JP2004124834A - 密閉型ロータリ圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮荷重が作用することによる軸受内でのクランクシャフトの撓み変形に対処するのに、クランクシャフトを偏芯部側から先端側へ向かって先細となるテーパ加工を施す例があるが、クランクシャフトの外径が小さくなり、剛性が弱くなり、かえって撓み量が大きくなる。
【解決手段】主軸受7が溝柔構造7aを有し、また、主軸受7の内径部7bを下段部分7cと半径方向に偏芯させた上段部分7dに分かれた2段構造にすることにより、ガス荷重の作用したクランクシャフト3が主軸受7内で撓み変形をする際のクランクシャフト3の片当たりを防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】主軸受7が溝柔構造7aを有し、また、主軸受7の内径部7bを下段部分7cと半径方向に偏芯させた上段部分7dに分かれた2段構造にすることにより、ガス荷重の作用したクランクシャフト3が主軸受7内で撓み変形をする際のクランクシャフト3の片当たりを防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は冷凍空調装置に用いられる密閉型ロータリ圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
密閉型ロータリ圧縮機のシリンダ内で冷媒を圧縮することによって、圧縮荷重がクランクシャフトに作用し、クランクシャフトは撓み変形をするが、これに対する従来の対策としては、例えば、クランクシャフトをクランクシャフト偏芯部側から先端側へ向かって先細となるテーパ加工を施すことで、クランクシャフトが撓み変形した際に、撓み方向のクランクシャフト軸受外径と主軸受内径の隙間が一定になるようにしてクランクシャフトの片当たりを防止するという対策例がある。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、主軸受先端の内径部に別部品のブッシュを組込み、ブッシュをクランクシャフトと共に撓ませるという対策例がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−284827号公報(第4頁、第5頁、図1)
【特許文献2】
特開平2−81993号公報(第2頁、第3頁、第1図、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においては、クランクシャフトにテーパ加工を施して外径を小さくすると、クランクシャフトの剛性が弱くなり撓み量が大きくなる。さらに、クランクシャフト外径部のテーパ加工は精密な加工精度が必要とされるためコストアップにつながるなどの問題がある。
また、特許文献2においては、別部品のブッシュを組込む場合は、部品点数が増えることでコストアップにつながるといった問題がある。
【0006】
本発明は、前記従来技術の課題を解消するためになされたものであり、圧縮荷重の作用したクランクシャフトが主軸受内で撓み変形をする際のクランクシャフトの片当たりを防止し、信頼性が高く、寿命の長い密閉型ロータリ圧縮機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る密閉型ロータリ圧縮機は、クランクシャフトを軸支する主軸受及び副軸受間のシリンダ内で、クランクシャフトの偏心部に取付けたピストンを回転させ圧縮作用を行う圧縮機構部と、主軸受に対してシリンダと軸方向で反対側に配置され、クランクシャフトを回転させる電動要素部とを密閉容器内に収納した密閉型ロータリ圧縮機において、
シリンダ内の圧縮荷重によりクランクシャフトが撓み変形するのに対応して、シリンダ側の主軸受が撓み変形し、また、主軸受の電動機側の内径部の内径中心が、シリンダ側の内径部の内径中心に対して、電動機側の内径部におけるクランク軸の撓み変形方向に所定量偏芯したものである。
【0008】
また、この発明に係る密閉型ロータリ圧縮機は、シリンダ内の圧縮荷重によりクランクシャフトが撓み変形するのに対応して、シリンダ側の主軸受がクランクシャフトとの片当りを緩和するように撓み変形し、また、主軸受の電動機側の内径部は、シリンダ側の主軸受の撓み変形側と反対側で、クランクシャフトとの隙間を大きくしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の密閉型ロータリ圧縮機の実施の形態1について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、この発明の実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機の縦断面図、図2は、同じくシリンダの横断面図、図3は、同じく圧縮荷重によるクランクシャフトの撓み変形状態を説明する図であり、図3(a)は、柔構造溝のない場合であり、図3(b)は、柔構造溝のある場合である。図4は、この発明の実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機の主軸受の縦断面図である。
【0011】
これらの図において、密閉型ロータリ圧縮機は、固定子1と回転子2からなる電動機である電動要素部と、電動機により回転するクランクシャフト3、シリンダ5、シリンダ5内を回転するクランクシャフト3の偏芯部3bに取付けられたピストン6、シリンダ5内の開口部を封じてクランクシャフト3を支持する主軸受7と副軸受8、ベーン12等からなる圧縮機構部とで構成される。これらの電動要素部と圧縮機構部は、密閉容器10内に収納されている。
また、クランクシャフト3は、偏芯部3b、偏芯部3bに続く電動機側の長軸3a、副軸受8側の短軸3cから成り、主軸受7は回転子2が焼嵌められたクランクシャフト3を片持ち支持している。
更に、密閉容器10には、冷媒を吸入する吸入パイプ4及び圧縮冷媒を圧縮機外に出す吐出パイプ11が取付けられている。
【0012】
主軸受7及び副軸受8には、クランクシャフト3の撓み変形に応じて軸受内径を微小変形可能とする溝であって、主軸受7、副軸受8のクランクシャフト3が貫通する部分である内径部7b、8bから外側に少し離れた所に、シリンダ5側の端部の開口から軸方向に、かつ、軸周に倣うように円周状に形成された主軸受7の柔構造溝7a、副軸受8の柔構造溝8aが加工されている。この溝7a、8aの軸方向の長さは、クランクシャフト3の撓み変形に対応できる所定の長さであり、また、内径部7b、8bからの距離は繰返しの変形に耐え、かつ微小変形可能となる弾性が維持できる範囲で決定される。
【0013】
主軸受7の内径部7bは、シリンダ側の内径部7cである下段部と電動機側の内径部7dである上段部とから成る2段構造であり、これらの内径部7c、7dは互いに半径方向に偏芯しており、互いの直径は同じ直径Dである。偏芯方向は、クランクシャフト3の撓み変形方向であり、偏芯量は所定の量eである。
【0014】
次に、密閉型ロータリ圧縮機の動作を説明する。
固定子1の発生する回転磁界により回転子2が回転し、その駆動トルクがクランクシャフト3に作用することで、密閉容器10に固定されたシリンダ5の内径空間内でピストン6が偏芯回転運動を行う。これにより図2に示すシリンダ5とピストン6とベーン12と主軸受7と副軸受8で構成される圧縮室9内に吸入パイプ4から冷媒ガスが吸入され圧縮後、主軸受7の吐出孔7b及び副軸受8の吐出孔8bから密閉容器10内に吐出され、密閉容器10の上部に設けられた吐出パイプ11から冷媒回路内に流出する。この際、圧縮室9で冷媒ガスが圧縮され、圧縮荷重がクランクシャフト3に作用し、それによりクランクシャフト3は撓み変形する。
【0015】
図2、図3に示すように、シリンダ5内での圧縮工程では、クランクシャフト3の偏芯部3bには圧縮室9内の圧縮冷媒により圧縮荷重がかかる。このため、クランクシャフト3(長軸3a、短軸3b)は、主軸受7及び副軸受8のシリンダ5側の端部である根元を支点として撓み変形する。
この変形方向は、図2のシリンダ5の断面において、シリンダ5の内径中心Oを中心とし、ベーン12方向を角度0度とし、反時計方向にクランクシャフト3の偏芯部3bが回転するとした際(図2で矢印で示す、反時計方向に角度も計測する)、クランクシャフト3の偏芯部3bに作用する圧縮荷重方向は角度90度〜180度方向であるため、クランクシャフト3の長軸3aの圧縮荷重による撓み変形方向は、反対側の角度270度〜360度方向となる。
【0016】
クランクシャフト3は主軸受7及び副軸受8の根元を支点として撓み変形をするため、クランクシャフト3の長軸3a及びクランクシャフト3の短軸3cの根元部分の片当たりが強くなり、場合によってはクランクシャフト3の焼付きを起こすこともある。それを防止するため主軸受7の下端部及び副軸受8の上端部に、クランクシャフト3の撓み変形に応じて軸受内径が微小変形可能な柔構造溝7a、8aを設けることにより、主軸受7及び副軸受8の根元自体も撓み変形させ、クランクシャフト3の長軸3a及びクランクシャフト3の短軸3cの根元部分の片当たりを弱める効果がある。
【0017】
更に、図3により、圧縮荷重によるクランクシャフト3の撓み変形状態を説明する。
クランクシャフト3は、ピストン6が受ける圧縮荷重により撓み変形をしながら回転するが、それによりクランクシャフト3の長軸3aの根元部分の片当たりが大きくなるため、主軸受7及び副軸受8に柔構造溝7a、8aを施すことにより主軸受7及び副軸受8の根元自体も撓み変形させ、クランクシャフト3の長軸3a及びクランクシャフト3の短軸3cの根元部分の片当たりを弱める効果がある。
即ち、主軸受7及び副軸受8に柔構造溝7a、8aを設けることにより、主軸受7及び副軸受8のシリンダ側の主軸受7及びシリンダ側の副軸受8も撓み変形し、クランクシャフト3の片当たりを緩和する。
【0018】
しかし、柔構造溝加工の無い軸受を用いた際のクランクシャフト3の撓み角をα、柔構造溝加工のある軸受を用いた際のクランクシャフト3の撓み角をβとするとそれらの関係はα<βとなり、柔構造溝加工を施すことによりクランクシャフト3の撓み角は大きくなる。
【0019】
クランクシャフト3の撓み角は大きくなることで、主軸受7及び副軸受8の先端部に相当するクランクシャフト3のクリアランスは小さくなり、特に、軸受長が長い主軸受7の主軸受7の先端部に相当するクランクシャフト3の長軸3aの片当たりは大きくなる。
【0020】
この時、図4に示すように主軸受7は、クランクシャフト3の長軸3aの軸心から所定の偏芯量eだけ偏芯させた電動機側の内径部である内径上段部7dと偏芯していないシリンダ側の内径部である内径下段部7cとを設けた内径2段構造であるため、クランクシャフト3の長軸3aが撓み変形した際の主軸受7とクランクシャフト3の長軸3aとの間に十分なクリアランスが保てるようにでき、摺動部の局部的な潤滑不良による摩耗を小さくして信頼性を向上できる。
【0021】
主軸受7の2段構造の内径加工は、主軸受7の先端側(電動機側)から必要とする長さを加工した後に、反対側(シリンダ側)から残りの内径部7bを加工する、もしくはその逆の工程となるため、加工工具の逃し部である内径拡大部7fが必要となる。
【0022】
クランクシャフト3の長軸3aが撓み変形をした際に、クランクシャフト3の長軸3aと電動機側の内径部7dのクリアランスを十分に保たせるために電動機側の内径部7dを偏芯加工する方向は、圧縮荷重の負荷による変形が大きくなる方向とし、図2に示すシリンダ5の断面において、ベーン12の位置を基準とした際のクランクシャフト3の回転方向に測って、角度270度〜360度の範囲方向とする。即ち、この角度方向の範囲は、圧縮荷重によりクランクシャフト3の長軸3aが撓み変形する方向とほぼ一致する。
【0023】
電動機側内径部7dを加工する軸方向深さは主軸受7の先端側(電動機側)から軸受長の20%以下とすることで、クランクシャフト3の長軸3aが撓み変形した際の電動機側内径部7dへの片当たりを弱くすることができる。
【0024】さらに、主軸受7とシリンダ5はシリンダ側の内径部7cの内径中心とシリンダ5の内径中心Oを同心に組立てることにより、電動機側の内径部7dの内径中心はクランクシャフト3の回転方向に角度270度〜360度の範囲でシリンダ5の内径中心Oに対して半径方向に偏芯するため、クランクシャフト3の長軸3aが撓み変形をした際に、クランクシャフト3の長軸3aと電動機側の内径部7dのクリアランスが十分に保つことができ、摺動部の局部的な潤滑不良による摩耗を小さくして信頼性を向上できる。
【0025】
以上のように、本実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機は、密閉容器10内に電動要素部と、柔構造溝加工の施された主軸受7と副軸受8を有する圧縮要素部とで構成されており、主軸受7の内径部7bはシリンダ側内径部7cと電動機側内径部7dで半径方向に偏芯させた互いに同じ直径の2段構造になっているため、クランクシャフト3による摺動部の局部的な軸受面圧の上昇を防ぎ、潤滑不良による摩耗を小さくして信頼性を向上できる。
【0026】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2の密閉型ロータリ圧縮機について図面を参照して説明する。図5は、この発明の実施の形態2の密閉型ロータリ圧縮機の縦断面図、図6は、同じく主軸受の横断面図である。本実施の形態では、主軸受7の内径部7bのシリンダ側の内径部7cと電動機側の内径部7dとの内径が、電動機側の内径部7dの内径の方が大きい。その他の点は実施の形態1と同じであり、説明を省略する。
【0027】
図5、図6に示すように、主軸受7の内径部7bの2段構造の電動機側の内径部7dとシリンダ側の内径部7cとは、実施の形態1と同じく偏芯量eで、同方向に偏芯している。
動作及び作用効果も実施の形態1の場合と同様である。
但し、本実施の形態では、実施の形態1において、主軸受7の内径部7bがシリンダ側の内径部7cと電動機側の内径部7dと同じ直径で、偏芯させた場合においてもクランクシャフト3の片当たりの改善が不充分である場合にも有効となる。
【0028】
本発明の実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機は、主軸受7の電動機側の内径部7dとシリンダ側の内径部7cとは同じ直径とするか、又は電動機側の内径部7dの直径がシリンダ側の内径部7cの直径よりも大きくし、偏芯量は主軸受7のシリンダ側の内径部7cとクランクシャフト3とのクリアランス量以下としているので、クランクシャフト3は回転時に大きく振動することがなく、片当たりを防止できる。
【0029】
また、本発明の実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機においては、主軸受7とシリンダ5とは、主軸受7のシリンダ側の内径部7cの内径中心とシリンダ5の内径中心とを同心とし、主軸受7の電動機側の内径部7dの内径中心がシリンダ5の内径中心に対して半径方向に偏芯しているので、クランクシャフト3は回転時に大きく振動することがなく、片当たりを防止できる。
【0030】
また、本発明の実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機は、主軸受7の電動機側の内径部7dの内径中心を半径方向に偏芯させる方向は、シリンダ5の断面において、ベーン12の位置を基準として、クランクシャフト3の回転方向に角度270度〜360度の範囲であるので、圧縮荷重に対応した有効なクランクシャフト3の片当たり防止策となる。
【0031】
本実施の形態の主軸受7の柔構造溝7aは、クランクシャフト3の長軸3aの全軸周に倣って形成する必要はなく、圧縮荷重がかかる範囲に軸周に倣って形成してもよい。また、柔構造溝7a、8aは、溝形状のものでなくてもよく、要するに偏芯部3bに圧縮荷重が作用時に、クランクシャフト3が撓み変形し、主軸受7及び副軸受8のシリンダ側の端部との片当たりを緩和するために、主軸受7及び副軸受8がシリンダ側で変形するものであればよい。
また、電動機側の内径部7dには、その内径中心を偏芯させずに、クランクシャフト3の長軸3aが撓み変形する角度範囲に、先端部に開口するクランクシャフト3の長軸3aとの広げた隙間を形成しても良い。更にこの隙間は、先端部の開口部側に隙間が大きくなるようにしても良い。
【0032】
前記の実施の形態の図1、図5の密閉型ロータリ圧縮機を2シリンダタイプであったが、1シリンダタイプでも同じである。
【0033】
【発明の効果】
本発明の密閉型ロータリ圧縮機は、シリンダ内の圧縮荷重によりクランクシャフトが撓み変形するのに対応して、シリンダ側の主軸受が撓み変形し、また、主軸受の電動機側の内径部の内径中心が、シリンダ側の内径部の内径中心に対して、電動機側の内径部におけるクランク軸の撓み変形方向に所定量偏芯した。
また、本発明の密閉型ロータリ圧縮機は、シリンダ内の圧縮荷重によりクランクシャフトが撓み変形するのに対応して、シリンダ側の主軸受がクランクシャフトとの片当りを緩和するように撓み変形し、主軸受の電動機側の内径部は、シリンダ側の主軸受の撓み変形側と反対側で、クランクシャフトとの隙間を大きくした。
そこで、圧縮荷重の作用したクランクシャフトが主軸受内で撓み変形をする際のクランクシャフトの片当たりを防止し、信頼性が高く、寿命の長い密閉型ロータリ圧縮機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の密閉型ロータリ圧縮機の縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1のシリンダの横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1の密閉型ロータリ圧縮機の圧縮荷重によるクランクシャフトの撓み変形状態を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態1の主軸受の縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2の密閉型ロータリ圧縮機の縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2の主軸受の縦断面図である。
【符号の説明】
1、2 電動機、3 クランクシャフト、3b クランクシャフトの偏芯部、5 シリンダ、6 ピストン、7 主軸受、7c シリンダ側の内径部、7d 電動機側の内径部、8 副軸受、10 密閉容器、12 ベーン、e 偏芯量、O シリンダの内径中心。
【発明の属する技術分野】
この発明は冷凍空調装置に用いられる密閉型ロータリ圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
密閉型ロータリ圧縮機のシリンダ内で冷媒を圧縮することによって、圧縮荷重がクランクシャフトに作用し、クランクシャフトは撓み変形をするが、これに対する従来の対策としては、例えば、クランクシャフトをクランクシャフト偏芯部側から先端側へ向かって先細となるテーパ加工を施すことで、クランクシャフトが撓み変形した際に、撓み方向のクランクシャフト軸受外径と主軸受内径の隙間が一定になるようにしてクランクシャフトの片当たりを防止するという対策例がある。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、主軸受先端の内径部に別部品のブッシュを組込み、ブッシュをクランクシャフトと共に撓ませるという対策例がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−284827号公報(第4頁、第5頁、図1)
【特許文献2】
特開平2−81993号公報(第2頁、第3頁、第1図、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においては、クランクシャフトにテーパ加工を施して外径を小さくすると、クランクシャフトの剛性が弱くなり撓み量が大きくなる。さらに、クランクシャフト外径部のテーパ加工は精密な加工精度が必要とされるためコストアップにつながるなどの問題がある。
また、特許文献2においては、別部品のブッシュを組込む場合は、部品点数が増えることでコストアップにつながるといった問題がある。
【0006】
本発明は、前記従来技術の課題を解消するためになされたものであり、圧縮荷重の作用したクランクシャフトが主軸受内で撓み変形をする際のクランクシャフトの片当たりを防止し、信頼性が高く、寿命の長い密閉型ロータリ圧縮機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る密閉型ロータリ圧縮機は、クランクシャフトを軸支する主軸受及び副軸受間のシリンダ内で、クランクシャフトの偏心部に取付けたピストンを回転させ圧縮作用を行う圧縮機構部と、主軸受に対してシリンダと軸方向で反対側に配置され、クランクシャフトを回転させる電動要素部とを密閉容器内に収納した密閉型ロータリ圧縮機において、
シリンダ内の圧縮荷重によりクランクシャフトが撓み変形するのに対応して、シリンダ側の主軸受が撓み変形し、また、主軸受の電動機側の内径部の内径中心が、シリンダ側の内径部の内径中心に対して、電動機側の内径部におけるクランク軸の撓み変形方向に所定量偏芯したものである。
【0008】
また、この発明に係る密閉型ロータリ圧縮機は、シリンダ内の圧縮荷重によりクランクシャフトが撓み変形するのに対応して、シリンダ側の主軸受がクランクシャフトとの片当りを緩和するように撓み変形し、また、主軸受の電動機側の内径部は、シリンダ側の主軸受の撓み変形側と反対側で、クランクシャフトとの隙間を大きくしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の密閉型ロータリ圧縮機の実施の形態1について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、この発明の実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機の縦断面図、図2は、同じくシリンダの横断面図、図3は、同じく圧縮荷重によるクランクシャフトの撓み変形状態を説明する図であり、図3(a)は、柔構造溝のない場合であり、図3(b)は、柔構造溝のある場合である。図4は、この発明の実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機の主軸受の縦断面図である。
【0011】
これらの図において、密閉型ロータリ圧縮機は、固定子1と回転子2からなる電動機である電動要素部と、電動機により回転するクランクシャフト3、シリンダ5、シリンダ5内を回転するクランクシャフト3の偏芯部3bに取付けられたピストン6、シリンダ5内の開口部を封じてクランクシャフト3を支持する主軸受7と副軸受8、ベーン12等からなる圧縮機構部とで構成される。これらの電動要素部と圧縮機構部は、密閉容器10内に収納されている。
また、クランクシャフト3は、偏芯部3b、偏芯部3bに続く電動機側の長軸3a、副軸受8側の短軸3cから成り、主軸受7は回転子2が焼嵌められたクランクシャフト3を片持ち支持している。
更に、密閉容器10には、冷媒を吸入する吸入パイプ4及び圧縮冷媒を圧縮機外に出す吐出パイプ11が取付けられている。
【0012】
主軸受7及び副軸受8には、クランクシャフト3の撓み変形に応じて軸受内径を微小変形可能とする溝であって、主軸受7、副軸受8のクランクシャフト3が貫通する部分である内径部7b、8bから外側に少し離れた所に、シリンダ5側の端部の開口から軸方向に、かつ、軸周に倣うように円周状に形成された主軸受7の柔構造溝7a、副軸受8の柔構造溝8aが加工されている。この溝7a、8aの軸方向の長さは、クランクシャフト3の撓み変形に対応できる所定の長さであり、また、内径部7b、8bからの距離は繰返しの変形に耐え、かつ微小変形可能となる弾性が維持できる範囲で決定される。
【0013】
主軸受7の内径部7bは、シリンダ側の内径部7cである下段部と電動機側の内径部7dである上段部とから成る2段構造であり、これらの内径部7c、7dは互いに半径方向に偏芯しており、互いの直径は同じ直径Dである。偏芯方向は、クランクシャフト3の撓み変形方向であり、偏芯量は所定の量eである。
【0014】
次に、密閉型ロータリ圧縮機の動作を説明する。
固定子1の発生する回転磁界により回転子2が回転し、その駆動トルクがクランクシャフト3に作用することで、密閉容器10に固定されたシリンダ5の内径空間内でピストン6が偏芯回転運動を行う。これにより図2に示すシリンダ5とピストン6とベーン12と主軸受7と副軸受8で構成される圧縮室9内に吸入パイプ4から冷媒ガスが吸入され圧縮後、主軸受7の吐出孔7b及び副軸受8の吐出孔8bから密閉容器10内に吐出され、密閉容器10の上部に設けられた吐出パイプ11から冷媒回路内に流出する。この際、圧縮室9で冷媒ガスが圧縮され、圧縮荷重がクランクシャフト3に作用し、それによりクランクシャフト3は撓み変形する。
【0015】
図2、図3に示すように、シリンダ5内での圧縮工程では、クランクシャフト3の偏芯部3bには圧縮室9内の圧縮冷媒により圧縮荷重がかかる。このため、クランクシャフト3(長軸3a、短軸3b)は、主軸受7及び副軸受8のシリンダ5側の端部である根元を支点として撓み変形する。
この変形方向は、図2のシリンダ5の断面において、シリンダ5の内径中心Oを中心とし、ベーン12方向を角度0度とし、反時計方向にクランクシャフト3の偏芯部3bが回転するとした際(図2で矢印で示す、反時計方向に角度も計測する)、クランクシャフト3の偏芯部3bに作用する圧縮荷重方向は角度90度〜180度方向であるため、クランクシャフト3の長軸3aの圧縮荷重による撓み変形方向は、反対側の角度270度〜360度方向となる。
【0016】
クランクシャフト3は主軸受7及び副軸受8の根元を支点として撓み変形をするため、クランクシャフト3の長軸3a及びクランクシャフト3の短軸3cの根元部分の片当たりが強くなり、場合によってはクランクシャフト3の焼付きを起こすこともある。それを防止するため主軸受7の下端部及び副軸受8の上端部に、クランクシャフト3の撓み変形に応じて軸受内径が微小変形可能な柔構造溝7a、8aを設けることにより、主軸受7及び副軸受8の根元自体も撓み変形させ、クランクシャフト3の長軸3a及びクランクシャフト3の短軸3cの根元部分の片当たりを弱める効果がある。
【0017】
更に、図3により、圧縮荷重によるクランクシャフト3の撓み変形状態を説明する。
クランクシャフト3は、ピストン6が受ける圧縮荷重により撓み変形をしながら回転するが、それによりクランクシャフト3の長軸3aの根元部分の片当たりが大きくなるため、主軸受7及び副軸受8に柔構造溝7a、8aを施すことにより主軸受7及び副軸受8の根元自体も撓み変形させ、クランクシャフト3の長軸3a及びクランクシャフト3の短軸3cの根元部分の片当たりを弱める効果がある。
即ち、主軸受7及び副軸受8に柔構造溝7a、8aを設けることにより、主軸受7及び副軸受8のシリンダ側の主軸受7及びシリンダ側の副軸受8も撓み変形し、クランクシャフト3の片当たりを緩和する。
【0018】
しかし、柔構造溝加工の無い軸受を用いた際のクランクシャフト3の撓み角をα、柔構造溝加工のある軸受を用いた際のクランクシャフト3の撓み角をβとするとそれらの関係はα<βとなり、柔構造溝加工を施すことによりクランクシャフト3の撓み角は大きくなる。
【0019】
クランクシャフト3の撓み角は大きくなることで、主軸受7及び副軸受8の先端部に相当するクランクシャフト3のクリアランスは小さくなり、特に、軸受長が長い主軸受7の主軸受7の先端部に相当するクランクシャフト3の長軸3aの片当たりは大きくなる。
【0020】
この時、図4に示すように主軸受7は、クランクシャフト3の長軸3aの軸心から所定の偏芯量eだけ偏芯させた電動機側の内径部である内径上段部7dと偏芯していないシリンダ側の内径部である内径下段部7cとを設けた内径2段構造であるため、クランクシャフト3の長軸3aが撓み変形した際の主軸受7とクランクシャフト3の長軸3aとの間に十分なクリアランスが保てるようにでき、摺動部の局部的な潤滑不良による摩耗を小さくして信頼性を向上できる。
【0021】
主軸受7の2段構造の内径加工は、主軸受7の先端側(電動機側)から必要とする長さを加工した後に、反対側(シリンダ側)から残りの内径部7bを加工する、もしくはその逆の工程となるため、加工工具の逃し部である内径拡大部7fが必要となる。
【0022】
クランクシャフト3の長軸3aが撓み変形をした際に、クランクシャフト3の長軸3aと電動機側の内径部7dのクリアランスを十分に保たせるために電動機側の内径部7dを偏芯加工する方向は、圧縮荷重の負荷による変形が大きくなる方向とし、図2に示すシリンダ5の断面において、ベーン12の位置を基準とした際のクランクシャフト3の回転方向に測って、角度270度〜360度の範囲方向とする。即ち、この角度方向の範囲は、圧縮荷重によりクランクシャフト3の長軸3aが撓み変形する方向とほぼ一致する。
【0023】
電動機側内径部7dを加工する軸方向深さは主軸受7の先端側(電動機側)から軸受長の20%以下とすることで、クランクシャフト3の長軸3aが撓み変形した際の電動機側内径部7dへの片当たりを弱くすることができる。
【0024】さらに、主軸受7とシリンダ5はシリンダ側の内径部7cの内径中心とシリンダ5の内径中心Oを同心に組立てることにより、電動機側の内径部7dの内径中心はクランクシャフト3の回転方向に角度270度〜360度の範囲でシリンダ5の内径中心Oに対して半径方向に偏芯するため、クランクシャフト3の長軸3aが撓み変形をした際に、クランクシャフト3の長軸3aと電動機側の内径部7dのクリアランスが十分に保つことができ、摺動部の局部的な潤滑不良による摩耗を小さくして信頼性を向上できる。
【0025】
以上のように、本実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機は、密閉容器10内に電動要素部と、柔構造溝加工の施された主軸受7と副軸受8を有する圧縮要素部とで構成されており、主軸受7の内径部7bはシリンダ側内径部7cと電動機側内径部7dで半径方向に偏芯させた互いに同じ直径の2段構造になっているため、クランクシャフト3による摺動部の局部的な軸受面圧の上昇を防ぎ、潤滑不良による摩耗を小さくして信頼性を向上できる。
【0026】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2の密閉型ロータリ圧縮機について図面を参照して説明する。図5は、この発明の実施の形態2の密閉型ロータリ圧縮機の縦断面図、図6は、同じく主軸受の横断面図である。本実施の形態では、主軸受7の内径部7bのシリンダ側の内径部7cと電動機側の内径部7dとの内径が、電動機側の内径部7dの内径の方が大きい。その他の点は実施の形態1と同じであり、説明を省略する。
【0027】
図5、図6に示すように、主軸受7の内径部7bの2段構造の電動機側の内径部7dとシリンダ側の内径部7cとは、実施の形態1と同じく偏芯量eで、同方向に偏芯している。
動作及び作用効果も実施の形態1の場合と同様である。
但し、本実施の形態では、実施の形態1において、主軸受7の内径部7bがシリンダ側の内径部7cと電動機側の内径部7dと同じ直径で、偏芯させた場合においてもクランクシャフト3の片当たりの改善が不充分である場合にも有効となる。
【0028】
本発明の実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機は、主軸受7の電動機側の内径部7dとシリンダ側の内径部7cとは同じ直径とするか、又は電動機側の内径部7dの直径がシリンダ側の内径部7cの直径よりも大きくし、偏芯量は主軸受7のシリンダ側の内径部7cとクランクシャフト3とのクリアランス量以下としているので、クランクシャフト3は回転時に大きく振動することがなく、片当たりを防止できる。
【0029】
また、本発明の実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機においては、主軸受7とシリンダ5とは、主軸受7のシリンダ側の内径部7cの内径中心とシリンダ5の内径中心とを同心とし、主軸受7の電動機側の内径部7dの内径中心がシリンダ5の内径中心に対して半径方向に偏芯しているので、クランクシャフト3は回転時に大きく振動することがなく、片当たりを防止できる。
【0030】
また、本発明の実施の形態の密閉型ロータリ圧縮機は、主軸受7の電動機側の内径部7dの内径中心を半径方向に偏芯させる方向は、シリンダ5の断面において、ベーン12の位置を基準として、クランクシャフト3の回転方向に角度270度〜360度の範囲であるので、圧縮荷重に対応した有効なクランクシャフト3の片当たり防止策となる。
【0031】
本実施の形態の主軸受7の柔構造溝7aは、クランクシャフト3の長軸3aの全軸周に倣って形成する必要はなく、圧縮荷重がかかる範囲に軸周に倣って形成してもよい。また、柔構造溝7a、8aは、溝形状のものでなくてもよく、要するに偏芯部3bに圧縮荷重が作用時に、クランクシャフト3が撓み変形し、主軸受7及び副軸受8のシリンダ側の端部との片当たりを緩和するために、主軸受7及び副軸受8がシリンダ側で変形するものであればよい。
また、電動機側の内径部7dには、その内径中心を偏芯させずに、クランクシャフト3の長軸3aが撓み変形する角度範囲に、先端部に開口するクランクシャフト3の長軸3aとの広げた隙間を形成しても良い。更にこの隙間は、先端部の開口部側に隙間が大きくなるようにしても良い。
【0032】
前記の実施の形態の図1、図5の密閉型ロータリ圧縮機を2シリンダタイプであったが、1シリンダタイプでも同じである。
【0033】
【発明の効果】
本発明の密閉型ロータリ圧縮機は、シリンダ内の圧縮荷重によりクランクシャフトが撓み変形するのに対応して、シリンダ側の主軸受が撓み変形し、また、主軸受の電動機側の内径部の内径中心が、シリンダ側の内径部の内径中心に対して、電動機側の内径部におけるクランク軸の撓み変形方向に所定量偏芯した。
また、本発明の密閉型ロータリ圧縮機は、シリンダ内の圧縮荷重によりクランクシャフトが撓み変形するのに対応して、シリンダ側の主軸受がクランクシャフトとの片当りを緩和するように撓み変形し、主軸受の電動機側の内径部は、シリンダ側の主軸受の撓み変形側と反対側で、クランクシャフトとの隙間を大きくした。
そこで、圧縮荷重の作用したクランクシャフトが主軸受内で撓み変形をする際のクランクシャフトの片当たりを防止し、信頼性が高く、寿命の長い密閉型ロータリ圧縮機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の密閉型ロータリ圧縮機の縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1のシリンダの横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1の密閉型ロータリ圧縮機の圧縮荷重によるクランクシャフトの撓み変形状態を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態1の主軸受の縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2の密閉型ロータリ圧縮機の縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2の主軸受の縦断面図である。
【符号の説明】
1、2 電動機、3 クランクシャフト、3b クランクシャフトの偏芯部、5 シリンダ、6 ピストン、7 主軸受、7c シリンダ側の内径部、7d 電動機側の内径部、8 副軸受、10 密閉容器、12 ベーン、e 偏芯量、O シリンダの内径中心。
Claims (5)
- クランクシャフトを軸支する主軸受及び副軸受間のシリンダ内で、前記クランクシャフトの偏心部に取付けたピストンを回転させ圧縮作用を行う圧縮機構部と、前記主軸受に対して前記シリンダと軸方向で反対側に配置され、前記クランクシャフトを回転させる電動要素部とを密閉容器内に収納した密閉型ロータリ圧縮機において、
前記シリンダ内の圧縮荷重により前記クランクシャフトが撓み変形するのに対応して、前記シリンダ側の主軸受が撓み変形し、
また、前記主軸受の前記電動機側の内径部の内径中心が、前記シリンダ側の内径部の内径中心に対して、前記電動機側の内径部における前記クランク軸の撓み変形方向に所定量偏芯したことを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。 - クランクシャフトを軸支する主軸受及び副軸受間のシリンダ内で、前記クランクシャフトの偏心部に取付けたピストンを回転させ圧縮作用を行う圧縮機構部と、前記主軸受に対して前記シリンダと軸方向で反対側に配置され、前記クランクシャフトを回転させる電動要素部とを密閉容器内に収納した密閉型ロータリ圧縮機において、
前記シリンダ内の圧縮荷重により前記クランクシャフトが撓み変形するのに対応して、前記シリンダ側の主軸受が前記クランクシャフトとの片当りを緩和するように撓み変形し、
また、前記主軸受の電動機側の内径部は、前記シリンダ側の主軸受の撓み変形側と反対側で、前記クランクシャフトとの隙間を大きくしたことを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。 - 前記主軸受の前記電動機側の内径部と前記シリンダ側の内径部とは同じ直径とするか、もしくは前記電動機側の内径部の直径が前記シリンダ側の内径部の直径よりも大きくし、偏芯量は前記主軸受の前記シリンダ側の内径部とクランクシャフトとのクリアランス量以下であることを特徴とする請求項1に記載の密閉型ロータリ圧縮機。
- 前記主軸受と前記シリンダとは、前記主軸受のシリンダ側の内径部の内径中心と前記シリンダの内径中心とを同心とし、前記主軸受の電動機側の内径部の内径中心が前記シリンダの内径中心に対して半径方向に偏芯していることを特徴とした請求項1、請求項2又は請求項3に記載の密閉型ロータリ圧縮機。
- 前記主軸受の前記電動機側の内径部の内径中心を半径方向に偏芯させる方向は、前記シリンダの断面において、ベーン位置を基準として、クランクシャフトの回転方向に角度270度〜360度の範囲であることを特徴とする請求項1、請求項3又は請求項4に記載の密閉型ロータリ圧縮機。
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