JP2004124195A - Cvd成膜装置及びcvd成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板20が収納される薄膜成長容器11と、金属イオンを含有する液体原料を薄膜成長容器11内へ霧状に噴霧する噴霧ノズル19と、噴霧ノズル19から噴霧された液体原料を加熱して気化させる加熱部20と、原料ガスを供給する原料ガス供給部17とを有する。噴霧ノズル19から噴霧された霧状の液体原料が加熱されて気化ガスとなり、この気化ガスが原料ガスと化学反応して基板上に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜が成膜されるので、噴霧ノズル19から噴霧された液体原料の飛沫がそのまま基板21に到達して基板21上の薄膜が局所的に厚くなることが発生せず、基板21上の薄膜の膜厚が略均一になる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CVD成膜装置及びCVD成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板上に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜を成膜する化学的蒸着方式(CVD方式)の一つとして、原料としての有機金属化合物等を溶媒に溶かした液体原料を気化させる「溶液気化CVD法」という手法が知られている。
【0003】
この溶液気化CVD法を実現するCVD成膜装置は、図3に示すように、薄膜成長容器1、液体原料タンク2、気化装置3、加圧ガス供給部4、原料供給パイプ5、6、原料ガス供給部7等により構成されている。
【0004】
液体原料タンク2内には、溶媒に有機金属化合物等を溶かした液体原料が貯留され、この液体原料タンク2内へ加圧ガス供給部4から加圧ガスを供給することにより、その加圧ガスの圧力によって液体原料タンク2内の液体原料が原料供給パイプ5を通して気化装置3へ供給される。
【0005】
気化装置3では、液体原料タンク2から供給された液体原料が気化されて気化ガスとなり、その気化ガスが原料供給パイプ6を通して薄膜成長容器1へ供給される。
【0006】
また、薄膜成長容器1内へは、原料ガス供給部7から酸素ガス等の原料ガスが供給されている。
【0007】
薄膜成長容器1は、その内部の圧力が大気圧かそれ以下に減圧され、その内部に基板加熱ステージ8と放出ノズル9とが配置されている。放出ノズル9からは気化装置3で気化された気化ガスが放出される。基板加熱ステージ8上には、化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜が成膜される対象物である基板10が載置されている。放出ノズル9から放出された気化ガスと原料ガスとが化学反応することにより基板10上に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜が成膜される。なお、基板10を基板加熱ステージ8上に載置して加熱することにより、基板10上への化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の成膜速度をアップさせることができる。
【0008】
しかしながら、このCVD成膜装置によれば、気化装置3と薄膜成長容器1との間の距離が長いため、一旦気化した気化ガスが放出ノズル9から放出される前に原料供給パイプ6中で液化したり、溶媒だけが気化状態を維持されて溶質である有機金属化合物が固化したりする。このような現象は、液体原料の使用効率を著しく低下させ、及び、CVD成膜装置の運用上の負担を増加させている。なお、このような現象は特に、薄膜成長容器1の中を減圧空間や真空空間とした場合、液体原料の蒸気圧が低い場合に生じ易い傾向にある。
【0009】
そこで、このような不具合を解消するために気化装置を省略し、液体原料を薄膜成長容器内へ直接噴霧(超音波ノズルなどを用いた霧化、機械的な回転を利用した手法による微粒化装置による霧化)することにより成膜するパルスMOCVD成膜法(例えば、特許文献1参照)や、噴射方式のCVD成膜法などが提案されている。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第5451260号明細書
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際にこれらの方法で成膜を行ってみると、液体原料の飛沫(極めて微小な液滴)がそのまま基板に到達し、液体原料の飛沫が付着した部分は化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の膜厚が局所的に厚くなり、均一な膜厚の薄膜の成膜が阻害されることがある。
【0012】
この場合、基板の温度を大幅(例えば、800℃)に上げてやることにより、これらの飛沫の影響を少なくして化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の膜厚の均一化を図ることが可能である。しかし、ほとんどの場合、基板の耐熱温度を越えてしまうために現実的でなく、装置負担が大きくなり、安全性の問題もある。
【0013】
本発明の目的は、薄膜成長容器内に液体原料を直接噴霧して基板上に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜を成膜する場合において、薄膜成長容器内に収納されている基板の温度を上げることなく、基板上に成膜される化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の膜厚を均一にすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のCVD成膜装置は、基板が収納される薄膜成長容器と、少なくとも1種類以上の金属イオンを含有する液体原料を前記薄膜成長容器内へ霧状に微粒化して噴霧する1本以上の噴霧ノズルと、前記噴霧ノズルと前記基板の収納位置との間に配置され、前記噴霧ノズルから噴霧された液体原料を加熱して気化させる加熱部と、原料ガスを前記薄膜成長容器内へ供給する原料ガス供給部と、を有する。
【0015】
したがって、噴霧ノズルから薄膜成長容器内へ霧状に微粒化されて噴霧された液体原料は、液体原料分子が集合した、所謂「クラスター状態」であり、この霧状の液体原料は加熱部で加熱されることにより個々の液体原料分子が気化されて気化ガスとなり、この気化ガスが原料ガス供給部から別途供給された原料ガスと化学反応することにより基板上に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜が形成される。このため、噴霧ノズルから噴霧された液体原料の飛沫(極めて微小な液滴)がそのまま基板に到達して基板上に成膜される化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の膜厚が局所的に厚くなるということが発生せず、基板上に成膜される薄膜の膜厚が略均一になる。
【0016】
ここで、金属イオンを含有する液体原料は、有機金属化合物等を溶媒に溶かすことにより生成されている。
【0017】
原料ガス供給部から供給される原料ガスとしては、例えば、酸素ガス等であり、気化ガスと化学反応して薄膜を構成する性質を有する。
【0018】
なお、液体原料分子を気化する場合において、薄膜成長容器内の圧力を減圧しておけば、液体原料は常温常圧の状態から減圧空間内に突入した瞬間に数μmサイズ以下の液滴に微粒化されるので、さらに効果的である。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のCVD成膜装置において、液体原料を前記噴霧ノズルから噴霧される直前まで一定温度に維持する温度維持手段が設けられている。
【0020】
ここで、金属イオンを含有する液体原料が有機金属化合物等を溶媒に溶かすことにより生成されている場合において、多くの有機金属材料は熱の影響によって分解反応を起こすことが多く、液体原料の温度が安定しない場合には、液体原料の組成が変化しやすい。また、有機溶媒は蒸発しやすいものが多く、噴霧ノズルに向けて供給されている液体原料が高温になると溶媒だけが先に気化してしまい、残った有機金属が、液体原料が供給される液体原料供給パイプを閉塞するという事態が生じる場合がある。
【0021】
したがって、液体原料の温度を噴霧ノズルから噴霧される直前まで一定に維持することにより、液体原料の組成を噴霧ノズルから噴霧される直前まで一定に維持することができ、基板上に成膜される化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の組成を安定させることができる。さらに、噴霧ノズルに向けて供給される液体原料中の溶媒だけが先に気化するという事態の発生を防止できる。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のCVD成膜装置において、前記温度維持手段として、液体原料を貯留する液体原料貯留部と前記噴霧ノズルとを接続する液体原料供給パイプを覆う被覆パイプと、この被覆パイプ内に通水する通水装置とを有する。
【0023】
したがって、液体原料供給パイプを被覆した被覆パイプ内に通水することにより、液体原料供給パイプ内を通して供給される液体原料を一定温度に維持することができる。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載のCVD成膜装置において、前記温度維持手段として、前記噴霧ノズルが接触する水ジャケットを有する。
【0025】
したがって、噴霧ノズルが水ジャケットに接触して水冷されることにより、液体原料を噴霧ノズルから噴霧される直前まで一定温度に維持することができる。
【0026】
請求項5記載の発明のCVD成膜方法は、金属イオンを含有する液体原料を基板が収納された薄膜成長容器内へ霧状に微粒化して噴霧し、原料ガスを前記薄膜成長容器内へ供給し、噴霧された液体原料を前記基板に到達する前に加熱して気化させ、前記液体原料が気化して形成された気化ガスと前記原料ガスとを化学反応させて前記基板上に薄膜を形成するようにした。
【0027】
ここで、金属イオンを含有する液体原料は、有機金属化合物等を溶媒に溶かすことにより生成されている。
【0028】
したがって、薄膜成長容器内へ霧状に微粒化して噴霧された液体原料は、加熱されて気化することにより気化ガスとなり、この気化ガスが別途供給された原料ガスと化学反応することにより基板上に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜が形成される。このため、噴霧ノズルから噴霧された液体原料の飛沫(極めて微小な液滴)がそのまま基板に到達して基板上に成膜される化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の膜厚が局所的に厚くなるということが発生せず、基板上に成膜される薄膜の膜厚が略均一になる。
【0029】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のCVD成膜方法において、液体原料を噴霧する直前まで一定温度に維持するようにした。
【0030】
ここで、金属イオンを含有する液体原料が有機金属化合物等を溶媒に溶かすことにより生成されている場合において、多くの有機金属材料は熱の影響によって分解反応を起こすことが多く、液体原料の温度が安定しない場合には、液体原料の組成が変化しやすい。また、有機溶媒は蒸発しやすいものが多く、噴霧ノズルに向けて供給されている液体原料が高温になると溶媒だけが先に気化してしまい、残った有機金属が、液体原料が供給される液体原料供給パイプを閉塞するという事態が生じる場合がある。
【0031】
したがって、液体原料の温度を薄膜成長容器内へ噴霧される直前まで一定に維持することにより、液体原料の組成を噴霧される直前まで一定に維持することができ、基板上に成膜される化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の組成を安定させることができる。さらに、薄膜成長容器内に向けて供給される液体原料中の溶媒だけが先に気化するという事態の発生を防止できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。本実施の形態のCVD成膜装置は、薄膜成長容器11、液体原料貯留部である液体原料タンク12、加圧ガス供給部13、液体原料供給パイプ14、被覆パイプ15、通水装置16、原料ガス供給部17等により構成されている。
【0033】
液体原料タンク12内には、溶媒に有機金属化合物等を溶かすことにより生成された金属イオンを含有する液体原料が貯留され、この液体原料タンク12内へ加圧ガス供給部13から加圧ガスを供給することにより、その加圧ガスの圧力によって液体原料タンク12内の液体原料が液体原料供給パイプ14を通して薄膜成長容器11へ向けて供給される。
【0034】
原料ガス供給部17には酸素ガス等の原料ガスが貯留され、この原料ガスが薄膜成長容器11内へ供給される。
【0035】
薄膜成長容器11は、その内部の圧力が大気圧かそれ以下に減圧され、その内部には、基板加熱ステージ18と、噴霧ノズル19と、加熱部であるアルミナセラミックヒータ20とが配置されている。
【0036】
基板加熱ステージ17上には、表面に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜が成膜される対象物である基板21が載置されている。なお、基板21を基板加熱ステージ18上に載置して加熱することにより、基板21上への化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の成膜速度をアップさせることができる。
【0037】
噴霧ノズル19は、基板21に対向して基板21の上方に配置され、液体原料供給パイプ14を通して液体原料タンク12から供給された液体原料がこの噴霧ノズル19から霧状に微粒化されて噴霧される。噴霧ノズル19は温度維持手段である水ジャケット22に接触しており、この水ジャケット22内の水によって噴霧ノズル19が水冷され、液体原料が噴霧ノズル19から噴霧される直前まで一定温度に維持される。噴霧ノズル19の数は1個でもよく、又は、2個以上であってもよい。
【0038】
アルミナセラミックヒータ20は、噴霧ノズル19から噴霧された霧状に微粒化された液体燃料を加熱して気化させるものであり、噴霧ノズル19と基板加熱ステージ18との間に配置されている。噴霧ノズル19から噴霧された液体原料がアルミナセラミックヒータ20を回避して基板21へ向かうことを防止するため、アルミナセラミックヒータ20を複数用意してもよい。また、液体原料を構成する溶媒の種類、有機金属の種類等により、アルミナセラミックヒータ20の温度を調節することが可能である。
【0039】
被覆パイプ15は、液体原料供給パイプ14を覆った二重配管として配設されており、この被覆パイプ15内に通水装置16により通水される。通水装置16は、貯水部、貯水した水を一定温度に維持するクーラー、水を循環させるポンプ等により構成されており、この通水装置16と被覆パイプ15とにより、液体原料供給パイプ14内を通して液体原料タンク12から噴霧ノズル19へ供給される液体原料を一定温度に維持する温度維持手段23が構成されている。
【0040】
このような構成において、薄膜成長容器11内の基板加熱ステージ17上に載置した基板20上に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜を成膜する場合には、基板加熱ステージ18とアルミナセラミックヒータ20とを通電加熱し、加圧ガス供給部13を駆動させて加圧ガスを液体原料タンク12に向けて供給し、及び、原料供給部17から原料ガスを薄膜成長容器11内へ供給する。
【0041】
加圧ガス供給部13から液体原料タンク12へ加圧ガスが供給されることにより、液体原料タンク12内の液体原料が液体原料供給パイプ14内を通して噴霧ノズル19へ供給され、液体原料は噴霧ノズル19から霧状に微粒化されて噴霧される。
【0042】
液体原料が液体原料タンク12から供給されて噴霧ノズル19から噴霧される直前までの間は、液体原料の温度は温度維持手段23と水ジャケット22とにより一定に維持される。このため、液体原料を構成している有機金属材料が熱の影響によって分解反応を起こすことがなく、液体原料の組成が一定に維持される。また、液体原料を構成している溶媒だけが先に気化してしまい、残った有機金属が液体原料供給パイプ14を閉塞するという事態の発生が防止される。
【0043】
霧状に微粒化されて噴霧された液体原料は、アルミナセラミックヒータ20により加熱されて気化することにより気化ガスとなり、この気化ガスが別途供給された原料ガスと化学反応することにより基板上に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜が形成される。
【0044】
この化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の成膜に際して、噴霧ノズル19から噴霧された液体原料の飛沫(極めて微小な液滴)がそのまま基板21に到達することが防止され、液体原料の飛沫がそのまま基板21に到達することにより発生する基板21上の化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の膜厚が局所的に厚くなるということが防止され、基板21上に成膜される薄膜の膜厚が略均一になる。
【0045】
図2(a)は本実施の形態により基板20上に成膜した化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の3次元光学顕微鏡写真であり、薄膜の膜厚は最大箇所で1.0μmである。一方、図2(b)は本実施の形態からアルミナセラミックヒータ20を取り外して基板21上に成膜した薄膜の3次元光学顕微鏡写真であり、薄膜の膜厚は最大箇所で12.5μmに達している。
【0046】
さらに、温度維持手段23と水ジャケット22との液体原料の温度を一定に維持するという作用により、液体原料の組成を一定に維持することができ、基板21上に成膜される化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の組成を安定させることができる。
【0047】
ここで、液体原料を構成する溶媒の種類、有機金属の種類等により、アルミナセラミックヒータ20の温度を調節することが可能であり、例えば、THF溶媒とZn(Acac)2の有機金属材料とを混合した13.5%濃度の液体原料の場合、アルミナセラミックヒータ20の温度を155℃とすることにより、基板21上に均一な膜厚のZnOの薄膜を成膜することができた。
【0048】
また、液体原料の供給量はアルミナセラミックヒータ20の熱容量によって増減させることが好ましい。これは、霧状の液体原料を完全に気化させるために必要な「気化熱」を充分に供給するためである。アルミナセラミックヒータ20の熱容量が小さい場合には、液体原料を極微量ずつ供給するという意味で、間欠的(パルス状)に供給することも可能である。
【0049】
【発明の効果】
請求項1記載の発明のCVD成膜装置によれば、噴霧ノズルから薄膜成長容器内へ噴霧された液体原料が加熱部により加熱されて気化することにより気化ガスとなり、この気化ガスが原料ガス供給部から別途供給された原料ガスと化学反応することにより基板上に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜が形成されるので、噴霧ノズルから噴霧された液体原料の飛沫(極めて微小な液滴)がそのまま基板に到達することにより発生する基板上の化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の膜厚が局所的に厚くなるということを防止でき、基板上に成膜される薄膜の膜厚を略均一にすることができる。
【0050】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のCVD成膜装置において、液体原料を前記噴霧ノズルから噴霧される直前まで一定温度に維持する温度維持手段が設けられているので、液体原料の組成を噴霧ノズルから噴霧される直前まで一定に維持することができ、基板上に成膜される化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の組成を安定させることができる。さらに、噴霧ノズルに向けて供給される液体原料中の溶媒だけが先に気化するという事態の発生を防止できる。
【0051】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載のCVD成膜装置において、前記温度維持手段として、液体原料を貯留する液体原料貯留部と前記噴霧ノズルとを接続する液体原料供給パイプを覆う被覆パイプと、この被覆パイプ内に通水する通水装置とを有するので、液体原料供給パイプを被覆した被覆パイプ内に通水することにより、液体原料供給パイプ内を通して供給される液体原料を一定温度に維持することができる。
【0052】
請求項4記載の発明によれば、請求項2又は3記載のCVD成膜装置において、前記温度維持手段として、前記噴霧ノズルが接触する水ジャケットを有するので、噴霧ノズルが水ジャケットに接触して水冷されることにより、液体原料を噴霧ノズルから噴霧される直前まで一定温度に維持することができる。
【0053】
請求項5記載の発明のCVD成膜方法によれば、薄膜成長容器内へ霧状に微粒化して噴霧された液体原料は、加熱されて気化することにより気化ガスとなり、この気化ガスが別途供給された原料ガスと化学反応することにより基板上に化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜が形成されるので、噴霧ノズルから噴霧された液体原料の飛沫(極めて微小な液滴)がそのまま基板に到達して基板上に成膜される化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の膜厚が局所的に厚くなるということが発生せず、基板上に成膜される薄膜の膜厚を略均一にすることができる。
【0054】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載のCVD成膜方法において、液体原料を噴霧する直前まで一定温度に維持するようにしたので、液体原料の組成を噴霧される直前まで一定に維持することができ、基板上に成膜される化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の組成を安定させることができる。さらに、薄膜成長容器内に向けて供給される液体原料中の溶媒だけが先に気化するという事態の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のCVD成膜装置を示す概略図である。
【図2】(a)は本実施の形態のCVD成膜装置で成膜した化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の3次元光学顕微鏡写真、(b)は本実施の形態のCVD成膜装置からアルミナセラミックヒータを取り外した装置で成膜した化合物薄膜又は金属化合物薄膜等の薄膜の3次元光学顕微鏡写真である。
【図3】従来例のCVD成膜装置を示す概略図である。
【符号の説明】
11 薄膜成長容器
12 液体原料貯留部
14 液体原料供給パイプ
15 被覆パイプ
16 通水装置
17 原料ガス供給部
19 噴霧ノズル
20 加熱部
21 基板
22 温度維持手段、水ジャケット
23 温度維持手段
Claims (6)
- 基板が収納される薄膜成長容器と、
少なくとも1種類以上の金属イオンを含有する液体原料を前記薄膜成長容器内へ霧状に微粒化して噴霧する1本以上の噴霧ノズルと、
前記噴霧ノズルと前記基板の収納位置との間に配置され、前記噴霧ノズルから噴霧された液体原料を加熱して気化させる加熱部と、
原料ガスを前記薄膜成長容器内へ供給する原料ガス供給部と、
を有するCVD成膜装置。 - 液体原料を前記噴霧ノズルから噴霧される直前まで一定温度に維持する温度維持手段が設けられている請求項1記載のCVD成膜装置。
- 前記温度維持手段として、液体原料を貯留する液体原料貯留部と前記噴霧ノズルとを接続する液体原料供給パイプを覆う被覆パイプと、この被覆パイプ内に通水する通水装置とを有する請求項2記載のCVD成膜装置。
- 前記温度維持手段として、前記噴霧ノズルが接触する水ジャケットを有する請求項2又は3記載のCVD成膜装置。
- 金属イオンを含有する液体原料を基板が収納された薄膜成長容器内へ霧状に微粒化して噴霧し、
原料ガスを前記薄膜成長容器内へ供給し、
噴霧された液体原料を前記基板に到達する前に加熱して気化させ、
前記液体原料が気化して形成された気化ガスと前記原料ガスとを化学反応させて前記基板上に薄膜を形成するようにした、
CVD成膜方法。 - 液体原料を噴霧する直前まで一定温度に維持するようにした請求項5記載のCVD成膜方法。
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CN103233211A (zh) * | 2013-04-27 | 2013-08-07 | 电子科技大学 | 金属有机物化学气相沉积加热装置 |
CN111868297A (zh) * | 2019-02-28 | 2020-10-30 | 东芝三菱电机产业系统株式会社 | 成膜装置 |
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