JP2004124795A - 失火検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】悪路等の外乱にロバストな失火検出を実現する。
【解決手段】内燃機関のクランク軸が一定角度回転するのに要する時間を計測する回転検出手段と、回転所要時間を処理することで内燃機関の失火を検出する信号処理手段を備えた失火検出装置において、信号処理手段には、失火に起因する周波数への感度が同じで、その周辺の周波数への感度が異なる2つのフィルタが備えられていて、2つのフィルタの出力の比または差が一定範囲内に収まった場合にのみ失火判定を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多気筒内燃機関において失火の有無を精度よく検出する装置に関する。特に、凹凸のある路面や、失火によって車体が残響振動する場合でも精度よく失火の回数を気筒ごとにカウントできる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃エンジンの点火周期より短い、前記エンジンのクランク軸の所定回転角度周期毎に前記エンジンの回転速度を検出する回転速度検出手段と、検出したエンジン回転速度を前記クランク軸1回転に相当する周期で平均化する平均化手段とを備え、前記エンジンの燃焼状態を検出する内燃エンジンの燃焼状態検出装置において、前記平均化手段により算出されたエンジン回転速度の平均値と、該平均値が算出された時点から所定点火周期前に算出された平均値との偏差量を算出する偏差量算出手段と、該偏差量を前記点火周期に相当する周期に基づき平均化する偏差量平均化手段と、該平均化された偏差量に基づいて前記エンジンの燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段とを設けることで、失火を検出する装置が知られている(特許文献1参照)。
このような構成の失火検出装置を用いることで、失火を特徴づける周波数成分を効果的に抽出でき、十分精度の良い失火検出装置が実現できたとされていた。
【特許文献1】
特開平7−119536号公報(第2頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1で十分精度の高い失火検出装置が実現できたのは、失火を特徴づける周波数成分のみを抽出し、それより低い周波数成分と高い周波数成分は効果的にカットできるフィルタが実現できたためである。この発明では、4気筒内燃機関を例として取り上げているが、内燃機関の気筒数がこれより多くなると、1回の爆発に対応したクランク軸の回転角度が小さくなり、回転所要時間の検出精度が低下し、十分な周波数特性のフィルタが実現できない可能性がある。
【0004】
本発明の目的は、1つの周波数成分を抽出するのに2つのフィルタを用いることで、より効果的に注目する周波数成分のみ抽出し、悪路の影響や車体の残響振動等のノイズにロバストな失火検出装置を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、内燃機関のクランク軸が一定角度回転するのに要する時間を計測する回転検出手段と、回転所要時間を処理することで内燃機関の失火を検出する信号処理手段を備えた失火検出装置において、信号処理手段は、失火に起因する周波数への感度が同じで、その周辺の周波数への感度が異なる2つのフィルタと、2つのフィルタの出力の比または差が一定範囲内に収まり、かつ、2つのフィルタの片方または両方が閾値を超えた場合に失火が発生したと判定を行う判定手段とから構成される失火検出装置によって達成される。
または、前記信号処理手段が、失火に起因する周波数成分への感度が0で、その周辺の周波数への感度が0でないフィルタと、失火に起因する周波数成分に感度のピークを持つフィルタと,前者のフィルタの出力が一定範囲に収まり、かつ、後者のフィルタが閾値を超えた場合に失火が発生したと判定を行う判定手段とから構成される失火検出装置によって達成される。
または、前記信号処理手段が、入力信号が失火に起因する周波数にどれだけ近いかを示す指標を出力するフィルタと、入力信号の振幅を出力するフィルタと、前者のフィルタの出力が一定範囲に収まり,かつ,後者のフィルタが閾値を超えた場合にのみ失火が発生したと判定を行う判定手段とから構成されることを特徴とする失火検出装置によって達成される。
【0006】
上記の失火検出装置において、前記信号処理手段に、前記2つのフィルタのうちのいずれかの出力を過去数回分記憶しておく出力メモリと、前記出力メモリに記憶された値の大小関係を比較する大小関係比較手段と、判定手段によって失火が発生していると判定されたら、特定の大小関係が満たされたときの爆発気筒から一定の爆発回数を遡った気筒を失火気筒であると特定する失火気筒特定手段とを備えてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の構成の一例を示す図である。この図を用いて本発明の第1の実施形態を説明する。
【0008】
本失火検出装置は、内燃機関のクランク軸が一定角度回転するのに要する時間を計測する回転検出手段1と、回転所要時間を処理することで内燃機関の失火を検出する信号処理手段2に大きく分けられる。
【0009】
回転検出手段1は、リングギア11と磁気センサ12からなる。リングギア11には、図2に示すような歯が取り付けられている。歯が磁気センサ12に接近すると磁気センサ12の出力が変化し、磁気センサ12の出力の変化の間隔を計測することで一定角度を回転するのに要する回転所要時間が計測される。図2は特に6気筒内燃機関に適したリングギア11である。6気筒内燃機関の場合、クランク軸が1回転する間に、3つの気筒が爆発するので、図2(a),(b)のそれぞれのリングギア11で矢印付の円弧で示された歯と歯の間の区間のそれぞれは、一つの気筒が爆発する間にリングギア11が回転する角度とみなせる。
【0010】
本失火検出装置における信号処理手段2の構成の一例を図3に示す。信号処理手段2は、図4に示すように、失火に起因する周波数への感度が同じで、その周辺の周波数への感度が異なる2つのフィルタ21,22と、図5(a)に示すように2つのフィルタの出力の比が一定範囲内に収まり、かつ、フィルタ(a)またはフィルタ(b)の出力が閾値を超えたときに失火が発生したと判定する判定手段23とから構成される。
【0011】
また、判定手段23では、図5(b)に示すように、2つのフィルタの出力の差が一定範囲内に収まり、かつ、フィルタ(a)またはフィルタ(b)の出力が閾値を超えたときに失火が発生したと判定してもよい。
【0012】
一般に、失火が発生しているとき、図2に示すようなリングギア11の歯と歯の間の回転所要時間は、図6のようになる。図6(a)は一つの気筒が毎サイクルごとに失火する場合(常時失火)の回転所要時間で、図6(b)は一つの気筒が数サイクルに一回失火する場合(間欠失火)の回転所要時間である。図6(a)の場合の回転所要時間を周波数解析すると、図7のようになる。ここで、周波数がn次ということは、クランク軸n回転に同期した成分であることを意味する。図7から、一つの気筒が常時失火している場合、0.5次の成分が大きいので、0.5次成分のみを抽出するフィルタに回転所要時間を入力し、その出力が一定の閾値を超えた場合に失火が起こったと判定することができる。
【0013】
一方で、砂利道などの悪路を走行する場合の回転所要時間の一例は図8のようになり、これを周波数解析すると図9のようになる。図9からは、悪路走行時の回転所要時間の周波数成分は、0次から0.5次のあいだに多く分布していることがわかる。
【0014】
従って、悪路の影響を受けることなく、失火のみを検出するには、0.5次成分だけを抽出するフィルタを作成することが必要である。ところが、0.5次成分だけを抽出するフィルタを実現することは困難で、図4に示すように、抽出したい周波数の両脇にある程度の裾ができてしまう。この裾での周波数特性を効率的に減衰させることで失火検出を実現したという報告はあるが、内燃機関の気筒数や気筒の配置が異なると、裾での周波数特性の減衰が不十分でロバストな失火検出が実現できなくなることもある。
【0015】
そこで、2つのフィルタを用いて、フィルタの特性を抽出したい周波数成分に効率的に絞り込もうというのが本発明の考え方である。
【0016】
失火が起こっているときの回転所要時間の周波数成分は、0.5次にピークを持っているので、これを図4に示す2つのフィルタに入力すると、2つとも同じ出力をする。ところが、悪路走行時の回転所要時間をこれらのフィルタに入力すると、悪路走行時の回転所要時間の周波数成分は0次と0.5次の間に分布しているので、フィルタ(a)の出力はフィルタ(b)の出力より大きくなる。したがって、2つのフィルタの出力比が1付近のときは失火が発生したと判定し、1付近でないときは失火以外の、悪路等の要因であると判定することで、悪路にロバストな失火検出が実現できる。
【0017】
比を取るかわりに、2つのフィルタの出力の差を計算し、差が0付近のときは失火が発生したと判定し、0付近でないときは、失火以外の、悪路等の要因であると判定することでも、同様に悪路にロバストな失火検出が実現できる。
【0018】
したがって、図3に示すような信号処理手段2で、図4に示すように、失火に起因する周波数への感度が同じで、その周辺の周波数への感度が異なる2つのフィルタ21,22へ回転所要時間を入力したときの出力に基づき、判定手段23で、2つのフィルタの出力比が一定範囲内に収まったときに失火判定を行なう。失火判定の方法としては、2つのフィルタのうちのどちらかの出力が閾値を越えたら失火が発生したと判定する方法がある。あるいは、2つのフィルタの出力の両方が閾値を越えたら失火が発生したと判定する方法もある。
【0019】
また、図4に示す2つのフィルタの、失火に起因する周波数への感度は厳密に同じである必要はなく、若干のずれは許される。
【0020】
このようにすることで、悪路等の外乱にロバストな失火検出が実現できる。
【0021】
第2の実施形態について説明する。
【0022】
第2の実施形態における失火検出装置も、図1に示すように、内燃機関のクランク軸が一定角度回転するのに要する時間を計測する回転検出手段1と、回転所要時間を処理することで内燃機関の失火を検出する信号処理手段2に大きく分けられ、信号処理手段2の構成は図3で示されることは、第1の実施形態と同じである。
【0023】
図4に示すような、失火に起因する周波数への感度が同じで、その周辺の周波数への感度が異なる2つのフィルタを用いる方法以外にも、図10(b)のように、失火に起因する周波数成分への感度が0で、その周辺の周波数への感度が0でないフィルタを用い、このフィルタの出力が一定範囲に収まった場合にのみ失火判定を行うことで、悪路にロバストな失火検出が実現できる。
【0024】
図10(b)のように、失火に起因する0.5次成分への感度が0で、その周辺の周波数への感度が0でないフィルタを用いると、失火が発生している場合には、回転所要時間の周波数成分の分布は0.5次に集中しているので、フィルタの出力は0である。回転所要時間の振幅に依存せずに0である。ところが、悪路を走行しているときは、回転所要時間の周波数成分は0次から0.5次の間に分布しているので、フィルタの出力は0以外の値をとる。したがって、フィルタの出力が0付近の一定範囲内に収まったときのみ失火の判定を行なう。失火の判定は、図10(a)のように、失火に起因する0.5次成分に感度のピークをもつフィルタの出力が閾値を越えたときに失火が発生したと判定する。このように失火と判定される領域の一例は、図11に示される。
【0025】
このようにすることで、悪路等の外乱にロバストな失火検出が実現できる。
【0026】
第3の実施形態について説明する。
【0027】
第3の実施形態における失火検出装置も、図1に示すように、内燃機関のクランク軸が一定角度回転するのに要する時間を計測する回転検出手段1と、回転所要時間を処理することで内燃機関の失火を検出する信号処理手段2に大きく分けられ、信号処理手段2の構成は図3で示されることは、第1の実施形態と同じである。
【0028】
第3の実施形態では、図4に示した2つのフィルタを、別の見方をする。
【0029】
車体が失火をきっかけとして残響振動しているときの回転所要時間の一例を図12(a)に示す。同じ車体で同じエンジン回転数、同じエンジン負荷で走行している場合でも、図12(b)のように回転所要時間の形は同じままで、振幅が倍近くになるような場合もある。このときの図4(a)に示すフィルタの出力は図13(a)(b)のようになる。図13(a)(b)を同じ閾値で失火判定しようとすると、(a)の場合は丸い点線で囲んだ部分を失火が発生したと正しく認識できるが、(b)の場合は、丸い点線で囲んだ部分に加えて、菱形の点線で囲んだ部分も失火が発生したと認識してしまい、これは正しくない認識である。丸い部分だけを失火が発生したと認識するために、例えば、図4のフィルタ21,22の比を出力するフィルタを考える。この比を出力するフィルタの出力は図14のようになり、このフィルタの出力が一定範囲内に収まり、かつ図4(a)のフィルタの出力が閾値を越えたものを失火が発生したと認識することで正しい失火検出が行なえる。このとき、図4のフィルタ21,22の比を出力するフィルタは、フィルタへの入力の振幅に依存せずに、入力信号の周波数が失火を特徴づける周波数にどれだけ近いかを示す近さ(図14)を出力するフィルタであると考えられる。また、図4(a)のフィルタは、フィルタへの入力の振幅を出力するフィルタであると考えられる。このように考えると、図3の2つのフィルタとしては、一つは入力信号の周波数が失火を特徴づける周波数にどれだけ近いかを示す指標を出力するフィルタと、一つは入力信号の振幅を出力するフィルタの組合せを用いることが可能で、この出力を組合わせることでロバストな失火検出ができるようになる。
【0030】
また、入力信号の周波数が失火を特徴付ける周波数にどれだけ近いかを示す指標としては、図4のフィルタ21,22の比以外にも、図10のフィルタ(b)も考えられる。このフィルタも、入力の振幅に関係なく、入力信号の周波数が失火を特徴付ける周波数に近いときは0付近の値を出力する。
【0031】
以上、第1〜第3の実施形態は、失火の有無を判定する失火検出装置であったが、これを拡張して、失火している気筒の特定まで行う失火検出装置を第4の実施形態として述べる。
【0032】
本失火検出装置の構成は、図1と同じで、内燃機関のクランク軸が一定角度回転するのに要する時間を計測する回転検出手段1と、回転所要時間を処理することで内燃機関の失火を検出する信号処理手段2に大きく分けられる。
【0033】
本失火検出装置における信号処理手段2の構成の一例を図15に示す。信号処理手段2は、図3に示した信号処理手段2に加え、2つのフィルタの出力のうちのどちらかの過去数回分の値を記憶しておく出力メモリ24と、判定手段23が失火ありと判定したら、出力メモリ24に記憶されたフィルタ出力の大小関係を比較し、フィルタ出力が極値となるときの爆発気筒を特定する大小関係比較手段25と、極値となる爆発気筒から一定の回数を遡った気筒を失火気筒であると特定する失火気筒特定手段26からなる。
【0034】
フィルタの出力は、図13に示されるような形になる。この波形のうち、失火と特定された極値での爆発気筒と、失火気筒の間隔は、一定の爆発回数であることが知られている。この間隔はフィルタの特性によって決まる。したがって、フィルタの出力を過去数回分出力メモリ24に記憶しておき、この大小関係を大小関係比較手段25で比較し、フィルタ出力が極値をとるときの爆発気筒を探索し、失火気筒特定手段26では、極値をとるさいの爆発気筒から一定の爆発回数を遡った気筒を失火気筒であると特定する。
【0035】
このようにすることで、悪路等の影響にロバストに失火を検出し、失火気筒を特定できる失火検出装置が実現できる。
【0036】
以上で4つの実施形態について述べてきたが、ここでは、ある失火検出装置が本発明に該当するかどうかを検証する方法について述べる。
【0037】
検証手段5は、失火検出装置に図16のように接続される。駆動装置6は内燃機関のクランク軸3に接続され、様々なパターンのクランク軸3の動きを生成する。そのときに失火検出装置が出力する失火検出結果と、回転検出手段1が出力する回転所要時間を解析することで、失火検出装置が本発明に該当するかどうかを検証する。
【0038】
検証手段5の構成を図17を用いて説明する。検証手段5は、回転所要時間を過去N爆発分記憶しておく所要時間メモリ51と、失火検出装置が出力する失火検出結果が失火のときに、所要時間メモリ51に記憶されている所要時間のベクトルをN次元空間にプロットするプロット手段52と、プロットされた所要時間のベクトルの分布の境界面を算出する境界面算出手段53と、算出された境界面から、失火検出装置で用いたフィルタを算出するフィルタ逆解析手段54からなる。
【0039】
所要時間メモリ51の個数Nは、フィルタの長さに相当する。フィルタの長さが未知の場合は、想定しうるフィルタの長さの上限値にしておいても良い。あるいは、Nを想定しうるフィルタの長さより小さめに設定しておいて、失火検出装置を検証し、本発明に該当すればそれ以上検証する必要はないし、本発明に該当しなければ、Nの値を増やして再度検証する。このことを繰り返し、Nが常識的なフィルタの範囲を超えてしまったら、その失火検出装置は本発明に該当しないと判断できる。
【0040】
現在の回転所要時間をTi,1爆発前の回転所要時間をTi−1,…とする。現在から過去N爆発分の回転所要時間のベクトル
【0041】
【数1】
Figure 2004124795
が所要時間メモリ51に記憶されている。
【0042】
プロット手段52は、失火検出装置が出力する失火検出結果が失火のとき、所要時間メモリ51に記憶されている回転所要時間のベクトルをN次元空間にプロットする。これを様々なパターンのクランク軸3の回転パターンについて行うことで、回転所要時間の分布がN次元空間に作成される。
【0043】
境界面算出手段53は、N次元空間に作成された失火時の回転所要時間のベクトルの分布の境界面を算出する。具体的なアルゴリズムは、凸包の求め方として知られており、例えば、Preparata,F.P. and Shamos,M.I.著’’Computational Geometry’’(Springer−Verlag,1985)等に記載されている。失火検出装置が本発明を適用したものであれば、境界面は3つの平面から構成される。その式を
【0044】
【数2】
Figure 2004124795
とおく。
【0045】
フィルタ逆解析手段54では、境界面算出手段にて求められた失火時の回転所要時間のベクトルの分布の境界面から、失火検出に用いたフィルタを算出する。
【0046】
【数3】
Figure 2004124795
という変換を行うと、境界面の式α1,α2は、
【0047】
【数4】
Figure 2004124795
と変換できる。微小な値δ>0を用いて数4を以下の通り書きかえる。
【0048】
【数5】
Figure 2004124795
これより、失火検出装置が失火と判断しているのは、2つのフィルタb+δaとbの出力の比が1付近の一定の範囲に収まったときであることがわかる。
【0049】
あとは、2つのフィルタb+δaとbの周波数特性が図4のように失火に起因する周波数で同じ特性であることを示せれば、失火検出装置が本発明を適用していることになる。
【0050】
【発明の効果】
上記のような構成の失火検出装置により、悪路等の外乱に対してロバストな失火の検出が可能となる。また、失火の発生している気筒も特定できる。失火が検出されたら運転中止や修理を実施することで、燃費の悪い状態での走行を避けることができ、また、未燃ガスを排出も回避でき、環境への悪影響も防げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかわる失火検出装置の構成図である。
【図2】リングギアの形状の一例である。
【図3】本発明の一実施例にかかわる信号処理手段の構成図である。
【図4】信号処理手段のフィルタの周波数特性の一例である。
【図5】判定手段が失火と判定する領域の一例である。
【図6】失火時の回転所要時間の一例である。
【図7】失火時の回転所要時間の周波数成分の強度である。
【図8】悪路走行時の回転所要時間の一例である。
【図9】悪路走行時の回転所要時間の周波数成分の強度である。
【図10】信号処理手段のフィルタの周波数特性の一例である。
【図11】判定手段が失火と判定する領域の一例である。
【図12】失火が残響しているときの回転所要時間の一例である。
【図13】失火が残響しているときのフィルタ出力の一例である。
【図14】失火が残響しているときのフィルタ出力の比の一例である。
【図15】本発明の一実施例にかかわる信号処理手段の構成図である。
【図16】本発明を検証する手段の接続図である。
【図17】本発明を検証する手段の構成図である。
【符号の説明】
1…回転検出手段、2…信号処理手段、3…クランク軸、4…気筒、5…検証手段、11…リングギア、12…磁気センサ、21…フィルタ(a)、22…フィルタ(b)、23…判定手段、24…出力メモリ、25…大小関係比較手段、26…失火気筒特定手段、51…所要時間メモリ、52…プロット手段、53…境界面算出手段、54…フィルタ逆解析手段。

Claims (4)

  1. 内燃機関のクランク軸が一定角度回転するのに要する時間を計測する回転検出手段と、回転所要時間を処理することで内燃機関の失火を検出する信号処理手段を備えた失火検出装置において、
    前記信号処理手段は、失火に起因する周波数への感度が同じで、その周辺の周波数への感度が異なる2つのフィルタと、2つのフィルタの出力の比または差が一定範囲内に収まり、かつ、2つのフィルタの片方または両方が閾値を超えた場合に失火が発生したと判定を行う判定手段とから構成されることを特徴とする失火検出装置。
  2. 内燃機関のクランク軸が一定角度回転するのに要する時間を計測する回転検出手段と、回転所要時間を処理することで内燃機関の失火を検出する信号処理手段を備えた失火検出装置において、
    前記信号処理手段は、失火に起因する周波数成分への感度が0で、その周辺の周波数への感度が0でないフィルタと、失火に起因する周波数成分に感度のピークを持つフィルタと,前者のフィルタの出力が一定範囲に収まり、かつ、後者のフィルタが閾値を超えた場合に失火が発生したと判定を行う判定手段とから構成されることを特徴とする失火検出装置。
  3. 内燃機関のクランク軸が一定角度回転するのに要する時間を計測する回転検出手段と、回転所要時間を処理することで内燃機関の失火を検出する信号処理手段を備えた失火検出装置において、
    前記信号処理手段は、入力信号が失火に起因する周波数にどれだけ近いかを示す指標を出力するフィルタと、入力信号の振幅を出力するフィルタと、前者のフィルタの出力が一定範囲に収まり,かつ,後者のフィルタが閾値を超えた場合にのみ失火が発生したと判定を行う判定手段とから構成されることを特徴とする失火検出装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の失火検出装置において、前記信号処理手段には、前記2つのフィルタのうちのいずれかの出力を過去数回分記憶しておく出力メモリと、前記出力メモリに記憶された値の大小関係を比較する大小関係比較手段と、判定手段によって失火が発生していると判定されたら、特定の大小関係が満たされたときの爆発気筒から一定の爆発回数を遡った気筒を失火気筒であると特定する失火気筒特定手段とを備えたことを特徴とする失火検出装置。
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