JP2004081549A - レーザ照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡によりレーザ光照射位置の視認を常時可能にし、より正確で確実なレーザ光照射を行い、加熱治療の有効性を十分発揮させることができるレーザ照射装置を提供する。
【解決手段】内視鏡5により視認可能な目印Mを生体側の所定位置に位置固定的に表示する表示手段6を設け、治療中でも、内視鏡5により目印Mで位置を確認しつつレーザ光の照射し、常時照射位置を視認し、より正確で確実なレーザ光照射を行い、加熱治療の有効性を十分発揮させることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】内視鏡5により視認可能な目印Mを生体側の所定位置に位置固定的に表示する表示手段6を設け、治療中でも、内視鏡5により目印Mで位置を確認しつつレーザ光の照射し、常時照射位置を視認し、より正確で確実なレーザ光照射を行い、加熱治療の有効性を十分発揮させることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内に挿入部を挿入し、レーザ光出射部からレーザ光を生体組織に照射して加熱治療を行うレーザ照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、レーザ照射装置は、血管、消化管、尿道、腹腔、胸口等の生体内腔又は管腔等という体腔を利用しあるいは生体に小切開を施すことによって生体内に細くて長尺な挿入部を挿入し、この挿入部に設けられたレーザ光出射部から生体組織の表層又はその近傍に位置する病変部位に、1箇所又は複数箇所からレーザ光を直接出射し、その病変部位の組織を加温、変性、壊死、凝固、焼灼あるいは蒸散させて消滅させるものである。
【0003】
例えば、生体組織の深部の治療となる、前立腺肥大の治療に用いる場合は、手術者が、自らの操作で経尿道的に挿入部を挿入し、内視鏡で尿道内を観察しながらレーザ光出射部を前立腺部尿道(前立腺に囲まれた部分の尿道)に位置させ、病変部位に向けてレーザ光を照射することにより病変部位の細胞を死滅させて肥大を小さくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、出射部を前立腺部尿道に位置決めする場合には、その基準となるものは精丘しか存在せず、精丘を見過ごすと、もはや尿道内で出射部が軸線方向どの位置にあるかあるいは周方向どの位置にあるかなどを確認することが困難となる。
【0005】
また、精丘を確認しつつ挿入部を挿入しても、レーザを照射する位置は、膀胱頸部と精丘との間となるので、レーザを照射する時点では精丘方向を避け、挿入部軸方向に回転させた位置となり、目標である精丘を視野に入れた状態での照射は不可能となり、正確に精度良く出射できない虞がある。
【0006】
さらに、従来のレーザ照射装置は、挿入部を尿道内で固定する手段を有していないため、長時間照射中に挿入部が位置ズレを起こし、不必要な部位を加熱したり、病変部が十分に加熱されなかったりする事態が生じ、安定した治療効果が得られない虞もある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、内視鏡によりレーザ光照射位置の視認を常時可能にし、より正確で確実なレーザ光照射を行い、加熱治療の有効性を十分発揮させることができるレーザ照射装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記レーザ照射装置により達成される。
【0009】
(1)レーザ光を生体組織に照射し病変部位を加熱するレーザ照射装置において、生体内に挿入可能な長尺状の挿入部と、該挿入部に設けられた側方窓よりレーザ光を外部に出射する出射部と、前記挿入部に設けられた前方観察窓又は前記側方窓より生体を観察可能な内視鏡と、当該内視鏡により視認可能レーザ照射装置。
【0010】
(2)前記レーザ照射装置は、前記挿入部内に冷却液を注入しかつ排出できる冷却液流路を設け、前記表示手段として、前記冷却液の注入による低温時には縮径して前記挿入部の外周面に密着し、前記冷却液の注入停止による高温時には拡径して生体側に位置固定的に密着するリング部材を用いたことを特徴とする前記(1)のレーザ照射装置。
【0011】
(3)前記レーザ照射装置は、側方窓近傍に開口された噴流孔と、当該噴流孔と連通して前記挿入部内に形成された洗浄液流路とを有し、該洗浄液流路から高温の洗浄液を流すことにより前記リング部材を拡径するようにしたことを特徴とする前記(2)のレーザ照射装置。
【0012】
(4)前記リング部材は、軸方向に沿って一部が破断された断面C字状の環体により構成したことを特徴とする前記(2)又は(3)のレーザ照射装置。
【0013】
(5)前記リング部材は、網目状に形成された二方向性形状記憶合金により構成したことを特徴とする前記(2)又は(3)のレーザ照射装置。
【0014】
(6)前記レーザ照射装置は、側方窓近傍に開口された噴流孔と、当該噴流孔と連通し前記挿入部内に形成された洗浄液流路とを有し、前記表示手段として、前記挿入部の外部から前記洗浄液流路及び噴流孔を経て生体内に導かれた管体の先端から色素を放出し生体にマーキングを施すように構成したことを特徴とする特徴とする前記(1)のレーザ照射装置。
【0015】
(7)前記色素は、レーザ光を吸収しない色素である前記(6)のレーザ照射装置。
【0016】
(8)レーザ光を生体組織に照射し病変部位を加熱するレーザ照射装置において、生体内に挿入可能な長尺状の挿入部と、該挿入部に設けられた側方窓よりレーザ光を外部に出射する出射部と、前記挿入部に設けられた先端窓又は前記側方窓より生体を観察可能な内視鏡と、を有し、前記側方窓は、前記挿入部の先端部位にありかつ周方向所定領域が内視鏡により観察可能となるように複数設けたことを特徴とするレーザ照射装置。
【0017】
(9)前記側方窓は、前記挿入部の先端部位を全周にわたり内視鏡により観察可能となるように透明なカバー部材により覆ったことを特徴とする前記(8)のレーザ照射装置。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1実施形態を示す斜視図、図2は同実施形態の先端部分を示す断面図、図3は図2の3−3線に沿う断面図である。
【0019】
図1に示す実施形態は、例えば、前立腺肥大症や各種癌等の病変部にレーザ光を照射して加熱し、病変部の細胞を死滅させる側射式のレーザ照射装置1である。
【0020】
このレーザ照射装置1(通称アプリケータ)は、概説すれば、本体部2と、この本体部2に基端が取付けられ、生体内に挿入可能な長尺状の挿入部3と、レーザ光を外部に出射するレーザ光出射部4と、病変部あるいは体腔内の状態やレーザ光出射部4の位置等を観察する内視鏡5と、当該内視鏡5により視認可能な目印を生体側の所定位置に位置固定的に表示する表示手段6とを有している。
【0021】
前記本体部2は、駆動装置21と、カムボックス22と、緩衝装置23とからなり、この駆動装置21は、ケーブル24を介して電源装置と接続されたモータ(図示せず)により構成され、この駆動装置21の回転運動は、カムボックス22により後述するアーム43の長手方向往復運動に変換される。
【0022】
前記緩衝装置23は、ループ状に形成された光ファイバFが内部に収容され、光ファイバFが挿入部3内で往復運動しても、前記ループ状部分が収縮−拡大し、光ファイバFへの負荷や運動を吸収するようになっている。したがって、光ファイバFは本体部2の外部では動かない。
【0023】
前記挿入部3は、図2に示すように、ハウジング32と、カバー部材33と、先端キャップ34とを有している。ハウジング32は、前立腺肥大症の治療用として使用する場合は、全長が略尿道の長さ以上で、直径が3〜10mm程度のステンレス鋼あるいは硬質合成樹脂等からなる管状体である。先端部位にはレーザ光出射兼側方観察用の側方窓35が設けられているが、この側方窓35は、ハウジング32に開設された通孔を、レーザ光透過性がよいカバー部材33により覆っている。
【0024】
なお、本実施形態では、当該ハウジング32は、全体的にもカバー部材33により覆われている。
【0025】
ハウジング32の先端部には、ハウジング32内を閉鎖系にするために、先端キャップ34が密着されているが、この先端キャップ34には、前方を確認するための前方観察窓341が設けられている。
【0026】
このハウジング32内には、照射されるレーザ光が導かれる光ファイバFと、レーザ光を挿入部3の側方窓35から外部に照射するレーザ光出射部4と、前記光ファイバFや出射部4のアーム43等を支持する栓状部材36が設けられている。
【0027】
光ファイバFは、前記緩衝装置23から引き出され、栓状部材36に開設された光ファイバ用ルーメン361を挿通して伸延されている。
【0028】
レーザ光出射部4は、前記光ファイバFからのレーザ光を反射するための平滑な反射面41が片面に形成された一種のミラー42と、ミラー42を操作するアーム43とを有し、このアーム43は、栓状部材36に開設されたアーム用ルーメン362に挿通され、カムボックス22内のカム機構により軸方向に移動される。
【0029】
前記ミラー42は、上端がヒンジ機構を介してアーム43と連結され、下端両側端に突設された突起421がレール溝322に摺動可能に嵌合されている。このレール溝322は、前記ハウジング32内に対設された一対の壁部材321の内側壁に穿設されているが、アーム43の往復運動と非並行に形成され、アーム43の位置およびレール溝322によってミラー42の傾斜角度を変化させることができるようになっている。
【0030】
ここに、アーム43と光ファイバFは、先端部近傍が連結部材45によって連結されている。したがって、ミラー42の反射面41と光ファイバFの先端との間の相対的な位置関係は、略一定に保たれることになり、また、駆動装置21の駆動によりアーム43がカム機構により往復運動されると、連結部材45により出射部4や光ファイバFもこれに連動して往復運動することになる。
【0031】
つまり、出射部4では、ミラー42の反射面41に向かって光ファイバFからレーザ光が照射されると、その反射レーザ光が側方窓35を透過して病変部位に照射されるが、アーム43を挿入部3内で往復運動すると、連結部材45により出射部4や光ファイバFもこれに連動して往復運動することになり、前記照射位置も変位可能となる。
【0032】
図4はアーム43を往復運動させながらレーザを照射しているときの模式図である。ミラー42を先端に近い位置にセットすると、ミラー42は軸線に対して垂直に近い起立状態になり、レーザ光を小さい反射角で反射することになる。ミラー42を基部に近い位置(栓状部材36の先端に近い位置)にセットすると、ミラー42は軸線に対して並行に近い傾斜状態になり、レーザ光を大きい反射角で反射することになる。
【0033】
したがって、駆動装置21を駆動し、出射部4がミラー42の傾斜角度を変化させながら往復運動すると、レーザ光の出射位置は、常に移動するが、レーザ光の光軸は、加熱部位であるターゲット部位T内部のターゲットポイントTpに、常に集中することになり、レーザ光は、ターゲットポイントTpのみに連続的に照射でき、尿道表層N等の他の組織には、間欠的に照射されることになる。
【0034】
この結果、ターゲットポイントTpは、照射されたレーザ光により加熱され、所望温度に達することになり、ここの病変部位の組織を加温、変性、壊死、凝固、焼灼あるいは蒸散させて消滅させることができる。一方、尿道表層Nなどの他の組織は、レーザ光の照射が、いわば間欠的に行われ、受光時間は短く、発生熱量も少なく、ほとんど加熱されず、熱的影響を受けることはない。
【0035】
なお、ここで使用されるレーザ光としては、生体深達性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、波長としては、750〜1300nm又は1600〜1800nm程度が特に優れた生体深達性を有するため好ましい。この波長範囲のレーザ光を発生させるレーザ光源装置としては、たとえば、He−Neレーザ等の気体レーザ、Nd−YAGレーザ等の固体レーザ、GaAlAsレーザ等の半導体レーザ等がある。
【0036】
内視鏡5は、前記一対の壁部材321間に形成されたハウジング32の内部空間に位置する先端部分を除き、ステンレス製の保護パイプによって覆われ、直線状に保持され、破損及び湾曲から保護されている。
【0037】
この内視鏡5は、本体部2の内視鏡導入管(図示せず)を挿通し、栓状部材36の内規鏡ガイドルーメン363に挿入されているが、先端キャップ34にも内視鏡ガイドルーメン342が形成され、前方観察窓341付近まで導くことができるようにしている。
【0038】
したがって、内視鏡5は、内視鏡ガイドルーメン363及び342に沿って、挿入部3内で湾曲することなく直線形状のまま本体部2に対し安定的に長手方向に移動可能である。
【0039】
この長手方向移動により、例えば、内視鏡5を側方窓35付近に配置すれば、挿入部3の側方を観察でき、前方観察窓341付近に配置すれば、前方を観察することができる。ただし、いずれの位置にあっても観察のために好適な視野を有している。したがって、尿道表層Nの観察、観察に基づくハウジング32の位置決め、およびレーザ光照射位置の視野的な確認を容易に行うことができることになる。
【0040】
レーザ光を出射するとレーザ光出射部4やミラー42あるいはその近傍の部材が温度上昇するので、挿入部3には、レーザ光出射部4等やその近傍の生体組織に冷却液を供給することにより冷却し保護している。
【0041】
図3において、前記栓状部材36には、さらに、冷却液流入ルーメン364、冷却液流出ルーメン365および洗浄液流路366が形成されている。
【0042】
冷却液流入ルーメン364は、図1に示す冷却液流入チューブ37を介して、冷却液流出ルーメン365は、冷却液流出チューブ38を介して、図示しない冷却液循環装置に接続されているが、冷却液流入ルーメン364及び冷却液流出ルーメン365は、出射部4が配置されているハウジング32の内部空間(図3参照)に通じている。
【0043】
したがって、冷却液循環装置から送り込まれる冷却液は、冷却液流入チューブ37および冷却液流入ルーメン364を経由し、ハウジング32の内部空間に導入され、レーザ光が照射される尿道表層N、出射部4、レーザ光が透過するカバー部材33等を冷却した後、冷却液流出ルーメン365および冷却液流出チューブ38を経由し、冷却液循環装置に戻される。
【0044】
なお、レーザ光出射部4やミラー42等の各部には、温度センサが設けられ、温度センサからの信号は、信号ケーブルにより制御部に伝達され、制御部からの制御信号により冷却水流入出チューブ37,38を通って冷却液流路に冷却水が流され、挿入部3、側方窓35付近、出射部4あるいはこれら近傍の生体組織が冷却され保護されるようになっている。
【0045】
なお、冷却水としては、滅菌水又は滅菌生理食塩水が用いられる。
【0046】
洗浄液流路366は、ハウジング32内の壁部材321に形成され、図1に示す洗浄液注入口26から注入された洗浄液を、本体部2内からハウジング32内の壁部材321を通り噴流孔367より吐出するようになっている。したがって、洗浄液流路366は、ハウジング32の内部空間とは連通せず、冷却液流入ルーメン364及び冷却液流出ルーメン365とは、完全に独立であり、これにより洗浄液と冷却液とは、それぞれ別々に流通させることができる。
【0047】
特に、本発明では、内視鏡5でレーザ光照射位置を視認可能とするために、目印Mを生体側の所定位置に位置固定的に表示する表示手段6を有している。この第1実施形態に係る表示手段6は、挿入部3のハウジング32外部であって、側方窓35の先端部に着脱可能なリング部材Rにより構成されている。さらに詳述する。
【0048】
図5はハウジングの先端部分にリング部材を取付けた状態を示す斜視図、図6は同リング部材の斜視図である。
【0049】
このリング部材Rは、図5,6に示すように、形状記憶合金、バイメタル等から構成され、温度により伸縮状態が相違する2枚の板状体を張り合わせた、断面C字状の円筒体であるが、内面には、切れ目部Kを0°とした時の回転角度を示す目盛及び数字が目印Mとして表示され、内視鏡5によりこの目印Mを視認し、挿入部3の位置決め等に利用される。
【0050】
このような形状、物質からなるリング部材Rを先端に設けた挿入部3を体内に挿入すると、リング部材R自身が温度変化により半径が変化することになるが、この径方向の変化の調整は、洗浄液自体の温度を調整することにより容易に可能である。
【0051】
この洗浄液は、側方窓35の近傍に設けられた噴流孔367から流出するが、この噴流孔367は、洗浄液が側方窓35およびリング部材Rに向かって流出するように開設されているので、洗浄液を確実にリング部材Rに向かわせることができ、リング部材Rの周辺温度を変化させ、リング部材Rを簡単に伸縮させることができ、しかも側方窓35の洗浄も可能となる。
【0052】
前記リング部材Rは、温度により拡径縮径する物質であればどのようなものでもよいが、前記金属以外の物質としては、例えば、形状記憶樹脂等も使用できる。
【0053】
また、形状記憶合金を使用するものとしては、具体例には、二方向性の形状記憶合金(例えば、Ni−Ti)を使用することが好ましい。このリング部材Rも断面C字状の筒体があるが、前述の場合と同様、体温又は体温に近い温度(例えば、35℃〜37℃)では拡径し、18℃〜20℃では縮径するように構成されている。
【0054】
このリング部材Rの形状も必ずしも断面C字状である必要はなく、図7,8に示すようなものであってもよい。
【0055】
図7,8はリング部材の他の例を示す斜視図で、図7は同リング部材の縮径状態の斜視図、図8は同リング部材の拡径状態の斜視図である。
【0056】
本例のリング部材Rは、二方向性の形状記憶合金(例えば、Ni−Ti)からなる円筒体に網目rを形成するように切込みを入れた、いわゆるステントである(例えば、特開平5−84308号公報等参照)。
【0057】
このリング部材Rも、前述の断面C字状の筒体と同様、低温(例えば、18℃〜20℃)で縮径し、体温又は体温に近い高温(例えば、35℃〜37℃)で拡径する。特に、リング部材Rを網目状に構成すると、断面C字状筒体のものより内径の縮径量が大きくでき、尿道表層Nとの係合が強固になるのみでなく挿入部3との密着性も向上し、前記表示手段6としては有利である。
【0058】
しかも、網目状の交差部の内面に全周に渡り目印Mを施すと、この目印Mによりアプリケータの回転角を知ることもできる。例えば、模様あるいは異なる色を塗布すれば、模様によりあるいは色違いによりアプリケータの回転位置を手術者等に知らしめることができる。
【0059】
次に、図9を参照して本実施形態の作用を説明する。
【0060】
図9において、左図の(A)〜(E)は、断面C字状のリング部材Rを取付けた挿入部3を尿道に挿入している状態を示し、右図の(a)〜(d)は、左図の(A)〜(D)に対応して表示した、内視鏡による尿道内観察模式図であり、(a)は前方観察窓341から尿道内を観察したときの図、(b)〜(d)は側方窓35から尿道内を観察したときの図である。ただし、図9(E)に対応した内視鏡観察模式図は省略する。ここにおいて、左右方向に伸びる管状の尿道には、精丘Sが紙面の奥側に存在しており、ターゲット部位Tである前立腺側葉は、精丘付近の深部内に存在し、尿道周囲を取り囲んでいる。
【0061】
<照射の準備>
まず、レーザ照射装置1による照射の準備を行う。リング部材Rを側方窓35の先端側端部に装着し、温度が20℃に制御された冷却液を循環する。リング部材Rを側方窓35の先端側端部に装着する際には、リング部材Rの切れ目Kと側方窓35の向きを一致させて装着する。
【0062】
20℃程度の冷却水は、冷却液流入チューブ37→冷却液流入ルーメン364→ハウジング32の内部空間→冷却液流出ルーメン365→冷却液流出チューブ29と循環して流れ、出射部4やカバー部材33等を冷却するのみでなく、リング部材Rも冷却することになり、当該リング部材Rは収縮しハウジング32に密着した状態になる。
【0063】
<挿入部の挿入と位置決め>
次に、図9Aに示すように、挿入部3を尿道に挿入する。この挿入時においては、尿道表層Nより内方に僅かに突出している精丘Sが唯一の目標であるため、内視鏡5の先端を内視鏡ガイドルーメン342に配置し、前方観察窓341から前方観察を行う。つまり、図9aに示すように、尿道内周壁の可及的広い範囲を視野に入れて精丘Sを探索しながら挿入する。このようにすれば、精丘を見過ごすことは殆どない。
【0064】
前立腺部尿道に位置する精丘Sを発見した後は、内視鏡5を後退し側方窓35付近に移動する。図9Bに示すように、内視鏡5により側方観察しながら挿入部3の長手方向の位置を決めるが、側方観察の場合、図9bに示すように、側方窓35の先端にリング部材Rを確認することができる。したがって、リング部材Rの切れ目Kあるいは目盛等を基準にして、側方窓35が精丘Sと膀胱頚部Bとの間に位置するように位置決めする。
【0065】
位置決めの調節は、レーザ照射装置全体を長手方向に移動させるか又はレーザ照射装置全体を軸中心に回転させることにより行う。
【0066】
なお、この時点では、20℃程度の冷却液がハウジング32内に循環しているので、リング部材Rは体温により拡径することはなく、まだハウジング32に密着している状態である。したがって、図9bに示すように、リング部材Rの切れ目Kの間隔は狭い状態のままである。
【0067】
<リング部材Rの拡径>
ハウジング32の位置決めが完了した後に、リング部材Rの拡径を行う。この拡径は、冷却液の循環を停止し、噴流孔367から35℃程度の高温の洗浄液を流出することにより行う。体温によってもリング部材Rを拡径させることができるが、この高温の洗浄液をながすことにより確実にリング部材Rを拡径させることができる。
【0068】
この洗浄液は、洗浄液注入口26→洗浄液流路366→噴流孔367→ハウジング32と尿道との間を通って流れ、挿入部3の先端に設けられたリング部材Rを加熱し、リング部材Rを拡径する。
【0069】
この拡径によりリング部材Rは、ハウジング32から離れ、尿道表層Nに位置固定的に保持される(図9C)。リング部材Rの拡径状態は、図9cに示すように、リング部材Rの切れ目Kの間隔が広がり、大きくなっていることから良く分かる。
【0070】
ただし、このリング部材Rを保持している間、リング部材Rはその外周面が必然的に尿道表層Nに接触し、体温により加熱されることになるが、20℃程度の冷却水を挿入部3に循環すると、この加熱が防止され、リング部材Rが不必要に拡径して位置ズレし、意図しない場所にセットされる虞を防止できる。
【0071】
<レーザ照射>
次に、図9Dに示すように、ハウジング32を回転し、側方窓35を前立腺側葉に向ける。この場合、リング部材Rはハウジング32とは別体となり、尿道表層Nに位置固定的に保持されているので、ハウジング32の回転により連れ回りすることはない。したがって、ハウジング回転の際には、図9dに示すように、リング部材Rの内面に表示された回転角度の目盛を視認しつつ行うことができ、これにより正確な位置決めが可能となる。目標回転角度は、前立腺部尿道の精丘Sの位置から、例えば2箇所にレーザ照射する場合には、90°と270°が好ましい。
【0072】
ハウジング32の回転後、加熱治療を開始する。再び冷却液の循環を開始し、駆動装置21を駆動させた後、レーザ光発生装置も作動させる。発生されたレーザ光は、前述した通りターゲット部位T中のターゲットポイントTpのみに向かって照射され、ターゲットポイントTpを加熟する。
【0073】
加熱治療中は、リング部材Rは尿道表層Nに密着しており、ハウジング32との接触面積は減少している。よって、冷却液の循環を再開しても、リング部材Rは、ハウジング32と接触することによる冷却よりも、尿道表層に接触することによる加温のほうが勝り、結果として尿道表層Nに密着した固定状態が保持される。
【0074】
もし、加熱治療中に、患者や手術者が動き、レーザ照射装置1が位置ズレを起こしても、側方窓35からリング部材Rを視認することにより位置を確認することができ、これによりレーザ照射装置1の位置ズレを修正することができる。
【0075】
<後処理>
加熱治療終了後、レーザ光発生装置および駆動装置を停止し、リング部材Rを回収した後に、尿道から挿入部を抜去する。ここにおいて、リング部材の回収方法としては、噴流孔367から20℃程度の洗浄液を流し、リング部材Rを冷却することにより縮径させ、尿道表層Nから離間させるとともにハウジング32の外周面に密着固定させる(図9E)。
【0076】
このように、本実施形態によれば、リング部材Rによりレーザ光照射位置の特定が容易となり、安全な加熱治療が可能となり、治療効果を向上させることが期待でき、また、位置ズレによる括約筋へのレーザ光照射や治療効果低減などの問題も回避できる。
【0077】
<第2の実施形態>
前記第1実施形態では、内視鏡5による視認可能な目印Mを表示する表示手段6としてリング部材Rを用いたが、第2実施形態では、このようなリング部材Rは使用せず、色素を用いて目印Mを尿道表層Nに付し、これを基準としてアプリケータの挿入位置、照射位置などを調整するようにしている。
【0078】
図10は第2実施形態における挿入部を前立腺部分に挿入した状態の拡大断面図、図11,12は内視鏡による尿道内観察模式図である。なお、第2実施形態では、レーザ照射装置1の挿入部3の構成が一部相違するのみで、他の構成は第1実施形態と同じであるため、第1実施形態と共通する部材には同一符号を使用する。
【0079】
第2実施形態においては、色素注入カテーテル(図示せず)を使用する。この色素注入カテーテルは、外径が小さく中空であり自由自在に曲げることができる管体であり、先端部を洗浄液注入口26から挿入し、洗浄液流路366を通り、噴流孔367より突出する。そして、レーザ照射装置1の外部から注入した色素を先端部から吐出し、尿道表層Nに付着させ、マーキングするようにしている。
【0080】
したがって、前記洗浄液流路366及び噴流孔367としては、色素注入カテーテルを挿入できるように十分大きくすることが好ましい。
【0081】
また、ここで使用する色素としては、生体に無害で、前立腺の治療時間(例えば、1〜2時間)経過すると、生体吸収されるかそのまま尿とともに排出され、しかも、使用されるレーザを吸収しないものであることが好ましい。
【0082】
具体的には、メチレンブルー、インドシアニングリーン、エバンスブルー、クリスタルバイオレット等を用いることが好ましいが、これら色素は、それぞれ使用されるレーザの波長によって吸収率が異なるため、使用するレーザの波長域により各色素を使い分け、当該レーザの波長帯に吸収を持たない色素を使用する必要がある。
【0083】
次に、第2実施形態の作用を説明する。
【0084】
まず、前立腺部尿道に位置する精丘Sを前方観察窓341の内視鏡画像によって確認し(前方観察)、その位置のまま側方窓35からの視野(側方観察)に切り換える(図10に示す状態)。
【0085】
側方観察により、その位置を確認しながら、尿道長手方向の挿入位置を決める。挿入位置は、側方窓35が精丘Sと膀胱頚部Bの間となる位置が好ましい。
【0086】
次に、噴流孔367を精丘Sの位置に合わせる。図11に示すように、上部にミラー42の反射面41が、下部に尿道表層N及び精丘Sが位置する状態となる。
【0087】
この位置合わせ後、ハウジング32を回転させながら、レーザ照射の妨げにならない色素にて全周的に尿道表層Nに色素注入を行う。側方窓35がどの方向を向いていても精丘Sの位置を確認し判断できるように、精丘がある前立腺部尿道に周方向に沿って間欠的に色素注入し、マーキングを施す。例えば、図11の状態から90°時計方向に回転すると、図12に示すように、右側にミラー42の反射面41が、左側に尿道表層Nに色素が目印Mとしてマーキングされた状態となる。
【0088】
この色素注入は、色素注入カテーテルを洗浄液注入口26から挿入し、洗浄液流路366を通り、先端部が噴流孔367に到達すると開始するが、色素注入カテーテルの先端部が噴流孔367から突出し、尿道表層Nに接触するように位置した時点、つまりカテーテルの先端部が尿道表層Nに直接接触した時点で注入を行う。マーキングは視認できる最小限の量で充分である。
【0089】
全周にわたり間欠的に数箇所のマーキングを終えると、色素注入カテーテルは抜去する。そして、ハウジング32を回転し、側方窓35を前立腺側葉に向けてレーザ照射を行い、治療を開始する。この治療中、常に側方窓35にはマーキングした目印Mが視認できるので、ハウジング32の前後方向の位置を確認しつつレーザ照射ができる。
【0090】
したがって、本実施形態では、内視鏡画像において、目印Mを指標に照射でき、照射中の位置ズレも防止でき、位置ズレによる括約筋へのレーザ光照射や治療効果低減などの問題を回避することができる。
【0091】
このように本実施形態では、温度の異なる洗浄液を使用することがなく、比較的簡易な手段で正確なレーザ光照射が可能となる。
【0092】
<第3の実施形態>
前記第1,2実施形態では、リング部材Rあるいは色素注入により目印Mを付す表示手段6を使用し、レーザ光照射位置の特定等を行っているが、第3実施形態では、表示手段6として精丘Sを利用し、これを目印Mとして内視鏡5により直接目視し、レーザ光照射位置等を特定する。
【0093】
図13は第3実施形態における挿入部を前立腺部分に挿入した状態の拡大断面図、図14は図13の14−14線に沿う断面図、図15は図13の状態から90°時計方向に回転した状態の尿道内観察模式図である。なお、本実施形態でも、第1,第2実施形態と共通する部材には同一符号を使用する。
【0094】
第1,第2実施形態では、比較的大きな中心角を有する側方窓35が1つ設けられているのみであるが、本実施形態では、表示手段6として精丘Sを利用するので、より目視できる範囲を広げることが好ましく、このため、前記側方窓35は全周的に配置されている。
【0095】
つまり、本実施形態では、図13に示すように、前記挿入部3の先端部位下方に大きな第1の側方窓35aを設け、この側方窓35aの中心位置から90°〜120°の位置に中心位置を有する第2,3の側方窓35b,35cを形成し、側方観察時の内視鏡5による視野を妨げない透明なカバー部材33により覆っている。ただし、この第2,3の側方窓35b,35cは、90°〜120°に限定されるものではなく、また尿道内表面が全周的に観察できればよいため、軸方向長さは前記第1の側方窓35aほど長くする必要はない。しかし、第1の側方窓35aと同様長くしてもよいことは言うまでもない。
【0096】
このように構成した本実施形態に係る挿入部3を尿道内に挿入するときには、前記第2実施形態と同様に挿入して長手方向の挿入位置を決める。つまり、内視鏡5による前方窓341からの前方観察により精丘Sを確認後、第1の側方窓35aからの側方観察によって第1の側方窓35aが精丘Sと膀胱頸部Bの間にくる位置に位置決めを行う(図13に示す状態)。
【0097】
次に、ハウジング32の回転により、第1の側方窓35aを前立腺側葉に向ける(図15参照)。このとき、精丘Sは、第2,3の側方窓35b,35cにより、常に内視鏡画像によって視認され、治療中の位置ズレを確認し位置修正することが可能となる。
【0098】
本実施形態の側方窓35b,35cは、内視鏡5により精丘Sの観察ができれば、どのようなものであっても良く、例えば、第1,2,3のすべての側方窓35a,35b,35cを、例えば、図14に示すように3つ均等に配置してもよく、あるいはさらに多数配置してもよい。
【0099】
特に、1つの側方窓の大きさを大きなものとするかあるいは軸方向所定区間は全体が仕切り部分のない側方窓とし、これを透明なカバー部材により覆えば、内視鏡による観察が前記挿入部の先端部位を全周にわたり可能となり、一層容易に精丘Sを直接観察して内視鏡5の視野に捕らえることができる。
【0100】
いずれにしても、治療中如何を問わず、精丘Sを直接観察して内視鏡5の視野に確実に捕らえることができればよく、このようにすることにより照射中の位置ズレに注意すれば、安全に加熱治療が可能となり、位置ズレによる括約筋へのレーザ光照射や治療効果低減などの問題を回避することができる。また、前記実施形態のようにリング部材Rあるいは色素注入という他の手段を使用しなくても、ハウジング32をセットする位置、レーザ照射する位置等の設定が容易にできることになる。しかも、視野も広がるので、尿道内部の様子も観察でき、治療面のみでなく診察の面でも有効なものとなる。
【0101】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、表示手段は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、生体内に一定時間に設置されると、溶解する水溶性のものであっても良く,またその断面あるいは外形形状などもどのようなものであってもよい。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、内視鏡により視認可能な目印を生体側の所定位置に位置固定的に表示する表示手段を設けたので、治療中でも、内視鏡により目印で位置を確認しつつレーザ光の照射ができ、照射位置の視認を常時可能となり、照射中の位置ズレも防止でき、より正確で確実なレーザ光照射を行い、加熱治療の有効性を十分発揮させることができる。
【0103】
請求項2の発明によれば、表示手段として、低温時に縮径し、高温時に拡径するリング部材を用いたので、前項の効果に加え、挿入部を生体に挿入あるいは抜去するとき、何ら問題なく行うことができる。
【0104】
請求項3の発明によれば、低温時に縮径し、高温時に拡径するリング部材を表示手段として用いるとき、高温の洗浄液でリング部材を拡径するので、前項の効果に加え、リング部材の拡径作動をより確実に行うことができる。
【0105】
請求項4の発明によれば、前記リング部材を断面C字状の環体により構成したので、加熱冷却のみによりリング部材を挿入部に対し密着離反でき、前項の効果に加え、レーザ光による治療をより円滑かつ安全に行うことができる。
【0106】
請求項5の発明によれば、前記リング部材を網目状に形成された二方向性形状記憶合金により構成したので、高低温時の拡縮性の差が大きく、治療中生体内で変位することはなく係止が確実で、円滑な治療ができる。
【0107】
請求項6の発明では、表示手段として、外部から噴流孔及び洗浄液流路を経て生体内に導く管体の先端から色素を生体に放出しマーキングするものとしたので、加熱冷却することなく所望の位置にマーキングでき、前項の効果に加え、レーザ光による治療をより円滑かつ安全に行うことができる。
【0108】
請求項7の発明では、レーザ光を吸収しない色素を用いたので、局所的な発熱を防止でき、より構成が簡素化され、安全な操作が可能となる。
【0109】
請求項8,9の発明では、生体内に存在するものを目印として利用し、これを、挿入部の先端部位で周方向に複数設けられた側方窓により観察できるようにしたので、加熱冷却やマーキングを行うことなく、きわめて簡単に目印を観察でき、コスト的にも有利な装置となる。特に、直接目印を観察することで照射中の位置ズレに注意できるので、より安全に加熱治療が可能となり、位置ズレによる治療効果低減などの問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】同実施形態の先端部分を示す断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿う断面図である。
【図4】アームを往復運動させながらレーザを照射しているときの模式図である。
【図5】ハウジングの先端部分にリング部材を取付けた状態を示す斜視図である。
【図6】同リング部材の斜視図である。
【図7】同リング部材の他の例を示す斜視図である。
【図8】同リング部材の拡径状態の斜視図である。
【図9】挿入部の挿入状態とリング部材の状態を示し、左図の(A)〜(E)は、断面C字状のリング部材を取付けた挿入部を尿道に挿入している状態を示し、右図の(a)〜(d)は、前記(A)〜(D)に対応して表示した内視鏡による尿道内観察模式図である。
【図10】本発明の第2実施形態における挿入部を前立腺部分に挿入した状態の拡大断面図である。
【図11】同実施形態の内視鏡による尿道内観察模式図である。
【図12】同実施形態の内視鏡による尿道内観察模式図である。
【図13】本発明の第3実施形態における挿入部を前立腺部分に挿入した状態の拡大断面図である。
【図14】図13の14−14線に沿う断面図である。
【図15】尿道内観察模式図である。
【符号の説明】
1…レーザ照射装置、
2…本体部、
3…挿入部、
341…前方観察窓、
35,35a,35b,35c…側方窓、
33…カバー部材、
364…冷却液流入ルーメン、
365…冷却液流出ルーメン、
366…洗浄液流路、
367…噴流孔、
4…出射部、
5…内視鏡、
6…表示手段、
F…光ファイバ、
M…目印、
N…尿道表層、
R…リング部材、
Tp…ターゲットポイント。
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内に挿入部を挿入し、レーザ光出射部からレーザ光を生体組織に照射して加熱治療を行うレーザ照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、レーザ照射装置は、血管、消化管、尿道、腹腔、胸口等の生体内腔又は管腔等という体腔を利用しあるいは生体に小切開を施すことによって生体内に細くて長尺な挿入部を挿入し、この挿入部に設けられたレーザ光出射部から生体組織の表層又はその近傍に位置する病変部位に、1箇所又は複数箇所からレーザ光を直接出射し、その病変部位の組織を加温、変性、壊死、凝固、焼灼あるいは蒸散させて消滅させるものである。
【0003】
例えば、生体組織の深部の治療となる、前立腺肥大の治療に用いる場合は、手術者が、自らの操作で経尿道的に挿入部を挿入し、内視鏡で尿道内を観察しながらレーザ光出射部を前立腺部尿道(前立腺に囲まれた部分の尿道)に位置させ、病変部位に向けてレーザ光を照射することにより病変部位の細胞を死滅させて肥大を小さくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、出射部を前立腺部尿道に位置決めする場合には、その基準となるものは精丘しか存在せず、精丘を見過ごすと、もはや尿道内で出射部が軸線方向どの位置にあるかあるいは周方向どの位置にあるかなどを確認することが困難となる。
【0005】
また、精丘を確認しつつ挿入部を挿入しても、レーザを照射する位置は、膀胱頸部と精丘との間となるので、レーザを照射する時点では精丘方向を避け、挿入部軸方向に回転させた位置となり、目標である精丘を視野に入れた状態での照射は不可能となり、正確に精度良く出射できない虞がある。
【0006】
さらに、従来のレーザ照射装置は、挿入部を尿道内で固定する手段を有していないため、長時間照射中に挿入部が位置ズレを起こし、不必要な部位を加熱したり、病変部が十分に加熱されなかったりする事態が生じ、安定した治療効果が得られない虞もある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、内視鏡によりレーザ光照射位置の視認を常時可能にし、より正確で確実なレーザ光照射を行い、加熱治療の有効性を十分発揮させることができるレーザ照射装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記レーザ照射装置により達成される。
【0009】
(1)レーザ光を生体組織に照射し病変部位を加熱するレーザ照射装置において、生体内に挿入可能な長尺状の挿入部と、該挿入部に設けられた側方窓よりレーザ光を外部に出射する出射部と、前記挿入部に設けられた前方観察窓又は前記側方窓より生体を観察可能な内視鏡と、当該内視鏡により視認可能レーザ照射装置。
【0010】
(2)前記レーザ照射装置は、前記挿入部内に冷却液を注入しかつ排出できる冷却液流路を設け、前記表示手段として、前記冷却液の注入による低温時には縮径して前記挿入部の外周面に密着し、前記冷却液の注入停止による高温時には拡径して生体側に位置固定的に密着するリング部材を用いたことを特徴とする前記(1)のレーザ照射装置。
【0011】
(3)前記レーザ照射装置は、側方窓近傍に開口された噴流孔と、当該噴流孔と連通して前記挿入部内に形成された洗浄液流路とを有し、該洗浄液流路から高温の洗浄液を流すことにより前記リング部材を拡径するようにしたことを特徴とする前記(2)のレーザ照射装置。
【0012】
(4)前記リング部材は、軸方向に沿って一部が破断された断面C字状の環体により構成したことを特徴とする前記(2)又は(3)のレーザ照射装置。
【0013】
(5)前記リング部材は、網目状に形成された二方向性形状記憶合金により構成したことを特徴とする前記(2)又は(3)のレーザ照射装置。
【0014】
(6)前記レーザ照射装置は、側方窓近傍に開口された噴流孔と、当該噴流孔と連通し前記挿入部内に形成された洗浄液流路とを有し、前記表示手段として、前記挿入部の外部から前記洗浄液流路及び噴流孔を経て生体内に導かれた管体の先端から色素を放出し生体にマーキングを施すように構成したことを特徴とする特徴とする前記(1)のレーザ照射装置。
【0015】
(7)前記色素は、レーザ光を吸収しない色素である前記(6)のレーザ照射装置。
【0016】
(8)レーザ光を生体組織に照射し病変部位を加熱するレーザ照射装置において、生体内に挿入可能な長尺状の挿入部と、該挿入部に設けられた側方窓よりレーザ光を外部に出射する出射部と、前記挿入部に設けられた先端窓又は前記側方窓より生体を観察可能な内視鏡と、を有し、前記側方窓は、前記挿入部の先端部位にありかつ周方向所定領域が内視鏡により観察可能となるように複数設けたことを特徴とするレーザ照射装置。
【0017】
(9)前記側方窓は、前記挿入部の先端部位を全周にわたり内視鏡により観察可能となるように透明なカバー部材により覆ったことを特徴とする前記(8)のレーザ照射装置。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1実施形態を示す斜視図、図2は同実施形態の先端部分を示す断面図、図3は図2の3−3線に沿う断面図である。
【0019】
図1に示す実施形態は、例えば、前立腺肥大症や各種癌等の病変部にレーザ光を照射して加熱し、病変部の細胞を死滅させる側射式のレーザ照射装置1である。
【0020】
このレーザ照射装置1(通称アプリケータ)は、概説すれば、本体部2と、この本体部2に基端が取付けられ、生体内に挿入可能な長尺状の挿入部3と、レーザ光を外部に出射するレーザ光出射部4と、病変部あるいは体腔内の状態やレーザ光出射部4の位置等を観察する内視鏡5と、当該内視鏡5により視認可能な目印を生体側の所定位置に位置固定的に表示する表示手段6とを有している。
【0021】
前記本体部2は、駆動装置21と、カムボックス22と、緩衝装置23とからなり、この駆動装置21は、ケーブル24を介して電源装置と接続されたモータ(図示せず)により構成され、この駆動装置21の回転運動は、カムボックス22により後述するアーム43の長手方向往復運動に変換される。
【0022】
前記緩衝装置23は、ループ状に形成された光ファイバFが内部に収容され、光ファイバFが挿入部3内で往復運動しても、前記ループ状部分が収縮−拡大し、光ファイバFへの負荷や運動を吸収するようになっている。したがって、光ファイバFは本体部2の外部では動かない。
【0023】
前記挿入部3は、図2に示すように、ハウジング32と、カバー部材33と、先端キャップ34とを有している。ハウジング32は、前立腺肥大症の治療用として使用する場合は、全長が略尿道の長さ以上で、直径が3〜10mm程度のステンレス鋼あるいは硬質合成樹脂等からなる管状体である。先端部位にはレーザ光出射兼側方観察用の側方窓35が設けられているが、この側方窓35は、ハウジング32に開設された通孔を、レーザ光透過性がよいカバー部材33により覆っている。
【0024】
なお、本実施形態では、当該ハウジング32は、全体的にもカバー部材33により覆われている。
【0025】
ハウジング32の先端部には、ハウジング32内を閉鎖系にするために、先端キャップ34が密着されているが、この先端キャップ34には、前方を確認するための前方観察窓341が設けられている。
【0026】
このハウジング32内には、照射されるレーザ光が導かれる光ファイバFと、レーザ光を挿入部3の側方窓35から外部に照射するレーザ光出射部4と、前記光ファイバFや出射部4のアーム43等を支持する栓状部材36が設けられている。
【0027】
光ファイバFは、前記緩衝装置23から引き出され、栓状部材36に開設された光ファイバ用ルーメン361を挿通して伸延されている。
【0028】
レーザ光出射部4は、前記光ファイバFからのレーザ光を反射するための平滑な反射面41が片面に形成された一種のミラー42と、ミラー42を操作するアーム43とを有し、このアーム43は、栓状部材36に開設されたアーム用ルーメン362に挿通され、カムボックス22内のカム機構により軸方向に移動される。
【0029】
前記ミラー42は、上端がヒンジ機構を介してアーム43と連結され、下端両側端に突設された突起421がレール溝322に摺動可能に嵌合されている。このレール溝322は、前記ハウジング32内に対設された一対の壁部材321の内側壁に穿設されているが、アーム43の往復運動と非並行に形成され、アーム43の位置およびレール溝322によってミラー42の傾斜角度を変化させることができるようになっている。
【0030】
ここに、アーム43と光ファイバFは、先端部近傍が連結部材45によって連結されている。したがって、ミラー42の反射面41と光ファイバFの先端との間の相対的な位置関係は、略一定に保たれることになり、また、駆動装置21の駆動によりアーム43がカム機構により往復運動されると、連結部材45により出射部4や光ファイバFもこれに連動して往復運動することになる。
【0031】
つまり、出射部4では、ミラー42の反射面41に向かって光ファイバFからレーザ光が照射されると、その反射レーザ光が側方窓35を透過して病変部位に照射されるが、アーム43を挿入部3内で往復運動すると、連結部材45により出射部4や光ファイバFもこれに連動して往復運動することになり、前記照射位置も変位可能となる。
【0032】
図4はアーム43を往復運動させながらレーザを照射しているときの模式図である。ミラー42を先端に近い位置にセットすると、ミラー42は軸線に対して垂直に近い起立状態になり、レーザ光を小さい反射角で反射することになる。ミラー42を基部に近い位置(栓状部材36の先端に近い位置)にセットすると、ミラー42は軸線に対して並行に近い傾斜状態になり、レーザ光を大きい反射角で反射することになる。
【0033】
したがって、駆動装置21を駆動し、出射部4がミラー42の傾斜角度を変化させながら往復運動すると、レーザ光の出射位置は、常に移動するが、レーザ光の光軸は、加熱部位であるターゲット部位T内部のターゲットポイントTpに、常に集中することになり、レーザ光は、ターゲットポイントTpのみに連続的に照射でき、尿道表層N等の他の組織には、間欠的に照射されることになる。
【0034】
この結果、ターゲットポイントTpは、照射されたレーザ光により加熱され、所望温度に達することになり、ここの病変部位の組織を加温、変性、壊死、凝固、焼灼あるいは蒸散させて消滅させることができる。一方、尿道表層Nなどの他の組織は、レーザ光の照射が、いわば間欠的に行われ、受光時間は短く、発生熱量も少なく、ほとんど加熱されず、熱的影響を受けることはない。
【0035】
なお、ここで使用されるレーザ光としては、生体深達性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、波長としては、750〜1300nm又は1600〜1800nm程度が特に優れた生体深達性を有するため好ましい。この波長範囲のレーザ光を発生させるレーザ光源装置としては、たとえば、He−Neレーザ等の気体レーザ、Nd−YAGレーザ等の固体レーザ、GaAlAsレーザ等の半導体レーザ等がある。
【0036】
内視鏡5は、前記一対の壁部材321間に形成されたハウジング32の内部空間に位置する先端部分を除き、ステンレス製の保護パイプによって覆われ、直線状に保持され、破損及び湾曲から保護されている。
【0037】
この内視鏡5は、本体部2の内視鏡導入管(図示せず)を挿通し、栓状部材36の内規鏡ガイドルーメン363に挿入されているが、先端キャップ34にも内視鏡ガイドルーメン342が形成され、前方観察窓341付近まで導くことができるようにしている。
【0038】
したがって、内視鏡5は、内視鏡ガイドルーメン363及び342に沿って、挿入部3内で湾曲することなく直線形状のまま本体部2に対し安定的に長手方向に移動可能である。
【0039】
この長手方向移動により、例えば、内視鏡5を側方窓35付近に配置すれば、挿入部3の側方を観察でき、前方観察窓341付近に配置すれば、前方を観察することができる。ただし、いずれの位置にあっても観察のために好適な視野を有している。したがって、尿道表層Nの観察、観察に基づくハウジング32の位置決め、およびレーザ光照射位置の視野的な確認を容易に行うことができることになる。
【0040】
レーザ光を出射するとレーザ光出射部4やミラー42あるいはその近傍の部材が温度上昇するので、挿入部3には、レーザ光出射部4等やその近傍の生体組織に冷却液を供給することにより冷却し保護している。
【0041】
図3において、前記栓状部材36には、さらに、冷却液流入ルーメン364、冷却液流出ルーメン365および洗浄液流路366が形成されている。
【0042】
冷却液流入ルーメン364は、図1に示す冷却液流入チューブ37を介して、冷却液流出ルーメン365は、冷却液流出チューブ38を介して、図示しない冷却液循環装置に接続されているが、冷却液流入ルーメン364及び冷却液流出ルーメン365は、出射部4が配置されているハウジング32の内部空間(図3参照)に通じている。
【0043】
したがって、冷却液循環装置から送り込まれる冷却液は、冷却液流入チューブ37および冷却液流入ルーメン364を経由し、ハウジング32の内部空間に導入され、レーザ光が照射される尿道表層N、出射部4、レーザ光が透過するカバー部材33等を冷却した後、冷却液流出ルーメン365および冷却液流出チューブ38を経由し、冷却液循環装置に戻される。
【0044】
なお、レーザ光出射部4やミラー42等の各部には、温度センサが設けられ、温度センサからの信号は、信号ケーブルにより制御部に伝達され、制御部からの制御信号により冷却水流入出チューブ37,38を通って冷却液流路に冷却水が流され、挿入部3、側方窓35付近、出射部4あるいはこれら近傍の生体組織が冷却され保護されるようになっている。
【0045】
なお、冷却水としては、滅菌水又は滅菌生理食塩水が用いられる。
【0046】
洗浄液流路366は、ハウジング32内の壁部材321に形成され、図1に示す洗浄液注入口26から注入された洗浄液を、本体部2内からハウジング32内の壁部材321を通り噴流孔367より吐出するようになっている。したがって、洗浄液流路366は、ハウジング32の内部空間とは連通せず、冷却液流入ルーメン364及び冷却液流出ルーメン365とは、完全に独立であり、これにより洗浄液と冷却液とは、それぞれ別々に流通させることができる。
【0047】
特に、本発明では、内視鏡5でレーザ光照射位置を視認可能とするために、目印Mを生体側の所定位置に位置固定的に表示する表示手段6を有している。この第1実施形態に係る表示手段6は、挿入部3のハウジング32外部であって、側方窓35の先端部に着脱可能なリング部材Rにより構成されている。さらに詳述する。
【0048】
図5はハウジングの先端部分にリング部材を取付けた状態を示す斜視図、図6は同リング部材の斜視図である。
【0049】
このリング部材Rは、図5,6に示すように、形状記憶合金、バイメタル等から構成され、温度により伸縮状態が相違する2枚の板状体を張り合わせた、断面C字状の円筒体であるが、内面には、切れ目部Kを0°とした時の回転角度を示す目盛及び数字が目印Mとして表示され、内視鏡5によりこの目印Mを視認し、挿入部3の位置決め等に利用される。
【0050】
このような形状、物質からなるリング部材Rを先端に設けた挿入部3を体内に挿入すると、リング部材R自身が温度変化により半径が変化することになるが、この径方向の変化の調整は、洗浄液自体の温度を調整することにより容易に可能である。
【0051】
この洗浄液は、側方窓35の近傍に設けられた噴流孔367から流出するが、この噴流孔367は、洗浄液が側方窓35およびリング部材Rに向かって流出するように開設されているので、洗浄液を確実にリング部材Rに向かわせることができ、リング部材Rの周辺温度を変化させ、リング部材Rを簡単に伸縮させることができ、しかも側方窓35の洗浄も可能となる。
【0052】
前記リング部材Rは、温度により拡径縮径する物質であればどのようなものでもよいが、前記金属以外の物質としては、例えば、形状記憶樹脂等も使用できる。
【0053】
また、形状記憶合金を使用するものとしては、具体例には、二方向性の形状記憶合金(例えば、Ni−Ti)を使用することが好ましい。このリング部材Rも断面C字状の筒体があるが、前述の場合と同様、体温又は体温に近い温度(例えば、35℃〜37℃)では拡径し、18℃〜20℃では縮径するように構成されている。
【0054】
このリング部材Rの形状も必ずしも断面C字状である必要はなく、図7,8に示すようなものであってもよい。
【0055】
図7,8はリング部材の他の例を示す斜視図で、図7は同リング部材の縮径状態の斜視図、図8は同リング部材の拡径状態の斜視図である。
【0056】
本例のリング部材Rは、二方向性の形状記憶合金(例えば、Ni−Ti)からなる円筒体に網目rを形成するように切込みを入れた、いわゆるステントである(例えば、特開平5−84308号公報等参照)。
【0057】
このリング部材Rも、前述の断面C字状の筒体と同様、低温(例えば、18℃〜20℃)で縮径し、体温又は体温に近い高温(例えば、35℃〜37℃)で拡径する。特に、リング部材Rを網目状に構成すると、断面C字状筒体のものより内径の縮径量が大きくでき、尿道表層Nとの係合が強固になるのみでなく挿入部3との密着性も向上し、前記表示手段6としては有利である。
【0058】
しかも、網目状の交差部の内面に全周に渡り目印Mを施すと、この目印Mによりアプリケータの回転角を知ることもできる。例えば、模様あるいは異なる色を塗布すれば、模様によりあるいは色違いによりアプリケータの回転位置を手術者等に知らしめることができる。
【0059】
次に、図9を参照して本実施形態の作用を説明する。
【0060】
図9において、左図の(A)〜(E)は、断面C字状のリング部材Rを取付けた挿入部3を尿道に挿入している状態を示し、右図の(a)〜(d)は、左図の(A)〜(D)に対応して表示した、内視鏡による尿道内観察模式図であり、(a)は前方観察窓341から尿道内を観察したときの図、(b)〜(d)は側方窓35から尿道内を観察したときの図である。ただし、図9(E)に対応した内視鏡観察模式図は省略する。ここにおいて、左右方向に伸びる管状の尿道には、精丘Sが紙面の奥側に存在しており、ターゲット部位Tである前立腺側葉は、精丘付近の深部内に存在し、尿道周囲を取り囲んでいる。
【0061】
<照射の準備>
まず、レーザ照射装置1による照射の準備を行う。リング部材Rを側方窓35の先端側端部に装着し、温度が20℃に制御された冷却液を循環する。リング部材Rを側方窓35の先端側端部に装着する際には、リング部材Rの切れ目Kと側方窓35の向きを一致させて装着する。
【0062】
20℃程度の冷却水は、冷却液流入チューブ37→冷却液流入ルーメン364→ハウジング32の内部空間→冷却液流出ルーメン365→冷却液流出チューブ29と循環して流れ、出射部4やカバー部材33等を冷却するのみでなく、リング部材Rも冷却することになり、当該リング部材Rは収縮しハウジング32に密着した状態になる。
【0063】
<挿入部の挿入と位置決め>
次に、図9Aに示すように、挿入部3を尿道に挿入する。この挿入時においては、尿道表層Nより内方に僅かに突出している精丘Sが唯一の目標であるため、内視鏡5の先端を内視鏡ガイドルーメン342に配置し、前方観察窓341から前方観察を行う。つまり、図9aに示すように、尿道内周壁の可及的広い範囲を視野に入れて精丘Sを探索しながら挿入する。このようにすれば、精丘を見過ごすことは殆どない。
【0064】
前立腺部尿道に位置する精丘Sを発見した後は、内視鏡5を後退し側方窓35付近に移動する。図9Bに示すように、内視鏡5により側方観察しながら挿入部3の長手方向の位置を決めるが、側方観察の場合、図9bに示すように、側方窓35の先端にリング部材Rを確認することができる。したがって、リング部材Rの切れ目Kあるいは目盛等を基準にして、側方窓35が精丘Sと膀胱頚部Bとの間に位置するように位置決めする。
【0065】
位置決めの調節は、レーザ照射装置全体を長手方向に移動させるか又はレーザ照射装置全体を軸中心に回転させることにより行う。
【0066】
なお、この時点では、20℃程度の冷却液がハウジング32内に循環しているので、リング部材Rは体温により拡径することはなく、まだハウジング32に密着している状態である。したがって、図9bに示すように、リング部材Rの切れ目Kの間隔は狭い状態のままである。
【0067】
<リング部材Rの拡径>
ハウジング32の位置決めが完了した後に、リング部材Rの拡径を行う。この拡径は、冷却液の循環を停止し、噴流孔367から35℃程度の高温の洗浄液を流出することにより行う。体温によってもリング部材Rを拡径させることができるが、この高温の洗浄液をながすことにより確実にリング部材Rを拡径させることができる。
【0068】
この洗浄液は、洗浄液注入口26→洗浄液流路366→噴流孔367→ハウジング32と尿道との間を通って流れ、挿入部3の先端に設けられたリング部材Rを加熱し、リング部材Rを拡径する。
【0069】
この拡径によりリング部材Rは、ハウジング32から離れ、尿道表層Nに位置固定的に保持される(図9C)。リング部材Rの拡径状態は、図9cに示すように、リング部材Rの切れ目Kの間隔が広がり、大きくなっていることから良く分かる。
【0070】
ただし、このリング部材Rを保持している間、リング部材Rはその外周面が必然的に尿道表層Nに接触し、体温により加熱されることになるが、20℃程度の冷却水を挿入部3に循環すると、この加熱が防止され、リング部材Rが不必要に拡径して位置ズレし、意図しない場所にセットされる虞を防止できる。
【0071】
<レーザ照射>
次に、図9Dに示すように、ハウジング32を回転し、側方窓35を前立腺側葉に向ける。この場合、リング部材Rはハウジング32とは別体となり、尿道表層Nに位置固定的に保持されているので、ハウジング32の回転により連れ回りすることはない。したがって、ハウジング回転の際には、図9dに示すように、リング部材Rの内面に表示された回転角度の目盛を視認しつつ行うことができ、これにより正確な位置決めが可能となる。目標回転角度は、前立腺部尿道の精丘Sの位置から、例えば2箇所にレーザ照射する場合には、90°と270°が好ましい。
【0072】
ハウジング32の回転後、加熱治療を開始する。再び冷却液の循環を開始し、駆動装置21を駆動させた後、レーザ光発生装置も作動させる。発生されたレーザ光は、前述した通りターゲット部位T中のターゲットポイントTpのみに向かって照射され、ターゲットポイントTpを加熟する。
【0073】
加熱治療中は、リング部材Rは尿道表層Nに密着しており、ハウジング32との接触面積は減少している。よって、冷却液の循環を再開しても、リング部材Rは、ハウジング32と接触することによる冷却よりも、尿道表層に接触することによる加温のほうが勝り、結果として尿道表層Nに密着した固定状態が保持される。
【0074】
もし、加熱治療中に、患者や手術者が動き、レーザ照射装置1が位置ズレを起こしても、側方窓35からリング部材Rを視認することにより位置を確認することができ、これによりレーザ照射装置1の位置ズレを修正することができる。
【0075】
<後処理>
加熱治療終了後、レーザ光発生装置および駆動装置を停止し、リング部材Rを回収した後に、尿道から挿入部を抜去する。ここにおいて、リング部材の回収方法としては、噴流孔367から20℃程度の洗浄液を流し、リング部材Rを冷却することにより縮径させ、尿道表層Nから離間させるとともにハウジング32の外周面に密着固定させる(図9E)。
【0076】
このように、本実施形態によれば、リング部材Rによりレーザ光照射位置の特定が容易となり、安全な加熱治療が可能となり、治療効果を向上させることが期待でき、また、位置ズレによる括約筋へのレーザ光照射や治療効果低減などの問題も回避できる。
【0077】
<第2の実施形態>
前記第1実施形態では、内視鏡5による視認可能な目印Mを表示する表示手段6としてリング部材Rを用いたが、第2実施形態では、このようなリング部材Rは使用せず、色素を用いて目印Mを尿道表層Nに付し、これを基準としてアプリケータの挿入位置、照射位置などを調整するようにしている。
【0078】
図10は第2実施形態における挿入部を前立腺部分に挿入した状態の拡大断面図、図11,12は内視鏡による尿道内観察模式図である。なお、第2実施形態では、レーザ照射装置1の挿入部3の構成が一部相違するのみで、他の構成は第1実施形態と同じであるため、第1実施形態と共通する部材には同一符号を使用する。
【0079】
第2実施形態においては、色素注入カテーテル(図示せず)を使用する。この色素注入カテーテルは、外径が小さく中空であり自由自在に曲げることができる管体であり、先端部を洗浄液注入口26から挿入し、洗浄液流路366を通り、噴流孔367より突出する。そして、レーザ照射装置1の外部から注入した色素を先端部から吐出し、尿道表層Nに付着させ、マーキングするようにしている。
【0080】
したがって、前記洗浄液流路366及び噴流孔367としては、色素注入カテーテルを挿入できるように十分大きくすることが好ましい。
【0081】
また、ここで使用する色素としては、生体に無害で、前立腺の治療時間(例えば、1〜2時間)経過すると、生体吸収されるかそのまま尿とともに排出され、しかも、使用されるレーザを吸収しないものであることが好ましい。
【0082】
具体的には、メチレンブルー、インドシアニングリーン、エバンスブルー、クリスタルバイオレット等を用いることが好ましいが、これら色素は、それぞれ使用されるレーザの波長によって吸収率が異なるため、使用するレーザの波長域により各色素を使い分け、当該レーザの波長帯に吸収を持たない色素を使用する必要がある。
【0083】
次に、第2実施形態の作用を説明する。
【0084】
まず、前立腺部尿道に位置する精丘Sを前方観察窓341の内視鏡画像によって確認し(前方観察)、その位置のまま側方窓35からの視野(側方観察)に切り換える(図10に示す状態)。
【0085】
側方観察により、その位置を確認しながら、尿道長手方向の挿入位置を決める。挿入位置は、側方窓35が精丘Sと膀胱頚部Bの間となる位置が好ましい。
【0086】
次に、噴流孔367を精丘Sの位置に合わせる。図11に示すように、上部にミラー42の反射面41が、下部に尿道表層N及び精丘Sが位置する状態となる。
【0087】
この位置合わせ後、ハウジング32を回転させながら、レーザ照射の妨げにならない色素にて全周的に尿道表層Nに色素注入を行う。側方窓35がどの方向を向いていても精丘Sの位置を確認し判断できるように、精丘がある前立腺部尿道に周方向に沿って間欠的に色素注入し、マーキングを施す。例えば、図11の状態から90°時計方向に回転すると、図12に示すように、右側にミラー42の反射面41が、左側に尿道表層Nに色素が目印Mとしてマーキングされた状態となる。
【0088】
この色素注入は、色素注入カテーテルを洗浄液注入口26から挿入し、洗浄液流路366を通り、先端部が噴流孔367に到達すると開始するが、色素注入カテーテルの先端部が噴流孔367から突出し、尿道表層Nに接触するように位置した時点、つまりカテーテルの先端部が尿道表層Nに直接接触した時点で注入を行う。マーキングは視認できる最小限の量で充分である。
【0089】
全周にわたり間欠的に数箇所のマーキングを終えると、色素注入カテーテルは抜去する。そして、ハウジング32を回転し、側方窓35を前立腺側葉に向けてレーザ照射を行い、治療を開始する。この治療中、常に側方窓35にはマーキングした目印Mが視認できるので、ハウジング32の前後方向の位置を確認しつつレーザ照射ができる。
【0090】
したがって、本実施形態では、内視鏡画像において、目印Mを指標に照射でき、照射中の位置ズレも防止でき、位置ズレによる括約筋へのレーザ光照射や治療効果低減などの問題を回避することができる。
【0091】
このように本実施形態では、温度の異なる洗浄液を使用することがなく、比較的簡易な手段で正確なレーザ光照射が可能となる。
【0092】
<第3の実施形態>
前記第1,2実施形態では、リング部材Rあるいは色素注入により目印Mを付す表示手段6を使用し、レーザ光照射位置の特定等を行っているが、第3実施形態では、表示手段6として精丘Sを利用し、これを目印Mとして内視鏡5により直接目視し、レーザ光照射位置等を特定する。
【0093】
図13は第3実施形態における挿入部を前立腺部分に挿入した状態の拡大断面図、図14は図13の14−14線に沿う断面図、図15は図13の状態から90°時計方向に回転した状態の尿道内観察模式図である。なお、本実施形態でも、第1,第2実施形態と共通する部材には同一符号を使用する。
【0094】
第1,第2実施形態では、比較的大きな中心角を有する側方窓35が1つ設けられているのみであるが、本実施形態では、表示手段6として精丘Sを利用するので、より目視できる範囲を広げることが好ましく、このため、前記側方窓35は全周的に配置されている。
【0095】
つまり、本実施形態では、図13に示すように、前記挿入部3の先端部位下方に大きな第1の側方窓35aを設け、この側方窓35aの中心位置から90°〜120°の位置に中心位置を有する第2,3の側方窓35b,35cを形成し、側方観察時の内視鏡5による視野を妨げない透明なカバー部材33により覆っている。ただし、この第2,3の側方窓35b,35cは、90°〜120°に限定されるものではなく、また尿道内表面が全周的に観察できればよいため、軸方向長さは前記第1の側方窓35aほど長くする必要はない。しかし、第1の側方窓35aと同様長くしてもよいことは言うまでもない。
【0096】
このように構成した本実施形態に係る挿入部3を尿道内に挿入するときには、前記第2実施形態と同様に挿入して長手方向の挿入位置を決める。つまり、内視鏡5による前方窓341からの前方観察により精丘Sを確認後、第1の側方窓35aからの側方観察によって第1の側方窓35aが精丘Sと膀胱頸部Bの間にくる位置に位置決めを行う(図13に示す状態)。
【0097】
次に、ハウジング32の回転により、第1の側方窓35aを前立腺側葉に向ける(図15参照)。このとき、精丘Sは、第2,3の側方窓35b,35cにより、常に内視鏡画像によって視認され、治療中の位置ズレを確認し位置修正することが可能となる。
【0098】
本実施形態の側方窓35b,35cは、内視鏡5により精丘Sの観察ができれば、どのようなものであっても良く、例えば、第1,2,3のすべての側方窓35a,35b,35cを、例えば、図14に示すように3つ均等に配置してもよく、あるいはさらに多数配置してもよい。
【0099】
特に、1つの側方窓の大きさを大きなものとするかあるいは軸方向所定区間は全体が仕切り部分のない側方窓とし、これを透明なカバー部材により覆えば、内視鏡による観察が前記挿入部の先端部位を全周にわたり可能となり、一層容易に精丘Sを直接観察して内視鏡5の視野に捕らえることができる。
【0100】
いずれにしても、治療中如何を問わず、精丘Sを直接観察して内視鏡5の視野に確実に捕らえることができればよく、このようにすることにより照射中の位置ズレに注意すれば、安全に加熱治療が可能となり、位置ズレによる括約筋へのレーザ光照射や治療効果低減などの問題を回避することができる。また、前記実施形態のようにリング部材Rあるいは色素注入という他の手段を使用しなくても、ハウジング32をセットする位置、レーザ照射する位置等の設定が容易にできることになる。しかも、視野も広がるので、尿道内部の様子も観察でき、治療面のみでなく診察の面でも有効なものとなる。
【0101】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、表示手段は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、生体内に一定時間に設置されると、溶解する水溶性のものであっても良く,またその断面あるいは外形形状などもどのようなものであってもよい。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、内視鏡により視認可能な目印を生体側の所定位置に位置固定的に表示する表示手段を設けたので、治療中でも、内視鏡により目印で位置を確認しつつレーザ光の照射ができ、照射位置の視認を常時可能となり、照射中の位置ズレも防止でき、より正確で確実なレーザ光照射を行い、加熱治療の有効性を十分発揮させることができる。
【0103】
請求項2の発明によれば、表示手段として、低温時に縮径し、高温時に拡径するリング部材を用いたので、前項の効果に加え、挿入部を生体に挿入あるいは抜去するとき、何ら問題なく行うことができる。
【0104】
請求項3の発明によれば、低温時に縮径し、高温時に拡径するリング部材を表示手段として用いるとき、高温の洗浄液でリング部材を拡径するので、前項の効果に加え、リング部材の拡径作動をより確実に行うことができる。
【0105】
請求項4の発明によれば、前記リング部材を断面C字状の環体により構成したので、加熱冷却のみによりリング部材を挿入部に対し密着離反でき、前項の効果に加え、レーザ光による治療をより円滑かつ安全に行うことができる。
【0106】
請求項5の発明によれば、前記リング部材を網目状に形成された二方向性形状記憶合金により構成したので、高低温時の拡縮性の差が大きく、治療中生体内で変位することはなく係止が確実で、円滑な治療ができる。
【0107】
請求項6の発明では、表示手段として、外部から噴流孔及び洗浄液流路を経て生体内に導く管体の先端から色素を生体に放出しマーキングするものとしたので、加熱冷却することなく所望の位置にマーキングでき、前項の効果に加え、レーザ光による治療をより円滑かつ安全に行うことができる。
【0108】
請求項7の発明では、レーザ光を吸収しない色素を用いたので、局所的な発熱を防止でき、より構成が簡素化され、安全な操作が可能となる。
【0109】
請求項8,9の発明では、生体内に存在するものを目印として利用し、これを、挿入部の先端部位で周方向に複数設けられた側方窓により観察できるようにしたので、加熱冷却やマーキングを行うことなく、きわめて簡単に目印を観察でき、コスト的にも有利な装置となる。特に、直接目印を観察することで照射中の位置ズレに注意できるので、より安全に加熱治療が可能となり、位置ズレによる治療効果低減などの問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】同実施形態の先端部分を示す断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿う断面図である。
【図4】アームを往復運動させながらレーザを照射しているときの模式図である。
【図5】ハウジングの先端部分にリング部材を取付けた状態を示す斜視図である。
【図6】同リング部材の斜視図である。
【図7】同リング部材の他の例を示す斜視図である。
【図8】同リング部材の拡径状態の斜視図である。
【図9】挿入部の挿入状態とリング部材の状態を示し、左図の(A)〜(E)は、断面C字状のリング部材を取付けた挿入部を尿道に挿入している状態を示し、右図の(a)〜(d)は、前記(A)〜(D)に対応して表示した内視鏡による尿道内観察模式図である。
【図10】本発明の第2実施形態における挿入部を前立腺部分に挿入した状態の拡大断面図である。
【図11】同実施形態の内視鏡による尿道内観察模式図である。
【図12】同実施形態の内視鏡による尿道内観察模式図である。
【図13】本発明の第3実施形態における挿入部を前立腺部分に挿入した状態の拡大断面図である。
【図14】図13の14−14線に沿う断面図である。
【図15】尿道内観察模式図である。
【符号の説明】
1…レーザ照射装置、
2…本体部、
3…挿入部、
341…前方観察窓、
35,35a,35b,35c…側方窓、
33…カバー部材、
364…冷却液流入ルーメン、
365…冷却液流出ルーメン、
366…洗浄液流路、
367…噴流孔、
4…出射部、
5…内視鏡、
6…表示手段、
F…光ファイバ、
M…目印、
N…尿道表層、
R…リング部材、
Tp…ターゲットポイント。
Claims (9)
- レーザ光を生体組織に照射し病変部位を加熱するレーザ照射装置において、
生体内に挿入可能な長尺状の挿入部と、
該挿入部に設けられた側方窓よりレーザ光を外部に出射する出射部と、
前記挿入部に設けられた前方観察窓又は前記側方窓より生体を観察可能な内視鏡と、
当該内視鏡により視認可能な目印を生体側の所定位置に位置固定的に表示する表示手段と、を有するレーザ照射装置。 - 前記レーザ照射装置は、前記挿入部内に冷却液を注入しかつ排出できる冷却液流路を設け、前記表示手段として、前記冷却液の注入による低温時には縮径して前記挿入部の外周面に密着し、前記冷却液の注入停止による高温時には拡径して生体側に位置固定的に密着するリング部材を用いたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ照射装置。
- 前記レーザ照射装置は、側方窓近傍に開口された噴流孔と、当該噴流孔と連通して前記挿入部内に形成された洗浄液流路とを有し、該洗浄液流路から高温の洗浄液を流すことにより前記リング部材を拡径するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のレーザ照射装置。
- 前記リング部材は、軸方向に沿って一部が破断された断面C字状の環体により構成したことを特徴とする請求項2又は3に記載のレーザ照射装置。
- 前記リング部材は、網目状に形成された二方向性形状記憶合金により構成したことを特徴とする請求項2又は3に記載のレーザ照射装置。
- 前記レーザ照射装置は、側方窓近傍に開口された噴流孔と、当該噴流孔と連通し前記挿入部内に形成された洗浄液流路とを有し、前記表示手段として、前記挿入部の外部から前記洗浄液流路及び噴流孔を経て生体内に導かれた管体の先端から色素を放出し生体にマーキングを施すように構成したことを特徴とする請求項1に記載のレーザ照射装置。
- 前記色素は、前記レーザ光を吸収しない色素である請求項6に記載のレーザ照射装置。
- レーザ光を生体組織に照射し病変部位を加熱するレーザ照射装置において、
生体内に挿入可能な長尺状の挿入部と、
該挿入部に設けられた側方窓よりレーザ光を外部に出射する出射部と、
前記挿入部に設けられた先端窓又は前記側方窓より生体を観察可能な内視鏡と、を有し、
前記側方窓は、前記挿入部の先端部位にありかつ周方向所定領域が内視鏡により観察可能となるように複数設けたことを特徴とするレーザ照射装置。 - 前記側方窓は、前記挿入部の先端部位を全周にわたり内視鏡により観察可能となるように透明なカバー部材により覆ったことを特徴とする請求項8に記載のレーザ照射装置。
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