JP2004121553A - 加熱治療装置 - Google Patents

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Makoto Inaba
稲葉 誠
Norihiko Haruyama
晴山 典彦
Takeaki Nakamura
中村 剛明
Shigeki Ariura
有浦 茂樹
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Terumo Corp
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Abstract

【課題】生体の所定位置において、進退いずれの方向にも移動しないように固定し、エネルギを出射することができ、患者毎に最適な治療は可能で、加熱治療の有効性を十分発揮させることができる加熱治療装置を提供する。
【解決手段】エネルギを生体組織に照射し病変部位を加熱する加熱治療装置において、生体内に挿入可能な挿入部3と、該挿入部3の所定位置よりエネルギを外部に出射するエネルギ出射部4と、前記挿入部3に設けられ、電気的な刺激を与えて当該生体内の括約筋Mを収縮させる電極針61と、を有し、前記電極針61が電気的な刺激を与えている間、収縮した括約筋Mによって前記挿入部3が生体内に固定されることを特徴とする
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内に挿入部を挿入し、エネルギ出射部からレーザ光等のエネルギを生体組織に照射して加熱治療を行う加熱治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、加熱治療装置は、血管、消化管、尿道、腹腔、胸腔等の生体内腔又は管腔等という体腔を利用しあるいは生体に小切開を施すことによって生体内に細くて長尺な挿入部を挿入し、この挿入部に設けられたエネルギ出射部から生体組織の表層又はその近傍に位置する病変部位に、1箇所又は複数箇所からレーザ光、マイクロ波、ラジオ波、超音波等のエネルギを直接出射し、その病変部位の組織を加温、変性、壊死、凝固、焼灼あるいは蒸散させて消滅させるものである。
【0003】
例えば、生体組織の深部の治療となる、前立腺肥大の治療に用いる場合は、経尿道的に挿入部を挿入し、エネルギ出射部を前立腺部尿道(前立腺に囲まれた部分の尿道)に位置させ、病変部位に向けてエネルギを照射することにより病変部位の細胞を死滅させて肥大を小さくしている。
【0004】
この治療は、約1時間程度要するため、エネルギ出射部は、治療中、常に所定位置に保持されなければならないが、従来の位置固定方法は、挿入部の先端にバルーンを設け、経尿道的に挿入した後、バルーンを流体圧により膨張して膀胱頚部に係合するという手段が取られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上記文献には、挿入部の先端にバルーンを設け、経尿道的に挿入した後、バルーンを流体圧により膨張して膀胱頚部に係合し、このバルーンの圧力を検知し、温熱治療装置を制御するものが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−142215号(段落番号(0020)、図2,10参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この手段は、膀胱内で膨張したバルーンが膀胱内から尿道に向かう方向に移動しようとすると、膀胱頚部に係合するので、挿入部の退出方向への移動は防止できるが、膀胱内に進入する方向への移動に関してはこれを防止できない。このため、治療中、手術者等が自ら挿入部を抜く方向に常時力を加えるか、あるいは何らかの手段で挿入部を保持しなければならないことになる。これは面倒で、作業能率的にも好ましくない。
【0008】
また、前立腺肥大の治療を行う場合は、尿道頸部と精丘との間にエネルギ出射部を位置し、レーザ等を所定のターゲットポイントに向けて照射するが、一方向的に位置固定されていても、位置変動するような前記固定手段では正確に精度良く出射できない虞がある。特に、前立腺肥大の治療は、長時間の照射になるが、この照射中に挿入部が位置ズレを起こすと、不必要な部位を加熱したり、病変部が十分に加熱されなかったりする事態が生じ、安定した治療効果が得られない虞もある。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、簡単に挿入部を位置固定でき、より正確で確実なエネルギ照射を行うことにより患者毎に最適な治療が可能で、加熱治療の有効性を十分発揮させることができる加熱治療装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記加熱治療装置により達成される。
(1)エネルギを生体組織に照射し病変部位を加熱する加熱治療装置において、生体内に挿入可能な長尺状の挿入部と、該挿入部の所定位置に設けられ、エネルギを外部に出射するエネルギ出射部と、前記生体内の括約筋に電気的な刺激を加えることにより収縮動させ前記挿入部を保持する保持手段と、を有する加熱治療装置。
(2)前記保持手段は、前記括約筋に電気的な刺激を加える電極針と、前記挿入部の基端が取付けられた本体部に設けた操作部とからなり、当該操作部の操作により前記電極針を前記挿入部により出没させるようにしたことを特徴とする前記(1)の加熱治療装置。
(3)前記操作部は、先端に前記電極針が設けられたケーブルを前記挿入部の軸線方向に進退させるダイヤルを有し、該挿入部に開設された通孔から前記電極針を出没させるようにしたことを特徴とする前記(2)の加熱治療装置。
(4)前記保持手段は、前記挿入部の表面と同一面に位置固定的に設けた電極部材により構成したことを特徴とする前記(1)の加熱治療装置。
(5)前記挿入部は、前記電気的な刺激により収縮動した括約筋が係合するくびれ部を有する前記(1)の加熱治療装置。
(6)前記挿入部は、先端に向かうにしたがって外径が大きくなるテーパ状としたことを特徴とする前記(1)の加熱治療装置。
(7)前記挿入部は、前記エネルギ出射部の近傍に吸引孔を有し、該吸引孔から空気を吸引し前記挿入部と生体内表面とを密着するようにしたことを特徴とする前記(1)〜(6)の加熱治療装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1実施形態を示す斜視図、図2は同実施形態の先端部分を示す断面図、図3は図2の3−3線に沿う断面図である。
【0013】
本実施形態は、例えば、前立腺肥大症や各種癌等の病変部にレーザ光を照射して加熱し、病変部の細胞を死滅させる側射式のレーザ照射装置である。
【0014】
図1において、レーザ照射装置1(通称アプリケータ)は、概説すれば、本体部2と、この本体部2に基端が取付けられ、生体体腔内に挿入可能な長尺状の挿入部3と、レーザ光を外部に出射するエネルギ出射部4と、病変部あるいは体腔内の状態やエネルギ出射部4の位置等を観察する内視鏡5と、電気的な刺激を加えることにより生体内の括約筋に収縮動させ前記挿入部を括約筋によって位置固定的に保持する保持手段6(図5参照)と、を有している。
【0015】
さらに詳述すれば、前記本体部2は、駆動装置21と、カムボックス22と、緩衝装置23とからなり、この駆動装置21は、電源ケーブル24を介して電源装置と接続されたモータ(図示せず)により構成され、この駆動装置21の回転運動は、カムボックス22に設けられたカム機構(図示せず)により後述するアーム43(図2参照)の長手方向往復運動に変換される。
【0016】
前記緩衝装置23は、ループ状に形成された光ファイバFが内部に収容され、挿入部3内で光ファイバFが往復運動しても、前記ループ状部分が収縮−拡大し、光ファイバFへの負荷や運動を吸収するようになっている。したがって、光ファイバFは本体部2の外部では動かない。
【0017】
前記挿入部3は、図2,3に示すように、ハウジング32と、カバー部材33と、先端キャップ34とを有している。ハウジング32は、前立腺肥大症の治療用として使用する場合は、全長が略尿道の長さ以上で、直径が3〜10mm程度のステンレス鋼あるいは硬質合成樹脂等からなる管状体である。前方端部位にはレーザ光出射兼側方観察用の側方窓35が設けられているが、この側方窓35は、ハウジング32に開設された通孔を、レーザ光透過性のカバー部材33により覆っている。
【0018】
ハウジング32の先端部には、ハウジング32内を閉鎖系にするために、先端キャップ34が密着されているが、この先端キャップ34には、前方を確認するための前方観察窓341が設けられている。
【0019】
このハウジング32内には、照射されるレーザ光が導かれる光ファイバFと、レーザ光を挿入部3の側方窓35から外部に照射するエネルギ出射部4と、光ファイバFやエネルギ出射部4のアーム43等を支持する栓状部材36が設けられている。
【0020】
光ファイバFは、前記緩衝装置23から引き出され、栓状部材36に開設された光ファイバ用ルーメン361を挿通して伸延されている。
【0021】
エネルギ出射部4は、前記光ファイバFからのレーザ光を反射するための平滑な反射面41が片面に形成されたミラー42と、ミラー42を操作するアーム43とを有し、このアーム43は、栓状部材36に開設されたアーム用ルーメン362に挿通され、カムボックス22内のカム機構により軸方向に移動される。
【0022】
前記ミラー42は、上端がヒンジ機構を介してアーム43と連結され、下端両側端に突設された突起421がレール溝322に摺動可能に嵌合されている。このレール溝322は、前記ハウジング32内に設けられた一対の壁部材321の内側壁に設けられているが、アーム43の往復運動と非並行に形成され、アーム43の位置およびレール溝322によってミラー42の傾斜角度を変化させることができるようになっている。
【0023】
ここに、アーム43と光ファイバFは、先端部近傍が連結部材45によって連結されている。したがって、ミラー42の反射面41と光ファイバFの先端との間の相対的な位置関係は、略一定に保たれることになり、また、駆動装置21の駆動によりアーム43がカム機構により往復運動されると、連結部材45によりエネルギ出射部4や光ファイバFもこれに連動して往復運動することになる。
【0024】
つまり、エネルギ出射部4では、ミラー42の反射面41に向かって光ファイバFからレーザ光が照射されると、その反射レーザ光が側方窓35を通過して病変部位に照射されるが、アーム43を挿入部3内で往復運動すると、連結部材45によりエネルギ出射部4や光ファイバFもこれに連動して往復運動することになり、前記照射位置も変位可能となる。
【0025】
図4はアーム43を往復運動させながらレーザを照射しているときの模式図である。ミラー42は、先端に近い位置にセットすると、軸線に対して垂直に近い起立状態になり、レーザ光を小さい反射角で反射することになる。また、ミラー42を基部に近い位置(栓状部材36の先端に近い位置)にセットすると、軸線に対して並行に近い傾斜状態になり、レーザ光を大きい反射角で反射することになる。
【0026】
したがって、駆動装置21を駆動し、エネルギ出射部4がミラー42の傾斜角度を変化させながら往復運動すると、レーザ光の出射位置は、常に移動するが、レーザ光の光軸は、加熱部位であるターゲット部位T内部のターゲットポイントTpに、常に集中することになり、レーザ光は、ターゲットポイントTpのみに連続的に照射でき、尿道表層N等の他の組織には、間欠的に照射されることになる。
【0027】
この結果、ターゲットポイントTpは、照射されたレーザ光により加熱され、所望温度に達することになり、ここの病変部位の組織を加温、変性、壊死、凝固、焼灼あるいは蒸散させて消滅させることができる。一方、尿道表層Nなどの他の組織は、レーザ光の照射が、いわば間欠的に行われ、受光時間は短く、発生熱量も少なく、ほとんど加熱されず、熱的影響を受けることはない。
【0028】
なお、ここで使用されるレーザ光としては、生体深達性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、波長としては、750〜1300nm又は1600〜1800nm程度が特に優れた生体深達性を有するため好ましい。この波長範囲のレーザ光を発生させるレーザ光源装置としては、たとえば、He−Neレーザ等の気体レーザ、Nd−YAGレーザ等の固体レーザ、GaAlAsレーザ等の半導体レーザ等がある。
【0029】
内視鏡5は、前記一対の壁部材321間に形成されたハウジング32の内部空間に位置する先端部分を除き、ステンレス製の保護パイプによって覆われ、直線状に保持され、破損及び湾曲から保護されている。
【0030】
この内視鏡5は、本体部2の内視鏡導入管(図示せず)を挿通し、栓状部材36の内規鏡ガイドルーメン363に挿入されているが、先端キャップ34にも内視鏡ガイドルーメン342(図2参照)が形成され、前方観察窓341付近まで導くことができるようにしている。
【0031】
したがって、内視鏡5は、内視鏡ガイドルーメン363及び342に沿って、挿入部3内で湾曲することなく直線形状のまま本体部2に対し安定的に長手方向に移動し、側方窓35からは挿入部3の側方を観察でき、前方観察窓341からは前方を観察することができる。また、尿道表層Nの観察、観察に基づくハウジング32の位置決め、およびレーザ光照射位置の視野的な確認も容易に行うことができる。
【0032】
レーザ光を出射するとエネルギ出射部4やミラー42あるいはその近傍の部材が温度上昇するので、挿入部3には、エネルギ出射部4等やその近傍の生体組織に冷却液(例えば、滅菌水又は滅菌生理食塩水等)が用いられる。
【0033】
図3において、前記栓状部材36には、さらに、冷却液流入ルーメン364、冷却液流出ルーメン365および洗浄液流路366が形成されている。冷却液流入ルーメン364は、図1に示す冷却液流入チューブ37を介して、冷却液流出ルーメン365は、冷却液流出チューブ38を介して、図示しない冷却液循環装置に接続され、エネルギ出射部4が配置されているハウジング32の内部空間(図3参照)に冷却液を導入し排出するようになっている。
【0034】
したがって、導入された冷却液は、レーザ光が照射される尿道表層N、エネルギ出射部4、レーザ光が透過するカバー部材33等を冷却した後、冷却液流出ルーメン365および冷却液流出チューブ38等により排出される。
【0035】
なお、エネルギ出射部4やミラー42等の各部には、温度センサが設けられ、温度センサからの信号は、信号ケーブルにより制御部に伝達される。そして、この制御部により冷却水流入出チューブ37,38を通って冷却液流路に冷却水が流され、挿入部3、側方窓35付近、エネルギ出射部4あるいはこれら近傍の生体組織が冷却され、保護される。
【0036】
洗浄液流路366は、ハウジング32内の壁部材321に形成され、図1に示す洗浄液注入口26から注入された洗浄液を、本体部2内からハウジング32内の壁部材321を通り噴流孔367より吐出し、側方窓35等を洗浄するようになっている。
【0037】
図5は本実施形態に係る保持手段の使用状体を示す概略図である。一般に括約筋は、収縮すれば身体の特定部を締め付けて閉じる働きをする輪状の筋肉であり、尿道括約筋は、尿道の周囲にある括約筋で、尿を必要に応じて通過させたり止めたりするものである。
【0038】
したがって、尿道括約筋に対し電気的な刺激を加えると、これが収縮動することになるので、本発明では、この括約筋の収縮動を挿入部3の位置固定的な保持に利用している。
【0039】
図5において、保持手段6は、括約筋Mに電気的な刺激を加える一対の電極針61と、この電極針61を操作するため、前記本体部2のカムボックス22に設けられた操作部62とから構成されている。
【0040】
操作部62は、先端に前記電極針61が設けられたケーブル63と、このケーブル63を支持しガイドする支持ガイド部材64と、この支持ガイド部材64上に支持されたケーブル63の外周面に噛合するダイヤル65とを有し、ダイヤル65を回転することにより比較的剛性のあるケーブル63を挿入部3内で軸線方向に進退させ、ケーブル63の先端に設けられた電極針61を、挿入部3に開設された通孔66(図1、2参照)から出没させるようにしている。
【0041】
なお、ケーブル63は、制御部Cを介して電源(不図示)と接続され、電源からの電流が導かれるようになっている。
【0042】
この場合、括約筋Mが電気的な刺激により収縮動するとき、挿入部3を締め付けやすいように、挿入部3のエネルギ出射部4近傍にくびれ部Kを形成することが好ましい。つまり、挿入部3を構成するハウジング32とカバー部材33の側方窓35の基端側に部分的に外径を細くしたくびれ部Kを形成すると、括約筋Mがくびれ部Kに食い込み、挿入部3の軸方向移動が防止され、挿入部3の保持が確実になる。
【0043】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0044】
図6,7は本実施形態による前立腺肥大症の治療状態を示す概略断面図である。例えば、前立腺肥大症を治療する場合には、レーザ光が前立腺の中心部分に照射されるようにエネルギ出射部4を配置しなければならないが、この場合、図6に示すように、電極針61は、尿道表層Nに引っ掛からないように、挿入部3内に没した状態とする。
【0045】
次に、挿入部3を尿道に挿入するが、内視鏡5により尿道内を目視しつつ精丘(図示せず)を目標に挿入部3を挿入するか、あるいは尿道内の状況を画像情報としてインタフェース上に表示しつつ挿入する。そして、エネルギ出射部4を精丘と膀胱頸部Bとの間の前立腺尿道に配置する。
【0046】
なお、図中符号「Z」は前立腺部分、「Y」は直腸部分である。
【0047】
エネルギ出射部4が位置決めされると、レーザ光の出射を行うが、エネルギ出射部4が前立腺尿道に密着しているか否かを確認する。密着していないと、レーザ光が生体組織内部のターゲットポイントTpに収斂しなくなる虞があるからである。
【0048】
この確認後、電極針61を突出させ、尿道括約筋Mに接触させる。前記エネルギ出射部4が位置決めされると、電極針61も尿道括約筋Mの近傍に位置するので、ダイヤル65を回転し、ケーブル63を介して電極針61を挿入部3の通孔66より突出する。
【0049】
ダイヤル65の目盛りとケーブル63の送り量あるいは電極針61の突出量との関係は、予め、決定されているので、ダイヤル65の目盛りを目視しつつケーブル63を送り、電極針61を所定量突出させる。
【0050】
通孔66は、電極針61を斜め前方にガイドするように開設されているので、プラス側の電極針61とマイナス側の電極針61は、通孔66にガイドされて挿入部3より外方に突出される。電極針61は、1本のケーブル63の先端に分岐するように設けられているので、ダイヤル65を回転操作すると、ケーブル63を介して通孔66より同量突出され、尿道括約筋Mへ接する。
【0051】
電極針61が尿道括約筋Mに接触すると、制御部を制御し、電極針61間に高周波電流を流し、尿道括約筋Mを電気的に刺激する。
【0052】
ここにおいて、電気的な刺激を受けた尿道括約筋Mは、電気的な刺激を止めた瞬間から1ミリ秒程度の間、収縮した状態を持続するので、高周波電流は、連続的に流すかあるいは約1ミリ秒以下の周期で脈動的に流すことことが好ましい。
【0053】
このようにして電気的刺激を尿道括約筋Mに加えると、尿道括約筋Mは収縮状態を維持し、挿入部3を固定的に保持することができる。また、前記エネルギ出射部4の位置決めにより挿入部3のくびれ部Kも、尿道括約筋Mが存在する位置に到達することになるので、前記収縮した尿道括約筋Mはくびれ部Kに食い込み、挿入部3の軸方向変位を規制する。
【0054】
前立腺の治療は、約1時間程度要するが、この治療時間中電気的刺激を尿道括約筋Mに加え続けると、エネルギ出射部4の位置も長手方向に関してズレることはなく、所定位置が保持されるので、所望の治療効果を発揮できる。また、手術者等に関しても、長時間にわたる治療中、アプリケータ1を常時保持する必要はなく、作業能率も向上する。
【0055】
エネルギ出射部4からレーザ光が出射される方向の調整は、レーザ照射装置1全体を回転させることによって、側方窓35の位置を調節する。この位置調節は、外部から本体部4の位置を目視することにより容易に確認できる。
【0056】
レーザ光は、複数の光線を所定位置に集まるように照射しても良いが、病変部の大きさによっては、ミラー12の傾斜角度の変化あるいは軸方向移動により広範囲に照射しても良い。
【0057】
これにより、生体組織内部のターゲットポイントTp及びその近傍は、照射されたレーザ光により加熱され、病変部が治療される。挿入部3は、冷却液流路を循環する冷却水によって所望の温度に冷却されるので、表層部分の温度上昇は抑制され、所望の部位のみが加熱される。
【0058】
治療完了後は、高周波電流の供給を停止するとともに、ダイヤル65を戻し方向に回転操作し、電極針61を通孔66内に戻し、挿入部3を尿道から抜去する。
【0059】
<第2の実施形態>
図8は本発明の第2の実施形態を示す概略図である。なお、前記実施形態と共通する部材には同一符号を付し、説明を省略する。
【0060】
図8に示す実施形態は、主として電極針の構成および挿入部の形状が実施形態1と相違している。
【0061】
本実施形態では、プラスとマイナスの一対の電極部材61Aが挿入部3の外周面上に固定的に取付けられ、これら電極部材61Aは、挿入部3の軸線方向には絶縁体67を介して所定距離離間され、周方向には全周にわたって形成されたリング形状をしている。
【0062】
各電極部材61Aは、導電部材68によって制御部Cに接続され、制御部Cから高周波電流の供給を受けるようになっている。
【0063】
なお、電極部材61Aは、挿入部3の外周面に沿って固定的に設けられるものであれば、リング形状でなくてもよく、例えば、挿入部3の外周面に設けられた軸方向断面円弧状の電極部材であってもよい。
【0064】
本実施形態の挿入部3の形状は、電極部材61Aから先端に向かうにしたがって外径が大きくなるテーパ状とし、このテーパ状の挿入部3に、前記実施形態1と同様、エネルギ出射部4が設けられている。
【0065】
挿入部3をテーパ状とすれば、挿入部3の挿入位置如何にかかわらず、括約筋Mが収縮動したとき、挿入部を後退不能に把持でき、照射中の位置ズレを防止できる。
【0066】
本実施形態により前立腺肥大症を治療する場合には、まず、挿入部3を尿道に挿入し、エネルギ出射部4が所定の位置になるように配置する。
【0067】
この挿入に当り、電極部材61Aは、挿入部3の外表面に沿って設けられているので、尿道内表面Nに引っ掛からず、円滑に挿入できる。
【0068】
エネルギ出射部4が位置決定されると、電極部材61Aも括約筋M(尿道括約筋)に当接する位置に達する。この状態で、制御部Cを制御し、電極部材61A間に高周波電流を流し、括約筋Mに電気的刺激を加える。この電気的刺激も前記実施形態と同様、連続的に流すかあるいは約1ミリ秒以下の周期で脈動的に流すことが好ましい。
【0069】
この電気的刺激により括約筋Mが収縮し、挿入部3が固定的に保持されるが、挿入部3は、テーパ状となっているので、このテーパ状部分で括約筋が収縮動すると、挿入部3の挿入位置如何にかかわらず、テーパ状の挿入部を後退不能に把持することができる。また、テーパ状であるため挿入部3の把持が確実で、照射中の位置ズレを防止でき、より正確で確実なエネルギ照射ができ、加熱治療の有効性を十分発揮できる。
【0070】
したがって、本実施形態の場合には、電極部材61Aが挿入部3の外表面に沿う面状であるため、挿入に際して前記電極針61のように進退動作を行う必要はなく、操作作業性の点でも有利で、また、テーパ状挿入部3に括約筋Mが係合するため、挿入部3の膀胱側から尿道側への引抜き方向の移動を確実に防止できる。
【0071】
<第3の実施形態>
図9は本発明の第3実施形態の一例を示す概略図であり、図10は同実施形態の挿入部の要部を示す拡大底面図である。本実施形態も先の実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0072】
本実施形態では、挿入部3のエネルギ出射部4近傍の尿道表層Nに挿入部3を密着する1対の吸引孔70が設けられている。
【0073】
各吸引孔70は、吸引チューブ71を介して吸引手段72と連通されている。吸引チューブ71は、挿入部3及び本体部2内を挿通して伸延されているが、前記吸引手段72は、シリンジ72Aにより構成されている。
【0074】
このシリンジ72Aは、両吸引チューブ71が連結されるコネクタ73、及び開閉が切り換え自在の活栓74を介して前記両吸引チューブ71と連通されている。したがって、活栓74を開放した状態で、シリンダ75内のピストン76を外方に引くと、シリンダ75内が負圧になり、吸引チューブ71を介して各吸引孔70から空気を吸引し、挿入部3を尿道表層Nに密着させることができ、この状態で活栓74を閉じると、挿入部3の密着状態を保持することができる。
【0075】
吸引孔70は、1つの孔のみでもよいが、より好ましくは、図10に示すように、1対若しくは多数のものが好ましい。また、特に限定されるものではないが、円形のみでなく、図11に示すように、エネルギ出射部4の側方窓35に沿った矩形状の長孔70aであってもよい。このような長孔70aの場合には、エネルギ出射部4全体を尿道表層Nに確実に密着させることができ、挿入部3の密着保持性が向上する。
【0076】
本実施形態により前立腺肥大症を治療する場合には、前述した実施形態と同様、挿入部3を尿道に挿入し、エネルギ出射部4を精丘と膀胱頸部との間に位置するように位置決めする。
【0077】
位置決め後、挿入部3の吸引孔70を尿道表層Nに当接し、活栓74を開状態とし、シリンジ72Aのピストン76を引抜く方向へ移動すると、吸引孔70が負圧になり、挿入部3が尿道表層Nに密着する。そして、活栓74を閉状態とすれば、前記密着状態が保持される。
【0078】
吸引孔70は、エネルギ出射部4の近傍にあるので、エネルギ出射部4も前立腺近傍の尿道表層Nに密着する。この結果、レーザ光を生体組織内部のターゲットポイントに確実に収斂できる。
【0079】
治療完了後は、活栓74を開く。これにより挿入部3と尿道表層Nの密着が解放されるので、挿入部3を尿道から抜去できる。
【0080】
前記吸引手段は、手動のシリンジ72Aを使用したが、これのみでなく、電動によるものでもよく、また、吸引ポンプを使用しても良い。いずれにしても、挿入部3の吸引孔70を陰圧にすることができるものであれば、どのような吸引手段であってもよい。
【0081】
また、本発明は、前述した実施形態のみに限定されるものではなく、前記第1又は第2実施形態と第3実施形態とを併用しても良い。つまり、電極針61又は電極部材61Aと吸引孔70とを挿入部3に設け、電極針又は電極部材間に高周波電流を流し、電気的な刺激を与えて括約筋Mを収縮させると共に吸引孔70からの負圧により挿入部3を固定的に保持するようにしても良い。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、電気的な刺激を与えて生体内の括約筋を収縮動させ挿入部を保持する保持手段を設けたので、挿入部の生体内での位置固定が簡単にでき、加熱治療の有効性を十分発揮させることができる。
【0083】
請求項2の発明によれば、前記保持手段を、電極針と、この電極針を操作する操作部とから構成し、当該操作部の操作により電極針を挿入部により出没させるようにしたので、前項の効果に加え、挿入部を生体内に挿入したとき生体外部の操作部で、いわゆる手元操作ができ、また、この手元操作により電極針を出没させて治療ができ、作業性の面で優れた加熱治療装置となる。
【0084】
請求項3の発明によれば、操作部の手元操作時にダイヤルによりケーブルの進退量を目視しつつ作業できるので、電極針の出没量も把握しつつ操作でき、電極針出没作業の安全性も確保でき、適切に電気的刺激を与えることができる。また、挿入部の挿入時にダイヤル操作により電極針を挿入部内に没すれば、挿入部の円滑な挿入ができる。
【0085】
請求項4の発明によれば、挿入部の表面と同一面に位置固定的に設けた電極部材により保持手段を構成したので、挿入部の生体内挿入時あるいは抜去時を問わず、円滑に操作でき、電気的な刺激も挿入部の外周全域から加えることができるので、括約筋に対する電気的な刺激も確実で容易になる。
【0086】
請求項5の発明によれば、括約筋が電気的な刺激により収縮動すると、挿入部のくびれ部に食い込むことになるので、挿入部の把持が確実で強固なものとなる。
【0087】
請求項6の発明によれば、挿入部をテーパ状とすれば、挿入部の挿入位置如何にかかわらず、括約筋が収縮動すると、テーパ状の挿入部を後退不能に把持することになるので、挿入部の把持が確実で、挿入部を生体内部に強固に固定でき、照射中の位置ズレを防止し、より正確で確実なエネルギ照射ができ、加熱治療の有効性を十分発揮することができる。
【0088】
請求項7の発明によれば、エネルギ出射部近傍の吸引孔から空気を吸引し挿入部と生体内表面とを密着すれば、挿入部が生体に密着し、挿入部を固定的に位置させることができ、照射中の挿入部の位置ズレが防止でき、より正確で確実なエネルギ照射ができ、加熱治療の有効性を十分発揮できる。しかも、挿入部のエネルギ出射部と生体内表面が密着するので、レーザ光などを生体組織内部のターゲットポイントに照射する場合、確実に収斂させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】同実施形態の先端部分を示す断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿う断面図である。
【図4】アームを往復運動させながらレーザを照射しているときの模式図である。
【図5】同実施形態に係る保持手段の使用状体を示す概略図である。
【図6】同実施形態の治療状態を示す概略断面図である。
【図7】同実施形態の治療状態を示す概略断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す概略図である。
【図9】本発明の第3実施形態の一例を示す概略図である。
【図10】同実施形態の挿入部の要部を示す拡大底面図である。
【図11】同実施形態の吸引孔の変形例を示す拡大底面図である。
【符号の説明】
1…レーザ照射装置、
2…本体部、
3…挿入部、
35…側方窓、
4…エネルギ出射部、
6…保持手段、
61…電極針、
61A…電極部材、
62…操作部、
63…ケーブル、
65…ダイヤル、
66…通孔、
70…吸引孔、
F…光ファイバ、
K…くびれ部、
M…括約筋、
N…尿道表層、
Tp…ターゲットポイント。

Claims (7)

  1. エネルギを生体組織に照射し病変部位を加熱する加熱治療装置において、
    生体内に挿入可能な長尺状の挿入部と、
    該挿入部の所定位置に設けられ、エネルギを外部に出射するエネルギ出射部と、
    前記生体内の括約筋に電気的な刺激を加えることにより収縮動させ前記挿入部を保持する保持手段と、を有する加熱治療装置。
  2. 前記保持手段は、前記括約筋に電気的な刺激を加える電極針と、前記挿入部の基端が取付けられた本体部に設けた操作部とからなり、当該操作部の操作により前記電極針を前記挿入部により出没させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の加熱治療装置。
  3. 前記操作部は、先端に前記電極針が設けられたケーブルを前記挿入部の軸線方向に進退させるダイヤルを有し、該挿入部に開設された通孔から前記電極針を出没させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の加熱治療装置。
  4. 前記保持手段は、前記挿入部の表面と同一面に位置固定的に設けた電極部材により構成したことを特徴とする請求項1に記載の加熱治療装置。
  5. 前記挿入部は、前記電気的な刺激により収縮動した括約筋が係合するくびれ部を有する請求項1に記載の加熱治療装置。
  6. 前記挿入部は、先端に向かうにしたがって外径が大きくなるテーパ状としたことを特徴とする請求項1に記載の加熱治療装置。
  7. 前記挿入部は、前記エネルギ出射部の近傍に吸引孔を有し、該吸引孔から空気を吸引し前記挿入部と生体内表面とを密着するようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の加熱治療装置。
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JP2006505346A (ja) * 2002-11-06 2006-02-16 セノークス・インコーポレイテッド 体腔近傍組織処置のための真空器具および方法

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