される。照射されたX線は患者を透過し、受像装置102にてX線を受ける。受像装置102にて受像した透過像はモニター103、及び操作卓104上のモニターに表示される。この際、透過像の表示タイミングは、撮影の場合は撮影終了後、つまりX線照射が終了した直後で、透視の場合は透視中、つまりX線が照射されている最中である。
【0016】
次に、本発明の要部であるX線高電圧装置とX線管との接続部について説明する。
先ず、X線高電圧装置100について説明する。
【0017】
図2は上記X線透視撮影装置のX線高電圧装置100にインバータ式X線高電圧装置を用いた回路構成図で、X線高電圧装置100は,三相交流電源U、V、Wを直流に変換する6個の絶縁型バイポーラトランジスタ11、12、13、14、15、16から成る三相全波ブリッジ構成のコンバータ回路1の出力電圧(直流電圧)を4個の絶縁型バイポーラトランジスタ21、22、23、24から成る全波ブリッジ構成のインバータ回路2を用いて高周波の交流電圧に変換し、その出力電圧を高電圧変圧器3で昇圧した後、高電圧整流回路4(全波整流回路4a、4b)にて整流して直流の高電圧を高電圧ケーブル5を介してX線管6に印加してX線を放射するものである。
【0018】
前記操作卓104で設定したX線条件に対応した管電圧になるようにコンバータ回路1とインバータ回路2を制御する。コンバータ制御回路9は、コンバータ回路の出力電圧の検出値Vcと、電流検出器36で検出した検出値と、目標のコンバータ出力電圧V1とを入力し、前記コンバータ回路の出力電圧Vcが目標のコンバータ出力電圧V1と一致し、かつ交流リアクトル8に流れる電流(線電流)の位相と前記三相交流電源の相電圧の位相とが一致するようにコンバータ回路1のスイッチング素子(絶縁型バイポーラトランジスタ11、12、13、14、15、16)をオン、オフ制御する。インバータ制御回路10は、実際の管電圧を検出し、これが目標管電圧Vkvになるようにインバータ回路2のスイッチング素子(絶縁型バイポーラトランジスタ21、22、23、24)をオン、オフ制御する。管電流はX線管のフィラメント加熱回路50により目標の管電流Vmaになるように管電流出力信号S3に基づいて制御される。なお、31は電源の投入、開放を行う接触器である。
【0019】
このような構成のX線高電圧装置100とX線管6とは図3に示す構造の高電圧ケーブル5(日本工業標準調査会:医用X線装置用プラグ付高電圧ケーブル、JIS Z 4732 、日本規格協会)で接続される。
【0020】
図3において、高電圧ケーブル5の両端にはプラグ絶縁筒200が接続され、それぞれには締め付けリング201とケーブル保護筒202が設けられている。この高電圧ケーブルの片方はX線管に、もう片方はX線高電圧装置に接続され、X線管の陽極側と陰極側に1本づつ用いる。
【0021】
図4はX線用高電圧ケーブル(3極)の詳細を示す図で、(a)は断面図、(b)はプラグ部分の詳細を示す図である(日本工業標準調査会:医用X線装置用プラグ付高電圧ケーブル、JIS Z 4732 、日本規格協会)。
【0022】
3芯の電線はぞれぞれ被覆にて絶縁され、その周りには高電圧絶縁層,遮蔽層(シールド)、シースが同心円状に設けられている。
陽極側は3極を有しており、+75kV〜+90kVの直流高電圧が印加される。
陰極側は、印加される電圧が−75kV〜−90kVであるが、3極は独立しており,それぞれ、大焦点用フィラメント電流、小焦点用フィラメント電流、コモン電流が供給される。
【0023】
プラグ部分には高電圧ケーブル5が接続され、樹脂素材のプラグ絶縁筒200にて絶縁されている。プラグ絶縁筒の一端にはピンが設けられ、もう一端は高電圧ケーブルのシールドに接続された金属性の遮蔽層接続金属203と締め付けリング201が設けられている。
【0024】
図5は本発明の第1の実施例における高電圧ケーブルの締め付けリングとX線高電圧装置の匡体とを面にて接続する方法を示す図である。
図5(a)において、高電圧発生装置7には図2に示した高電圧変圧器3、高電圧整流器4及びフィラメントを加熱する加熱変圧器(図示省略)等が絶縁油に浸されたタンクに収納され、X線高電圧装置100の上部に搭載されている。前記高電圧発生装置7には、X線高電圧発生装置100の匡体への収納時に用いる釣り棒211が設けられており、上面には高電圧ケーブル5が2本挿入されている。
図5(a)に示すように、釣り棒211が設けられている高電圧発生装置7は、X線高電圧装置100の上部に搭載しており、上面には高電圧ケーブル5が2本挿入されている。
【0025】
図5(b)に示すように、シールド接続筒210は天井板204と締め付けリング201間に設けられている。プラグ絶縁筒200、遮蔽層接続金属203、締め付けリング201からなる高電圧ケーブル5は、高電圧発生装置7のタンクの壁面208上に設けられたプラグ締め付け部206を介して、高電圧発生装置7に挿入されており、締め付けリング201上のネジ209を締めることで、高電圧発生装置7に固定されている。締め付けリング201上のネジ209は、高電圧ケーブル5のシールドに接続された遮蔽層接続金属203に接触していることより、締め付けリング201は高電圧ケーブル5のシールドに接続される。電磁遮蔽効果をもつ伸縮性ガスケット207と、シールド接続筒210を天井板204と締め付けリング201間に挿入し、ネジ209にて固定することで、高電圧ケーブルのシールドと天井板204、つまりX線高電圧装置100の匡体の面に接続され、高電圧ケーブルのシールド部は積極的に接地電位に固定されたことなる。この方法により、高電圧ケーブル5からX線高電圧装置100の外部に放出される電磁放射ノイズを低減でき、画像表示器上にノイズが混入し、診断画像を乱す等の問題を解消することができる。
【0026】
釣り棒211がある場合は、高電圧発生装置7のタンクの壁面208と天井板204の間には、釣り棒211の高さ以上の空間を設けて、釣り棒211と天井板204が接触しないようにする必要があるので、シールド接続筒210の高さは、それに合わせて選ぶ必要がある。しかし、伸縮性ガスケット207を用いているので、精度は±5mm程度は許容される。
【0027】
図6は本発明の第1の実施例におけるシールド接続筒210の構造と天井板204への接続の関係を示す図で、(a)はシールド接続筒210の構造、(b)は天井板204とシールド接続筒210の固定を示す図である。
【0028】
図6(a)において、高電圧ケーブル5の外形より大きな直径をもつ金属製円筒の両端に金属製円盤が接続され、円盤にはネジ209が通る穴が設けられおり、鉛直方向に分割できる構造となっている。
図6(b)において、天井板204は高電圧ケーブル5の接続作業をやりやすくするために、2分割にしている。X線高電圧装置100内に搭載された高電圧発生装置7のタンクに高電圧ケーブル5を挿入し、締め付けリング201にて固定したあと、分割された接続筒210を高電圧ケーブル5にはめ込む。その後、2分割された天井板204と共に匡体にネジ209にて接続する。ここで2分割された天井板204はそれぞれの合わせ部が重なる形状となっており、その合わせ部分には伸縮性ガスケット207が挿入されている。
【0029】
図7は本発明の第2の実施例における高電圧ケーブルの締め付けリングとX線高電圧装置の匡体とを面にて接続する方法を示す図で、釣り棒211がない場合でる。
図7(a)に示すように、釣り棒211がない高電圧発生装置7は、X線高電圧装置100の上部に搭載しており、上面には高電圧ケーブル5が2本挿入されている。
図7(b)は天井板204と締め付けリング201との配置関係を示す図である。プラグ絶縁筒200、遮蔽層接続金属203、締め付けリング201、高電圧ケーブル5、高電圧発税装置7のタンクの壁面208上に設けられたプラグ締め付け部206、ネジ209の関係は実施例1と同様である。
【0030】
図6に示したように、2分割した天井板204には高電圧ケーブル5の外形よりも大きな直径を持つ穴が設けられている。高電圧ケーブル5を締め付けリング201にて固定したあと、2分割された天井板204と締め付けリング201の間に伸縮性ガスケット207を挿入し、匡体にネジ209にて接続する。この方法により、高電圧ケーブル5のシールドはより強固に匡体に接続され、高電圧ケーブル5からX線高電圧装置100の外部に放出される電磁放射ノイズを低減でき、画像表示器上にノイズが混入し、診断画像を乱す等の問題を解消することができる。
【0031】
図8は本発明の第3の実施例における高電圧ケーブルの締め付けリングとX線高電圧装置の匡体とを面にて接続する方法を示す図で、釣り棒211があり、かつ高電圧発生装置7の蓋212が締め付けリング201の上面より突出している場合である。
【0032】
図8(a)に示すように、釣り棒211が設けられており、かつ高電圧発生装置の蓋212が締め付けリング201の上面より突出している高電圧発生装置7は、X線高電圧装置100の上部に搭載しており、側面には高電圧ケーブル5が2本挿入されている。
【0033】
図8(b)は側面板205と締め付けリング201間に設けたシールド接続筒210の配置を示す図である。シールド接続筒210、プラグ絶縁筒200、遮蔽層接続金属203、締め付けリング201、高電圧ケーブル5、高電圧発生装置7のタンクの壁面208上に設けられたプラグ締め付け部206、ネジ209の関係は実施例1と同様である。
【0034】
高電圧発生装置7の蓋212が締め付けリング201の上面より突出している場合では、高電圧発生装置のタンクの壁面208と側面板205の間には、締め付けリング201の高さ以上の空間を設けて、蓋212と側面板205が接触しないようにする必要があるので、シールド接続筒210の高さは、それに合わせて選ぶ必要がある。しかし、伸縮性ガスケット207を用いているので、精度は±5mm程度は許容される。
この方法により、高電圧ケーブル5からX線高電圧装置100の外部に放出される電磁放射ノイズを低減でき、画像表示器上にノイズが混入し、診断画像を乱す等の問題を解消でき、かつ、高電圧ケーブル5の引き出しが任意の側面からできるので、X線高電圧装置100の全長を小さくでき、小型化が可能となる。
【0035】
図9は本発明の第4の実施例における高電圧ケーブルの締め付けリングとX線高電圧装置の匡体とを面にて接続する方法を示す図で、高電圧発生装置7の蓋212が締め付けリング201の上面より突出ていない場合である。
図9(a)に示すように、釣り棒211が設けられており、かつ高電圧発生装置7の蓋212が締め付けリング201の上面より突出ていない高電圧発生装置7は、X線高電圧装置100の上部に搭載しており、側面には高電圧ケーブル5が2本挿入されている。
図9(b)は側面板205と締め付けリング201間に設けたシールド接続筒210の配置を示す図である。プラグ絶縁筒200、遮蔽層接続金属203、締め付けリング201、高電圧ケーブル5、高電圧発生装置7のタンクの壁面208上に設けられたプラグ締め付け部206、ネジ209の関係は実施例1と同様である。
【0036】
図6に示したように、2分割した側面板205には高電圧ケーブル5の外形より大きな直径を持つ穴が設けられている。高電圧ケーブル5を締め付けリング201にて固定したあと、2分割された側面板205と締め付けリング201の間に伸縮性ガスケット207を挿入し、匡体にネジ209にて接続する。この方法により、高電圧ケーブル5のシールドはより強固に匡体に接続され、高電圧ケーブル5からX線高電圧装置100の外部に放出される電磁放射ノイズを低減でき、画像表示器上にノイズが混入し、診断画像を乱す等の問題を解消することができ、かつ、高電圧ケーブル5の引き出しが任意の側面からできるので、X線高電圧装置100の全長を小さくでき、小型化が可能となる。
【0037】
以上の実施例は、中性点接地方式(図2に示した高電圧発生装置7の接地方式)のX線高電圧装置に用いた場合であるが、本発明はこれに限定するものではなく、陽極側接地方式、及び陰極接地方式の場合に用いても同様の効果が得られる。
【0038】
また、X線画像診断装置としてCアーム型X線透視撮影装置に用いた場合について説明したが、X線高電圧発生装置の出力電圧を高電圧ケーブルを用いてX線管に印加する図1に示すX線透視撮影装置以外のX線画像診断装置及びX線CT装置にも用いて有効なことは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、X線高電圧装置とX線を照射するX線管とを接続する高電圧ケーブルのシールドをノイズの発生源に最短距離かつ,面接触に接地電位に接続することにより、前記X線高電圧装置から発生する電磁放射ノイズを低減することができるので、前記電磁放射ノイズの影響を受けない高画質の診断画像のX線画像診断装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線発生装置をCアーム型X線透視撮影装置に用いたシステムの構成例。
【図2】X線透視撮影装置のX線高電圧装置にインバータ式X線高電圧装置を用いた回路構成図。
【図3】高電圧ケーブルの構造を示す図。
【図4】高電圧ケーブル(3極)の断面,及びプラグ部分の詳細を示す図。
【図5】本発明の第1の実施例における高電圧ケーブルの締め付けリングとX線高電圧装置の匡体とを面にて接続する方法を示す図。
【図6】本発明の第1の実施例におけるシールド接続筒の構造と天井板への接続の関係を示す図。
【図7】本発明の第2の実施例における高電圧ケーブルの締め付けリングとX線高電圧装置の匡体とを面にて接続する方法を示す図。
【図8】本発明の第3の実施例における高電圧ケーブルの締め付けリングとX線高電圧装置の匡体とを面にて接続する方法を示す図。
【図9】本発明の第4の実施例における高電圧ケーブルの締め付けリングとX線高電圧装置の匡体とを面にて接続する方法を示す図。
【符号の説明】
1 コンバータ回路、2 インバータ回路、3 高電圧変圧器、4 高電圧整流回路、5 高電圧ケーブル、6 X線管、7 高電圧発生装置、8 交流リアクトル、9 コンバータ制御回路、10 インバータ制御回路、50 管電流制御回路、100 X線高電圧装置、200 プラグ絶縁筒、201 締め付けリング、202 ケーブル保護筒、203 遮蔽層接続金属、204 匡体天井板、205 匡体側面板、206 プラグ締め付け部、207 ガスケット 208 高電圧発生装置のタンク壁面 209 ネジ、210 シールド接続筒、211 釣り棒、212 高電圧発生装置の蓋
Claims (1)
- X線高電圧装置とX線管とを高電圧ケーブルで接続し、前記X線高電圧装置の出力電圧を前記X線管に印加してX線を発生するX線発生装置において、前記高電圧ケーブルに前記X線管とX線高電圧装置とを接続する導電性の締め付けリングを設け、このリングを前記X線高電圧装置を収納する匡体に金属物で面接続し、この面接続部を接地電位に接続して成るX線発生装置。
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