JP2004126074A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外光を光源として利用する際、所定の方向における輝度を高くすることができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置11は液晶パネル12とバックライト13とを備え、バックライト13は基板24と有機EL素子25とで構成されている。バックライト13は有機EL素子25が液晶パネル12と対向するように配置されている。有機EL素子25は、有機発光層を含む有機EL層28と、反液晶パネル12側に設けられ可視光反射性を有する第1電極27と、液晶パネル12側に設けられ可視光透過性を有する第2電極29とが順次積層されて形成され、第2電極29は波状に連続する形状の複数の凸部30を有するように形成されている。第1電極27は主反射部が設けられ、反射光が表示面12aに垂直な方向を含む所定の方向へ進むように傾斜している。
【選択図】 図1
【解決手段】液晶表示装置11は液晶パネル12とバックライト13とを備え、バックライト13は基板24と有機EL素子25とで構成されている。バックライト13は有機EL素子25が液晶パネル12と対向するように配置されている。有機EL素子25は、有機発光層を含む有機EL層28と、反液晶パネル12側に設けられ可視光反射性を有する第1電極27と、液晶パネル12側に設けられ可視光透過性を有する第2電極29とが順次積層されて形成され、第2電極29は波状に連続する形状の複数の凸部30を有するように形成されている。第1電極27は主反射部が設けられ、反射光が表示面12aに垂直な方向を含む所定の方向へ進むように傾斜している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックライトとして有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を備えた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、携帯機器等の表示装置として広く用いられている。これら携帯機器は、小型軽量化、低消費電力に対するニーズが高く、これに伴い液晶表示装置も更なる薄型化、低消費電力化が必要である。
【0003】
低消費電力化のため反射型の液晶表示装置が採用されているが、画質が十分ではない。十分な画質を確保するためには、バックライトを用いた透過型の液晶表示装置が優れる。そして、近年、バックライトとして有機EL素子を備え、反射型の表示機能と透過型の表示機能を備えた液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この液晶表示装置は図5に示すように、液晶パネル71と、その後方に配置された有機EL素子72とから構成されている。液晶パネル71は、一対の透明基板73a,73b間に液晶74、透明電極75a,75b等が配置され、透明基板73a,73bの外側に偏光板76a,76bが配置されている。有機EL素子72は、ガラス製の基板77の上に設けられ、反射カソード電極78、有機EL層79及び光透過性を有するアノード電極80が基板77側から順に積層形成されている。有機EL素子72は基板77と反対側から有機EL層79の発光が出射される所謂トップエミッション型に構成されている。
【0005】
従って、この液晶表示装置は、明るい環境ではバックライトを点灯せずに使用され、外光Pが有機EL素子72の反射カソード電極78で反射され、反射型の液晶表示装置として機能する。また、外部が暗い環境では有機EL素子72がバックライトとして使用され、十分な輝度を確保できる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−78582号公報(明細書の段落[0015]〜[0022]、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液晶表示装置のように反射面が液晶パネルの表示面と平行に存在する構成では、外光Pが表示面に垂直あるいは垂直に近い角度で入射される場合には、反射カソード電極78の反射面での反射光が表示面に有効に反射される。
【0008】
ところが、携帯機器等に装備された液晶表示装置が使用される状況は、一般に光源と液晶表示装置と利用者の位置関係がおおよそ決まっており、利用者は表示面をほぼ垂直方向から見る場合が多く、光源は利用者の前側上方に存在する場合が多い。そのため、外光は液晶パネルの表示面に対して斜めから入射することになり、その反射光は利用者の見る方向である表示面と垂直方向及び垂直方向に対して所定の角度で広がりを有する範囲へ反射する割合が少なくなり、輝度が不十分となる。
【0009】
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は外光を光源として利用する際、所定の方向における輝度を高くすることができる液晶表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、液晶パネルと、その表示面と反対側にバックライトとして有機EL装置とを備えた液晶表示装置であって、前記有機EL装置は、光取り出し側から順に可視光透過性電極と、有機発光層を含む有機EL層と、可視光反射性電極とを備えた有機EL素子が基板上に形成され、前記有機EL素子は、液晶パネルに対して隆起した凸部、及び液晶パネルに対して窪んだ凹部の少なくとも一方が複数形成され、前記凸部及び凹部は、前記可視光反射性電極における第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射する部分(以下、主反射部と表記する)の面積が、該可視光反射性電極における他の部分の面積よりも広い形状を有し、第1の所定の方向は、通常の使用状態において光源があると想定される方向である。
【0011】
「所定の方向」とは、直線的な一方向を意味するのではなく、所定の立体角を有する方向を意味する。第1の所定の方向は、液晶表示装置の通常の使用状態において光源があると想定される方向である。従って、液晶表示装置の用途等によって、光源があると想定される方向は適宜設定される。また、本明細書では、適宜、基板上に有機EL素子が形成された装置を有機EL装置と表記する。
【0012】
この発明では、液晶パネルを透過して第1の所定の方向から有機EL素子に入射された外光は、主反射部で第2の所定の方向へ反射される。従って、第1の所定の方向が光源に向くように液晶表示装置を配置して使用すれば、第2の所定方向へ反射される光の量が多くなる。第2の所定の方向を利用者の眼が有る方向(視線の方向)とすれば、利用者の眼に到達する光の量を多くすることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2の所定の方向が、前記液晶パネルの表示面に垂直な方向を含む所定の方向である。この発明では、一般に液晶表示装置の利用者は液晶パネルの表示面に垂直あるいは垂直に近い方向から表示面を見ることが多いため、輝度の向上が表示の見易さにつながる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2の所定の方向が、液晶表示装置の利用者が前記表示面を見る際の視線の方向と想定される方向を含む所定の方向である。「利用者が前記表示面を見る際の視線の方向と想定される方向」とは、液晶表示装置が搭載された機器の機能上、利用者にとって機器を操作しながら見やすい方向が存在する場合、その方向を意味する。従って、その方向が液晶パネルの表示面と垂直方向を含む所定の方向となる場合もある。
【0015】
この発明では、利用者が外光を光源として液晶表示装置の表示を見る際、表示面の輝度を有効に高めることができる。従って、携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のように、表示面を見る際に利用者が手に持って、ほぼ一定の角度で見る携帯機器の場合により有効となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記凸部及び凹部は、前記可視光反射性電極における第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射する部分が平面となる形状である。この発明では、平面状の有機EL素子を用いた場合や、山形の凸部を備えた有機EL素子を用いた場合と比べ、所定の方向(第2の所定の方向)における輝度を他の方向における輝度よりも高くできる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記凸部及び凹部は、前記可視光反射性電極における第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射する部分が曲面となる形状である。この発明では、請求項4と同様の作用が得られ、更に、主反射部が曲面を有しているので視野角が広くなる。また、入射光を散乱させることが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1及び図2に従って説明する。図1(a)は液晶表示装置の要部概略断面図であり、図1(b)は(a)の部分拡大図であり、図2は作用を示す模式図である。
【0019】
図1(a)に示すように、液晶表示装置11は、アクティブ・マトリックス方式の透過型の液晶パネル12と、バックライト13とを備えている。
液晶パネル12は、一対の透明な基板14,15を備え、両基板14,15は所定の間隔を保った状態で、図示しないシール材により貼り合わされて、その間に液晶16が封止されている。基板14,15は例えばガラス製である。バックライト13側に配置された一方の基板14には、液晶16と対向する面に画素電極17と、画素電極17に接続された薄膜トランジスタ(TFT)18とが多数形成されている。画素電極17はITO(インジウム錫酸化物)で形成されている。また、基板14には、液晶16と反対側の面に偏光板19が形成されている。
【0020】
他方の基板15には液晶16側の面にカラーフィルタ20が形成され、カラーフィルタ20上には全画素共通の透明電極21が形成されている。透明電極21もITOで形成されている。カラーフィルタ20はR(赤)、G(緑)、B(青)の各サブピクセル20aを有し、各サブピクセル20aが画素電極17と対応するように配設されている。各サブピクセル20aはブラックマトリックス22で区画されている。基板15の液晶16と反対側の面には偏光板23が形成されている。
【0021】
図1(a),(b)に示すように、バックライト13は、基板24と、その上に形成された有機EL素子25とを備えた有機EL装置である。そして、バックライト13は有機EL素子25が液晶パネル12と対向するように配置され、有機EL素子25が発光した時の光が、基板24と反対側から出射するようになっている。即ち、この実施の形態の有機EL素子25はトップエミッション型である。
【0022】
基板24はガラス製の基板本体24aと、その片面に積層形成された樹脂層24bとから構成され、樹脂層24b上に有機EL素子25が形成されている。樹脂層24bは有機EL素子25の形成される面が、波状に連続する形状の複数の突条26を有するように形成されている。即ち、突条26の長手方向(図1(a)における紙面と垂直方向)と直交する断面形状が鋸歯状に形成されている。
【0023】
有機EL素子25は基板24上の突条26がある面側に形成され、基板24上に、可視光反射性電極としての第1電極27、有機発光層を含む有機EL層28及び可視光透過性電極としての第2電極29が順次積層されて形成されている。
【0024】
第1電極27は、突条26の基板24と対向する側の面に形成されている。突条26は、これに沿った第1電極27に主反射部と、当該反射部よりも面積が狭いその他の部分とが形成される形状を有している。本実施形態においては、主反射部は平面状である。
【0025】
第1電極27は、可視光に対する反射性を有する電極であり、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。つまり、第1電極27は、有機EL素子25を構成する電極としての機能と、装置外部からの光(装置外部の第1の方向から入射される光)及び有機EL層28からの可視光を反射する反射部材としての機能を有する。
【0026】
主反射部は第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射するように、表示面12aと平行な平面に対して傾斜する状態で設けられている。前記第2の所定の方向は、液晶表示装置11の利用者が表示面12aを見る際の視線の方向と想定される方向を含む所定の方向である。この実施の形態では前記想定される方向を含む所定の方向として、液晶パネル12の表示面12aに垂直な方向を含む所定の方向が設定されている。「垂直な方向を含む所定の方向」とは、前記垂直な方向及びその方向に対して所定の立体角で広がりを有する方向を意味する。また、「利用者が前記表示面を見ると想定される方向」とは、液晶表示装置が搭載された機器の機能上、利用者にとって機器を操作しながら見やすい方向が存在する場合、その方向を意味する。
【0027】
第1電極27が表示面12aに平行な平面と成す角度(図1(b)における第1電極27が基板本体24aの樹脂層24b側の表面と成す角度)は、例えば、8〜10°に設定されている。
【0028】
第1電極27及び第2電極29は互いに平行に設けられている。即ち、この実施の形態では、第2電極29は、液晶パネル12側に凸となる凸部30が複数設けられている。各凸部30は平行で互いに連続する形状に形成されている。そして、有機EL素子25は、少なくとも有機EL層28及び該有機EL層28よりも有機EL層28の光取り出し側にある部材が可視光透過性を有している。この実施の形態では、有機EL層28の光取り出し側にある部材となる第2電極29は可視光透過性を有する材質にて形成されている。第2電極29はITOで形成されており、蒸着法やスパッタ法等によって形成されている。両電極27,29は基板24に比較して極薄く形成されている。また、第1電極27が陽極を、第2電極29が陰極を構成する。
【0029】
液晶パネル12のサブピクセル20aの幅は100μm程度であり、凸部30は、幅方向の長さL(図1(b)に図示)が例えば、10〜15μmに形成されている。即ち、凸部30の幅方向の長さLは液晶パネル12のサブピクセル20aのピッチより小さく形成されている。
【0030】
有機EL層28は、第1電極27側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層の5層で構成され、各層を構成する有機材料には例えば公知のものを使用できる。有機EL層28は白色発光をするように構成されている。
【0031】
以上の構成により、有機EL層28は、第1電極27と第2電極29との間に電圧が印加されることにより発光する。第1電極27は、有機EL層28からの光を反射するため、反射板がない構成と比べて光の取出し効率が高くなる。また、第1電極27は、装置外部の第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射できるため、本構成を採用しない装置と比べて第2の所定の方向における輝度が高くなる。
【0032】
また、有機EL素子25は、第2電極29側の全面が覆われる状態で、有機EL層28が外気と接しないように、可視光透過性を有するパッシベーション膜(図示せず)で被覆されている。パッシベーション膜は水分の透過を防止可能な材料、例えば窒化ケイ素SiNxや酸化ケイ素SiOxで形成されている。パッシベーション膜も、基板24に比較して極薄く形成されている。
【0033】
なお、図面において、液晶パネル12及びバックライト13を構成する各基板、各電極、各層及び膜等の厚さは、図示の都合上、実際とは必ずしも一致しない相対関係で示されている。
【0034】
次にバックライト13は、公知の方向を適宜用いることでも製造できる。
先ず基板本体24aの片面にフォトリソグラフィーを利用してフォトレジストにより、波状の突条26を有する樹脂層24bを形成する。次に突条26側の全面に蒸着等によりアルミニウム層を形成した後、フォトリソグラフィーを利用したエッチングで、第1電極27となる部分以外の部分のアルミニウム層を除去して第1電極27を所望の位置に形成する。次に、突条26及び第1電極27の表面を覆うように、蒸着により有機EL層28及びITOからなる第2電極29を順次積層形成する。次にイオンプレーティングにより窒化ケイ素からなるパッシベーション膜を第2電極29の表面を覆う状態で、有機EL層28が外気と接しないように形成する。以上で基板24上に、可視光に対する反射性を有する第1電極27を備えたトップエミッション型の有機EL素子25が形成されたバックライト13の製造が完了する。
【0035】
次に、前述のように構成された液晶表示装置11の作用について説明する。
液晶パネル12においては、表示すべき画像に対応する所定の画素の液晶16に電圧が印加されることで前記画素が表示状態となる。
【0036】
昼間の屋外のように外部が明るい環境では、バックライト13を点灯しなくても外光を光源として利用できる。この状態では、液晶表示装置11は反射型の液晶表示装置として機能する。一方、外部が暗いときは、バックライト13を点灯して透過型の液晶表示装置として機能する。
【0037】
液晶表示装置11を外光を光源として使用する場合、外光は表示状態になった画素電極17と対応する液晶16の部分を透過した後、有機EL素子25に入射する。そして、主反射部で反射して再び液晶パネル12に表示面12aと反対側から入射し、液晶16を透過して表示面12aから出射する。
【0038】
外光の光源(図示せず)は、図2において液晶パネル12の左斜め上方に存在し、利用者の視線は液晶パネル12の表示面12aに対してほぼ垂直方向となる。この状態では、第1の所定の方向となる光源方向から有機EL素子25に入射された光が、主反射部において第2の所定の方向である液晶パネル12の表示面12aと垂直又は垂直に近い所定の方向へ反射される。従って、液晶表示装置11の利用者の眼に到達する光の量が多くなり、輝度が向上する。
【0039】
また、液晶パネル12から出射して有機EL素子25に入射した外光Pの反射光Prの液晶パネル12への入射角θ1は、図2に鎖線で示す主反射部が表示面12aに平行な場合に反射光Prが液晶パネル12へ入射する際の入射角θ2に比較して小さくなる。そして、反射光Prの液晶パネル12への入射角θ1が小さくなることにより、ある画素に入射した外光Pの反射光Prの出射位置が、当該外光Pの表示面12aへの入射位置に近くなる。従って、主反射部が表示面12aと平行な構成の液晶表示装置11に比較して、二重像やカラー表示の際の色滲みを抑制することができる。反射光Prの液晶パネル12への入射角θ1が0°となるようにすれば、二重像のずれが極めて小さくなる。
【0040】
主反射部が有機EL素子25の全面にわたって1つの斜面として形成されているのではなく、複数の主反射部が所定の幅で設けられている。従って、有機EL素子25が基板24から突出した形状に形成されていても、バックライト13の厚さがさほど厚くならない。
【0041】
携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のように、表示面を見る際に利用者が手に持って使用する携帯機器の場合、携帯機器の位置を多少変えることにより、簡単に光源の方向を第1の所定の方向に合わせることができ、第2の所定の方向が利用者の視線の方向に調整される。
【0042】
バックライト13を点灯して使用する際は、有機EL素子25の全面から発する光が、液晶パネル12の表示面12aに平行に入射するため、人が識別できるような二重像や色滲み発生はしない。
【0043】
この実施の形態は以下の効果を有する。
(1) 有機EL素子25は、基板24上に第1電極27、有機発光層を含む有機EL層28及び第2電極29が順次積層されて形成されている。有機EL層28を基準にして光取り出し側と反対側に設けられた第1電極27の複数の主反射部は第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射するように傾斜している。従って、第1の所定の方向が光源に向くように液晶表示装置11を配置して使用した場合、第2の所定の方向における輝度を高くすることができる。
【0044】
(2) 前記第2の所定の方向が、液晶表示装置11の利用者が表示面12aを見る際の視線の方向と想定される方向を含む所定の方向である。従って、利用者が外光を光源として液晶表示装置11の表示を見る際、表示面12aの輝度を有効に高めることができる。また、携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のように、表示面を見る際に利用者が手に持って、ほぼ一定の角度で見る携帯機器の場合により有効となる。
【0045】
(3) 前記第2の所定の方向が、液晶パネル12の表示面12aに垂直な方向を含む所定の方向である。従って、第2の所定の方向が、一般に利用者の視線の方向となる表示面12aに垂直な方向を含む所定の範囲となり、利用者の眼に到達する光の量を多くすることができ、表示の見易さにつながる。
【0046】
(4) 突条26は主反射部が設けられる部分と、主反射部が設けられない部分とが非対称に形成され、主反射部の面積が、主反射部が設けられない部分の面積より広く形成されている。従って、基板24の面積を同じとした場合、主反射部の占める面積を広くでき、反射光の量が多くなって輝度を高めることができる。
【0047】
(5) 第1電極27は突条26の1つの面に設けられ、有機EL層28は、第1電極27と第2電極29の間に印加される電圧により発光する。また、第1電極27は、可視光に対して反射性を有している。従って、発光箇所と外光を反射する反射箇所とが同じであるため、表示面12aにおける輝度分布が透過型として利用する場合と反射型として利用する場合と同じであり、利用者は透過型と反射型とで同様の表示を見ることができる。
【0048】
(6) 主反射部が平面状に形成されているため、主反射部が液晶パネル12側に凸となる曲面状に形成された場合に比較して、一方向へ反射する光の量を多くすることができる。
【0049】
(7) 有機EL素子25は、第2電極29側の全面が覆われる状態で、有機EL層28が外気と接しないように、基板24に比較して極薄いパッシベーション膜で被覆されている。従って、例えば第2電極29の積層形成時に第2電極29にピンホールが形成されてしまった場合であっても、パッシベーション膜によって有機EL層28を外気から遮断することができ、外気との接触による有機EL層28の劣化を防止することができる。
【0050】
(8) 基板24がガラス製の基板本体24aと、樹脂層24bとから構成され、樹脂層24b上に有機EL素子25が形成されている。従って、有機EL素子25を形成する側の基板24の表面に波状の突条26を形成するのが容易となる。
【0051】
(9) 凸部30の幅方向の長さLが液晶パネル12のサブピクセル20aのピッチより小さく形成されている。従って、主反射部の傾斜角度が同じ場合、前記長さLがサブピクセル20aのピッチより大きく形成された場合に比較して、凸部30の突出量を小さくでき、バックライト13の薄型化に寄与できる。
【0052】
(10) 凸部30は鋸歯状に連続して形成され、主反射部は帯状に形成されるため、凸部30がドット状に形成される場合に比較して主反射部の面積を広くするのが容易となり、凸部30がドット状の場合に比較して第2の所定の方向への反射光の光量を多くすることができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を図3(a),(b)に従って説明する。この実施の形態はバックライト13を構成する有機EL素子25の形状が第1の実施の形態と異なっており、その他の構成は同じため、有機EL素子25についてのみ説明する。また、前記実施の形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0054】
図3(a)に示すように、有機EL素子25は基板24の表面から突出するとともに底部外形が円形のドット状の複数の凸部32を有するように形成されている。凸部32は円錐をその斜面と交差するとともに底面の円に接する面で切断された形状に形成されている。図3(b)に示すように、凸部32は表示面12aに対して傾斜する方向に延びる第1の斜面32aと、第1の斜面32aに連続する第2の斜面32bとを有する。主反射部は第1の斜面32a及び第2の斜面32bの稜線を含み凸部32の底面と直交する仮想平面で凸部32を切断した際、第1の斜面32a側となる部分を覆うように形成されている。従って、主反射部は、第1の斜面32aと対応する位置に形成された部分以外の部分が湾曲面となる。
【0055】
第1の斜面32aは、その上に形成された主反射部の反射光が、第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射するように、表示面12aと平行な平面に対して傾斜する状態で設けられている。第1電極27はアルミニウム層で形成されている。
【0056】
有機EL素子25の形成は、基板24の樹脂層24bに形成された凸部33上に、前記実施の形態と同様な方法で、第1電極27、有機EL層28及び第2電極29を順次積層形成することにより行われる。
【0057】
この実施の形態の構成では、凸部32に形成された主反射部が、第1の斜面32aに形成された平面状の部分とそれに連続する湾曲面の部分とを含む。従って、第1の所定の方向から有機EL素子25に入射した外光は、主反射部が平面状に構成された場合よりも第2の所定の方向へ反射する際に、その反射光の範囲が広がる。
【0058】
従って、この実施の形態では前記実施の形態の(1)〜(11)と同様の効果を有する他に次の効果を有する。
(11) 基板24がガラス製の基板本体24aと、樹脂層24bとから構成され、樹脂層24b上に有機EL素子25が形成されている。従って、有機EL素子25を形成する側の基板24の表面にドット状の凸部32を形成するのが容易となる。
【0059】
(12) 第1電極27が凸部32の第1の斜面32aだけでなく、第1の斜面32aの両側に連続する湾曲部にも形成されている。従って、液晶表示装置11の表示部を見る際、表示面12aの角度が第1の斜面32aの部分に形成された主反射部の傾斜角度と、外光の表示面12aに対する入射角度とで決まる最適な傾斜状態から多少ずれても、有効な反射光の割合が多くなる。
【0060】
実施の形態は前記に限らず、例えば次のように構成してもよい。
〇 凸部30が鋸歯状に形成される場合、主反射部が形成される斜面部に連続する斜面は垂直面であってもよい。このようにすると、凸部30の長さLが同じ場合主反射部の面積を大きくできて、輝度を向上できるので好ましい。
【0061】
〇 隣接する凸部30同士が連続する鋸歯状に限らず、有機EL素子25を隣接する凸部30の間に表示面12aと平行な面を有する構成としてもよい。
○ 凸部30あるいは凸部32を全て同じに形成せずに、異なる大きさのものが混在する状態、即ち相似形状のものが混在する状態に構成してもよい。
【0062】
○ 主反射部が設けられる部分の傾斜角が異なる凸部30あるいは凸部32が混在する構成としてもよい。このようにすると、液晶表示装置11を見る際の表示面12aと利用者の視線との成す角度の適正な範囲が広くなるので好ましい。
【0063】
〇 凸部32の形状は円錐を平面で斜めに切断した形状に限らず、三角柱を横にした形状(例えば図4(a)に示すような形状)、貝殻状(例えば図4(b)に示すような形状)、円錐あるいは円錐台をその軸線を含む面と平行な面で切断した形状、半円柱を斜めに切断した形状等の形状としてもよい。また、異なる種類の形状の凸部32が混在する構成としてもよい。凸部32が貝殻状、円錐あるいは円錐台をその軸線を含む面と平行な面で切断した形状の場合、主反射部は全体が液晶パネル12側に向かって凸となる曲面状に形成されるので、第1の所定の方向の範囲に比較して、第2の所定の方向の範囲が広がり、主反射部が平面の場合に比較して視野角が広くなる。
【0064】
○ 前記第2の所定の方向は、液晶パネル12の表示面12aに垂直な方向を含む所定の方向に限らず、液晶表示装置11の利用者が表示面12aを見る際の視線の方向と想定される方向を含む所定の方向としてもよい。「利用者が前記表示面を見る際の視線の方向と想定される方向」とは、液晶表示装置が搭載された機器の機能上、利用者にとって機器を操作しながら見やすい方向が存在する場合、その方向を意味する。従って、その方向が液晶パネルの表示面と垂直方向を含む所定の方向以外の方向となる場合もある。このようにすると、利用者が外光を光源として液晶表示装置11の表示を見る際、表示面12aの輝度を有効に高めることができ、携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のように、表示面を見る際に利用者が手に持って、ほぼ一定の角度で見る携帯機器の場合により有効となる。
【0065】
○ 有機EL素子25は必ずしも基板24から突出していなくてもよい。例えば、基板24に、表示面12aに対して傾斜する方向に延びる第1の斜面と、前記第1の斜面に連続する第2の斜面とを有するドット状の凹部を形成する。そして、第1の斜面及び第2の斜面に第1電極27を形成した後、順次、有機EL層28、第2電極29を積層形成してもよい。この場合も、有機EL素子25が基板24から突出した状態に形成した場合と同様な効果を有する。また、有機EL素子25の基板24と対向する面と反対側の面が平坦になり、バックライト13を液晶パネル12に接触する状態で組み付けるのが容易となる。
【0066】
〇 有機EL素子25はトップエミッション型に限らず、有機EL層28からの発光の取り出し方向を基板24側とするボトムエミッション型としてもよい。ボトムエミッション型の場合は、基板24上に第2電極29,有機EL層28を形成した後、該有機EL層28上に第1電極27を形成する。第1電極27は例えば蒸着等により形成される。
【0067】
〇 突条26あるいは凸部33の形成を容易にするため、基板24を基板本体24aと樹脂層24bとの2層構成とした。しかし、樹脂層24bを設けずに、ガラス製の基板24の表面に直接突条26あるいは凸部33を形成してもよい。また、基板24はガラスに限らず、樹脂であってもよい。また、基板24は硬質基板に限らず、フレキシブル基板であってもよい。
【0068】
○ 有機EL素子25がトップエミッション型の場合、基板24は可視光透過性を有していなくてもよい。光透過性を有さない場合、例えば金属、セラミックス等を使用できる。
【0069】
〇 有機EL層28を挟んで基板24側に配設される第1電極27を陰極とし、基板24と反対側に配設される第2電極29を陽極としてもよい。この場合、有機EL層28の構成もそれに対応して変更する。
【0070】
○ 有機EL層28は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層の5層からなるものに限らず、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層の少なくとも一つと発光層とからなるものであってもよく、発光層のみからなるものであってもよい。
【0071】
○ 第1電極27はアルミニウム以外の金属を用いて形成されていてもよい。
○ パッシベーション膜の材料は、窒化ケイ素SiNxや酸化ケイ素SiOxに限らず、透明で水分や酸素等のガスの透過率の小さな他の材料、例えばダイヤモンド・ライク・カーボンであってもよい。
【0072】
〇 基板14,15はガラスに限らず、透明な樹脂基板やフィルムであってもよい。
〇 液晶パネル12はカラーフィルタ20を備えない、白黒表示パネルであってもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、外光を光源として利用する際、所定の方向における輝度を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1の実施の形態における液晶表示装置の要部模式断面図(b)は(a)の部分拡大図。
【図2】作用を説明する模式断面図。
【図3】(a)は第2の実施の形態の有機EL素子を示す模式斜視図、(b)は突部の拡大模式断面図。
【図4】(a),(b)は別の実施の形態の凸部を示す模式斜視図。
【図5】従来の液晶表示装置の模式断面図。
【符号の説明】
11…液晶表示装置、12…液晶パネル、12a…表示面、13…バックライト、24…基板、25…有機EL素子、27…第1電極、28…有機EL層、29…第2電極、30,32,33…凸部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックライトとして有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を備えた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、携帯機器等の表示装置として広く用いられている。これら携帯機器は、小型軽量化、低消費電力に対するニーズが高く、これに伴い液晶表示装置も更なる薄型化、低消費電力化が必要である。
【0003】
低消費電力化のため反射型の液晶表示装置が採用されているが、画質が十分ではない。十分な画質を確保するためには、バックライトを用いた透過型の液晶表示装置が優れる。そして、近年、バックライトとして有機EL素子を備え、反射型の表示機能と透過型の表示機能を備えた液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この液晶表示装置は図5に示すように、液晶パネル71と、その後方に配置された有機EL素子72とから構成されている。液晶パネル71は、一対の透明基板73a,73b間に液晶74、透明電極75a,75b等が配置され、透明基板73a,73bの外側に偏光板76a,76bが配置されている。有機EL素子72は、ガラス製の基板77の上に設けられ、反射カソード電極78、有機EL層79及び光透過性を有するアノード電極80が基板77側から順に積層形成されている。有機EL素子72は基板77と反対側から有機EL層79の発光が出射される所謂トップエミッション型に構成されている。
【0005】
従って、この液晶表示装置は、明るい環境ではバックライトを点灯せずに使用され、外光Pが有機EL素子72の反射カソード電極78で反射され、反射型の液晶表示装置として機能する。また、外部が暗い環境では有機EL素子72がバックライトとして使用され、十分な輝度を確保できる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−78582号公報(明細書の段落[0015]〜[0022]、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液晶表示装置のように反射面が液晶パネルの表示面と平行に存在する構成では、外光Pが表示面に垂直あるいは垂直に近い角度で入射される場合には、反射カソード電極78の反射面での反射光が表示面に有効に反射される。
【0008】
ところが、携帯機器等に装備された液晶表示装置が使用される状況は、一般に光源と液晶表示装置と利用者の位置関係がおおよそ決まっており、利用者は表示面をほぼ垂直方向から見る場合が多く、光源は利用者の前側上方に存在する場合が多い。そのため、外光は液晶パネルの表示面に対して斜めから入射することになり、その反射光は利用者の見る方向である表示面と垂直方向及び垂直方向に対して所定の角度で広がりを有する範囲へ反射する割合が少なくなり、輝度が不十分となる。
【0009】
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は外光を光源として利用する際、所定の方向における輝度を高くすることができる液晶表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、液晶パネルと、その表示面と反対側にバックライトとして有機EL装置とを備えた液晶表示装置であって、前記有機EL装置は、光取り出し側から順に可視光透過性電極と、有機発光層を含む有機EL層と、可視光反射性電極とを備えた有機EL素子が基板上に形成され、前記有機EL素子は、液晶パネルに対して隆起した凸部、及び液晶パネルに対して窪んだ凹部の少なくとも一方が複数形成され、前記凸部及び凹部は、前記可視光反射性電極における第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射する部分(以下、主反射部と表記する)の面積が、該可視光反射性電極における他の部分の面積よりも広い形状を有し、第1の所定の方向は、通常の使用状態において光源があると想定される方向である。
【0011】
「所定の方向」とは、直線的な一方向を意味するのではなく、所定の立体角を有する方向を意味する。第1の所定の方向は、液晶表示装置の通常の使用状態において光源があると想定される方向である。従って、液晶表示装置の用途等によって、光源があると想定される方向は適宜設定される。また、本明細書では、適宜、基板上に有機EL素子が形成された装置を有機EL装置と表記する。
【0012】
この発明では、液晶パネルを透過して第1の所定の方向から有機EL素子に入射された外光は、主反射部で第2の所定の方向へ反射される。従って、第1の所定の方向が光源に向くように液晶表示装置を配置して使用すれば、第2の所定方向へ反射される光の量が多くなる。第2の所定の方向を利用者の眼が有る方向(視線の方向)とすれば、利用者の眼に到達する光の量を多くすることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2の所定の方向が、前記液晶パネルの表示面に垂直な方向を含む所定の方向である。この発明では、一般に液晶表示装置の利用者は液晶パネルの表示面に垂直あるいは垂直に近い方向から表示面を見ることが多いため、輝度の向上が表示の見易さにつながる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2の所定の方向が、液晶表示装置の利用者が前記表示面を見る際の視線の方向と想定される方向を含む所定の方向である。「利用者が前記表示面を見る際の視線の方向と想定される方向」とは、液晶表示装置が搭載された機器の機能上、利用者にとって機器を操作しながら見やすい方向が存在する場合、その方向を意味する。従って、その方向が液晶パネルの表示面と垂直方向を含む所定の方向となる場合もある。
【0015】
この発明では、利用者が外光を光源として液晶表示装置の表示を見る際、表示面の輝度を有効に高めることができる。従って、携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のように、表示面を見る際に利用者が手に持って、ほぼ一定の角度で見る携帯機器の場合により有効となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記凸部及び凹部は、前記可視光反射性電極における第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射する部分が平面となる形状である。この発明では、平面状の有機EL素子を用いた場合や、山形の凸部を備えた有機EL素子を用いた場合と比べ、所定の方向(第2の所定の方向)における輝度を他の方向における輝度よりも高くできる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記凸部及び凹部は、前記可視光反射性電極における第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射する部分が曲面となる形状である。この発明では、請求項4と同様の作用が得られ、更に、主反射部が曲面を有しているので視野角が広くなる。また、入射光を散乱させることが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1及び図2に従って説明する。図1(a)は液晶表示装置の要部概略断面図であり、図1(b)は(a)の部分拡大図であり、図2は作用を示す模式図である。
【0019】
図1(a)に示すように、液晶表示装置11は、アクティブ・マトリックス方式の透過型の液晶パネル12と、バックライト13とを備えている。
液晶パネル12は、一対の透明な基板14,15を備え、両基板14,15は所定の間隔を保った状態で、図示しないシール材により貼り合わされて、その間に液晶16が封止されている。基板14,15は例えばガラス製である。バックライト13側に配置された一方の基板14には、液晶16と対向する面に画素電極17と、画素電極17に接続された薄膜トランジスタ(TFT)18とが多数形成されている。画素電極17はITO(インジウム錫酸化物)で形成されている。また、基板14には、液晶16と反対側の面に偏光板19が形成されている。
【0020】
他方の基板15には液晶16側の面にカラーフィルタ20が形成され、カラーフィルタ20上には全画素共通の透明電極21が形成されている。透明電極21もITOで形成されている。カラーフィルタ20はR(赤)、G(緑)、B(青)の各サブピクセル20aを有し、各サブピクセル20aが画素電極17と対応するように配設されている。各サブピクセル20aはブラックマトリックス22で区画されている。基板15の液晶16と反対側の面には偏光板23が形成されている。
【0021】
図1(a),(b)に示すように、バックライト13は、基板24と、その上に形成された有機EL素子25とを備えた有機EL装置である。そして、バックライト13は有機EL素子25が液晶パネル12と対向するように配置され、有機EL素子25が発光した時の光が、基板24と反対側から出射するようになっている。即ち、この実施の形態の有機EL素子25はトップエミッション型である。
【0022】
基板24はガラス製の基板本体24aと、その片面に積層形成された樹脂層24bとから構成され、樹脂層24b上に有機EL素子25が形成されている。樹脂層24bは有機EL素子25の形成される面が、波状に連続する形状の複数の突条26を有するように形成されている。即ち、突条26の長手方向(図1(a)における紙面と垂直方向)と直交する断面形状が鋸歯状に形成されている。
【0023】
有機EL素子25は基板24上の突条26がある面側に形成され、基板24上に、可視光反射性電極としての第1電極27、有機発光層を含む有機EL層28及び可視光透過性電極としての第2電極29が順次積層されて形成されている。
【0024】
第1電極27は、突条26の基板24と対向する側の面に形成されている。突条26は、これに沿った第1電極27に主反射部と、当該反射部よりも面積が狭いその他の部分とが形成される形状を有している。本実施形態においては、主反射部は平面状である。
【0025】
第1電極27は、可視光に対する反射性を有する電極であり、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。つまり、第1電極27は、有機EL素子25を構成する電極としての機能と、装置外部からの光(装置外部の第1の方向から入射される光)及び有機EL層28からの可視光を反射する反射部材としての機能を有する。
【0026】
主反射部は第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射するように、表示面12aと平行な平面に対して傾斜する状態で設けられている。前記第2の所定の方向は、液晶表示装置11の利用者が表示面12aを見る際の視線の方向と想定される方向を含む所定の方向である。この実施の形態では前記想定される方向を含む所定の方向として、液晶パネル12の表示面12aに垂直な方向を含む所定の方向が設定されている。「垂直な方向を含む所定の方向」とは、前記垂直な方向及びその方向に対して所定の立体角で広がりを有する方向を意味する。また、「利用者が前記表示面を見ると想定される方向」とは、液晶表示装置が搭載された機器の機能上、利用者にとって機器を操作しながら見やすい方向が存在する場合、その方向を意味する。
【0027】
第1電極27が表示面12aに平行な平面と成す角度(図1(b)における第1電極27が基板本体24aの樹脂層24b側の表面と成す角度)は、例えば、8〜10°に設定されている。
【0028】
第1電極27及び第2電極29は互いに平行に設けられている。即ち、この実施の形態では、第2電極29は、液晶パネル12側に凸となる凸部30が複数設けられている。各凸部30は平行で互いに連続する形状に形成されている。そして、有機EL素子25は、少なくとも有機EL層28及び該有機EL層28よりも有機EL層28の光取り出し側にある部材が可視光透過性を有している。この実施の形態では、有機EL層28の光取り出し側にある部材となる第2電極29は可視光透過性を有する材質にて形成されている。第2電極29はITOで形成されており、蒸着法やスパッタ法等によって形成されている。両電極27,29は基板24に比較して極薄く形成されている。また、第1電極27が陽極を、第2電極29が陰極を構成する。
【0029】
液晶パネル12のサブピクセル20aの幅は100μm程度であり、凸部30は、幅方向の長さL(図1(b)に図示)が例えば、10〜15μmに形成されている。即ち、凸部30の幅方向の長さLは液晶パネル12のサブピクセル20aのピッチより小さく形成されている。
【0030】
有機EL層28は、第1電極27側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層の5層で構成され、各層を構成する有機材料には例えば公知のものを使用できる。有機EL層28は白色発光をするように構成されている。
【0031】
以上の構成により、有機EL層28は、第1電極27と第2電極29との間に電圧が印加されることにより発光する。第1電極27は、有機EL層28からの光を反射するため、反射板がない構成と比べて光の取出し効率が高くなる。また、第1電極27は、装置外部の第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射できるため、本構成を採用しない装置と比べて第2の所定の方向における輝度が高くなる。
【0032】
また、有機EL素子25は、第2電極29側の全面が覆われる状態で、有機EL層28が外気と接しないように、可視光透過性を有するパッシベーション膜(図示せず)で被覆されている。パッシベーション膜は水分の透過を防止可能な材料、例えば窒化ケイ素SiNxや酸化ケイ素SiOxで形成されている。パッシベーション膜も、基板24に比較して極薄く形成されている。
【0033】
なお、図面において、液晶パネル12及びバックライト13を構成する各基板、各電極、各層及び膜等の厚さは、図示の都合上、実際とは必ずしも一致しない相対関係で示されている。
【0034】
次にバックライト13は、公知の方向を適宜用いることでも製造できる。
先ず基板本体24aの片面にフォトリソグラフィーを利用してフォトレジストにより、波状の突条26を有する樹脂層24bを形成する。次に突条26側の全面に蒸着等によりアルミニウム層を形成した後、フォトリソグラフィーを利用したエッチングで、第1電極27となる部分以外の部分のアルミニウム層を除去して第1電極27を所望の位置に形成する。次に、突条26及び第1電極27の表面を覆うように、蒸着により有機EL層28及びITOからなる第2電極29を順次積層形成する。次にイオンプレーティングにより窒化ケイ素からなるパッシベーション膜を第2電極29の表面を覆う状態で、有機EL層28が外気と接しないように形成する。以上で基板24上に、可視光に対する反射性を有する第1電極27を備えたトップエミッション型の有機EL素子25が形成されたバックライト13の製造が完了する。
【0035】
次に、前述のように構成された液晶表示装置11の作用について説明する。
液晶パネル12においては、表示すべき画像に対応する所定の画素の液晶16に電圧が印加されることで前記画素が表示状態となる。
【0036】
昼間の屋外のように外部が明るい環境では、バックライト13を点灯しなくても外光を光源として利用できる。この状態では、液晶表示装置11は反射型の液晶表示装置として機能する。一方、外部が暗いときは、バックライト13を点灯して透過型の液晶表示装置として機能する。
【0037】
液晶表示装置11を外光を光源として使用する場合、外光は表示状態になった画素電極17と対応する液晶16の部分を透過した後、有機EL素子25に入射する。そして、主反射部で反射して再び液晶パネル12に表示面12aと反対側から入射し、液晶16を透過して表示面12aから出射する。
【0038】
外光の光源(図示せず)は、図2において液晶パネル12の左斜め上方に存在し、利用者の視線は液晶パネル12の表示面12aに対してほぼ垂直方向となる。この状態では、第1の所定の方向となる光源方向から有機EL素子25に入射された光が、主反射部において第2の所定の方向である液晶パネル12の表示面12aと垂直又は垂直に近い所定の方向へ反射される。従って、液晶表示装置11の利用者の眼に到達する光の量が多くなり、輝度が向上する。
【0039】
また、液晶パネル12から出射して有機EL素子25に入射した外光Pの反射光Prの液晶パネル12への入射角θ1は、図2に鎖線で示す主反射部が表示面12aに平行な場合に反射光Prが液晶パネル12へ入射する際の入射角θ2に比較して小さくなる。そして、反射光Prの液晶パネル12への入射角θ1が小さくなることにより、ある画素に入射した外光Pの反射光Prの出射位置が、当該外光Pの表示面12aへの入射位置に近くなる。従って、主反射部が表示面12aと平行な構成の液晶表示装置11に比較して、二重像やカラー表示の際の色滲みを抑制することができる。反射光Prの液晶パネル12への入射角θ1が0°となるようにすれば、二重像のずれが極めて小さくなる。
【0040】
主反射部が有機EL素子25の全面にわたって1つの斜面として形成されているのではなく、複数の主反射部が所定の幅で設けられている。従って、有機EL素子25が基板24から突出した形状に形成されていても、バックライト13の厚さがさほど厚くならない。
【0041】
携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のように、表示面を見る際に利用者が手に持って使用する携帯機器の場合、携帯機器の位置を多少変えることにより、簡単に光源の方向を第1の所定の方向に合わせることができ、第2の所定の方向が利用者の視線の方向に調整される。
【0042】
バックライト13を点灯して使用する際は、有機EL素子25の全面から発する光が、液晶パネル12の表示面12aに平行に入射するため、人が識別できるような二重像や色滲み発生はしない。
【0043】
この実施の形態は以下の効果を有する。
(1) 有機EL素子25は、基板24上に第1電極27、有機発光層を含む有機EL層28及び第2電極29が順次積層されて形成されている。有機EL層28を基準にして光取り出し側と反対側に設けられた第1電極27の複数の主反射部は第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射するように傾斜している。従って、第1の所定の方向が光源に向くように液晶表示装置11を配置して使用した場合、第2の所定の方向における輝度を高くすることができる。
【0044】
(2) 前記第2の所定の方向が、液晶表示装置11の利用者が表示面12aを見る際の視線の方向と想定される方向を含む所定の方向である。従って、利用者が外光を光源として液晶表示装置11の表示を見る際、表示面12aの輝度を有効に高めることができる。また、携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のように、表示面を見る際に利用者が手に持って、ほぼ一定の角度で見る携帯機器の場合により有効となる。
【0045】
(3) 前記第2の所定の方向が、液晶パネル12の表示面12aに垂直な方向を含む所定の方向である。従って、第2の所定の方向が、一般に利用者の視線の方向となる表示面12aに垂直な方向を含む所定の範囲となり、利用者の眼に到達する光の量を多くすることができ、表示の見易さにつながる。
【0046】
(4) 突条26は主反射部が設けられる部分と、主反射部が設けられない部分とが非対称に形成され、主反射部の面積が、主反射部が設けられない部分の面積より広く形成されている。従って、基板24の面積を同じとした場合、主反射部の占める面積を広くでき、反射光の量が多くなって輝度を高めることができる。
【0047】
(5) 第1電極27は突条26の1つの面に設けられ、有機EL層28は、第1電極27と第2電極29の間に印加される電圧により発光する。また、第1電極27は、可視光に対して反射性を有している。従って、発光箇所と外光を反射する反射箇所とが同じであるため、表示面12aにおける輝度分布が透過型として利用する場合と反射型として利用する場合と同じであり、利用者は透過型と反射型とで同様の表示を見ることができる。
【0048】
(6) 主反射部が平面状に形成されているため、主反射部が液晶パネル12側に凸となる曲面状に形成された場合に比較して、一方向へ反射する光の量を多くすることができる。
【0049】
(7) 有機EL素子25は、第2電極29側の全面が覆われる状態で、有機EL層28が外気と接しないように、基板24に比較して極薄いパッシベーション膜で被覆されている。従って、例えば第2電極29の積層形成時に第2電極29にピンホールが形成されてしまった場合であっても、パッシベーション膜によって有機EL層28を外気から遮断することができ、外気との接触による有機EL層28の劣化を防止することができる。
【0050】
(8) 基板24がガラス製の基板本体24aと、樹脂層24bとから構成され、樹脂層24b上に有機EL素子25が形成されている。従って、有機EL素子25を形成する側の基板24の表面に波状の突条26を形成するのが容易となる。
【0051】
(9) 凸部30の幅方向の長さLが液晶パネル12のサブピクセル20aのピッチより小さく形成されている。従って、主反射部の傾斜角度が同じ場合、前記長さLがサブピクセル20aのピッチより大きく形成された場合に比較して、凸部30の突出量を小さくでき、バックライト13の薄型化に寄与できる。
【0052】
(10) 凸部30は鋸歯状に連続して形成され、主反射部は帯状に形成されるため、凸部30がドット状に形成される場合に比較して主反射部の面積を広くするのが容易となり、凸部30がドット状の場合に比較して第2の所定の方向への反射光の光量を多くすることができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を図3(a),(b)に従って説明する。この実施の形態はバックライト13を構成する有機EL素子25の形状が第1の実施の形態と異なっており、その他の構成は同じため、有機EL素子25についてのみ説明する。また、前記実施の形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0054】
図3(a)に示すように、有機EL素子25は基板24の表面から突出するとともに底部外形が円形のドット状の複数の凸部32を有するように形成されている。凸部32は円錐をその斜面と交差するとともに底面の円に接する面で切断された形状に形成されている。図3(b)に示すように、凸部32は表示面12aに対して傾斜する方向に延びる第1の斜面32aと、第1の斜面32aに連続する第2の斜面32bとを有する。主反射部は第1の斜面32a及び第2の斜面32bの稜線を含み凸部32の底面と直交する仮想平面で凸部32を切断した際、第1の斜面32a側となる部分を覆うように形成されている。従って、主反射部は、第1の斜面32aと対応する位置に形成された部分以外の部分が湾曲面となる。
【0055】
第1の斜面32aは、その上に形成された主反射部の反射光が、第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射するように、表示面12aと平行な平面に対して傾斜する状態で設けられている。第1電極27はアルミニウム層で形成されている。
【0056】
有機EL素子25の形成は、基板24の樹脂層24bに形成された凸部33上に、前記実施の形態と同様な方法で、第1電極27、有機EL層28及び第2電極29を順次積層形成することにより行われる。
【0057】
この実施の形態の構成では、凸部32に形成された主反射部が、第1の斜面32aに形成された平面状の部分とそれに連続する湾曲面の部分とを含む。従って、第1の所定の方向から有機EL素子25に入射した外光は、主反射部が平面状に構成された場合よりも第2の所定の方向へ反射する際に、その反射光の範囲が広がる。
【0058】
従って、この実施の形態では前記実施の形態の(1)〜(11)と同様の効果を有する他に次の効果を有する。
(11) 基板24がガラス製の基板本体24aと、樹脂層24bとから構成され、樹脂層24b上に有機EL素子25が形成されている。従って、有機EL素子25を形成する側の基板24の表面にドット状の凸部32を形成するのが容易となる。
【0059】
(12) 第1電極27が凸部32の第1の斜面32aだけでなく、第1の斜面32aの両側に連続する湾曲部にも形成されている。従って、液晶表示装置11の表示部を見る際、表示面12aの角度が第1の斜面32aの部分に形成された主反射部の傾斜角度と、外光の表示面12aに対する入射角度とで決まる最適な傾斜状態から多少ずれても、有効な反射光の割合が多くなる。
【0060】
実施の形態は前記に限らず、例えば次のように構成してもよい。
〇 凸部30が鋸歯状に形成される場合、主反射部が形成される斜面部に連続する斜面は垂直面であってもよい。このようにすると、凸部30の長さLが同じ場合主反射部の面積を大きくできて、輝度を向上できるので好ましい。
【0061】
〇 隣接する凸部30同士が連続する鋸歯状に限らず、有機EL素子25を隣接する凸部30の間に表示面12aと平行な面を有する構成としてもよい。
○ 凸部30あるいは凸部32を全て同じに形成せずに、異なる大きさのものが混在する状態、即ち相似形状のものが混在する状態に構成してもよい。
【0062】
○ 主反射部が設けられる部分の傾斜角が異なる凸部30あるいは凸部32が混在する構成としてもよい。このようにすると、液晶表示装置11を見る際の表示面12aと利用者の視線との成す角度の適正な範囲が広くなるので好ましい。
【0063】
〇 凸部32の形状は円錐を平面で斜めに切断した形状に限らず、三角柱を横にした形状(例えば図4(a)に示すような形状)、貝殻状(例えば図4(b)に示すような形状)、円錐あるいは円錐台をその軸線を含む面と平行な面で切断した形状、半円柱を斜めに切断した形状等の形状としてもよい。また、異なる種類の形状の凸部32が混在する構成としてもよい。凸部32が貝殻状、円錐あるいは円錐台をその軸線を含む面と平行な面で切断した形状の場合、主反射部は全体が液晶パネル12側に向かって凸となる曲面状に形成されるので、第1の所定の方向の範囲に比較して、第2の所定の方向の範囲が広がり、主反射部が平面の場合に比較して視野角が広くなる。
【0064】
○ 前記第2の所定の方向は、液晶パネル12の表示面12aに垂直な方向を含む所定の方向に限らず、液晶表示装置11の利用者が表示面12aを見る際の視線の方向と想定される方向を含む所定の方向としてもよい。「利用者が前記表示面を見る際の視線の方向と想定される方向」とは、液晶表示装置が搭載された機器の機能上、利用者にとって機器を操作しながら見やすい方向が存在する場合、その方向を意味する。従って、その方向が液晶パネルの表示面と垂直方向を含む所定の方向以外の方向となる場合もある。このようにすると、利用者が外光を光源として液晶表示装置11の表示を見る際、表示面12aの輝度を有効に高めることができ、携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のように、表示面を見る際に利用者が手に持って、ほぼ一定の角度で見る携帯機器の場合により有効となる。
【0065】
○ 有機EL素子25は必ずしも基板24から突出していなくてもよい。例えば、基板24に、表示面12aに対して傾斜する方向に延びる第1の斜面と、前記第1の斜面に連続する第2の斜面とを有するドット状の凹部を形成する。そして、第1の斜面及び第2の斜面に第1電極27を形成した後、順次、有機EL層28、第2電極29を積層形成してもよい。この場合も、有機EL素子25が基板24から突出した状態に形成した場合と同様な効果を有する。また、有機EL素子25の基板24と対向する面と反対側の面が平坦になり、バックライト13を液晶パネル12に接触する状態で組み付けるのが容易となる。
【0066】
〇 有機EL素子25はトップエミッション型に限らず、有機EL層28からの発光の取り出し方向を基板24側とするボトムエミッション型としてもよい。ボトムエミッション型の場合は、基板24上に第2電極29,有機EL層28を形成した後、該有機EL層28上に第1電極27を形成する。第1電極27は例えば蒸着等により形成される。
【0067】
〇 突条26あるいは凸部33の形成を容易にするため、基板24を基板本体24aと樹脂層24bとの2層構成とした。しかし、樹脂層24bを設けずに、ガラス製の基板24の表面に直接突条26あるいは凸部33を形成してもよい。また、基板24はガラスに限らず、樹脂であってもよい。また、基板24は硬質基板に限らず、フレキシブル基板であってもよい。
【0068】
○ 有機EL素子25がトップエミッション型の場合、基板24は可視光透過性を有していなくてもよい。光透過性を有さない場合、例えば金属、セラミックス等を使用できる。
【0069】
〇 有機EL層28を挟んで基板24側に配設される第1電極27を陰極とし、基板24と反対側に配設される第2電極29を陽極としてもよい。この場合、有機EL層28の構成もそれに対応して変更する。
【0070】
○ 有機EL層28は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層の5層からなるものに限らず、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層の少なくとも一つと発光層とからなるものであってもよく、発光層のみからなるものであってもよい。
【0071】
○ 第1電極27はアルミニウム以外の金属を用いて形成されていてもよい。
○ パッシベーション膜の材料は、窒化ケイ素SiNxや酸化ケイ素SiOxに限らず、透明で水分や酸素等のガスの透過率の小さな他の材料、例えばダイヤモンド・ライク・カーボンであってもよい。
【0072】
〇 基板14,15はガラスに限らず、透明な樹脂基板やフィルムであってもよい。
〇 液晶パネル12はカラーフィルタ20を備えない、白黒表示パネルであってもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、外光を光源として利用する際、所定の方向における輝度を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1の実施の形態における液晶表示装置の要部模式断面図(b)は(a)の部分拡大図。
【図2】作用を説明する模式断面図。
【図3】(a)は第2の実施の形態の有機EL素子を示す模式斜視図、(b)は突部の拡大模式断面図。
【図4】(a),(b)は別の実施の形態の凸部を示す模式斜視図。
【図5】従来の液晶表示装置の模式断面図。
【符号の説明】
11…液晶表示装置、12…液晶パネル、12a…表示面、13…バックライト、24…基板、25…有機EL素子、27…第1電極、28…有機EL層、29…第2電極、30,32,33…凸部。
Claims (5)
- 液晶パネルと、その表示面と反対側にバックライトとして有機EL装置とを備えた液晶表示装置であって、
前記有機EL装置は、光取り出し側から順に可視光透過性電極と、有機発光層を含む有機EL層と、可視光反射性電極とを備えた有機EL素子が基板上に形成され、
前記有機EL素子は、液晶パネルに対して隆起した凸部、及び液晶パネルに対して窪んだ凹部の少なくとも一方が複数形成され、
前記凸部及び凹部は、前記可視光反射性電極における第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射する部分の面積が、該可視光反射性電極における他の部分の面積よりも広い形状を有し、
第1の所定の方向は、通常の使用状態において光源があると想定される方向である液晶表示装置。 - 前記第2の所定の方向が、前記液晶パネルの表示面に垂直な方向を含む所定の方向である請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記第2の所定の方向が、液晶表示装置の利用者が前記表示面を見る際の視線の方向と想定される方向を含む所定の方向である請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記凸部及び凹部は、前記可視光反射性電極における第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射する部分が平面となる形状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記凸部及び凹部は、前記可視光反射性電極における第1の所定の方向から入射された光を第2の所定の方向へ反射する部分が曲面となる形状である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
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