JP2004125136A - 弾性継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来、船舶等において、原動機と作業機間に一定のバネ定数を有する弾性継手を配置した場合には、原動機のトルク変動もしくは回転変動が大きくなる低トルク域では、ギヤの歯打ち音等の不快音を生じるという不具合があった。また、その弾性継手のバネ定数が大きい場合には、高トルク域において、原動機の出力変動を効率的に吸収できないという問題があった。
【解決手段】エンジン2とドライブ装置3の間を連結する弾性継手を、駆動側体となるフランジ12と被駆動側体となるパイプ9からそれぞれ駆動側突起14と被駆動側突起15を設けて交互に配置し、該駆動側突起14と被駆動側突起15の間にゴム体13を配置するとともに、フランジ12とパイプ9の間に付勢体21を設け、該付勢体21をフランジ12の回転に対して圧縮されるように配置することによって構成した。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機と作業機間を連結軸と弾性継手を介して連結する場合に用いられる継手の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、船舶等においては、原動機(エンジン)側のフライホイール等と作業機(船舶の場合には、ドライブ装置)との間に設けた連結軸を介して、原動機の動力を作業機へ伝達していた。そして、連結軸の一端または両端に配置した弾性継手を介して、原動機と作業機間の連結を行っており、この場合に、配置される弾性継手としては、一定のバネ定数のものが採用され、また、配置される弾性継手のバネ定数は大きいものが採用されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−266076号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、原動機と作業機間に一定のバネ定数を有する弾性継手を配置した場合には、原動機のトルク変動もしくは回転変動が大きくなる低トルク(低回転)域では、ギヤの歯打ち音等の不快音を生じるという不具合があった。
また、バネ定数の大きな弾性継手を採用した場合には、高回転域において、バネ定数が大きすぎることにより、原動機の出力変動を効率的に吸収できないという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、原動機と作業機の間を連結する弾性継手の駆動側体と被駆動側体からそれぞれ駆動側突起と被駆動側突起を設けて交互に配置し、該駆動側突起と被駆動側突起の間にゴム等の弾性体を配置する弾性継手において、駆動側体と被駆動側体の間に付勢体を設け、該付勢体を駆動側体の回転に対して圧縮されるように配置したものである。
【0006】
請求項2においては、原動機と作業機の間を連結する弾性継手の駆動側体と被駆動側体からそれぞれ駆動側突起と被駆動側突起を設けて交互に配置し、該駆動側突起と被駆動側突起の間にゴム等の弾性体を配置する弾性継手において、駆動側体または被駆動側体の何れか一方に円周方向の長孔を設け、他方に取付孔を設け、弾性体に駆動側体の回転方向と逆方向の初期圧縮を加えた状態で一方より長孔を通して他方にボルトを螺装固定したものである。
【0007】
請求項3においては、前記原動機の回転が低トルク域から高トルク域に上がると、ボルトの位置が前記長孔の中間位置になるように設定したものである。
【0008】
請求項4においては、前記弾性体に与える初期圧縮を変更可能としたものである。
【0009】
請求項5においては、前記初期圧縮を与える手段として、バネを利用したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。
図1は本発明の弾性継手を適用した船舶後部を示す側面図、図2は第一実施例の弾性継手を示す正面図、図3は図2のA−A断面図、図4は低トルク域と高トルク域での付勢体とバネの様子を表した図、図5は第一実施例の弾性継手のバネ特性を示す図、図6は第二実施例の弾性継手を示す正面図、図7は図6のB−B断面図、図8は低トルク域と高トルク域でのバネの様子を表した図、図9は第二実施例の弾性継手のバネ特性を示す図である。図10は第三実施例の弾性継手を示す正面図、図11は図10のC−C断面図、図12は第三実施例の弾性継手の取り付け前、取り付け時、初期圧縮以上のトルクが加わった時の様子を表した図、図13は第三実施例の弾性継手のバネ特性を示す図、図14はギヤ間の相対角速度と弾性継手のネジリ固有振動数との関係を示す図である。
【0011】
まず、本発明の弾性継手の一実施例を適用した船舶についての概略構成を説明する。
図1に示すように、船舶の船体1後部の内外にわたって船内外機が搭載されており、該船内外機は船体1内に搭載された原動機であるエンジン2、船体1後端部に装着された作業機としてのドライブ装置3等から構成され、エンジン2の回転力をフライホイール5、連結軸6、ドライブ入力軸7等を介してドライブ装置3へ伝達可能としている。ドライブ装置3は船体1の後尾板に対して上下方向および水平方向に回動可能に装着されており、該ドライブ装置3の下部にプロペラ8が回転可能に取り付けられている。
【0012】
前記フライホイール5の後面に弾性継手10を介して連結軸6が連結され、また、該フライホイール5の後面に駆動側体となる出力側のフランジ12が固着されており、該フランジ12はフランジ12の後方同一軸心上に配置される連結軸6の一端に取り付けられる被駆動側体となる入力側のパイプ9と連結されている(図3)。該連結軸6の他端とドライブ入力軸7の一端とが弾性継手11を介して連結されている。ドライブ入力軸7の他端はドライブ装置3に接続されている。なお、フランジ12を介さずに、弾性継手10とフライホイール5とを直接、連結する構成とすることもできる。また、連結軸6の先端をパイプ状に形成して、パイプ9を設けない構成としてもよい。
そして、ドライブ装置3内には、ユニバーサルジョイント、ピニオン軸、ベベルギアやクラッチ機構や変速機構等が備えられ、これらを介してエンジン2からの動力を伝達してプロペラ8を回転するようにしている。
【0013】
次に、エンジン2からの動力を伝達するために、連結軸6の両端に取り付けられている弾性継手10・11について説明する。なお、以下では、エンジン2側に取り付けられる弾性継手10の構成ついて説明するが、同様の構成を、エンジン2側の弾性継手10の代わりにドライブ装置3側の弾性継手11に適用することが可能であり、また、両弾性継手10・11に適用することもできる。
【0014】
図2、図3、図4により、第一実施例の弾性継手10Aについて説明する。
弾性継手10Aはフランジ12と駆動側突起14と被駆動側突起15とゴム体13とパイプ9と付勢部21等より構成されている。前記ゴム体13は合成樹脂やゴム等の弾性体で扇形のブロック状に構成されている。駆動側突起14は扇形のブロック状に構成されて駆動軸心と平行(アキシャル方向)にボルト孔が穿設されてボルト等によりフランジ12の後面に取り付けられる。被駆動側突起15は扇形のブロック状に構成されて半径方向(ラジアル方向)にボルト孔が穿設されて、ボルト等によりパイプ9の外周面に取り付けられる。
該駆動側突起14と被駆動側突起15とは、それぞれ複数個ずつ(本実施例では四個ずつ)備えられ、略同一周上で等間隔で交互に配置されている。そして、両突起14・15間にゴム体13が挟装されており、両突起14・15とゴム体13とは接着されている。両突起14・15はアルミニウム等の材質で形成されている。ただし、ボルト孔の部分のみをアルミニウム等の芯材として形成し、その周囲のゴム等の弾性体と接着して一体成形する構成としてもよい。また、駆動側をパイプに、被駆動側をフランジに構成することもできる。
【0015】
前記フランジ12は円板状に構成して中心部に後方へ突出する中空に形成された管状部12aが形成され、円板状部の外周部にはボルト孔が複数箇所(本実施例では四箇所)、同一円周上に所定間隔で前後方向に穿設されており、該ボルト孔と前記弾性継手10Aの駆動側突起14のボルト孔との位置は対応して配置しているため、位置合わせをして、第二ボルト17を駆動側突起14のボルト孔とフランジ12のボルト孔に螺挿して、フランジ12と弾性継手10Aとをアキシャル方向に連結固定する。ボルト締め付けの際に、連れ回り等して曲がって固定されないように、スプリングピン18をフランジ12に打ち込んでいる。
同様にパイプ9および連結軸6の外周にもボルト孔が、前記弾性継手10Aの被駆動側突起15のボルト孔の位置に対応して穿設されており、第一ボルト16を前記ボルト孔に螺挿して連結軸6と弾性継手10Aとをラジアル方向に連結固定する。このとき、ラジアル方向の第一ボルト16を締め付けることによりゴム体13に圧縮がかかることとなる。
また、管状部12aの外周はブッシュ19を介してパイプ9の内周と嵌合している。
【0016】
前記管状部12aとパイプ9の間のボルト孔よりも中心側で管状部12aよりも外側には付勢体21が介装されている。該付勢体21は周方向に略等間隔で複数箇所(本実施例では、四箇所)前記弾性体(ゴム体13)よりも中心側に配置されている。
該付勢体21は、一端面が開放され他端面に底を有する外筒体21aと内筒体21bとバネ22からなっており、外筒体21aの外径を内筒体21bの外径より若干大きく形成して、外筒体21aに内筒体21bが挿入されて伸縮可能としている。外筒体21aの開放されていない面側の一端がパイプ9の前端部にピン23により枢支され、内筒体21bの開放されていない面側の一端が管状部12aにピン24により枢支されている。
そして、付勢体21の内部の空間、つまり、外筒体21aと内筒体21bにより形成された空間は略接線方向に配置してその空間内には、バネ22が収納されている。該バネ22の付勢力により管状部12aとパイプ9が逆方向に回転するようにし、後述するようにゴム体13に作用する圧縮力が変化する。
【0017】
バネ22の付勢力はフランジ12の回転方向と逆方向に向けて作用しており、これにより、フランジ12とパイプ9とがねじれることとなる。
トルクが0の無負荷時においては、両突起14・15間に挟装されたゴム体13にバネ22の付勢力の分だけの圧縮力がいわゆる初期圧縮としてかかることとなる。この初期圧縮のため、ゴム体13の硬度が上がり、ゴム体13のバネ定数は圧縮がかかっていない場合と比べて、高くなっている。そして、弾性継手10A自体のバネ定数も圧縮がかかっていない場合と比べて、高くなっている。
【0018】
フランジ12が回転すると、その回転方向と逆向きに作用しているバネ22の付勢力は、回転数の上昇とともに徐々に弱められ、ゴム体13に加わっている圧縮力が低下し、ゴム体13の硬度が下がる。図4には、低トルク域と高トルク域での付勢体21、バネ22等の様子を示している。
エンジン2の回転数が少ない低トルク域(低負荷時)においては、バネ22の付勢力(四箇所の合計)がトルクに打ち勝っており、圧縮力がゴム体13に作用している。このときの圧縮力は、トルクがかかる分だけ弱められている。そして、圧縮されたゴム体13が弾性変形することにより、フランジ12とパイプ9とは若干角度だけ相対的に回転して(ねじれて)、トルクを伝動する。
エンジン2の回転数を上げてトルクを徐々に大きくしていくと、ある一定のトルクで、バネ22の付勢力とトルクとが等しくなり、これ以上のトルクのかかる高トルク域では、ゴム体13にバネ22の付勢力による圧縮がかからない状態となる。この圧縮がかからない状態では、圧縮がかかった状態に比べて、ゴム体13のバネ定数が低くなる。そして、圧縮されていないゴム体13が弾性変形することにより、フランジ12とパイプ9とは若干角度だけ相対的に回転して(ねじれて)、トルクを伝動する。
【0019】
このように、弾性継手10Aは、ある一定のトルクがかかるまでの低トルク域ではゴム体13に圧縮のかかった高いバネ定数を有する弾性継手として機能し、また、一定トルク以上かかった高トルク域ではゴム体13に圧縮のかからない低いバネ定数を有する弾性継手として機能して、それぞれフランジ12→駆動側突起14→ゴム体13→被駆動側突起15→パイプ9(連結軸6)のように、ゴム体13を介してトルクを伝動している。
【0020】
図5に本実施例の弾性継手10Aのバネ特性を実線にて示している。なお、破線は従来の弾性継手のバネ特性を表している。
図5においては、縦軸をトルク、横軸をネジレ角度としており、バネ定数(ネジリバネ定数)はバネ特性を示すグラフの傾きにより表される。図5によれば、弾性継手10AはトルクT1を境にバネ定数の大きい低トルク域とバネ定数の小さい高トルク域とに分かれた二段バネ特性を示すことがわかる。
なお、バネ22のバネ定数を変更したり、バネ22等の配設箇所数を変更したりすることにより、ゴム体13に作用する初期圧縮が変わり、弾性継手10Aのバネ定数が変化することとなる。
【0021】
このように、弾性継手10Aを二段バネ特性を有する弾性継手として機能させている。
これにより、弾性継手10Aを低トルク域では、ゴム体13に圧縮をかけ、ゴム体13の硬度を上げて、バネ定数を大きくすることで、ゴム体13の変形量を抑えることができ、エンジン2のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
また、高トルク域では、ゴム体13の硬度が下がり、バネ定数を小さくすることで、ゴム体13の弾性変形により駆動側の出力変動や、従動側の負荷変動、および装置間の取付誤差を少なくでき、エンジン2のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
【0022】
ギヤの噛み合いによる歯打ち音の大きさは、ドライブ装置3内のギヤ間の相対角速度の大きさに依存することが知られている。すなわち、相対角速度が大きいほど歯打ち衝撃力が大きくなり、歯打ち音は大きくなる。また、エンジン2の回転数を変化させると、継手に作用する負荷トルクが変わり、ネジリ固有振動数も変化する。
図14では、この相対角速度とネジリ固有振動数との関係を示しており、縦軸を相対角速度、横軸をネジリ固有振動数としている。ネジリ固有振動数は継手のネジリバネ定数が高いほど大きくなる。よって、相対角速度が小さくなるようなネジリバネ定数(ネジリ固有振動数)を有する継手をエンジン2とドライブ装置3間に用いれば、歯打ち音を小さく抑えることができる。
図14によれば、歯打ち音を低減するには、継手のネジリバネ定数を大きくすればよいことが分かる。
従来、この歯打ち音によるクラッチ中立時の不快音が大きくなるという問題があった。
本実施例では、弾性継手10Aを、低トルク域においてはバネ定数の大きい弾性継手として、高トルク域においてはバネ定数の小さい弾性継手として機能させることにより、特に、バネ定数が大きくなる低トルク域におけるクラッチ中立時の歯打ち音を低減させることとしている。
【0023】
次に、第二実施例の弾性継手10Bについて説明する。
本実施例においては、前述した第一実施例の場合の弾性継手10Aと略同様の構成をしており、弾性継手10Bでは、バネ31とL字状の金具32を用いて、フランジ12とパイプ9が重複するように構成した部分に付勢体を配置する点等が異なる。
【0024】
図6、図7、図8に示すように、前記フランジ12のボルト孔よりも中心側で管状部12aよりも外側に収納空間となる開口部12b・12b・・・を複数箇所(本実施例では、六箇所)形成して付勢体を配置している。該付勢体はバネ31と金具32より構成しており、該開口部12b・12b・・・の位置に合わせてパイプ9の前端面にはL字状の金具32・32・・・が固設されて前方へ突出し、該L字状の金具32の前部を半径方向の面として前記開口部12b内に挿入し、該金具32と開口部12bの内面との間にバネ31を接線方向に配置している。つまり、該バネ31の一端は金具32に固定し、他端は開口部12bの壁に固定している。前記金具32を取り付けるため、パイプ9の前端面に凹部9aが形成されている。
【0025】
バネ31の付勢力はフランジ12の回転方向と逆方向に向けて作用しており、これにより、フランジ12とパイプ9とがねじれることとなる。
トルクが0の無負荷時においては、ゴム体13にバネ31の付勢力の分だけの圧縮力がいわゆる初期圧縮としてかかることとなる。この初期圧縮のため、ゴム体13の硬度が上がり、ゴム体13のバネ定数は圧縮がかかっていない場合と比べて、高いものとなっている。そして、弾性継手10B自体のバネ定数も圧縮がかかっていない場合と比べて、高くなっている。
【0026】
フランジ12が回転すると、その回転方向と逆向きに作用しているバネ31の付勢力は、回転数の上昇とともに徐々に弱められ、ゴム体13に加わっている圧縮力が低下し、ゴム体13の硬度が下がる。図8には、低トルク域と高トルク域でのバネ31等の様子を示している。
エンジン2の回転数が少ない低トルク域(低負荷時)においては、バネ31の付勢力(六箇所の合計)がトルクに打ち勝っており、圧縮力がゴム体13に作用している。このときの圧縮力は、トルクがかかる分だけ弱められている。そして、圧縮されたゴム体13が弾性変形することにより、フランジ12とパイプ9とは若干角度だけ相対的に回転して(ねじれて)、トルクを伝動する。
エンジン2の回転数を上げてトルクを徐々に大きくしていくと、ある一定のトルクで、バネ31の付勢力とトルクとが等しくなり、これ以上のトルクのかかる高トルク域では、ゴム体13にバネ31の付勢力による圧縮がかからない状態となる。この圧縮がかからない状態では、圧縮がかかった状態に比べて、ゴム体13のバネ定数が低くなる。そして、圧縮されていないゴム体13が弾性変形することにより、フランジ12とパイプ9とは若干角度だけ相対的に回転して(ねじれて)、トルクを伝達する。
【0027】
このように、弾性継手10Bは、ある一定のトルクがかかるまでの低トルク域ではゴム体13に圧縮のかかった高いバネ定数を有する弾性継手として機能し、また、一定トルク以上かかった高トルク域ではゴム体13に圧縮のかからない低いバネ定数を有する弾性継手として機能して、それぞれフランジ12→駆動側突起14→ゴム体13→被駆動側突起15→パイプ9(連結軸6)のように、ゴム体13を介してトルクを伝動している。
【0028】
図9に本実施例の弾性継手10Bのバネ特性を実線にて示している。なお、破線は従来の弾性継手のバネ特性を表している。
図9においては、縦軸をトルク、横軸をネジレ角度としており、バネ定数(ネジリバネ定数)はバネ特性を示すグラフの傾きにより表される。図9によれば、弾性継手10BはトルクT2を境にバネ定数の大きい低トルク域とバネ定数の小さい高トルク域とに分かれた二段バネ特性を示すことがわかる。
なお、バネ31のバネ定数を変更したり、バネ31等の配設箇所数を変更したりすることにより、ゴム体13に作用する初期圧縮が変わり、弾性継手10Bのバネ定数が変化することとなる。
【0029】
このように、弾性継手10Bを二段バネ特性を有する弾性継手として機能させている。
これにより、弾性継手10Bを低トルク域では、ゴム体13に圧縮をかけ、ゴム体13の硬度を上げて、バネ定数を大きくすることで、ゴム体13の変形量を抑えることができ、エンジン2のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
また、高トルク域では、ゴム体13の硬度が下がり、バネ定数を小さくすることで、ゴム体13の弾性変形により駆動側の出力変動や、従動側の負荷変動、および装置間の取付誤差を少なくでき、エンジン2のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
また、前述した第一実施例の場合と同様に、クラッチ中立時の歯打ち音を低減させることができる(図14参照)。
【0030】
次に、第三実施例の弾性継手10Cについて説明する。
本実施例においては、前述した第一実施例の場合の弾性継手10Aと略同様の構成をしており、弾性継手10Cでは、フランジ12に長孔12cを設け、ゴム体13に初期圧縮を加える点等が異なっている。
【0031】
図10、図11、図12に示すように、フランジ12のボルト孔よりも中心側で管状部12aよりも外側に円周方向の長孔12cを設け、パイプ9に該長孔12cの位置に合わせて取付孔となるボルト孔が形成されており、フランジ12側から長孔12cを通してフランジ12とパイプ9とを第三ボルト41により周方向に略等間隔で複数箇所(本実施例では、四箇所)において連結している。第三ボルト41の頭部はフランジ12の長孔12cの部分に位置している。
【0032】
ここで、第二ボルト17で弾性継手10Cのフランジ12を連結する際に、ゴム体13にフランジ12の回転方向と逆方向に初期圧縮(ねじり)を加えた状態で連結できるように、圧縮を加えていない状態において、フランジ12のボルト孔と弾性継手10Cの駆動側突起14のボルト孔とが、正面視において、周方向に若干角度だけずらして、オフセットされた位置にあるようにしておく。
このとき、パイプ9に取り付けた第三ボルト41の頭部はフランジ12の長孔12cの端にあたる位置にある。
【0033】
この状態から、ゴム体13にフランジ12の回転方向と逆方向に初期圧縮を加えて、ゴム体13を圧縮させることにより、フランジ12のボルト孔と駆動側突起14のボルト孔の位置を合わせる。
そして、第二ボルトにより弾性継手10Cとフランジ12とを連結する。第三ボルトの頭部はフランジ12の長孔12cの端に位置したままである。
この初期圧縮のため、ゴム体13の硬度が上がり、ゴム体13のバネ定数は圧縮がかかっていない場合と比べて、高くなり、弾性継手10C自体のバネ定数も圧縮がかかっていない場合と比べて、高くなっている。
【0034】
フランジ12が回転すると、その回転方向と逆向きに作用している初期圧縮は、回転数の上昇とともに徐々に弱められ、ゴム体13に加わっている圧縮力が低下し、ゴム体13の硬度が下がる。
エンジン2の回転数が小さい低トルク域(低負荷時)においては、初期圧縮力がトルクに打ち勝っており、ゴム体13に圧縮力が作用している。この圧縮力は、初期圧縮がトルクにより弱められたもので、初期圧縮より低いものとなっている。そして、圧縮されたゴム体13が弾性変形することにより、フランジ12とパイプ9とは若干角度だけ相対的に回転して(ねじれて)、トルクを伝達する。エンジン2の回転数を上げてトルクを徐々に大きくしていくと、ある一定のトルク以上では、初期圧縮力にトルクが打ち勝った状態となり、これ以上のトルクのかかる高トルク域では、第三ボルト41がフランジ12の長孔12cの端から離れ、フランジ12とパイプ9の位置関係が、初期圧縮を加えた状態からねじれ解除方向の中間位置へと動く。ゴム体13には圧縮力が作用しなくなるため、初期圧縮が加わった状態と比べて、ゴム体13のバネ定数が低くなる。そして、圧縮されていないゴム体13が弾性変形することにより、フランジ12とパイプ9とは若干角度だけ相対的に回転して(ねじれて)、トルクを伝達する。
【0035】
このように、弾性継手10Cは、初期圧縮以下の低トルク域ではゴム体13に圧縮のかかった高いバネ定数を有する弾性継手として機能し、また、初期圧縮以上の高トルク域ではゴム体13に圧縮のかからない低いバネ定数を有する弾性継手として機能して、それぞれフランジ12→駆動側突起14→ゴム体13→被駆動側突起15→パイプ9(連結軸6)のように、ゴム体13を介してトルクを伝動している。
【0036】
図13に本実施例の弾性継手10Cのバネ特性を実線にて示している。なお、破線は従来の弾性継手のバネ特性を表している。
図13においては、縦軸をトルク、横軸をネジレ角度としており、バネ定数(ネジリバネ定数)はバネ特性を示すグラフの傾きにより表される。図13によれば、弾性継手10CはトルクT3を境にバネ定数の大きい低トルク域とバネ定数の小さい高トルク域とに分かれた二段バネ特性を示すことがわかる。
なお、ゴム体13に作用させる初期圧縮力を変更することにより、弾性継手10Cのバネ定数が変化することとなる。
【0037】
このように、弾性継手10Cを二段バネ特性を有する弾性継手として機能させている。
これにより、弾性継手10Cを低トルク域では、ゴム体13に初期圧縮をかけ、ゴム体13の硬度を上げて、バネ定数を大きくすることで、ゴム体13の変形量を抑えることができ、エンジン2のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
また、高トルク域では、ゴム体13に初期圧縮がかからなくなり、ゴム体13の硬度が下がり、バネ定数を小さくすることで、ゴム体13の弾性変形により駆動側の出力変動や、従動側の負荷変動、および装置間の取付誤差を少なくでき、エンジン2のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
また、前述した第一実施例の場合と同様に、クラッチ中立時の歯打ち音を低減させることができる(図14参照)。
【0038】
なお、以上に実施例の他に、ゴム体13に圧縮を与えて弾性継手のバネ定数を変更する手段として、油圧(空圧)を利用してゴム体13に圧縮を与える手段、磁石、ソレノイド等の電磁力を利用してゴム体13に圧縮を与える手段等を採用することもできる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、請求項1に示す如く、原動機と作業機の間を連結する弾性継手の駆動側体と被駆動側体からそれぞれ駆動側突起と被駆動側突起を設けて交互に配置し、該駆動側突起と被駆動側突起の間にゴム等の弾性体を配置する弾性継手において、駆動側体と被駆動側体の間に付勢体を設け、該付勢体を駆動側体の回転に対して圧縮されるように配置したので、弾性継手は、原動機のトルクがある一定のトルクまでの低トルク域では弾性体に圧縮のかかった高いバネ定数を有する弾性継手として機能し、また、一定トルク以上かかる高トルク域では弾性体に圧縮のかからない低いバネ定数を有する弾性継手として機能し、二段バネ特性を有する弾性継手として機能する。よって、低トルク域では、バネ定数を大きくすることで、弾性体の変形量を抑えることができ、原動機のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができ、また、高トルク域では、バネ定数を小さくすることで、弾性体の弾性変形により駆動側の出力変動や、従動側の負荷変動、および装置間の取付誤差を少なくでき、原動機のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
【0040】
請求項2に示す如く、原動機と作業機の間を連結する弾性継手の駆動側体と被駆動側体からそれぞれ駆動側突起と被駆動側突起を設けて交互に配置し、該駆動側突起と被駆動側突起の間にゴム等の弾性体を配置する弾性継手において、駆動側体または被駆動側体の何れか一方に円周方向の長孔を設け、他方に取付孔を設け、弾性体に駆動側体の回転方向と逆方向の初期圧縮を加えた状態で一方より長孔を通して他方にボルトを螺装固定したので、原動機のトルクがある一定のトルクまでの低トルク域では、弾性体に初期圧縮をかけ、弾性体の硬度を上げて、バネ定数を大きくすることで、弾性体の変形量を抑えることができ、原動機のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
【0041】
請求項3に示す如く、前記原動機の回転が低トルク域から高トルク域に上がると、ボルトの位置が前記長孔の中間位置になるように設定したので、原動機のトルクがある一定のトルク以上の高トルク域では、弾性体に初期圧縮がかからなくなり、弾性体の硬度が下がり、バネ定数が小さくなることで、弾性体の弾性変形により駆動側の出力変動や、従動側の負荷変動、および装置間の取付誤差を少なくでき、原動機のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
【0042】
請求項4に示す如く、前記弾性体に与える初期圧縮を変更可能としたので、原動機のトルクがある一定のトルクまでの低トルク域では、弾性体に圧縮をかけ、弾性体の硬度を上げて、バネ定数を大きくすることで、弾性体の変形量を抑えることができ、原動機のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。また、一定のトルク以上の高トルク域では、弾性体の硬度が下がり、バネ定数を小さくすることで、弾性体の弾性変形により駆動側の出力変動や、従動側の負荷変動、および装置間の取付誤差を少なくでき、原動機のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
【0043】
請求項5に示す如く、前記初期圧縮を与える手段として、バネを利用したので、原動機のトルクがある一定のトルクまでの低トルク域では、バネの付勢力により弾性体に圧縮をかけ、弾性体の硬度を上げて、バネ定数を大きくすることで、弾性体の変形量を抑えることができ、原動機のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。また、一定のトルク以上の高トルク域では、弾性体の硬度が下がり、バネ定数を小さくすることで、弾性体の弾性変形により駆動側の出力変動や、従動側の負荷変動、および装置間の取付誤差を少なくでき、原動機のトルクもしくは回転変動による歯打ち音等の不快音を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性継手を適用した船舶後部を示す側面図。
【図2】第一実施例の弾性継手を示す正面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】低トルク域と高トルク域での付勢体とバネの様子を表した図。
【図5】第一実施例の弾性継手のバネ特性を示す図。
【図6】第二実施例の弾性継手を示す正面図。
【図7】図6のB−B断面図。
【図8】低トルク域と高トルク域でのバネの様子を表した図。
【図9】第二実施例の弾性継手のバネ特性を示す図。
【図10】第三実施例の弾性継手を示す正面図。
【図11】図10のC−C断面図。
【図12】第三実施例の弾性継手の取り付け前、取り付け時、初期圧縮以上のトルクが加わった時の様子を表した図。
【図13】第三実施例の弾性継手のバネ特性を示す図。
【図14】ギヤ間の相対角速度と弾性継手のネジリ固有振動数との関係を示す図。
【符号の説明】
1  船体
2  エンジン
3  ドライブ装置
6  連結軸
9  パイプ
10・11 継手
12 フランジ
13 ゴム体
16 第一ボルト
17 第二ボルト

Claims (5)

  1. 原動機と作業機の間を連結する弾性継手の駆動側体と被駆動側体からそれぞれ駆動側突起と被駆動側突起を設けて交互に配置し、該駆動側突起と被駆動側突起の間にゴム等の弾性体を配置する弾性継手において、駆動側体と被駆動側体の間に付勢体を設け、該付勢体を駆動側体の回転に対して圧縮されるように配置したことを特徴とする弾性継手。
  2. 原動機と作業機の間を連結する弾性継手の駆動側体と被駆動側体からそれぞれ駆動側突起と被駆動側突起を設けて交互に配置し、該駆動側突起と被駆動側突起の間にゴム等の弾性体を配置する弾性継手において、駆動側体または被駆動側体の何れか一方に円周方向の長孔を設け、他方に取付孔を設け、弾性体に駆動側体の回転方向と逆方向の初期圧縮を加えた状態で一方より長孔を通して他方にボルトを螺装固定したことを特徴とする弾性継手。
  3. 前記原動機の回転が低トルク域から高トルク域に上がると、ボルトの位置が前記長孔の中間位置になるように設定したことを特徴とする請求項2に記載の弾性継手。
  4. 前記弾性体に与える初期圧縮を変更可能としたことを特徴とする請求項2に記載の弾性継手。
  5. 前記初期圧縮を与える手段として、バネを利用したことを特徴とする請求項4に記載の弾性継手。
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