JP2004125769A - 流量計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基準設定手段13の基準電圧を変化させたときの基準比較手段7の出力結果に応じて基準電圧を設定する基準設定手段13であり、基準設定手段13の基準電圧を増幅手段により受信信号を所定の電圧に増幅後、更に所定の増幅度で増幅した場合の受信波の任意のポイントに基準電圧を基準設定手段13が設定するようにし受信信号の到達時期を認識するために検知する波のピーク電圧と基準電圧とのマージンを確保した流量計測装置を提供することが出来る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波を利用してガスなどの流量を計測する流量計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の流量計測装置は、図15に示すようなものが一般的であった。この装置は流体の流れる流路31に設置した第1超音波振動子32および第2超音波振動子33と、第1超音波振動子32、第2超音波振動子33の送受信を切り換える切換手段34と、第1超音波振動子32及び第2超音波振動子33を駆動する送信手段35と、受信側の超音波振動子で受信し切り替え手段34を通過した信号を所定の振幅まで増幅する増幅手段36と、増幅手段36で増幅された受信信号の電圧と基準電圧とを比較する基準比較手段37と、図16に示すように基準比較手段37で基準電圧と比較し大小関係が反転した後の増幅信号の最初のゼロクロス点aで繰り返し手段39へ出力信号Dを出力する判定手段38と、この判定手段38からの信号をカウントし予め設定された回数だけカウントすると共に判定手段38からの信号を制御手段42へ出力する繰り返し手段39と、繰り返し手段39で予め設定された回数をカウントした時間を計時する計時手段40と、計時手段40の計時した時間に応じて流量を算出する流量算出手段41と、流量算出手段41から算出された流量出力、繰り返し手段39からの信号を受け送信手段35の動作を制御する制御手段42と、判定手段38、繰り返し手段39、計時手段40、流量算出手段41、制御手段42から構成されている。
【0003】
この装置は制御手段42により送信手段35を動作させ超音波振動子32で発信された超音波信号が、流れの中を伝搬し第2超音波振動子33で受信され、増幅手段36で増幅後、基準比較手段37と判定手段38で信号処理され、繰り返し手段39を通り制御手段42に入力される。この動作を予め設定されたn回数繰り返し行い、この間の時間を計時手段40により測定する。そして、第1超音波振動子32と第2超音波振動子33とを切換手段34により切り替えて、同様な動作を行い、被測定流体の上流から下流(この方向を正流とする)と下流から上流(この方向を逆流とする)のそれぞれの伝搬時間を測定し、(式1)より流量Qを求めていた(超音波振動子間の流れ方向の有効距離をL、上流から下流へのn回分の測定時間をt1、下流から上流へのn回分の測定時間をt2、被測定流体の流速をv、流路の断面積をS、センサ角度をφ、流量をQとする)。
【0004】
Q=S・v=S・L/2・cosφ((n/t1)−(n/t2))…(式1)
(実際には、式1に流量に応じた係数を乗じて流量を算出する)
また、増幅手段36のゲインは受信側の超音波振動子で受信した信号を一定振幅となるようゲインを調整しており、受信信号のピーク電圧値が所定の電圧範囲に入るように調整される。これは繰り返し手段39に設定された回数の計測を繰り返し中に、図17の点線で示す受信信号bに示すように受信信号のピーク電圧値が所定の電圧範囲の下限より下回った回数と、同じく図17の点線で示す受信信号cに示すように所定の電圧範囲の上限より上回った回数をカウントしておきその大小関係で次回の流量計測時のゲインを調整する(例えば下限より下回った回数が多ければゲインをアップして図17の実線で示す受信信号aのように電圧範囲の上限、下限の内に入るようにする)。
【0005】
また、増幅手段36により増幅された受信信号の電圧と比較する基準比較手段37の基準電圧は判定手段38により検知するゼロクロス点の位置を決めるもので図16を例にすると受信信号の3波目のゼロクロス点aを判定手段38により検知するよう、受信信号の2波と3波のピーク電圧の中点の電圧に設定される。そうすることにより流量の変化及び流体の温度変化等で受信波形が変化し、受信信号の2波のピーク電圧が上昇、または3波のピーク電圧が減少しても双方に対してマージンをとれ、安定に判定手段38により3波目のゼロクロス点aが検知できるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の流量計測装置は、流量計測中において基準比較手段の基準電圧は固定電圧であり、また受信信号を増幅する増幅手段のゲインも固定であるので、流量計測中の繰り返し動作の中で超音波の受信信号の振幅レベルが変動した場合、基準電圧と受信信号との電圧レベルの相対関係が変化し、例えば受信信号の振幅レベルの変動が大きい場合には、基準電圧を超えていた受信波の3波のピーク電圧が基準電圧を超えなくなる。その結果、基準比較手段の出力が受信波の4波で出力され、判定手段は受信信号の4波目の負のゼロクロス点を検知するようになり、計時手段ではこの誤った時間を計時して、流量算出手段により誤った流量を算出するという課題を有していた。本発明は、前記従来の課題を解決するもので、判定手段により受信波の任意のポイント(受信波の3波目の負のゼロクロス点)を確実に検知出来るように、受信信号の振幅レベルの変動に対して大きなマージンを確保出来る位置に基準電圧を設定し、かつ流量計測中に受信信号の振幅レベルの変動に応じて基準電圧を調整することで、受信信号の振幅レベルの変動に強く、計測精度の高い流量計測装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、製造時の基準電圧が所定の基準電圧となるように基準電圧を監視しながら行う半固定抵抗器の調節作業を自動化し、調整作業の簡素化及び高精度化を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の流量計測装置は基準設定手段の基準電圧を変化させたときの基準比較手段の出力結果に応じて基準電圧を設定する基準設定手段とし、基準比較手段の出力数により受信信号と基準電圧の相対関係を認識し、基準設定手段の基準電圧を増幅手段により受信信号を所定の電圧に増幅後、更に所定の増幅度で増幅した場合の受信波の任意のポイントの電圧に基準電圧を基準設定手段が設定するようにしたものである。
【0009】
これによって基準設定手段が設定する基準電圧は判定手段により受信波の到達時期として検知させたい任意のポイント(例えばゼロクロス点)を含む波(例えば3波目)のピーク電圧と、1波前(2波目)のピーク電圧間で、1波前(2波目)のピーク電圧が流量計測中に変動する最大値を考慮した電圧より若干高い電圧に設定され、受信波の到達時期として検知させたい任意のポイントを含む波(3波目)のピーク電圧に対してマージンを大きく取れ、検知させたい任意のポイントを含む波(3波目)のピーク電圧が基準電圧を超えなくなるのを防ぐことが出来、受信信号の振幅レベルの変動に強く計測精度の高い流量計測装置とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は流体管路に設けられ超音波信号を送受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子を駆動する送信手段と、前記振動子の受信信号を増幅する増幅手段と、前記超音波信号の送受信の累積時間を計時する計時手段と、前記計時手段の計時した時間に基づいて流量を算出する流量算出手段と、前記第1振動子及び前記第2振動子のうち受信側の振動子の受信信号の電圧と基準電圧とを比較する基準比較手段と、前記基準比較手段と前記増幅手段の出力とから超音波信号の到達時期を判定する判定手段と、前記基準比較手段の基準電圧を設定する基準設定手段を備えた流量計測装置において、基準設定手段の基準電圧を変化させたときの基準比較手段の出力結果に応じて基準電圧を設定する基準設定手段とした流量計測装置とすることにより、受信信号の中で受信信号の到達時期を検知しようとする波とその1波長前の波の振幅レベルに応じて基準電圧を設定出来、受信信号の振幅レベルの変動に強く計測精度の高い流量計測装置とすることが出来る。
【0011】
請求項2に記載の発明は流体管路に設けられ超音波信号を送受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子を駆動する送信手段と、前記振動子の受信信号を増幅する増幅手段と、前記超音波信号の送受信の累積時間を計時する計時手段と、前記計時手段の計時した時間に基づいて流量を算出する流量算出手段と、前記第1振動子及び前記第2振動子のうち受信側の振動子の受信信号の電圧と基準電圧とを比較する基準比較手段と、前記基準比較手段と前記増幅手段の出力とから超音波信号の到達時期を判定する判定手段と、前記基準比較手段と前記判定手段の出力の時間差を計時する時間差計時手段と、前記基準比較手段の基準電圧を設定する基準設定手段を備えた流量計測装置において、基準電圧を設定可能範囲の最小から最大に変化させたときの前記時間差計時手段の計時する時間差が大きく変化する変曲点の測定結果に応じて基準電圧を設定する基準設定手段とした流量計測装置とすることにより、超音波の受信信号の変動に対し一番安定な基準電圧に設定出来る流量計測装置とすることが出来る。
【0012】
請求項3に記載の発明は基準設定手段は基準電圧を設定可能範囲の最小から最大に変化させたときの前記時間差計時手段の計時する時間差が大きく変化する複数の変曲点の内、最大間隔の変曲点間の中点または任意の点に基準電圧を設定する基準設定手段とした請求項2記載の流量計測装置とすることにより、基準電圧の設定を迅速かつ、精度良く行い、超音波の受信信号の変動に対し一番安定な基準電圧に設定出来る流量計測装置とすることが出来る。
【0013】
請求項4に記載の発明は基準設定手段は基準電圧を設定可能範囲の最小から最大まで変化させたときの前記時間差計時手段の計時した時間差の最大値、最小値より規定される所定の時間差の幅から、流量計測中に時間差計時手段が計時した時間差が外れた場合に基準電圧を変更する請求項2〜3記載の流量計測装置とすることにより、自動的に基準電圧の補正を行い、常に最適な基準電圧に保つことの出来る流量計測装置とすることが出来る。
【0014】
請求項5に記載の発明は流量計測中の時間差計時手段の計時した時間差が、基準電圧を設定可能範囲の最小から最大まで変化させたときの時間差の最大値、最小値付近の値両方を含んでいる場合に、基準電圧を再設定後に再度流量計測を行う請求項2〜3記載の流量計測装置とすることにより、流量計測中の超音波の受信信号の変動により基準電圧との大小関係が崩れたことを検知して基準電圧を再設定することで、最適な基準電圧に保つことの出来る流量計測装置とすることが出来る。
【0015】
請求項6に記載の発明は基準設定手段は基準電圧を設定可能範囲の最小から最大まで変化させたときの前記時間差計時手段の計時した時間差の最大値、最小値より規定される所定の時間差の幅から、流量計測中に時間差計時手段が計時した時間差が外れた回数に応じて基準電圧を変更する請求項2〜5記載の流量計測装置とすることにより、流路を流れる流体の流量の影響により超音波信号の送受信の方向別に超音波の受信信号と基準電圧との大小関係が崩れたことを検知して超音波信号の送受信の方向別に増幅手段の増幅度を変更することで基準電圧を再設定することで、基準比較手段の基準電圧を最適に保つことの出来る流量計測装置とすることが出来る。
【0016】
請求項7に記載の発明は超音波信号の送受信の方向別の時間差計時手段が計時した時間差の超音波信号の送受信の方向別の差が、所定より大きくなった場合に超音波信号の送受信の方向別に基準電圧を設定する請求項2〜6記載の流量計測装置とすることにより、流路を流れる流体の流量の影響により超音波信号の送受信の方向で超音波の受信信号と基準電圧との大小関係が崩れた場合に超音波信号の送受信の方向毎に基準比較手段の基準電圧を設定することで、基準比較手段の基準電圧を最適に保つことの出来る流量計測装置とすることが出来る。
【0017】
請求項8に記載の発明は基準比較手段は基準比較手段の出力と判定手段からの出力の時間差を計時する時間差計時部と、基準電圧を設定する基準設定部と基準設定部の基準電圧と受信側の振動子の受信信号の電圧とを比較する比較部とから構成され、基準設定部により基準電圧を受信波形のピーク値付近の電圧から減少させた時の前記時間差計時部の計時した時間を基に基準電圧の設定を行う流量計測装置とすることにより時間差計時部が計時する基準比較手段の出力と判定手段からの出力の時間差から受信信号の電圧と基準電圧との相対関係を認識し、受信信号の中で受信信号の到達時期を検知しようとする波とその1波長前の波の振幅レベルに応じて基準電圧を設定出来、受信信号の振幅レベルの変動に強く計測精度の高い流量計測装置とすることが出来る。
【0018】
【実施例】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施例1)
図1は本発明の請求項1の第1の実施例における流量計測装置のブロック図を示すものである。図2は同第1の実施例の流量計測装置の動作説明図であり、図3は同フローチャートである。図1において、流路1の途中に超音波を送信する第1超音波振動子2と受信する第2超音波振動子3が流れ方向に角度φで配置されている。5は第1超音波振動子2への送信手段であり、4は第1超音波振動子2、第2超音波振動子3の送受信を切り換える切換手段、6は受信側の超音波振動子で受信した信号を制御手段12からの指示によるゲインで増幅する増幅手段、7は前記増幅手段6で増幅された信号と基準電圧とを比較する基準比較手段、8は基準比較手段7の出力と前記増幅手段6で増幅された信号とから超音波の到達時期を判定する判定手段、9は判定手段8の信号をカウントし予め設定された回数だけ制御手段12へ繰り返し信号を出力する繰り返し手段である。
【0020】
10は繰り返し手段9で予め設定された回数をカウントした時間を計時する計時手段であり、11は計時手段10の計時した時間に応じて管路の大きさや流れの状態を考慮して流量を算出する流量算出手段である。また、12は流量算出手段11、繰り返し手段9からの信号を受け送信手段5、増幅手段6の動作を制御する制御手段である。13はD/Aコンバータや電子ボリューム等で構成される前記基準比較手段7の基準電圧を設定する基準設定手段である。
【0021】
以上のように構成された流量計測装置について、以下その動作、作用を説明する。制御手段12は電源投入後、まず初期設定動作としてゲイン調整と基準電圧設定を行う。尚、ゲイン調整動作は従来例と何ら変わりないので本実施例ではその詳細な説明は省略するが、ゲイン調整後は図2に示すように受信信号のピーク電圧(例えば受信信号の中で5波がピークとする。)が所定の電圧範囲内に入る様に増幅されるので、図2に示すように受信信号が電圧範囲下限を越えている期間にピーク検知信号PDが増幅手段6より制御手段12、基準設定手段13に出力される。最初に受信側の超音波振動子で受信した信号を一定振幅となるようゲインを調整した後(図3のステップ1)、受信信号の到達時期を認識するために検知しようとする波(例えば3波目)の1波前(2波目)のピーク電圧が流量計測中に変動する幅を考慮し、増幅手段は更に所定の増幅度で増幅する(ステップ2)。同じく増幅後の受信信号の様子を図2に示す。
【0022】
図2において点線がゲイン調整後の受信信号、実線がゲイン調整後に更に所定の増幅度で増幅した受信信号を示す。図2に示すようにゲイン調整後に更に所定の増幅度で増幅後の受信信号Aに対して、基準設定手段は図2に示す基準電圧Refを最低の基準電圧から1制御単位(例えば5mV)分、増加させる(ステップ3)。(本実施例では最低の基準電圧Refは図2に示す受信信号Aの1波のピーク電圧p1よりも高く2波のピーク電圧p2よりも低いとする。)制御手段12は繰り返し手段9の繰り返し回数を1回に設定して、送信手段5を動作させ第1超音波振動子2より超音波信号を送信する(ステップ4)。第1超音波振動子2より送信された超音波信号は流路1の流れの中を伝搬し、第2超音波振動子3で受信され、増幅手段6で増幅されて、基準比較手段7、判定手段8へ出力される。つまり図2に示すように基準比較手段7は増幅手段6の出力(受信信号A)と基準電圧Refとを比較し(ステップ5)、その大小関係が反転した時点で基準設定手段13と判定手段8に出力信号C2、C3、C4、C5を出力する。基準設定手段13は基準比較手段7からの出力数をカウントし(ステップ6)、増幅手段6からのピーク検知信号を入力するまで繰り返す(ステップ7)。増幅手段6からのピーク検知信号を入力すると、基準設定手段13は基準比較手段7からの出力数が3であるかを判断し(ステップ8)、3でなければ1制御単位分、増加させ、(ステップ3)以下、ステップ4から8迄を繰り返す。基準比較手段7からの出力数が3になると、増幅手段6はゲイン調整後の増幅度に戻す(ステップ9)。
【0023】
基準電圧Refが受信波の2波のピークp2以下である場合は、ピーク検知信号が増幅手段6より出力されるまで基準比較手段7の出力数はC2〜C5の4つであり、基準電圧Refが受信波の2波のピークp2を越えると基準比較手段7は信号C2を出力しなくなり、出力数はC3〜C5の3つになる。従って基準比較手段の出力数が4から3になった時点で基準電圧Refの増加を止め、増幅手段6はゲイン調整後の増幅度に戻すと基準設定手段13の基準電圧は受信信号の2波のピーク電圧より僅かに高く、その差は2波のピーク電圧が流量計測中に変動する幅を考慮して設定されているので、流量計測中に振幅レベルの変動が生じても2波のピーク電圧が基準電圧Refを越えることはない。従ってこの基準電圧Refでは3波のピーク電圧とのマージンを大きく取れ、受信信号の振幅レベルの変動に対して最も安定に判定手段8が超音波の受信信号の到達時期を検知出来る。
【0024】
以上のように本実施例においては基準比較手段7の出力に応じて基準電圧を基準設定手段13が設定し、その基準電圧は受信信号の到達時期を認識するために検知しようとする波の1波長前の波が、流量計測中に変動する振幅レベルの最大値を考慮した電圧に設定されるので、受信信号の到達時期を認識するために検知しようとする波の1波長前の波が基準電圧を超えることが無く、受信信号の到達時期を認識するために検知しようとする波と基準電圧とのマージンを大きく取れ、計測中の受信信号の振幅レベルの変動に強く計測精度の高い流量計測装置とすることが出来る。尚、本実施例ではゲイン調整後に、更に所定の増幅度で増幅して基準電圧を設定するとしたが、受信信号の到達時期を認識するために検知しようとする波(例えば3波目)の1波前(2波目)のピーク電圧が流量計測中に変動する電圧幅を考慮し、最大変動時の2波目のピーク電圧より高い電圧に、基準電圧Refを最初に設定したり、さらには基準電圧を変更していった際の基準比較手段の出力数の変化する電圧が受信波の各波のピーク電圧を示すので、この基準比較手段の出力数の変化する電圧より受信信号と基準電圧との相対関係を認識し、受信信号の到達時期を認識するために検知しようとする波(例えば3波目)と1波前(2波目)のピーク電圧(図2におけるp2、p3)の間で流量計測中に変動する振幅レベルを考慮して任意の電圧に設定する様にしても同じ効果を有するものである。
【0025】
(実施例2)
図4は本発明の請求項2、3、4、5、6に係る第2の実施例における流量計測装置のブロック図を示すものである。図5及び図8は同第2の実施例の流量計測装置の動作説明図であり、図6、及び図7は同フローチャートである。
【0026】
図4において、15は前記基準比較手段7と前記判定手段8の出力の時間差を計時する時間差計時手段で、基準設定手段14は前記時間差計時手段15の出力より基準比較手段7の基準電圧を設定することが実施例1と異なるところである。他の構成要素は実施例1と同じであるので説明は省略する。
【0027】
以上のように構成された流量計測装置について、以下その動作、作用を説明する。制御手段12は電源投入後、まず初期設定動作としてゲイン調整と基準電圧設定を行う。尚、本実施例の説明ではゲイン調整の説明は省略する。最初に受信側の超音波振動子で受信した信号を一定振幅となるようゲインを調整した後(図6のステップ101)、基準設定手段14は基準電圧を設定範囲の最低の電圧に設定する(ステップ102)。
【0028】
最低の基準電圧に設定後、制御手段12は繰り返し手段9の繰り返し回数を1回に設定して、送信手段5を動作させ第1超音波振動子2より超音波信号を送信する(ステップ103)。
【0029】
第1超音波振動子2より送信された超音波信号は流路1の流れの中を伝搬し、第2超音波振動子3で受信され、増幅手段6で増幅されて、基準比較手段7、判定手段8へ出力される。ここで図2に増幅後の受信信号の様子を示す。つまり図2に示すように基準比較手段7は増幅手段6の出力(受信信号A)と基準電圧とを比較し(図6のステップ104)、その大小関係が反転した時点(タイミングc)で時間差計時手段15と判定手段8に出力信号Cを出力する。時間差計時手段15は基準比較手段7からの出力信号Cを入力すると計時を開始し(ステップ105)、判定手段8ではタイミングc以降の増幅手段6出力の符号が正から負に変わる最初の負のゼロクロス点aを超音波の到達ポイントと判定し(ステップ106)、出力信号Dを繰り返し手段9、時間差計時手段15に出力する。時間差計時手段15は、この判定手段8の出力信号Dを受けると計時を終了し(ステップ107)、計時した時間差Tdを基準設定手段14へ出力する。基準設定手段14は基準電圧を基準電圧の可変範囲の1制御単位(例えば2mV)分増加させる(ステップ108)。制御手段12は繰り返し手段9に設定された繰り返し回数が1回であるので、繰り返し動作が終了した旨の信号を繰り返し手段9より入力して再度、送信手段5を動作させ第1超音波振動子2より超音波信号を送信する。ここまでの動作を基準設定手段14が基準電圧の設定範囲の最大電圧に設定するまで繰り返す。
【0030】
基準設定手段14が基準電圧の最大電圧まで設定が終わると、基準設定手段14は基準電圧を最小から最大に変化させたときの時間差計時手段15の計時する時間差が大きく変化する(例えば前回の時間差と比較して1.3倍以上変化するか)複数の変曲点の内、最大間隔の変曲点間の中点に基準電圧を設定する(ステップ110)。この設定動作を図8を用いて説明する。図8は基準設定手段14が基準電圧を最小から最大に変化させたときの時間差計時手段15の計時した時間差を示した図である。時間差計時手段15の計時した時間差は図5に示すように基準比較手段7と判定手段8の出力の時間差であるので受信信号の各波(1波、2波、3波...)のピーク電圧付近(図8において、それぞれp1、p2、p3...とする。)に基準電圧がある場合に時間差が最小(p1、p2、p3...に対応してそれぞれTp1、Tp2、Tp3...とする。)になり、その値は超音波の周期の約1/4(駆動周波数が500KHzの場合、500ns)になる。そこから基準電圧を増加させ、ピーク電圧を超えると時間差計時手段15の計時した時間差は急に大きくなり図8に示すように時間差の変曲点(時間差の最小であるTp1、Tp2、Tp3...)として現れる。(例えば基準電圧が2波のピークp2付近(但しp2を越えない)にあった場合から2波のピーク電圧p2を超えた場合、変曲点はTp2となる。)これは時間差の変曲点になる基準電圧が受信信号の各波のピーク電圧付近の電圧となることを意味している。そして変曲点間の幅(基準電圧幅)は受信信号各波のピーク電圧の電圧差である。
【0031】
図8において変曲点Tp1、Tp2間の電圧差は受信信号の1波から2波のピーク電圧差で、変曲点Tp2、Tp3間の電圧差は受信信号の2波から3波のピーク電圧差を示している。このように基準電圧を最小から最大に変化させたときの時間差の変化には複数の変曲点が存在し、その変曲点間の幅が一番広い基準電圧範囲(図8において2波、3波のピーク電圧範囲)に基準電圧を設定すれば、受信信号の各波のピーク電圧差の一番大きい部分に設定することになり、例えば図8において2波、3波のピーク電圧の中点のVreに基準電圧を設定すれば2波、3波のピーク電圧と基準電圧との間にマージンを大きく取ることが出来、受信信号の電圧変動に対して最も安定に判定手段8が超音波の受信信号の到達時期を検知出来る。
【0032】
基準設定手段14が上記の様に基準電圧を設定すると制御手段12は繰り返し手段9に正規の繰り返し回数(例えば256回)を設定して流量計測を開始する。流量計測を開始した後の基準設定手段14の動作を図7を用いて説明する。流量計測を開始すると制御手段12は送信手段5を動作させ第1超音波振動子2より超音波信号を送信し(図7のステップ12)、増幅手段6で増幅された第2超音波振動子3で受信された超音波信号は基準比較手段7、判定手段8へ出力され、基準比較手段7で受信信号と基準電圧とを比較し(ステップ13)、その大小関係が反転した時点から時間差計時手段13で計時を開始し(ステップ14)、判定手段8により増幅手段6出力の符号が正から負に変わる最初の負のゼロクロス点を検知するまで、時間差の計時を行う(ステップ15、16)。
【0033】
判定手段8によりゼロクロス点(超音波の到達ポイント)の検知後、制御手段12は送信手段5を再度動作させ超音波振動子2より超音波信号を送信する。この一連の動作を予め設定されたn回数繰り返し行い(ステップ11)、所定の繰り返し回数終了後、基準設定手段14は繰り返し回数分の時間差計時手段15が計時した時間差の内、初期設定動作時に基準電圧を設定した際の変曲点(図8における変曲点Tp2、Tp3)における時間差の幅に所定の比率の範囲(例えば20%〜80%として変曲点b、cの幅(800ns−500ns)×0.2+500=560nsから(800ns−500ns)×0.8+500=740ns迄の範囲)外の時間差が存在したかどうかを判定して、時間差の分布の形態により基準電圧の再設定を決定する。つまり所定の比率の範囲よりも短い時間差(560ns未満)が存在したかを判定し(ステップ17)、存在した場合は初期設定動作で行った基準電圧の設定動作を再度実行する(ステップ19)。短かい時間差が存在しなかった場合は同様に(740ns超)が存在したかを判定し(ステップ18)、存在した場合は初期設定動作で行った基準電圧の設定動作を再度実行(ステップ19)し、所定の比率の範囲よりも短い時間差と長い時間差の両方が存在した場合は流量計測をやり直す。所定の比率の範囲外の時間差が存在しなかった場合は流量計測を終了し、流量計測開始から所定の繰り返し回数終了までの時間を計時手段10により測定して、第1超音波振動子2と第2超音波振動子3とを切換手段4により切り替えて、同様な動作を行い、被測定流体の上流から下流と下流から上流のそれぞれの伝搬時間を測定し、これらの時間差より流量算出手段11で流路の大きさや流れの状態を考慮して流量値を求める。また、図9を用いて基準設定手段14の他の動作を説明する。
【0034】
図9は基準設定手段14の他の動作を説明するフローチャートである。
【0035】
図9に於いて所定の繰り返し回数の動作を終えるまでのステップ11〜16迄の動作は図7の動作と同じなので、繰り返し動作終了後のステップ21から説明を行う。繰り返し手段9に予め設定された回数の流量計測動作が終了すると基準設定手段14は繰り返し回数分の時間差計時手段15が計時した時間差の内、初期設定動作時に基準電圧を設定した際の変曲点における時間差の幅に所定の比率(上記と同様20%)の範囲の上限下限両方の範囲外の時間差が存在したかどうかを判定して(ステップ21)、存在していた場合は初期設定動作で行った基準電圧の設定動作を再度実行する(ステップ22)。存在していなかった場合は範囲の上限(740ns)より長い時間差だけが存在したかを判断して(ステップ23)、存在した場合はその回数が所定の回数(例えば10回)以上有ったか判断する(ステップ24)。所定の回数以上であれば基準電圧を1制御単位(2mV)分、基準電圧を2回増加させる(ステップ25、26)。所定の回数未満であれば基準電圧を1制御単位(2mV)分、基準電圧を増加させる(ステップ26)。そして同様に、範囲の上限(740ns)より長い時間差ではなく範囲の下限(560ns)より短い時間差だけが存在したかを判定し(ステップ27)、存在した場合はその回数が所定の回数(例えば10回)以上有ったか判断する(ステップ28)。所定の回数以上であれば基準電圧を1制御単位(2mV)分、基準電圧を2回減少させる(ステップ29、30)。所定の回数未満であれば基準電圧を1制御単位(2mV)分、基準電圧を減少させる(ステップ30)。そして範囲の上限との比較(ステップ23)、下限との比較(ステップ27)の結果、全ての時間差が範囲内であったならば基準電圧は変更せずそのまま処理を終了する。このように流量計測時の時間差計時手段15の計時する時間差が基準電圧を設定した際の時間差を基に決定される所定の時間差の幅から逸脱した回数に応じて基準電圧の再設定が行われる。また、本実施例では時間差計時手段15の計時する時間差が大きく変化する複数の変曲点の内、最大間隔の変曲点間の中点に基準電圧を設定するとしたが、受信信号の電圧変動の方向(増加もしくは減少)に特徴があり、例えば受信信号の電圧変動が増加することは無く、減少することのみであれば基準電圧を時間差の変曲点間の中点ではなく、それよりも低い電圧に設定する方が受信信号の電圧変動(減少)に対して基準電圧とのマージンを大きく取れる。このような場合は、例えば時間差の最大間隔の変曲点間の1/3の点というように設定する基準電圧は受信信号の電圧変動に応じて任意の点に設定すればよい。以上のように本実施例においては初期設定時に基準電圧を最小から最大に変化させ、そのときの時間差計時手段13の計時する時間差が大きく変化する複数の変曲点の内、最大間隔の変曲点間の中点または任意の点に基準電圧を設定する基準設定手段14としたことにより基準電圧を超音波の受信波の中で受信信号の電圧変動に対して一番安定して超音波信号の到達時期を検知出来る電圧に設定出来、また、基準電圧の設定後、流量計測時の時間差計時手段15の計時する時間差が基準電圧を設定した際の時間差を基に決定される所定の時間差の幅から逸脱した場合に基準電圧の再設定が行われる。これにより基準電圧の設定が人手を介することなく迅速に行われかつ、設定後、流量計測時に基準電圧を継続して最適な電圧に保つことの出来る流量計測装置とすることが出来る。
【0036】
(実施例3)
図10は本発明の請求項7に係る第3の実施例の流量計測装置のブロック図である。図11は同フローチャートである。
【0037】
図10において基準設定手段14が制御手段12から第1振動子及び第2振動子から超音波を送信する方向の信号を受け設定する基準電圧を変更する様にしたのが実施例2と異なるところであり、他の構成要素は実施例2と同じであるので説明は省略する。
【0038】
以上のように構成された流量計測装置について、以下実施例2と異なる基準設定手段14の動作、作用を説明する。制御手段12は電源投入後、まず初期設定動作としてゲイン調整と基準電圧設定を行う。実施例2と同様に基準電圧設定動作では基準設定手段14が基準電圧を最小から最大に変化させたときの時間差計時手段15の計時する時間差が大きく変化する複数の変曲点の内、最大間隔の変曲点間の中点に基準電圧を設定する。そして制御手段12は実施例2と同様に繰り返し手段9に設定した回数、超音波の送受信を行い流量計測(図11のステップ51)を行う。そして流量計測後、時間差計時手段15が計時した時間差の平均値を算出する(ステップ52)。そして制御手段12は、第1超音波振動子2と第2超音波振動子3とを切換手段4により切り替えて(ステップ53)、同様な流量計測を行い(ステップ54)、その後、時間差計時手段15が計時した時間差の平均値を算出する(ステップ55)。基準設定手段14は第1超音波振動子2及び第2超音波振動子3の送信方向別の平均時間差を比較し(ステップ56)、所定の差より大きい場合(例えば片方の時間差が600ns、もう片方が670nsと10%以上の差がある場合)に送信方向別に基準電圧の設定動作を行い(ステップ57)、以後方向に応じて別々の基準電圧を用いる。
【0039】
以上のように本実施例においては流路を流れる流体の流量によって被測手流体の上流から下流と、下流から上流へと超音波信号を送信する方向で受信信号の感度の差が発生し、受信波の電圧と基準電圧との関係が変化し、その結果、時間差計時手段が計時する時間差が超音波信号を送信する方向で異なった場合にそれぞれの方向で最適な基準電圧の設定ができる。このように超音波信号の送信方向で受信信号の電圧に差が発生しても基準電圧を最適な電圧に保つ流量計測装置とすることが出来る。
【0040】
(実施例4)
図12は本発明の請求項8の実施例4の流量計測装置のブロック図である。図13、図14は本発明の実施例4の流量計測装置の動作説明図であり、基準電圧の決定動作を説明したものである。図12において7aは予め設定されるか、基準電圧の設定を変更する電子ボリューム等の基準設定部で、7bは基準設定部7aの基準電圧と受信側の振動子の受信信号の電圧とを比較する比較部であり、7cは比較部7bの出力と判定手段8からの出力の時間差を計時する時間差計時部である。基準設定部7aと比較部7bと時間差計時部7cとで基準比較手段7を構成していることが第1の実施例と異なっている。16は基準比較手段7の出力後、前記増幅手段6の出力の任意のポイント間の時間を算出する信号幅検出手段である。他の構成要素は実施例1と同じであるので説明は省略する。
【0041】
以上のように構成された流量計測装置について、以下、その動作について説明する。基準比較手段7は自らの基準電圧の設定値を以下のように決定する。制御手段12は電源投入時の初期設定動作や、流量算出手段11が異常値を算出した場合や判定手段8が超音波信号の到達時期を判定出来なかった場合に基準比較手段7に基準電圧の決定動作の実行を指示する。制御手段12からの指示により基準比較手段7は自らの基準電圧の決定動作モードとなると、基準設定部7aは基準電圧を増幅手段6により増幅された超音波の受信信号のピーク電圧付近に設定する。(図13に示すように第4波が受信波のピーク電圧である場合、基準電圧をそのピーク電圧に設定する。この時の電圧をRefs)そして、その電圧Refsから徐々に電圧(設定値)を下げていきながら比較部7bの出力信号と判定手段8の出力信号の時間差を時間差計時部7cで計時する。
【0042】
これは例えば基準電圧が図13の点線で示すRefpであった場合、比較部7bの出力信号Cと判定手段8の出力信号Eとの時間差tdを時間差計時部7cで計時するわけである。そしてこのように基準電圧を下げていった場合の時間差計時部7cで計時する時間差は図14のようになり、超音波の受信信号の各波(第2波、第3波・・・)のピーク電圧で超音波の周波数の1/4波長の時間となり、他の部分では基準電圧を下げるに従って時間差が長くなる。
【0043】
このように基準電圧と時間差とは相関があり、超音波の周波数の1/4波長となる基準電圧値が超音波の受信信号の各波のピーク電圧であるので第3波ピーク電圧値と第2波ピーク電圧の中間電圧を基準電圧r2、第2波ピーク電圧値と第1波ピーク電圧の中間電圧を基準電圧r1として基準設定部7aに記憶して、基準比較手段7は自らの基準電圧の決定動作モードを終了する。
【0044】
そして受信信号の到達時期を認識するために検知しようとする波を例えば3波目とした場合、その1波前の2波目のピーク電圧との中間電圧の基準電圧r2に基準電圧を設定して流量計測を開始する。尚、本実施例ではゲイン調整後に、基準電圧の決定動作モードで、最初に基準電圧を受信信号のピーク電圧から徐々に電圧を下げていくとしたが、反対に受信信号の最も振幅の小さい波(1波目)付近から徐々に上げていき時間差計時部7cの計時する時間差により特定の波間(例えば2波、3波間の中間電圧に基準電圧を設定する様にしても同じ効果を有するものである。さらに本実施例では受信信号のピーク電圧の中間電圧としたが実施例2で述べたように、受信信号の電圧(振幅)変動の方向(増加もしくは減少)に特徴がある場合、受信信号の電圧変動に対して特定のピーク電圧間の中で、基準電圧とのマージンを大きく取れる任意の電圧に設定すればよい(例えば実施例2で述べたように特定ピーク電圧間の1/3の点)。
【0045】
以上のように本実施例においては電源投入時の初期設定動作時や、その後の基準電圧設定動作時に、時間差計時部7cが計時する比較部7bと判定手段8の出力の時間差より基準設定部7aの基準電圧設定値を決定する設定値決定及び記憶動作が行われ、この基準電圧は実際の超音波信号の受信波を基に決定されるので、基準電圧を最適な電圧とする流量計測装置とすることが出来る。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の流量計測装置は、基準比較手段の出力に応じて基準電圧を基準設定手段が設定し、その基準電圧は受信信号の到達時期を認識するために検知しようとする波のピーク電圧と1波長前の波のピーク電圧間で、流量計測中に変動する受信信号の振幅レベルを考慮した電圧に設定されるので、受信信号の到達時期を認識するために検知しようとする波と基準電圧とのマージンを大きく取れ、計測中の受信信号の振幅レベルの変動に強く計測精度の高い流量計測装置とすることが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における流量計測装置のブロック図
【図2】同装置の動作を説明する図
【図3】同装置のフローチャート
【図4】第2の実施例における流量計測装置のブロック図動作を説明する図
【図5】同装置の動作を説明する図
【図6】同装置のフローチャート
【図7】同装置のフローチャート
【図8】同装置の動作を説明する図
【図9】同装置の基準設定手段の他の動作を説明するフローチャート
【図10】本発明の実施例3における流量計測装置のブロック図
【図11】同装置のフローチャート
【図12】本発明の実施例4における流量計測装置のブロック図
【図13】同装置の動作を説明する図
【図14】同装置の動作を説明する図
【図15】従来の流量計測装置のブロック図
【図16】従来の流量計測装置の動作説明図
【図17】従来の流量計測装置の増幅手段の動作説明図
【符号の説明】
1 流路
2 第1超音波振動子(第1振動子)
3 第2超音波振動子(第2振動子)
4 切換手段
5 送信手段
6 増幅手段
7 基準比較手段
8 判定手段
9 繰り返し手段
10 計時手段
11 流量算出手段
12 制御手段
13 基準設定手段
Claims (8)
- 流体管路に設けられ超音波信号を送受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子を駆動する送信手段と、前記振動子の受信信号を増幅する増幅手段と、前記超音波信号の送受信の累積時間を計時する計時手段と、前記計時手段の計時した時間に基づいて流量を算出する流量算出手段と、前記第1振動子及び前記第2振動子のうち受信側の振動子の受信信号の電圧と基準電圧とを比較する基準比較手段と、前記基準比較手段と前記増幅手段の出力とから超音波信号の到達時期を判定する判定手段と、前記基準比較手段の基準電圧を設定する基準設定手段を備えた流量計測装置において、基準設定手段の基準電圧を変化させたときの基準比較手段の出力結果に応じて基準電圧を設定する基準設定手段とした流量計測装置。
- 流体管路に設けられ超音波信号を送受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子を駆動する送信手段と、前記振動子の受信信号を増幅する増幅手段と、前記超音波信号の送受信の累積時間を計時する計時手段と、前記計時手段の計時した時間に基づいて流量を算出する流量算出手段と、前記第1振動子及び前記第2振動子のうち受信側の振動子の受信信号の電圧と基準電圧とを比較する基準比較手段と、前記基準比較手段と前記増幅手段の出力とから超音波信号の到達時期を判定する判定手段と、前記基準比較手段と前記判定手段の出力の時間差を計時する時間差計時手段と、前記基準比較手段の基準電圧を設定する基準設定手段を備えた流量計測装置において、基準電圧を設定可能範囲の最小から最大に変化させたときの前記時間差計時手段の計時する時間差が大きく変化する変曲点の測定結果に応じて基準電圧を設定する基準設定手段とした流量計測装置。
- 基準設定手段は基準電圧を設定可能範囲の最小から最大に変化させたときの前記時間差計時手段の計時する時間差が大きく変化する複数の変曲点の内、最大間隔の変曲点間の中点または任意の点に基準電圧を設定する請求項2記載の流量計測装置。
- 基準設定手段は基準電圧を設定可能範囲の最小から最大まで変化させたときの前記時間差計時手段の計時した時間差の最大値、最小値より規定される所定の時間差の幅から、流量計測中に時間差計時手段が計時した時間差が外れた場合に基準電圧を変更する請求項2または3記載の流量計測装置。
- 流量計測中の時間差計時手段の計時した時間差が、基準電圧を設定可能範囲の最小から最大まで変化させたときの時間差の最大値、最小値付近の値両方を含んでいる場合に、基準電圧を再設定後に再度流量計測を行う請求項2または3記載の流量計測装置。
- 基準設定手段は基準電圧を設定可能範囲の最小から最大まで変化させたときの前記時間差計時手段の計時した時間差の最大値、最小値より規定される所定の時間差の幅から、流量計測中に時間差計時手段が計時した時間差が外れた回数に応じて基準電圧を変更する請求項2〜5のいずれか1項記載の流量計測装置。
- 超音波信号の送受信の方向別の時間差計時手段が計時した時間差の超音波信号の送受信の方向別の差が、所定より大きくなった場合に超音波信号の送受信の方向別に基準電圧を設定する請求項2〜6のいずれか1項記載の流量計測装置。
- 流体管路に設けられ超音波信号を送受信する第1振動子及び第2振動子と、前記振動子を駆動する送信手段と、前記振動子の受信信号を増幅する増幅手段と、前記超音波信号の送受信の累積時間に基づいて流量を算出する流量算出手段と、前記第1振動子及び前記第2振動子のうち受信側の振動子の受信信号の電圧と基準電圧とを比較する基準比較手段と、前記基準比較手段と前記増幅手段の出力とから超音波信号の到達時期を判定する判定手段とを有する流量計測装置において、基準比較手段の出力と判定手段からの出力の時間差を計時する時間差計時部と、設定または電圧比較結果により基準電圧の設定を変更する基準設定部と基準設定部の基準電圧と受信側の振動子の受信信号の電圧とを比較する比較部とから構成され、基準設定部により基準電圧を受信波形のピーク値付近の電圧から徐々に減少させた時の前記時間差計時部の計時する時間を基に基準電圧の設定を行う基準比較手段とした流量計測装置。
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