JP2004123400A - 光ファイバ母材の調製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者のスキルや偶然による延伸のばらつきを防ぎ、ばらつきがある各種外径、形状の光ファイバ母材を所定の外径に精度良く延伸し、外径不良部(耳ロス)の生成を少なくする光ファイバ母材の調製方法を提供する。
【解決手段】予めレーザー外形測定器を用いて測定した元母材3の形状に基づき延伸開始時の加熱位置13aを設定し、延伸を開始する。延伸開始時の加熱位置13aと元母材肩部12aとの距離Xを定常延伸時の母材肩部12bと定常延伸時の加熱位置13bの距離Yと同じか、又は元母材径をDとすると0〜Dの範囲の距離だけ元母材側に延伸開始時の加熱位置をずらす。
【選択図】 図1
【解決手段】予めレーザー外形測定器を用いて測定した元母材3の形状に基づき延伸開始時の加熱位置13aを設定し、延伸を開始する。延伸開始時の加熱位置13aと元母材肩部12aとの距離Xを定常延伸時の母材肩部12bと定常延伸時の加熱位置13bの距離Yと同じか、又は元母材径をDとすると0〜Dの範囲の距離だけ元母材側に延伸開始時の加熱位置をずらす。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ用ガラス母材の延伸による調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なシングルモードファイバの製法としてOVD法やVAD法等で得られたコア部やクラッドの一部を含む多孔質母材は、脱水焼結(ガラス化)等の処理を施されて中間母材とし、残りのクラッド部を合成石英管を用いるか、OVD法でスートを堆積させ、脱水焼結し線引き用の最終母材とするのが一般的である。残りのクラッド部をジャケット法で形成する場合は、ジャケット管の内径に対してできるだけ少ないクリアランスとするために、中間母材を延伸して外径の調整を行う必要がある。またOVD法で残りのクラッドを堆積する場合も、芯になる中間母材を適当な長さと太さに調整するために延伸が行われている。また線引炉に入るように最終母材を延伸することも行われている。
均質で優良な光ファイバを得るためには、これらの延伸工程において精度よく、かつ歩留まりよく光ファイバ母材の外径を調整する必要がある。
【0003】
光ファイバ母材を所定の外径に延伸し、調製する方法としては、バーナ火炎やプラズマ火炎あるいは電気炉を用い加熱溶融して延伸縮径する方法がある。延伸後の光ファイバ母材の外径精度を出すために、図6に示すように、延伸中の外径変化部9b(加熱により粘度が落ちて引き伸ばされているテーパ部分)の外径をレーザー外径測定器7等で測定しチャック1aの引き取りやあるいは母材の送り速度を制御する方法が用いられている。
通常、図6に示すように、延伸前の光ファイバ母材(以下、元母材という)3の両端部に適当な径のガラス支持棒(以下、支持棒という)2a,2bを融着してチャック1a,1b等のガラス旋盤に固定し、元母材3の片端部付近をバーナ火炎5で加熱しながらチャック1aによる引き延ばしを開始する。このチャック1aの引き伸ばし開始を延伸開始とし、延伸開始の瞬間を延伸開始時と呼ぶ。
【0004】
チャック1aによる延伸が開始されると、バーナ火炎5により加熱位置近傍が引き伸ばされて、延伸前の元母材3の外径(以下、元径という)から延伸後母材4の仕上り外径(以下、仕上り径という)に縮径する。
延伸開始から延伸を継続し一定時間経過すると、図1に示されるように延伸前の外径変化部9aが、形状の安定した定常延伸状態の外径変化部9bに変形して行く。しかし、その過渡状態においては、外径変化部9aの外径と長さが経時的に変化するために、定常延伸状態での外径変化部9bの外径に基づいた延伸制御は困難であり、そのため別途立ち上げ工程が設けられているのが一般的である。立ち上げ工程では延伸前の外径変化部9aの形状を作業者が目視で観察し、過去の経験から最適であろうと思われる製造条件を判断し手動操作で製造していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の延伸方法による延伸前の元母材と延伸後の母材の概略形状をそれぞれ図7(a)、(b)に示す。
立ち上げ工程で作業者の目視や経験に頼って立ち上げ工程を行うため、作業者のスキルや偶然によって大きく製造条件がばらついてしまう。また、元母材3の外径や、端部に融着された支持棒2aの融着部11の形状や、延伸前の外径変化部の形状9aは各母材ごとにばらつきを持っている。これらのばらつきの影響で、立ち上げ工程において仕上り径が安定せず、ハンチングを起こして目標としている径に収束するまでに長い時間がかかったり、滑らかに変化しても目標径に収束するまでに長い時間を必要としてしまう。その間延伸は進行しているので延伸後母材の端部に図7(b)に示すような長い外径不良部(以下、耳ロスという)10が生じてしまっていた。
そこで本発明は、作業者のスキルや偶然による延伸のばらつきを防ぎ、ばらつきがある各種外径、形状の光ファイバ母材を所定の外径に精度良く延伸し、外径不良部(耳ロス)の生成を少なくする光ファイバ母材の調製方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
光ファイバ母材の火炎延伸開始時の立ち上げ工程においては、延伸開始時にバーナ火炎が元母材の何処を加熱しているかが重要であり、これを延伸開始時の加熱位置と呼ぶ。延伸開始時の加熱位置が適切であれば、延伸開始から滑らかに外径が変化し、耳ロスが少なく、かつ仕上り径もハンチングが少なく高精度に延伸ができることを発明者等はつきとめた。そこで、この知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)予め測定した元母材の形状に基づき延伸開始時の加熱位置を設定し、延伸を開始することを特徴とする光ファイバ母材の調製方法、
(2)前記延伸開始時において加熱位置付近の元母材形状を延伸開始前に定常延伸時の外径変化部形状と同様の形状に形成しておき、延伸を開始することを特徴とする(1)に記載の光ファイバ母材の調製方法、
(3)前記延伸前の元母材の形状測定に外径測定器を用いることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光ファイバ母材の調製方法、
(4)延伸前の元母材肩部の位置を基準とした延伸開始時の加熱位置を、定常延伸時の母材肩部の位置を基準とした定常延伸時の加熱位置と同じか、又は元母材径をDとすると0〜Dの範囲の距離だけ元母材側に延伸開始時の加熱位置をずらすことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の調製方法、
(5)光ファイバ母材径のテーパ部先端と支持棒の融着部外径を仕上り外径より大きな径にしておき、延伸を行うことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の調製方法、及び、
(6)初期の延伸仕上り径が目標の仕上り径より大きな径で延伸を行うことを特徴とする(5)に記載の光ファイバ母材の調製方法、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の光ファイバ母材の調製方法について図面を参照してさらに詳細に説明する。尚、各図において同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1(a)に延伸開始時の、及び同(b)に定常延伸時のファイバ母材の形状とバーナの位置関係を示す。図1(a)において、13aが延伸開始時の加熱位置である。
適切な延伸開始時の加熱位置13aを決定する方法は、元母材3とそれに融着された支持棒2aの形状に基づいて判断して適切な延伸開始時の加熱位置13aを決定する。
【0009】
本発明では、予め元母材とそれに融着された支持棒の形状は、例えばレーザー外径測定器を用いて測定されている。
各種の光ファイバ母材において、元母材3の延伸前の外径変化部9aと定常延伸時の外径変化部9bはある程度近い形状をしているが、まったく同じ形状ではない。立ち上げ工程は延伸前の外径変化部9aの形状から定常延伸時の外径変化部9bの形状を作る工程といえる。本発明では、延伸前の外径変化部9aの途中で元径の1%外径が細い場所から元径の50%外径が細い場所までのある一つの場所を延伸前の元母材の肩部12aと定義すると、再現性よく肩部を検出することができる。定常延伸時の母材肩部も同様の方法で定義する。
【0010】
このように定義した延伸前の元母材肩部12aを基準として延伸開始時の加熱位置13aを規定することで、外径変化部9aや融着部11に対して再現性良く延伸開始時の加熱位置13aを決定することができる。そして、延伸開始時の加熱位置13aと元母材肩部12aとの距離Xを定常延伸時の母材肩部12bと定常延伸時の加熱位置13bの距離Yと同じか、又は元母材径をDとすると0〜Dの範囲の距離(例:元母材径がφ40mmなら0から40mmの距離)だけ元母材側に延伸開始時の加熱位置をずらしたものとする。また、延伸開始時の加熱位置13aは延伸速度が速いほど大きく元母材側にずらす必要がある。
延伸前の元母材肩部12aは、外径変化部9a内であっても各種の母材間で比較的ばらつきの少ない安定した場所にあるため、延伸前の外径変化部9aの形状がばらついても再現性がよく、延伸開始時の加熱位置13aの基準とすることができる。
【0011】
このように決定した延伸開始時の加熱位置13aにバーナを移動させる方法のひとつとして以下の方法がある。図3(a)、(b)に示すように外径測定器とバーナを同じ移動台に乗せて外径測定器7とバーナ6との距離Xを予め設定しておく。この移動台を融着部11近傍から元母材方向に外径を測定しながら移動させて、外径測定器の計測値が予め決めておいた延伸前の元母材肩部の径に達したところを延伸前の元母材肩部12aとして検出し、その時のバーナの位置を延伸開始時の加熱位置13aに決定するものである。外径測定器7とバーナ6との距離Xをあらかじめ設定しておくことで、延伸前の元母材肩部を基準とした任意の位置に延伸開始時の加熱位置13aを設定することが可能となる。適切なXの値は、定常延伸時の母材肩部の位置12bと定常延伸時の加熱位置13bとの距離Yと同じか、又は元母材径をDとすると0〜Dの範囲の距離(例:元母材径がφ40mmなら40mmの長さ)だけ元母材側に延伸開始時の加熱位置をずらしたした範囲に設定するのが良い。
これは延伸開始時と定常延伸時それぞれの外径変化部形状と加熱位置の相対的な位置関係をなるべく同じにすることでスムーズに延伸開始時から定常延伸時へ移行して行くからである。
【0012】
また、延伸開始時の加熱位置13aを元母材側にずらした設定の場合は、図2に示すように初期の延伸仕上り径φeが仕上り径φdに比べて少し太くなる場合があるが、太い径からより細い目標仕上り径に収束する際はハンチングが起こりにくく、逆に細い径からより太い仕上り径へ制御をもちいて収束させようとすると非常に仕上り径がハンチングしやすく耳ロスが大きくなりやすい。同様の理由で、支持棒2の支持棒径φcは仕上り径φdよりも0〜50%外径が大きなものを用いることで延伸初期の外径を太くすることができ、ハンチングしにくく耳ロスを少なくすることができる。
【0013】
延伸開始時の加熱位置を定常延伸時のバーナ位置とどれだけずらすかは延伸速度、母材粘度、加熱温度、加熱範囲等の条件によって異なる。実際の元母材径や支持棒との融着部11の周囲の形状にはばらつきが大きく、延伸初期に太くなったり細くなったりする。したがって、予め最終的な仕上り径より若干太い径で延伸を始めたほうが、元母材形状のばらつきがあってもハンチングし難く安定して少ない耳ロスでの延伸ができる。
また、予め延伸開始時の加熱位置付近の形状を定常延伸時のバーナ位置付近の形状に近くなるように加工しておくことで、より耳ロスが小さく延伸を開始することができる。加工方法としては、例えば、バーナ火炎で加熱しカーボン治具を用いて変形させる方法がある。チャック1aの引き取り開始から急激に引き取り速度が増加すると、元母材の形状が急激に変化し、ハンチングし易くなる。そのため、引き取り開始直後は徐々にチャックスピードを上げて行き設定速度まで加速する工程を設けて耳ロスを少なくする。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例により順をおって更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
元径φ40mm、長さ500mmの延伸前の光ファイバ母材(元母材)を、加熱源には石英バーナによる酸水素火炎を用いて、目標仕上り径φ20mmに延伸した。またバーナ速度(図5に示すVB1)は30mm/分を用いた。図3、図4に沿って、工程順に調製方法を説明して行く。
【0015】
図3(a)のように元母材3の両端に支持棒2a、2bを溶接し、二つのチャック1a、1b間にセットする。その際、延伸前の外径変化部9aは定常延伸時の外径変化部9bと同様の形状になるように予め整形しておいてもよい。この際、支持棒の太さは仕上り径より大きなφ25mmの石英棒を用いることで仕上り径を目標よりやや太い径から目標仕上り径に滑らかに収束させることができるようにした。
最初に、図3(a)のように、移動台8に乗った外径測定器7を移動させて、元母材3、外径変化部9a、融着部11、の形状と位置を制御装置に自動で記録する。これらの情報を、バーナー速度VB1、VB2値、延伸前の元母材肩部径の値を決定する際のデータとして利用し、制御装置が自動的にこれらの製造条件を決定する。
外径測定器7はバーナ6と同じ移動台8の上に乗っており同時に移動するが、バーナと外径測定器は任意の長手方向の位置に設定でき、かつ延伸中にも遠隔操作で変化させることができる。
【0016】
次に、バーナ位置を図3(b)に示すように延伸を開始する側の支持棒2aと元母材3との境目の融着部11の真下に移動した後、バーナ6と外径測定器7は図3(b)に示すようにXだけ離れた状態で図5に示す速度VB1で元母材側に移動を開始し、同時にバーナ火炎も種火状態から定常延伸時のガス流量で燃焼を開始し、ファイバ母材の外径変化部9aを予熱しながら移動する。
【0017】
外径測定器7がバーナ6と一体で移動し、外径変化部9の外径を測定しながらバーナも移動して行き、図3(c)で示すように、外径測定器7の計測値があらかじめ設定しておいた元母材肩部径になっている場所、すなわち延伸前の元母材肩部12aにまで達したらチャック1aで引き取りを開始する。元径φ40mmの場合は、φ38mmの位置を母材肩部と設定した。この延伸開始時の加熱位置13aの基準となる元母材肩部は、外径変化部でも母材間で比較的ばらつきの少ない安定した場所にあるため延伸前の外径変化部がばらついても再現性よく延伸開始時の加熱位置の基準とすることができる。
図3(c)の元母材肩部12aの位置に外径測定器7があるときのバーナの位置が延伸開始時の加熱位置13aである。この位置はあらかじめ同様の元母材を用いて定常延伸時の母材肩部の位置12bとバーナの位置13bの距離Yを測定しておき、その値を延伸開始時の加熱位置12aと外径測定器の距離Xに設定する。これにより延伸前の外径変化部9aと加熱位置の相対的な位置関係は、定常延伸時とほぼ同じ位置関係で延伸を始めることができるため、延伸による耳ロスを少なくすることができる。
【0018】
チャック1aが引き取りを開始した後のチャックの移動速度は、図5に示すように徐々に加速して行き最後にVC1に達する。チャック1aを滑らかに加速させることで外径変化部の急激な変形を防ぐことで、耳ロスを少なく延伸を開始することができる。
また、延伸開始時の加熱位置13aを定常延伸時より元母材径をDとすると0からDの距離(例:元母材径がφ40mmなら40mmの長さ)の範囲でバーナを元母材側にずれた位置に設定することで、延伸開始時の仕上り径を目標仕上り径より太い径で延伸を開始することができ、元母材形状がばらついても安定して耳ロスが少なく延伸することができる。この実施例ではXの値は定常延伸時の値より17mmずらした値を用いた。
【0019】
チャックの引き取りが進んで行くと図4(a)に示すように加熱部が縮径されて外径変化部の形状が定常延伸時の形状に近づいていく、このとき外径測定器はバーナに対して移動し、定常延伸時の外径測定位置まで移動する。
定常延伸時は図4(b)に示すように外径測定器で外径変化部の径を測定しその外径データを用いてチャック速度VC2やバーナ速度VB2を制御し目標仕上り径になるように延伸を進めて行く。
【0020】
このような方法を用いて延伸を行った結果、従来の外径精度が±0.2mmであったところが、外径精度±0.05mm以下、延伸開始から外径が目標の20mm±0.05mmに収束するまでの仕上り母材の不良部長を耳ロスと定義したが、従来方法による耳ロスが200mm〜1500mmであったところが、70mm以下で延伸を行うことができ、光ファイバ母材を良好に調製することができた。
また、形状にばらつきがある元母材20本を同様に延伸し、調製した結果、安定して同様の延伸精度及び耳ロスで光ファイバ母材の調製を行うことができた。
【0021】
同様の方法を用いて元径φ20mm、長さ1000mmの元母材を用いてバーナ速度VB1が25mm/分、目標仕上り径φ10mmで延伸を行った結果、外径精度±0.05mm以下、従来の耳ロスが100mm〜500mmであったところが、耳ロスが50mm以下で延伸を行うことができ、光ファイバ母材を調製することができた。
【0022】
更に、同様の方法を用いて元径φ40mm、長さ500mmの元母材を用いてバーナ速度VB1が5mm/分、目標仕上り径φ10mmで延伸を行った結果、外径精度±0.05mm以下、従来の耳ロスが200mm〜1000mmであったところが、耳ロスが50mm以下で延伸を行うことができ、優れた光ファイバ母材を調製することができた。
【0023】
【発明の効果】
本発明の調製方法では、ばらつきがある各種外径、形状の光ファイバ母材であっても、容易に且つ確実に延伸開始時の加熱位置が設定でき、極めて精度良く所定の外径に延伸することができる。そして、外径不良部分が少なく優れた光ファイバ母材を調製することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、ファイバ母材の形状とバーナ位置との関係を示す概略図であり、(a)は延伸開始時で、(b)は定常延伸時である。
【図2】本発明に係る、バーナ位置を母材側にずらした場合の延伸初期段階の延伸後母材の形状の一例を示す概略図である。
【図3】本発明を適用した場合の、母材延伸工程の延伸開始時までの手順を示す概略図である。
【図4】本発明を適用した場合の、母材延伸工程の延伸開始後から定常延伸時の手順を示す概略図である。
【図5】本発明を適用した場合の、バーナ移動速度とチャック引き取り速度の変化の様子を示す概略図である。
【図6】従来の延伸による光ファイバ母材の調製方法の一例を示す概略図である。
【図7】従来の延伸による調製方法を適用した場合の、延伸前後でのファイバ母材の形状の一例を示す概略図で、(a)は延伸前、(b)は延伸後の例である。
【符号の説明】
1 チャック
2 支持棒
3 元母材
4 延伸後母材
5 バーナ火炎
6 バーナ
7 外径測定器
8 移動台
9a 延伸前の外径変化部
9b 定常延伸時の外径変化部
10 耳ロス部
11 融着部
12a 延伸前の元母材肩部
12b 定常延伸時の母材肩部
13a 延伸開始時の加熱位置
13b 定常延伸時の加熱位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ用ガラス母材の延伸による調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なシングルモードファイバの製法としてOVD法やVAD法等で得られたコア部やクラッドの一部を含む多孔質母材は、脱水焼結(ガラス化)等の処理を施されて中間母材とし、残りのクラッド部を合成石英管を用いるか、OVD法でスートを堆積させ、脱水焼結し線引き用の最終母材とするのが一般的である。残りのクラッド部をジャケット法で形成する場合は、ジャケット管の内径に対してできるだけ少ないクリアランスとするために、中間母材を延伸して外径の調整を行う必要がある。またOVD法で残りのクラッドを堆積する場合も、芯になる中間母材を適当な長さと太さに調整するために延伸が行われている。また線引炉に入るように最終母材を延伸することも行われている。
均質で優良な光ファイバを得るためには、これらの延伸工程において精度よく、かつ歩留まりよく光ファイバ母材の外径を調整する必要がある。
【0003】
光ファイバ母材を所定の外径に延伸し、調製する方法としては、バーナ火炎やプラズマ火炎あるいは電気炉を用い加熱溶融して延伸縮径する方法がある。延伸後の光ファイバ母材の外径精度を出すために、図6に示すように、延伸中の外径変化部9b(加熱により粘度が落ちて引き伸ばされているテーパ部分)の外径をレーザー外径測定器7等で測定しチャック1aの引き取りやあるいは母材の送り速度を制御する方法が用いられている。
通常、図6に示すように、延伸前の光ファイバ母材(以下、元母材という)3の両端部に適当な径のガラス支持棒(以下、支持棒という)2a,2bを融着してチャック1a,1b等のガラス旋盤に固定し、元母材3の片端部付近をバーナ火炎5で加熱しながらチャック1aによる引き延ばしを開始する。このチャック1aの引き伸ばし開始を延伸開始とし、延伸開始の瞬間を延伸開始時と呼ぶ。
【0004】
チャック1aによる延伸が開始されると、バーナ火炎5により加熱位置近傍が引き伸ばされて、延伸前の元母材3の外径(以下、元径という)から延伸後母材4の仕上り外径(以下、仕上り径という)に縮径する。
延伸開始から延伸を継続し一定時間経過すると、図1に示されるように延伸前の外径変化部9aが、形状の安定した定常延伸状態の外径変化部9bに変形して行く。しかし、その過渡状態においては、外径変化部9aの外径と長さが経時的に変化するために、定常延伸状態での外径変化部9bの外径に基づいた延伸制御は困難であり、そのため別途立ち上げ工程が設けられているのが一般的である。立ち上げ工程では延伸前の外径変化部9aの形状を作業者が目視で観察し、過去の経験から最適であろうと思われる製造条件を判断し手動操作で製造していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の延伸方法による延伸前の元母材と延伸後の母材の概略形状をそれぞれ図7(a)、(b)に示す。
立ち上げ工程で作業者の目視や経験に頼って立ち上げ工程を行うため、作業者のスキルや偶然によって大きく製造条件がばらついてしまう。また、元母材3の外径や、端部に融着された支持棒2aの融着部11の形状や、延伸前の外径変化部の形状9aは各母材ごとにばらつきを持っている。これらのばらつきの影響で、立ち上げ工程において仕上り径が安定せず、ハンチングを起こして目標としている径に収束するまでに長い時間がかかったり、滑らかに変化しても目標径に収束するまでに長い時間を必要としてしまう。その間延伸は進行しているので延伸後母材の端部に図7(b)に示すような長い外径不良部(以下、耳ロスという)10が生じてしまっていた。
そこで本発明は、作業者のスキルや偶然による延伸のばらつきを防ぎ、ばらつきがある各種外径、形状の光ファイバ母材を所定の外径に精度良く延伸し、外径不良部(耳ロス)の生成を少なくする光ファイバ母材の調製方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
光ファイバ母材の火炎延伸開始時の立ち上げ工程においては、延伸開始時にバーナ火炎が元母材の何処を加熱しているかが重要であり、これを延伸開始時の加熱位置と呼ぶ。延伸開始時の加熱位置が適切であれば、延伸開始から滑らかに外径が変化し、耳ロスが少なく、かつ仕上り径もハンチングが少なく高精度に延伸ができることを発明者等はつきとめた。そこで、この知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)予め測定した元母材の形状に基づき延伸開始時の加熱位置を設定し、延伸を開始することを特徴とする光ファイバ母材の調製方法、
(2)前記延伸開始時において加熱位置付近の元母材形状を延伸開始前に定常延伸時の外径変化部形状と同様の形状に形成しておき、延伸を開始することを特徴とする(1)に記載の光ファイバ母材の調製方法、
(3)前記延伸前の元母材の形状測定に外径測定器を用いることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光ファイバ母材の調製方法、
(4)延伸前の元母材肩部の位置を基準とした延伸開始時の加熱位置を、定常延伸時の母材肩部の位置を基準とした定常延伸時の加熱位置と同じか、又は元母材径をDとすると0〜Dの範囲の距離だけ元母材側に延伸開始時の加熱位置をずらすことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の調製方法、
(5)光ファイバ母材径のテーパ部先端と支持棒の融着部外径を仕上り外径より大きな径にしておき、延伸を行うことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の調製方法、及び、
(6)初期の延伸仕上り径が目標の仕上り径より大きな径で延伸を行うことを特徴とする(5)に記載の光ファイバ母材の調製方法、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の光ファイバ母材の調製方法について図面を参照してさらに詳細に説明する。尚、各図において同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1(a)に延伸開始時の、及び同(b)に定常延伸時のファイバ母材の形状とバーナの位置関係を示す。図1(a)において、13aが延伸開始時の加熱位置である。
適切な延伸開始時の加熱位置13aを決定する方法は、元母材3とそれに融着された支持棒2aの形状に基づいて判断して適切な延伸開始時の加熱位置13aを決定する。
【0009】
本発明では、予め元母材とそれに融着された支持棒の形状は、例えばレーザー外径測定器を用いて測定されている。
各種の光ファイバ母材において、元母材3の延伸前の外径変化部9aと定常延伸時の外径変化部9bはある程度近い形状をしているが、まったく同じ形状ではない。立ち上げ工程は延伸前の外径変化部9aの形状から定常延伸時の外径変化部9bの形状を作る工程といえる。本発明では、延伸前の外径変化部9aの途中で元径の1%外径が細い場所から元径の50%外径が細い場所までのある一つの場所を延伸前の元母材の肩部12aと定義すると、再現性よく肩部を検出することができる。定常延伸時の母材肩部も同様の方法で定義する。
【0010】
このように定義した延伸前の元母材肩部12aを基準として延伸開始時の加熱位置13aを規定することで、外径変化部9aや融着部11に対して再現性良く延伸開始時の加熱位置13aを決定することができる。そして、延伸開始時の加熱位置13aと元母材肩部12aとの距離Xを定常延伸時の母材肩部12bと定常延伸時の加熱位置13bの距離Yと同じか、又は元母材径をDとすると0〜Dの範囲の距離(例:元母材径がφ40mmなら0から40mmの距離)だけ元母材側に延伸開始時の加熱位置をずらしたものとする。また、延伸開始時の加熱位置13aは延伸速度が速いほど大きく元母材側にずらす必要がある。
延伸前の元母材肩部12aは、外径変化部9a内であっても各種の母材間で比較的ばらつきの少ない安定した場所にあるため、延伸前の外径変化部9aの形状がばらついても再現性がよく、延伸開始時の加熱位置13aの基準とすることができる。
【0011】
このように決定した延伸開始時の加熱位置13aにバーナを移動させる方法のひとつとして以下の方法がある。図3(a)、(b)に示すように外径測定器とバーナを同じ移動台に乗せて外径測定器7とバーナ6との距離Xを予め設定しておく。この移動台を融着部11近傍から元母材方向に外径を測定しながら移動させて、外径測定器の計測値が予め決めておいた延伸前の元母材肩部の径に達したところを延伸前の元母材肩部12aとして検出し、その時のバーナの位置を延伸開始時の加熱位置13aに決定するものである。外径測定器7とバーナ6との距離Xをあらかじめ設定しておくことで、延伸前の元母材肩部を基準とした任意の位置に延伸開始時の加熱位置13aを設定することが可能となる。適切なXの値は、定常延伸時の母材肩部の位置12bと定常延伸時の加熱位置13bとの距離Yと同じか、又は元母材径をDとすると0〜Dの範囲の距離(例:元母材径がφ40mmなら40mmの長さ)だけ元母材側に延伸開始時の加熱位置をずらしたした範囲に設定するのが良い。
これは延伸開始時と定常延伸時それぞれの外径変化部形状と加熱位置の相対的な位置関係をなるべく同じにすることでスムーズに延伸開始時から定常延伸時へ移行して行くからである。
【0012】
また、延伸開始時の加熱位置13aを元母材側にずらした設定の場合は、図2に示すように初期の延伸仕上り径φeが仕上り径φdに比べて少し太くなる場合があるが、太い径からより細い目標仕上り径に収束する際はハンチングが起こりにくく、逆に細い径からより太い仕上り径へ制御をもちいて収束させようとすると非常に仕上り径がハンチングしやすく耳ロスが大きくなりやすい。同様の理由で、支持棒2の支持棒径φcは仕上り径φdよりも0〜50%外径が大きなものを用いることで延伸初期の外径を太くすることができ、ハンチングしにくく耳ロスを少なくすることができる。
【0013】
延伸開始時の加熱位置を定常延伸時のバーナ位置とどれだけずらすかは延伸速度、母材粘度、加熱温度、加熱範囲等の条件によって異なる。実際の元母材径や支持棒との融着部11の周囲の形状にはばらつきが大きく、延伸初期に太くなったり細くなったりする。したがって、予め最終的な仕上り径より若干太い径で延伸を始めたほうが、元母材形状のばらつきがあってもハンチングし難く安定して少ない耳ロスでの延伸ができる。
また、予め延伸開始時の加熱位置付近の形状を定常延伸時のバーナ位置付近の形状に近くなるように加工しておくことで、より耳ロスが小さく延伸を開始することができる。加工方法としては、例えば、バーナ火炎で加熱しカーボン治具を用いて変形させる方法がある。チャック1aの引き取り開始から急激に引き取り速度が増加すると、元母材の形状が急激に変化し、ハンチングし易くなる。そのため、引き取り開始直後は徐々にチャックスピードを上げて行き設定速度まで加速する工程を設けて耳ロスを少なくする。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例により順をおって更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
元径φ40mm、長さ500mmの延伸前の光ファイバ母材(元母材)を、加熱源には石英バーナによる酸水素火炎を用いて、目標仕上り径φ20mmに延伸した。またバーナ速度(図5に示すVB1)は30mm/分を用いた。図3、図4に沿って、工程順に調製方法を説明して行く。
【0015】
図3(a)のように元母材3の両端に支持棒2a、2bを溶接し、二つのチャック1a、1b間にセットする。その際、延伸前の外径変化部9aは定常延伸時の外径変化部9bと同様の形状になるように予め整形しておいてもよい。この際、支持棒の太さは仕上り径より大きなφ25mmの石英棒を用いることで仕上り径を目標よりやや太い径から目標仕上り径に滑らかに収束させることができるようにした。
最初に、図3(a)のように、移動台8に乗った外径測定器7を移動させて、元母材3、外径変化部9a、融着部11、の形状と位置を制御装置に自動で記録する。これらの情報を、バーナー速度VB1、VB2値、延伸前の元母材肩部径の値を決定する際のデータとして利用し、制御装置が自動的にこれらの製造条件を決定する。
外径測定器7はバーナ6と同じ移動台8の上に乗っており同時に移動するが、バーナと外径測定器は任意の長手方向の位置に設定でき、かつ延伸中にも遠隔操作で変化させることができる。
【0016】
次に、バーナ位置を図3(b)に示すように延伸を開始する側の支持棒2aと元母材3との境目の融着部11の真下に移動した後、バーナ6と外径測定器7は図3(b)に示すようにXだけ離れた状態で図5に示す速度VB1で元母材側に移動を開始し、同時にバーナ火炎も種火状態から定常延伸時のガス流量で燃焼を開始し、ファイバ母材の外径変化部9aを予熱しながら移動する。
【0017】
外径測定器7がバーナ6と一体で移動し、外径変化部9の外径を測定しながらバーナも移動して行き、図3(c)で示すように、外径測定器7の計測値があらかじめ設定しておいた元母材肩部径になっている場所、すなわち延伸前の元母材肩部12aにまで達したらチャック1aで引き取りを開始する。元径φ40mmの場合は、φ38mmの位置を母材肩部と設定した。この延伸開始時の加熱位置13aの基準となる元母材肩部は、外径変化部でも母材間で比較的ばらつきの少ない安定した場所にあるため延伸前の外径変化部がばらついても再現性よく延伸開始時の加熱位置の基準とすることができる。
図3(c)の元母材肩部12aの位置に外径測定器7があるときのバーナの位置が延伸開始時の加熱位置13aである。この位置はあらかじめ同様の元母材を用いて定常延伸時の母材肩部の位置12bとバーナの位置13bの距離Yを測定しておき、その値を延伸開始時の加熱位置12aと外径測定器の距離Xに設定する。これにより延伸前の外径変化部9aと加熱位置の相対的な位置関係は、定常延伸時とほぼ同じ位置関係で延伸を始めることができるため、延伸による耳ロスを少なくすることができる。
【0018】
チャック1aが引き取りを開始した後のチャックの移動速度は、図5に示すように徐々に加速して行き最後にVC1に達する。チャック1aを滑らかに加速させることで外径変化部の急激な変形を防ぐことで、耳ロスを少なく延伸を開始することができる。
また、延伸開始時の加熱位置13aを定常延伸時より元母材径をDとすると0からDの距離(例:元母材径がφ40mmなら40mmの長さ)の範囲でバーナを元母材側にずれた位置に設定することで、延伸開始時の仕上り径を目標仕上り径より太い径で延伸を開始することができ、元母材形状がばらついても安定して耳ロスが少なく延伸することができる。この実施例ではXの値は定常延伸時の値より17mmずらした値を用いた。
【0019】
チャックの引き取りが進んで行くと図4(a)に示すように加熱部が縮径されて外径変化部の形状が定常延伸時の形状に近づいていく、このとき外径測定器はバーナに対して移動し、定常延伸時の外径測定位置まで移動する。
定常延伸時は図4(b)に示すように外径測定器で外径変化部の径を測定しその外径データを用いてチャック速度VC2やバーナ速度VB2を制御し目標仕上り径になるように延伸を進めて行く。
【0020】
このような方法を用いて延伸を行った結果、従来の外径精度が±0.2mmであったところが、外径精度±0.05mm以下、延伸開始から外径が目標の20mm±0.05mmに収束するまでの仕上り母材の不良部長を耳ロスと定義したが、従来方法による耳ロスが200mm〜1500mmであったところが、70mm以下で延伸を行うことができ、光ファイバ母材を良好に調製することができた。
また、形状にばらつきがある元母材20本を同様に延伸し、調製した結果、安定して同様の延伸精度及び耳ロスで光ファイバ母材の調製を行うことができた。
【0021】
同様の方法を用いて元径φ20mm、長さ1000mmの元母材を用いてバーナ速度VB1が25mm/分、目標仕上り径φ10mmで延伸を行った結果、外径精度±0.05mm以下、従来の耳ロスが100mm〜500mmであったところが、耳ロスが50mm以下で延伸を行うことができ、光ファイバ母材を調製することができた。
【0022】
更に、同様の方法を用いて元径φ40mm、長さ500mmの元母材を用いてバーナ速度VB1が5mm/分、目標仕上り径φ10mmで延伸を行った結果、外径精度±0.05mm以下、従来の耳ロスが200mm〜1000mmであったところが、耳ロスが50mm以下で延伸を行うことができ、優れた光ファイバ母材を調製することができた。
【0023】
【発明の効果】
本発明の調製方法では、ばらつきがある各種外径、形状の光ファイバ母材であっても、容易に且つ確実に延伸開始時の加熱位置が設定でき、極めて精度良く所定の外径に延伸することができる。そして、外径不良部分が少なく優れた光ファイバ母材を調製することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、ファイバ母材の形状とバーナ位置との関係を示す概略図であり、(a)は延伸開始時で、(b)は定常延伸時である。
【図2】本発明に係る、バーナ位置を母材側にずらした場合の延伸初期段階の延伸後母材の形状の一例を示す概略図である。
【図3】本発明を適用した場合の、母材延伸工程の延伸開始時までの手順を示す概略図である。
【図4】本発明を適用した場合の、母材延伸工程の延伸開始後から定常延伸時の手順を示す概略図である。
【図5】本発明を適用した場合の、バーナ移動速度とチャック引き取り速度の変化の様子を示す概略図である。
【図6】従来の延伸による光ファイバ母材の調製方法の一例を示す概略図である。
【図7】従来の延伸による調製方法を適用した場合の、延伸前後でのファイバ母材の形状の一例を示す概略図で、(a)は延伸前、(b)は延伸後の例である。
【符号の説明】
1 チャック
2 支持棒
3 元母材
4 延伸後母材
5 バーナ火炎
6 バーナ
7 外径測定器
8 移動台
9a 延伸前の外径変化部
9b 定常延伸時の外径変化部
10 耳ロス部
11 融着部
12a 延伸前の元母材肩部
12b 定常延伸時の母材肩部
13a 延伸開始時の加熱位置
13b 定常延伸時の加熱位置
Claims (6)
- 予め測定した元母材の形状に基づき延伸開始時の加熱位置を設定し、延伸を開始することを特徴とする光ファイバ母材の調製方法。
- 前記延伸開始時において加熱位置付近の元母材形状を延伸開始前に定常延伸時の外径変化部形状と同様の形状に形成しておき、延伸を開始することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の調製方法。
- 前記延伸前の元母材の形状測定に外径測定器を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ母材の調製方法。
- 延伸前の元母材肩部の位置を基準とした延伸開始時の加熱位置を、定常延伸時の母材肩部の位置を基準とした定常延伸時の加熱位置と同じか、又は元母材径をDとすると0〜Dの範囲の距離だけ元母材側に延伸開始時の加熱位置をずらすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の調製方法。
- 光ファイバ母材径のテーパ部先端と支持棒の融着部外径を仕上り外径より大きな径にしておき、延伸を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の調製方法。
- 初期の延伸仕上り径が目標の仕上り径より大きな径で延伸を行うことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ母材の調製方法。
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- 2002-09-30 JP JP2002285686A patent/JP2004123400A/ja active Pending
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