JP2004120243A - 移動通信端末とその制御回路及び着信制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】いわゆるワン切りを使用した迷惑着信を効果的に排除する。
【解決手段】移動通信網MNWから送出されるSetupメッセージとDisconnectメッセージをそれぞれ検出し、上記Setupメッセージの検出時刻から上記Disconnectメッセージの検出時刻までの着信呼出時間を測定する。そしてこの着信呼出時間の測定値をしきい値時間FTとを比較し、着信呼出時間がしきい値時間FT未満となり、かつ当該着信により通知された発信者番号が上記電話帳記憶エリア20aに登録されていない場合には、今回の着信はいわゆるワン切りを使用した迷惑着信と判断し、着信報知動作と着信履歴への記憶処理とを禁止するようにしている。
【選択図】 図2
【解決手段】移動通信網MNWから送出されるSetupメッセージとDisconnectメッセージをそれぞれ検出し、上記Setupメッセージの検出時刻から上記Disconnectメッセージの検出時刻までの着信呼出時間を測定する。そしてこの着信呼出時間の測定値をしきい値時間FTとを比較し、着信呼出時間がしきい値時間FT未満となり、かつ当該着信により通知された発信者番号が上記電話帳記憶エリア20aに登録されていない場合には、今回の着信はいわゆるワン切りを使用した迷惑着信と判断し、着信報知動作と着信履歴への記憶処理とを禁止するようにしている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)端末、PDA(Personal Digital Assistants)等の移動通信端末に係わり、特に迷惑着信の抑止機能を備えた移動通信端末とその制御回路及び着信制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に携帯電話機等の移動通信端末には、移動通信網からの着信が発生すると発信者の電話番号を端末のディスプレイに表示する発信者番号表示機能が設けられている。この種の機能を使用すると、ユーザは着信応答する前に発信者を認識できるので便利であり、さらにイタズラ電話等の防止策にも大変有益である。
【0003】
このイタズラ電話の防止策としては、一度着信があったイタズラ電話の発信番号を着信拒否対象として自端末に登録し、以後この登録された発信番号に対応する発信元から着信が到来した場合に、この着信を自動的に拒否するものや、通信網事業者にイタズラ電話の発信者情報を通知して以後の当該発信元からの着信を通信網において拒否するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近上記発信者番号表示サービスを悪用し、着信先の端末においてワンコールだけ着信報知させて切断するいわゆるワン切りと呼ばれるセールス電話が横行している。この場合、着信先の端末では着信が到来した旨の情報の表示と着信履歴が残るため、ユーザがこの着信履歴をもとに発信元に対し発信すると、有料の録音情報を聞かせるなどして法外な料金を請求されることがある。この種のセールス電話は、上記イタズラ電話と異なり、多くの業者が存在し、また同じ業者であっても頻繁に電話番号を変えてしまうため発信元が一意に特定できない。このようなワン切りを使用したセールス電話の着信履歴が端末に残ってしまうことはユーザにとって不快であり、また最近の端末では簡単な操作で着信履歴に残った電話番号に発信できることから、ユーザの誤操作によってうっかり発信してしまう恐れがあり非常に好ましくない。
【0005】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、いわゆるワン切りを使用した迷惑着信を効果的に排除することができる移動通信端末とその制御回路及び着信制御プログラムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、発信元の端末との間で通信網を介して通信を行う移動通信端末において、上記通信網からの着信信号と切断信号とをそれぞれ検出し、上記着信信号の検出時点から上記切断信号の検出時点までの時間を測定する。そして、この測定時間が予め設定したしきい値以上であるか未満であるかを判定し、上記測定時間が上記しきい値未満であると判定された場合に上記着信信号の到来を上記端末のユーザに報知せず、かつ上記着信信号に含まれている発信元の識別情報を着信履歴に登録しないようにしたものである。
【0007】
したがって第1の発明によれば、ワンコールで切れてしまうようないわゆるワン切りを使用した着信が到来した場合には、着信報知が行われず、さらに発信元の識別情報等が着信履歴として記録されないようになる。このため、ワン切りを使用した着信が発生してもユーザはこれに気づかずに済むようになる。また、知らない発信者情報が着信履歴に残留して不快な思いをしたり、着信履歴をもとに誤ってセールスの業者へ発信してしまう不具合を未然に防止することができる。
【0008】
第2の発明は、上記測定時間が予め設定したしきい値未満であると判定された場合に、着信応答して当該発信元の端末に対し着信拒否メッセージを送信するようにしたものである。
したがって第2の発明によれば、いわゆるワン切りを使用した着信が到来した場合に、ユーザの操作を介さずに自動応答することができ、さらに着信拒否メッセージを送信することができるため、セールス業者へ注意を促し、再度のワン切り着信の予防に役立つ。
【0009】
第3の発明は、迷惑着信リストを記憶する第1の記憶手段を備え、上記測定時間が予め設定したしきい値未満であると判定された場合に、上記着信信号に含まれる発信元の識別情報を上記迷惑着信リストに登録する。そして、以後上記迷惑着信リストに登録されている発信元の端末から再度着信が到来した場合に、着信応答して当該発信元の端末に対して着信拒否の旨を送信するようにしたものである。
したがって第3の発明によれば、いわゆるワン切りを使用した発信元の識別情報を迷惑着信リストに登録しておくことができる。さらに、以後上記迷惑着信リストに登録された発信元の端末から着信が発生した場合に、ユーザの操作を介さずに着信拒否の旨を通知することができる。また、上記迷惑着信リストを使用することで、通信事業者や周囲の知人等に注意を促すことが可能となる。
【0010】
第4の発明は、上記移動通信端末が着脱可能な記憶媒体を備えている場合に、上記測定時間が予め設定したしきい値未満であると判定された発信元の識別情報を上記着脱可能な記憶媒体に登録するように構成したものである。
したがって第4の発明によれば、ユーザが他の移動通信端末を使用する場合でも、上記記憶媒体を付け替えるだけで、この記憶媒体に登録されている迷惑着信リストを使用することができる。
【0011】
第5の発明は、上記通信網が予め登録された発信元からの着信要求を拒否する着信拒否代行機能を有している場合に、上記測定時間が予め設定したしきい値未満であると判定された発信元の識別情報を上記通信網に通知して上記着信拒否代行機能に登録するようにしたものである。
したがって第5の発明によれば、ワンコールで切れてしまうようないわゆるワン切りを使用した着信に対して以後端末側で着信応答する必要がなり、さらに端末側で迷惑着信リストを記憶しておく必要がなくなるため、端末の負担を軽減することができる。
【0012】
第6の発明は、ユーザにより入力された、着信を許容する発信元の識別情報を記憶する第2の記憶手段を備え、上記検出された着信信号に含まれる発信元の識別情報が上記ユーザにより入力された発信元の識別情報の中に存在するかを判定する。そして、上記測定時間が予め設定したしきい値未満であると判定された場合でも、ユーザにより入力された発信元の識別情報の中に存在すると判定された場合には、着信があった旨をユーザに報知するようにしたものである。
したがって第6の発明によれば、ユーザの知人から着信があった場合に、発信元の事情で例えばワンコールで切れてしまったとしても、いわゆるワン切りと判定せずに着信があった旨をユーザに報知することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる通信システムの概略構成図である。このシステムは、有線通信網LNW及び移動通信網MNWを中核とするもので、有線通信網LNWには複数の有線端末TEL1〜TELkが接続され、また移動通信網MNWには複数の基地局BS1〜BSnが接続されている。これらの基地局BS1〜BSnは各々セルと呼ばれる無線通信エリアを形成する。移動通信端末MS1〜MSmは、上記無線通信エリア内において基地局BS1〜BSnのいずれかに無線チャネルを介して接続される。
【0014】
一方、図2はこの発明の第1の実施形態に係わる移動通信端末MSの回路構成を示すブロック図である。この移動通信端末MSは、移動通信システムの欧州規格であるGSM(Global System for Mobile Communications)を採用した端末である。
【0015】
同図において、基地局から無線チャネルを介して送られた無線搬送波信号は、アンテナ1で受信されたのちアンテナ共用器(DUP)2を介して受信回路(RX)3に入力される。この受信回路3では、上記受信された無線搬送波信号が周波数シンセサイザ(SYN)4から出力された受信局部発振信号とミキシングされて受信中間周波信号に周波数変換される。そしてこの受信中間周波信号は、低域通過フィルタを含むA/D変換器6においてディジタル信号に変換されたのち、ディジタル復調回路(DEM)7に入力される。
【0016】
ディジタル復調回路7では、上記ディジタル受信中間周波信号に対するフレーム同期及びビット同期が確立されたうえで、ディジタル復調処理が行われる。この復調処理により得られたベースバンドのディジタル復調信号は、時分割多元接続回路(TDMA)8に入力され、ここで伝送フレームごとに自己宛てのタイムスロットが分離抽出される。なお、上記ディジタル復調回路7において得られたフレーム同期及びビット同期の情報は制御部17Aに通知される。
【0017】
上記TDMA回路8から出力されたディジタル復調信号は、続いて誤り訂正符号復号回路(CH−COD)9に入力され、ここで誤り訂正復号処理される。この誤り訂正復号されたディジタル復調信号には、そのときの通信形態によりメール等の情報データと、通話音声データとがある。このうち通話音声データは、音声符号復号回路(SP−COD)10に入力されて音声復号化処理され、これによりディジタル受話信号が再生される。このディジタル受話信号はD/A変換器11でアナログ受話信号に戻されたのち図示しない受話増幅器を介してスピーカ12から出力される。また、受信メールや受信ダウンロードデータ等の情報データは制御部17Aに取り込まれ、この制御部17Aにより記憶部20Aに保存されると共に、復号されて表示部22に表示される。
【0018】
なお、着信報知動作は制御部17Aの制御に従い着信報知回路24において行われる。例えば、着信報知回路24には鳴音又は着信メロディを発生するサウンダ、振動を発生するバイブレータ、及び点滅動作を行うLEDが設けられている。そして、これらの素子に対し制御部17Aから選択的に駆動信号が与えられ、この駆動信号により着信音、着信振動又は点滅光が発生する。
【0019】
一方、話者の送話音声は、マイクロホン13により集音されて送話信号に変換され、さらに図示しない送話増幅器により所定のレベルに増幅されたのちA/D変換器14に入力される。そして、このA/D変換器14において所定のサンプリング周期でサンプリングされ、これによりサンプルパルス列からなるディジタル送話信号に変換される。このディジタル送話信号は、図示しないエコーキャンセラで音響エコーがキャンセルされたのち、音声符号復号回路(SP−COD)10に入力され、ここで音声符号化される。
【0020】
この音声符号化されたディジタル送話信号は誤り訂正符号復号回路(CH−COD)9に入力され、ここで誤り訂正符号化される。また、制御部17Aから出力された画像データや送信メール等の情報データも上記誤り訂正符号復号回路9に入力され、誤り訂正符号化される。そして、この誤り訂正符号復号回路9から出力されたディジタル送信信号はTDMA回路8に入力される。TDMA回路8では、時分割多元接続(TDMA)方式に対応した伝送フレームが生成され、この伝送フレーム中の自装置に割り当てられたタイムスロットに上記ディジタル送信信号を挿入するための処理が行われる。
【0021】
上記TDMA回路8から出力されたディジタル送信信号は、続いてディジタル変調回路(MOD)15に入力される。ディジタル変調回路15では、上記ディジタル送信信号によりディジタル変調された送信中間周波信号が生成され、この送信中間周波信号はD/A変換器16によりアナログ信号に変換されたのち送信回路(TX)5に入力される。なお、ディジタル変調方式としては、例えばGMSK(Ganssian Filtered Minimum Shift Keying)方式が使用される。
【0022】
送信回路5では、上記変調された送信中間周波信号が周波数シンセサイザ4から出力された送信局部発振信号とミキシングされ、これにより無線通話チャネルに対応する無線搬送波周波数に変換される。そして、この送信無線搬送波信号は図示しない送信電力増幅器で所定の送信電力レベルに制御されたのち、アンテナ共用器2を介してアンテナ1から基地局へ向けて送信される。
【0023】
入力部21には、ダイヤルキーに加え、送信キー、終了キー、電源キー、音量調節キー、モード指定キー等の機能キーが設けられている。また表示部22には、先に述べたLCD表示器が設けられている。LCD表示器には、上記送受信ビデオデータやメールデータの他に、電話帳の情報や通信相手ユーザが使用する端末の電話番号、送受信履歴、自端末の動作状態等も表示される。なお、19は電源回路であり、バッテリ18の出力をもとに所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。
【0024】
記憶部20Aは、例えばRAM又はフラッシュメモリから構成される。そして、通信相手の端末或いは情報サイトから受信したメールやダウンロードデータ、送信メールや画像データ等を保存する情報格納エリアに加え、所望の通信相手の電話番号を名前等と共に登録する電話帳記憶エリア20aと、着信履歴記憶エリア20bとを備えている。
このうち着信履歴記憶エリア20bは、着信が到来するごとにその着信信号に含まれている発信者電話番号を着信日時等と共に格納するために使用される。
【0025】
SIMインターフェース回路23は、GSM端末で使用されている外部記憶媒体SIM(Subscriber Identity Module)(図示せず)を接続するためのインターフェースである。上記SIMには2つの機能があり、1つはユーザ識別情報の記憶、もう1つはデータ蓄積機能である。制御部17Aは、SIMに記憶された情報をもとにユーザ認証を実行したり、記憶されたデータを利用して各種サービスを行う。
【0026】
制御部17Aは、マイクロプロセッサを主制御部として有するもので、この発明に係わる新たな制御機能として、着信呼出時間判定機能17aと、電話帳登録判定機能17bと、着信報知拒否制御機能17cとを備える。
【0027】
着信呼出時間判定機能17aは、移動通信網MNWと自端末MSとの間で着信シーケンスが実行されている期間に、移動通信網MNWから到来するSetupメッセージとDisconnectメッセージをそれぞれ検出し、このSetupメッセージの検出時点からDisconnectメッセージの検出時点までの時間を測定する。そして、上記測定時間を予め設定したワンコールに相当する時間(例えば2秒)のしきい値FTと比較し、測定時間がしきい値FT未満であるか否かを判定する。
【0028】
電話帳登録判定機能17bは、着信発生時に、Setupメッセージに含まれている発信者番号が、上記電話帳記憶エリア20aに登録されているか否かを判定する。
【0029】
着信報知拒否制御機能17cは、着信呼出時間判定機能17aにより測定時間がしきい値FT未満であると判定され、かつ上記電話帳登録判定機能17bにより発信者番号は上記電話帳20aに登録されていないと判定された場合に、このときの着信をいわゆるワン切りを使用した迷惑着信であると判断する。そして、この迷惑着信の場合には、着信報知回路24による着信報知動作を禁止すると共に、記憶部20Aの着信履歴記憶エリア20bへの発信者番号の記憶も禁止する。
【0030】
次に、以上のように構成された移動通信端末MSの動作を説明する。図3は、迷惑着信の判定制御及び着信報知拒否制御の手順と内容を示すフローチャートである。
【0031】
移動通信網MNWと移動通信端末MS1との間で例えば図4に示すように着信シーケンスが開始されたとする。そうすると、制御部17Aは、先ずステップ3aでSetupメッセージの到来を監視し、Setupメッセージが検出されるとステップ3bによりこの検出時点から着信呼出時間の測定を開始する。またそれと共に制御部17Aは、ステップ3cで上記受信されたSetupメッセージから発信者番号を抽出する。
【0032】
次に制御部17Aは、ステップ3eでDisconnectメッセージの到来を監視しながら、ステップ3dにより上記測定中の着信呼出時間が予め設定したしきい値時間FTを経過したか否かを監視する。そして、測定中の着信呼出時間がしきい値時間FTを経過すると、このときの着信はワン切りによる迷惑着信でないと判断し、ステップ3iに移行して上記着信呼出時間の測定を終了し、ステップ3jに移行して通常の着信処理を実行する。
【0033】
一方、測定中の着信呼出時間がしきい値時間FTを経過する前にDisconnectメッセージを検出したとする。この場合制御部17Aは、ステップ3fに移行して先にSetupメッセージから抽出した発信者番号と上記電話帳記憶エリア20aに登録されている電話番号とを比較する。そして、この比較の結果、抽出された発信者番号が電話帳記憶エリア20aに登録されているとステップ3gにより判定した場合には、この着信は迷惑着信ではないと判断し、ステップ3jに移行して通常の着信処理を実行する。
【0034】
これに対し、抽出された発信者番号が電話帳記憶エリア20aに登録されていなかったとする。この場合制御部17Aは、今回の着信が迷惑着信であると判断し、ステップ3gからステップ3hに移行してここで着信報知動作を禁止すると共に、上記Setupメッセージから抽出した発信者番号を着信履歴記憶エリア20bに記憶する処理を禁止する。
【0035】
以上述べたように第1の実施形態では、移動通信網MNWから送出されるSetupメッセージとDisconnectメッセージをそれぞれ検出し、上記Setupメッセージの検出時点から上記Disconnectメッセージの検出時点までの着信呼出時間を測定する。そして、この着信呼出時間の測定値をしきい値時間FTと比較し、着信呼出時間がしきい値時間FT未満となり、かつ当該着信により通知された発信者番号が上記電話帳記憶エリア20aに登録されていない場合には、今回の着信はいわゆるワン切りを使用した迷惑着信と判断し、着信報知動作と着信履歴への記憶処理とを禁止するようにしている。
【0036】
したがって第1の実施形態によれば、ワン切りを使用した迷惑着信が到来しても、この迷惑着信は自動的に検出されて排除される。このため、ユーザは迷惑着信を認識しなくて済むため、知らない発信者からの着信報知により不快な思いをすることがなくなる。さらに、発信者番号は着信履歴に登録されないので、ユーザの誤操作により上記迷惑着信に対しリダイヤルしてしまう不具合も未然に防止することができる。
【0037】
また、着信呼出時間がワン切りと判断されるような短い時間だった場合でも、このときの発信者番号が電話帳記憶エリア20aに登録済みの場合には、発信元は知人と判断されて通常の着信報知動作と着信履歴への追加処理が実行される。このため、知人からの着信を迷惑着信と誤って判断せず、確実にユーザに知らせることができる。
【0038】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、ワン切りを使用した迷惑着信があった場合に、その発信者番号を移動通信端末内の迷惑着信リストに登録する。そして、以後上記登録された発信者番号の発信元から着信があった場合に、ユーザの操作を介さずに当該着信に応答して着信拒否の旨のメッセージを通知するようにしたものである。
【0039】
図5は、この発明の第2の実施形態に係わる移動通信端末MSの回路構成を示すブロック図である。なお、同図において前記図2と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0040】
記憶部20Bには、着信履歴記憶エリア20bと、迷惑着信リスト記憶エリア20cとが設けてある。この迷惑着信リスト記憶エリア20cは、いわゆるワン切りを使用した迷惑着信が到来した場合に、その発信者番号を日時等と共に格納するために使用される。
【0041】
制御部17Bは、マイクロプロセッサを主制御部として有するもので、この発明に係わる新たな制御機能として、着信呼出時間判定機能17aと、着信報知拒否制御機能17cと、迷惑着信リスト登録制御機能17dと、迷惑着信拒否応答制御機能17eとを備える。
【0042】
このうち迷惑着信リスト登録制御機能17dは、上記着信呼出時間判定機能17aにより着信呼出の測定時間がしきい値FT未満であると判定された場合に、この時受信されたSetupメッセージに含まれている発信者番号を上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに登録する。
【0043】
迷惑着信拒否応答制御機能17eは、自端末MS宛ての着信が到来した場合に、このとき受信された発信元の発信者番号が上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに既に登録されている番号であるか否かを判定する。そして、登録済みだった場合に、当該着信に自動応答して着信拒否の旨のメッセージを発信元へ送信する。
【0044】
次に、以上のように構成された移動通信端末MSの動作を説明する。図6は、迷惑着信拒否応答制御の手順とその内容を示すフローチャートである。
移動通信網MNWと移動通信端末MS1との間で例えば図4に示すように着信シーケンスが開始されたとする。そうすると、制御部17Bは、先ずステップ6aでSetupメッセージの到来を監視し、Setupメッセージが検出されるとステップ6bによりこの検出時点から着信呼出時間の測定を開始する。またそれと共に制御部17Bは、ステップ6cで上記受信されたSetupメッセージから発信者番号を抽出する。
【0045】
次に制御部17Bは、ステップ6dにおいて先に抽出した発信者番号と上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに登録されている発信者番号とを比較する。この比較の結果、上記発信者番号が上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに存在すると判定された場合は、以前に着信があったワン切りによる迷惑着信であると判断し、ステップ6eからステップ6fに移行して上記着信呼出時間の測定を終了する。そして制御部17Bは、ステップ6gにおいてユーザの操作を介さずに当該着信に自動応答して着信拒否の旨のメッセージを発信元へ送信する。次に制御部17Bは、ステップ6hに移行して着信報知動作を禁止すると共に、上記Setupメッセージから抽出した発信者番号を着信履歴記憶エリア20bに記憶する処理を禁止する。
【0046】
一方、ステップ6eにおいて上記発信者番号が上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに存在しないと判定された場合には、以後迷惑着信リスト登録制御を実行する。図7は、迷惑着信リスト登録制御の手順とその内容を示すフローチャートである。
【0047】
制御部17Bは、ステップ7bでDisconnectメッセージの到来を監視しながら、ステップ7aにより上記測定中の着信呼出時間が予め設定したしきい値時間FTを経過したか否かを監視する。そして、測定中の着信呼出時間がしきい値時間FTを経過すると、このときの着信はワン切りによる迷惑着信でないと判断し、ステップ7eに移行して上記着信呼出時間の測定を終了し、ステップ7fに移行して通常の着信処理を実行する。
【0048】
一方、測定中の着信呼出時間がしきい値時間FTを経過する前にDisconnectメッセージを検出したとする。この場合制御部17Aは、ステップ7cに移行して先にSetupメッセージから抽出した発信者番号を上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに登録する。次に制御部17Bは、ステップ7dに移行して着信報知動作を禁止すると共に、上記Setupメッセージから抽出した発信者番号を着信履歴記憶エリア20bに記憶する処理を禁止する。
【0049】
したがって第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、ワン切りを使用した迷惑着信が到来しても、この迷惑着信は自動的に検出されて排除される。このため、ユーザは迷惑着信を認識しなくて済むため、知らない発信者からの着信報知により不快な思いをすることがなくなる。さらに、発信者番号は着信履歴に登録されないので、ユーザの誤操作により上記迷惑着信に対しリダイヤルしてしまう不具合も未然に防止することができる。
【0050】
また、迷惑着信と判断された場合には、その発信者番号が迷惑着信リストに記憶される。このため、このリストを使用することで、通信事業者や周囲の知人等に注意を促すことが可能となる。
【0051】
さらに、自端末に到来した着信の発信者番号を上記迷惑着信リストと比較するようにしているため、一度着信があったワン切りを使用した迷惑着信の発信者番号から再度着信が発生した場合には、ユーザの操作を介さずにこの発信者に対して着信拒否の旨を通知することができる。
【0052】
(第3の実施形態)
この発明の第3の実施形態は、前記第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせたものである。すなわち、図7に示すように、移動通信端末MSの記憶部20Cには、電話帳記憶エリア20aと、着信履歴記憶エリア20bと、迷惑着信リスト記憶エリア20cとが設けてある。また制御部17Bは、着信呼出時間判定機能17aと、電話帳登録判定機能17bと、着信報知拒否制御機能17cと、迷惑着信拒否応答制御機能17eとを備えている。
【0053】
このような構成であるから、制御部17Cは、上記着信呼出時間判定機能17aにより上記所定時間FTが経過する前にDisconnectメッセージを検出し、さらに発信者番号が上記電話帳記憶エリア20aに存在しない場合に、ワン切りを使用した迷惑着信であると判断する。そして、ワン切りを使用した迷惑着信と判断すると、上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに当該迷惑着信の発信者番号を登録する。一方、発信者番号が上記電話帳記憶エリア20aに存在する場合には、ワン切りによる迷惑着信と判断せずに通常の着信処理を実行する。
【0054】
したがって第3の実施形態によれば、着信呼出時間がワン切りによる迷惑着信と判断されるような短い時間だった場合でも、このときの発信者番号が電話帳記憶エリア20aに登録済みの場合には、発信元は知人と判断されて通常の着信報知動作と着信履歴への追加処理が実行される。このため、知人からの着信を迷惑着信と誤って判断して、迷惑着信リストに登録してしまうのを防止できる。
【0055】
(第4の実施形態)
この発明の第4の実施形態は、上記移動通信網MNWが予め登録された発信元からの着信要求を拒否する着信拒否代行機能を有している場合には、移動通信端末MSがワン切りを使用した迷惑着信であると判断した時点で、setupメッセージから抽出した発信者番号を上記移動通信網MNWに通知するように構成してもよい。
【0056】
図9は、この第4の実施形態に係わる移動通信端末MSの要部構成を示すブロック図である。制御部17Dに備えられた迷惑着信番号通知制御機能17fは、上記着信呼出時間判定機能17aにより上記しきい値時間FTが経過する前にDisconnectメッセージが検出され、さらに発信者番号が上記電話帳記憶エリア20aに存在しない場合にワン切りを使用した迷惑着信であると判断する。そして、上記移動通信網MNWに対し、setupメッセージから抽出した発信者番号を着信拒否登録要求と共に送信する。
【0057】
移動通信網MNWの着信拒否代行機能は、上記移動通信端末から到来した発信者番号及び着信拒否登録要求を記憶し、該当する発信元の端末に対し迷惑着信を止めるように促すメッセージを通知したり、該当する発信元端末から再度同一の着信先への発信が発生した場合に、着信先に対する着信手順を拒否すると共に、その旨のメッセージを発信元の端末へ通知する。
【0058】
このような構成であれば、ワン切りによる迷惑着信が到来した場合に発信元の発信者番号を自端末MSに登録しておく必要がなくなるため、記憶部20Aの負荷を軽減することができる。また、ワン切りによる迷惑着信が到来したときの発信元の発信者番号を上記移動通信網MNWに一度登録すれば、以後移動通信網MNWの着信拒否代行機能により、同じ発信元から自端末MSには迷惑着信が到来しない。このため、着信報知拒否制御機能17dによる着信報知拒否制御を行う頻度が減少し、これにより制御部17Dの処理負荷が軽減される。
【0059】
(その他の実施形態)
前記第2の実施形態において、ユーザがSIMインターフェース回路23にSIMカードを接続して端末MSを使用する場合に、迷惑着信リスト記憶エリア20cに記憶されたリストを上記SIMカードに転送して記憶させるように構成してもよい。このように構成すると、ユーザが他の移動通信端末を使用する際に、上記SIMカードをこの移動通信端末に装着すれば、先に使用していた移動通信端末の迷惑着信リスト記憶エリア20cに登録された迷惑着信リストの情報を、上記他の移動通信端末においてもそのまま利用することができる。このため、上記迷惑着信リストの情報をより有効に活用することが可能となる。
【0060】
また第1及び第2の実施形態においては、着信呼出時間判定機能17aにより、移動通信端末MSと移動通信網MNWとの間で授受される回線交換メッセージのうち、Setupメッセージの検出を契機に時間測定を開始するようにしている。しかし、図4に示すRadio Bearer Setupメッセージの検出時やAlertingメッセージ送出時において時間測定を開始するようにしてもよい。要するに、時間測定を開始するトリガとなるメッセージとしては、端末MSが着信の発生を検出できるメッセージであれば、如何なるメッセージを利用してもよい。
【0061】
その他、移動通信端末の種類とその構成、移動通信網の構成、着信呼出時間の測定や、着信報知拒否制御、迷惑着信リスト登録制御、及び迷惑着信拒否応答制御の手順と内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、発信元の端末との間で通信網を介して通信を行う移動通信端末において、上記通信網からの着信信号と切断信号とをそれぞれ検出し、上記着信信号の検出時点から上記切断信号の検出時点までの時間を測定する。そして、この測定時間が予め設定したしきい値以上であるか未満であるかを判定し、上記測定時間が上記しきい値未満であると判定された場合に上記着信信号の到来を上記端末のユーザに報知せず、かつ着信信号に含まれている発信元の識別情報を着信リストに登録しないようにしている。
【0063】
したがってこの発明によれば、いわゆるワン切りを使用した迷惑着信を効果的に排除することができる移動通信端末とその制御回路及び着信制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる通信システムの概略構成図。
【図2】この発明の第1の実施形態に係わる移動通信端末の構成を示す機能ブロック図。
【図3】図2に示した移動通信端末における迷惑着信判定制御及び着信報知拒否制御の手順と内容を示すフローチャート。
【図4】移動通信網と移動通信端末との間の着信シーケンスの一例を示す図。
【図5】この発明の第2の実施形態に係わる移動通信端末の構成を示す機能ブロック図。
【図6】図5に示した移動通信端末における迷惑着信拒否応答制御の手順とその内容を示すフローチャート。
【図7】図5に示した移動通信端末における迷惑着信リスト登録制御の手順とその内容を示すフローチャート。
【図8】この発明の第3の実施形態に係わる移動通信端末の要部構成を示す機能ブロック図。
【図9】この発明の第4の実施形態に係わる移動通信端末の要部構成を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
1…アンテナ
2…アンテナ共用器(DUP)
3…受信回路(RX)
4…周波数シンセサイザ(SYN)
5…送信回路(TX)
6,14…A/D変換器
7…ディジタル復調回路(DEM)
8…時分割多元接続回路(TDMA)
9…誤り訂正符合復号回路(CH−COD)
10…音声符号復号回路(SP−COD)
11,16…D/A変換器
12…スピーカ
13…マイクロホン
15…ディジタル変調回路(MOD)
17A,17B,17C,17D…制御部
17a…着信呼出時間判定機能
17b…電話帳登録判定機能
17c…着信報知拒否制御機能
17d…迷惑着信リスト登録制御機能
17e…迷惑着信拒否応答制御機能
17f…迷惑着信番号通知制御機能
18…バッテリ
19…電源回路
20A,20B,20C…記憶部
20a…電話帳記憶エリア
20b…着信履歴記憶エリア
20c…迷惑着信リスト記憶エリア
21…入力部
22…表示部
23…SIMインターフェース回路
24…着信報知回路
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)端末、PDA(Personal Digital Assistants)等の移動通信端末に係わり、特に迷惑着信の抑止機能を備えた移動通信端末とその制御回路及び着信制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に携帯電話機等の移動通信端末には、移動通信網からの着信が発生すると発信者の電話番号を端末のディスプレイに表示する発信者番号表示機能が設けられている。この種の機能を使用すると、ユーザは着信応答する前に発信者を認識できるので便利であり、さらにイタズラ電話等の防止策にも大変有益である。
【0003】
このイタズラ電話の防止策としては、一度着信があったイタズラ電話の発信番号を着信拒否対象として自端末に登録し、以後この登録された発信番号に対応する発信元から着信が到来した場合に、この着信を自動的に拒否するものや、通信網事業者にイタズラ電話の発信者情報を通知して以後の当該発信元からの着信を通信網において拒否するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近上記発信者番号表示サービスを悪用し、着信先の端末においてワンコールだけ着信報知させて切断するいわゆるワン切りと呼ばれるセールス電話が横行している。この場合、着信先の端末では着信が到来した旨の情報の表示と着信履歴が残るため、ユーザがこの着信履歴をもとに発信元に対し発信すると、有料の録音情報を聞かせるなどして法外な料金を請求されることがある。この種のセールス電話は、上記イタズラ電話と異なり、多くの業者が存在し、また同じ業者であっても頻繁に電話番号を変えてしまうため発信元が一意に特定できない。このようなワン切りを使用したセールス電話の着信履歴が端末に残ってしまうことはユーザにとって不快であり、また最近の端末では簡単な操作で着信履歴に残った電話番号に発信できることから、ユーザの誤操作によってうっかり発信してしまう恐れがあり非常に好ましくない。
【0005】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、いわゆるワン切りを使用した迷惑着信を効果的に排除することができる移動通信端末とその制御回路及び着信制御プログラムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、発信元の端末との間で通信網を介して通信を行う移動通信端末において、上記通信網からの着信信号と切断信号とをそれぞれ検出し、上記着信信号の検出時点から上記切断信号の検出時点までの時間を測定する。そして、この測定時間が予め設定したしきい値以上であるか未満であるかを判定し、上記測定時間が上記しきい値未満であると判定された場合に上記着信信号の到来を上記端末のユーザに報知せず、かつ上記着信信号に含まれている発信元の識別情報を着信履歴に登録しないようにしたものである。
【0007】
したがって第1の発明によれば、ワンコールで切れてしまうようないわゆるワン切りを使用した着信が到来した場合には、着信報知が行われず、さらに発信元の識別情報等が着信履歴として記録されないようになる。このため、ワン切りを使用した着信が発生してもユーザはこれに気づかずに済むようになる。また、知らない発信者情報が着信履歴に残留して不快な思いをしたり、着信履歴をもとに誤ってセールスの業者へ発信してしまう不具合を未然に防止することができる。
【0008】
第2の発明は、上記測定時間が予め設定したしきい値未満であると判定された場合に、着信応答して当該発信元の端末に対し着信拒否メッセージを送信するようにしたものである。
したがって第2の発明によれば、いわゆるワン切りを使用した着信が到来した場合に、ユーザの操作を介さずに自動応答することができ、さらに着信拒否メッセージを送信することができるため、セールス業者へ注意を促し、再度のワン切り着信の予防に役立つ。
【0009】
第3の発明は、迷惑着信リストを記憶する第1の記憶手段を備え、上記測定時間が予め設定したしきい値未満であると判定された場合に、上記着信信号に含まれる発信元の識別情報を上記迷惑着信リストに登録する。そして、以後上記迷惑着信リストに登録されている発信元の端末から再度着信が到来した場合に、着信応答して当該発信元の端末に対して着信拒否の旨を送信するようにしたものである。
したがって第3の発明によれば、いわゆるワン切りを使用した発信元の識別情報を迷惑着信リストに登録しておくことができる。さらに、以後上記迷惑着信リストに登録された発信元の端末から着信が発生した場合に、ユーザの操作を介さずに着信拒否の旨を通知することができる。また、上記迷惑着信リストを使用することで、通信事業者や周囲の知人等に注意を促すことが可能となる。
【0010】
第4の発明は、上記移動通信端末が着脱可能な記憶媒体を備えている場合に、上記測定時間が予め設定したしきい値未満であると判定された発信元の識別情報を上記着脱可能な記憶媒体に登録するように構成したものである。
したがって第4の発明によれば、ユーザが他の移動通信端末を使用する場合でも、上記記憶媒体を付け替えるだけで、この記憶媒体に登録されている迷惑着信リストを使用することができる。
【0011】
第5の発明は、上記通信網が予め登録された発信元からの着信要求を拒否する着信拒否代行機能を有している場合に、上記測定時間が予め設定したしきい値未満であると判定された発信元の識別情報を上記通信網に通知して上記着信拒否代行機能に登録するようにしたものである。
したがって第5の発明によれば、ワンコールで切れてしまうようないわゆるワン切りを使用した着信に対して以後端末側で着信応答する必要がなり、さらに端末側で迷惑着信リストを記憶しておく必要がなくなるため、端末の負担を軽減することができる。
【0012】
第6の発明は、ユーザにより入力された、着信を許容する発信元の識別情報を記憶する第2の記憶手段を備え、上記検出された着信信号に含まれる発信元の識別情報が上記ユーザにより入力された発信元の識別情報の中に存在するかを判定する。そして、上記測定時間が予め設定したしきい値未満であると判定された場合でも、ユーザにより入力された発信元の識別情報の中に存在すると判定された場合には、着信があった旨をユーザに報知するようにしたものである。
したがって第6の発明によれば、ユーザの知人から着信があった場合に、発信元の事情で例えばワンコールで切れてしまったとしても、いわゆるワン切りと判定せずに着信があった旨をユーザに報知することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる通信システムの概略構成図である。このシステムは、有線通信網LNW及び移動通信網MNWを中核とするもので、有線通信網LNWには複数の有線端末TEL1〜TELkが接続され、また移動通信網MNWには複数の基地局BS1〜BSnが接続されている。これらの基地局BS1〜BSnは各々セルと呼ばれる無線通信エリアを形成する。移動通信端末MS1〜MSmは、上記無線通信エリア内において基地局BS1〜BSnのいずれかに無線チャネルを介して接続される。
【0014】
一方、図2はこの発明の第1の実施形態に係わる移動通信端末MSの回路構成を示すブロック図である。この移動通信端末MSは、移動通信システムの欧州規格であるGSM(Global System for Mobile Communications)を採用した端末である。
【0015】
同図において、基地局から無線チャネルを介して送られた無線搬送波信号は、アンテナ1で受信されたのちアンテナ共用器(DUP)2を介して受信回路(RX)3に入力される。この受信回路3では、上記受信された無線搬送波信号が周波数シンセサイザ(SYN)4から出力された受信局部発振信号とミキシングされて受信中間周波信号に周波数変換される。そしてこの受信中間周波信号は、低域通過フィルタを含むA/D変換器6においてディジタル信号に変換されたのち、ディジタル復調回路(DEM)7に入力される。
【0016】
ディジタル復調回路7では、上記ディジタル受信中間周波信号に対するフレーム同期及びビット同期が確立されたうえで、ディジタル復調処理が行われる。この復調処理により得られたベースバンドのディジタル復調信号は、時分割多元接続回路(TDMA)8に入力され、ここで伝送フレームごとに自己宛てのタイムスロットが分離抽出される。なお、上記ディジタル復調回路7において得られたフレーム同期及びビット同期の情報は制御部17Aに通知される。
【0017】
上記TDMA回路8から出力されたディジタル復調信号は、続いて誤り訂正符号復号回路(CH−COD)9に入力され、ここで誤り訂正復号処理される。この誤り訂正復号されたディジタル復調信号には、そのときの通信形態によりメール等の情報データと、通話音声データとがある。このうち通話音声データは、音声符号復号回路(SP−COD)10に入力されて音声復号化処理され、これによりディジタル受話信号が再生される。このディジタル受話信号はD/A変換器11でアナログ受話信号に戻されたのち図示しない受話増幅器を介してスピーカ12から出力される。また、受信メールや受信ダウンロードデータ等の情報データは制御部17Aに取り込まれ、この制御部17Aにより記憶部20Aに保存されると共に、復号されて表示部22に表示される。
【0018】
なお、着信報知動作は制御部17Aの制御に従い着信報知回路24において行われる。例えば、着信報知回路24には鳴音又は着信メロディを発生するサウンダ、振動を発生するバイブレータ、及び点滅動作を行うLEDが設けられている。そして、これらの素子に対し制御部17Aから選択的に駆動信号が与えられ、この駆動信号により着信音、着信振動又は点滅光が発生する。
【0019】
一方、話者の送話音声は、マイクロホン13により集音されて送話信号に変換され、さらに図示しない送話増幅器により所定のレベルに増幅されたのちA/D変換器14に入力される。そして、このA/D変換器14において所定のサンプリング周期でサンプリングされ、これによりサンプルパルス列からなるディジタル送話信号に変換される。このディジタル送話信号は、図示しないエコーキャンセラで音響エコーがキャンセルされたのち、音声符号復号回路(SP−COD)10に入力され、ここで音声符号化される。
【0020】
この音声符号化されたディジタル送話信号は誤り訂正符号復号回路(CH−COD)9に入力され、ここで誤り訂正符号化される。また、制御部17Aから出力された画像データや送信メール等の情報データも上記誤り訂正符号復号回路9に入力され、誤り訂正符号化される。そして、この誤り訂正符号復号回路9から出力されたディジタル送信信号はTDMA回路8に入力される。TDMA回路8では、時分割多元接続(TDMA)方式に対応した伝送フレームが生成され、この伝送フレーム中の自装置に割り当てられたタイムスロットに上記ディジタル送信信号を挿入するための処理が行われる。
【0021】
上記TDMA回路8から出力されたディジタル送信信号は、続いてディジタル変調回路(MOD)15に入力される。ディジタル変調回路15では、上記ディジタル送信信号によりディジタル変調された送信中間周波信号が生成され、この送信中間周波信号はD/A変換器16によりアナログ信号に変換されたのち送信回路(TX)5に入力される。なお、ディジタル変調方式としては、例えばGMSK(Ganssian Filtered Minimum Shift Keying)方式が使用される。
【0022】
送信回路5では、上記変調された送信中間周波信号が周波数シンセサイザ4から出力された送信局部発振信号とミキシングされ、これにより無線通話チャネルに対応する無線搬送波周波数に変換される。そして、この送信無線搬送波信号は図示しない送信電力増幅器で所定の送信電力レベルに制御されたのち、アンテナ共用器2を介してアンテナ1から基地局へ向けて送信される。
【0023】
入力部21には、ダイヤルキーに加え、送信キー、終了キー、電源キー、音量調節キー、モード指定キー等の機能キーが設けられている。また表示部22には、先に述べたLCD表示器が設けられている。LCD表示器には、上記送受信ビデオデータやメールデータの他に、電話帳の情報や通信相手ユーザが使用する端末の電話番号、送受信履歴、自端末の動作状態等も表示される。なお、19は電源回路であり、バッテリ18の出力をもとに所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。
【0024】
記憶部20Aは、例えばRAM又はフラッシュメモリから構成される。そして、通信相手の端末或いは情報サイトから受信したメールやダウンロードデータ、送信メールや画像データ等を保存する情報格納エリアに加え、所望の通信相手の電話番号を名前等と共に登録する電話帳記憶エリア20aと、着信履歴記憶エリア20bとを備えている。
このうち着信履歴記憶エリア20bは、着信が到来するごとにその着信信号に含まれている発信者電話番号を着信日時等と共に格納するために使用される。
【0025】
SIMインターフェース回路23は、GSM端末で使用されている外部記憶媒体SIM(Subscriber Identity Module)(図示せず)を接続するためのインターフェースである。上記SIMには2つの機能があり、1つはユーザ識別情報の記憶、もう1つはデータ蓄積機能である。制御部17Aは、SIMに記憶された情報をもとにユーザ認証を実行したり、記憶されたデータを利用して各種サービスを行う。
【0026】
制御部17Aは、マイクロプロセッサを主制御部として有するもので、この発明に係わる新たな制御機能として、着信呼出時間判定機能17aと、電話帳登録判定機能17bと、着信報知拒否制御機能17cとを備える。
【0027】
着信呼出時間判定機能17aは、移動通信網MNWと自端末MSとの間で着信シーケンスが実行されている期間に、移動通信網MNWから到来するSetupメッセージとDisconnectメッセージをそれぞれ検出し、このSetupメッセージの検出時点からDisconnectメッセージの検出時点までの時間を測定する。そして、上記測定時間を予め設定したワンコールに相当する時間(例えば2秒)のしきい値FTと比較し、測定時間がしきい値FT未満であるか否かを判定する。
【0028】
電話帳登録判定機能17bは、着信発生時に、Setupメッセージに含まれている発信者番号が、上記電話帳記憶エリア20aに登録されているか否かを判定する。
【0029】
着信報知拒否制御機能17cは、着信呼出時間判定機能17aにより測定時間がしきい値FT未満であると判定され、かつ上記電話帳登録判定機能17bにより発信者番号は上記電話帳20aに登録されていないと判定された場合に、このときの着信をいわゆるワン切りを使用した迷惑着信であると判断する。そして、この迷惑着信の場合には、着信報知回路24による着信報知動作を禁止すると共に、記憶部20Aの着信履歴記憶エリア20bへの発信者番号の記憶も禁止する。
【0030】
次に、以上のように構成された移動通信端末MSの動作を説明する。図3は、迷惑着信の判定制御及び着信報知拒否制御の手順と内容を示すフローチャートである。
【0031】
移動通信網MNWと移動通信端末MS1との間で例えば図4に示すように着信シーケンスが開始されたとする。そうすると、制御部17Aは、先ずステップ3aでSetupメッセージの到来を監視し、Setupメッセージが検出されるとステップ3bによりこの検出時点から着信呼出時間の測定を開始する。またそれと共に制御部17Aは、ステップ3cで上記受信されたSetupメッセージから発信者番号を抽出する。
【0032】
次に制御部17Aは、ステップ3eでDisconnectメッセージの到来を監視しながら、ステップ3dにより上記測定中の着信呼出時間が予め設定したしきい値時間FTを経過したか否かを監視する。そして、測定中の着信呼出時間がしきい値時間FTを経過すると、このときの着信はワン切りによる迷惑着信でないと判断し、ステップ3iに移行して上記着信呼出時間の測定を終了し、ステップ3jに移行して通常の着信処理を実行する。
【0033】
一方、測定中の着信呼出時間がしきい値時間FTを経過する前にDisconnectメッセージを検出したとする。この場合制御部17Aは、ステップ3fに移行して先にSetupメッセージから抽出した発信者番号と上記電話帳記憶エリア20aに登録されている電話番号とを比較する。そして、この比較の結果、抽出された発信者番号が電話帳記憶エリア20aに登録されているとステップ3gにより判定した場合には、この着信は迷惑着信ではないと判断し、ステップ3jに移行して通常の着信処理を実行する。
【0034】
これに対し、抽出された発信者番号が電話帳記憶エリア20aに登録されていなかったとする。この場合制御部17Aは、今回の着信が迷惑着信であると判断し、ステップ3gからステップ3hに移行してここで着信報知動作を禁止すると共に、上記Setupメッセージから抽出した発信者番号を着信履歴記憶エリア20bに記憶する処理を禁止する。
【0035】
以上述べたように第1の実施形態では、移動通信網MNWから送出されるSetupメッセージとDisconnectメッセージをそれぞれ検出し、上記Setupメッセージの検出時点から上記Disconnectメッセージの検出時点までの着信呼出時間を測定する。そして、この着信呼出時間の測定値をしきい値時間FTと比較し、着信呼出時間がしきい値時間FT未満となり、かつ当該着信により通知された発信者番号が上記電話帳記憶エリア20aに登録されていない場合には、今回の着信はいわゆるワン切りを使用した迷惑着信と判断し、着信報知動作と着信履歴への記憶処理とを禁止するようにしている。
【0036】
したがって第1の実施形態によれば、ワン切りを使用した迷惑着信が到来しても、この迷惑着信は自動的に検出されて排除される。このため、ユーザは迷惑着信を認識しなくて済むため、知らない発信者からの着信報知により不快な思いをすることがなくなる。さらに、発信者番号は着信履歴に登録されないので、ユーザの誤操作により上記迷惑着信に対しリダイヤルしてしまう不具合も未然に防止することができる。
【0037】
また、着信呼出時間がワン切りと判断されるような短い時間だった場合でも、このときの発信者番号が電話帳記憶エリア20aに登録済みの場合には、発信元は知人と判断されて通常の着信報知動作と着信履歴への追加処理が実行される。このため、知人からの着信を迷惑着信と誤って判断せず、確実にユーザに知らせることができる。
【0038】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、ワン切りを使用した迷惑着信があった場合に、その発信者番号を移動通信端末内の迷惑着信リストに登録する。そして、以後上記登録された発信者番号の発信元から着信があった場合に、ユーザの操作を介さずに当該着信に応答して着信拒否の旨のメッセージを通知するようにしたものである。
【0039】
図5は、この発明の第2の実施形態に係わる移動通信端末MSの回路構成を示すブロック図である。なお、同図において前記図2と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0040】
記憶部20Bには、着信履歴記憶エリア20bと、迷惑着信リスト記憶エリア20cとが設けてある。この迷惑着信リスト記憶エリア20cは、いわゆるワン切りを使用した迷惑着信が到来した場合に、その発信者番号を日時等と共に格納するために使用される。
【0041】
制御部17Bは、マイクロプロセッサを主制御部として有するもので、この発明に係わる新たな制御機能として、着信呼出時間判定機能17aと、着信報知拒否制御機能17cと、迷惑着信リスト登録制御機能17dと、迷惑着信拒否応答制御機能17eとを備える。
【0042】
このうち迷惑着信リスト登録制御機能17dは、上記着信呼出時間判定機能17aにより着信呼出の測定時間がしきい値FT未満であると判定された場合に、この時受信されたSetupメッセージに含まれている発信者番号を上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに登録する。
【0043】
迷惑着信拒否応答制御機能17eは、自端末MS宛ての着信が到来した場合に、このとき受信された発信元の発信者番号が上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに既に登録されている番号であるか否かを判定する。そして、登録済みだった場合に、当該着信に自動応答して着信拒否の旨のメッセージを発信元へ送信する。
【0044】
次に、以上のように構成された移動通信端末MSの動作を説明する。図6は、迷惑着信拒否応答制御の手順とその内容を示すフローチャートである。
移動通信網MNWと移動通信端末MS1との間で例えば図4に示すように着信シーケンスが開始されたとする。そうすると、制御部17Bは、先ずステップ6aでSetupメッセージの到来を監視し、Setupメッセージが検出されるとステップ6bによりこの検出時点から着信呼出時間の測定を開始する。またそれと共に制御部17Bは、ステップ6cで上記受信されたSetupメッセージから発信者番号を抽出する。
【0045】
次に制御部17Bは、ステップ6dにおいて先に抽出した発信者番号と上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに登録されている発信者番号とを比較する。この比較の結果、上記発信者番号が上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに存在すると判定された場合は、以前に着信があったワン切りによる迷惑着信であると判断し、ステップ6eからステップ6fに移行して上記着信呼出時間の測定を終了する。そして制御部17Bは、ステップ6gにおいてユーザの操作を介さずに当該着信に自動応答して着信拒否の旨のメッセージを発信元へ送信する。次に制御部17Bは、ステップ6hに移行して着信報知動作を禁止すると共に、上記Setupメッセージから抽出した発信者番号を着信履歴記憶エリア20bに記憶する処理を禁止する。
【0046】
一方、ステップ6eにおいて上記発信者番号が上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに存在しないと判定された場合には、以後迷惑着信リスト登録制御を実行する。図7は、迷惑着信リスト登録制御の手順とその内容を示すフローチャートである。
【0047】
制御部17Bは、ステップ7bでDisconnectメッセージの到来を監視しながら、ステップ7aにより上記測定中の着信呼出時間が予め設定したしきい値時間FTを経過したか否かを監視する。そして、測定中の着信呼出時間がしきい値時間FTを経過すると、このときの着信はワン切りによる迷惑着信でないと判断し、ステップ7eに移行して上記着信呼出時間の測定を終了し、ステップ7fに移行して通常の着信処理を実行する。
【0048】
一方、測定中の着信呼出時間がしきい値時間FTを経過する前にDisconnectメッセージを検出したとする。この場合制御部17Aは、ステップ7cに移行して先にSetupメッセージから抽出した発信者番号を上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに登録する。次に制御部17Bは、ステップ7dに移行して着信報知動作を禁止すると共に、上記Setupメッセージから抽出した発信者番号を着信履歴記憶エリア20bに記憶する処理を禁止する。
【0049】
したがって第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、ワン切りを使用した迷惑着信が到来しても、この迷惑着信は自動的に検出されて排除される。このため、ユーザは迷惑着信を認識しなくて済むため、知らない発信者からの着信報知により不快な思いをすることがなくなる。さらに、発信者番号は着信履歴に登録されないので、ユーザの誤操作により上記迷惑着信に対しリダイヤルしてしまう不具合も未然に防止することができる。
【0050】
また、迷惑着信と判断された場合には、その発信者番号が迷惑着信リストに記憶される。このため、このリストを使用することで、通信事業者や周囲の知人等に注意を促すことが可能となる。
【0051】
さらに、自端末に到来した着信の発信者番号を上記迷惑着信リストと比較するようにしているため、一度着信があったワン切りを使用した迷惑着信の発信者番号から再度着信が発生した場合には、ユーザの操作を介さずにこの発信者に対して着信拒否の旨を通知することができる。
【0052】
(第3の実施形態)
この発明の第3の実施形態は、前記第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせたものである。すなわち、図7に示すように、移動通信端末MSの記憶部20Cには、電話帳記憶エリア20aと、着信履歴記憶エリア20bと、迷惑着信リスト記憶エリア20cとが設けてある。また制御部17Bは、着信呼出時間判定機能17aと、電話帳登録判定機能17bと、着信報知拒否制御機能17cと、迷惑着信拒否応答制御機能17eとを備えている。
【0053】
このような構成であるから、制御部17Cは、上記着信呼出時間判定機能17aにより上記所定時間FTが経過する前にDisconnectメッセージを検出し、さらに発信者番号が上記電話帳記憶エリア20aに存在しない場合に、ワン切りを使用した迷惑着信であると判断する。そして、ワン切りを使用した迷惑着信と判断すると、上記迷惑着信リスト記憶エリア20cに当該迷惑着信の発信者番号を登録する。一方、発信者番号が上記電話帳記憶エリア20aに存在する場合には、ワン切りによる迷惑着信と判断せずに通常の着信処理を実行する。
【0054】
したがって第3の実施形態によれば、着信呼出時間がワン切りによる迷惑着信と判断されるような短い時間だった場合でも、このときの発信者番号が電話帳記憶エリア20aに登録済みの場合には、発信元は知人と判断されて通常の着信報知動作と着信履歴への追加処理が実行される。このため、知人からの着信を迷惑着信と誤って判断して、迷惑着信リストに登録してしまうのを防止できる。
【0055】
(第4の実施形態)
この発明の第4の実施形態は、上記移動通信網MNWが予め登録された発信元からの着信要求を拒否する着信拒否代行機能を有している場合には、移動通信端末MSがワン切りを使用した迷惑着信であると判断した時点で、setupメッセージから抽出した発信者番号を上記移動通信網MNWに通知するように構成してもよい。
【0056】
図9は、この第4の実施形態に係わる移動通信端末MSの要部構成を示すブロック図である。制御部17Dに備えられた迷惑着信番号通知制御機能17fは、上記着信呼出時間判定機能17aにより上記しきい値時間FTが経過する前にDisconnectメッセージが検出され、さらに発信者番号が上記電話帳記憶エリア20aに存在しない場合にワン切りを使用した迷惑着信であると判断する。そして、上記移動通信網MNWに対し、setupメッセージから抽出した発信者番号を着信拒否登録要求と共に送信する。
【0057】
移動通信網MNWの着信拒否代行機能は、上記移動通信端末から到来した発信者番号及び着信拒否登録要求を記憶し、該当する発信元の端末に対し迷惑着信を止めるように促すメッセージを通知したり、該当する発信元端末から再度同一の着信先への発信が発生した場合に、着信先に対する着信手順を拒否すると共に、その旨のメッセージを発信元の端末へ通知する。
【0058】
このような構成であれば、ワン切りによる迷惑着信が到来した場合に発信元の発信者番号を自端末MSに登録しておく必要がなくなるため、記憶部20Aの負荷を軽減することができる。また、ワン切りによる迷惑着信が到来したときの発信元の発信者番号を上記移動通信網MNWに一度登録すれば、以後移動通信網MNWの着信拒否代行機能により、同じ発信元から自端末MSには迷惑着信が到来しない。このため、着信報知拒否制御機能17dによる着信報知拒否制御を行う頻度が減少し、これにより制御部17Dの処理負荷が軽減される。
【0059】
(その他の実施形態)
前記第2の実施形態において、ユーザがSIMインターフェース回路23にSIMカードを接続して端末MSを使用する場合に、迷惑着信リスト記憶エリア20cに記憶されたリストを上記SIMカードに転送して記憶させるように構成してもよい。このように構成すると、ユーザが他の移動通信端末を使用する際に、上記SIMカードをこの移動通信端末に装着すれば、先に使用していた移動通信端末の迷惑着信リスト記憶エリア20cに登録された迷惑着信リストの情報を、上記他の移動通信端末においてもそのまま利用することができる。このため、上記迷惑着信リストの情報をより有効に活用することが可能となる。
【0060】
また第1及び第2の実施形態においては、着信呼出時間判定機能17aにより、移動通信端末MSと移動通信網MNWとの間で授受される回線交換メッセージのうち、Setupメッセージの検出を契機に時間測定を開始するようにしている。しかし、図4に示すRadio Bearer Setupメッセージの検出時やAlertingメッセージ送出時において時間測定を開始するようにしてもよい。要するに、時間測定を開始するトリガとなるメッセージとしては、端末MSが着信の発生を検出できるメッセージであれば、如何なるメッセージを利用してもよい。
【0061】
その他、移動通信端末の種類とその構成、移動通信網の構成、着信呼出時間の測定や、着信報知拒否制御、迷惑着信リスト登録制御、及び迷惑着信拒否応答制御の手順と内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、発信元の端末との間で通信網を介して通信を行う移動通信端末において、上記通信網からの着信信号と切断信号とをそれぞれ検出し、上記着信信号の検出時点から上記切断信号の検出時点までの時間を測定する。そして、この測定時間が予め設定したしきい値以上であるか未満であるかを判定し、上記測定時間が上記しきい値未満であると判定された場合に上記着信信号の到来を上記端末のユーザに報知せず、かつ着信信号に含まれている発信元の識別情報を着信リストに登録しないようにしている。
【0063】
したがってこの発明によれば、いわゆるワン切りを使用した迷惑着信を効果的に排除することができる移動通信端末とその制御回路及び着信制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる通信システムの概略構成図。
【図2】この発明の第1の実施形態に係わる移動通信端末の構成を示す機能ブロック図。
【図3】図2に示した移動通信端末における迷惑着信判定制御及び着信報知拒否制御の手順と内容を示すフローチャート。
【図4】移動通信網と移動通信端末との間の着信シーケンスの一例を示す図。
【図5】この発明の第2の実施形態に係わる移動通信端末の構成を示す機能ブロック図。
【図6】図5に示した移動通信端末における迷惑着信拒否応答制御の手順とその内容を示すフローチャート。
【図7】図5に示した移動通信端末における迷惑着信リスト登録制御の手順とその内容を示すフローチャート。
【図8】この発明の第3の実施形態に係わる移動通信端末の要部構成を示す機能ブロック図。
【図9】この発明の第4の実施形態に係わる移動通信端末の要部構成を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
1…アンテナ
2…アンテナ共用器(DUP)
3…受信回路(RX)
4…周波数シンセサイザ(SYN)
5…送信回路(TX)
6,14…A/D変換器
7…ディジタル復調回路(DEM)
8…時分割多元接続回路(TDMA)
9…誤り訂正符合復号回路(CH−COD)
10…音声符号復号回路(SP−COD)
11,16…D/A変換器
12…スピーカ
13…マイクロホン
15…ディジタル変調回路(MOD)
17A,17B,17C,17D…制御部
17a…着信呼出時間判定機能
17b…電話帳登録判定機能
17c…着信報知拒否制御機能
17d…迷惑着信リスト登録制御機能
17e…迷惑着信拒否応答制御機能
17f…迷惑着信番号通知制御機能
18…バッテリ
19…電源回路
20A,20B,20C…記憶部
20a…電話帳記憶エリア
20b…着信履歴記憶エリア
20c…迷惑着信リスト記憶エリア
21…入力部
22…表示部
23…SIMインターフェース回路
24…着信報知回路
Claims (9)
- 発信元の端末との間で通信網を介して通信を行う移動通信端末において、
前記通信網から到来する着信信号を検出する着信検出手段と、
前記通信網から到来する切断信号を検出する切断検出手段と、
前記着信検出手段による着信信号の検出時点から前記切断検出手段による切断信号の検出時点までの時間を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された時間が予め設定したしきい値以上であるか未満であるかを判定する時間判定手段と、
前記時間判定手段により前記測定された時間がしきい値未満と判定された場合に、前記着信信号の到来を前記移動通信端末のユーザに報知せず、かつ前記着信信号に含まれている発信元の識別情報を着信履歴に登録しないようにするための着信拒否制御を実行する制御手段とを具備したことを特徴とする移動通信端末。 - 迷惑着信リストを記憶する第1の記憶手段と、
前記時間判定手段により前記測定された時間がしきい値未満と判定された場合に、前記着信信号に含まれる発信元の識別情報を前記第1の記憶手段の迷惑着信リストに登録する登録手段とを、さらに具備したことを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。 - 前記第1の記憶手段は、前記移動通信端末の本体に対し着脱可能な記憶媒体からなり、
前記登録手段は、前記着信信号に含まれる発信元の識別情報を前記記憶媒体の迷惑着信リストに登録することを特徴とする請求項2記載の移動通信端末。 - 前記着信検出手段により検出された着信信号に含まれる発信元の識別情報が前記第1の記憶手段に記憶された迷惑着信リストに登録されているか否かを判定する第1の記憶判定手段と、
前記第1の記憶判定手段により前記検出された発信者の識別情報が前記迷惑着信リストに登録されていると判定された場合に、着信応答して当該発信元の端末に対し着信拒否メッセージを送信する手段とを、さらに具備したことを特徴とする請求項2記載の移動通信端末。 - 前記時間判定手段により前記測定された時間がしきい値未満と判定された場合に、着信応答して前記着信信号に含まれる発信元の識別情報をもとに発信元の端末に対し着信拒否メッセージを送信する手段を、さらに具備したことを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
- 前記通信網が、予め登録された発信元からの着信要求を拒否する着信拒否代行機能を有している場合に、
前記時間判定手段により前記測定された時間がしきい値未満と判定された場合に、前記着信信号に含まれる発信元の識別情報を前記通信網に通知して前記着信拒否代行機能に登録させる手段を、さらに具備したことを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。 - 前記移動通信端末のユーザにより入力された、着信を許容する発信元の識別情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記着信検出手段により検出された着信信号に含まれる発信元の識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されているか否かを判定する第2の記憶判定手段とを、さらに具備し、
前記制御手段は、前記時間判定手段により前記測定された時間がしきい値未満と判定された場合でも、前記記憶判定手段により前記検出された発信者の識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていると判定された場合には、着信が発生した旨を前記ユーザに報知することを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。 - 通信回路、着信報知回路及び着信履歴記憶回路を備えた移動通信端末に設けられ、上記各回路を制御することにより発信元の端末との間で通信網を介して通信を行う制御回路において、
前記通信回路により受信された信号の中から前記通信網が送信した着信信号を検出する着信検出手段と、
前記通信回路により受信された信号の中から前記通信網が送信した切断信号を検出する切断検出手段と、
前記着信検出手段による着信信号の検出時点から前記切断検出手段による切断信号の検出時点までの時間を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された時間が予め設定したしきい値以上であるか未満であるかを判定する時間判定手段と、
前記時間判定手段により前記測定された時間がしきい値未満と判定された場合に、前記着信報知回路による着信報知動作を禁止すると共に、前記着信信号に含まれている発信元識別情報を前記着信履歴記憶手段に登録する処理を禁止する着信拒否制御手段とを具備したことを特徴とする移動通信端末。 - コンピュータを備え、このコンピュータの制御の下に、発信元の端末との間で通信網を介して通信を行う移動通信端末で使用する着信制御プログラムであって、
前記通信網から到来する着信信号を検出するステップと、
前記通信網から到来する切断信号を検出するステップと、
前記着信信号の検出時点から前記切断信号の検出時点までの時間を測定するステップと、
前記測定された時間が予め設定したしきい値以上であるか未満であるかを判定するステップと、
前記測定された時間がしきい値未満と判定された場合に、前記着信信号の到来を前記移動通信端末のユーザに報知せず、かつ前記着信信号に含まれている発信元の識別情報を着信履歴に登録しないようにするためのステップとを、前記コンピュータに実行させる着信制御プログラム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002279747A JP2004120243A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 移動通信端末とその制御回路及び着信制御プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002279747A Pending JP2004120243A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 移動通信端末とその制御回路及び着信制御プログラム |
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JP (1) | JP2004120243A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7653373B2 (en) | 2006-02-03 | 2010-01-26 | Ntt Docomo, Inc. | Communication terminal, fixed-line phone, and computer readable medium |
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2002
- 2002-09-25 JP JP2002279747A patent/JP2004120243A/ja active Pending
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