JP2004126235A - 写真プリントシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】天井の照明装置に代わる照明装置を簡便な構成で備える。
【解決手段】写真プリントシステム10は、利用者13a・13bの撮影を行う撮影装置12と、撮影空間16内を照明する照明装置14と、撮影に基づいて画像を作成してプリント紙に出力する画像出力装置41とを備えている。撮影装置12および照明装置14は、本体装置11に配備されている。さらに、本体装置11には、近辺の撮影空間16への光の拡散を抑え、かつ遠方の撮影空間16を照射する指向性照明装置17が配備される。
【選択図】 図1
【解決手段】写真プリントシステム10は、利用者13a・13bの撮影を行う撮影装置12と、撮影空間16内を照明する照明装置14と、撮影に基づいて画像を作成してプリント紙に出力する画像出力装置41とを備えている。撮影装置12および照明装置14は、本体装置11に配備されている。さらに、本体装置11には、近辺の撮影空間16への光の拡散を抑え、かつ遠方の撮影空間16を照射する指向性照明装置17が配備される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体を撮影するとともに、該撮影により取得された画像に基づき、所望の場合には該画像に編集処理を施した上で、シール紙などのプリント紙にプリント出力する写真プリントシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばゲームセンターなどの娯楽施設において、利用者の撮影を行うとともに、その撮影によって取得された撮影画像に対して、背景画像などと合成した上でシールプリントとして出力する写真シール自動販売機が設置されており、人気を博している。
【0003】
一般に、上記写真シール自動販売機は、周囲を遮光カーテンなどで仕切られた撮影空間内で利用者の撮影が行われる。上記撮影空間の一端には、本体装置が配備され、該本体装置には、被写体である利用者を撮影する撮影装置が配備される。また、本体装置には、撮影に必要な量の光を利用者に照射するフラッシュランプなどの照明装置が、撮影装置の付近に配備される。
【0004】
ところで、写真シール自動販売機は、証明写真自動販売機とは異なり、複数の利用者が撮影空間内の様々な位置に立ち、様々なポーズを取って撮影が行われる。このため、照明装置から利用者までの距離が異なる場合があり、この場合、上記距離の異なる利用者どうしでは、照明装置から照射される光量が異なるため、明るさの異なる撮影結果が得られることになる。
【0005】
これを回避するため、撮影空間の天井部分に照明装置を配備した写真シール自動販売機が知られており、例えば、実用新案登録第3082547号公報に開示されている。
【0006】
図12は、撮影空間の天井部分に照明装置を配備した従来の写真プリントシステム90の概略構成を示している。従来の写真プリントシステム90には、利用者93a・93bを被写体として撮影する撮影装置92と、利用者93a・93bを照明する照明装置94とを備える本体装置91が配備される。また、本体装置91の撮影装置92と対向する空間は、外部からの光を遮断する遮光幕95によって覆われ、これにより撮影空間96が形成される。
【0007】
さらに、上記写真プリントシステム90には、撮影空間96において照明装置94からの距離が遠い領域に位置する利用者93bに十分な光量を与えるために天井部分に天井照明装置97が配備されている。これにより、上記距離が遠い領域に位置する利用者93bに照射される光量と、上記距離が近い領域に位置する利用者93aに照射される光量が同程度となるので、各利用者93a・93bの明るさが同程度である撮影結果を得ることができる。
【0008】
【特許文献1】
実用新案登録第3082547号公報(発行日2001年12月14日)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
撮影空間の様々な場所に位置する利用者に均一な光を照射するには、点光源や線光源からの光を十分拡散させる必要がある。このため、照明装置94・97は、光源の他に反射板や拡散板などを配備する必要がある。特に、天井照明装置97の場合、利用者までの距離が近いため、利用者に一様な光量を照射するには、天井照明装置に利用される光源、反射板、拡散板などの構成の寸法を大きくする必要があるため機械構造が大きくなる。
【0010】
このような照明装置を天井部分に配備することは、天井のスペースを増大したり、天井照明装置97を支持する支持部材98を配備したりする必要があり、写真プリントシステム90が大型化することになる。また、天井部分に大きな重量物を配備するため、写真プリントシステム90を組み立てる時に労力の負担が大きくなる。
【0011】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、天井の照明装置の代わりとなる照明装置を簡便な構成で備える写真プリントシステムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の写真プリントシステムは、被写体の撮影を行う撮影手段と、該撮影を行う空間である撮影空間内を照明する照明手段と、上記撮影に基づいて画像を作成してプリント紙に出力する画像出力手段とを備える写真プリントシステムにおいて、上記撮影手段および上記照明手段が配備される本体装置を備えており、該本体装置は、上記撮影空間において上記照明手段からの距離が近い領域への光の拡散を抑え、かつ上記距離が遠い領域への光の照射を行う遠方照射手段を備えることを特徴としている。
【0013】
ここで、或る方向への光の拡散を抑える手段としては、ルーバーと、光を集束させる凸レンズおよび凹面鏡とが挙げられる。
【0014】
上記の構成によると、遠方照射手段は、従来の天井照明装置97と同様に、照明手段からの距離が遠い領域の撮影空間を照射する一方で、天井照明装置97と異なり、照明手段と同じ本体装置に配備されている。
【0015】
これにより、遠方照射手段は、天井照明装置97に比べて、被写体までの距離を長くすることができるから、被写体に一様な光量を照射するために利用される光源、反射板、拡散板などの構成の寸法を小さくすることができ、機械構造を小さくすることができる。また、遠方照射手段は、照明手段と同様に本体装置に支持されるから、天井照明装置97を支持する支持部材が不要となる。
【0016】
したがって、写真プリントシステムの構成を簡略化することができるとともに、写真プリントシステムの大型化を防止することができる。また、写真プリントシステムの組立てを簡略化することができる。
【0017】
また、照明手段からの距離が近い領域の撮影空間へ、遠方照射手段からの照射光が拡散することを抑えている。これにより、上記距離が近い領域の撮影空間に位置する被写体に、照明手段からの光だけでなく遠方照射手段からの光が照射されることによる被写体への照射量の増大を防止することができる。したがって、上記距離が近い領域の撮影空間に位置する被写体と、上記距離が遠い領域の撮影空間に位置する被写体とにバランスよく照射することができ、良好な撮影を行うことができる。
【0018】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、上記の構成において、上記本体装置の上記照明手段および上記遠方照射手段は、同じ光源を利用していることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によると、上記照明手段および上記遠方照射手段の光源を共通とすることができるから、本体装置の構成要素を減少することができ、本体装置の寸法およびコストを減少することができる。
【0020】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、上記の構成において、上記遠方照射手段は、照射方向および拡散の程度の一方または両方を調整する指向性調整手段を備えることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によると、遠方照射手段からの光の照射方向を調整することにより、遠方の被写体に最適な照射を行うことができる。また、遠方照射手段からの光の拡散の程度を調整することにより、遠方の被写体の照射量と付近の被写体の照射量との比率を変化させることができる。これにより、遠近で明るさを多彩に変化させることができ、多彩な撮影を行うことができる。
【0022】
なお、指向性調整手段による調整は、利用者が手動で行うこともできるし、駆動手段を設けて、システム側が自動的に行うこともできる。
【0023】
ところで、被写体である利用者は、撮影空間の前後方向や左右方向への移動は容易であるが、上方向への移動は困難である。したがって、上記遠方照射手段は、上記本体装置の上部に設けられており、上記指向性調整手段は、上下方向の光の拡散を抑えるものであることが望ましい。これにより、遠方照射手段からの光は、利用者によって遮断されることなく、遠方の撮影空間に照射されることができる。
【0024】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、上記の構成において、上記撮影によって作成された撮影画像に対して、利用者による編集処理が行なわれる画像編集手段をさらに備えており、上記プリント紙に出力される画像は、上記撮影画像、および/または上記編集処理によって作成された編集画像であることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によると、利用者は、撮影画像に対して、背景合成、落書きなどの編集処理を行い、編集処理によって作成された編集画像をプリント紙に出力することができるから、画像出力されたプリント紙の娯楽性を高めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図1〜図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図1は、本実施形態である写真プリントシステムのうち、特に本発明に関係する構成の概要を示している。
【0027】
上記写真プリントシステム10には、利用者13a・13bを被写体として撮影する撮影装置(撮影手段)12と、利用者13a・13bを照明する照明装置(照明手段)14とを備える本体装置11が配備される。また、本体装置11の撮影装置12と対向する空間は、外部からの光を遮断する遮光幕15によって覆われ、これにより撮影空間16が形成される。なお、以下では、本体装置11が配備される側を「前側」とし、撮影空間16が形成される側を「後側」とする。
【0028】
本実施形態では、本体装置11の上部に、照明装置14からの距離が遠い、すなわち後方の撮影空間16を照明する指向性照明装置(遠方照射手段)17が配備される。指向性照明装置17は、上下方向の拡散を抑えて、後方下向きに光を照射することにより、後方の撮影空間16を照明している。
【0029】
上記の構成によると、指向性照明装置17は、図12に示される従来の天井照明装置97と同様に、後方の撮影空間16を照射する一方で、天井照明装置97と異なり、照明装置14と同じ本体装置11に配備されている。
【0030】
これにより、指向性照明装置17は、天井照明装置97に比べて、後方の利用者13bまでの距離を長くすることができるから、利用者13bに一様な光量を照射するために利用される光源、反射板、拡散板などの構成の寸法を小さくすることができ、機械構造を小さくすることができる。また、指向性照明装置17は、照明装置14と同様に本体装置11に支持されるから、天井照明装置97を支持する支持部材が不要となる。
【0031】
したがって、写真プリントシステム10の構成を簡略化することができるとともに、写真プリントシステム10の大型化を防止することができる。また、写真プリントシステム10の組立てを簡略化することができる。
【0032】
また、指向性照明装置17は、照明装置14からの距離が近い領域、すなわち前方の撮影空間16へ照射光が拡散することを抑えている。これにより、前方の撮影空間16に位置する利用者13aに、照明装置14からの光だけでなく指向性照明装置17からの光が照射されることによる利用者13aへの照射量の増大を防止することができる。したがって、前方の撮影空間16に位置する利用者13aと、後方の撮影空間16に位置する利用者13bとにバランスよく照射することができ、良好な撮影を行うことができる。
【0033】
図2(a)〜(d)は、指向性照明装置17の構成例を示している。図2(a)に示される指向性照明装置17では、導光路となる横長のダクト20が配備される。ダクト20の内面は、光を反射または拡散反射する反射面となっている。
【0034】
ダクト20の前端には、蛍光灯やフラッシュランプなどの光源21が配備され、ダクト20の後端には、光の上下方向の拡散を抑えるルーバー22が配備され、ダクト20の中央部には、光源21からの光を拡散透過させる拡散透過板23が配備される。
【0035】
上記の構成によると、光源21にて照射された光が、拡散透過板23を拡散透過し、ルーバー22を通過して撮影空間に照射される。このとき、ルーバー22を通過する光は、上下方向の拡散が抑えられるとともに、ルーバー22に沿う方向に照射される。
【0036】
なお、ルーバー22は、撮影空間後方の利用者13bに所望の光量を照射できるように、手動または自動で角度を調整可能であることが望ましい。
【0037】
図2(b)に示される指向性照明装置17は、同図(a)に示される指向性照明装置17に比べて、ダクト20の前部が下方となるように屈曲しており、屈曲している部分の内面が、光を拡散反射する拡散反射面24に形成されている点が異なり、その他の構成は同様である。
【0038】
上記の構成によると、ダクト20を屈曲させることにより、ダクト20の前後方向の長さを短くすることができる。したがって、本体装置11に指向性照明装置17を収容するために、本体装置11を前後方向に長くすることを防止できる。
【0039】
図2(c)に示される指向性照明装置17は、同図(b)に示される指向性照明装置17に比べて、光源21が後斜め方向を向いている点と、ダクト20の下部において、前部の内面が拡散反射面24に形成され、後部が開口して半透明板25が配備されている点が異なり、その他の構成は同様である。
【0040】
上記の構成によると、光源21から出射された光は、図2(b)と同様に、拡散反射面24にて拡散反射して、ルーバー22を通過することにより、上下方向の拡散が抑えられた拡散光を後方やや下向きに照射している。さらに、光源21から出射された光は、同図(b)とは異なり、拡散反射面24にて拡散反射して、半透明板25を通過することにより、本体装置11の背面中央から拡散光が撮影空間に照射している。
【0041】
したがって、図2(c)に示される指向性照明装置17では、撮影空間に通常の拡散光を照射する光源と、上下方向への拡散を抑えた拡散光を照射する光源とを共通とすることができ、部品点数の減少および本体装置11の小型化を実現することができる。
【0042】
また、上述のように、ルーバー22の角度が調整可能である場合には、半透明板25から照射される通常の拡散光と、ルーバー22から照射される指向性の拡散光との配分を調整することができる。これにより、撮影空間における前方の照射量と後方の照射量との比率を調整することができる。
【0043】
指向性照明装置17のその他の構成例としては、図2(d)に示されるように、円柱状の光源21と、内面が放物面である凹面反射鏡26とを組み合わせた構成が挙げられる。光源21からの光は、凹面反射鏡26にて反射することにより上下方向に拡散する光を収束させることができる。
【0044】
また、上下方向への拡散を抑える手段としては、図2(a)〜(c)に示されるルーバー22の代わりに、シリンドリカルレンズを使用することもできる。このように、指向性照明装置17としては、上下方向への拡散を抑えた拡散光を照射できる任意の構成を使用することができる。
【0045】
次に、写真プリントシステム10の詳細な構成について、図3〜図7に基づいて説明する。なお、以下では、指向性照明装置17として、図2(c)に示される指向性照明装置17を使用している。
【0046】
図3は本体装置11の外観を示している。また、図4および図5は、写真プリントシステム10の内部構成を示しており、特に本体装置11の内部構成を示している。また、図6は、本体装置11の内部に配備される制御装置を中心とした写真プリントシステム10の構成を示している。
【0047】
図3〜図5に示されるように、本体装置11の背面には、上述の撮影装置12、ルーバー22、および半透明板25・25の他に、撮影用表示装置30、拡散透過板31・31・32・32、コイン投入口33、コイン返却口34、タッチパネル35、タッチペン36・36、プリント排出口37、およびスピーカ38・38が配備される。
【0048】
また、本体装置11の内部には、図4および図5に示されるように、制御装置40およびプリント出力装置41が配備される。その他、図6に示されているコイン処理装置42、プリント紙46、およびIDタグ47も本体装置11の内部に配備される。以下、本体装置11の各構成について説明する。
【0049】
撮影装置12は、主に利用者13を被写体として写真撮影を行う装置であり、本体装置11の背面中央部に配備される。撮影装置15は、被写体を撮影する撮影カメラを備える。撮影カメラは、例えばレンズ群、絞り、CCD撮像素子などを備えたデジタルカメラによって構成される。この撮影カメラ24は、全身撮影とクローズアップ撮影との両方に対応できるように、例えば使用するレンズ群および絞りを切り換えられるような構成となっている。
【0050】
撮影装置12の下方には撮影用表示装置30が配備される。撮影用表示装置30には、撮影装置12から取得されるライブビュー画像、撮影における指示画像など各種画像が表示される。
【0051】
撮影装置12および撮影用表示装置30の両側には、上記の半透明板25・25が配備され、撮影装置12および半透明板25・25の上方には、上記のルーバー22が配備される。
【0052】
本体装置11内において、撮影装置12および撮影用表示装置30の周囲は、光源21からの光を遮断する遮光板39で覆われている。また、本体装置11内の上部は、その周囲の内面が拡散反射面24に形成されている。これにより、本体装置11内の上部では、光源21からの光が拡散反射されることになる。
【0053】
本実施形態では、光源21として、撮影時に写真閃光灯として機能する線状のフラッシュランプ21aが2つ使用され、本体装置11内の上部空間の適所に横方向に並べて配置される。フラッシュランプ21aからの光は、その周囲に設けられた反射板により、前方上向きに導かれる。
【0054】
フラッシュランプ21aからの光は、拡散反射面24にて拡散および反射を繰返しながら、半透明板25・25またはルーバー22に入射する。半透明板25・25に入射した光は、一部が透過して撮影空間に拡散光として照射され、一部が反射して本体装置11内の上部空間にて再び拡散および反射を繰り返す。
【0055】
一方、ルーバー22に入射した光は、ルーバー22により上下方向の拡散が抑えられとともに、ルーバー22に沿う方向、すなわち後方下向きを照射方向として撮影空間に照射される。
【0056】
再び、本体装置11の構成の説明に戻ると、半透明板25・25の両側には拡散透過板31・31が配備され、ルーバー22の両側には拡散透過板32・32が配備されている。なお、図には示していないが、本体装置11内において、拡散透過板31・31の前方には蛍光灯が、拡散透過板32・32の前方には白熱灯がそれぞれ光源として配備される。
【0057】
これらの蛍光灯、白熱灯、および拡散透過板31・32によって構成される照明装置は、撮影空間16内の常時照明として機能する。さらに、前記照明装置は、半透明板25からの閃光を、拡散透過板31からの光で模し、ルーバー22からの閃光を拡散透過板32からの光で模すことにより、撮影時にフラッシュランプ21aからの閃光によってどのように撮影されるかを、撮影前に撮影用表示装置30に表示されるライブビュー画像にて模擬的に確認することができる。
【0058】
本体装置11の下部は、後方に突出しており、その段部は、後方下向きに傾斜している。該段部の中央には、タッチパネル35が配備されている。タッチパネル35は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などのフラットパネルディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)などの表示面にタッチセンサを設けて構成される。タッチパネル35は、各種のメッセージや画像などを表示するとともに、利用者13から各種の指示や選択などが入力される。
【0059】
タッチペン36・36は、タッチパネル35の近くに配備される。タッチペン36は、画像編集処理などにおいて、タッチパネル35上で細かな操作入力を利用者13が行うためのものである。利用者13は、このタッチペン36・36をタッチパネル35に接触または接近させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、落書きなどの画像描画を行ったりすることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、複数の利用者13が容易に画像編集を行うようにするために、タッチペン36・36を2本配備しているが、構成の簡略化のために、1本のみを配備することもできるし、3人以上の利用者13のために、3本以上を配備することもできる。同様に、タッチパネル35を複数個配備することもできる。
【0061】
コイン投入口33は、利用者が写真プリントシステム10の利用料金として所定のコインを所定枚数だけ投入するための投入口であり、本体装置11の背面の適所に配備される。このコイン投入口33に連通して、コイン処理装置42が本体装置11の内部に設けられている。
【0062】
コイン処理装置42は、所定のコインが投入されたか否かを判定する。所定のコインが投入されたと判定した場合には、制御装置40に通知し、投入されたコインを、コインを蓄積するコイン容器(図示せず)に送り出す。一方、所定のコイン以外のコインが投入されたと判定した場合には、投入されたコインをコイン返却口34に送り出す。
【0063】
なお、紙幣やコインを所定のコインに両替する両替機が写真プリントシステム10の近くに存在しない場合には、新たに紙幣投入口を設けて、紙幣処理装置を設けたり、釣銭処理装置を設けたりすることが望ましい。
【0064】
スピーカ38・38は、各種操作上のガイダンス音声や効果音などを出力するものであり、本体装置11の背面の適所に配備される。
【0065】
プリント出力装置41は、画像をプリント出力するものであり、本体装置11の内部に配備される。なお、プリント出力装置41の構成については後述する。プリント排出口37は、プリント出力装置41から出力された写真プリントを本体装置11の外部に排出するためのものである。プリント排出口37は、本体装置11の背面の適所に配備される。
【0066】
制御装置40は、写真プリントシステム10における各種構成を統括的に制御するものであり、本体装置11の内部に配備される。この制御装置40は、例えばPCベースのコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行なわれる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、この制御装置40がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。
【0067】
制御装置40は、上記したハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される記憶部43を備える。この記憶部43に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、OS(Operating System)プログラム、その他の各種プログラム、撮影装置12における動作設定値、撮影した画像および編集した画像の画像データなどが挙げられる。上記の撮影装置12における動作設定値としては、装置出荷時やメンテナンス時などに設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。
【0068】
コイン処理装置42は、前述のように、コイン投入口33から所定のコインが投入されたと判定すると、制御装置40に通知するものである。制御装置40は、コイン処理装置42からの通知を受け取ると、課金処理を行う。すなわち、制御装置40は、コイン処理装置42からの通知をカウントし、利用者が投入した金額に応じて、利用者に対する各種動作を制御する。
【0069】
プリント出力装置41は、プリンタ44およびIDタグリーダ/ライタ45を備える構成である。このプリント出力装置41に対して、写真プリントの出力媒体となるプリント紙46およびIDタグ(識別媒体)47がプリント紙ユニットとしてセットで納入されるようになっている。
【0070】
プリンタ44は、出力すべき画像データが制御装置40から送られてくると、その画像データに基づいてプリント紙46に印刷するものである。このプリンタ44としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。なお、昇華型プリンタを用いる場合には、プリント紙46およびIDタグ47に加えて、昇華型用インクフィルムがセットととなって納入されることになる。
【0071】
IDタグリーダ/ライタ45は、IDタグ47に記録されている各種識別情報を読み出して制御装置40に出力する。IDタグ47は、メモリ機能を有するICチップなどによって構成されるものである。上記識別情報としては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、および、インク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。
【0072】
制御装置40は、IDタグリーダ/ライタ45で読み取った識別情報に基づいて、装着されたプリント紙46およびインクフィルムが、当該写真プリントシステム10において利用可能なものであるかを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ44を動作可能とする。すなわち、写真プリントシステム10において指定されているプリント紙46およびインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
【0073】
また、IDタグ47に記録されている用紙枚数情報に基づいて、プリント紙の使用ごとに用紙枚数をカウントダウンしていくことによって、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた際に、これを表示手段などによって警告するような構成としておけば、利用者13の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。
【0074】
なお、用紙枚数をカウントダウンする際には、IDタグ47に記録されている用紙枚数情報も書き換えることが望ましい。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグ47に記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグ47を無効にすることが可能となる。
【0075】
また、IDタグ47に記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことによって、これらを考慮して画像データの色成分などを補正することにより、そのプリント紙46やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
【0076】
IDタグ47としては、無線(ワイヤレス)によりデータ通信を行うことが可能な非接触型IDタグと、端子が設けられた接触型IDタグとがあり、IDタグリーダ/ライタ45としては、これらの何れか一方あるいは両方に対応したものとなる。
【0077】
なお、上記の例では、利用可能なプリント紙46であるか否かを確認するために、IDタグ47を利用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、プリント紙46およびインクフィルムを梱包する梱包材などにプリントされているバーコードなどを利用する構成としてもよい。しかしながら、バーコードを用いる場合には、含めることのできる情報量が少ないことや、例えば用紙枚数のカウントダウンによる情報の書き換えができない、などの問題がある。
【0078】
なお、上記のプリント紙46としては、通常の紙状媒体である紙状シートであってもよいし、粘着シートおよび該粘着シールの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートであってもよい。
【0079】
なお、本実施形態では、光源21としてフラッシュランプを使用しているが、蛍光灯などのような連続光を発する光源を使用することもできる。また、フラッシュランプ21aの近傍に蛍光灯などを補助光源として設けることもできる。連続光の光源や補助光源を使用することにより、撮影前のライブビュー画像から撮影時の写りを推測することができる。
【0080】
上記構成の写真プリントシステム10において、利用者13による撮影から編集、印刷に至るプレイ動作について、図7に基づいて説明する。利用者が写真プリントシステム10内に進入して(ステップS1。以下、単に「S1」と記載することがある。他のステップについても同様である。)、コイン投入口33から代金としてコインを投入すると、コイン処理装置42から制御装置40にコインの投入が通知されることにより課金処理が行なわれる(S2)。課金処理が正常に完了したことが確認されると、プレイ動作が開始され、以下の処理が行なわれる。
【0081】
まず、撮影処理が行われる(S3)。撮影処理は主に以下のように行われる。まず、撮影枚数、撮影時間、全身撮影またはアップ撮影の選択、撮影アングルの選択など、撮影に関する各種の設定が行われる。
【0082】
次に、撮影装置12の撮影カメラが撮影するライブビュー画像を撮影用表示装置30に表示する。利用者13は、前記ライブビュー画像を参照しつつ所望のポーズをとり、所望のタイミングでタッチパネル35に表示された撮影ボタンを押すと、カウントダウン後に撮影が実行される。そして、再び撮影を行う場合には、ステップS3に戻って上記の撮影処理を繰返し、撮影を終了する場合には、次の編集処理に進む(S4)。
【0083】
次に、撮影処理によって取得された撮影画像に対して画像の編集処理を行う(S5)。編集処理は、主に以下のように行われる。まず、複数回の撮影により取得された複数の撮影画像をタッチパネル35に表示し、これら複数の撮影画像の中から落書きなどの編集処理を行う撮影画像の選択を行う。これにより、撮影時に目をつぶってしまったり、不本意な状態で撮影されたりした撮影画像などを排除して、利用者の好みにあった画像を選択することができる。
【0084】
次に、選択された撮影画像をタッチパネル35に表示し、タッチペン36・36を用いて、撮影画像に対して、背景画像の合成、色の変更、落書きなどの画像編集を行う。そして、別の撮影画像に対して画像編集を行う場合には、上記の編集処理(S5)を繰返し、画像編集を終了する場合には、次の処理に進む(S6)。
【0085】
次に、写真プリントの出力処理を行う(S7)。出力処理は、主に以下のように行われるる。まず、プリント紙46上での分割数または分割パターンを利用者に選択させ、選択された分割領域ごとに、ステップS5にて編集処理された編集画像が印刷されるように、プリンタ44を制御して印刷を行う。その後、プリント排出口37から印刷された写真プリントが排出されて、利用者のプレイ動作が終了する。
【0086】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【0087】
例えば、撮影空間16の後部には、被写体の背景となる公知の背景装置を適宜設けることが望ましい。
【0088】
また、上記実施形態では、2個のフラッシュランプ21a・21aを使用しているが、横方向に均等な光を照射するために、横長の光源21を少数個使用することが望ましいから、さらに横長のフラッシュランプを1個使用することもできる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、本発明の写真プリントシステムは、上記撮影手段および上記照明手段が配備される本体装置を備えており、該本体装置は、上記撮影空間において上記照明手段からの距離が近い領域への光の拡散を抑え、かつ上記距離が遠い領域への光の照射を行う遠方照射手段を備える構成である。
【0090】
これにより、遠方照射手段の機械構造を従来の天井照明装置に比べて小さくできるから、写真プリントシステムの構成を簡略化できるとともに、写真プリントシステムの大型化を防止できるという効果を奏する。また、写真プリントシステムの組立てを簡略化できるという効果を奏する。
【0091】
また、遠方照射手段は、その照射光が前方の撮影空間へ拡散することを抑えているから、前方の撮影空間に位置する被写体と、後方の撮影空間に位置する被写体とにバランスよく照射することができ、良好な撮影を行うことができるという効果を奏する。
【0092】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、以上のように、上記の構成において、上記本体装置の上記照明手段および上記遠方照射手段は、同じ光源を利用している構成である。
【0093】
これにより、上記照明手段および上記遠方照射手段の光源を共通化できるから、本体装置の構成要素を減少でき、本体装置の寸法およびコストを減少できるという効果を奏する。
【0094】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、以上のように、上記の構成において、上記遠方照射手段は、照射方向および拡散の程度の一方または両方を調整する指向性調整手段を備える構成である。
【0095】
これにより、遠方照射手段からの光の照射方向を調整する場合には、遠方の被写体に最適な照射を行うことができるという効果を奏し、遠方照射手段からの光の拡散の程度を調整する場合には、遠近で明るさを多彩に変化させることができ、多彩な撮影を行うことができるという効果を奏する。
【0096】
なお、上記遠方照射手段は、上記本体装置の上部に設けられており、上記指向性調整手段は、上下方向の光の拡散を抑えるものであることが望ましい。この場合、遠方照射手段からの光は、利用者によって遮断されることなく、遠方の撮影空間に照射されることができるという効果を奏する。
【0097】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、以上のように、上記の構成において、上記撮影によって作成された撮影画像に対して、利用者による編集処理が行なわれる画像編集手段をさらに備えており、上記プリント紙に出力される画像は、上記撮影画像、および/または上記編集処理によって作成された編集画像である構成である。
【0098】
これにより、利用者は、撮影画像に対して編集処理を行い、編集処理によって作成された編集画像をプリント紙に出力することができるから、画像出力されたプリント紙の娯楽性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である写真プリントシステムにおいて、本発明に関係する構成の概要を示す側面図である。
【図2】同図(a)〜(d)は、上記写真プリントシステムにおいて使用される指向性照明装置の構成例を示しており、同図(a)〜(c)は断面図であり、同図(d)は一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図3】上記写真プリントシステムにおける本体装置の外観を示す斜視図である。
【図4】上記写真プリントシステムの内部構成を示す側面図であり、特に上記本体装置の内部構成を示している。
【図5】上記写真プリントシステムの内部構成を示す平面図であり、特に上記本体装置の内部構成を示している。
【図6】上記写真プリントシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図7】上記写真プリントシステムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】従来の写真プリントシステムの概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
10 写真プリントシステム
11 本体装置
12 撮影装置(撮影手段)
16 撮影空間
21 光源
22 ルーバー(遠方照射手段、指向性調整手段)
25 半透明板(照明手段)
35 タッチパネル(画像編集手段)
36 タッチペン(画像編集手段)
41 プリント出力装置(画像出力手段)
44 プリンタ(画像出力手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体を撮影するとともに、該撮影により取得された画像に基づき、所望の場合には該画像に編集処理を施した上で、シール紙などのプリント紙にプリント出力する写真プリントシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばゲームセンターなどの娯楽施設において、利用者の撮影を行うとともに、その撮影によって取得された撮影画像に対して、背景画像などと合成した上でシールプリントとして出力する写真シール自動販売機が設置されており、人気を博している。
【0003】
一般に、上記写真シール自動販売機は、周囲を遮光カーテンなどで仕切られた撮影空間内で利用者の撮影が行われる。上記撮影空間の一端には、本体装置が配備され、該本体装置には、被写体である利用者を撮影する撮影装置が配備される。また、本体装置には、撮影に必要な量の光を利用者に照射するフラッシュランプなどの照明装置が、撮影装置の付近に配備される。
【0004】
ところで、写真シール自動販売機は、証明写真自動販売機とは異なり、複数の利用者が撮影空間内の様々な位置に立ち、様々なポーズを取って撮影が行われる。このため、照明装置から利用者までの距離が異なる場合があり、この場合、上記距離の異なる利用者どうしでは、照明装置から照射される光量が異なるため、明るさの異なる撮影結果が得られることになる。
【0005】
これを回避するため、撮影空間の天井部分に照明装置を配備した写真シール自動販売機が知られており、例えば、実用新案登録第3082547号公報に開示されている。
【0006】
図12は、撮影空間の天井部分に照明装置を配備した従来の写真プリントシステム90の概略構成を示している。従来の写真プリントシステム90には、利用者93a・93bを被写体として撮影する撮影装置92と、利用者93a・93bを照明する照明装置94とを備える本体装置91が配備される。また、本体装置91の撮影装置92と対向する空間は、外部からの光を遮断する遮光幕95によって覆われ、これにより撮影空間96が形成される。
【0007】
さらに、上記写真プリントシステム90には、撮影空間96において照明装置94からの距離が遠い領域に位置する利用者93bに十分な光量を与えるために天井部分に天井照明装置97が配備されている。これにより、上記距離が遠い領域に位置する利用者93bに照射される光量と、上記距離が近い領域に位置する利用者93aに照射される光量が同程度となるので、各利用者93a・93bの明るさが同程度である撮影結果を得ることができる。
【0008】
【特許文献1】
実用新案登録第3082547号公報(発行日2001年12月14日)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
撮影空間の様々な場所に位置する利用者に均一な光を照射するには、点光源や線光源からの光を十分拡散させる必要がある。このため、照明装置94・97は、光源の他に反射板や拡散板などを配備する必要がある。特に、天井照明装置97の場合、利用者までの距離が近いため、利用者に一様な光量を照射するには、天井照明装置に利用される光源、反射板、拡散板などの構成の寸法を大きくする必要があるため機械構造が大きくなる。
【0010】
このような照明装置を天井部分に配備することは、天井のスペースを増大したり、天井照明装置97を支持する支持部材98を配備したりする必要があり、写真プリントシステム90が大型化することになる。また、天井部分に大きな重量物を配備するため、写真プリントシステム90を組み立てる時に労力の負担が大きくなる。
【0011】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、天井の照明装置の代わりとなる照明装置を簡便な構成で備える写真プリントシステムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の写真プリントシステムは、被写体の撮影を行う撮影手段と、該撮影を行う空間である撮影空間内を照明する照明手段と、上記撮影に基づいて画像を作成してプリント紙に出力する画像出力手段とを備える写真プリントシステムにおいて、上記撮影手段および上記照明手段が配備される本体装置を備えており、該本体装置は、上記撮影空間において上記照明手段からの距離が近い領域への光の拡散を抑え、かつ上記距離が遠い領域への光の照射を行う遠方照射手段を備えることを特徴としている。
【0013】
ここで、或る方向への光の拡散を抑える手段としては、ルーバーと、光を集束させる凸レンズおよび凹面鏡とが挙げられる。
【0014】
上記の構成によると、遠方照射手段は、従来の天井照明装置97と同様に、照明手段からの距離が遠い領域の撮影空間を照射する一方で、天井照明装置97と異なり、照明手段と同じ本体装置に配備されている。
【0015】
これにより、遠方照射手段は、天井照明装置97に比べて、被写体までの距離を長くすることができるから、被写体に一様な光量を照射するために利用される光源、反射板、拡散板などの構成の寸法を小さくすることができ、機械構造を小さくすることができる。また、遠方照射手段は、照明手段と同様に本体装置に支持されるから、天井照明装置97を支持する支持部材が不要となる。
【0016】
したがって、写真プリントシステムの構成を簡略化することができるとともに、写真プリントシステムの大型化を防止することができる。また、写真プリントシステムの組立てを簡略化することができる。
【0017】
また、照明手段からの距離が近い領域の撮影空間へ、遠方照射手段からの照射光が拡散することを抑えている。これにより、上記距離が近い領域の撮影空間に位置する被写体に、照明手段からの光だけでなく遠方照射手段からの光が照射されることによる被写体への照射量の増大を防止することができる。したがって、上記距離が近い領域の撮影空間に位置する被写体と、上記距離が遠い領域の撮影空間に位置する被写体とにバランスよく照射することができ、良好な撮影を行うことができる。
【0018】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、上記の構成において、上記本体装置の上記照明手段および上記遠方照射手段は、同じ光源を利用していることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によると、上記照明手段および上記遠方照射手段の光源を共通とすることができるから、本体装置の構成要素を減少することができ、本体装置の寸法およびコストを減少することができる。
【0020】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、上記の構成において、上記遠方照射手段は、照射方向および拡散の程度の一方または両方を調整する指向性調整手段を備えることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によると、遠方照射手段からの光の照射方向を調整することにより、遠方の被写体に最適な照射を行うことができる。また、遠方照射手段からの光の拡散の程度を調整することにより、遠方の被写体の照射量と付近の被写体の照射量との比率を変化させることができる。これにより、遠近で明るさを多彩に変化させることができ、多彩な撮影を行うことができる。
【0022】
なお、指向性調整手段による調整は、利用者が手動で行うこともできるし、駆動手段を設けて、システム側が自動的に行うこともできる。
【0023】
ところで、被写体である利用者は、撮影空間の前後方向や左右方向への移動は容易であるが、上方向への移動は困難である。したがって、上記遠方照射手段は、上記本体装置の上部に設けられており、上記指向性調整手段は、上下方向の光の拡散を抑えるものであることが望ましい。これにより、遠方照射手段からの光は、利用者によって遮断されることなく、遠方の撮影空間に照射されることができる。
【0024】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、上記の構成において、上記撮影によって作成された撮影画像に対して、利用者による編集処理が行なわれる画像編集手段をさらに備えており、上記プリント紙に出力される画像は、上記撮影画像、および/または上記編集処理によって作成された編集画像であることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によると、利用者は、撮影画像に対して、背景合成、落書きなどの編集処理を行い、編集処理によって作成された編集画像をプリント紙に出力することができるから、画像出力されたプリント紙の娯楽性を高めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図1〜図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図1は、本実施形態である写真プリントシステムのうち、特に本発明に関係する構成の概要を示している。
【0027】
上記写真プリントシステム10には、利用者13a・13bを被写体として撮影する撮影装置(撮影手段)12と、利用者13a・13bを照明する照明装置(照明手段)14とを備える本体装置11が配備される。また、本体装置11の撮影装置12と対向する空間は、外部からの光を遮断する遮光幕15によって覆われ、これにより撮影空間16が形成される。なお、以下では、本体装置11が配備される側を「前側」とし、撮影空間16が形成される側を「後側」とする。
【0028】
本実施形態では、本体装置11の上部に、照明装置14からの距離が遠い、すなわち後方の撮影空間16を照明する指向性照明装置(遠方照射手段)17が配備される。指向性照明装置17は、上下方向の拡散を抑えて、後方下向きに光を照射することにより、後方の撮影空間16を照明している。
【0029】
上記の構成によると、指向性照明装置17は、図12に示される従来の天井照明装置97と同様に、後方の撮影空間16を照射する一方で、天井照明装置97と異なり、照明装置14と同じ本体装置11に配備されている。
【0030】
これにより、指向性照明装置17は、天井照明装置97に比べて、後方の利用者13bまでの距離を長くすることができるから、利用者13bに一様な光量を照射するために利用される光源、反射板、拡散板などの構成の寸法を小さくすることができ、機械構造を小さくすることができる。また、指向性照明装置17は、照明装置14と同様に本体装置11に支持されるから、天井照明装置97を支持する支持部材が不要となる。
【0031】
したがって、写真プリントシステム10の構成を簡略化することができるとともに、写真プリントシステム10の大型化を防止することができる。また、写真プリントシステム10の組立てを簡略化することができる。
【0032】
また、指向性照明装置17は、照明装置14からの距離が近い領域、すなわち前方の撮影空間16へ照射光が拡散することを抑えている。これにより、前方の撮影空間16に位置する利用者13aに、照明装置14からの光だけでなく指向性照明装置17からの光が照射されることによる利用者13aへの照射量の増大を防止することができる。したがって、前方の撮影空間16に位置する利用者13aと、後方の撮影空間16に位置する利用者13bとにバランスよく照射することができ、良好な撮影を行うことができる。
【0033】
図2(a)〜(d)は、指向性照明装置17の構成例を示している。図2(a)に示される指向性照明装置17では、導光路となる横長のダクト20が配備される。ダクト20の内面は、光を反射または拡散反射する反射面となっている。
【0034】
ダクト20の前端には、蛍光灯やフラッシュランプなどの光源21が配備され、ダクト20の後端には、光の上下方向の拡散を抑えるルーバー22が配備され、ダクト20の中央部には、光源21からの光を拡散透過させる拡散透過板23が配備される。
【0035】
上記の構成によると、光源21にて照射された光が、拡散透過板23を拡散透過し、ルーバー22を通過して撮影空間に照射される。このとき、ルーバー22を通過する光は、上下方向の拡散が抑えられるとともに、ルーバー22に沿う方向に照射される。
【0036】
なお、ルーバー22は、撮影空間後方の利用者13bに所望の光量を照射できるように、手動または自動で角度を調整可能であることが望ましい。
【0037】
図2(b)に示される指向性照明装置17は、同図(a)に示される指向性照明装置17に比べて、ダクト20の前部が下方となるように屈曲しており、屈曲している部分の内面が、光を拡散反射する拡散反射面24に形成されている点が異なり、その他の構成は同様である。
【0038】
上記の構成によると、ダクト20を屈曲させることにより、ダクト20の前後方向の長さを短くすることができる。したがって、本体装置11に指向性照明装置17を収容するために、本体装置11を前後方向に長くすることを防止できる。
【0039】
図2(c)に示される指向性照明装置17は、同図(b)に示される指向性照明装置17に比べて、光源21が後斜め方向を向いている点と、ダクト20の下部において、前部の内面が拡散反射面24に形成され、後部が開口して半透明板25が配備されている点が異なり、その他の構成は同様である。
【0040】
上記の構成によると、光源21から出射された光は、図2(b)と同様に、拡散反射面24にて拡散反射して、ルーバー22を通過することにより、上下方向の拡散が抑えられた拡散光を後方やや下向きに照射している。さらに、光源21から出射された光は、同図(b)とは異なり、拡散反射面24にて拡散反射して、半透明板25を通過することにより、本体装置11の背面中央から拡散光が撮影空間に照射している。
【0041】
したがって、図2(c)に示される指向性照明装置17では、撮影空間に通常の拡散光を照射する光源と、上下方向への拡散を抑えた拡散光を照射する光源とを共通とすることができ、部品点数の減少および本体装置11の小型化を実現することができる。
【0042】
また、上述のように、ルーバー22の角度が調整可能である場合には、半透明板25から照射される通常の拡散光と、ルーバー22から照射される指向性の拡散光との配分を調整することができる。これにより、撮影空間における前方の照射量と後方の照射量との比率を調整することができる。
【0043】
指向性照明装置17のその他の構成例としては、図2(d)に示されるように、円柱状の光源21と、内面が放物面である凹面反射鏡26とを組み合わせた構成が挙げられる。光源21からの光は、凹面反射鏡26にて反射することにより上下方向に拡散する光を収束させることができる。
【0044】
また、上下方向への拡散を抑える手段としては、図2(a)〜(c)に示されるルーバー22の代わりに、シリンドリカルレンズを使用することもできる。このように、指向性照明装置17としては、上下方向への拡散を抑えた拡散光を照射できる任意の構成を使用することができる。
【0045】
次に、写真プリントシステム10の詳細な構成について、図3〜図7に基づいて説明する。なお、以下では、指向性照明装置17として、図2(c)に示される指向性照明装置17を使用している。
【0046】
図3は本体装置11の外観を示している。また、図4および図5は、写真プリントシステム10の内部構成を示しており、特に本体装置11の内部構成を示している。また、図6は、本体装置11の内部に配備される制御装置を中心とした写真プリントシステム10の構成を示している。
【0047】
図3〜図5に示されるように、本体装置11の背面には、上述の撮影装置12、ルーバー22、および半透明板25・25の他に、撮影用表示装置30、拡散透過板31・31・32・32、コイン投入口33、コイン返却口34、タッチパネル35、タッチペン36・36、プリント排出口37、およびスピーカ38・38が配備される。
【0048】
また、本体装置11の内部には、図4および図5に示されるように、制御装置40およびプリント出力装置41が配備される。その他、図6に示されているコイン処理装置42、プリント紙46、およびIDタグ47も本体装置11の内部に配備される。以下、本体装置11の各構成について説明する。
【0049】
撮影装置12は、主に利用者13を被写体として写真撮影を行う装置であり、本体装置11の背面中央部に配備される。撮影装置15は、被写体を撮影する撮影カメラを備える。撮影カメラは、例えばレンズ群、絞り、CCD撮像素子などを備えたデジタルカメラによって構成される。この撮影カメラ24は、全身撮影とクローズアップ撮影との両方に対応できるように、例えば使用するレンズ群および絞りを切り換えられるような構成となっている。
【0050】
撮影装置12の下方には撮影用表示装置30が配備される。撮影用表示装置30には、撮影装置12から取得されるライブビュー画像、撮影における指示画像など各種画像が表示される。
【0051】
撮影装置12および撮影用表示装置30の両側には、上記の半透明板25・25が配備され、撮影装置12および半透明板25・25の上方には、上記のルーバー22が配備される。
【0052】
本体装置11内において、撮影装置12および撮影用表示装置30の周囲は、光源21からの光を遮断する遮光板39で覆われている。また、本体装置11内の上部は、その周囲の内面が拡散反射面24に形成されている。これにより、本体装置11内の上部では、光源21からの光が拡散反射されることになる。
【0053】
本実施形態では、光源21として、撮影時に写真閃光灯として機能する線状のフラッシュランプ21aが2つ使用され、本体装置11内の上部空間の適所に横方向に並べて配置される。フラッシュランプ21aからの光は、その周囲に設けられた反射板により、前方上向きに導かれる。
【0054】
フラッシュランプ21aからの光は、拡散反射面24にて拡散および反射を繰返しながら、半透明板25・25またはルーバー22に入射する。半透明板25・25に入射した光は、一部が透過して撮影空間に拡散光として照射され、一部が反射して本体装置11内の上部空間にて再び拡散および反射を繰り返す。
【0055】
一方、ルーバー22に入射した光は、ルーバー22により上下方向の拡散が抑えられとともに、ルーバー22に沿う方向、すなわち後方下向きを照射方向として撮影空間に照射される。
【0056】
再び、本体装置11の構成の説明に戻ると、半透明板25・25の両側には拡散透過板31・31が配備され、ルーバー22の両側には拡散透過板32・32が配備されている。なお、図には示していないが、本体装置11内において、拡散透過板31・31の前方には蛍光灯が、拡散透過板32・32の前方には白熱灯がそれぞれ光源として配備される。
【0057】
これらの蛍光灯、白熱灯、および拡散透過板31・32によって構成される照明装置は、撮影空間16内の常時照明として機能する。さらに、前記照明装置は、半透明板25からの閃光を、拡散透過板31からの光で模し、ルーバー22からの閃光を拡散透過板32からの光で模すことにより、撮影時にフラッシュランプ21aからの閃光によってどのように撮影されるかを、撮影前に撮影用表示装置30に表示されるライブビュー画像にて模擬的に確認することができる。
【0058】
本体装置11の下部は、後方に突出しており、その段部は、後方下向きに傾斜している。該段部の中央には、タッチパネル35が配備されている。タッチパネル35は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などのフラットパネルディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)などの表示面にタッチセンサを設けて構成される。タッチパネル35は、各種のメッセージや画像などを表示するとともに、利用者13から各種の指示や選択などが入力される。
【0059】
タッチペン36・36は、タッチパネル35の近くに配備される。タッチペン36は、画像編集処理などにおいて、タッチパネル35上で細かな操作入力を利用者13が行うためのものである。利用者13は、このタッチペン36・36をタッチパネル35に接触または接近させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、落書きなどの画像描画を行ったりすることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、複数の利用者13が容易に画像編集を行うようにするために、タッチペン36・36を2本配備しているが、構成の簡略化のために、1本のみを配備することもできるし、3人以上の利用者13のために、3本以上を配備することもできる。同様に、タッチパネル35を複数個配備することもできる。
【0061】
コイン投入口33は、利用者が写真プリントシステム10の利用料金として所定のコインを所定枚数だけ投入するための投入口であり、本体装置11の背面の適所に配備される。このコイン投入口33に連通して、コイン処理装置42が本体装置11の内部に設けられている。
【0062】
コイン処理装置42は、所定のコインが投入されたか否かを判定する。所定のコインが投入されたと判定した場合には、制御装置40に通知し、投入されたコインを、コインを蓄積するコイン容器(図示せず)に送り出す。一方、所定のコイン以外のコインが投入されたと判定した場合には、投入されたコインをコイン返却口34に送り出す。
【0063】
なお、紙幣やコインを所定のコインに両替する両替機が写真プリントシステム10の近くに存在しない場合には、新たに紙幣投入口を設けて、紙幣処理装置を設けたり、釣銭処理装置を設けたりすることが望ましい。
【0064】
スピーカ38・38は、各種操作上のガイダンス音声や効果音などを出力するものであり、本体装置11の背面の適所に配備される。
【0065】
プリント出力装置41は、画像をプリント出力するものであり、本体装置11の内部に配備される。なお、プリント出力装置41の構成については後述する。プリント排出口37は、プリント出力装置41から出力された写真プリントを本体装置11の外部に排出するためのものである。プリント排出口37は、本体装置11の背面の適所に配備される。
【0066】
制御装置40は、写真プリントシステム10における各種構成を統括的に制御するものであり、本体装置11の内部に配備される。この制御装置40は、例えばPCベースのコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行なわれる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、この制御装置40がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。
【0067】
制御装置40は、上記したハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される記憶部43を備える。この記憶部43に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、OS(Operating System)プログラム、その他の各種プログラム、撮影装置12における動作設定値、撮影した画像および編集した画像の画像データなどが挙げられる。上記の撮影装置12における動作設定値としては、装置出荷時やメンテナンス時などに設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。
【0068】
コイン処理装置42は、前述のように、コイン投入口33から所定のコインが投入されたと判定すると、制御装置40に通知するものである。制御装置40は、コイン処理装置42からの通知を受け取ると、課金処理を行う。すなわち、制御装置40は、コイン処理装置42からの通知をカウントし、利用者が投入した金額に応じて、利用者に対する各種動作を制御する。
【0069】
プリント出力装置41は、プリンタ44およびIDタグリーダ/ライタ45を備える構成である。このプリント出力装置41に対して、写真プリントの出力媒体となるプリント紙46およびIDタグ(識別媒体)47がプリント紙ユニットとしてセットで納入されるようになっている。
【0070】
プリンタ44は、出力すべき画像データが制御装置40から送られてくると、その画像データに基づいてプリント紙46に印刷するものである。このプリンタ44としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。なお、昇華型プリンタを用いる場合には、プリント紙46およびIDタグ47に加えて、昇華型用インクフィルムがセットととなって納入されることになる。
【0071】
IDタグリーダ/ライタ45は、IDタグ47に記録されている各種識別情報を読み出して制御装置40に出力する。IDタグ47は、メモリ機能を有するICチップなどによって構成されるものである。上記識別情報としては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、および、インク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。
【0072】
制御装置40は、IDタグリーダ/ライタ45で読み取った識別情報に基づいて、装着されたプリント紙46およびインクフィルムが、当該写真プリントシステム10において利用可能なものであるかを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ44を動作可能とする。すなわち、写真プリントシステム10において指定されているプリント紙46およびインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
【0073】
また、IDタグ47に記録されている用紙枚数情報に基づいて、プリント紙の使用ごとに用紙枚数をカウントダウンしていくことによって、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた際に、これを表示手段などによって警告するような構成としておけば、利用者13の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。
【0074】
なお、用紙枚数をカウントダウンする際には、IDタグ47に記録されている用紙枚数情報も書き換えることが望ましい。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグ47に記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグ47を無効にすることが可能となる。
【0075】
また、IDタグ47に記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことによって、これらを考慮して画像データの色成分などを補正することにより、そのプリント紙46やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
【0076】
IDタグ47としては、無線(ワイヤレス)によりデータ通信を行うことが可能な非接触型IDタグと、端子が設けられた接触型IDタグとがあり、IDタグリーダ/ライタ45としては、これらの何れか一方あるいは両方に対応したものとなる。
【0077】
なお、上記の例では、利用可能なプリント紙46であるか否かを確認するために、IDタグ47を利用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、プリント紙46およびインクフィルムを梱包する梱包材などにプリントされているバーコードなどを利用する構成としてもよい。しかしながら、バーコードを用いる場合には、含めることのできる情報量が少ないことや、例えば用紙枚数のカウントダウンによる情報の書き換えができない、などの問題がある。
【0078】
なお、上記のプリント紙46としては、通常の紙状媒体である紙状シートであってもよいし、粘着シートおよび該粘着シールの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートであってもよい。
【0079】
なお、本実施形態では、光源21としてフラッシュランプを使用しているが、蛍光灯などのような連続光を発する光源を使用することもできる。また、フラッシュランプ21aの近傍に蛍光灯などを補助光源として設けることもできる。連続光の光源や補助光源を使用することにより、撮影前のライブビュー画像から撮影時の写りを推測することができる。
【0080】
上記構成の写真プリントシステム10において、利用者13による撮影から編集、印刷に至るプレイ動作について、図7に基づいて説明する。利用者が写真プリントシステム10内に進入して(ステップS1。以下、単に「S1」と記載することがある。他のステップについても同様である。)、コイン投入口33から代金としてコインを投入すると、コイン処理装置42から制御装置40にコインの投入が通知されることにより課金処理が行なわれる(S2)。課金処理が正常に完了したことが確認されると、プレイ動作が開始され、以下の処理が行なわれる。
【0081】
まず、撮影処理が行われる(S3)。撮影処理は主に以下のように行われる。まず、撮影枚数、撮影時間、全身撮影またはアップ撮影の選択、撮影アングルの選択など、撮影に関する各種の設定が行われる。
【0082】
次に、撮影装置12の撮影カメラが撮影するライブビュー画像を撮影用表示装置30に表示する。利用者13は、前記ライブビュー画像を参照しつつ所望のポーズをとり、所望のタイミングでタッチパネル35に表示された撮影ボタンを押すと、カウントダウン後に撮影が実行される。そして、再び撮影を行う場合には、ステップS3に戻って上記の撮影処理を繰返し、撮影を終了する場合には、次の編集処理に進む(S4)。
【0083】
次に、撮影処理によって取得された撮影画像に対して画像の編集処理を行う(S5)。編集処理は、主に以下のように行われる。まず、複数回の撮影により取得された複数の撮影画像をタッチパネル35に表示し、これら複数の撮影画像の中から落書きなどの編集処理を行う撮影画像の選択を行う。これにより、撮影時に目をつぶってしまったり、不本意な状態で撮影されたりした撮影画像などを排除して、利用者の好みにあった画像を選択することができる。
【0084】
次に、選択された撮影画像をタッチパネル35に表示し、タッチペン36・36を用いて、撮影画像に対して、背景画像の合成、色の変更、落書きなどの画像編集を行う。そして、別の撮影画像に対して画像編集を行う場合には、上記の編集処理(S5)を繰返し、画像編集を終了する場合には、次の処理に進む(S6)。
【0085】
次に、写真プリントの出力処理を行う(S7)。出力処理は、主に以下のように行われるる。まず、プリント紙46上での分割数または分割パターンを利用者に選択させ、選択された分割領域ごとに、ステップS5にて編集処理された編集画像が印刷されるように、プリンタ44を制御して印刷を行う。その後、プリント排出口37から印刷された写真プリントが排出されて、利用者のプレイ動作が終了する。
【0086】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【0087】
例えば、撮影空間16の後部には、被写体の背景となる公知の背景装置を適宜設けることが望ましい。
【0088】
また、上記実施形態では、2個のフラッシュランプ21a・21aを使用しているが、横方向に均等な光を照射するために、横長の光源21を少数個使用することが望ましいから、さらに横長のフラッシュランプを1個使用することもできる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、本発明の写真プリントシステムは、上記撮影手段および上記照明手段が配備される本体装置を備えており、該本体装置は、上記撮影空間において上記照明手段からの距離が近い領域への光の拡散を抑え、かつ上記距離が遠い領域への光の照射を行う遠方照射手段を備える構成である。
【0090】
これにより、遠方照射手段の機械構造を従来の天井照明装置に比べて小さくできるから、写真プリントシステムの構成を簡略化できるとともに、写真プリントシステムの大型化を防止できるという効果を奏する。また、写真プリントシステムの組立てを簡略化できるという効果を奏する。
【0091】
また、遠方照射手段は、その照射光が前方の撮影空間へ拡散することを抑えているから、前方の撮影空間に位置する被写体と、後方の撮影空間に位置する被写体とにバランスよく照射することができ、良好な撮影を行うことができるという効果を奏する。
【0092】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、以上のように、上記の構成において、上記本体装置の上記照明手段および上記遠方照射手段は、同じ光源を利用している構成である。
【0093】
これにより、上記照明手段および上記遠方照射手段の光源を共通化できるから、本体装置の構成要素を減少でき、本体装置の寸法およびコストを減少できるという効果を奏する。
【0094】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、以上のように、上記の構成において、上記遠方照射手段は、照射方向および拡散の程度の一方または両方を調整する指向性調整手段を備える構成である。
【0095】
これにより、遠方照射手段からの光の照射方向を調整する場合には、遠方の被写体に最適な照射を行うことができるという効果を奏し、遠方照射手段からの光の拡散の程度を調整する場合には、遠近で明るさを多彩に変化させることができ、多彩な撮影を行うことができるという効果を奏する。
【0096】
なお、上記遠方照射手段は、上記本体装置の上部に設けられており、上記指向性調整手段は、上下方向の光の拡散を抑えるものであることが望ましい。この場合、遠方照射手段からの光は、利用者によって遮断されることなく、遠方の撮影空間に照射されることができるという効果を奏する。
【0097】
さらに、本発明の写真プリントシステムは、以上のように、上記の構成において、上記撮影によって作成された撮影画像に対して、利用者による編集処理が行なわれる画像編集手段をさらに備えており、上記プリント紙に出力される画像は、上記撮影画像、および/または上記編集処理によって作成された編集画像である構成である。
【0098】
これにより、利用者は、撮影画像に対して編集処理を行い、編集処理によって作成された編集画像をプリント紙に出力することができるから、画像出力されたプリント紙の娯楽性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である写真プリントシステムにおいて、本発明に関係する構成の概要を示す側面図である。
【図2】同図(a)〜(d)は、上記写真プリントシステムにおいて使用される指向性照明装置の構成例を示しており、同図(a)〜(c)は断面図であり、同図(d)は一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図3】上記写真プリントシステムにおける本体装置の外観を示す斜視図である。
【図4】上記写真プリントシステムの内部構成を示す側面図であり、特に上記本体装置の内部構成を示している。
【図5】上記写真プリントシステムの内部構成を示す平面図であり、特に上記本体装置の内部構成を示している。
【図6】上記写真プリントシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図7】上記写真プリントシステムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】従来の写真プリントシステムの概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
10 写真プリントシステム
11 本体装置
12 撮影装置(撮影手段)
16 撮影空間
21 光源
22 ルーバー(遠方照射手段、指向性調整手段)
25 半透明板(照明手段)
35 タッチパネル(画像編集手段)
36 タッチペン(画像編集手段)
41 プリント出力装置(画像出力手段)
44 プリンタ(画像出力手段)
Claims (5)
- 被写体の撮影を行う撮影手段と、該撮影を行う空間である撮影空間内を照明する照明手段と、上記撮影に基づいて画像を作成してプリント紙に出力する画像出力手段とを備える写真プリントシステムにおいて、
上記撮影手段および上記照明手段が配備される本体装置を備えており、
該本体装置は、上記撮影空間において上記照明手段からの距離が近い領域への光の拡散を抑え、かつ上記距離が遠い領域への光の照射を行う遠方照射手段を備えることを特徴とする写真プリントシステム。 - 上記本体装置の上記照明手段および上記遠方照射手段は、同じ光源を利用していることを特徴とする請求項1に記載の写真プリントシステム。
- 上記遠方照射手段は、照射方向および拡散の程度の一方または両方を調整する指向性調整手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の写真プリントシステム。
- 上記遠方照射手段は、上記本体装置の上部に設けられており、
上記指向性調整手段は、上下方向の光の拡散を抑えるものであることを特徴とする請求項3に記載の写真プリントシステム。 - 上記撮影によって作成された撮影画像に対して、利用者による編集処理が行なわれる画像編集手段をさらに備えており、
上記プリント紙に出力される画像は、上記撮影画像、および/または上記編集処理によって作成された編集画像であることを特徴とする請求項1に記載の写真プリントシステム。
Priority Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013137405A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Furyu Kk | 撮影装置 |
CN108171890A (zh) * | 2018-01-19 | 2018-06-15 | 曾奕 | 自助拍照设备 |
JP2019036798A (ja) * | 2017-08-10 | 2019-03-07 | フリュー株式会社 | 画像撮影装置 |
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2002
- 2002-10-02 JP JP2002290362A patent/JP2004126235A/ja active Pending
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