JP2004127108A - 業務管理システム - Google Patents
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- Y02P90/00—Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
- Y02P90/30—Computing systems specially adapted for manufacturing
Abstract
【課題】コンピュータの特性を活かしながら短時間で全体の業務を完結できるようにする独特の業務配信手段を備える業務管理システムを提供すること。
【解決手段】システムの中央処理装置は、複数の端末装置の各々の作業熟練度を記録した作業熟練度リスト、各端末装置の状態を待機中、休憩中、作業中に分けて表す端末状態リスト、処理すべき業務の管理リストをデータベースに有し、各端末装置はユーザーの操作に基づいて、端末装置の状態についての情報を状態変更の都度中央処理装置に送る。中央処理装置は、端末装置からその状態についての情報を受けると、その情報に対応して端末状態リストを更新する。中央処理装置は、端末装置から待機中である旨の状態情報を受けると、当該端末装置の作業熟練度に適合する業務を業務管理リストの中から抽出し、その業務を表す業務指示をネットワークを通じて当該端末装置に配信する。
【選択図】 図21
【解決手段】システムの中央処理装置は、複数の端末装置の各々の作業熟練度を記録した作業熟練度リスト、各端末装置の状態を待機中、休憩中、作業中に分けて表す端末状態リスト、処理すべき業務の管理リストをデータベースに有し、各端末装置はユーザーの操作に基づいて、端末装置の状態についての情報を状態変更の都度中央処理装置に送る。中央処理装置は、端末装置からその状態についての情報を受けると、その情報に対応して端末状態リストを更新する。中央処理装置は、端末装置から待機中である旨の状態情報を受けると、当該端末装置の作業熟練度に適合する業務を業務管理リストの中から抽出し、その業務を表す業務指示をネットワークを通じて当該端末装置に配信する。
【選択図】 図21
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータを使用して遂行される業務の管理システムに関する。ここで用いる業務とは、通常の製造プロセスに限らず、設計、管理その他一般の業務をすべて含む広い意味のものである。本発明は、このような業務において、端末コンピュータの作業熟練度に応じて適切に作業を配信し、業務が効率よく遂行できるようにするシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の分野においてコンピュータを使用して業務を遂行するシステムが計画され、実際に試みられている、従来のシステムは、個々の業務を個別にコンピュータにより処理する要に構築されており、全体の業務を効率よく、短時間で全体の業務を完結できるようには構築されていなかった。また、個別の業務に要する作業時間の集計や、全体の業務に要する時間の集計も、十分に満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のコンピュータを使用した業務管理システムにおける上述の問題点を解消してくコンピュータの特性を活かしながら効率よく可能な限り短時問で全休の業務を完結できるようにする独特の業務配信手段を備える業務管理システムを提供することを主たる解決すべき課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を解決するため、データベースを有する中央処理装置に複数の端末装置をネットワーク接続し、各端末装置の状態及び作業熟練度に応じて、複数のオーダーから優先度の高いものを選別し、優先度の高い順に各端末装置に割り当てる。
【0005】
以上述べた本発明の思想は、要約すると、次のようになる。すなわち、本発明は、一態様においては、データベースを有する中央処理装置と、ネットワークにより当該中央処理装置に接続された複数の端末装置と、を備え、中央処理装置は、複数の端末装置の各々の作業熟練度を記録した作業熟練度リストと、各端末装置の状態を少なくとも待機中、休憩中、作業中に分けて表す端末状態リストと、処理すべき業務の管理リストとを、データベース内に有し、複数の端末装置の各々は、ユーザーの操作に基づいて、当該端末装置の状態についての情報を状態変更の都度、中央処理装置に送るようになっており、中央処理装置では、端末装置から当該端末装置の状態についての情報を受けたとき、その情報に対応してデータベース内の端末状態リストが更新され、端末装置から待機中である旨の状態情報を受けたとき、当該端末装置の作業熟練度を調べてその作業熟練度に適合する業務が業務管理リストの中から抽出され、その業務を表す業務指示がネットワークを通じて当該端末装置へ送られるとともに、当該端末装置に関連する端末状態リストは「作業中」へと更新され、当該端末装置は、中央処理装置からの業務指示に応じて次に遂行すべき作業ステップを行い、当該作業ステップの完了後に作業結果とその後の当該端末装置の状態とを中央処理装置に送るようになったことを特徴とする業務管理システムである。
【0006】
この場合において、業務管理リストは、各々の業務について、業務の進行段階と次に遂行すべき作業ステップとに関する表示を少なくとも含むようにすることができる。また、業務指示は、当該指示に含まれる業務の進行段階と次に遂行すべき作業ステップとを表すものとすることができる。
【0007】
本発明においては、中央処理装置では、業務の優先順位に応じて、優先順位の最も高い業務を端末装置に配信することができる。また、中央処理装置は、個々の端末装置がそれぞれの業務の遂行に消費した時間を集計する手段を備えることができる。さらに、中央処理装置は、個々の端末装置における全執務時間に対する「作業中」の時間の割合を集計する手段を備えることもできる。
【0008】
さらに本発明の別の態様においては、独特の工程表が提供される。この工程表は、作業の全工程を個々の単位工程に分割し、分割された各単位工程について、着手できる時期と作業に要する標準時間とを、時間軸に沿って表示し、各々の単位工程を、作業遂行のための判断を必要とする要判断作業単位工程と、判断を伴わずに予め定められた手順で作業を単純に遂行できる単純作業単位工程に分類して、要判断作業単位工程については、工程の始まりの位置に当該工程が要判断作業単位工程であることを認識できる独特の符号を付し、工程の終了の位置に作業終了を示す終了符号を付し、単純作業単位工程については、工程の始まりの位置に当該工程が単純作業単位工程であることを認識できる独特の符号を付し、工程の終了の位置に作業終了を示す終了符号を付したことを特徴とする。また、この工程表は、最終チェックを行う最終判断工程を要判断作業単位工程とは別に含むことができ、この最終判断工程の始まりの位置に、当該工程が最終判断工程であることを認識できる独特の符号を付し、当該工程の終了の位置に作業終了を示す終了符号を付すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図について説明する。図1は、プラスチック製品の射出成形に使用される金型の設計段階を示す工程、表である。横軸は、作業のために使用される経過日数を表している。金型の製作が受注されると、オーダーシートが発行される。受注に際しては、製品設計データが、3次元デジタルデータとして発注者から供給される。この製品設計データは、金型設計に使用されるソフトウェアに対応するCADデータに変換される。これらのプロセスは、図1において、P1及びP2で示されており、いずれも判断を必一要としない単純作業である。このデータ変換が終了した時点から金型の設計が開始される。
【0010】
金型設計における最初の工程は、データ修正工程P3である。この工程P3は、データ変換後の3次元CADデータに存在し得る欠陥を調べ、修正するためのものである。データに基づいて表示される3次元画像に隙間などの面落ちがないかどうかをチェックし、欠陥があれば、手作業によりその欠陥を修正する。図2は、チェックのための3次元画像の一例を示すもので、面1にデータ不連続などの欠陥があって面1に隙間を生じており、角部に閉じていない部分が表れている。チェックのためのソフトウェアは、例えば面1に隙間などのデータ不連続があるときに、その製品全体を水色で示してデータ欠陥があることを表示し、欠陥部分すなわち角部の閉じていない部分は紫色で表示するように構成すれば、作業を行う人員にとって便利である。作業は金型設計者が行い、データ欠陥はチェック時に直ちに修正する。この作業は、判断を必要としない単純作業に分類される。
【0011】
次の工程P4は、収縮率付加工程である。プラスチック製品の射出成形において一は、樹脂材料の収縮により、最終製品の寸法は成形直後の寸法より小さくなる、金型設計においては、受注時に使用樹脂材料についての情報が発注者側から提供されており、この情報は、当該オーダーの履歴情報として格納されている。工程もP4では、先ずこの履歴情報を確認し、収縮率を読み出す。そして、樹脂材料の収縮前と収縮後の寸法が、X、Y、Zの3方向について計算される。図3Aは、工程4において使用されるコンピュータ表示画面の一例である。この例では、樹脂材料の収縮率は、0.5%である。この収縮率を付加したデータを修正データとして保存する。図3Bに修正データの画像化したものを示す。この工程4は、判断を必要としない単純作業に分類される。
【0012】
図1に基づいて説明をさらに進めるにあたり、理解を容易にするために、通常の金型の設計及び製造工程を、携帯電話機の外ケース成形用金型に関連して説明する。
【0013】
図4は、携帯電話機の表ケース1の形状を示す斜視図である。携帯電話機のケースは、図4に示す表ケース1と該表ケース1に嵌め合わされる裏ケース(図示せず)とから構成される。表ケース1及び裏ケースの形状を表す設計デジタルデータは、3次元CADにより作成される。現在広く実用化されている3次元CADとしては、CATIA、UG、Pro/E、I−DEASなどがあり、これら3次元CADのいずれもが、携帯電話機のケース設計に使用できる。図4に示すように、表ケース1は、液晶表示画面を取り付けるための窓穴2、数字ボタン及び#ボタン、*ボタンを嵌め込むための穴3、その他の操作ボタン用の穴4を表側に有する。さらに、図4には明瞭に示していないが、表ケース1の側壁部には、横方向からの開口が形成されている。裏側には、多数の突起やリブなどが形成されており、プラスチックの射出成形によりこの表ケース1を製作する場合に型抜きの邪魔になるアンダーカット部も幾つかの個所に形成される。
【0014】
図4に示す表ケース1の3次元的形状は、設計デジタルデータに基づいてコンピュータ画面上に表示できる。金型設計の準備段階として、このデジタル設計データに基づいて、紫外線硬化性樹脂に対して露光を行い、表ケース1の形を備えた光造形品を作成する。紫外線硬化樹脂により3次元設計デジタルデータに基づいて紫外線硬化性樹脂に露光を行って、光造形品を作成することは、公知であるから、ここでは、これ以上詳細な説明は省略する。本実施形態においては、表ケース1の光造形品だけでなく、裏ケースについても同様な光造形品を作成する。そして、表ケース1の光造形品と裏ケースの光造形品を嵌めあわせてみて、表ケ一ス1と裏ケースの設計データに誤りがないことを確認する。これは、製品の設計データに誤りがあるのに、その事実を気づかずに金型の設計及び製作を遂行してしまい、金型を無駄にする可能性を事前に防ぐためである。
【0015】
光造形品により、製品の設計データに誤りがないことが確認されると、金型設計の準備段階を終了する。
【0016】
金型設計の第一工程は、型割面すなわち上型と下型の分割面を決定することからなる。型割面は、製品の外形形状において最も外側に張り出している点を結ぶ線に沿って決定するのが最も一般的である。製品上の特定の点を原点oとして、図4に示すように、製品の長さ方向にx軸を、製品の幅方向にy軸を、垂直方向にz軸を定めて、型割面の通る製品外形面上の点を座標表示することにより、型割面の位置を座標で定めることができる。この型割面は、製品形状を表す画面上の表示に、例えば赤色などのように、特定の色などで型割線すなわちパーティションラインPLの候補として表示することができる、その一例を図4において一部のみ想像線で示す。
【0017】
図が分かり難くなることを避けるために、図4では、パーティションラインPLは、製品図から離れて描かれているが、実際には、コンピュータ画面上では、製品を表す立体図の上に表される。型割面を決定するためのコンピュータプログラムは、一つだけでなく複数の型割線候補を表示できるように構成してもよい。
【0018】
画面上に表示された型割線PLの候補が満足できるものである場合には、コンピュータ画面上に表示される「決定」ボタンをクリックすることにより、表示された型割線PLに沿った面が型割面と決定される。画面上に表示された型割線が満足なものではないときには、表示画而上の「次候補」ボタンをクリックすることにより第2番目の候補となる型割線が表示される。このようにして、幾つかの候補を表示させることにより、最も好ましい型割線PLを決定することができる。
【0019】
図5は、型割線決定後の上型及び下型に形成される成形面形状を示す斜視図である。図5において、製品である表ケース1が中央に示されており、その上方に上型の成形用凹部5が、下方に下型の成形面を構成する凸部6が、それぞれ示されている。上型の凹部5と下型の凸部6は、上型と下型が閉じられたとき、間に成形用キャビティを形成する。
【0020】
型割線PLが決定されると、凹部5及び凸部6の寸法形状に最適な型ブロックが自動的に決定され、表示画面上に表示される。図6は、凹部5に重ねて上型の型ブロック7が描かれた図である。図7は、凸部6に重ねて下型の型ブロック8が描かれた図である、上型、下型用の型ブロック7、8の決定は、予め用意された幾つかの異なるサイズ及び形状のブロックから最も適したサイズ及び形状のものを選ぶことによって行われる。
【0021】
製品の側壁部に穴等の型抜きの障害になる形状を持った部分があれば、その位置にはスライドコアを配置することが必要になる。図8は、スライドコアの概念を示すもので、一上型ブロック7の凹部5と下型ブロック8の凸部6との問に成形用キャビティ9が形成され、該成形用キャビティ9内に射出された溶融プラスチックが冷却硬化されて製品となる。ここで、製品の側壁に穴10を形成する場介には、矢印方向に移動可能なスライド11を配置する。該スライド11の先端には、穴成形用のコア11aを形成して、このコア11aを成形用キャビティ9内に突出させる。製品が冷却硬化した後に、上型ブロック7を上方に移動させ、スライド11を引っ込み方向に移動させることにより、製品を型から取り出すことが可能になる。
【0022】
スライドコアの一つは、図9及び図10に示す構造のスライドユニット12として構成することができる。図9において、スライドユニット12は、スライドガイド13を備えており、このスライドガイド13が下型ブロック8に固定される。スライドガイド13内に形成されたガイド溝13a内を案内されて矢印方向に摺動する可動部材14が設けられ、該可動部材14の先端にスライド11が取り外し可能に固定される。スライド11の先端には、所要形状の成形用コア11bが形成されている。さらに、スライドユニット12は、上型ブロック7に固定されるロッキングブロック15を備える。図10に明瞭に示すように、ロッキングブロック15は、下方に開口する傾斜したカム溝15aを有する。カム溝15aの傾斜方向は、下方に向けてスライド11の先端から遠ざかる方向である。可動部材14の上面には、ロッキングブロック15のカム溝15aに係合する傾斜カム従動部材14aが形成されている。
【0023】
したがって、上型ブロック7が下型ブロック8に合わされた状態では、可動部材14及びスライド11は成形用キャビティ9の方向に押し出され、スライド11の先端の成形用コア11bが成形用キャビティ9の所要位置に挿入される。また、上型ブロック7が上方向に上昇させられたとき、可動部材14及びスライド11は引っ込み方向に移動して、成形用コア11bが成形用キャビティから引っ込まれる。
【0024】
図11に、図4に示す携帯電話機用表ケース1を成形するための金型における下型ブロック8の所要位置に、スライドユニット12を配置した状態を示す。操作は、先ず所要のスライドユニット12のサイズ及びタイプを決定し、次いでコンピュータの表示画面を見ながら、カーソルを所要の位置に合わせてクリックするという、人為的操作で遂行することができる。コンピュータに組み込まれたプログラムは、スライドユニット12のサイズとタイプが決定され、位置が指定されたとき、下型ブロック8の指定位置に、スライドガイド13を嵌め込むための凹部16と、可動部材14及びスライド11が摺動するための溝17が自動的に描かれるように構成されている。金型の下型ブロック8におけるスライドコアに関する設計は、該下型ブロック8に、スライドガイド13を嵌め込むための凹部16と、可動部材14及びスライド11が摺動する溝17を描くことにより終了する。
【0025】
スライドユニット12の設計は、別の操作で行われる。スライドユニット12におけるスライドガイド13と、可動部材14、及びロッキングブロック15には、標準部品があてられる。すなわち、スライドユニットとして、サイズや形状及びタイプの異なるものを幾つか準備しておき、製品の成形に必要とされる成形用コア11bのサイズや大きさ及び位置により、最も適切なものを人為的に選定する。この選定の結果は、先に述べた金型の下型ブロック8に凹部16及び溝17を形成するのにも利用される。スライドユニット12の設計にあたっては、標準部品の中からスライドガイド13、可動部材14、及びロッキングブロック15の組み合わせを指定する。さらに、可動部材14に係合できるサイズ及び形状のスライド11用の素材を選択する。次いで、この素材の先端に、所要の形状及びサイズの成形用コア11bを形成する。成形用コア11bは、製品である表ケース1に関する設計データからの情報に基づいて、コンピュータ処理により遂行される。
【0026】
図12に、スライドユニット12を金型に組み込んだ状態を断面で示す。
【0027】
製品のアンダーカット部に対応する金型の部分には、ルーズコア又はそれに類する成形用コアが配置される。図13は、ルーズコアの一例を概略的に示す断面図である。上型ブロック7の成形用凹部5と下型ブロック8の成形用凸部6との間には、成形用キャビティ9が形成される。成形用キャビティ9内に充填される溶融プラスチックが冷却硬化されて得られる製品には、アンダーカット部18が必要となる場合がある。このアンダーカット部18は、このままでは成形後の型’抜きに際して障害となる。図13に示す構造は、その対策として採られるルーズコア20の一例である。ルーズコア20は、細長い棒状のコア部材19を備え、このコア部材19にアンダーカット部18に対応する形状の凸部19aとその周辺の成形面19bが形成される。
【0028】
下型ブロック8には、ルーズコア20に対応する位置に上方に向けて内方に傾斜するガイド面21が形成される。ルーズコア20の裏面は、下型ブロック8のガイド面21に沿って配置される。
【0029】
下型ブロック8の下方には、該下型ブロック8に対し上下方向に間隔をもって上下方向に移動可能な可動プレート22が配置されている。コア部材19は、下端がピン結合により可動プレート22に結合されている。
【0030】
図13は、金型を閉じた状態を示すものであり、成形用キャビティ9に溶融プラスチック材料が注入され、冷却硬化された後、型抜きが行われる。型抜きのために、可動プレート22には、エジェクタピン23が取り付けられる。型抜きに際しては、下型ブロック8が下方に移動させられる。この移動により、可動プレート22は下型ブロック8に対して相対的に上方に移動し、その結果、成形品がエジェクタピン23により下型ブロック8に対し上方に押し上げられ、下型ブロック8の成形用凸部6から離れる。このとき、同時にルーズコア20のコア部材19も成形品とともに下型ブロック8に対し、相対的に上方に移動する。コア部材19は、下型ブロック8のガイド面21に沿って移動するため、その凸部19aと成形面19bは成形品から離れて内方に移動し、成形品は、金型から完全に離型される。
【0031】
ルーズコア20のコア部材19の設計も、コア部材用素材として予め複数個準備された異なるサイズ及びタイプの標準品の中から最適なものを指定し、所要形状の凸部19aと成形面19bを形成することにより、達成される。凸部19aと成形面19bの設計データは、図4に示す製品形状についてのデータを基に作成することができる。
【0032】
ルーズコア20のコア部材19のサイズ及びタイプが決定され、その位置が指定されると、表示画面上の下型ブロック8には所要のガイド面21の形状が記入され、デジタル設計データとして保存される。図11において、符号24が、ルーズコア20の配置される位置を示す。
【0033】
図13に符号23により示されるエジェクタピンは、成形品の複数個所に配置する必要がある。エジェクタピン23の位置は、成形品の形状を考慮して、剛性の高い部位に配置することが好ましい。例えば、図4に示す成形品形状の場合には、エジェクタピン23は、図4に符号23で示す4ヵ所に配置する。エジェクタピン23は、図13に示すように、成形品に接する部分にフランジ23aを有する、エジェクタピン23の位置が定まると、成形品の形状から、その長さ及びフランジ23aの直径が自動的に決定される。同時に、下型ブロック8には、エジェクタピン23に対応する穴25が形成され、そのデータが、設計データとして保存される。
【0034】
金型の上型ブロック7及び下型ブロック8の設計、及び、スライドコアとルーズコアを含むインサートコアの設計が完了すると、それらの設計データに基づいて切削加工を行うための工具パスを定める数値制御データすなわちNCデータの作成が必要になる。図14及び図15は、図4に示す携帯電話機用の表ケースとは異なるが本質的には同等の製品を成形するための金型の上型ブロックを切削するための数値制御データ作成の一例を示す概念図である。図において、細線は、同じ高さの部位を表す等高線である、先ず、一点鎖線で示された最も高い部位に相当する2つの等高線26の高さまで、型ブロックの面を切削していく。この切削は、切削工具の往復パスを適切に定めることにより、行われる。数値制御データは、第1段階として、この切削工具の往復パスを定めるように作成される。次に、等高線26に隣接する等高線27の位置まで面が滑らかに連続するように切削を行い、順次隣の等高線に移って、切削を行うように、切削工具のパスが制御される。数値制御データは、このような切削工具のパスを定めるように作成されるものであり、デジタルデータの形態で保存される。
【0035】
切削加工のための数値制御データが作成されると、この数値制御データは、数値制御切削機械に送られて、このデータを基に、型ブロック及び素材の切削加工が行われる。
【0036】
図16に代表的な金型の組立状態を断面で示す。この構造は、図13に示すものとほぼ同一であるが、図16では、構成部品をさらに詳細に示している。図16の構造では、エジェクタピン23を支持する可動プレート22は、上プレート22aと下プレート22bとからなる。ルーズコア20は、コア部材19と、該コア部材19を可動プレート22に取り付ける板バネ部材19aとからなる。板一パネ部材19aの下端は、可動プレート22の上プレート22aと下プレート22bの間に挟んで保持される。ルーズコア20は、板バネ部材19aにより支持されているので、スプリングコアと呼ばれることもある。
【0037】
図16の構造では、通常のエジェクタピン23の他に、スリーブピン50が設けられる。スリーブピン50は、スリーブ50aと、該スリーブ50a内に摺動自在に配置されたセンターピン50bとを備える。スリーブ50aの上端は、下型ブロック8の成形凹部6の面よりも下方に下がった位置にある。センターピン50bは、スリーブ50aを通りぬけて上端がスリーブ50aの上端より上方に突出する。このスリーブピン50の役割は、成形品に図に示すような中空円筒状の内向き突起を形成することである。スリーブピン50aの下端は、可動プレート22の上プレート22aと下プレート22bとの間に保持される。センターピン50bの下端は、スリーブ50aの下端よりも下方に突出し、可動プレート22よりも下方に配置されたセンターピンストッパプレート51と、エジェクタ支持プレート52との問に保持される。
【0038】
図16の構造では、更に、コアピン53が設けられる。コアピン53は、下型ブロック8を下方で支持する受け板54に下端が支持されており、下型ブロック8を上方に貫通して成形用キャビティ9内を上方に延び、上端が上型ブロック7の成形用凹部5の面に接している。コアピン53は、成形品に孔を形成するためのものである。
【0039】
図16の構造では、スライドコア11は、上下に2つのコアが配置されているが、その構造は、図8から図12までを参照して先に説明したスライドコアと同一である、と考えてよい。
【0040】
再び図1に戻ると、収縮率付加工程P4に続いてレイアウト決定工程P5が実行される。この工程においては、作業担当者すなわち端末コンピュータのユーザーが、使用される金型ブロックを数種類の標準ブランクの申から選定し、その形状をコンピュータ画面に画像として表示する。そして、製品データをその金型ブロック内に配置し、ブロックの範囲内に製品が収まるかどうかをチェックする。更に、この工程において、成形用樹脂の通り道であるランナーに関し、ホットランナーを採用するか、コールドランナーを採用するかを決定する。この決定は、製品形状に基づいて行われる。
【0041】
ホットランナーが選択された場合には、ブロック内にホットランナー孔を配置する。図6に、一例として、スプルー55a、ランナー55b及びゲート55cの配置を示す。このレイアウト決定工程P5において、エジェクタピンの数、寸法及び配置も決定される。更に、上型と下型の間のパーティションラインPLすなわち型割面も決定される。このレイアウト決定工程P5は、判断が必要な要判断作業単位工程に分類される。
【0042】
レイアウト決定工程P5に続いて薄面張り工程P6が実行される。これは、製品の孔が形成される部位に薄面を張る操作を行って、表面上にデータの不連続を生じないようにするためのものである。次に、PL付加/上型・下型分割工程が実行される。この工程は、図4及び図5について説明したように、上型と下型の型割面を定め、データを上型のデータと下型のデータに分けて登録し、その後は別々に設計作業を遂行するようにするものである。工程P6とP7は、いずれも判断を必要としない単純作業単位工程に分類される。
【0043】
続く工程は、ゲート・スプルー位置決定工程P8である。この工程では、溶融樹脂を成形用キャビティ9内に射出するためのスプルー55a及びゲート55cの配置が決定される。図6に示すゲートは、サイドゲートの例である。ゲート・スプルー位置決定工程P8に続いてランナー経路及び曲がり半径決定工程P9が実行される。この工程P9では、ランナー55bの配置と形状が決定される。これらの工程P8、P9は、いずれも判断が必要な要判断作業単位工程に分類される。
【0044】
次に行われる工程は、スリーブピン位置決定工程P10である。この工程においては、図16に関連して説明したスリーブピンが必要かどうか、必要であるとすれば、どの大きさのものをどの位概に配置するかが決定される。次に、スライドコア及びルーズコアが必要かどうかを判断し、必要である場合に、その種類及び移動ストロークを決定するスライド種類・ストローク決定工程P11が実行される。工程P11が終了すると、スライドコア作成工程P12及びスプリングコア作成工程P13が順に行われる。この工程P13において、エジェクタピン23を通すためのエジェクタピン用溝の形成も行われる。これら工程においては、コアの位置及び規格は前工程で決められているので、工程P12及びP13は、いずれも判断を必要としない単純作業単位工程に分類される。コア作成工程P12、P13が終了すると、これらコアのデータは、別部品として登録される。
【0045】
続く工程として、入れ子作成工程P14が行われる。この工程P14は、例えば図16について説明したコアピン53のような成形用キャビティ9内に配置される入れ子のデータが作成され、部品登録される。
【0046】
最後に、型割チェック工程P15が行われる。この工程では、上型及び下型の各々について、設計データが適切であるかどうかが、チェックされる。この工程は、最終判断工程として、判断工程のうち、最も重要な工程に分類される。
【0047】
図1に示す工程表は、プラスチック製品の射出成形に使用される金型の設計段階を示すものであるが、工程P1からP15までに分けられた各工程に、独特の符号が付されている。すなわち、判断を必要としない単純作業単位工程は、必要な要素が揃えば、熟練者でなくとも、決められた手順通りに作業を遂行することができる、この種の工程には工程開始の時点に3角形の「GO」記号が付され、それに続いて標準作業時間に相当する長さを表す横棒が横軸すなわち時間軸に沿って記載される。そして、標準作業時間が終了する作業完了の位置には、作業完了を示す旗印が付される。この単純作業単位工程では、工程に着手する条件が整ったとき、コンピュータ画面上で、実行ボタンをクリックすることにより作業が開始され、その後は、コンピュータ画面上に現れる指示に従って操作を行うことにより、作業を遂行することができる。
【0048】
図1において、判断を必要とする要判断作業単位工程は、工程の開始位置に、要判断作業単位工程であることを示す菱形の記号が付される。この要判断作業単位工程では、従来の経験値をもとに、初めから全てを決定する作業、或いは、幾つかの選択肢から経験値をもとに最適なものを選択する作業が行われる。最終判断工程は、次工程に進めるかどうかを決定するための最終チェック工程であり、最も重要な判断を伴うものであるから、縁取りした菱形の記号が付される。
【0049】
この工程図は、このように作業内容の分類に応じて異なる符号を付して各工程を表示するので、単純作業単位工程と要判断作業単位工程の判別が容易になる。また、全体の作業内容に占める要判断作業単位工程の割合が一目で分かり、その後における工程の改良のための指針とすることができる。
【0050】
図1に示す金型設計においては、工程P1から工程P4までは単純な準備段階であり、判断は必要ではない。続くレイアウト決定工程P5からが本格的な設計作業である。前述したように、判断を必要とするレイアウト決定工程P5においては、型ブロック内における製品データの配置の他に、パーティションラインPLすなわち型割面の決定も行われる。続いて、判断を伴わない単純工程として、薄面張り工程P6と上型・下型分割工程P7が行われる。これら工程P6、P7は、判断を伴う要判断作業単位工程であるレイアウト決定工程P5の完了に引続いて、単純作業として遂行できる工程である。本発明では、このように要判断作業単位工程の完了により遂行可能となる単純作業単位工程を1つのプロセス単位と考える。すなわち、
(一又は一連の要判断単位工程)+(一又は一連の単純作業単位工程)=一プロセスである。
図17は、1つのプロセス単位を構成する工程P5、P7の連動関係を示すもので、これらの工程を連動させるには、1つの法則が必要になる。すなわち、工程P5が完了した時に、パーティションラインPLについての決定情報が出力情報として出力され、この出力情報を入力情報として必要とする工程が検索され、上型・下型分割工程P7が検出される。このように、レイアウト決定工程P5において作業完了時に出力されるパーティションラインPLについての出力情報を介してレイアウト決定工程P5と上型・下型分割工程P7が連動される。
【0051】
図18は、この連動関係を図1の工程表との関係で示すものである。レイアウト工程P5と上型・下型分割工程P7との間には、薄面張り工程P6が入る。この薄面張り工程P6では、レイアウト決定工程P5におけるパーティションラインPLについての情報は必要ではない。したがって、薄面張り工程P6は、レイアウト決定工程P5の出力情報とは関係なしに、レイアウト決定工程P5の作業完了後に実行される。
【0052】
上型・下型分割工程P7は、レイアウト決定工程P5の出力情報を入力情報として実行される。本実施形態においては、図19に示すように、上型7と下型8との間の合せ面における下型8の幅Aと上型7の幅B、及び分割一般面における余裕間隙Cを、特定の金型、例えば携帯電話機外ケースの射出成形用金型については一定の寸法に定めることにより、上型・下型分割に際しての判断作業が全く不要になる。
【0053】
上型・下型分割工程P7の作業が完了すると、上型・下型が分割されたことを示す型分割情報が出力情報として出力され、この出力情報に基づいて、上型設計プロセスAと下型設計プロセスBとが別々のプロセスとして登録され、両プロセスA、Bは、それぞれ並列的に進められるようになる。図1において、工程P8より後の工程は、上型及び下型のいずれか一方を設計するためのものであり、上型及び下型の他方の設計においても、同様な工程が行われる。
【0054】
次に、ゲート・スプルー位置決定工程P8、ランナー経路及び曲がり半径決定工程P9、スリーブピン位置決定工程P10及びスライド種類・ストローク決定工程P11という要判断作業単位工程が続く。これらの工程を1つの要判断作業単位工程として捉えると、その要判断作業単位工程に付随してスライドコア作成工程P12、スプリングコア作成工程P13、入れ子作成工程P14が続く。これら工程P8,P9,P10,P11,P12,P13,P14を併せて一プロセスとみることができる。
【0055】
ゲート・スプルー位置決定工程P8におけるゲートの設計データ作成は、例えばサイドゲートについて図20に示すように、ランナー部の幅d1、ゲート部の幅w、ゲート部の厚さt、ゲート部の傾斜の有無などを、使用する樹脂に対して予め定めておくことで、判断数を大幅に削減することができる。
【0056】
図21は、金型設計及び製作データの作成作業を管理する管理システムを概略的に示すものである。中央処理装置60には、多数の端末コンピュータ61A、61B、61C、61D、61E、61Fがネットワークを介して接続されている。中央処理装置60内には、作業管埋データベース60b及び作業熟練度管理データベース60cが設けられている。
【0057】
作業管理データベース60bには、図21に部分拡大図で示すように、複数のオーダーについての工程表62が格納されている。工程表62は、図1に示す形式のものでよい。図21に示す例では、オーダーの順に番号を付して、01型、02型、03型の工程表が準備されている。この番号は作業の優先順位を表す。また、一つの工程表の中で、個別の作業工程にも番号が付されている。この番号は、着手される順位を表すもので、時間軸の早いスタート、すなわち工程表の左側の位置を元に若い順に番号がふってある。同じ番号の工程は、いずれを先に着手してもよいことを意味する。作業が完了した工程は、その旨が、該当する工程表62に付随する業務管理リストに記録される。
【0058】
作業熟練度管理データベース60cは、各端末コンピュータ61のユーザーが遂行可能な作業工程についてのデータを記述するリスト、すなわち作業熟練度リストを格納する。例えば、端末コンピュータ61Aのユーザーの熟練度は、2工程、3工程及び4工程の作業を遂行する能力を持つが、他の工程の作業はまかせられない程度である場合には、その旨が作業熟練度管理データベースに端末コンピュータAの作業熟練度として記憶される。同様に、他の端末コンピュータについても、そのユーザーの作業熟練度がデータとして、データベース内に格納される。
【0059】
図22に、中央処理装置60と端末コンピュータ61により構築される金型設計システムの作用をフローチャートで示す。図22Aは、システムのログイン過程を示す。先ず、ユーザーは、出勤し、作業準備が整った時点で、システムインターフェースを介してログインIDを入力し、ログインボタンを押す。すると、ソフトウェアは、ログインボタンが押されたことを認識し、ユーザーのIDを確認する。正しいIDであれば、当該ユーザーの出勤登録をして、ユーザーのステータスを登録する。このユーザーのステータスは、当該ユーザーが担当する端末コンピュータの作業に関する状態を表す。中央処理装置60は、端末コンピュータの状態すなわちユーザーのステータスとして、当該ユーザーが担当する端末コンピュータのステータスを記録する端末状態リストを作業配信サーバー60a内に備える。この時点では、ユーザーのステータスは「BREAK(休憩)」であり、その旨が端末状態リストに記録されている。
【0060】
ユーザーが作業着手可能な状態であれば、ユーザーは、システムインターフェースにおいて「READY(待機中)」のボタンを押す。そこで、ソフトウェアは、待機中ボタンが押されたことを認識し、端末状態リストにおける当該ユーザーのステータスを「BREAK(休憩)」から「READY(待機中)」に変更する。次いで、ソフトウェアは、ユーザーの作業熟練度を作業熟練度管理データベースの作業熟練度リストから取得し、当該ユーザーが遂行可能な作業を作業管理データベース60bの検索により調べる。作業は、先ずオーダー(01型、02型、03型)の優先順位に基づいて選別し、次いで工程表の着手順位、すなわち番号の若い工程を当該ユーザーに最適な作業として選択する。この選択された作業は、当該ユーザーの端末コンピュータに配信され、ユーザーは、割り当てられた作業を遂行できる状態になる。次に、ソフトウェアは、作業管理データベース60bの工程表の一部として備えられた実績管理テーブルに、作業実績の書き込みを行う。これば、ユーザーが割り当てられた作業を遂行するのに要した時間を記録するためのものである。さらに、ソフトウェアは、ユーザーのステータスを「READY(待機中)」から「ACTIVE(作業中)」に変更する。中央処理装置60は、ユーザーのステータスが、「READY(待機中)」から「ACTIVE(作業中)」に変更された時刻から時間の集計を開始し、ユーザーから作業終了の通信があるまでの時間を集計する。
【0061】
図22Bは、製品データを修正するためのデータ修正プロセスを示すフローチャートである。ユーザーは、システムインターフェースを介してシステム起動ボタンを押す。これに応答して、ソフトウェアは、ソリッドチェックコマンドを持つデータ修正システムを起動させ、オーダー番号に基づいて開かれるファイル番号を取得する。ソフトウェアは、さらに、取得したファイル番号に基づいて、作業管理データベース60bの検索を行い、該当する製品の3次元モデルを開く。開かれるモデルは、例えば図2に示すようなものであり、ソリッドチェックコマンドは、ユーザーの実行操作に基づいて、面に不連続部分すなわち面落ちがあると、全体を通常とは異なる色で、さらに面落ち部分を周囲とは異なる色で表示する。例えば、正常な状態のモデルは全休が青色で表示されるが、欠陥のあるモデルは例えば全体が水色で表示され、不連続部分はさらに別の色で、例えば紫色で表示される。そこでユーザーは、不良と表示された部分の面落ち修正を行う。この面落ち修正は、問題があると表示された部分に面修正を行うことにより実行される。
【0062】
ユーザーは、面落ちが修正されたことを目視で確認したのち、システムインターフェースを介して再びソリッドチェックコマンドを実行する。欠陥が完全に修正されていれば、モデルは正常な色、例えば青色で全休が表示される。ソリッドチェックコマンドの実行により欠陥が完全に修正されたことが確認されると、ユーザーは、修正データを保存する操作を行う。ソフトウェアは、この修正データ保存操作が行われたことを認識して、修正データの保存を行う。
【0063】
次に、ユーザーは、作業の完了を示すため、送信ボタンを押す。同時に、ユーザーは、自分のステータスが「READY(待機中)」であるか、「BREAK(休憩)」であるかを中央処理装置60へ知らせる。中央処理装置内では、端末コンピュータからの送信を受けて、当該工程が完了した旨の実績が工程表の実績管理テーブルへ書き込まれる。さらに、ソフトウェアは、ユーザーが知らせてきたステータスに応じて、当該ユーザーのステータスを「READY(待機中)」又は「BREAK(休憩)」に書き替える。これで、データ修正作業が終了する。
【0064】
図22C及び図22Dは、レイアウト決定工程から上型・下型分割工程までを示すフローチャートである、先ず、ユーザーは、システムインターフェースにおいて、作業履歴(History)タブをクリックして、作業履歴(History)画面をシステムインターフェース上に表示させる。次に、画面上の収縮率確認表をダブルクリックすることにより、収縮率確認表を起動させる。ソフトウェアは、収縮率確認表がダブルクリックされたことを認識し、該当する工程の作業履歴(History)テーブルを選択してシステムインターフェース上に表示する。収縮率は、使用される樹脂に基づいて予め定められており、図に示す例では、収縮率は0.5%である。ユーザーは、この表示された収縮率を製品形状に反映させるため、その収縮率を製品データに付加する操作を行う。
【0065】
ユーザーは、システムインターフェースを介してレイアウト決定システムボタンを押すことにより、レイアウト決定システムを起動させる。ソフトウェアは、レイアウト決定システムボタンが押されたことを認識し、オーダー番号に基づいてファイルを取得し、モデルを開く。ここで開かれるモデルは、例えば図4に示すようなものであり、図6に示すように、使用する型素材ブロックとともに表示される。次に、表示されたモデルに樹脂の収縮率を付加して修正データを作成する。修正されたデータは、図3Bに示すようなものとなる。その後、パーティショシラインPLを決定する。パーティションラインPLの決定は図4について説明したものと同様の方法で行う。次いで、樹脂注入のためのランナーの形式及び樹脂注入口であるゲートの形式を決定する。この決定には、製品形状と使用する樹脂のタイプが考慮される。ランナーの形式の決定は、ホットランナーとコールドランナーのいずれを選択するかを含み、ゲートの形式の決定は、サイドゲートにするか、ダイレクトゲートにするかについての決定を含む。このようにして決定されたランナー及びゲートの形式を考慮しながら、レイアウトの決定を行う。
【0066】
図23は、ゲートの形式を示すものであり、図23Aはサイドゲートを、図23Bはダイレクトゲートを示す。図24は、製品データ5を型ブロック7内にレイアウトした状態を示す。図24において、矩形線7aは製品データのレイアウト可能範囲を示す。ランナー及びゲートの形式を考慮しながら、このレイアウト可能範囲7aに製品データをレイアウトしてゆく。
【0067】
レイアウトが決定されると、次に、スライドコアが配置できるかどうかを検討する。この検討は、特に高さ方向寸法に関し、スライドコアが無理なく配置できるかどうかについて行う。もし、スライドコアが無理なく配置できる高さ方向の余裕がなければ、製品データの配置を高さ方向に修正して、スライドコアが配置できるようにする。
【0068】
次に、例えば図16に示すルーズコアすなわちスプリングコア20が配置できるかどうかについて検討する。考慮すべき点は、受け板54に形成されるスプリングコア20のための逃げ孔54aが、同じく受け板54に形成される温度調節用媒体の通路孔と干渉しないかどうか、及び、型中心からの水平方向距離が許容範囲内にあるかどうかということである。図25にこの関係を示す。コア部材19を配置するために下型8に形成される孔19aの下端の中心から下型8の中心までの距離Lは、型の幅方向及び長さ方向に、所定の値を確保することが必要である。図25に示す携帯電話機の外ケースの例では、この距離Lは、型の幅方向に23.4mm、長さ方向に73.9mmが最低必要である。また、下型8の孔19aの下端中心と受け板54に形成される逃げ孔54aとの横方向のずれ量は、2.0mmに設定される。逃げ孔54aと温度調節用媒体の通路孔54bとの間の縁間距離は、最低1.0mmが必要である。
【0069】
以上述べた種々の要件を考慮して製品データのレイアウトを決定する。レイアウトが決定された段階で、ユーザーは、このオーダーについての作業を中断することができる、その場合には、作成したデータを保存し。自分のその後のステータスについての情報を添えて送信操作を行う。
【0070】
作業を継続する場合には、続く工程として、薄面張り工程を行う。これは、製品に形成される孔などの不連続部に薄面を張って、見かけ上は孔がない状態にするものである。図26A、Bに薄面張りの例を示す。次いで、先に決定されたパーティションラインPLに基づいて、上型・下型分割を行い、上型の設計と下型の設計を分離したプロセスで行うため、上型と下型を別部品として登録し、その後の作業は、上型と下型で並列的に進行させる。作業が終了すると、製作されたデータを保存し、自分のその後のステータスを添えて、中央処理装置への送信操作を行う。
【0071】
図22Eは、金型の製造に使用される数値制御データすなわちNCデータを作成する手順を示すフローチャートである。この作業には、工具のパスを定めるNCデータを作成するソフトウェアが使用される。そのため、図22C及び図22Dまでの段階で作成された金型製品データを工具パスNCデータ作成ソフトウェアに対応するデータに変換するためのデータ変換を行う。図22Eでは、金型製品データをKCADと表示し、NCデータをKCAMと表示する。
【0072】
ユーザーは、先ず、システムインターフェースにおいて、データ変換コマンドを選択する。データ変換コマンドが選択されると、データ変換ソフトウェアはKCADデータをKCAMデータへ変換する。変換されたKCAMデータは、作業管理データベース60b内の該当するファイル番号の下に保存される。次いで、ユーザーは、自分のステータスを中央処理装置60に送信する。中央処理装置60内では、送信ボタンが押されたことを認識して、ユーザーのステータスに応じた処理が行われる。すなわち、ステータスが「休憩(BREAK)」であれば、作業管理データベースの実績管理テーブルへ工程実績が書き込まれ、ステータスは「休憩(BREAK)」へ更新される。ユーザーのステータスが「待機中(READY)」であれば、作業管理データベースの実績管理テーブルへ工程実績が書き込まれ、ユーザーのステータスは「待機中(READY)」へと更新され、図22Aについて先に説明した手順で、当該ユーザーが遂行可能な作業が取得され、当該ユーザーへと割り当てられる。
【0073】
図22Fは、工具パスNCデータ作成におけるデータ修正工程を示すフローチャートである。ユーザーが工具パスNCデータ作成ソフトウェア起動ボタン(KCAMボタン)を押すと、ソフトウェアがその旨を認識して、KCAMソフトウェアを起動させ、該当するオーダーのファイルを開く。先ず、ユーザーは、予め定められた基準にしたがって、部品のレイアウトを行う。このレイアウトは、下型の場合は金型製品のレイアウトと同一とし、上型の場合は、金型製品のレイアウトを横軸まわりに180度回転させることによって行う。工具パスNCデータ作成ソフトウェアは、図14及び図15に示す切削加工を行うための工具パスをNCデータとして作成する。作成されたNCデータは、ユーザーの保存操作により保存される。作業を終えたユーザーは、先に述べた工程におけると同様に、自分のステータスを中央処理装置60に送信し、中央処理装置60内では、当該ユーザーのステータスが更新される。
【0074】
図27は、全プロセスの完結までの時間を概略的に示すものである。図21において、作業管理データベース60bに備えられるものとして示された工程表でみると、図27Aに太線で示す斜めの領域Rが理想的な作業遂行スケジュールである。実際には、各単位工程の着手や作業時間が予定通りに進められず、例えば図27B、図27C、図27Dに示すように歪な形になる。しかし、いずれにしても、本発明の実施形態のように、各端末コンピュータのユーザーが持つ作業熟練度を考慮して、作業の配信を優先順位に基づいて行うことにより、全体としての作業完成までの時間を短縮することができる。そして、作業の配信を端末コンピュータからの状態情報に基づいて行うので、端末コンピュータを効率よく働かせることができる。
【0075】
以上、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、実施形態として説明した特定のプロセスに限定されるものではない。すなわち、本発明は、特許請求の範囲の請求項に記載した技術思想の範囲に含まれる全ての態様をその範囲に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】金型設計のプロセスを複数の工程に分解し、その進行を時間軸に沿って示す工程表である。
【図2】金型設計におけるデータ修正工程を説明するための製品の斜視図である。
【図3】金型設計において製品データのレイアウト及び樹脂の収縮率を付加する工程を示す斜視図である。
【図4】本発明を適用して製作される金型により成形される製品の一例である携帯電話機の表ケースの斜視図である。
【図5】金型設計過程において、型割後における上型と下型の設計用凹部及び凸部を示す斜視図である。
【図6】上型のブロック決定段階を示す斜視図である。
【図7】下型のブロック決定段階を示す斜視図である。
【図8】スライドコアを概念的に示す断面図である。
【図9】スライドユニットの一例を示す斜視図である。
【図10】スライドユニットの側面図である。
【図11】下型ブロックにスライドユニットを配置した状態を示す斜視図である。
【図12】スライドユニットを取り付けた金型の断面図である。
【図13】ルーズコアすなわちスプリングコアを概念的に示す断面図である。
【図14】数値制御データの作成過程を説明するための斜視図である。
【図15】図14に示す型ブロックの平面図である。
【図16】金型の組立状態における断面図である。
【図17】複数の工程間の連動関係を示す図である。
【図18】工程間の連動関係を説明するための図である。
【図19】上型と下型の合せ状態を示す断面図である。
【図20】ゲートの規格化の一例を示す図である。
【図21】本発明の一実施形態における作業配信のシステムを示す概要図である。
【図22A】図21のシステムにおけるログイン過程を示すフローチャートである。
【図22B】データ修正過程を示すフローチャートである。
【図22C】レイアウト過程を示すフローチャートである。
【図22D】図22Cの続きのフローチャートである。
【図22E】工具パスNCデータ作成におけるデータ変換を示すフローチャートである。
【図22F】工具パスNCデータ作成におけるデータ修正を示すフローチャートである。
【図23】ゲートの形式と配置を示す平面図であって、Aはサイドゲートを、Bはダイレクトゲートを示す。
【図24】型ブロックにおける製品データの配置を示す概略的な平面図である。
【図25】ルーズコアすなわちスプリングコアのレイアウト可能範囲を示す断面図である。
【図26】その他の開口部における薄面張りを概念的に示す断面図であって、Aはボタン孔等の開口における薄面張りを、Bは段差部における開口の薄面張りを示す。
【図27】プロセスの完結までの時間を示す概略図である。
【符号の説明】
1…携帯電話機の表ケース、2…窓穴、3、4…穴、
5…上型の成形用凹部、6…下型の凸部、7…上型の型ブロック、
8…下型の型ブロック、11…スライド、11b…成形用コア、
12…スライドユニット、20…ルーズコア、
23…エジェクタピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータを使用して遂行される業務の管理システムに関する。ここで用いる業務とは、通常の製造プロセスに限らず、設計、管理その他一般の業務をすべて含む広い意味のものである。本発明は、このような業務において、端末コンピュータの作業熟練度に応じて適切に作業を配信し、業務が効率よく遂行できるようにするシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の分野においてコンピュータを使用して業務を遂行するシステムが計画され、実際に試みられている、従来のシステムは、個々の業務を個別にコンピュータにより処理する要に構築されており、全体の業務を効率よく、短時間で全体の業務を完結できるようには構築されていなかった。また、個別の業務に要する作業時間の集計や、全体の業務に要する時間の集計も、十分に満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のコンピュータを使用した業務管理システムにおける上述の問題点を解消してくコンピュータの特性を活かしながら効率よく可能な限り短時問で全休の業務を完結できるようにする独特の業務配信手段を備える業務管理システムを提供することを主たる解決すべき課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を解決するため、データベースを有する中央処理装置に複数の端末装置をネットワーク接続し、各端末装置の状態及び作業熟練度に応じて、複数のオーダーから優先度の高いものを選別し、優先度の高い順に各端末装置に割り当てる。
【0005】
以上述べた本発明の思想は、要約すると、次のようになる。すなわち、本発明は、一態様においては、データベースを有する中央処理装置と、ネットワークにより当該中央処理装置に接続された複数の端末装置と、を備え、中央処理装置は、複数の端末装置の各々の作業熟練度を記録した作業熟練度リストと、各端末装置の状態を少なくとも待機中、休憩中、作業中に分けて表す端末状態リストと、処理すべき業務の管理リストとを、データベース内に有し、複数の端末装置の各々は、ユーザーの操作に基づいて、当該端末装置の状態についての情報を状態変更の都度、中央処理装置に送るようになっており、中央処理装置では、端末装置から当該端末装置の状態についての情報を受けたとき、その情報に対応してデータベース内の端末状態リストが更新され、端末装置から待機中である旨の状態情報を受けたとき、当該端末装置の作業熟練度を調べてその作業熟練度に適合する業務が業務管理リストの中から抽出され、その業務を表す業務指示がネットワークを通じて当該端末装置へ送られるとともに、当該端末装置に関連する端末状態リストは「作業中」へと更新され、当該端末装置は、中央処理装置からの業務指示に応じて次に遂行すべき作業ステップを行い、当該作業ステップの完了後に作業結果とその後の当該端末装置の状態とを中央処理装置に送るようになったことを特徴とする業務管理システムである。
【0006】
この場合において、業務管理リストは、各々の業務について、業務の進行段階と次に遂行すべき作業ステップとに関する表示を少なくとも含むようにすることができる。また、業務指示は、当該指示に含まれる業務の進行段階と次に遂行すべき作業ステップとを表すものとすることができる。
【0007】
本発明においては、中央処理装置では、業務の優先順位に応じて、優先順位の最も高い業務を端末装置に配信することができる。また、中央処理装置は、個々の端末装置がそれぞれの業務の遂行に消費した時間を集計する手段を備えることができる。さらに、中央処理装置は、個々の端末装置における全執務時間に対する「作業中」の時間の割合を集計する手段を備えることもできる。
【0008】
さらに本発明の別の態様においては、独特の工程表が提供される。この工程表は、作業の全工程を個々の単位工程に分割し、分割された各単位工程について、着手できる時期と作業に要する標準時間とを、時間軸に沿って表示し、各々の単位工程を、作業遂行のための判断を必要とする要判断作業単位工程と、判断を伴わずに予め定められた手順で作業を単純に遂行できる単純作業単位工程に分類して、要判断作業単位工程については、工程の始まりの位置に当該工程が要判断作業単位工程であることを認識できる独特の符号を付し、工程の終了の位置に作業終了を示す終了符号を付し、単純作業単位工程については、工程の始まりの位置に当該工程が単純作業単位工程であることを認識できる独特の符号を付し、工程の終了の位置に作業終了を示す終了符号を付したことを特徴とする。また、この工程表は、最終チェックを行う最終判断工程を要判断作業単位工程とは別に含むことができ、この最終判断工程の始まりの位置に、当該工程が最終判断工程であることを認識できる独特の符号を付し、当該工程の終了の位置に作業終了を示す終了符号を付すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図について説明する。図1は、プラスチック製品の射出成形に使用される金型の設計段階を示す工程、表である。横軸は、作業のために使用される経過日数を表している。金型の製作が受注されると、オーダーシートが発行される。受注に際しては、製品設計データが、3次元デジタルデータとして発注者から供給される。この製品設計データは、金型設計に使用されるソフトウェアに対応するCADデータに変換される。これらのプロセスは、図1において、P1及びP2で示されており、いずれも判断を必一要としない単純作業である。このデータ変換が終了した時点から金型の設計が開始される。
【0010】
金型設計における最初の工程は、データ修正工程P3である。この工程P3は、データ変換後の3次元CADデータに存在し得る欠陥を調べ、修正するためのものである。データに基づいて表示される3次元画像に隙間などの面落ちがないかどうかをチェックし、欠陥があれば、手作業によりその欠陥を修正する。図2は、チェックのための3次元画像の一例を示すもので、面1にデータ不連続などの欠陥があって面1に隙間を生じており、角部に閉じていない部分が表れている。チェックのためのソフトウェアは、例えば面1に隙間などのデータ不連続があるときに、その製品全体を水色で示してデータ欠陥があることを表示し、欠陥部分すなわち角部の閉じていない部分は紫色で表示するように構成すれば、作業を行う人員にとって便利である。作業は金型設計者が行い、データ欠陥はチェック時に直ちに修正する。この作業は、判断を必要としない単純作業に分類される。
【0011】
次の工程P4は、収縮率付加工程である。プラスチック製品の射出成形において一は、樹脂材料の収縮により、最終製品の寸法は成形直後の寸法より小さくなる、金型設計においては、受注時に使用樹脂材料についての情報が発注者側から提供されており、この情報は、当該オーダーの履歴情報として格納されている。工程もP4では、先ずこの履歴情報を確認し、収縮率を読み出す。そして、樹脂材料の収縮前と収縮後の寸法が、X、Y、Zの3方向について計算される。図3Aは、工程4において使用されるコンピュータ表示画面の一例である。この例では、樹脂材料の収縮率は、0.5%である。この収縮率を付加したデータを修正データとして保存する。図3Bに修正データの画像化したものを示す。この工程4は、判断を必要としない単純作業に分類される。
【0012】
図1に基づいて説明をさらに進めるにあたり、理解を容易にするために、通常の金型の設計及び製造工程を、携帯電話機の外ケース成形用金型に関連して説明する。
【0013】
図4は、携帯電話機の表ケース1の形状を示す斜視図である。携帯電話機のケースは、図4に示す表ケース1と該表ケース1に嵌め合わされる裏ケース(図示せず)とから構成される。表ケース1及び裏ケースの形状を表す設計デジタルデータは、3次元CADにより作成される。現在広く実用化されている3次元CADとしては、CATIA、UG、Pro/E、I−DEASなどがあり、これら3次元CADのいずれもが、携帯電話機のケース設計に使用できる。図4に示すように、表ケース1は、液晶表示画面を取り付けるための窓穴2、数字ボタン及び#ボタン、*ボタンを嵌め込むための穴3、その他の操作ボタン用の穴4を表側に有する。さらに、図4には明瞭に示していないが、表ケース1の側壁部には、横方向からの開口が形成されている。裏側には、多数の突起やリブなどが形成されており、プラスチックの射出成形によりこの表ケース1を製作する場合に型抜きの邪魔になるアンダーカット部も幾つかの個所に形成される。
【0014】
図4に示す表ケース1の3次元的形状は、設計デジタルデータに基づいてコンピュータ画面上に表示できる。金型設計の準備段階として、このデジタル設計データに基づいて、紫外線硬化性樹脂に対して露光を行い、表ケース1の形を備えた光造形品を作成する。紫外線硬化樹脂により3次元設計デジタルデータに基づいて紫外線硬化性樹脂に露光を行って、光造形品を作成することは、公知であるから、ここでは、これ以上詳細な説明は省略する。本実施形態においては、表ケース1の光造形品だけでなく、裏ケースについても同様な光造形品を作成する。そして、表ケース1の光造形品と裏ケースの光造形品を嵌めあわせてみて、表ケ一ス1と裏ケースの設計データに誤りがないことを確認する。これは、製品の設計データに誤りがあるのに、その事実を気づかずに金型の設計及び製作を遂行してしまい、金型を無駄にする可能性を事前に防ぐためである。
【0015】
光造形品により、製品の設計データに誤りがないことが確認されると、金型設計の準備段階を終了する。
【0016】
金型設計の第一工程は、型割面すなわち上型と下型の分割面を決定することからなる。型割面は、製品の外形形状において最も外側に張り出している点を結ぶ線に沿って決定するのが最も一般的である。製品上の特定の点を原点oとして、図4に示すように、製品の長さ方向にx軸を、製品の幅方向にy軸を、垂直方向にz軸を定めて、型割面の通る製品外形面上の点を座標表示することにより、型割面の位置を座標で定めることができる。この型割面は、製品形状を表す画面上の表示に、例えば赤色などのように、特定の色などで型割線すなわちパーティションラインPLの候補として表示することができる、その一例を図4において一部のみ想像線で示す。
【0017】
図が分かり難くなることを避けるために、図4では、パーティションラインPLは、製品図から離れて描かれているが、実際には、コンピュータ画面上では、製品を表す立体図の上に表される。型割面を決定するためのコンピュータプログラムは、一つだけでなく複数の型割線候補を表示できるように構成してもよい。
【0018】
画面上に表示された型割線PLの候補が満足できるものである場合には、コンピュータ画面上に表示される「決定」ボタンをクリックすることにより、表示された型割線PLに沿った面が型割面と決定される。画面上に表示された型割線が満足なものではないときには、表示画而上の「次候補」ボタンをクリックすることにより第2番目の候補となる型割線が表示される。このようにして、幾つかの候補を表示させることにより、最も好ましい型割線PLを決定することができる。
【0019】
図5は、型割線決定後の上型及び下型に形成される成形面形状を示す斜視図である。図5において、製品である表ケース1が中央に示されており、その上方に上型の成形用凹部5が、下方に下型の成形面を構成する凸部6が、それぞれ示されている。上型の凹部5と下型の凸部6は、上型と下型が閉じられたとき、間に成形用キャビティを形成する。
【0020】
型割線PLが決定されると、凹部5及び凸部6の寸法形状に最適な型ブロックが自動的に決定され、表示画面上に表示される。図6は、凹部5に重ねて上型の型ブロック7が描かれた図である。図7は、凸部6に重ねて下型の型ブロック8が描かれた図である、上型、下型用の型ブロック7、8の決定は、予め用意された幾つかの異なるサイズ及び形状のブロックから最も適したサイズ及び形状のものを選ぶことによって行われる。
【0021】
製品の側壁部に穴等の型抜きの障害になる形状を持った部分があれば、その位置にはスライドコアを配置することが必要になる。図8は、スライドコアの概念を示すもので、一上型ブロック7の凹部5と下型ブロック8の凸部6との問に成形用キャビティ9が形成され、該成形用キャビティ9内に射出された溶融プラスチックが冷却硬化されて製品となる。ここで、製品の側壁に穴10を形成する場介には、矢印方向に移動可能なスライド11を配置する。該スライド11の先端には、穴成形用のコア11aを形成して、このコア11aを成形用キャビティ9内に突出させる。製品が冷却硬化した後に、上型ブロック7を上方に移動させ、スライド11を引っ込み方向に移動させることにより、製品を型から取り出すことが可能になる。
【0022】
スライドコアの一つは、図9及び図10に示す構造のスライドユニット12として構成することができる。図9において、スライドユニット12は、スライドガイド13を備えており、このスライドガイド13が下型ブロック8に固定される。スライドガイド13内に形成されたガイド溝13a内を案内されて矢印方向に摺動する可動部材14が設けられ、該可動部材14の先端にスライド11が取り外し可能に固定される。スライド11の先端には、所要形状の成形用コア11bが形成されている。さらに、スライドユニット12は、上型ブロック7に固定されるロッキングブロック15を備える。図10に明瞭に示すように、ロッキングブロック15は、下方に開口する傾斜したカム溝15aを有する。カム溝15aの傾斜方向は、下方に向けてスライド11の先端から遠ざかる方向である。可動部材14の上面には、ロッキングブロック15のカム溝15aに係合する傾斜カム従動部材14aが形成されている。
【0023】
したがって、上型ブロック7が下型ブロック8に合わされた状態では、可動部材14及びスライド11は成形用キャビティ9の方向に押し出され、スライド11の先端の成形用コア11bが成形用キャビティ9の所要位置に挿入される。また、上型ブロック7が上方向に上昇させられたとき、可動部材14及びスライド11は引っ込み方向に移動して、成形用コア11bが成形用キャビティから引っ込まれる。
【0024】
図11に、図4に示す携帯電話機用表ケース1を成形するための金型における下型ブロック8の所要位置に、スライドユニット12を配置した状態を示す。操作は、先ず所要のスライドユニット12のサイズ及びタイプを決定し、次いでコンピュータの表示画面を見ながら、カーソルを所要の位置に合わせてクリックするという、人為的操作で遂行することができる。コンピュータに組み込まれたプログラムは、スライドユニット12のサイズとタイプが決定され、位置が指定されたとき、下型ブロック8の指定位置に、スライドガイド13を嵌め込むための凹部16と、可動部材14及びスライド11が摺動するための溝17が自動的に描かれるように構成されている。金型の下型ブロック8におけるスライドコアに関する設計は、該下型ブロック8に、スライドガイド13を嵌め込むための凹部16と、可動部材14及びスライド11が摺動する溝17を描くことにより終了する。
【0025】
スライドユニット12の設計は、別の操作で行われる。スライドユニット12におけるスライドガイド13と、可動部材14、及びロッキングブロック15には、標準部品があてられる。すなわち、スライドユニットとして、サイズや形状及びタイプの異なるものを幾つか準備しておき、製品の成形に必要とされる成形用コア11bのサイズや大きさ及び位置により、最も適切なものを人為的に選定する。この選定の結果は、先に述べた金型の下型ブロック8に凹部16及び溝17を形成するのにも利用される。スライドユニット12の設計にあたっては、標準部品の中からスライドガイド13、可動部材14、及びロッキングブロック15の組み合わせを指定する。さらに、可動部材14に係合できるサイズ及び形状のスライド11用の素材を選択する。次いで、この素材の先端に、所要の形状及びサイズの成形用コア11bを形成する。成形用コア11bは、製品である表ケース1に関する設計データからの情報に基づいて、コンピュータ処理により遂行される。
【0026】
図12に、スライドユニット12を金型に組み込んだ状態を断面で示す。
【0027】
製品のアンダーカット部に対応する金型の部分には、ルーズコア又はそれに類する成形用コアが配置される。図13は、ルーズコアの一例を概略的に示す断面図である。上型ブロック7の成形用凹部5と下型ブロック8の成形用凸部6との間には、成形用キャビティ9が形成される。成形用キャビティ9内に充填される溶融プラスチックが冷却硬化されて得られる製品には、アンダーカット部18が必要となる場合がある。このアンダーカット部18は、このままでは成形後の型’抜きに際して障害となる。図13に示す構造は、その対策として採られるルーズコア20の一例である。ルーズコア20は、細長い棒状のコア部材19を備え、このコア部材19にアンダーカット部18に対応する形状の凸部19aとその周辺の成形面19bが形成される。
【0028】
下型ブロック8には、ルーズコア20に対応する位置に上方に向けて内方に傾斜するガイド面21が形成される。ルーズコア20の裏面は、下型ブロック8のガイド面21に沿って配置される。
【0029】
下型ブロック8の下方には、該下型ブロック8に対し上下方向に間隔をもって上下方向に移動可能な可動プレート22が配置されている。コア部材19は、下端がピン結合により可動プレート22に結合されている。
【0030】
図13は、金型を閉じた状態を示すものであり、成形用キャビティ9に溶融プラスチック材料が注入され、冷却硬化された後、型抜きが行われる。型抜きのために、可動プレート22には、エジェクタピン23が取り付けられる。型抜きに際しては、下型ブロック8が下方に移動させられる。この移動により、可動プレート22は下型ブロック8に対して相対的に上方に移動し、その結果、成形品がエジェクタピン23により下型ブロック8に対し上方に押し上げられ、下型ブロック8の成形用凸部6から離れる。このとき、同時にルーズコア20のコア部材19も成形品とともに下型ブロック8に対し、相対的に上方に移動する。コア部材19は、下型ブロック8のガイド面21に沿って移動するため、その凸部19aと成形面19bは成形品から離れて内方に移動し、成形品は、金型から完全に離型される。
【0031】
ルーズコア20のコア部材19の設計も、コア部材用素材として予め複数個準備された異なるサイズ及びタイプの標準品の中から最適なものを指定し、所要形状の凸部19aと成形面19bを形成することにより、達成される。凸部19aと成形面19bの設計データは、図4に示す製品形状についてのデータを基に作成することができる。
【0032】
ルーズコア20のコア部材19のサイズ及びタイプが決定され、その位置が指定されると、表示画面上の下型ブロック8には所要のガイド面21の形状が記入され、デジタル設計データとして保存される。図11において、符号24が、ルーズコア20の配置される位置を示す。
【0033】
図13に符号23により示されるエジェクタピンは、成形品の複数個所に配置する必要がある。エジェクタピン23の位置は、成形品の形状を考慮して、剛性の高い部位に配置することが好ましい。例えば、図4に示す成形品形状の場合には、エジェクタピン23は、図4に符号23で示す4ヵ所に配置する。エジェクタピン23は、図13に示すように、成形品に接する部分にフランジ23aを有する、エジェクタピン23の位置が定まると、成形品の形状から、その長さ及びフランジ23aの直径が自動的に決定される。同時に、下型ブロック8には、エジェクタピン23に対応する穴25が形成され、そのデータが、設計データとして保存される。
【0034】
金型の上型ブロック7及び下型ブロック8の設計、及び、スライドコアとルーズコアを含むインサートコアの設計が完了すると、それらの設計データに基づいて切削加工を行うための工具パスを定める数値制御データすなわちNCデータの作成が必要になる。図14及び図15は、図4に示す携帯電話機用の表ケースとは異なるが本質的には同等の製品を成形するための金型の上型ブロックを切削するための数値制御データ作成の一例を示す概念図である。図において、細線は、同じ高さの部位を表す等高線である、先ず、一点鎖線で示された最も高い部位に相当する2つの等高線26の高さまで、型ブロックの面を切削していく。この切削は、切削工具の往復パスを適切に定めることにより、行われる。数値制御データは、第1段階として、この切削工具の往復パスを定めるように作成される。次に、等高線26に隣接する等高線27の位置まで面が滑らかに連続するように切削を行い、順次隣の等高線に移って、切削を行うように、切削工具のパスが制御される。数値制御データは、このような切削工具のパスを定めるように作成されるものであり、デジタルデータの形態で保存される。
【0035】
切削加工のための数値制御データが作成されると、この数値制御データは、数値制御切削機械に送られて、このデータを基に、型ブロック及び素材の切削加工が行われる。
【0036】
図16に代表的な金型の組立状態を断面で示す。この構造は、図13に示すものとほぼ同一であるが、図16では、構成部品をさらに詳細に示している。図16の構造では、エジェクタピン23を支持する可動プレート22は、上プレート22aと下プレート22bとからなる。ルーズコア20は、コア部材19と、該コア部材19を可動プレート22に取り付ける板バネ部材19aとからなる。板一パネ部材19aの下端は、可動プレート22の上プレート22aと下プレート22bの間に挟んで保持される。ルーズコア20は、板バネ部材19aにより支持されているので、スプリングコアと呼ばれることもある。
【0037】
図16の構造では、通常のエジェクタピン23の他に、スリーブピン50が設けられる。スリーブピン50は、スリーブ50aと、該スリーブ50a内に摺動自在に配置されたセンターピン50bとを備える。スリーブ50aの上端は、下型ブロック8の成形凹部6の面よりも下方に下がった位置にある。センターピン50bは、スリーブ50aを通りぬけて上端がスリーブ50aの上端より上方に突出する。このスリーブピン50の役割は、成形品に図に示すような中空円筒状の内向き突起を形成することである。スリーブピン50aの下端は、可動プレート22の上プレート22aと下プレート22bとの間に保持される。センターピン50bの下端は、スリーブ50aの下端よりも下方に突出し、可動プレート22よりも下方に配置されたセンターピンストッパプレート51と、エジェクタ支持プレート52との問に保持される。
【0038】
図16の構造では、更に、コアピン53が設けられる。コアピン53は、下型ブロック8を下方で支持する受け板54に下端が支持されており、下型ブロック8を上方に貫通して成形用キャビティ9内を上方に延び、上端が上型ブロック7の成形用凹部5の面に接している。コアピン53は、成形品に孔を形成するためのものである。
【0039】
図16の構造では、スライドコア11は、上下に2つのコアが配置されているが、その構造は、図8から図12までを参照して先に説明したスライドコアと同一である、と考えてよい。
【0040】
再び図1に戻ると、収縮率付加工程P4に続いてレイアウト決定工程P5が実行される。この工程においては、作業担当者すなわち端末コンピュータのユーザーが、使用される金型ブロックを数種類の標準ブランクの申から選定し、その形状をコンピュータ画面に画像として表示する。そして、製品データをその金型ブロック内に配置し、ブロックの範囲内に製品が収まるかどうかをチェックする。更に、この工程において、成形用樹脂の通り道であるランナーに関し、ホットランナーを採用するか、コールドランナーを採用するかを決定する。この決定は、製品形状に基づいて行われる。
【0041】
ホットランナーが選択された場合には、ブロック内にホットランナー孔を配置する。図6に、一例として、スプルー55a、ランナー55b及びゲート55cの配置を示す。このレイアウト決定工程P5において、エジェクタピンの数、寸法及び配置も決定される。更に、上型と下型の間のパーティションラインPLすなわち型割面も決定される。このレイアウト決定工程P5は、判断が必要な要判断作業単位工程に分類される。
【0042】
レイアウト決定工程P5に続いて薄面張り工程P6が実行される。これは、製品の孔が形成される部位に薄面を張る操作を行って、表面上にデータの不連続を生じないようにするためのものである。次に、PL付加/上型・下型分割工程が実行される。この工程は、図4及び図5について説明したように、上型と下型の型割面を定め、データを上型のデータと下型のデータに分けて登録し、その後は別々に設計作業を遂行するようにするものである。工程P6とP7は、いずれも判断を必要としない単純作業単位工程に分類される。
【0043】
続く工程は、ゲート・スプルー位置決定工程P8である。この工程では、溶融樹脂を成形用キャビティ9内に射出するためのスプルー55a及びゲート55cの配置が決定される。図6に示すゲートは、サイドゲートの例である。ゲート・スプルー位置決定工程P8に続いてランナー経路及び曲がり半径決定工程P9が実行される。この工程P9では、ランナー55bの配置と形状が決定される。これらの工程P8、P9は、いずれも判断が必要な要判断作業単位工程に分類される。
【0044】
次に行われる工程は、スリーブピン位置決定工程P10である。この工程においては、図16に関連して説明したスリーブピンが必要かどうか、必要であるとすれば、どの大きさのものをどの位概に配置するかが決定される。次に、スライドコア及びルーズコアが必要かどうかを判断し、必要である場合に、その種類及び移動ストロークを決定するスライド種類・ストローク決定工程P11が実行される。工程P11が終了すると、スライドコア作成工程P12及びスプリングコア作成工程P13が順に行われる。この工程P13において、エジェクタピン23を通すためのエジェクタピン用溝の形成も行われる。これら工程においては、コアの位置及び規格は前工程で決められているので、工程P12及びP13は、いずれも判断を必要としない単純作業単位工程に分類される。コア作成工程P12、P13が終了すると、これらコアのデータは、別部品として登録される。
【0045】
続く工程として、入れ子作成工程P14が行われる。この工程P14は、例えば図16について説明したコアピン53のような成形用キャビティ9内に配置される入れ子のデータが作成され、部品登録される。
【0046】
最後に、型割チェック工程P15が行われる。この工程では、上型及び下型の各々について、設計データが適切であるかどうかが、チェックされる。この工程は、最終判断工程として、判断工程のうち、最も重要な工程に分類される。
【0047】
図1に示す工程表は、プラスチック製品の射出成形に使用される金型の設計段階を示すものであるが、工程P1からP15までに分けられた各工程に、独特の符号が付されている。すなわち、判断を必要としない単純作業単位工程は、必要な要素が揃えば、熟練者でなくとも、決められた手順通りに作業を遂行することができる、この種の工程には工程開始の時点に3角形の「GO」記号が付され、それに続いて標準作業時間に相当する長さを表す横棒が横軸すなわち時間軸に沿って記載される。そして、標準作業時間が終了する作業完了の位置には、作業完了を示す旗印が付される。この単純作業単位工程では、工程に着手する条件が整ったとき、コンピュータ画面上で、実行ボタンをクリックすることにより作業が開始され、その後は、コンピュータ画面上に現れる指示に従って操作を行うことにより、作業を遂行することができる。
【0048】
図1において、判断を必要とする要判断作業単位工程は、工程の開始位置に、要判断作業単位工程であることを示す菱形の記号が付される。この要判断作業単位工程では、従来の経験値をもとに、初めから全てを決定する作業、或いは、幾つかの選択肢から経験値をもとに最適なものを選択する作業が行われる。最終判断工程は、次工程に進めるかどうかを決定するための最終チェック工程であり、最も重要な判断を伴うものであるから、縁取りした菱形の記号が付される。
【0049】
この工程図は、このように作業内容の分類に応じて異なる符号を付して各工程を表示するので、単純作業単位工程と要判断作業単位工程の判別が容易になる。また、全体の作業内容に占める要判断作業単位工程の割合が一目で分かり、その後における工程の改良のための指針とすることができる。
【0050】
図1に示す金型設計においては、工程P1から工程P4までは単純な準備段階であり、判断は必要ではない。続くレイアウト決定工程P5からが本格的な設計作業である。前述したように、判断を必要とするレイアウト決定工程P5においては、型ブロック内における製品データの配置の他に、パーティションラインPLすなわち型割面の決定も行われる。続いて、判断を伴わない単純工程として、薄面張り工程P6と上型・下型分割工程P7が行われる。これら工程P6、P7は、判断を伴う要判断作業単位工程であるレイアウト決定工程P5の完了に引続いて、単純作業として遂行できる工程である。本発明では、このように要判断作業単位工程の完了により遂行可能となる単純作業単位工程を1つのプロセス単位と考える。すなわち、
(一又は一連の要判断単位工程)+(一又は一連の単純作業単位工程)=一プロセスである。
図17は、1つのプロセス単位を構成する工程P5、P7の連動関係を示すもので、これらの工程を連動させるには、1つの法則が必要になる。すなわち、工程P5が完了した時に、パーティションラインPLについての決定情報が出力情報として出力され、この出力情報を入力情報として必要とする工程が検索され、上型・下型分割工程P7が検出される。このように、レイアウト決定工程P5において作業完了時に出力されるパーティションラインPLについての出力情報を介してレイアウト決定工程P5と上型・下型分割工程P7が連動される。
【0051】
図18は、この連動関係を図1の工程表との関係で示すものである。レイアウト工程P5と上型・下型分割工程P7との間には、薄面張り工程P6が入る。この薄面張り工程P6では、レイアウト決定工程P5におけるパーティションラインPLについての情報は必要ではない。したがって、薄面張り工程P6は、レイアウト決定工程P5の出力情報とは関係なしに、レイアウト決定工程P5の作業完了後に実行される。
【0052】
上型・下型分割工程P7は、レイアウト決定工程P5の出力情報を入力情報として実行される。本実施形態においては、図19に示すように、上型7と下型8との間の合せ面における下型8の幅Aと上型7の幅B、及び分割一般面における余裕間隙Cを、特定の金型、例えば携帯電話機外ケースの射出成形用金型については一定の寸法に定めることにより、上型・下型分割に際しての判断作業が全く不要になる。
【0053】
上型・下型分割工程P7の作業が完了すると、上型・下型が分割されたことを示す型分割情報が出力情報として出力され、この出力情報に基づいて、上型設計プロセスAと下型設計プロセスBとが別々のプロセスとして登録され、両プロセスA、Bは、それぞれ並列的に進められるようになる。図1において、工程P8より後の工程は、上型及び下型のいずれか一方を設計するためのものであり、上型及び下型の他方の設計においても、同様な工程が行われる。
【0054】
次に、ゲート・スプルー位置決定工程P8、ランナー経路及び曲がり半径決定工程P9、スリーブピン位置決定工程P10及びスライド種類・ストローク決定工程P11という要判断作業単位工程が続く。これらの工程を1つの要判断作業単位工程として捉えると、その要判断作業単位工程に付随してスライドコア作成工程P12、スプリングコア作成工程P13、入れ子作成工程P14が続く。これら工程P8,P9,P10,P11,P12,P13,P14を併せて一プロセスとみることができる。
【0055】
ゲート・スプルー位置決定工程P8におけるゲートの設計データ作成は、例えばサイドゲートについて図20に示すように、ランナー部の幅d1、ゲート部の幅w、ゲート部の厚さt、ゲート部の傾斜の有無などを、使用する樹脂に対して予め定めておくことで、判断数を大幅に削減することができる。
【0056】
図21は、金型設計及び製作データの作成作業を管理する管理システムを概略的に示すものである。中央処理装置60には、多数の端末コンピュータ61A、61B、61C、61D、61E、61Fがネットワークを介して接続されている。中央処理装置60内には、作業管埋データベース60b及び作業熟練度管理データベース60cが設けられている。
【0057】
作業管理データベース60bには、図21に部分拡大図で示すように、複数のオーダーについての工程表62が格納されている。工程表62は、図1に示す形式のものでよい。図21に示す例では、オーダーの順に番号を付して、01型、02型、03型の工程表が準備されている。この番号は作業の優先順位を表す。また、一つの工程表の中で、個別の作業工程にも番号が付されている。この番号は、着手される順位を表すもので、時間軸の早いスタート、すなわち工程表の左側の位置を元に若い順に番号がふってある。同じ番号の工程は、いずれを先に着手してもよいことを意味する。作業が完了した工程は、その旨が、該当する工程表62に付随する業務管理リストに記録される。
【0058】
作業熟練度管理データベース60cは、各端末コンピュータ61のユーザーが遂行可能な作業工程についてのデータを記述するリスト、すなわち作業熟練度リストを格納する。例えば、端末コンピュータ61Aのユーザーの熟練度は、2工程、3工程及び4工程の作業を遂行する能力を持つが、他の工程の作業はまかせられない程度である場合には、その旨が作業熟練度管理データベースに端末コンピュータAの作業熟練度として記憶される。同様に、他の端末コンピュータについても、そのユーザーの作業熟練度がデータとして、データベース内に格納される。
【0059】
図22に、中央処理装置60と端末コンピュータ61により構築される金型設計システムの作用をフローチャートで示す。図22Aは、システムのログイン過程を示す。先ず、ユーザーは、出勤し、作業準備が整った時点で、システムインターフェースを介してログインIDを入力し、ログインボタンを押す。すると、ソフトウェアは、ログインボタンが押されたことを認識し、ユーザーのIDを確認する。正しいIDであれば、当該ユーザーの出勤登録をして、ユーザーのステータスを登録する。このユーザーのステータスは、当該ユーザーが担当する端末コンピュータの作業に関する状態を表す。中央処理装置60は、端末コンピュータの状態すなわちユーザーのステータスとして、当該ユーザーが担当する端末コンピュータのステータスを記録する端末状態リストを作業配信サーバー60a内に備える。この時点では、ユーザーのステータスは「BREAK(休憩)」であり、その旨が端末状態リストに記録されている。
【0060】
ユーザーが作業着手可能な状態であれば、ユーザーは、システムインターフェースにおいて「READY(待機中)」のボタンを押す。そこで、ソフトウェアは、待機中ボタンが押されたことを認識し、端末状態リストにおける当該ユーザーのステータスを「BREAK(休憩)」から「READY(待機中)」に変更する。次いで、ソフトウェアは、ユーザーの作業熟練度を作業熟練度管理データベースの作業熟練度リストから取得し、当該ユーザーが遂行可能な作業を作業管理データベース60bの検索により調べる。作業は、先ずオーダー(01型、02型、03型)の優先順位に基づいて選別し、次いで工程表の着手順位、すなわち番号の若い工程を当該ユーザーに最適な作業として選択する。この選択された作業は、当該ユーザーの端末コンピュータに配信され、ユーザーは、割り当てられた作業を遂行できる状態になる。次に、ソフトウェアは、作業管理データベース60bの工程表の一部として備えられた実績管理テーブルに、作業実績の書き込みを行う。これば、ユーザーが割り当てられた作業を遂行するのに要した時間を記録するためのものである。さらに、ソフトウェアは、ユーザーのステータスを「READY(待機中)」から「ACTIVE(作業中)」に変更する。中央処理装置60は、ユーザーのステータスが、「READY(待機中)」から「ACTIVE(作業中)」に変更された時刻から時間の集計を開始し、ユーザーから作業終了の通信があるまでの時間を集計する。
【0061】
図22Bは、製品データを修正するためのデータ修正プロセスを示すフローチャートである。ユーザーは、システムインターフェースを介してシステム起動ボタンを押す。これに応答して、ソフトウェアは、ソリッドチェックコマンドを持つデータ修正システムを起動させ、オーダー番号に基づいて開かれるファイル番号を取得する。ソフトウェアは、さらに、取得したファイル番号に基づいて、作業管理データベース60bの検索を行い、該当する製品の3次元モデルを開く。開かれるモデルは、例えば図2に示すようなものであり、ソリッドチェックコマンドは、ユーザーの実行操作に基づいて、面に不連続部分すなわち面落ちがあると、全体を通常とは異なる色で、さらに面落ち部分を周囲とは異なる色で表示する。例えば、正常な状態のモデルは全休が青色で表示されるが、欠陥のあるモデルは例えば全体が水色で表示され、不連続部分はさらに別の色で、例えば紫色で表示される。そこでユーザーは、不良と表示された部分の面落ち修正を行う。この面落ち修正は、問題があると表示された部分に面修正を行うことにより実行される。
【0062】
ユーザーは、面落ちが修正されたことを目視で確認したのち、システムインターフェースを介して再びソリッドチェックコマンドを実行する。欠陥が完全に修正されていれば、モデルは正常な色、例えば青色で全休が表示される。ソリッドチェックコマンドの実行により欠陥が完全に修正されたことが確認されると、ユーザーは、修正データを保存する操作を行う。ソフトウェアは、この修正データ保存操作が行われたことを認識して、修正データの保存を行う。
【0063】
次に、ユーザーは、作業の完了を示すため、送信ボタンを押す。同時に、ユーザーは、自分のステータスが「READY(待機中)」であるか、「BREAK(休憩)」であるかを中央処理装置60へ知らせる。中央処理装置内では、端末コンピュータからの送信を受けて、当該工程が完了した旨の実績が工程表の実績管理テーブルへ書き込まれる。さらに、ソフトウェアは、ユーザーが知らせてきたステータスに応じて、当該ユーザーのステータスを「READY(待機中)」又は「BREAK(休憩)」に書き替える。これで、データ修正作業が終了する。
【0064】
図22C及び図22Dは、レイアウト決定工程から上型・下型分割工程までを示すフローチャートである、先ず、ユーザーは、システムインターフェースにおいて、作業履歴(History)タブをクリックして、作業履歴(History)画面をシステムインターフェース上に表示させる。次に、画面上の収縮率確認表をダブルクリックすることにより、収縮率確認表を起動させる。ソフトウェアは、収縮率確認表がダブルクリックされたことを認識し、該当する工程の作業履歴(History)テーブルを選択してシステムインターフェース上に表示する。収縮率は、使用される樹脂に基づいて予め定められており、図に示す例では、収縮率は0.5%である。ユーザーは、この表示された収縮率を製品形状に反映させるため、その収縮率を製品データに付加する操作を行う。
【0065】
ユーザーは、システムインターフェースを介してレイアウト決定システムボタンを押すことにより、レイアウト決定システムを起動させる。ソフトウェアは、レイアウト決定システムボタンが押されたことを認識し、オーダー番号に基づいてファイルを取得し、モデルを開く。ここで開かれるモデルは、例えば図4に示すようなものであり、図6に示すように、使用する型素材ブロックとともに表示される。次に、表示されたモデルに樹脂の収縮率を付加して修正データを作成する。修正されたデータは、図3Bに示すようなものとなる。その後、パーティショシラインPLを決定する。パーティションラインPLの決定は図4について説明したものと同様の方法で行う。次いで、樹脂注入のためのランナーの形式及び樹脂注入口であるゲートの形式を決定する。この決定には、製品形状と使用する樹脂のタイプが考慮される。ランナーの形式の決定は、ホットランナーとコールドランナーのいずれを選択するかを含み、ゲートの形式の決定は、サイドゲートにするか、ダイレクトゲートにするかについての決定を含む。このようにして決定されたランナー及びゲートの形式を考慮しながら、レイアウトの決定を行う。
【0066】
図23は、ゲートの形式を示すものであり、図23Aはサイドゲートを、図23Bはダイレクトゲートを示す。図24は、製品データ5を型ブロック7内にレイアウトした状態を示す。図24において、矩形線7aは製品データのレイアウト可能範囲を示す。ランナー及びゲートの形式を考慮しながら、このレイアウト可能範囲7aに製品データをレイアウトしてゆく。
【0067】
レイアウトが決定されると、次に、スライドコアが配置できるかどうかを検討する。この検討は、特に高さ方向寸法に関し、スライドコアが無理なく配置できるかどうかについて行う。もし、スライドコアが無理なく配置できる高さ方向の余裕がなければ、製品データの配置を高さ方向に修正して、スライドコアが配置できるようにする。
【0068】
次に、例えば図16に示すルーズコアすなわちスプリングコア20が配置できるかどうかについて検討する。考慮すべき点は、受け板54に形成されるスプリングコア20のための逃げ孔54aが、同じく受け板54に形成される温度調節用媒体の通路孔と干渉しないかどうか、及び、型中心からの水平方向距離が許容範囲内にあるかどうかということである。図25にこの関係を示す。コア部材19を配置するために下型8に形成される孔19aの下端の中心から下型8の中心までの距離Lは、型の幅方向及び長さ方向に、所定の値を確保することが必要である。図25に示す携帯電話機の外ケースの例では、この距離Lは、型の幅方向に23.4mm、長さ方向に73.9mmが最低必要である。また、下型8の孔19aの下端中心と受け板54に形成される逃げ孔54aとの横方向のずれ量は、2.0mmに設定される。逃げ孔54aと温度調節用媒体の通路孔54bとの間の縁間距離は、最低1.0mmが必要である。
【0069】
以上述べた種々の要件を考慮して製品データのレイアウトを決定する。レイアウトが決定された段階で、ユーザーは、このオーダーについての作業を中断することができる、その場合には、作成したデータを保存し。自分のその後のステータスについての情報を添えて送信操作を行う。
【0070】
作業を継続する場合には、続く工程として、薄面張り工程を行う。これは、製品に形成される孔などの不連続部に薄面を張って、見かけ上は孔がない状態にするものである。図26A、Bに薄面張りの例を示す。次いで、先に決定されたパーティションラインPLに基づいて、上型・下型分割を行い、上型の設計と下型の設計を分離したプロセスで行うため、上型と下型を別部品として登録し、その後の作業は、上型と下型で並列的に進行させる。作業が終了すると、製作されたデータを保存し、自分のその後のステータスを添えて、中央処理装置への送信操作を行う。
【0071】
図22Eは、金型の製造に使用される数値制御データすなわちNCデータを作成する手順を示すフローチャートである。この作業には、工具のパスを定めるNCデータを作成するソフトウェアが使用される。そのため、図22C及び図22Dまでの段階で作成された金型製品データを工具パスNCデータ作成ソフトウェアに対応するデータに変換するためのデータ変換を行う。図22Eでは、金型製品データをKCADと表示し、NCデータをKCAMと表示する。
【0072】
ユーザーは、先ず、システムインターフェースにおいて、データ変換コマンドを選択する。データ変換コマンドが選択されると、データ変換ソフトウェアはKCADデータをKCAMデータへ変換する。変換されたKCAMデータは、作業管理データベース60b内の該当するファイル番号の下に保存される。次いで、ユーザーは、自分のステータスを中央処理装置60に送信する。中央処理装置60内では、送信ボタンが押されたことを認識して、ユーザーのステータスに応じた処理が行われる。すなわち、ステータスが「休憩(BREAK)」であれば、作業管理データベースの実績管理テーブルへ工程実績が書き込まれ、ステータスは「休憩(BREAK)」へ更新される。ユーザーのステータスが「待機中(READY)」であれば、作業管理データベースの実績管理テーブルへ工程実績が書き込まれ、ユーザーのステータスは「待機中(READY)」へと更新され、図22Aについて先に説明した手順で、当該ユーザーが遂行可能な作業が取得され、当該ユーザーへと割り当てられる。
【0073】
図22Fは、工具パスNCデータ作成におけるデータ修正工程を示すフローチャートである。ユーザーが工具パスNCデータ作成ソフトウェア起動ボタン(KCAMボタン)を押すと、ソフトウェアがその旨を認識して、KCAMソフトウェアを起動させ、該当するオーダーのファイルを開く。先ず、ユーザーは、予め定められた基準にしたがって、部品のレイアウトを行う。このレイアウトは、下型の場合は金型製品のレイアウトと同一とし、上型の場合は、金型製品のレイアウトを横軸まわりに180度回転させることによって行う。工具パスNCデータ作成ソフトウェアは、図14及び図15に示す切削加工を行うための工具パスをNCデータとして作成する。作成されたNCデータは、ユーザーの保存操作により保存される。作業を終えたユーザーは、先に述べた工程におけると同様に、自分のステータスを中央処理装置60に送信し、中央処理装置60内では、当該ユーザーのステータスが更新される。
【0074】
図27は、全プロセスの完結までの時間を概略的に示すものである。図21において、作業管理データベース60bに備えられるものとして示された工程表でみると、図27Aに太線で示す斜めの領域Rが理想的な作業遂行スケジュールである。実際には、各単位工程の着手や作業時間が予定通りに進められず、例えば図27B、図27C、図27Dに示すように歪な形になる。しかし、いずれにしても、本発明の実施形態のように、各端末コンピュータのユーザーが持つ作業熟練度を考慮して、作業の配信を優先順位に基づいて行うことにより、全体としての作業完成までの時間を短縮することができる。そして、作業の配信を端末コンピュータからの状態情報に基づいて行うので、端末コンピュータを効率よく働かせることができる。
【0075】
以上、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、実施形態として説明した特定のプロセスに限定されるものではない。すなわち、本発明は、特許請求の範囲の請求項に記載した技術思想の範囲に含まれる全ての態様をその範囲に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】金型設計のプロセスを複数の工程に分解し、その進行を時間軸に沿って示す工程表である。
【図2】金型設計におけるデータ修正工程を説明するための製品の斜視図である。
【図3】金型設計において製品データのレイアウト及び樹脂の収縮率を付加する工程を示す斜視図である。
【図4】本発明を適用して製作される金型により成形される製品の一例である携帯電話機の表ケースの斜視図である。
【図5】金型設計過程において、型割後における上型と下型の設計用凹部及び凸部を示す斜視図である。
【図6】上型のブロック決定段階を示す斜視図である。
【図7】下型のブロック決定段階を示す斜視図である。
【図8】スライドコアを概念的に示す断面図である。
【図9】スライドユニットの一例を示す斜視図である。
【図10】スライドユニットの側面図である。
【図11】下型ブロックにスライドユニットを配置した状態を示す斜視図である。
【図12】スライドユニットを取り付けた金型の断面図である。
【図13】ルーズコアすなわちスプリングコアを概念的に示す断面図である。
【図14】数値制御データの作成過程を説明するための斜視図である。
【図15】図14に示す型ブロックの平面図である。
【図16】金型の組立状態における断面図である。
【図17】複数の工程間の連動関係を示す図である。
【図18】工程間の連動関係を説明するための図である。
【図19】上型と下型の合せ状態を示す断面図である。
【図20】ゲートの規格化の一例を示す図である。
【図21】本発明の一実施形態における作業配信のシステムを示す概要図である。
【図22A】図21のシステムにおけるログイン過程を示すフローチャートである。
【図22B】データ修正過程を示すフローチャートである。
【図22C】レイアウト過程を示すフローチャートである。
【図22D】図22Cの続きのフローチャートである。
【図22E】工具パスNCデータ作成におけるデータ変換を示すフローチャートである。
【図22F】工具パスNCデータ作成におけるデータ修正を示すフローチャートである。
【図23】ゲートの形式と配置を示す平面図であって、Aはサイドゲートを、Bはダイレクトゲートを示す。
【図24】型ブロックにおける製品データの配置を示す概略的な平面図である。
【図25】ルーズコアすなわちスプリングコアのレイアウト可能範囲を示す断面図である。
【図26】その他の開口部における薄面張りを概念的に示す断面図であって、Aはボタン孔等の開口における薄面張りを、Bは段差部における開口の薄面張りを示す。
【図27】プロセスの完結までの時間を示す概略図である。
【符号の説明】
1…携帯電話機の表ケース、2…窓穴、3、4…穴、
5…上型の成形用凹部、6…下型の凸部、7…上型の型ブロック、
8…下型の型ブロック、11…スライド、11b…成形用コア、
12…スライドユニット、20…ルーズコア、
23…エジェクタピン
Claims (10)
- データベースを有する中央処理装置と、
ネットワークにより前記中央処理装置に接続された複数の端末装置と、
を備え、
前記中央処理装置は、前記複数の端末装置の各々の作業熟練度を記録した作業熟練度リストと、各端末装置の状態を、少なくとも待機中、休憩中、作業中に分けて表す端末状態リストと、処理すべき業務の管理リストとを前記データベース内に有し、
前記複数の端末装置の各々は、ユーザーの操作に基づいて、当該端末装置の状態についての情報を、状態変更の都度、前記中央処理装置に送るようになっており、
中央処理装置内では、前記端末装置から当該端未装置の状態についての情報を受けたときに、その情報に対応して前記データベース内の前記端末状態リストが更新され、
端末装置から待機中である旨の状態情報を受けたときには、当該端末装置の作業熟練度を調べてその作業熟練度に適合する業務が前記業務管理リストの中から抽出され、その業務を表す業務指示が前記ネットワークを通じて当該端末装置へ送られるとともに、当該端末装置に関連する端末状態リストは「作業中」へと更新され、
当該端末装置は、前記中央処理装置からの業務指示に応じて次に遂行すべき作業ステップを行い、当該作業ステップの完了後に作業結果とその後の当該端末装置の状態とを前記中央処理装置に送る、
ようになったことを特徴とする業務管理システム。 - 請求項1に記載した業務管理システムであって、前記業務管理リストは、各々の業務について、当該業務の進行段階と次に遂行すべき作業ステップとに関する表示を少なくとも含むことを特徴とする業務管理システム。
- 請求項2に記載した業務管理システムであって、前記業務指示は、当該指示に含まれる業務の進行段階と次に遂行すべき作業ステップとを表すものであることを特徴とするシステム。
- 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載したシステムであって、前記中央処理装置は、業務の優先順位に応じて優先順位の最も高い業務を前記端末に送ることを特徴とするシステム。
- 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載した業務管理システムであって、前記中央処理装置は、個々の端末装置がそれぞれの業務の遂行に消費した時間を集計する手段を備えることを特徴とする作業管理システム。
- 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載した業務管理システムであって、前記中央処理装置は、個々の端末装置における全執務時間に対する「作業中」の時間の割合を集計する手段を備えることを特徴とする業務管理システム。
- データベースを有する中央処理装置と、
ネットワークにより前記中央処理装置に接続された複数の端末装置と、
を備え、
前記中央処理装置は、前記複数の端末装置の各々の作業熟練度を記録した作業熟練度リストと、各端末装置の状態を、少なくとも待機中、休憩中、作業中に分けて表す端末状態リストと、処理すべき業務の管理リストとを前記データベース内に有し、
前記業務の管理リストは、複数のオーダーについての個別の工程表を含み、この工程表は、個々のオーダーにおいて必要とされる単位工程に関し、着手の優先順位と予定所要時間を時間軸に沿って記述するものであり、
前記複数の端末装置の各々は、ユーザーの操作に基づいて、当該端末装置の状態についての情報を、状態変更の都度、前記中央処理装置に送るようになっており、
前記中央処理装置では、前記端末装置から当該端末装置の状態についての情報を受けたとき、その情報に対応して前記データベース内の前記端末状態リストが更新され、
端末装置から待機中である旨の状態情報を受けたとき、当該端末装置の作業熟練度を調べ、その作業熟練度に適合する単位工程が前記業務管理リストの前記工程表の中から抽出され、その単位工程を表す業務指示が前記ネットワークを通じて当該端末装置へ配信されるとともに、当該端末装置に関連する端末状態リストが「作業中」へと更新され、
当該端末装置は、前記中央処理装置からの業務指示に応じて次に遂行すべき単位工程の作業ステップを行い、当該作業ステップの完了後に作業結果とその後の当該端末装置の状態とを前記中央処理装置に送る、
ようになったことを特徴とする業務管理システム。 - 請求項7に記載した業務管理システムであって、前記中央処理装置では、複数の工程表の中から優先度の高いオーダーについての工程表の中から当該端末装置の作業熟練度に適合したものが選択され、抽出されるようになったことを特徴とする業務管理システム。
- 作業の全工程を個々の単位工程に分割し、分割された各単位工程について、着手できる時期と作業に要する標準時間とを、時間軸に沿って表示し、各々の単位工程を、作業遂行のための判断を必要とする要判断作業単位工程と、判断を伴わずに予め定められた手順で作業を単純に遂行できる単純作業単位工程に分類して、前記要判断作業単位工程については、工程の始まりの位置に当該工程が要判断作業単位工程であることを認識できる独特の符号を付し、工程の終了の位置に作業終了を示す終了符号を付し、前記単純作業単位工程については、工程の始まりの位置に当該工程が単純作業単位工程であることを認識できる独特の符号を付し、工程の終了の位置に作業終了を示す終了符号を付したことを特徴とする工程表。
- 請求項9に記載した工程表であって、さらに最終チェックを行う最終判断工程があり、この最終判断工程の始まりの位置に、当該工程が最終判断工程であることを認識できる独特の符号を付し、当該工程の終了の位置に作業終了を示す終了符号を付したことを特徴とする工程表。
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JP6664564B1 (ja) * | 2019-02-06 | 2020-03-13 | 三菱電機株式会社 | 情報技術活用評価装置、情報技術活用評価システムおよび情報技術活用評価方法 |
KR102397747B1 (ko) * | 2021-11-15 | 2022-05-13 | 주식회사 피앤피소프트 | 투두리스트 상에서의 업무 수행 기능이 구현되는 인터페이스 제공 방법 및 컴퓨터-판독가능 매체 |
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2002
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