JP2004123969A - メタリック粉体塗料の製造方法 - Google Patents

メタリック粉体塗料の製造方法 Download PDF

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岡崎 晴彦
Akiko Ozaki
尾崎 明子
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Abstract

【課題】粉体塗料粒子表面にメタリック顔料が吸着していて静電塗装時に粉体塗料とメタリック顔料とが別個に挙動することがないメタリック粉体塗料の製造方法を提供する。
【解決手段】粉体塗料a及び粉体塗料bの両方の主成分樹脂を溶解し得る有機溶媒A中に粉体塗料aの少なくとも主成分樹脂が溶解しており且つメタリック顔料が分散している液と、粉体塗料a及び粉体塗料bの両方の主成分樹脂に対して非溶媒であるか又は貧溶媒であり且つ有機溶媒Aとは任意の比率で均一に溶解し得る有機溶媒B中に粉体塗料bを分散させて得られた液とを攪拌状態で混合し、その粉体塗料aの少なくとも主成分樹脂を転相乳化させてメタリック顏料の各々の粒子の表面にコーティング層を形成させ且つ粉体塗料bの各々の粒子の表面に絡ませて、微粒子分散液を形成させ、その微粒子分散液から微粒子を分離し、乾燥させる、メタリック粉体塗料の製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はメタリック粉体塗料の製造方法に関し、具体的には、メタリック顔料を粒子表面に有する粉体塗料を簡便に且つ安価に製造し得るメタリック粉体塗料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉体塗料の製造方法としては、塗膜形成主要素である合成樹脂と、必要に応じて配合される塗膜形成副要素(可塑剤、硬化促進剤、架橋促進触媒、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、流動性調整剤、垂れ防止剤、消泡剤等)及び/又は顔料とをヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合し、エクストルーダーや熱ロール等の混練機により溶融練合し、冷却し、その後、粉砕することによりペレット化し、該ペレットをハンマーミル、ジェットミル等の粉砕機によって微粉砕した後、分級して粉体塗料を得る方法が一般的であった。
【0003】
近年、環境の悪化を考慮して、従来からの溶剤型塗料や水系塗料に変わって、粉体塗料によるメタリック塗料への要望が増加の傾向にある。
従来、メタリック粉体塗料の製造方法として、(イ)上記のような粉体塗料の製造時に、メタリック顔料を他の顔料や、他の原料と共に混合し、溶融練合を行って製造する方法、或いは(ロ)粉体塗料にメタリック顔料をドライブレンドして製造する方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(イ)の方法の場合には、溶融練合時にメタリック顔料粒子が破壊されることがあり、その場合には、形成される塗膜のメタリック感が損なわれることになる。また、上記(ロ)の方法で製造したメタリック粉体塗料の場合には、粉体塗料とメタリック顔料との帯電性や粒径の違いから、静電塗装する際に帯電する電気量がそれぞれ異なり、そのため形成される塗膜中の粉体塗料とメタリック顔料の比率が変化し、仕上がりに一定性がないだけでなく、塗着しなかった粉体塗料を回収した回収塗料においては、粉体塗料とメタリック顔料との混合比率が異なったものとなり、それを用いて塗装した場合には仕上がりも変わることから、いわゆる回収粉は新粉と同一の仕上がりが必要な塗装には使用できない等の問題があった。
【0005】
本発明は、製造過程においてメタリック顔料粒子の破壊を生じさせることがなく且つ粉体塗料粒子表面にメタリック顔料を吸着させ得るメタリック粉体塗料の製造方法であって、メタリック感に優れた塗膜を形成することができ、静電塗装時に粉体塗料とメタリック顔料とが別個に挙動することがないので仕上がりに一定性のある塗膜を形成することができ、塗着しなかった粉体塗料を回収した回収塗料でも新しいものと同一の仕上がりを達成することができるメタリック粉体塗料の製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、真溶媒中に粉体塗料が溶解しており且つメタリック顔料が分散している液と、非溶媒又は貧溶媒中に粉体塗料が分散している液とを攪拌状態で混合して転相乳化させことを利用することにより、粉体塗料粒子表面にメタリック顔料が吸着されているメタリック粉体塗料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明のメタリック粉体塗料の製造方法は、
(1)粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)の両方の主成分樹脂を溶解し得る有機溶媒(A)中に粉体塗料(a)を入れてその少なくとも主成分樹脂を溶解させ且つメタリック顔料を分散させる工程、
(2)粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)の両方の主成分樹脂に対して非溶媒であるか又は貧溶媒であり且つ有機溶媒(A)とは任意の比率で均一に溶解し得る有機溶媒(B)中に粉体塗料(b)を分散させる工程、
(3)上記(1)の工程で得られた粉体塗料(a)の少なくとも主成分樹脂が溶解しており且つメタリック顔料が分散している液と、上記(2)の工程で得られた粉体塗料(b)が分散している液とを攪拌状態で混合し、その溶解している粉体塗料(a)の少なくとも主成分樹脂を転相乳化させてメタリック顏料の各々の粒子の表面にコーティング層を形成させ且つ粉体塗料(b)の各々の粒子の表面に絡ませて、微粒子分散液を形成させる工程、及び
(4)上記(3)の工程で得られた微粒子分散液から微粒子を分離し、乾燥させる工程、
を含むことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法においては、粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)として、従来から通常に製造されている粉体塗料を用いることができる。粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)はそれぞれ塗膜形成主要素である合成樹脂と、必要に応じて配合される塗膜形成副要素及び/又は顔料とをヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合し、エクストルーダーや熱ロール等の混練機により溶融練合し、冷却し、その後、粉砕することによりペレット化し、該ペレットをハンマーミル、ジェットミル等の粉砕機によって微粉砕した後、分級して製造される。
【0009】
塗膜形成主要素である合成樹脂としては、従来から粉体塗料の製造に用いられている樹脂を特に制限なく用いることができる。そのような合成樹脂の具体例として、アルキド樹脂、ポリエステル−ウレタン硬化系樹脂、ポリエステル−エポキシ硬化系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−ポリエステル系樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、BAS樹脂、ノボラック樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ケトン樹脂等を挙げることができる。塗膜を形成する時の焼付硬化条件で溶融するか又は軟化して塗膜を容易に形成できるように、それらの樹脂の軟化温度は、好ましくは5℃〜300℃程度、より好ましくは50℃〜200℃程度である。
【0010】
塗膜形成主要素である合成樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、上記で例示した樹脂(主剤)に対する硬化剤を併用することができる。そのような硬化剤として、例えば、アミド化合物、酸無水物、二塩基酸、グリシジル化合物、アミノプラスト樹脂、ブロックイソシアネート等を挙げることができ、代表的な硬化剤として、ジシアンジアミド、酸ヒドラジド、トリグリシジルイソシアヌレート、イソホロンジイソシアネートブロック体等を挙げることができる。例えば、二塩基酸として、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,20−エイコサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フタル酸、シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸等を挙げることができる。
【0011】
本発明の製造方法においては、上記の粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)は、塗膜形成副要素及び/又は顔料を含有することができ、塗膜形成副要素として、通常の塗料用添加剤である可塑剤、硬化促進剤、架橋促進触媒、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、流動性調整剤、垂れ防止剤、消泡剤等を用いることができる。
【0012】
また、顔料として、着色顔料や防錆顔料、その他の機能を与えるための顔料を用いることができる。着色顔料として、黄色酸化鉄、チタン黄、ベンガラ、酸化チタン、亜鉛華、リトポン、鉛白、硫化亜鉛、酸化アンチモン等の無機系顔料や、ハンザイエロー5G、パーマネントエローFGL、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、パーマネントレッドF5RK、ブリリアントファーストスカーレットG、パリオゲンレッド3910等の有機顔料等を用いることができる。
【0013】
これら着色顔料の添加量は、通常は、PWCで0.5〜60質量%程度であるが、クリヤー塗料の様に全く添加しない場合もある。ここで、PWCとは顔料質量濃度(Pigment Weight Concentration)のことであり、下記の式により算出される。
PWC=[(含有顔料質量%)/(全塗料固形分質量%)]×100
これらの顔料の添加量が過多の場合には、特に吸油量の高い顔料を用いる場合には、そのような塗料を用いて塗膜を形成すると、塗膜の平滑性が損なわれる傾向がある。
【0014】
その他に、塗膜の光沢値を調節したり、塗膜の堅さを調節したりする目的で体質顔料を用いることもできる。体質顔料として、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、シリカ粉、微粉珪酸、珪藻土、タルク、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナホワイト等を添加することができる。また、ツヤ調整の方法としてツヤ消し用顔料を加えることも可能であり、塗料に通常使用されているコロイダルシリカ、アルミナ、タルク等を使用することができる。
【0015】
本発明の製造方法で用いる粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)は、上記の諸原料を用いて周知の粉体塗料製造技術により製造することが出来る。例えば、上記の諸原料をドライ状態で混合した後、適当な押出混練機(1軸、2軸または多軸の任意の押出混練機)を用いて配合樹脂の軟化点付近の温度で混練を行い、出来た溶融混練物を冷却加工してシート状のペレットにし、その後ピンミル等の剪断衝突型機械粉砕器や、クロスジェットミル等の衝突型空気粉砕器を用いて粉砕を行う。次いで、その粉砕物を振動フルイ等の機械分級機や空気分級機を用いて所望の粒度分布に調整する。
【0016】
本発明の製造方法で用いる粉体塗料(a)と粉体塗料(b)とは同一であっても異なるものであっても良いが、同一であるか、塗膜形成主要素である合成樹脂が同一であるか、又は塗膜外観及び帯電性の点で近似したものであることが好ましい。
【0017】
本発明の製造方法で用いるメタリック顔料として、光輝顔料及び鱗片状顔料、例えば、通常のアルミニウム顔料、マイカ顔料、ブロンズ粉、銅粉、ステンレス粉や、金属コーティングした硝子粉、金属コーティングしたマイカ粉、金属コーティングしたプラスチック粉等を挙げることができる。
【0018】
本発明の製造方法で用いる有機溶媒(A)は、粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)の両方の主成分樹脂を溶解し得る有機溶媒であり、有機溶媒(A)として樹脂等を溶解する通常の有機溶媒を使用することができ、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系有機溶媒、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類等を好適に使用することができる。
【0019】
有機溶媒(A)と粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)との関係については、粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)をそれぞれ有機溶媒(A)に完全に溶解するものであっても、それらの主成分樹脂が有機溶媒(A)に溶解し得るが残りの成分、例えば、特定の無機顔料や特定の硬化剤( 例えば、ドデカン2 カルボン酸) が有機溶媒(A)に溶解し得ないものであってもよい。
【0020】
本発明の製造方法で用いる有機溶媒(B)は、粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)の両方の主成分樹脂に対して非溶媒であるか又は貧溶媒であり且つ有機溶媒(A)とは任意の比率で均一に溶解し得る有機溶媒である。本発明において、有機溶媒(B)が粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)の両方の主成分樹脂に対して貧溶媒であるとは、有機溶媒(B)中での粉体塗料(a)又は粉体塗料(b)の主成分樹脂の溶解度が10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下であることを意味する。本発明において有機溶媒(B)として貧溶媒を用いる場合には、有機溶媒(B)中に前もって粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)又はそれらの主成分樹脂を溶解させておくことが好ましい。本発明で用いる有機溶媒(B)として、n−ヘキサン、 iso−ヘキサン、ターペン等のパラフィン系、イソパラフィン系有機溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系有機溶媒等を挙げることができる。
【0021】
炭素数12以下の炭化水素系溶媒やアルコール類は使用が容易であるので、有機溶媒(B)として特に好ましい。
また、形成する粉体塗料粒子の強度や硬さを高めるためには、有機溶媒(B)の分子量が小さいことが好ましい。
【0022】
その理由は次の通りである。粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)の両方の主成分樹脂を溶解し得る有機溶媒(A)中に粉体塗料(a)の少なくとも主成分樹脂が溶解しており且つメタリック顔料が分散している液と、粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)の両方の主成分樹脂に対して非溶媒であるか又は貧溶媒であり且つ有機溶媒(A)とは任意の比率で均一に溶解し得る有機溶媒(B)中に粉体塗料(b)が分散している液とを攪拌状態で混合し、その溶解している粉体塗料(a)の少なくとも主成分樹脂を転相乳化させてメタリック顏料の各々の粒子の表面にコーティング層を形成させ且つ粉体塗料(b)の各々の粒子の表面に絡ませて、微粒子分散液を形成させ、その微粒子分散液から微粒子を分離する場合に、分子量の大きい有機溶媒(B)を用いると、分子量の大きい有機溶媒(B)が逆に粉体塗料粒子表面に付着又は吸着し、この有機溶媒(B)が粉体塗料粒子を膨張させた様な状態となり、その結果として粉体塗料粒子表面の強度や硬さが不十分な状態になる傾向があり、また粘着性を完全に除去出来ない場合がある。
【0023】
一方、分子量の小さい有機溶媒(B)を用いると、その生成微粒子分散液から微粒子を分離する場合に、表面に付着又は吸着している溶媒は早く蒸発する。特に、減圧乾燥する場合には乾燥処理が実施しやすい。このため、有機溶媒(B)として分子量の大きい溶媒を使用して粉体塗料粒子を形成する場合であっても、最後の抽出操作には分子量の小さい有機溶媒(B)で抽出することが特に好ましい。
【0024】
実際に用いる有機溶媒(A)及び有機溶媒(B)としては、相転換法において有機溶媒(A)が有機溶媒(B)中に容易に移行でき且つ有機溶媒(A)と有機溶媒(B)とを精製分離するための蒸発分離操作が容易となる有機溶媒(A)と有機溶媒(B)との組み合わせが好ましい。
【0025】
実用的には、有機溶媒(B)としてn−ヘキサンを使用する場合には、有機溶媒(A)としてn−ヘキサンの沸点との差が大きい沸点を有するキシレンや酢酸ブチルエステル等を使用することが精製精度の点で好ましい。有機溶媒(A)としてアセトン等の様にn−ヘキサンの沸点に近い沸点を有する有機溶媒を使用する場合には、精製精度を高くするためには、かなり精度の高い温度管理が求められるので好ましくない。
【0026】
本発明の製造方法においては、有機溶媒(A)中に粉体塗料(a)を入れてその少なくとも主成分樹脂を溶解させ且つメタリック顔料を分散させる工程で、粉体塗料(a)をメタリック顔料100質量部当たり好ましくは5〜300質量部、より好ましくは15〜100質量部となる量で溶解させる。
【0027】
また、本発明の製造方法において、溶解している粉体塗料(a)の少なくとも主成分樹脂を転相乳化させる際に、メタリック顔料の量が粉体塗料(a)と粉体塗料(b)との合計量100質量部当たり好ましくは0.05〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部となるように調製する。更に、有機溶媒(B)の量が有機溶媒(A)の量の好ましくは5倍以上、より好ましくは5〜30倍となるように混合する
【0028】
生成した粉体塗料粒子を濾過等の分離操作によって集め、必要ならば、再度有機溶媒(B)で抽出処理して残留有機溶媒(A)を粉体塗料粒子中から除去し、濾過等によって集める。更に、濾過等により集めた粉体塗料粒子の表面に付着あるいは吸着している有機溶媒(A)、有機溶媒(B)を真空乾燥する方法、流動層で気流乾燥する方法、更には、防爆型乾燥炉で乾燥する方法等により完全に除去する。乾燥した粉体塗料粒子はそのままで、あるいは粉体塗料粒子の表面の帯電性を改質したり、流動性を改良したりするために添加剤を加えたり、後加工したりして粉体塗料とする。
【0029】
なお、粉体塗料粒子を除去した後に残る有機溶媒(A)と有機溶媒(B)との混合溶媒や、粉体塗料粒子の乾燥時に回収した混合溶媒は、通常の蒸留分離装置により成分毎の単体に分離するか、あるいは蒸発留分に、即ち、有機溶媒(A)と有機溶媒(B)とに分留して再生する。
【0030】
分離後の有機溶媒(A)及び有機溶媒(B)はそれぞれ次の操作に繰り返し使用する。この繰り返し操作を継続すると、蒸留分離装置の残留物として低分子量の樹脂成分や塗料化のために添加した各種添加剤、粒径が小さく且つ粉体塗料粒子表面に配向せず濾過装置を通過してしまった一部のメタリック顔料がその主成分として残る。この蒸留残留物は塗料成分として有効であるので有機溶媒(A)中に粉体塗料(a)及びメタリック顔料と共に添加し、不足している成分を補うことにより粉体塗料(a)の有効成分として有効に再利用できる。
【0031】
本発明の製造方法によって製造されるメタリック粉体塗料は、従来の製造方法である(イ)粉体塗料の製造時にメタリック顔料を他の顔料や他の原料と共に混合し、溶融練合を行って製造する方法によって得られたメタリック粉体塗料と比較して、(イ)の方法の場合のように溶融練合することがないので、メタリック顔料粒子が破壊されることがなく、それで形成される塗膜のメタリック感が損なわれることがない。また、従来の製造方法である(ロ)粉体塗料にメタリック顔料をドライブレンドして製造する方法によって得られるメタリック粉体塗料と比較して、粉体塗料とメタリック顔料とが一体になっているので、粉体塗料とメタリック顔料との帯電性や粒径の違いに起因して静電塗装する際に帯電する静電量がそれぞれ異なることがなく、そのため形成される塗膜中の粉体塗料とメタリック顔料との比率が変化することがなく、仕上がりに一定性があるだけでなく、塗着しなかった粉体塗料を回収した回収塗料においても、粉体塗料とメタリック顔料との混合比率が変わることがないので、いわゆる回収粉を用いても新粉と同一の仕上がりが可能となる。
【0032】
本発明の製造方法によって製造されるメタリック粉体塗料は、その各々の粒子の粒径が5〜50μm程度であり、溶融練合法と粉砕分級法との組合せによって製造した粉体塗料に比べて粒度分布は狭く、加熱による架橋が無く、樹脂の高分子化も無く、また球に近い形状の塗料樹脂粒子からなり、また粉体塗料としての流動性が大きく、樹脂粒子の帯電性も均一であるため塗装し易く、塗着効率も高く、平滑性、鮮映性に優れた塗膜を形成することが出来る。
【0033】
本発明の製造方法によって製造されるメタリック粉体塗料は、粉砕工程が不要であり、球形のため癒着しにくいので軟らかい樹脂組成を使用することが可能となり、更に製造工程において溶融が不溶のため硬い樹脂組成も使用可能であり、幅広い塗料設計が可能となる。
【0034】
【実施例】
以下に、本発明について、実施例及び比較例により更に詳細に説明する。尚、実施例、比較例中の「部」及び「%」は質量基準で示した値である。
【0035】
実施例1
GMAアクリル樹脂(三井化学社製:アルマテックスPD3402)70部、1, 10−デカンジカルボン酸21部、表面調整剤(楠本化成社製:ディスパロンPL545)1.0部及びベンゾイン0.5部を混合し、その混合物を120℃で溶融混練し、冷却してペレットを得た。その後そのペレットを粉砕し、分級することにより粉体塗料を得た。以下、この粉体塗料を「粉体塗料(a)」とする。
【0036】
粉体塗料(a)30部に対して、n−ヘキサン111部を添加し、攪拌して分散液を得た。以下この分散液を「分散液(1)」とする。
粉体塗料(a)3.3部に対して、キシレン21.4部及びアルミパウダー(東洋アルミニウム社製:PD7620)3.3部を添加し、攪拌してアルミパウダーの分散した粉体塗料(a)溶液を得た。以下このアルミパウダーの分散した粉体塗料(a)溶液を「分散溶液(2)」とする。
【0037】
容器中で分散液(1)を強く攪拌しながらその中に分散溶液(2)を徐々に滴下し、分散溶液(2)中に溶解している粉体塗料(a)の主成分樹脂を転相乳化させてアルミパウダーの各々の粒子の表面にコーティング層を形成させ且つそのコーティング層を有するアルミパウダーの各々の粒子を分散液(1)中に存在していた粉体塗料(a)の各々の粒子の表面に絡ませて、微粒子分散液を形成させた。この容器から混合溶媒を除去し、次いでn−ヘキサン100部を加えて攪拌し、その後静置して粉体塗料粒子を沈殿させ、混合溶媒を除去した。最後に100部のn−ヘキサンを加え、粉体塗料粒子と共に濾過装置に移し、余分の溶媒を除去し、濾過網の上で乾燥させて粉体塗料を得た。
【0038】
この粉体塗料をリン酸亜鉛処理した鋼板に膜厚60μmになるようにそれぞれ−40KV、−60KV、−80KVで静電塗装し、150℃で20分間焼付硬化させて塗膜を形成した。形成された塗膜はいずれも平滑で均一なシルバーメタリック仕上がりをした塗膜であった。
【0039】
比較例1
粉体塗料(a)33.3部に対して、アルミパウダー(東洋アルミニウム社製:PD7620)3.3部を添加し、混合して粉体塗料を得た。
この粉体塗料をリン酸亜鉛処理した鋼板に膜厚60μmになるようにそれぞれ−40KV、−60KV、−80KVで静電塗装し、150℃で20分間焼付硬化させて塗膜を形成した。形成された塗膜については、−80KVで静電塗装した場合の塗膜は比較的良好であったが、それぞれ−40KV及び−60KVで塗装した場合の塗膜は全体的に光沢がなく、表面の平滑性にも乏しかった。
【0040】
比較例2
GMAアクリル樹脂(三井化学社製:アルマテックスPD3402)25.2部、1, 10−デカンジカルボン酸7.56部、表面調整剤(楠本化成社製:ディスパロンPL545)0.36部、ベンゾイン0.18部及びアルミパウダー(東洋アルミニウム社製:PD7620)3.3部を混合し、120℃で溶融混練し、冷却してペレットを得た。その後そのペレットを粉砕し、分級することにより粉体塗料を得た。
【0041】
この粉体塗料をリン酸亜鉛処理した鋼板に膜厚60μmになるようにそれぞれ−40KV、−60KV、−80KVで静電塗装し、150℃で20分間焼付硬化させて塗膜を形成した。形成された塗膜はいずれもメタリック感に非常に乏しく、グレー色の塗膜になった。
【0042】
実施例2
水酸基末端熱硬化性ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製:GV−100、水酸基価40)74.7部、イソシアネート化合物(ヒュルス社製:B−1530、NCO(%)14.8)15.3部、表面調整剤(楠本化成社製:ディスパロンPL545)1.0部、ベンゾイン1.0部及び硬化触媒TK−1(武田薬品社製)0.5部を混合し、その混合物を120℃で溶融混練し、冷却してペレットを得た。その後そのペレットを粉砕し、分級することにより粉体塗料を得た。以下、この粉体塗料を「粉体塗料(b)」とする。
【0043】
粉体塗料(b)30部に対して、n−ヘキサン111部を添加し、攪拌して分散液を得た。以下この分散液を「分散液(3)」とする。
粉体塗料(b)3.3部に対して、キシレン10.7部、酢酸ブチル10.7部及びアルミパウダー(東洋アルミニウム社製:PD7620)3.3部を添加し、攪拌してアルミパウダーの分散した粉体塗料(b)溶液を得た。以下このアルミパウダーの分散した粉体塗料(b)溶液を「分散溶液(4)」とする。
【0044】
容器中で分散液(3)を強く攪拌しながらその中に分散溶液(4)を徐々に滴下し、分散溶液(4)中に溶解している粉体塗料(b)の主成分樹脂を転相乳化させてアルミパウダーの各々の粒子の表面にコーティング層を形成させ且つそのコーティング層を有するアルミパウダーの各々の粒子を分散液(3)中に存在していた粉体塗料(b)の各々の粒子の表面に絡ませて、微粒子分散液を形成させた。この容器から混合溶媒を除去し、次いでn−ヘキサン100部を加えて攪拌し、その後静置して粉体塗料粒子を沈殿させ、混合溶媒を除去した。最後に100部のn−ヘキサンを加え、粉体塗料粒子と共に濾過装置に移し、余分の溶媒を除去し、濾過網の上で乾燥させて粉体塗料を得た。
【0045】
この粉体塗料をリン酸亜鉛処理した鋼板に膜厚60μmになるようにそれぞれ−40KV、−60KV、−80KVで静電塗装し、180℃で20分間焼付硬化させて塗膜を形成した。形成された塗膜はいずれも平滑で均一なシルバーメタリック仕上がりをした塗膜であった。
【0046】
比較例3
粉体塗料(b)33.3部に対して、アルミパウダー(東洋アルミニウム社製:PD7620)3.3部を添加し、混合して粉体塗料を得た。
この粉体塗料をリン酸亜鉛処理した鋼板に膜厚60μmになるようにそれぞれ−40KV、−60KV、−80KVで静電塗装し、180℃で20分間焼付硬化させて塗膜を形成した。形成された塗膜については、−80KVで静電塗装した場合の塗膜は良好であったが、それぞれ−40KV及び−60KVで塗装した場合の塗膜は全体的に光沢がなく、表面の平滑性にも乏しかった。
【0047】
比較例4
水酸基末端熱硬化性ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製:GV−100、水酸基価40)26.892部、イソシアネート化合物(ヒュルス社製:B−1530、NCO(%)14.8)5.508部、表面調整剤(楠本化成社製:ディスパロンPL545)0.36部、ベンゾイン0.36部、硬化触媒TK−1(武田薬品社製)0.18部及びアルミパウダー(東洋アルミニウム社製:PD7620)3.3部を混合し、その混合物を120℃で溶融混練し、冷却してペレットを得た。その後、そのペレットを粉砕し、分級することにより粉体塗料を得た。
【0048】
この粉体塗料をリン酸亜鉛処理した鋼板に膜厚60μmになるようにそれぞれ−40KV、−60KV、−80KVで静電塗装し、180℃で20分間焼付硬化させて塗膜を形成した。形成された塗膜はいずれもメタリック感に非常に乏しく、グレー色の塗膜になった。
【0049】
【発明の効果】
本発明の製造方法によって製造されるメタリック粉体塗料は、溶融練合法と粉砕分級法との組合せによって製造した粉体塗料に比べて粒度分布は狭く、加熱による架橋が無く、樹脂の高分子化も無く、また球に近い形状の塗料樹脂粒子からなり、また粉体塗料としての流動性が大きく、樹脂粒子の帯電性も均一であるため塗装し易く、塗着効率も高く、平滑性、鮮映性に優れた塗膜を形成することが出来る。
【0050】
本発明の製造方法によって製造されるメタリック粉体塗料は、粉砕工程が不要であり、球形のため癒着しにくいので軟らかい樹脂組成を使用することが可能となり、更に製造工程において溶融が不溶のため硬い樹脂組成も使用可能であり、幅広い塗料設計が可能となる。

Claims (6)

  1. (1)粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)の両方の主成分樹脂を溶解し得る有機溶媒(A)中に粉体塗料(a)を入れてその少なくとも主成分樹脂を溶解させ且つメタリック顔料を分散させる工程、
    (2)粉体塗料(a)及び粉体塗料(b)の両方の主成分樹脂に対して非溶媒であるか又は貧溶媒であり且つ有機溶媒(A)とは任意の比率で均一に溶解し得る有機溶媒(B)中に粉体塗料(b)を分散させる工程、
    (3)上記(1)の工程で得られた粉体塗料(a)の少なくとも主成分樹脂が溶解しており且つメタリック顔料が分散している液と、上記(2)の工程で得られた粉体塗料(b)が分散している液とを攪拌状態で混合し、その溶解している粉体塗料(a)の少なくとも主成分樹脂を転相乳化させてメタリック顏料の各々の粒子の表面にコーティング層を形成させ且つ粉体塗料(b)の各々の粒子の表面に絡ませて、微粒子分散液を形成させる工程、及び
    (4)上記(3)の工程で得られた微粒子分散液から微粒子を分離し、乾燥させる工程、
    を含むことを特徴とするメタリック粉体塗料の製造方法。
  2. 粉体塗料(a)と粉体塗料(b)とは同一であるか、塗膜形成主要素である合成樹脂が同一であるか、又は塗膜外観及び帯電性の点で近似したものである請求項1記載のメタリック粉体塗料の製造方法。
  3. メタリック顔料が光輝顔料及び鱗片状顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種の顔料である請求項1又は2記載のメタリック粉体塗料の製造方法。
  4. 上記(1)の工程で、粉体塗料(a)をメタリック顔料100質量部当たり5〜300質量部となる量で溶解させる請求項1、2又は3記載のメタリック粉体塗料の製造方法。
  5. メタリック顔料の量が粉体塗料(a)と粉体塗料(b)との合計量100質量部当たり0.05〜30質量部となるように調製する請求項1〜4の何れかに記載のメタリック粉体塗料の製造方法。
  6. 上記(3)の工程で、有機溶媒(B)の量が有機溶媒(A)の量の5〜30倍となるように混合する請求項1〜5の何れかに記載のメタリック粉体塗料の製造方法。
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JP2007084709A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd 粉体塗料及びその製造方法
CN108025329A (zh) * 2015-09-07 2018-05-11 旭硝子株式会社 涂装物品的制造方法

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