JP2004120808A - 電気機器 - Google Patents

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Hiroyuki Endo
遠藤 洋之
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Abstract

【課題】電源部の容量をあまり大きくせずに、負荷の増加にも対応でき、過電流に対する安全性も確保することができるようにする。
【解決手段】交流から直流を生成する電源部7に、第1の過電流検出回路9と第2の過電流検出回路10を設け、その第2の過電流検出回路10が検出する過電流値を第1の過電流検出回路9が検出する過電流値より小さい値に設定し、第2の過電流検出回路10による過電流検出時には負荷制御部20が負荷の動作を制限し、第1の過電流検出回路9による過電流検出時には電源部7の動作を停止させるか負荷への給電回路を遮断する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置をはじめ、各種電気機器に関し、特にその電源の過電流保護技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述した画像形成装置等の電気機器には、一般に種々の負荷、例えばランプ、ヒータ、交流モータ、ソレノイド等の交流負荷と、チャージャ、直流モータ、電子回路等の直流負荷を備えている。そのため、それらの各負荷を動作させるために、商用電源からの交流(AC)を、電圧・電流制御して各交流負荷に供給する交流電源部と、その交流から所要の直流(DC)を生成して各直流負荷あるいはそれらを制御する負荷制御部へ供給する直流電源部の少なくとも一方、あるいは両方を備えている。
また、これらの電源部には、負荷の異常あるいは過負荷、漏電等の発生によって過電流が流れ続けると、電力を無駄に消費をするばかりか負荷部品や電源回路あるいは給電線などの焼損や発火を招く恐れがあるため、そのような過電流が流れ続けた場合に負荷への給電を停止させる過電流保護手段が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、商用電源から供給される交流を漏電ブレーカとノイズフィルタを通して直流電源回路とハロゲンヒータ等のヒータ類(負荷)に供給するように構成された複写機の交流系電源回路が開示されている。この電源回路では、漏電時あるいは過電流発生時には、漏電ブレーカが開放して負荷への給電回路を遮断する。
また、特許文献2には、交流を直流に変換するスイッチングレギュレータを複数設け、その各直流出力を多数の負荷に系統別に給電するようにした複写機等に搭載される直流電源供給制御装置が開示されている。この装置においては、各スイッチングレギュレータから負荷への給電系統毎に過電流検出回路を設けて過電流を検出し、いずれかの系統で過電流が検出されたときには、過電流保護回路が作動して、その系統の直流を出力しているスイッチングレギュレータの動作を停止させるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−23354号公報
【特許文献2】
特開2000−23356号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電気機器における電源装置では、上述した例に見られるように、過電流検出時に負荷への給電を停止あるいは遮断するだけであるため、その過電流として検出する電流値を、負荷がフルオプション状態で且つ考えられる最大負荷動作をした時の負荷電流でも過電流と検出されないように、余裕をもって設定する必要があり、電源回路がそれだけの電流容量をもたなければならなかった。そのため、画像形成装置等の電気機器のコスト上昇の一因になるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、電気機器に設けられる電源部の容量をあまり大きくせずに、負荷の増加にも対応でき、過電流に対する安全性も確保できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、交流から直流を生成する電源部と、その直流によって負荷を動作させる負荷制御部とを備えた電気機器において、上記の目的を達成するため、上記電源部に第1の過電流検出回路と第2の過電流検出回路を設け、その第2の過電流検出回路が検出する過電流値を第1の過電流検出回路が検出する過電流値より小さい値に設定し、第2の過電流検出回路による過電流検出時には上記負荷制御部が負荷の動作を制限し、第1の過電流検出回路による過電流検出時には電源部の動作を停止させるか負荷への給電回路を遮断するように構成する。
上記負荷制御部により負荷の動作を制限するのは、負荷の動作を低速化させるようにするか、負荷を間欠動作させるようにするとよい。
あるいは、負荷の動作を一時停止させて一定時間経過した後に再度続きの動作をさせるようにしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、複写装置を例に挙げて図面に基づいて具体的に説明する。
図2は、この発明を実施した複写装置の概略構成を示すブロック図である。
この複写装置は、装置全体を統括制御するマイクロコンピュータを構成するCPU1とROM2およびRAM3と、操作ボタンや表示器を備えた操作部4と、原稿の画像を読み取るスキャナ部5と、読み取った画像を用紙に印刷するプロッタ部(プリンタ部ともいう)6と、これらの各部を動作させるための直流を供給する電源部7とを備え、これらの各部はシステムバス(BUS)によって接続されている。
【0009】
この複写装置における電源部7は、図1に示すように、AC/DCコンバータ8と、第1の過電流検出回路9と、第2の過電流検出回路10とを備えている。AC/DCコンバータ8は、商用電源からのAC入力をスイッチングレギュレータ等にょって所要のDC出力に変換するコンバータである。そのDC出力を負荷制御部20に供給する。この負荷制御部20は図2に示したCPU1およびROM2、RAM3からなるマイクロコンピュータによる制御部であり、操作部4、スキャナ部5、およびプロッタ部6等の各負荷の動作を制御する。なお、この電源部7のAC/DCコンバータ8から上記各負荷へもDC出力を供給しているが、その給電回路は図示を省略している。
【0010】
第1の過電流検出回路9は、AC/DCコンバータ8から出力されるDC出力電流を監視し、それが予め設定された第1の設定電流値を越える過電流が流れたときにそれを検出し、その検出信号によってAC/DCコンバータ8の動作を停止させ、負荷への給電を中止させる。この第1の設定電流値は、電源部7の容量限度より若干余裕をもった供給電流の上限値とする。
一方、第2の過電流検出回路10は、上記第1の過電流検出回路9と同様にAC/DCコンバータ8から出力されるDC出力電流を監視し、予め設定された第2の設定電流値を越える過電流が流れたときにそれを検出し、その検出信号を負荷制御部20のCPU1に与える。それによってCPU1は負荷制御部20の各部を制御して、前述した操作部4、スキャナ部5、およびプロッタ部6等の各負荷の少なくともいずれかの動作を制限する。
【0011】
この負荷制御部20による負荷の動作の制限としては、負荷の動作を低速化させるようにするか、負荷を間欠動作させるようにするとよい。あるいは、負荷の動作を一時停止させて一定時間経過した後に再度続きの動作をさせるようにしてもよい。
このように構成することによって、電源部7による負荷への給電を停止あるいは遮断することなく、電源部7の容量限界に達したり、負荷部品の焼損を招いたりするような過電流が発生するのを防ぐことができ、電源部7の容量を抑えてもフルオプションの最大負荷状態での動作も可能になり、コストダウンを図ることができる。そして、電源部や負荷の損傷を招く恐れがあるような過電流が流れた場合には、AC/DCコンバータ8の動作を停止させ、負荷への直流の給電を中止するので、安全性は充分に確保される。
【0012】
次に、この複写装置の負荷制御部20(主としてCPU1)によるこの発明に係る制御動作例を説明する。なお、図3〜図5のフローチャートにおいて、ステップを「S」と略記している。
〔第1の動作例:図3〕
まず、第1の動作例を図3のフローチャートによって説明する。
CPU1はこの処理を開始すると、ステップ11で第2の過電流検出回路10からの過電流検出信号の有無を監視している。そして、過電流検出信号が有るとステップ12に進み、負荷動作を低速化させる。その後ステップ13で再び過電流検出信号をチェックし、過電流検出信号が無くなるまでステップ12で負荷動作を低速に維持する。
ステップ13のチェックで過電流検出信号が無くなると、ステップ14に進んで負荷の通常制御(通常の速度での動作制御)に復帰する。そして、ステップ15で負荷動作終了か否かを判断し、終了するまで上述したステップ11からの処理を繰り返し、負荷動作が終了するとこの処理を終了する。
【0013】
〔第2の動作例:図4〕
次に、第2の動作例を図4のフローチャートによって説明する。
CPU1はこの処理を開始すると、ステップ21からステップ25の判断・処理を実行するが、ステップ22を除く各ステップは、前述した図3におけるステップ11,13,14,15と同じである。
ステップ21で過電流検出信号が有ると、ステップ22で負荷を間欠駆動させる。そして、ステップ23で過電流検出信号が無くなるまで間欠駆動を続け、過電流検出信号が無くなると、ステップ24で通常の制御に復帰する。
【0014】
〔第3の動作例:図5〕
さらに、第3の動作例を図5のフローチャートによって説明する。
CPU1はこの処理を開始すると、ステップ31からステップ35の判断・処理を実行するが、ステップ32を除く各ステップは、前述した図3におけるステップ11,13,14,15と同じである。
ステップ31で過電流検出信号が有ると、ステップ32で負荷動作を停止させる。これは、負荷の全てとは限らず一部の負荷の動作を停止させてもよい。そして、ステップ33で過電流検出信号が無くなるまで停止を続け、過電流検出信号が無くなると、ステップ34で通常の制御に復帰する。したがって、負荷に停止時の続きの動作を再開させる。
【0015】
以上、この発明を複写装置に適用して実施の形態について説明したが、この発明はそれに限るものではなく、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置、複写機能のほかにプリンタ機能やファクシミリ機能も備えたデジタル複合機、その他のOA機器をはじめ、家庭用電気機器、産業用電気機器、医療用電気機器など各種の電気機器にも同様に適用できる。
【0016】
また、図1に示した実施形態では、第1の過電流検出回路9が過電流を検出したときには、すぐにAC/DCコンバータ8の動作を停止させるように説明したが、過電流の検出状態が所定時間継続したときにAC/DCコンバータ8の動作を停止させるようにしてもよい。あるいは、AC/DCコンバータ8の動作を停止させる代りに、電源部7から各負荷への給電回路にスイッチを設け、そのスイッチを開放して負荷への給電回路を遮断するようにしてもよい。
第2の過電流検出回路10が過電流を検出したときに負荷制御部20が負荷の動作を制限する手段も、上述した負荷動作の低速化、間欠駆動、一時停止に限るものではない。
【0017】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、電気機器に設けられる電源部の容量をあまり大きくせずに、負荷の増加にも対応でき、過電流に対する安全性も確保することができ、電源部のコストダウンを図ることもできる。また、負荷の最大消費電力を抑制できるので、環境配慮上優れた商品とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示す複写装置における電源部と負荷制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態である複写装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1における負荷制御部によるこの発明に係る負荷制御の第1の動作例を示すフローチャートである。
【図4】同じくその第2の動作例を示すフローチャートである。
【図5】同じくその第3の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:CPU  2:ROM  3:RAM
4:操作部  5:スキャナ部  6:プロッタ部
7:電源部   8:AC/DCコンバータ
9:第1の過電流検出回路
10:第2の過電流検出回路
20:負荷制御部

Claims (4)

  1. 交流から直流を生成する電源部と、その直流によって負荷を動作させる負荷制御部とを備えた電気機器において、
    前記電源部に第1の過電流検出回路と第2の過電流検出回路を設け、該第2の過電流検出回路が検出する過電流値を、前記第1の過電流検出回路が検出する過電流値より小さい値に設定し、
    前記第2の過電流検出回路による過電流検出時には前記負荷制御部が負荷の動作を制限し、前記第1の過電流検出回路による過電流検出時には前記電源部の動作を停止させるか前記負荷への給電回路を遮断するように構成したことを特徴とする電気機器。
  2. 請求項1記載の電気機器において、
    前記負荷制御部により負荷の動作を制限することが、負荷の動作を低速化させることであることを特徴とする電気機器。
  3. 請求項1記載の電気機器において、
    前記負荷制御部により負荷の動作を制限することが、負荷を間欠動作させることであることを特徴とする電気機器。
  4. 請求項1記載の電気機器において、
    前記負荷制御部により負荷の動作を制限することが、負荷の動作を一時停止させて一定時間経過した後に再度続きの動作をさせることであることを特徴とする電気機器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045001A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2012014379A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Panasonic Corp 電子機器
JP2019126212A (ja) * 2018-01-18 2019-07-25 キヤノン株式会社 負荷制御装置および記録装置

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