JP2003198390A - カーテシアンループ方式送信機 - Google Patents

カーテシアンループ方式送信機

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JP2003198390A
JP2003198390A JP2001396138A JP2001396138A JP2003198390A JP 2003198390 A JP2003198390 A JP 2003198390A JP 2001396138 A JP2001396138 A JP 2001396138A JP 2001396138 A JP2001396138 A JP 2001396138A JP 2003198390 A JP2003198390 A JP 2003198390A
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signal
level
power
feedback
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JP2001396138A
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English (en)
Inventor
Ariyasu Kodama
有康 児玉
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Hitachi Kokusai Electric Inc
Original Assignee
Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力増幅器7で発生する歪を除去するためにカ
ーテシアンループ方式を用いた送信機において、電力を
低減させた場合、ループの発振を抑えてループゲインを
一定に保つために順方向部19だけでなく帰還方向部2
1を動作させなくてはならないため、低消費電力化する
ことができないという欠点がある。この欠点を除去する
ことを目的とする。 【解決手段】電力低減を行ったことにより、電力増幅器
7の3次歪レベル比が一定値(例えば、55dB以上)
以上となりカーテシアンループ方式による歪補償を行う
必要がなくなったとき、帰還方向部21への電源供給を
中断させるようにする。その結果、低消費電力化するだ
けでなく、順方向部19だけで電力調整を行うことがで
きることにより、ループの安定性を考慮する必要がなく
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーテシアンループ
方式送信機に関し、更に詳しくはカーテシアンループ方
式送信機の出力電力を低減させたときの低消費電力化、
及び送信波の歪補償に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のカーテシアンループ方式送信機の
一例について、図3、4を参照して説明する。図3は従
来のカーテシアンループ方式送信機の構成を示すブロッ
ク図である。図4は、負帰還のカーテシアンループ方式
の原理を示すブロック図である。
【0003】まず、従来のカーテシアンループ方式送信
機の動作概略について図3を用いて説明する。1はベー
スバンド信号発生器、2−1と2−2は加算器、3−1
と3−2はループフィルタ、4は直交変調器、5は第1
可変アッテネータ、6はバンドパスフィルタ、7は電力
増幅器、8は方向性結合器、9はアンテナ、10は第2
可変アッテネータ、11は直交復調器、12−1と12
−2は帰還側ベースバンド信号増幅器、13は周波数シ
ンセサイザ、14は第1可変アッテネータ制御信号入力
端子、17は第2可変アッテネータ制御信号入力端子、
19は順方向部、21は帰還方向部である。
【0004】ベースバンド信号発生器1からの出力信号
は加算器2−1及び加算器2−2に入力される。そし
て、加算器2−1の出力信号はループフィルタ3−1を
介して直交変調器4に入力されると共に、加算器2−2
の出力信号はループフィルタ3−2を介して直交変調器
4に入力される。更に、直交変調器4には周波数シンセ
サイザ13からの出力信号が入力される。直交変調器4
の出力信号は、第1可変アッテネータ制御信号入力端子
14が接続されている第1可変アッテネータ5に入力さ
れる。第1可変アッテネータ5からの出力信号はバンド
バスフィルタ6を介して電力増幅器7へ入力される。電
力増幅器7からの出力信号は方向性結合器8に入力さ
れ、方向性結合器8からの出力信号はアンテナ9より送
信されると共に、第2可変アッテネータ制御信号入力端
子17が接続されている第2可変アッテネータ10に入
力される。第2可変アッテネータ10の出力信号は直交
復調器11に入力される。更に、直交復調器11には周
波数シンセサイザ13からの出力信号が入力される。直
交復調器11からの出力信号は帰還側ベースバンド信号
増幅器12−1を介して加算器2−1に入力されると共
に、帰還側ベースバンド信号増幅器12−2を介して加
算器2−2に入力される。
【0005】従来のカーテシアンループ方式送信機にお
いて、ベースバンド信号発生器1より発生したベースバ
ンド信号同相成分Iは、加算器2−1を介してループフ
ィルタ3−1に伝送される。そしてループフィルタ3−
1で帯域制限と信号レベルの増幅が行われた後、直交変
調器4に入力される。同様に、ベースバンド信号発生器
1より発生したベースバンド信号直交成分Qは、加算器
2−2を介してループフィルタ3−2に伝送される。そ
してループフィルタ3−2で帯域制限と信号レベルの増
幅が行われた後、直交変調器4に入力される。直交変調
器4は、周波数シンセサイザ13で発生した局部発振信
号とベースバンド信号同相成分Iとベースバンド信号直
交成分Qとから得られた変調信号を出力する。この変調
信号は第1可変アッテネータ5でレベル調整された後、
第1バンドパスフィルタ6で不要信号成分を除去され、
電力増幅部7へ出力される。更に、この変調信号は電力
増幅部7で増幅された後、方向性結合器8を介してアン
テナ9より送信される。なお、方向性結合器8により電
力増幅器7からの出力信号の一部は帰還されて第2可変
アッテネータ10に入力される。そして、第2可変アッ
テネータ10で方向性結合器8より帰還された信号は所
望のアンテナ出力レベルとなるように減衰された後、直
交復調器11に入力される。直交復調器11に入力され
た信号は、周波数シンセサイザ13で発生した局部発振
信号より復調されることにより復調出力ベースバンド信
号の同相成分Iと直交成分Qに変換される。そして復調
出力ベースバンド信号の同相成分Iは帰還側ベースバン
ド信号増幅器12−1を介して加算器2−1に入力さ
れ、復調出力ベースバンド信号の直交成分Qは帰還側ベ
ースバンド信号増幅器12−2を介して加算器2−2に
入力される。加算器2−1は、ベースバンド信号発生器
1で発生したベースバンド信号と復調出力ベースバンド
信号とを同相成分Iで加算する。一方、加算器2−2
は、ベースバンド信号発生器1で発生したベースバンド
信号と復調出力ベースバンド信号とを直交成分Qで加算
する。
【0006】順方向部19はループフィルタ3−1、ル
ープフィルタ3−2、直交変調器4、第1可変アッテネ
ータ5、バンドパスフィルタ6、電力増幅器7、方向性
結合器8より構成されている。一方、帰還方向部21は
第2可変アッテネータ10、直交復調器11、帰還側ベ
ースバンド信号増幅器12−1、帰還側ベースバンド信
号増幅器12−2により構成されている。
【0007】次に、負帰還のカーテシアンループ方式の
原理について図4を用いて説明する。18は入力端子、
2は加算器、19は順方向部、20は出力端子、21は
帰還方向部である。入力端子18は加算器2を介して順
方向部19に接続されており、順方向部19は出力端子
20に接続されていると共に帰還方向部21を介して加
算器2の減算入力端子に接続されている。
【0008】出力端子20から出力される信号のレベル
Yは、入力端子18から入力される信号のレベルX、順
方向部19のゲインA、帰還方向部21のゲインβ、順
方向部19で発生する歪量Zより下記(1)式を用いて
表すことができる。
【0009】 Y={A/(1+A・β)}・X+{1/(1+A・β)}・Z =(1/β)・X+{1/(A・β)}・Z ………(1) (∵1<<A・β 1<<A) 上記(1)式より、出力レベルYは帰還方向部21のゲ
インβで決まり、順方向部19で発生する歪量Zはルー
プゲインA・βだけ改善される。
【0010】歪改善量について具体例を挙げて説明す
る。定格出力時の順方向部19のゲインA=50dB、
帰還方向部21のゲインβ=−30dBとして設定した
場合、改善量A・β=20dBとなるため、歪成分は2
0dB改善される。
【0011】次に、従来のカーテシアンループ方式送信
機での電力レベル制御動作について図3を用いて説明す
る。第2可変アッテネータ制御信号入力端子17から入
力されるアッテネータ制御信号により第2可変アッテネ
ータ10の減衰レベル調整を行うことで、帰還方向部2
1のゲイン調整を行う。このゲイン調整により、所望の
出力電力を得ることができる。但し、第2可変アッテネ
ータ10の減衰レベルを変動させ帰還方向部21のゲイ
ンのみ変えてしまうと、ループゲインが変動してしま
い、ループが不安定の状態となる。このループの不安定
状態を回避するためには、帰還方向部21のゲイン変動
分を打ち消す必要がある。そこで第1可変アッテネータ
制御信号入力端子14にアッテネータ制御信号を入力し
て第1可変アッテネータ5のレベルを調整することによ
り、帰還方向部21のゲイン変動分を打ち消すようにす
る。即ち、第1可変アッテネータ5のレベルを調整する
ことにより順方向部19のレベル調整を行ってループゲ
インが一定となるようにする。出力電力を削減させるた
めに前述の電力レベル制御動作を行うとき、帰還方向部
21のゲイン調整だけでなく順方向部19のゲイン調整
を行うことによりループゲインを常に一定に保つように
する。その結果、ループの安定性を確保するようにす
る。
【0012】出力電力を削減するように前述の電力レベ
ル制御動作を行ったときの一例について説明する。公共
業務用デジタル無線システムの移動端末局では、例えば
基地局の近傍で基地局と通信する場合、移動端末局の送
信機の出力電力を定格出力電力よりも10dB、20d
B、又は30dB低減させることが要求される。そこで
従来のカーテシアンループ方式送信機で出力電力を低減
させる場合、前記(1)式に示すように帰還方向部21
のゲインβを出力電力の低減分だけ増加させると共に、
順方向部19のゲインAを出力電力の低減分だけ減少さ
せることによりループゲインが常に一定に保つようにす
る。例えば30dB出力電力を低減させる場合、順方向
部19のゲインAを50dBから30dBだけ減少させ
て20dBにすると共に、帰還方向部21のゲインβを
−30dBから30dBだけ増加させて0dBとなるよ
うにすることで、ループゲインが常に20dBに保つよ
うにする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のカーテ
シアンループ方式送信機ではループの安定性を考慮しな
がら出力電力を低減させるため、ループゲインが常に一
定となるようにする必要があるが、常に一定となるよう
にするためには、帰還方向部のゲインを低減比だけ増加
させなければならないため、消費電力低減を図ることが
できないという欠点がある。そこで本発明では、出力電
力を低減させたときに消費電力低減を図ることができる
ようにした極めて高性能なカーテシアンループ方式送信
機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明では前述の目的を
達成するために、帰還方向部への電源供給を制御する制
御手段(実施例では、制御部)を備えることにより、出
力電力が低減したことで電力増幅手段(実施例では、電
力増幅器)のn次歪レベル比(実施例では、3次歪レベ
ル比)が所定値以上となったとき、制御手段(実施例で
は、制御部)が帰還方向部への電源供給を中断するよう
にしたものである。その結果、帰還方向部において消費
電力が0になると共に順方向部での消費電力は低下する
ため、消費電力低減を図ることができる。更に、帰還方
向部への電源供給が中断されて動作が停止することによ
り、順方向部のゲイン調整のみで所定の送信電力を得る
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例であるカ
ーテシアンループ方式送信機について、図1、2、5、
6を参照して説明する。図1は、本実施例のカーテシア
ンループ方式送信機の構成を示すブロック図である。図
2は、本実施例のカーテシアンループ方式送信機の順方
向部に備えられた電力増幅器の入出力特性を示す図であ
る。図5は、電力増幅によって発生するn(n=2k+
1、但しkは自然数)次歪を示す図である。図6は、電
力増幅器への入力信号のスペクトルを示す図である。
【0016】まず、本実施例のカーテシアンループ方式
送信機の動作概略について図1を用いて説明する。1は
ベースバンド信号発生器、2−1と2−2は加算器、3
−1と3−2はループフィルタ、4は直交変調器、5は
第1可変アッテネータ、6はバンドパスフィルタ、7は
電力増幅器、8は方向性結合器、9はアンテナ、10は
第2可変アッテネータ、11は直交復調器、12−1と
12−2は帰還側ベースバンド信号増幅器、13は周波
数シンセサイザ、14は第1可変アッテネータ制御信号
入力端子、15はループフィルタゲイン制御信号入力端
子、16は帰還側回路電源制御端子、17は第2可変ア
ッテネータ制御信号入力端子、19は順方向部、21は
帰還方向部、24は制御部である。
【0017】ベースバンド信号発生器1からの出力信号
は加算器2−1及び加算器2−2に入力される。そし
て、加算器2−1からの出力信号は制御信号入力端子1
5が接続されたループフィルタ3−1を介して直交変調
器4に入力されると共に、加算器2−2からの出力信号
は制御信号入力端子15が接続されたループフィルタ3
−2を介して直交変調器4に入力される。更に、直交変
調器4には周波数シンセサイザ13からの出力信号が入
力される。直交変調器4の出力信号は、第1可変アッテ
ネータ制御信号入力端子14が接続されている第1可変
アッテネータ5に入力される。第1可変アッテネータ5
からの出力信号はバンドバスフィルタ6を介して電力増
幅器7へ入力される。電力増幅器7からの出力信号は方
向性結合器8に入力され、方向性結合器8からの出力信
号はアンテナ9より送信されると共に、帰還側回路電源
制御端子16と第2可変アッテネータ制御信号入力端子
17とが接続されている第2可変アッテネータ10に入
力される。帰還側回路電源制御端子16は第2可変アッ
テネータ制御信号入力端子17に接続されているだけで
なく、直交復調器11、帰還側ベースバンド信号増幅器
12−1、帰還側ベースバンド信号増幅器12−2に接
続されている。更に、方向性結合器8に接続されている
制御部24にも接続されている。第2可変アッテネータ
10の出力信号は直交復調器11に入力される。更に、
直交復調器11には周波数シンセサイザ13からの出力
信号が入力される。直交復調器11からの出力信号は帰
還側ベースバンド信号増幅器12−1を介して加算器2
−1に入力されると共に、帰還側ベースバンド信号増幅
器12−2を介して加算器2−2に入力される。
【0018】本実施例のカーテシアンループ方式送信機
において、定格出力時の動作について説明する。ベース
バンド信号発生器1より発生したベースバンド信号同相
成分Iは、加算器2−1を介してループフィルタ3−1
に伝送され、帯域制限と信号レベルの増幅が行われた
後、直交変調器4に入力される。ループフィルタ3−1
は、制御信号入力端子15から入力される制御信号によ
り定格出力時のループフィルタ増幅率となるようにして
いる。同様に、ベースバンド信号発生器1より発生した
ベースバンド信号直交成分Qは、加算器2−2を介して
ループフィルタ3−2に伝送され、帯域制限と信号レベ
ルの増幅が行われた後、直交変調器4に入力される。ル
ープフィルタ3−2は、制御信号入力端子15から入力
される制御信号により定格出力時のループフィルタ増幅
率となるようにしている。直交変調器4は、周波数シン
セサイザ13で発生した局部発振信号とベースバンド信
号同相成分Iとベースバンド信号直交成分Qとから得ら
れた変調信号を出力し、この変調信号は第1可変アッテ
ネータ5でレベル調整される。第1可変アッテネータ5
は、第1可変アッテネータ制御信号端子14から入力さ
れる制御信号により減衰レベルが定格電力出力時の減衰
レベルとなるように行われることでレベル調整を行う。
第1可変アッテネータ5でレベル調整された変調信号
は、第1バンドパスフィルタ6で不要信号成分が除去さ
れ、電力増幅部7へ出力される。更に、この変調信号は
電力増幅部7で増幅された後、方向性結合器8を介して
アンテナ9より送信される。なお、方向性結合器8によ
り電力増幅器7からの出力信号の一部は帰還されて第2
可変アッテネータ10に入力される。そして、第2可変
アッテネータ10で方向性結合器8より帰還された信号
を所望のアンテナ出力レベルとなるように減衰した後、
直交復調器11に入力される。直交復調器11に入力さ
れた信号は、周波数シンセサイザ13で発生した局部発
振信号より復調されることにより復調出力ベースバンド
信号の同相成分Iと直交成分Qに変換される。そして復
調出力ベースバンド信号の同相成分Iは帰還側ベースバ
ンド信号増幅器12−1を介して加算器2−1に入力さ
れ、復調出力ベースバンド信号の直交成分Qは帰還側ベ
ースバンド信号増幅器12−2を介して加算器2−2に
入力される。加算器2−1は、ベースバンド信号発生器
1で発生したベースバンド信号と復調出力ベースバンド
信号とを同相成分Iで加算する。一方、加算器2−2
は、ベースバンド信号発生器1で発生したベースバンド
信号と復調出力ベースバンド信号とを直交成分Qで加算
する。
【0019】順方向部19はループフィルタ3−1、ル
ープフィルタ3−2、直交変調器4、第1可変アッテネ
ータ5、バンドパスフィルタ6、電力増幅器7、方向性
結合器8より構成されている。一方、帰還方向部21は
第2可変アッテネータ10、直交復調器11、帰還側ベ
ースバンド信号増幅器12−1、帰還側ベースバンド信
号増幅器12−2により構成されている。
【0020】次に、本実施例のカーテシアンループ方式
送信機におけるn(n=2k+1但し、kは自然数)次
歪、n次歪レベル比について、図5を用いて説明する。
一般的に、電力増幅器に周波数の異なる2つの信号が入
力されたとき、出力信号と共に図5に示すn次歪が出力
される。そしてこのn次歪の出力レベルは、電力増幅器
からの信号の出力レベルがm倍になると、n×m倍とな
る。例えば電力増幅器からの信号の出力レベルが2倍に
なると、3次歪の出力レベルは6倍となる。即ち、電力
増幅器からの信号の出力レベルが大きくなったとき、こ
の信号の出力レベルの変化分よりもn次歪の出力レベル
がはるかに大きくなるため、n次歪レベル比(=信号の
出力レベル/n次歪の出力レベル)が小さくなりn次歪
を無視することができなくなる。
【0021】そこで本実施例のカーテシアンループ方式
送信機では、電力増幅器のn次歪を無視することができ
ないレベルのとき、帰還方向部に電源を供給することで
動作させることによりカーテシアンループ方式による歪
補償を行うようにする。一方、電力増幅器のn次歪を無
視することができるレベルのとき、帰還方向部への電源
供給を中断させて動作を停止させるようにする。但し、
送信機の動作が不安定となるのを防ぐために、例えばプ
レストーク方式の無線機では待受時(非送信時)におい
てのみ帰還方向部への電源供給制御を行う。そして、こ
の電源供給状態は、送信起動開始時も保持される。ま
た、TDMA(Time Division Mult
iple Access)方式の無線機でも同様にして
非送信期間においてのみ帰還方向部への電源供給制御を
行う。
【0022】以下、本実施例のカーテシアンループ方式
送信機において、電力増幅器からの信号の出力レベルに
応じた帰還方向部の電源供給制御について説明する。一
例として、電力増幅器からの信号の出力レベルが定格出
力レベルであるときと、定格出力レベルよりも10dB
低減させたときについて説明する。
【0023】まず、電力増幅器からの信号の出力レベル
が定格出力レベルであるときの帰還方向部の電力制御に
ついて、図2を用いて説明する。22は基本波入出力特
性、23は3次歪特性である。図2より、例えば定格出
力レベル+33dBmのとき電力増幅器7単体で発生す
る3次歪成分の出力レベルは−2dBmとなり、3次歪
レベル比は35dB(=33dBm−(−2dBm))
となる。この送信機の設計仕様として3次歪レベル比を
例えば55dB以上とした場合、3次歪レベル比を20
dB(=55dB−35dB)だけ改善する必要があ
る。定格出力レベル+33dBmを維持したまま3次歪
レベル比を55dB以上となるようにする場合、順方向
部19だけでなく帰還方向部21に電源を供給して動作
させることによりカーテシアンループ方式による歪補償
を行う。
【0024】次に、電力増幅器からの信号の出力レベル
が定格出力レベルよりも10dB低減されたときの帰還
方向部の電力制御について、図2を用いて説明する。図
2より、例えば定格出力レベル+33dBmのとき、1
0dB電力低減を行ったときの出力レベルは+23dB
mである。図2より、例えば出力レベル+23dBmの
とき、電力増幅器7単体で発生する3次歪成分の出力レ
ベルは−32dBmとなり、3次歪レベル比は55dB
(=23dBm−(−32dBm))となる。3次歪レ
ベル比として設計仕様の55dB以上となるため、カー
テシアンループ方式による歪補償を行う必要がなくなる
ことにより、帰還方向部21を動作させる必要がなくな
る。そこで、制御部24から帰還側回路電源制御端子1
6を介して帰還方向部21へ電源断信号を入力すること
により、第2可変アッテネータ10と直交復調器11と
帰還側ベースバンド信号増幅器12−1と帰還側ベース
バンド信号増幅器12−2の電源を遮断して、帰還方向
部21の動作を停止させる。一方、順方向部19だけは
動作させる。
【0025】次に、順方向部19だけ動作させたときで
の本実施例のカーテシアンループ方式送信機の動作につ
いて説明する。(帰還方向部21への電源供給を中断さ
せるか否かの判定については、後で詳細に説明する。)
ベースバンド信号器1より発生したベースバンド信号同
相成分Iは加算器2−1を介してループフィルタ3−1
へ伝送された後、帯域制限されると共に信号レベル増幅
が行われて、直交変調器4に入力される。ループフィル
タ3−1はループ形成時(帰還方向部21に電源供給が
行われている時)において非常に高い増幅率となってい
るが、増幅率を低減させる制御信号がループフィルタゲ
イン制御信号入力端子15に入力されることにより、ル
ープフィルタ3−1からの出力信号のレベルは低減され
る。同様にベースバンド信号器1より発生したベースバ
ンド信号直交成分Qもまた、加算器2−2を介してルー
プフィルタ3−2へ伝送された後、帯域制限されると共
に信号レベル増幅が行われて、直交変調器4に入力され
る。ループフィルタ3−2はループ形成時(帰還方向部
21に電源供給が行われている時)において非常に高い
増幅率となっているが、増幅率を低減させる制御信号が
ループフィルタゲイン制御信号入力端子15に入力され
ることにより、ループフィルタ3−2からの出力信号の
レベルは低減される。直交変調器4は、周波数シンセサ
イザ13で発生した局部発振信号とベースバンド信号同
相成分Iとベースバンド信号直交成分Qとから得られた
変調信号を出力し、この変調信号は第1可変アッテネー
タ5でレベル調整される。第1可変アッテネータ5は、
第1可変アッテネータ制御信号端子14から入力される
制御信号により定格電力出力時(+33dBm出力時)
よりも10dB減衰させるように減衰レベルを制御する
ことでレベル調整を行う。第1可変アッテネータ5でレ
ベル調整された変調信号は、第1バンドパスフィルタ6
で不要信号成分を除去され、電力増幅部7へ出力され
る。更に、この変調信号は電力増幅部7で増幅された
後、方向性結合器8を介してアンテナ9より送信され
る。
【0026】次に、帰還方向部21への電源供給を行う
か否かの判定について説明する。本実施例のカーテシア
ンループ方式送信機の場合、制御部24が方向性結合器
8から入力される送信信号の出力レベルが+23dB以
下であるか否かを検出し、送信信号の出力レベルが+2
3dB以下であるとき、3次歪レベル比が55dB以上
であることにより、帰還方向部21への電源供給を中断
させる。
【0027】以上のように、本実施例のカーテシアンル
ープ方式送信機は定格出力時(+33dBm出力時)か
ら10dB電力低減を行い、出力レベル+23dBmで
動作させた場合でも設計仕様である3次歪レベル比55
dB以上を満たすことができるだけでなく、帰還方向部
21への電源供給が中断されることにより消費電力を低
減させることができる。
【0028】本実施例のカーテシアンループ方式送信機
では、制御部が送信信号の出力レベル(例えば、+23
dB以下であるか)に応じて3次歪レベル比が所定値
(例えば、55dB)以上であるか否かを判定すること
により、帰還方向部への電源供給を制御していたが、こ
れに限定されるものではない。
【0029】例えば、送信信号のレベルと電力増幅部の
3次歪レベル比とのデータテーブルを有する記憶部を設
けて制御部に接続することにより、データテーブルを用
いて制御部が送信信号のレベルから算出した電力増幅部
の3次歪レベル比が所定値(例えば、55dB)以上で
あるか否かを判定することで、帰還方向部への電源供給
を制御することも可能である。
【0030】更に本実施例のカーテシアンループ方式送
信機では、3次歪レベル比に応じた帰還方向部への電源
供給制御について説明したがこれに限定されるものでは
ない。3次歪レベル比以外のn次歪レベル比に応じた帰
還方向部への電源供給制御も同様にして行うことができ
る。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、順方向部
側電力増幅器のn次歪レベル比が送信機仕様を十分に満
足するレベル(本実施例では3次歪レベル比55dB)
以上となるまで電力低減を行ったとき、カーテシアンル
ープ方式による歪補償を行う必要がないため、帰還方向
部への電源供給を停止させることができる。この電源供
給の停止により、送信機の消費電力を低減させることが
できると共に、歪を少ない送信出力を得ることができ
る。従って、極めて高性能な送信機を提供することがで
きる。更に、出力電力を低減時にはカーテシアンループ
を構成しないため、ループの安定性を考慮する必要がな
くなるため、極めて利便性の良い送信機を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるカーテシアンループ方
式送信機の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例であるカーテシアンループ方
式送信機に備えられた電力増幅器の入出力特性を示す
図。
【図3】従来の一例であるカーテシアンループ方式送信
機の構成を示すブロック図。
【図4】負帰還のカーテシアンループ方式の原理を示す
ブロック図。
【図5】電力増幅によって発生するn次歪を示す図。
【符号の説明】
1:ベースバンド信号発生器 2:加算器 3−1:ループフィルタ 3−2:ル
ープフィルタ 4:直交変調器 5:第1可
変アッテネータ 6:バンドパスフィルタ 7:電力増
幅器 8:方向性結合器 9:アンテ
ナ 10:第2可変アッテネータ 11:直交
復調器 12−1:帰還側ベースバンド信号増幅器 12−2:帰還側ベースバンド信号増幅器 13:周波数シンセサイザ 14:第1可変アッテネータ制御信号入力端子 15:ループフィルタゲイン制御信号入力端子 16:帰還側回路電源制御端子 17:第2可変アッテネータ制御信号入力端子 18:入力端子 19:順方
向部 20:出力端子 21:帰還
方向部 22:基本波入出力特性 23:3次
歪特性 24:制御部 I:ベースバンド信号(同相成分) Q:ベースバンド信号(直交成分) X:入力信号 Y:出力信
号 A:順方向増幅率 β:帰還方
向増幅率 Z:歪量

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送信信号を出力する電力増幅手段を有する
    順方向部と、前記送信信号を復調する帰還方向部と、該
    帰還方向部の出力信号とベースバンド信号とを加算して
    前記順方向部へ出力する加算器を含むカーテシアンルー
    プ方式送信機において、 前記帰還方向部への電源供給を制御する制御手段を備
    え、前記電力増幅手段のn次歪レベル比が所定値以上の
    とき、前記帰還方向部への電源供給を中断するように構
    成したことを特徴とするカーテシアンループ方式送信
    機。
  2. 【請求項2】請求項1記載のカーテシアンループ方式送
    信機において、 前記制御手段に接続され前記送信信号のレベルを検出す
    る検出手段を備え、前記電力増幅手段のn次歪レベル比
    が所定値以上であるかを前記送信信号のレベルから前記
    制御手段が判定するように構成したことを特徴とするカ
    ーテシアンループ方式送信機。
  3. 【請求項3】請求項2記載のカーテシアンループ方式送
    信機において、 前記制御手段に接続され前記送信信号のレベルと前記電
    力増幅手段のn次歪レベル比とのデータテーブルを有す
    る記憶部を備え、前記送信信号のレベルから前記電力増
    幅手段のn次歪レベル比を前記制御手段が前記データテ
    ーブルを用いて算出するように構成したことを特徴とす
    るカーテシアンループ方式送信機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8060038B2 (en) 2007-08-09 2011-11-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Radio transmitter using Cartesian loop
WO2014112382A1 (ja) * 2013-01-16 2014-07-24 日本電気株式会社 負帰還型送信機、及びその歪補償方法

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US8060038B2 (en) 2007-08-09 2011-11-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Radio transmitter using Cartesian loop
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