JP2004120546A - フィードフォワード型歪補償増幅器の制御方法 - Google Patents

フィードフォワード型歪補償増幅器の制御方法 Download PDF

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Masahiro Matsuda
松田 昌弘
Takayoshi Funada
舟田 貴吉
Jiyunya Dousaka
堂坂 淳也
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Abstract

【課題】電源投入時の消費電力を抑制し、動作を安定化することができるようにする。
【解決手段】歪検出ループL1では、主増幅器5で発生してその出力信号(マルチキャリア信号)Bに混入する歪成分が、分配器7において、差分信号Eとして検出される。この差分信号Eはベクトル調整器9で振幅,位相が調整され、誤差増幅器10で増幅されて分配器11に供給され、遅延線8からのマルチキャリア信号に混入している歪信号をキャンセルする。分配器7からの差信号Eのレベルが所定の値よりも大きくなる電源投入後の起動期間では、制御部14により、ベクトル調整器9における可変減衰器9aの減衰量が最大に設定され、誤差増幅器10への差信号Eの入力を遮断する。これにより、誤差増幅器10で生ずる大きな消費電力を抑圧することができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力信号を増幅する主増幅器と、この主増幅器で発生する歪、例えば、該入力信号をマルチキャリア信号とした場合などでの相互変調歪を補償するフィードフォワード(Feed Forward:以下、FFという)ループを備えた型歪補償増幅器に係り、特に、そのFFループを最適化するための制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信用の基地局・中継局では、所定の周波数間隔で夫々適宜変調された複数の搬送波からなるマルチキャリア信号を、高周波増幅した後、無線送信するが、この高周波増幅に用いる増幅器の線形性が充分良好でないと、例えば、相互変調歪などの各種の歪が発生する。このため、マルチキャリア信号などの異なる周波数の複数搬送波からなる信号を増幅する増幅器に対しては、かかる信号の周波数帯域全体に亘って良好な線形性が要求される。
【0003】
いま、マルチキャリア信号を例として、マルチキャリア信号の増幅に適する超低歪増幅器を実現する手法の1つに、従来、FF増幅方式が知られている。これは、入力したマルチキャリア信号を主増幅器で増幅して出力する本線と、この主増幅器で増幅されたマルチキャリア信号からこの主増幅器で発生した歪成分を検出するFFループの歪検出ループと、この歪検出ループで検出された歪成分を用いて主増幅器で増幅されたマルチキャリア信号から歪を除去するFFループの歪補償ループとから構成されるものである。
【0004】
かかるFF増幅方式による型歪補償増幅器(即ち、FF型歪補償増幅器)の従来例が、例えば、特開平7ー303050号公報や特開平8ー307161号公報に開示されているが、図6により、かかる従来のFF型歪補償増幅器の基本的な構成及びその動作について説明する。なお、1は入力端子、2は前置増幅器、3は分配器、4はベクトル調整器、5は主増幅器、6は遅延線、7は分配器、8は遅延線、9はベクテル調整器、10は誤差増幅器、11,12は分配器、13は出力端子、14は制御回路、15は検波器、16はパイロット信号送受信部である。
【0005】
同図において、入力端子1から前置増幅器2,分配器3,主増幅器5,分配器7,遅延線8,分配器11を通って出力端子13に至る信号経路が本線を形成するものである。この本線では、入力端子1からの入力信号(以下では、マルチキャリア信号とする)は、前置増幅器2で増幅され、分配器3で一部分配された後、可変減衰器と可変移相器とからなるベクトル調整器4を経由して主増幅器5に供給される。この主増幅器5で高周波増幅されたマルチキャリア信号は、分配器7で一部分配された後、遅延線8で所定の遅延量だけ遅延され、分配器11を通って出力端子13から出力される。
【0006】
かかる本線において、主増幅器5で良好な線形性が得られない場合、マルチキャリア信号で、例えば、相互変調が生じ、これによる歪(相互変調歪)などといった各種の歪が発生してマルチキャリア信号に混入する。かかる歪を除去するために、かかる型歪補償増幅器では、いずれもFFループの歪検出ループL1と歪除去ループL2とが設けられ、歪検出ループL1により、主増幅器5で発生してマルチキャリア信号に混入した歪成分を検出し、歪除去ループL2により、検出したかかる歪成分を用いて、マルチキャリア信号に混入している歪成分を除去するようにしている。
【0007】
歪検出ループL1は、本線でのベクトル調整器4及び主増幅器5と、遅延線6と、分配器3,7とから構成される。かかる構成の歪検出ループL1では、入力端子1から入力された図示する周波数スペクトルaのマルチキャリア信号Aが前置増幅器2で増幅されて分配器3に供給され、その一部が分配されて残りが本線に供給される。この分配された信号は、遅延線6で所定の遅延量だけ遅延された後、分配信号Cとして分配器7に供給される。この分配信号Cは、入力信号Aと同じ周波数スペクトルcを有している。
【0008】
この分配器7は、主増幅器5の歪成分が混入した図示するスペクトルbの出力信号Bを、その一部を分配して残りを本線の遅延線8に供給する分配機能とともに、この主増幅器5の出力信号Bの分配信号から遅延線6からの分配信号Cを互いに逆移相で加算する減算機能をも有している。そこで、分配器7では、主増幅器5の出力信号Bから分配されて信号(図示しないが、これを、以下、分配信号Dという)から遅延線6からの分配信号Cが減算される。この減算処理によって得られる差信号Eは歪除去ループL2の可変減衰器と可変移相器とからなるベクトル調整器9に供給される。
【0009】
ここで、分配器7から出力される差信号Eは検波器15でレベル検波され、制御部14はこの検波器15の検波出力を取り込んで、この検波出力レベルが最小となるように、ベクトル調整器4の減衰量や位相量を制御する。これにより、主増幅器5の出力信号Bからの分配器7による分配信号Dと遅延線6からの分配信号Cとが等しい振幅でかつ逆位相の関係となり、従って、分配器7から出力される差信号Eは、主増幅器5で発生する相互変調歪などの歪成分となる(かかる状態を、以下、歪検出ループL1が最適化されているという)。
【0010】
歪除去ループL2は、本線での遅延線8と、ベクトル調整器9及び誤差増幅器10と、分配器7,11とから構成されである。かかる構成の歪除去ループL2では、分配器7で主増幅器5の出力信号Bのうちの分配信号D以外の信号、即ち、マルチキャリア信号Fが、遅延線8で所定の遅延量だけ遅延された後、分配器11に供給される。また、分配器7で得られた歪成分Eは、ベクトル調整器9を経由して誤差増幅器10に供給される。誤差増幅器10で増幅された図示する周波数スペクトルdの歪成分Gは分配器11に供給される。この分配器11は減算機能を有しており、遅延線8からのマルチキャリア信号Fから誤差増幅器10からの歪成分Gを減算する。これにより、主増幅器5で生じた歪を除去されたマルチキャリア信号Gが得られ、出力端子13から出力される。
【0011】
ここで、パイロット信号送受信部16は、上記のマルチキャリア信号とは異なる周波数帯のパイロット信号▲1▼を主増幅器5の出力端子に供給する。このパイロット信号▲1▼は分配器7で分配され、その一方は遅延線8を介して分配器11に供給され、他方はベクトル調整器9及び誤差増幅器10で処理されて分配器11に供給される。この分配器11では、遅延線8からのパイロット信号▲1▼と誤差増幅器10からのパイロット信号▲1▼とが減算処理される。分配器11の出力信号は、また、分配器12で一部分配され、これがパイロット信号送受信部16に供給される。このパイロット信号送受信部16では、分配器12からの信号からパイロット信号▲1▼が抽出され、そのレベルが検波される。制御部14は、この検波レベルを取り込んで、この検波レベルがゼロとなるように、ベクトル調整器9の減衰量と位相量とを制御する。
【0012】
かかる制御部14によるベクトル調整器9の制御により、遅延線8から分配器11に供給されるパイロット信号▲1▼と誤差増幅器10から分配器11に供給されるパイロット信号▲1▼とが等しい振幅で互いに逆位相の関係となるように、従って、誤差増幅器10から出力される歪成分Gと遅延線8からのマルチキャリア信号中の歪成分とが等しい振幅で互いに逆位相の関係となるように、ベクトル調整器9の減衰量及び位相量が設定されたことになり、出力端子13には、精度良く歪成分が除かれたマルチキャリア信号Hが得られることになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上の構成の従来のFF型歪補償増幅器では、起動に際しては、電源の投入とともに、前置増幅器2や主増幅器5,誤差増幅器10に電源電圧が供給されるのであるが、かかる電源投入時では、ベクトル調整器4,9での減衰量や位相量は正しい値に設定されておらず、制御部14が、検波器15の検波出力やパイロット信号送受信部16でのパイロット信号▲1▼の検波レベルに応じて、ベクトル調整器4,9での減衰量や位相量を制御するにつれて、歪検出ループL1が正常な歪検出を行なうようになり(即ち、歪検出ループL1が最適化されていき)、出力端子13から歪成分が除去されたマルチキャリア信号Hが得られるようになる。即ち、電源が投入されると、ベクトル調整器4,9での減衰量や位相量が所定の値に設定されるまでは、分配器11で歪成分を精度良く除去する正常動作が行なわれないことになる。この期間を、以下、電源投入後の起動期間という。
【0014】
このような電源投入後の起動期間では、分配器7での分配信号Dと遅延線6からの分配信号Cとが同振幅,逆位相の関係とはならないため、分配器7からは歪成分にマルチキャリア信号が混入した大きな振幅の信号が出力されることになり、これがベクトル調整器9を介して誤差増幅器10に供給されることになる。このため、誤差増幅器10では、大振幅の信号が入力され、振幅が大きい分この誤差増幅器10での消費電力が増大化する。
【0015】
図7は従来のFF型歪補償増幅器の電源投入時からの消費電力の時間的変化を示す図であって、電源が投入されると(t=0)、消費電力が急激に増加し、しかる後、時間経過とともに減少していって、制御部14の制御により、ベクトル調整器4,9の減衰量や位相量が所定の値となっていって歪検出ループL1が最適化されるようになるにつれて、定常の消費電力に収束していく。
【0016】
このように、従来のFF型歪補償増幅器では、電源の投入とともに、消費電力が定常時よりも急激に増加するという問題があった。
【0017】
また、かかる電源投入後の起動期間では、誤差増幅器10からは、遅延線8からのマルチキャリア信号とは位相が正常でない大振幅の信号が出力されるので、歪補償が安定しないという問題もあった。
【0018】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、電源投入時の消費電力を抑制し、動作を安定化することができるようにしたフィードフォワード型歪補償増幅器を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、入力信号を主増幅器で増幅し、該主増幅器の出力信号から該主増幅器で生じた歪成分を検出する歪検出ループと、減衰量と位相量とを可変とするベクトル調整器で該歪成分の振幅と位相を調整し、該ベクトル調整器から出力される該歪成分を誤差増幅器で増幅し、該誤差増幅器から出力される該歪成分で該主増幅器の出力信号の歪成分を除去する歪除去ループとからなるフィードフォワード型歪補償増幅器であって、電源を投入してから該歪ループが適正化するまでの所定期間、歪除去ループでのベクトル調整器の減衰量を増加させ、この所定期間、誤差増幅器の入力信号を抑圧するものである。
【0020】
また、本発明は、同様のフィードフォワード型歪補償増幅器であって、電源を投入してから該歪ループが適正化するまでの所定期間、誤差増幅器への信号の入力を遮断するものである。
【0021】
このように、電源を投入してから所定期間、誤差増幅器への信号入力を遮断することにより、誤差増幅器への高レベルの信号入力が禁止され、この誤差増幅器での高レベルの信号入力による消費電力の増大化を回避できるし、また、かかる高レベルの信号による歪補償動作の不安定化も回避できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明によるフィードフォワード型歪補償増幅器の制御方法の第1の実施形態を示すブロック図であって、9aは可変減衰器、9bは可変移相器、14aはD/A(デジタル/アナログ)コンバータ、14bは電源部、14cはメモリ部、17は入力レベル検波器、18は演算増幅器であり、図6に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0023】
同図において、起動時には、電源が投入されるとともに、制御部14がその電源部14bから前置増幅器2や主増幅器5,誤差増幅器10に電源電圧を供給し、これらを動作状態にする。
【0024】
入力端子1から入力されるマルチキャリア信号Aは、前置増幅器2で増幅されて分配器3に供給されるとともに、入力レベル検波器17に供給され、その入力レベルが検波される。制御部14は、この入力レベル検波器17の検波出力を取り込むことにより、この入力されるマルチキャリア信号Aのレベルを常時監視している。そして、入力されるマルチキャリア信号Aのレベルが低すぎる場合には、D/Aコンバータ14aから前置増幅器2に制御信号を送り、前置増幅器2の増幅度(利得)を高めるようにする。
【0025】
また、ベクトル調整器9の可変減衰器9aの減衰量や可変移相器9bの位相量は、パイロット信号送受信部16の受信パイロット信号▲1▼のレベルに応じたデジタル値をD/Aコンバータ14aでアナログ値に変換し、これを制御値として制御されるものであるが、特に、可変減衰器9aの減衰量は、かかるアナログ値を演算増幅器18で処理し、その処理結果を制御値とする制御電圧によって制御される。この処理は検波器15の検波出力に応じてなされるものであって、歪検出ループL1の動作状態が最適化(即ち、主増幅器5で発生した歪成分が分配器7で正常に差分信号Eとして検出されている状態にあって、以下、歪検出ループL1が最適化されている、という)されており、検波器15の検波レベルが所定の値以下であるときには、演算増幅器18から可変減衰器9aに供給される制御値はパイロット信号送受信部16で検出されたパイロット信号▲1▼のレベルに応じたものであって、誤差増幅器10から出力される歪成分Gが遅延線8からのマルチキャリア信号に混入している歪成分とレベルが等しくなるようにするものであるが、検波器15の検波レベルがこの所定の値よりも大きくなると(即ち、歪検出ループL1が最適化されていないときには)、演算増幅器18は可変減衰器9aの減衰量を最大にする制御値を生成し、誤差増幅器10の入力信号のレベルをゼロもしくは充分小さくする。かかる所定の値は、例えば、制御部14内のメモリ部14cに格納され、これと検波器15の検波出力レベルのデジタル値と比較される。例えば、この所定の値が、デジタル値で100とすると、検波器15の検波出力レベルが、デジタル値で100以上となると、可変減衰器9aの減衰量が最大に設定される。
【0026】
そこで、歪検出ループL1が最適化されていない電源投入後の起動期間に、分配器7から出力される差信号Eが大きなレベルの信号である場合には、これが検波器15の検波出力によって検出されることになり、制御部14はD/Aコンバータ14aからこの検出結果を表わすアナログ値を演算増幅器18に出力する。演算増幅器18は、このアナログ値を演算処理することにより、可変減衰器9aの減衰量を最大とする制御値を生成し、これでもって可変減衰器9aの減衰量を最大とする。この結果、誤差増幅器10の出力信号Gはゼロもしくはほぼゼロのレベルの信号となり、分配器11では、上記の減算処理がほとんど行なわれず、ほぼ遅延線8からのマルチキャリア信号が出力端子13に得られることになる。
【0027】
その後、ベクトル調整器4の減衰量や位相量が夫々、検波器15の検波出力をもとに、規定の値に近づいていくと、検波器15の検波出力も小さくなっていき、遂には、歪検出ループL1が最適化されて上記の所定の値以下となる。これにより、制御部14のD/Aコンバータ14aからはパイロット信号送受信部16で検出されたパイロット信号▲1▼のレベルを基にしたアナログ値が出力され、これが演算増幅器18で演算処理されて、ベクトル調整器9の可変減衰器9aの減衰量を誤差増幅器10から出力される歪成分Gが遅延線8からのマルチキャリア信号に混入している歪成分とレベルが等しくなるようにする制御値を生成する。なお、ベクトル調整器9の可変移相器9bの位相量も、制御部14のD/Aコンバータ14aからの制御値により、誤差増幅器10から出力される歪成分Gが遅延線8からのマルチキャリア信号に混入している歪成分と互いに逆位相となるようにする。
【0028】
このようにして、この第1の実施形態では、電源投入後の起動期間では、誤差増幅器10の入力信号のレベルをゼロもしくはほぼゼロとするものであるから、この期間での誤差増幅器10の消費電力を大幅に抑圧することができ、図2に実線で示すように、破線で示す従来のFF型歪補償増幅器に比べて、消費電力を大幅に低減することが可能となる。また、歪検出ループL1が最適化されていないかかる電源投入後の起動期間では、歪除去ループL2での分配器11への差信号Gの供給が遮断もしくは減衰されるので、従来のFF型歪補償増幅器のようなかかる差信号Gを用いた減算処理に伴う歪補償動作の不安定化を回避することができ、電源投入時から歪補償動作の安定化を図ることができる。勿論、この起動期間では、分配器11で歪成分の減算処理が行なわれないから、歪補償は行なわれないことになるが、歪成分以外も含む大きなレベルの差信号Gを用いて減算処理がなされる場合よりも、動作が安定していることになり、より良好な出力マルチキャリア信号が出力端子13に得られることになる。
【0029】
なお、歪検出ループL1が最適化されていない電源投入後の起動期間でも、入力端子1からの入力マルチキャリア信号Aのレベルが充分低く、入力レベル検波器17の検波出力レベルが規定値よりも小さい場合には、パイロット信号送受信部16で検出されたパイロット信号▲1▼のレベルに応じた制御値が演算増幅器18から可変減衰器9aに供給され、定常動作と同じ減衰量の制御が行なわれる。
【0030】
図3は図1における演算増幅器18の一具体例を示す回路図であって、18a,18bは入力端子、18cは出力端子、18dは差動増幅器である。
【0031】
同図において、入力端子18aから入力される制御電圧P1を演算増幅器18を形成する差動増幅器18dの反転入力とし、入力端子18bから入力される制御電圧P2を差動増幅器18dの非反転入力とする。これら制御信号P1,P2は制御部14のD/Aコンバータ14a(図1)から供給されるものである。この差動増幅器18bの出力が出力端子18cから、制御電圧として、可変減衰器9a(図1)に供給される。
【0032】
ここで、歪検出ループL1が最適化されていないで検波器15の検波出力レベルが上記の所定値以上のときには、入力端子18aに入力制御電圧P1がなく、入力端子18bに最小レベルの制御電圧P2が供給される。これにより、出力端子18cには、オフセットのかかった制御電圧が得られ、これにより、可変減衰器9a(図1)の減衰量が最大に設定され、分配器7からの差信号Eを大幅に減衰して遮断する。歪検出ループL1が最適化されて検波器15の検波出力レベルが上記の所定値よりも小さい場合には、あるいはまた、電源投入後の起動期間であっても、入力レベル検波器17で検波される入力マルチキャリア信号Aのレベルが充分小さいときには、入力端子18bの入力制御電圧P2が増加し、入力端子18aには、パイロット信号▲1▼のレベルに応じた制御値の制御電圧P1が入力される。これにより、出力端子18cからは、誤差増幅器10の入力レベルを規定のレベルにするように、可変減衰器9aの減衰量を設定する制御電圧が得られる。
【0033】
図4は本発明によるフィードフォワード型歪補償増幅器の制御方法の第2の実施形態を示すブロック図であって、19は接続切替スイッチであり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0034】
同図において、この第2の実施形態では、分配器7とベクトル調整器9との間に接続切替スイッチ19を設けたものであり、歪検出ループL1が最適化されていない電源投入後の起動期間に検出器15の検出出力レベルがメモリ部14cに設定されている所定値以上のとき、制御部14が接続切替スイッチ19をオフにし、分配器7とベクトル調整器9との間を遮断する。
【0035】
これにより、誤差増幅器10の入力が遮断され、この誤差増幅器10での消費電力がゼロとなって、先の第1の実施形態と同様、FF型歪補償増幅器のこの起動期間での消費電力を大幅に低減することができる。
【0036】
制御部14が検波器15の検波出力を用いてベクトル調整器4での減衰量や位相量の制御を行なうことにより、FF型歪補償増幅器の消費電力が低減していき、歪検出ループL1が最適化されて、検波器15の検波出力レベルがメモリ部14cでの所定の値以下となると、制御部14は接続切替スイッチ19をオンにして分配器7とベクトル調整器9との間を接続し、誤差増幅器10に差信号10が入力されるようになる。これとともに、制御部14は、パイロット信号送受信部16で検出されたパイロット信号▲1▼のレベルを基に、ベクトル調整器9の減衰量や位相量を制御し、これにより、分配器11で歪成分が高い精度で除去される定常の動作状態に収束する。
【0037】
このようにして、この第2の実施形態においても、図2と同様の消費電力の特性が得られることになり、歪検出ループL1が最適化されていない上記起動期間での消費電力の大幅な低減を達成することができるし、不要な信号が接続切替スイッチ19で遮断されるので、上記起動期間での歪補償動作も安定化する。
【0038】
なお、この第2の実施形態においても、上記の起動期間内であっても、入力マルチキャリア信号Aのレベルが充分小さい場合には、制御部14がこれを入力レベル検波器17で検出することにより、接続切替スイッチ19をオン状態とすることにより、分配器7とベクトル調整器9との間を接続状態とし、歪除去ループL2を作動状態とする。
【0039】
図5は図4における接続切替スイッチ19の一具体例を示す回路図であって、19aは信号入力端子、19bは制御端子、19cは切替スイッチ、19dは出力端子、19eは終端器である。
【0040】
同図において、この具体例は可動接点1と固定接点2,3とを備えた切替スイッチ19cが用いられており、一方の固定接点2がベクトル調整器9(図4)に接続され、他方の可動接点3が終端器19cによって終端されている。また、可動接点1は信号入力端子19aを介して分配器7(図4)に接続されている。さらに、可動接点1の切り替えは、制御部14のD/Aコンバータ14a(図4)から制御端子19bに供給される切替制御信号によって行なわれる。
【0041】
いま、電源が投入されてからの歪検出ループL1が最適化されない上記の起動期間では、制御端子19bからの切替制御信号により、可動接点1は固定接点3側に閉じる。これにより、可動接点1は終端器19eに接続されて接点1,2間は遮断され、出力端子19dからベクトル調整器9,誤差増幅器10への差信号Eの供給は行なわれない。即ち、信号入力端子19aに分配器7(図4)から供給される差信号Eは終端器19eに供給される。従って、分配器7の差信号Eの出力端子がこの終端器19eで終端されることになり、分配器7の安定な動作も維持されることになる。
【0042】
かかる起動期間が経過すると、あるいは起動期間であっても、入力マルチキャリア信号A(図4)のレベルが充分小さいときには、切替スイッチ19cの可動接点1は固定接点2側に閉じ、信号入力端子19aから入力される差信号(歪成分)Eは、切替スイッチ19cを通り、出力端子19dからベクトル調整器9(図4)に供給される。
【0043】
なお、以上の各実施形態では、マルチキャリア信号を例にして説明したが、本発明はこれのみに限るものではなく、主増幅器5で歪成分が生じて信号に混入するものであれば、どのような信号であってもよい。
【0044】
また、上記各実施形態では、前置増幅器2もしくは分配器3の入力側からパイロット信号▲1▼とは異なる周波数帯のパイロット信号▲2▼を入力し、分配器7から出力される差分信号Eからこのパイロット信号▲2▼を抽出してそのレベルを検出し、この検出レベルがゼロとなるように、歪検出ループL1でのベクトル調整器4の減衰量や位相量を制御するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電源投入後の起動期間に大きなレベルで誤差増幅器に供給される差信号を遮断もしくは大幅に減衰するものであるから、該起動時での消費電力を大幅に低減することができるし、また、かかる大きなレベルの差信号を、かかる遮断や減衰により、歪補償に用いないようにしたものであるから、かかる差信号による歪補償動作の不安定化を防止することができ、電源投入時から動作の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフィードフォワード型歪補償増幅器の制御方法の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施形態の消費電力の時間経過による変化を示す図である。
【図3】図1における演算増幅器の一具体例を示す回路図である。
【図4】本発明によるフィードフォワード型歪補償増幅器の制御方法の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図5】図4における接続切替スイッチの一具体例を示す回路図である。
【図6】フィードフォワード型歪補償増幅器の一従来例を示すブロック図である。
【図7】図6に示す従来例の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 入力端子
2 前置増幅器
3 分配器
4 ベクトル調整器
5 主増幅器
6 遅延線
7 分配器
8 遅延線
9 ベクトル調整器
9a 可変減衰器
9b 可変移相器
10 誤差増幅器
11,12 分配器
13 出力端子
14 制御部
14a D/Aコンバータ
14b 電源部
14c メモリ部
15 検波器
16 パイロット信号送受信部
17 入力レベル検波器
18 演算増幅器
18a,18b 入力端子
18c 出力端子
18d 差動増幅器
19 接続切替スイッチ
19a 信号入力端子
19b 制御端子
19c 切替スイッチ
19d 出力端子
19e 終端器

Claims (2)

  1. 入力信号を主増幅器で増幅し、該主増幅器の出力信号から該主増幅器で生じた歪成分を検出する歪検出ループと、減衰量と位相量とを可変とするベクトル調整器で該歪成分の振幅と位相を調整し、該ベクトル調整器から出力される該歪成分を誤差増幅器で増幅し、該誤差増幅器から出力される該歪成分で該主増幅器の出力信号の歪成分を除去する歪除去ループとからなるフィードフォワード型歪補償増幅器において、
    電源を投入してから該歪検出ループが最適化するまでの所定の期間、該歪除去ループでの該ベクトル調整器の減衰量を増加させ、該所定の期間、該誤差増幅器の入力信号を抑圧することを特徴とするフィードフォワード型歪補償増幅器の制御方法。
  2. 入力信号を主増幅器で増幅し、該主増幅器の出力信号から該主増幅器で生じた歪成分を検出する歪検出ループと、減衰量と位相量とを可変とするベクトル調整器で該歪成分の振幅と位相を調整し、該ベクトル調整器から出力される該歪成分を誤差増幅器で増幅し、該誤差増幅器から出力される該歪成分で該主増幅器の出力信号の歪成分を除去する歪除去ループとからなるフィードフォワード型歪補償増幅器において、
    電源を投入してから該歪検出ループが最適化するまでの所定の期間、該誤差増幅器への信号の入力を遮断することを特徴とするフィードフォワード型歪補償増幅器の制御方法。
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