JP2004121338A - 聴覚フィルタの形状推定方法とその装置 - Google Patents

聴覚フィルタの形状推定方法とその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】聴覚フィルタの形状を短時間で正確に推定する。
【解決手段】聴覚フィルタの形状をモデル化したroex(p,r)フィルタの係数pを求めて聴覚フィルタの形状を推定する方法であって、周波数fにおける被験者の最小可聴閾値Tに任意の値xを加算した信号音Sから任意の値aを減じた信号音S’を生成し、次いで被験者の外耳と中耳の周波数特性を考慮した前記周波数fをノッチに含む、ノッチ幅g、レベルN’のマスカーを生成し、次いで前記信号音S’に前記マスカーを重畳した検査音を被験者に提示し、ノッチ幅gを変化させながら、その被験者の最小ノッチ幅gX−aを測定し、次いで最小ノッチ幅gX−aから被験者に適したノッチ幅gの上限値gmaxと前記最小ノッチ幅gX−aと係数rに相当する前記値xと前記値aとから係数pを算出し、次いで算出した係数pと係数rに相当する前記値xとから聴覚フィルタの形状を推定する。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人の聴覚フィルタの形状を推定する方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、最も頻繁に行われている難聴者の聴覚特性検査は、聴力検査(オージオグラムの測定)と語音明瞭度検査である。聴力検査では、難聴者の最小可聴閾値の周波数特性を知ることができ、語音明瞭度検査では、難聴者の言葉の聞き取り能力を知ることができる。
しかし、難聴者の聴覚特性は個人毎に様々であるので、これら2つの方法のみでは、その複雑な聴覚特性の一端しか把握できないと考えられている。
【0003】
一般に、難聴者は、聴力の低下及び言葉の聞き取り能力の低下に加えて、周波数分解能が低下していると言われている。ここで、周波数分解能とは、周波数が異なる2つの音を聞き分ける能力である。健聴者は、例えば、1kHzと1.2kHzといった周波数が近接した2つの音を聞き分けることができるが、周波数分解能が低下した難聴者は、これら2つの音を聞き分けることができない。
【0004】
この周波数分解能の低下の度合いが大きくなると、言葉の聞き取り能力が低下したり、雑音下での音声弁別能力が低下したりする。この周波数分解能の低下の度合いを知ることは、難聴の診断、難聴者の聴覚特性の把握、補聴器フィッティング等においては非常に有益である。
【0005】
また、近年、人間の聴覚の周波数分析のメカニズムを表現するためのモデルとして、聴覚フィルタが提案されている。これは、人間の内耳の周波数分析のメカニズムを複数の帯域フィルタバンクで表現する考え方である。このフィルタバンク内の個々のフィルタ(聴覚フィルタ)の形状は、通常、ノッチノイズマスキングを用いて測定される。これまでに、この聴覚フィルタの理論を利用した難聴者のための周波数分解能簡易測定法が、特開平6−327654号公報に開示されている。人間の聴覚フィルタの形状は、roex(p,r)フィルタによってモデル化できることが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ノッチノイズマスキングによる聴覚フィルタの測定は、個々の被験者の聴覚フィルタ形状を高精度で測定することができると言われているが、測定に要する時間は極めて長く、実際に耳鼻科臨床の現場や補聴器フィッティングの現場で、個々の難聴者について随時測定することは事実上不可能であった。特開平6−327654号公報では、短時間で周波数分解能が劣化しているかどうかを測定する方法が提案されているが、この方法は劣化の有無を判定することは可能であるが、周波数分解能の劣化度合い、延いては聴覚フィルタの形状そのものを測定することはできなかった。
【0007】
更に、聴覚フィルタの形状は、入力信号のレベルに応じて変化するといわれている。健聴者の聴覚フィルタ測定には、過去の様々な知見から、40dB/Hz程度のレベルのマスカー(ノッチノイズ)が最適であると言われており、40dB/Hz以上のレベルで測定した聴覚フィルタはその形状がブロードになるといわれている。しかし、全ての難聴者においてもこれらのレベルに応じて、健聴者と同様の聴覚フィルタの形状変化が起こっているとは限らない。個々の難聴者の、レベルに応じた聴覚フィルタの形状変化特性を測定する方法はこれまでのところ皆無である。
【0008】
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、難聴の診断、難聴者の聴覚特性の把握、補聴器フィッティング等を効率的かつ正確に行うために有効な聴覚フィルタの形状を短時間で正確に推定する方法とその装置を提案しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく請求項1に係る発明は、聴覚フィルタの形状をモデル化したroex(p,r)フィルタの係数pを求めて聴覚フィルタの形状を推定する方法であって、周波数fにおける被験者の最小可聴閾値Tに任意の値xを加算した信号音Sから任意の値aを減じた信号音S’を生成し、次いで被験者の外耳と中耳の周波数特性を考慮した前記周波数fをノッチに含む、ノッチ幅g、レベルN’のマスカーを生成し、次いで前記信号音S’に前記マスカーを重畳した検査音を被験者に提示し、ノッチ幅gを変化させながら、その被験者の最小ノッチ幅gX−aを測定し、次いで最小ノッチ幅gX−aから被験者に適したノッチ幅gの上限値gmaxと前記最小ノッチ幅gX−aと係数rに相当する前記値xと前記値aとから係数pを算出し、次いで算出した係数pと係数rに相当する前記値xとから聴覚フィルタの形状を推定するものである。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の聴覚フィルタの形状推定方法において、前記値xをパラメータとして聴覚フィルタの形状を推定するものである。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の聴覚フィルタの形状推定方法において、周波数fにおける被験者の最小可聴閾値Tに任意の値xを加算した信号音Sに基づいて限界マスキングレベルN’を決定するものである。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1、2又は3に記載の聴覚フィルタの形状推定方法において、最小ノッチ幅gX−aから被験者に適したノッチ幅gの上限値gmaxを推定するものである。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1、2、3又は4に記載の聴覚フィルタの形状推定方法において、限界マスキングレベルN’及びまたは最小ノッチ幅gX−aを測定する際に、被験者に対するマスカーの提示を開始した後に、所定の時間間隔を置いてから信号音の提示を開始するものである。
【0014】
請求項6に係る発明は、聴覚フィルタの形状をモデル化したroex(p,r)フィルタの係数pを求めて聴覚フィルタの形状を推定する装置であって、所定周波数の信号音を生成する信号音生成部と、ノッチを持たない被験者の外耳と中耳の周波数特性を考慮したノイズを生成するノイズ生成部と、このノイズ生成部で生成されたノイズを所定レベルに増幅・減衰するノイズレベル変更部と、ノイズに前記信号音の周波数を含むノッチを与えるノッチ幅変更部と、このノッチ幅変更部が出力するノッチノイズを前記信号音レベル変更部が出力する信号音に重畳するノッチノイズ重畳部と、このノッチノイズ重畳部が出力する検査音を被験者に提示する検査音提示部と、被験者が検査音を知覚できた時のノッチ幅及びその上限値に基づいてroex(p,r)フィルタの係数pを算出すると共に、得られた係数p,rからフィルタ形状を推定する聴覚フィルタ算出部と、推定したフィルタ形状を表示する聴覚フィルタ表示部を備えるものである。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の聴覚フィルタの形状推定装置において、前記信号音生成部で生成された信号音を所定レベルに増幅・減衰する信号音レベル変更部を備えるものである。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に記載の聴覚フィルタの形状推定装置において、被験者が検査音を知覚できた時のノッチ幅に基づいて被験者に適したノッチ幅の上限値を算出する上限値算出部を備えるものである。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項6、7又8に記載の聴覚フィルタの形状推定装置において、限界マスキングレベルN’及びまたは最小ノッチ幅gX−aを測定する際に、被験者に対するマスカーの提示を開始した後に、所定の時間間隔を置いてから信号音の提示を開始するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る聴覚フィルタの形状推定装置の構成図、図2は検査音の提示と被験者の応答の関係を示すタイミングチャート、図3は本発明に係る聴覚フィルタの形状推定方法の説明図、図4は同じく手順を示すフローチャート、図5は本発明で求めた聴覚フィルタの形状を示す図、図6はマスカーの構成図である。なお、図3におけるマスカーは1Hz当たりの音圧レベルが一様となっているが、実際には外耳と中耳の周波数特性が考慮されたレベルとなる。
【0019】
本発明に係る聴覚フィルタの形状推定装置は、図1に示すように、信号音生成部1、信号音レベル変更部2、ノイズ生成部3、ノイズレベル変更部4、ノッチ幅変更部5、ノッチノイズ重畳部6、検査音提示部7、上限値算出部8、聴覚フィルタ算出部9、聴覚フィルタ表示部10、ノッチ幅表示部11、応答部12などを備えている。
【0020】
信号音生成部1は、信号音(純音)として所定の周波数fの正弦波信号を出力する。周波数fの値は、任意に設定することができる。信号音生成部1は、CPUで構成して、所定のプログラムによって信号音を生成してもよいし、メモリで構成し、予め信号音信号を格納するようにしてもよい。
【0021】
信号音レベル変更部2は、信号音生成部1で生成された信号音を所定レベルに増幅・減衰する。信号音レベル変更部2は、ある被験者の最小可聴閾値T[dBSPL]の信号音、最小可聴閾値T[dBSPL]に任意の値x[dB]を加算したレベルT+x[dBSPL]の信号音S、レベルT+x[dBSPL]から任意の値a[dB]を減算したレベルT+x−a[dBSPL]の信号音S’などを出力する。なお、x>aとする。
【0022】
ノイズ生成部3は、内耳に到達した時に1Hz当たりの音圧レベルが一様になるように個々の被験者の外耳と中耳の周波数特性を考慮したノッチを持たないノイズを生成する。この場合には、例えば被験者の外耳と中耳の周波数特性を補正するようなマスカーとなるUEN(uniform exciting noise)を生成すればよい。ノイズ生成部3は、CPUで構成して、所定のプログラムによってノイズを生成してもよいし、メモリで構成し、予めノイズ信号を格納しておいてもよい。
【0023】
ここで、健聴者では、外耳、中耳における周波数特性の個人差は小さいため、補正値を個々に変える必要はない。
なお、健聴者における補正には、最小可聴音圧(minimum audible pressure:MAP)、最小可聴野(minimum audible field:MAF)、等感曲線(equal loudness contour:ELC)を用いて補正値を決定してマスカーを生成することも可能である。
【0024】
他に妨害する音のない状態で検知することができる音の最小レベルを指す音の絶対閾の測定方法には二つの方法がある。一つ目の方法は、外耳道の入口付近又は外耳道の内部で周波数と最小可聴音圧の関係を測定するもので、測定された閾値は最小可聴音圧(MAP)と呼ばれる。また、もう一つの方法は、大きな無響室(吸音性の高い壁で囲まれた部屋)の中でスピーカから提示される音のレベルを聴取者の頭の中心位置で測定するもので、測定された閾値は最小可聴野(MAF)と呼ばれる。
【0025】
また、音のレベルを固定した1000Hzの純音と検査音を交互に提示し、検査音の強さを変化させて大きさを純音に合わせる方法があり、これをさまざまな周波数の純音についておこなった結果得られたのが、音の大きさの等感曲線(ELC)と呼ばれる。
【0026】
一方、難聴者では外耳、中耳に障害を持つ場合があり、健聴者の外耳、中耳の周波数特性と異なることが予測できるので、難聴者の場合には個々の外耳、中耳の周波数特性を考慮した補正を行ってマスカーを生成する必要がある。
【0027】
外耳、中耳に障害がある難聴者の場合は、骨導と気導のオージオグラムの値が異なるため、この違いを利用して補正を考慮し、マスカーを生成することができる。また、外耳の周波数特性は、外耳道の入口付近の周波数特性と、鼓膜付近にプローブマイクを設けて周波数特性を測定した結果から補正を決定することも可能である。
【0028】
ノイズレベル変更部4は、ノイズ生成部3で生成されたノイズを所定レベルに増幅・減衰する。ノイズレベル変更部4は、レベルT+x[dBSPL]の信号音SをマスクすることができるレベルN’のノイズなどを出力する。
【0029】
ノッチ幅変更部5は、ノイズレベル変更部4より出力されるノイズに中心周波数fが信号音の周波数fと同一(f=f)であるノッチを与える。このノッチのノッチ幅gは、被験者の応答によって随時変更される。ノッチ幅変更部5は、所望のノッチを実現するようなフィルタとして構成してもよいし、複数のノッチノイズ(マスカー)を予めメモリに格納しておいて、各種のノッチを有するノイズを随時選択的に使用してもよい。
【0030】
ノッチノイズ重畳部6は、ノッチ幅変更部5が出力する中心周波数f、ノッチ幅g、レベルN’のノッチノイズを、信号音レベル変更部2が出力する信号音S’に重畳して検査音とする。
検査音提示部7は、ノッチノイズ重畳部6が出力する検査音を被験者に提示する。被験者は検査音を聴取して、信号音S’を知覚できたか否かを応答する。
【0031】
上限値算出部8は、被験者が検査音を知覚できた時のノッチ幅gに基づいて被験者に適したノッチ幅の上限値gmaxを算出する。
聴覚フィルタ算出部9は、被験者が信号音S’を知覚できた時のノッチ幅g及び上限値gmaxに基づいてroex(p,r)フィルタのフィルタ係数pを算出すると共に、得られたフィルタ係数p,rから聴覚フィルタの形状を推定する。
【0032】
roex(p,r)フィルタは、次に示す式(1)で定義される。
【0033】
【数1】
Figure 2004121338
【0034】
ここで、pはフィルタのバンド幅(傾斜角度)を表す係数、rはフィルタのダイナミックレンジを表す係数、gは聴覚フィルタの中心周波数からの距離を正規化した値でノッチ幅(=Δf/f)である。聴覚フィルタを式(1)でモデル化するためには、ノッチノイズマスキングによって得られるノッチ雑音マスキングデータPs(g)が用いられる。これは、次に示す式(2)で定義される。
【0035】
【数2】
Figure 2004121338
【0036】
ここで、gmaxはノッチ幅gの上限値、Kは各個人の感度、fはノッチノイズの中心周波数、Nは内耳に到達した時のマスカーMのレベルである。
【0037】
聴覚フィルタ表示部10は、聴覚フィルタ算出部9によって得られたフィルタ係数p,rから聴覚フィルタの形状を表示する。
ノッチ幅表示部11は、ノッチ幅変更部5が出力するマスカーのノッチ幅gを表示する。
【0038】
応答部12は、被験者の操作によって検査音提示部7により提示される検査音から信号音S’を知覚できた場合の応答信号と知覚できない場合の応答信号を出力する。そして、信号音S’を知覚できない場合の応答信号が、ノッチ幅変更部5へ出力される。
【0039】
なお、信号音S’を知覚できた場合の応答信号のみを使用し、所定時間知覚できた場合の応答信号が出力されない時には、知覚できなかったものと判断し、次のステップに進むようにしてもよい。
【0040】
以上のように構成した聴覚フィルタの形状推定装置の動作について説明する。
信号音S’に、内耳に到達した時に1Hz当たりの音圧レベルが一様になるように個々の被験者の外耳と中耳の周波数特性を考慮したマスカーMをノッチノイズ重畳部6において重畳し、検査音を作成する。作成された検査音は、検査音提示部7から被験者に提示される。
被験者は、検査音を聴取し、信号音S’を知覚できたか否かを応答部12により応答する。
【0041】
ここで、図2に示すように、被験者に対して最初の検査音を提示する際には、検査音提示の開始時に所定時間tだけ信号音レベル変更部2が出力する信号音S’のレベルを0にする(信号音S’の提示をマスカーMよりも所定時間tだけ遅らせる)ことができる。
【0042】
ノッチ幅変更部5では、その応答に応じて新たなマスカーMを作成し、再びノッチノイズ重畳部6に出力する。ここで、マスカーMのノッチ幅gの変更は、被験者の応答に応じて自動的に行うようにしてもよいし(CPU等で構成し、専用プログラムを用意する)、測定者がその都度手動で指示してもよい。
【0043】
ノッチ幅gを増加させた後に、被験者に対して新たな検査音を提示する際にも、新たな検査音提示の開始時に所定時間tだけ信号音レベル変更部2が出力する信号音S’のレベルを0にする(信号音S’の提示をマスカーMよりも所定時間tだけ遅らせる)ことができる。
【0044】
測定中のノッチ幅gは、ノッチ幅表示部11に表示される。そして、ノッチ幅変更部5は、ノッチ幅gを徐々に大きくしていき、被験者の応答により信号音S’が知覚できる最小ノッチ幅(限界ノッチ幅)gX−aを測定する。最小ノッチ幅gX−aは、図3に示すように、ノッチ雑音マスキングデータ特性において、頂点からa[dB]減衰した点のバンド幅と等価である。
【0045】
上限値算出部8では、ノッチ幅変更部5が測定した最小ノッチ幅gX−aを用いて上限値gmaxを算出する。
聴覚フィルタ算出部9では、ノッチ幅変更部5が測定した最小ノッチ幅gX−aと上限値算出部8が算出した上限値gmaxを用いてroex(p,r)フィルタのフィルタ係数pを、次のようにして算出する。ここでは、式(2)においてPs(0)とPs(gX−a)の差分aを、次に示す式(3)とする。
【0046】
【数3】
Figure 2004121338
【0047】
更に、式(2)、(3)より差分aは、次に示す式(4)となる。
【0048】
【数4】
Figure 2004121338
【0049】
ここで、gX−aの値は測定値であり、rはダイナミックレンジを定める係数xを用いて10log10r=−xとし、aは測定条件によって決まる任意の定数であるので、gmaxの値が決まれば、フィルタ係数pの値を式(4)から算出することができる。
【0050】
また、gmaxの値の決定法としては、以下のような方法が考えられる。信号検出閾値と最小可聴閾値が一致するノッチ幅gの値(以下gと記す)は、健聴者で1Hz当たりの音圧レベルが40dBSPLになるように作成されたマスカーを使用して測定を行った場合、概ねg=0.6〜0.7であり、gmax>0.8の区間の積分はノッチ雑音マスキングデータPs(g)の値に殆ど影響を与えない。
【0051】
従って、聴覚フィルタの過去の測定データを参照すると、gmaxの値とgの値の関係は、次に示す式(5)となる。
【0052】
【数5】
Figure 2004121338
【0053】
ここで、Cの値は、概ね1.1〜1.3となっている。一方、本発明の簡易測定法では、測定値がノッチ幅gX−aのみであるため、信号検出閾値と最小可聴閾値が一致するノッチ幅gの値は未知である。加えて、信号検出閾値と最小可聴閾値が一致するノッチ幅gの値は、測定結果(ノッチ幅gと信号検出閾値[dBSPL]との関係)からダイナミックレンジ(値xに相当)によっても変化することが分かっている。よって、gmaxの値はノッチ幅gX−aからxの値ごとに推定する必要があり、gmaxの値とgX−aの値の関係は、次に示す式(6)となる。
【0054】
【数6】
Figure 2004121338
【0055】
ここで、Aはxの値に応じて変化する係数である。このAの値は、式(5)でC=1.2と仮定し、2名の健聴被験者の測定結果(gの値)を用いてgmaxの値を算出し、このgmaxの値とgX−aの値から実験的に決定すると、次に示す表1のようになる。
【0056】
【表1】
Figure 2004121338
【0057】
なお、表1では、x=10,15,20,30[dB]におけるgの値を測定し、Aの値を算出しているが、例えばx=40,50[dB]におけるAの値についても予め用意しておくことができる。
【0058】
従って、聴覚フィルタ算出部9では、上限値gmaxと最小ノッチ幅gX−aと係数rに相当する値xと値aを式(4)に代入してroex(p,r)フィルタのフィルタ係数pを算出する。更に、フィルタ係数p,rから聴覚フィルタの形状を推定する。
そして、聴覚フィルタ表示部10では、フィルタ係数pとフィルタ係数rに相当する値xからフィルタ形状を表示する。
【0059】
このようにして、フィルタ係数rに相当する値xを、例えば10,20,30,40,50[dB]として、それぞれについてフィルタ係数pの推定値を求め、図5に示すように、値xをパラメータとした聴覚フィルタの形状(横軸がノッチ幅g、縦軸が減衰量[dB])を表示する。
【0060】
次に、本発明に係る聴覚フィルタの形状推定方法について、図4に示すフローチャートより説明する。
先ず、ステップSP1で、ノイズを付加しない状態で周波数fを含む気導、骨導のオージオグラムを測定する。ここで、周波数fにおける純音最小可聴閾値をT[dBSPL/Hz]とする。ステップSP2で、測定する周波数(信号音周波数)fを設定する。
【0061】
次いで、ステップSP3で、ノッチ雑音マスキングデータのダイナミックレンジを定める係数xの値を設定する。ここでは、x=10としている。更に、ステップSP4において、周波数f[Hz]、レベルT+x[dBSPL]の純音(信号音)Sを作成する。
【0062】
次いで、ステップSP5で、信号音Sにレベルが十分小さく内耳に到達した時、1Hz当たりの音圧レベルが一様になるよう補正されたノイズやステップSP1で測定した気骨導のオージオグラムの差から考慮したノイズを重畳し、このノイズのレベルを徐々に上昇させながら、被験者が信号音Sを知覚できなくなる最小のレベル(限界マスキングレベル)N’を測定する。
【0063】
ステップSP6では、レベルN’のノイズのノッチ幅gを所定の値に設定する。ここでは、g=0.05としている。また、ステップSP7では、信号音SのレベルT+x[dBSPL]から減じる値a[dB]を所定の値(x>a)に設定する。ここでは、a=5としている。
【0064】
次いで、ステップSP8で、周波数f[Hz]、レベルT+x−a[dBSPL]の純音(信号音)S’を作成する。
更に、ステップSP9で、ノッチの中心周波数f(=f)、ノッチ幅g、レベルN’のマスカーMを作成する。
【0065】
次いで、ステップSP10で、信号音S’にマスカーMを重畳し、検査音として被験者に提示する。更に、ステップSP11で、被験者に検査音から信号音S’を知覚できたか否か判断させ、信号音S’を知覚できたという応答がない場合には、ステップSP12へ進みノッチ幅gの値を徐々に増加させ(ここでは、増加幅を0.05としている)、ステップSP9〜ステップSP11を信号音S’を知覚できたという応答があるまで繰り返す。
【0066】
ここで、図2に示すように、被験者に対して最初に検査音を提示する際には、検査音提示の開始時に所定時間tだけ信号音レベル変更部2が出力する信号音S’のレベルを0にする(信号音S’の提示をマスカーMよりも所定時間tだけ遅らせる)ことができる。同様に、ステップSP12でノッチ幅gを増加させた後に、被験者に対して新たな検査音を提示する際にも、新たな検査音提示の開始時に所定時間tだけ信号音レベル変更部2が出力する信号音S’のレベルを0にすることができる。
【0067】
そして、信号音S’の提示開始のタイミングと応答のタイミングが著しく異なる場合には、再度同条件で測定を行い、安定した応答が得られるまで測定を繰り返してもよい。また、所定時間tは一定値である必要はなく、測定回毎にランダムに変更してもよい。
【0068】
このように、最初の検査音提示の際に信号音S’をマスカーMよりも所定時間tだけ遅らせて提示したり、マスカーMのノッチ幅gの値を変化させた時に信号音S’のみを一旦停止し、所定時間tが経過した後に信号音S’を被験者に提示したりして、その時の被験者の応答のタイミングを観察すれば、被験者の応答の正当性を判断することも可能であると考えられるからである。
【0069】
図2に示すように、信号音S’が被験者に提示された後に、信号音S’を知覚したとの応答が有り、信号音S’の停止と同時に知覚したとの応答が無くなれば、被験者の応答は正常であると判断できる。一方、信号音S’が被験者に提示される前に、信号音S’を知覚したとの応答が有り、しかも信号音S’の停止後も知覚したとの応答が維持される場合などは、被験者の応答は正常でないと判断できるので、再測定を行うか、または信号音S’のレベル及びマスカーMのレベルの設定を変更すればよい。
【0070】
ステップSP11で、信号音S’を知覚できたという応答がされると、ステップSP13へ進む。
ステップSP13では、その時のノッチ幅gを、その被験者の最小ノッチ幅gX−aと定める。更に、設定した値x(=10[dB])におけるAの値を、表1を用いて決定する(A=3.15)。
【0071】
次いで、ステップSP14で、式(6)にAの値(3.15)及び測定した最小ノッチ幅gX−aの値を代入して被験者に適したノッチ幅gの上限値gmaxの値を決定する。
【0072】
ステップSP15では、式(4)に測定した最小ノッチ幅gX−aと、この最小ノッチ幅gX−aから推定したノッチ幅の上限値gmaxと、予め設定した係数rに相当する値x及び値aを代入して、roex(p,r)フィルタのフィルタ係数p(x=10)の推定値を算出する。
【0073】
次いで、ステップSP16で、x=50であるか否かを判断し、x=50でなければ、ステップSP17に進んでx=x+10とし、x=50になるまでステップSP4〜ステップSP17を繰り返し、新たなx(x=20,30,40,50[dB])についてのフィルタ係数pの推定値を式(4)より算出する。ここでは、xの増加幅を10とし、x=50までの測定を行っている。
【0074】
ステップSP16で、x=50になったと判断されると、ステップSP18において、図5に示すように、値xをパラメータ(x=10,20,30,40,50[dB])とした聴覚フィルタの形状(横軸がノッチ幅g、縦軸が減衰量[dB])を表示する。
【0075】
なお、本発明の実施の形態では、図6(a)に示すように、マスカーMを被験者の外耳と中耳の周波数特性を考慮したノイズにノッチを付加する方法で作成しているが、このマスカーMは、図6(b)に示すように、2つのバンドノイズ(高周波数側と低周波数側)で構成してもよい。
【0076】
また、上述した本発明の実施の形態においては、信号音レベル変更部2が出力する信号音信号の周波数fと、ノッチ幅変更部5が出力するマスカーMの中心周波数fを一致させた(f=f)場合について説明したが、必ずしも、一致させる必要はなく、ノッチ幅内に信号音信号が含まれていればよい。
【0077】
更に、上述した本発明の実施の形態においては、被験者が知覚できる最小ノッチ幅(限界ノッチ幅)gX−aを求めるのに際し、はじめにマスカーMのノッチ幅gを狭く設定(g=0.05)して検査音を提示し、被験者が検査音から信号音S’を知覚できない場合に、徐々にマスカーMのノッチ幅gを広くして信号音S’を知覚できるまで再度検査音を提示する手順を説明した。
【0078】
しかし、被験者が知覚できる最小ノッチ幅gX−aが求まればよいのであるから、はじめにマスカーMのノッチ幅gを広く設定して検査音を提示し、被験者が検査音から信号音S’を知覚できる状態にし、徐々にマスカーMのノッチ幅gを狭くして信号音S’を知覚できなくなるまで再度検査音を提示する手順としてもよい。
【0079】
また、上述した本発明の実施の形態においては、信号音のレベルや限界マスキングレベルN’の設定に際し、いわゆる極限法を用いた場合について説明したが、信号音を加算した検査音と信号音を加算していない検査音のいずれかから選択させる二者強制選択法(Two alternative forced choice)等の心理物理測定法に基づいて設定してもよい。
【0080】
更に、上述した本発明の実施の形態においては、被験者が知覚できる最小ノッチ幅gX−aを求めるに際し、極限法を用いた場合について説明したが、二者強制選択法等の心理物理測定法に基づいて求めてもよい。
【0081】
また、上述した本発明の実施の形態においては、聴覚フィルタのモデルをroex(p,r)フィルタとしてフィルタ形状の推定を行ったが、このモデル関数は必ずしもroex(p,r)フィルタである必要はなく、聴覚フィルタのモデルとして適正であれば、他の関数(例えば、roex(p,r)フィルタにおいて、10log10r=0としたroex(p)など)であっても差し支えない。
【0082】
更に、上述した本発明の実施の形態においては、最小ノッチ幅gX−a測定時のステップSP10における検査音提示の開始時に、信号音S’の提示をマスカーMよりも所定時間tだけ遅らせて被験者の応答の正当性を判断しているが、ステップSP5で限界マスキングレベルN’測定時にマスカーのレベルを変更する際にも、同様の時間遅れを信号音Sに与えて、限界マスキングレベルN測定における正当性も併せて判断してもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、被験者の外耳と中耳の周波数特性を考慮した周波数fをノッチに含む、ノッチ幅g、レベルN’のマスカーを生成することにより、難聴の診断、難聴者の聴覚特性の把握、補聴器フィッティング等を効率的かつ正確に行うために有効な聴覚フィルタの形状を正確に推定することができる。
【0084】
請求項2に係る発明によれば、入力信号レベルに対応した聴覚フィルタの形状を推定することができ、入力信号レベルと聴覚フィルタとの関係を知ることができる。
【0085】
請求項3に係る発明によれば、周波数fにおける被験者の最小可聴閾値Tに任意の値xを加算した信号音Sに基づいて限界マスキングレベルN’を決定することによって、より正確に被験者の外耳と中耳における周波数特性を考慮した聴覚フィルタの形状を推定することができる。
【0086】
請求項4に係る発明によれば、最小ノッチ幅gX−aから被験者に適したノッチ幅gの上限値gmaxを推定することによって、より正確に被験者の外耳と中耳における周波数特性を考慮した聴覚フィルタの形状を推定することができる。
【0087】
請求項5に係る発明によれば、信号音提示のタイミングと被験者の応答のタイミングから被験者の応答の正当性を容易に判断することができる。
【0088】
請求項6に係る発明によれば、被験者の外耳と中耳の周波数特性を考慮したノイズを生成するノイズ生成部を備えることにより、難聴の診断、難聴者の聴覚特性の把握、補聴器フィッティング等を効率的かつ正確に行うために有効な聴覚フィルタの形状を正確に推定することができる。
【0089】
請求項7に係る発明によれば、信号音生成部で生成された信号音を所定レベルに増幅・減衰する信号音レベル変更部を備えることによって、より正確に聴覚フィルタの形状を推定することができる。
【0090】
請求項8に係る発明によれば、被験者が検査音を知覚できた時のノッチ幅に基づいて被験者に適したノッチ幅の上限値を算出する上限値算出部を備えることによって、より正確に聴覚フィルタの形状を推定することができる。
【0091】
請求項9に係る発明によれば、信号音提示のタイミングと被験者の応答のタイミングから被験者の応答の正当性を容易に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る聴覚フィルタの形状推定装置の構成図
【図2】検査音の提示と被験者の応答の関係を示すタイミングチャート
【図3】本発明に係る聴覚フィルタの形状推定方法の説明図
【図4】本発明に係る聴覚フィルタの形状推定方法の手順を示すフローチャート
【図5】本発明で求めた聴覚フィルタの形状を示す図
【図6】マスカーの構成図
【符号の説明】
1…信号音生成部、2…信号音レベル変更部、3…ノイズ生成部、4…ノイズレベル変更部、5…ノッチ幅変更部、6…ノッチノイズ重畳部、7…検査音提示部、8…上限値算出部、9…聴覚フィルタ算出部、10…聴覚フィルタ表示部、11…ノッチ幅表示部、12…応答部。

Claims (9)

  1. 聴覚フィルタの形状をモデル化したroex(p,r)フィルタの係数pを求めて聴覚フィルタの形状を推定する方法であって、周波数fにおける被験者の最小可聴閾値Tに任意の値xを加算した信号音Sから任意の値aを減じた信号音S’を生成し、次いで被験者の外耳と中耳の周波数特性を考慮した前記周波数fをノッチに含む、ノッチ幅g、レベルN’のマスカーを生成し、次いで前記信号音S’に前記マスカーを重畳した検査音を被験者に提示し、ノッチ幅gを変化させながら、その被験者の最小ノッチ幅gX−aを測定し、次いで最小ノッチ幅gX−aから被験者に適したノッチ幅gの上限値gmaxと前記最小ノッチ幅gX−aと係数rに相当する前記値xと前記値aとから係数pを算出し、次いで算出した係数pと係数rに相当する前記値xとから聴覚フィルタの形状を推定することを特徴とする聴覚フィルタの形状推定方法。
  2. 請求項1に記載の聴覚フィルタの形状推定方法において、前記値xをパラメータとして聴覚フィルタの形状を推定することを特徴とする聴覚フィルタの形状推定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の聴覚フィルタの形状推定方法において、周波数fにおける被験者の最小可聴閾値Tに任意の値xを加算した信号音Sに基づいて限界マスキングレベルN’を決定することを特徴とする聴覚フィルタの形状推定方法。
  4. 請求項1、2又は3に記載の聴覚フィルタの形状推定方法において、最小ノッチ幅gX−aから被験者に適したノッチ幅gの上限値gmaxを推定することを特徴とする聴覚フィルタの形状推定方法。
  5. 請求項1、2、3又は4に記載の聴覚フィルタの形状推定方法において、限界マスキングレベルN’及びまたは最小ノッチ幅gX−aを測定する際に、被験者に対するマスカーの提示を開始した後に、所定の時間間隔を置いてから信号音の提示を開始することを特徴とする聴覚フィルタの形状推定方法。
  6. 聴覚フィルタの形状をモデル化したroex(p,r)フィルタの係数pを求めて聴覚フィルタの形状を推定する装置であって、所定周波数の信号音を生成する信号音生成部と、被験者の外耳と中耳の周波数特性を考慮したノッチ幅を持たないノイズを生成するノイズ生成部と、このノイズ生成部で生成されたノイズを所定レベルに増幅・減衰するノイズレベル変更部と、ノイズに前記信号音の周波数を含むノッチを与えるノッチ幅変更部と、このノッチ幅変更部が出力するノッチノイズを前記信号音レベル変更部が出力する信号音に重畳するノッチノイズ重畳部と、このノッチノイズ重畳部が出力する検査音を被験者に提示する検査音提示部と、被験者が検査音を知覚できた時のノッチ幅及びその上限値に基づいてroex(p,r)フィルタの係数pを算出すると共に、得られた係数p,rからフィルタ形状を推定する聴覚フィルタ算出部と、推定したフィルタ形状を表示する聴覚フィルタ表示部を備えることを特徴とする聴覚フィルタの形状推定装置。
  7. 請求項6に記載の聴覚フィルタの形状推定装置において、前記信号音生成部で生成された信号音を所定レベルに増幅・減衰する信号音レベル変更部を備えることを特徴とする聴覚フィルタの形状推定装置。
  8. 請求項6又は7に記載の聴覚フィルタの形状推定装置において、被験者が検査音を知覚できた時のノッチ幅に基づいて被験者に適したノッチ幅の上限値を算出する上限値算出部を備えることを特徴とする聴覚フィルタの形状推定装置。
  9. 請求項6、7又8に記載の聴覚フィルタの形状推定装置において、限界マスキングレベルN’及びまたは最小ノッチ幅gX−aを測定する際に、被験者に対するマスカーの提示を開始した後に、所定の時間間隔を置いてから信号音の提示を開始することを特徴とする聴覚フィルタの形状推定装置。
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