JP2004120230A - データ通信におけるQoS制御方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1のノードは送信するデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの送信時刻及び該データパケットが要求するサービス品質レベルを付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信したノードは、該データパケットの受信時刻と前記ヘッダ情報部の前記送信時刻との時間差を計算し、前記時間差の値が前記サービス品質レベルで規定される伝送遅延許容時間を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はデータ通信におけるQoS制御方法およびシステムに関し、特に、送受信ノードが複数のセグメントを経由して通信を行うネットワーク型のデータ通信において、上位のアプリケーションサービスが要求するサービス品質特性に応じた通信制御を、ネットワークレイヤで容易に実現・実装することを可能とする、データ通信におけるQoS制御方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ネットワーク上のデータ通信においては、それを必要とするアプリケーションサービスによって、通信に要求されるサービス品質(QoS:Quality of Service)特性が異なる。例えば、映像や音声を扱うアプリケーションではデータのリアルタイム性が重要であるため、高いサービス品質の通信が要求される。これに対し、電子メールや電子掲示板などのアプリケーションでは原則としてリアルタイム性は必要なく、通信のサービス品質が少々低くても最終的に宛先へデータが到達すればよいということが前提となっている。
【0003】
ある通信におけるサービス品質特性を決定する要素品目としては、ネットワーク上の伝送路の回線速度、伝送遅延,伝送エラー発生率など様々なものがある。これらのQos要素品目を総合的に改善するために広く試みられている方法は帯域制御である(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかし、帯域制御によってネットワークの伝送品質そのものを制御しようとする場合は、ネットワーク上におけるルータなどの経路接続機器を含む全てのノードが一様に帯域制御機能を有している必要があり、実現にはかなりのコストを要する。また、帯域制御を行うということは各アプリケーションサービスがネットワークリソースをできるだけ占有しようとするのが目的であるから、これは帯域を共有することによって大群効果を得ようとするパケット通信方式の利点を損なってしまう。
【0005】
そこで、次に考えられるのはネットワークの伝送品質はそのままに、アプリケーションサービスを提供するエンドポイントノード間だけでそのサービスに応じたQoS制御を行う方法である。これに関して広く提案又は実施されているのは、実際に通信を制御している下位のネットワークレイヤから伝送品質情報を取得し、それをもとにサービスの提供方法を調整するといった方法である。例えば、映像や音声などのリアルタイム性を要求するデータを送信する際、ネットワークの伝送品質に見合うようデータを圧縮したり、間引いたりしてリアルタイム性のみを保証するように調整する方法がある。ここで問題となるのは、ネットワークレイヤで如何に伝送品質情報を収集するかということであり、一般的には伝送品質の指標となる様々な要素品目について測定を行い、その統計情報を取得するという方法が用いられる(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−094566号公報(請求項5−7、図1)
【特許文献2】
特開2000−278317号公報(請求項1−3、図1)
【特許文献3】
特開平02−121429号公報(特許請求の範囲、第1図、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ネットワークの伝送品質に関する統計情報を取得して上位アプリケーションサービスでのデータ処理を調整する方法では次のような問題点がある。
【0008】
第一に、ネットワークレイヤでの通信制御において、伝送品質を測定するための処理を実際のユーザデータの送受信処理のほかに追加しなければならないことである。これは処理実装に要するコストが増大するだけでなく、測定のための特殊なデータパケットをネットワーク上で用いる場合は、それによるトラヒック負荷が少なからず生じてしまう。
【0009】
第二に、ネットワークの伝送品質の要素品目のうち、特に伝送遅延においては時間的なゆらぎが必ずあるため、統計値を基にして伝送品質を判断し、それに応じて上位アプリケーションサービスで送受信データを調整するには複雑な処理が必要になる。これは上位アプリケーションサービスではネットワークレイヤから渡される伝送品質情報をある程度予測したデータ処理を組み込んでおく必要があるが、前記伝送遅延のゆらぎなどにより、予測されるケースの数が多くなってしまい、複雑な処理が必要となってしまうということである。
【0010】
第三に、前記第二の点に加えて、ネットワークレイヤで測定される統計情報は時間的に変化するため、データ通信中は定期的に測定を実施する必要があり、また時間的に異なる統計情報がネットワークレイヤから渡された場合、アプリケーションサービスはそれぞれデータ処理の方法を変化させなければならない。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するために成されたものであり、本発明の目的は、送受信ノードが複数のセグメントを経由して通信を行うネットワーク型のデータ通信において、上位のアプリケーションサービスが要求するサービス品質特性に応じた通信制御を、ネットワークレイヤで容易に実現・実装することを可能とする、データ通信におけるQoS制御方法およびシステムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のデータ通信におけるQoS制御方法は、第1のノードからネットワークを介して第2のノードにデータパケットを送信するパケットデータ通信において、通信に先立って前記第1のノードと前記第2のノード間で時刻同期を行っておき、前記第1のノードは送信するデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの送信時刻及び該データパケットが要求するサービス品質レベルを付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信した前記第2のノードは、該データパケットの受信時刻と前記ヘッダ情報部の前記送信時刻との時間差を計算し、前記時間差の値が前記サービス品質レベルで規定される伝送遅延許容時間を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、ことを特徴とする。
【0013】
また、前記第1のノードが前記データパケットを送信すると同時に、前記第1のノードは応答信号の検出許容時間を計測するタイマを起動し、前記タイマがタイムアウトする前に前記第2のノードからの応答信号を受信した場合は、前記データパケットが正常に前記第2のノードに送信されたと判定して前記タイマを停止し、前記タイマがタイムアウトした場合は、前記データパケットが前記第2のノードに受信されなかったと判定して通信異常の処理を行う、ことを特徴とする。
【0014】
さらに、前記応答信号の検出許容時間は、前記データパケットが要求する前記サービス品質レベルの関数により算出される、ことを特徴とする。
【0015】
また、前記伝送遅延許容時間は、前記応答信号の検出許容時間の関数により算出される、ことを特徴とする。
【0016】
さらに、第1のノードからネットワークを介して第2のノードにデータパケットを送信するパケットデータ通信において、通信に先立って前記第1のノードと前記第2のノード間で時刻同期を行っておき、前記第1のノードは送信するデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの送信時刻及び該データパケットが要求するサービス品質レベルで規定される伝送遅延許容時間を付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信した前記第2のノードは、該データパケットの受信時刻と前記ヘッダ情報部の前記送信時刻との時間差を計算し、前記時間差の値が前記ヘッダ情報部の前記伝送遅延許容時間を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、ことを特徴とする。
【0017】
また、前記伝送遅延許容時間は、前記データパケットが要求する前記サービス品質レベルの関数により算出される、ことを特徴とする。
【0018】
さらに、第1のノードからネットワークを介して第2のノードにデータパケットを送信するパケットデータ通信において、通信に先立って前記第1のノードと前記第2のノード間で時刻同期を行っておき、前記第1のノードは送信するデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの受信制限時刻を付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信した前記第2のノードは、該データパケットの受信時刻が前記ヘッダ情報部の前記受信制限時刻を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、ことを特徴とする。
【0019】
また、前記受信制限時刻は、前記データパケットが要求するサービス品質レベルの関数により算出される伝送遅延許容時間と、前記データパケットの送信時刻とを加えることにより算出される、ことを特徴とする。
【0020】
本発明のデータ通信におけるQoS制御システムは、通信アプリケーションサービスを提供し上位レイヤとして動作するアプリケーションサービス処理部と、前記アプリケーションサービス処理部からの要求によりデータの送受信を行いネットワークレイヤとして動作するネットワーク処理部と、前記ネットワーク処理部からの要求により前記データをネットワーク上へ送受信し下位レイヤとして動作するデータリンク処理部と、を備えるノード間で、前記データをパケット化して送受信するパケットデータ通信システムにおいて、
前記ノードの各々が、前記ノード間の時刻同期を行うと共に前記ネットワーク処理部へ前記データの送受信時刻を提供する時刻同期処理手段と、前記アプリケーションサービス処理部から送信要求されたデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの送信時刻及び該データパケットが要求するサービス品質レベルを付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信すると、該データパケットの受信時刻と前記ヘッダ情報部の前記送信時刻との時間差を計算し、前記時間差の値が前記サービス品質レベルで規定される伝送遅延許容時間を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、Qos管理手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0021】
また、前記データパケットを送信するノードは、前記データパケットを送信すると同時に応答信号の検出許容時間を計測するタイマを起動し、前記タイマがタイムアウトする前に前記データパケットを受信するノードからの応答信号を受信した場合は、前記データパケットが正常に前記データパケットを受信するノードに送信されたと判定して前記タイマを停止し、前記タイマがタイムアウトした場合は、前記データパケットが前記データパケットを受信するノードに受信されなかったと判定して通信異常の処理を行う、ことを特徴とする。
【0022】
さらに、前記応答信号の検出許容時間は、前記データパケットが要求する前記サービス品質レベルの関数により算出される、ことを特徴とする。
【0023】
また、前記伝送遅延許容時間は、前記応答信号の検出許容時間の関数により算出される、ことを特徴とする。
【0024】
さらに、通信アプリケーションサービスを提供し上位レイヤとして動作するアプリケーションサービス処理部と、前記アプリケーションサービス処理部からの要求によりデータの送受信を行いネットワークレイヤとして動作するネットワーク処理部と、前記ネットワーク処理部からの要求により前記データをネットワーク上へ送受信し下位レイヤとして動作するデータリンク処理部と、を備えるノード間で、前記データをパケット化して送受信するパケットデータ通信システムにおいて、
前記ノードの各々が、前記ノード間の時刻同期を行うと共に前記ネットワーク処理部へ前記データの送受信時刻を提供する時刻同期処理手段と、前記アプリケーションサービス処理部から送信要求されたデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの送信時刻及び該データパケットが要求するサービス品質レベルで規定される伝送遅延許容時間を付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信すると、該データパケットの受信時刻と前記ヘッダ情報部の前記送信時刻との時間差を計算し、前記時間差の値が前記ヘッダ情報部の前記伝送遅延許容時間を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、Qos管理手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0025】
また、前記伝送遅延許容時間は、前記データパケットが要求する前記サービス品質レベルの関数により算出される、ことを特徴とする。
【0026】
さらに、通信アプリケーションサービスを提供し上位レイヤとして動作するアプリケーションサービス処理部と、前記アプリケーションサービス処理部からの要求によりデータの送受信を行いネットワークレイヤとして動作するネットワーク処理部と、前記ネットワーク処理部からの要求により前記データをネットワーク上へ送受信し下位レイヤとして動作するデータリンク処理部と、を備えるノード間で、前記データをパケット化して送受信するパケットデータ通信システムにおいて、
前記ノードの各々が、前記ノード間の時刻同期を行うと共に前記ネットワーク処理部へ前記データの送受信時刻を提供する時刻同期処理手段と、前記アプリケーションサービス処理部から送信要求されたデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの受信制限時刻を付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信すると、該データパケットの受信時刻が前記ヘッダ情報部の前記受信制限時刻を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、Qos管理手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0027】
また、前記受信制限時刻は、前記データパケットが要求するサービス品質レベルの関数により算出される伝送遅延許容時間と、前記データパケットの送信時刻とを加えることにより算出される、ことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明のデータ通信におけるQoS制御システムを含むデータ通信システムの一実施形態を示すブロック図、図2は同詳細ブロック図であり、以下では図1、図2に示したデータ通信システムを例に、本発明のデータ通信におけるQoS制御システムおよびデータ通信におけるQoS制御方法の実施の形態について説明する。
【0030】
図1において、データ通信を可能とする通信網であるところのネットワーク20は、複数のセグメント30を含んでおり、また、データの送受信を行う複数のノード10を含んで構成されている。
【0031】
そして、本実施形態においては、ネットワーク20内のノードA10−1は、あるアプリケーションサービスを提供するために、セグメントX30−1、セグメントY30−2、及びセグメントZ30−3を跨った先にあるノードB10−2とのデータ通信を行うものとする。すなわち、ノードA10−1からデータ50がノードB10−2に送信され、ノードB10−2からはデータ50に対する応答60がノードA10−1に返送される。通信は、ネットワーク20内に共存する他のノード10と伝送帯域を共有するパケット通信方式で行われ、セグメント30を跨った通信には、それぞれのセグメント30間を接続するルータなどの経路接続機器(図示せず)が用いられる。
【0032】
ノードA10−1とノードB10−2との間のデータ通信は、図2に示すように、OSI(Open Systems Interconnection:開放型システム間相互接続)参照モデルに代表される標準的な階層構造のプロトコルに基づいて行われる。
【0033】
すなわち、図2において、各ノードA10−1やノードB10−2は、ネットワークレイヤの通信モジュールをモデル化したエンティティ(Entity)であるところのネットワークレイヤエンティティ12(12−1、12−2)を軸とし、ネットワークレイヤの上位にあってアプリケーションサービスなどを提供するエンティティであるところの上位レイヤエンティティ11(11−1、11−2)と、ネットワークレイヤの下位にあってデータリンクレイヤや物理レイヤのエンティティであるところの下位レイヤエンティティ13(13−1、13−2)と、から構成されている。また、セグメントX30−1とセグメントY30−2との経路接続機器(図示せず)には、下位レイヤエンティティ13−7が実装されており、セグメントY30−2とセグメントZ30−3との経路接続機器(図示せず)には、下位レイヤエンティティ13−8が実装されている。
【0034】
各セグメント30(セグメントX30−1、セグメントY30−2、セグメントZ30−3)内では、下位レイヤエンティティ13が下位レイヤでの送達確認と再送制御を行っている。また、これとは別にネットワークレイヤで、ノードA10−1とノードB10−2間の論理伝送路における信頼性を高めるために、ノードA10−1とノードB10−2間に特化したデータの送達確認を行っている。すなわち、ノードA10−1からノードB10−2に対しデータ50を送信すると、その応答60がノードB10−2からノードA10−1に返送されるようになっている。
【0035】
多くの階層型プロトコルがそうであるように、ノードA10−1とノードB10−2間におけるネットワークレイヤレベルと下位レイヤレベルでの送達確認、及び再送制御などはそれぞれ独立して行われる。ただし、本発明においては下位レイヤレベルでの送達確認や再送制御は必要条件ではない。
【0036】
次に、図3を参照して、各ノード10(ノードA10−1、ノードB10−2)の構成について説明する。
【0037】
図3は、ノードの構成の一例を示す詳細ブロック図である。
【0038】
図3において、ノード10は、アプリケーションサービス処理部1と、QoS(Quality of Service:サービス品質)管理部2と、ネットワーク処理部3と、時刻同期処理部4と、データリンク処理部5と、データ送信部6と、データ受信部7と、から構成されている。
【0039】
アプリケーションサービス処理部1は、様々な通信アプリケーションサービス或いはユーザインターフェースの処理を提供するブロックであり、図2の各ノード10における上位レイヤエンティティ11に相当する。
【0040】
QoS管理部2とネットワーク処理部3は、図2の各ノード10におけるネットワークレイヤエンティティ12に相当する処理ブロックである。ネットワーク処理部3は、アプリケーションサービス処理部1からデータ送信要求を受理して下位レイヤへ渡し、下位レイヤから受信したデータをアプリケーションサービス処理部1へ渡すほか、ネットワーク20を通じた相手先とのエンドツーエンドの論理伝送路の設定や伝送エラー検出、再送制御などを行う。QoS管理部2は、ネットワーク処理部3を補佐する形で、ネットワーク処理部3へ渡される送受信各データのサービス品質レベルを調べ、それに応じた通信のQoS制御、特にここでは伝送遅延に関する制御を、ネットワーク処理部3と協調して行う。
【0041】
データリンク処理部5及びデータ送信部6、データ受信部7は、図2の各ノード10における下位レイヤエンティティ13に相当し、ノード10が接続するセグメント30への実際のデータの送受信、及びセグメント30内での下位レイヤにおけるデータ送達確認や再送制御などを行う。
【0042】
これらのレイヤエンティティとは別に時刻同期処理部4があり、ここではネットワーク20内で自ノードの時刻を他ノードと同期する処理を行い、さらにデータの送受信時におけるデータ送信時刻、及びデータ受信時刻をネットワーク処理部3へ通知して、QoS制御に必要な時刻データの提供を行う機能を有する。
【0043】
次に、図4、図5、図6を参照して、図1、図2、図3に示した本実施形態の動作について説明する。なお、図4、図5、図6の説明において図1、図2、図3に示す構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0044】
図3のノード10のアプリケーションサービス処理部1で提供されるサービスの内容は様々であり、各サービスはネットワーク20上の通信において異なるサービス品質(QoS)レベルを要求する。一般にサービス品質レベルの指標としては、回線速度、伝送遅延、伝達保証、伝送エラー発生頻度などがあげられるが、本実施形態においては主として伝送遅延のことを指すものとする。
【0045】
例えば、ノードA10−1におけるユーザが画面を操作してノードB10−2に問い合わせを発行し、その結果をノードA10−1の画面に表示するといったインタラクティブなサービスや、映像・音声などのマルチメディアサービスについては、リアルタイム性が重要になるので高いサービス品質レベルが定義される。これに対し、電子メールなど原則的にリアルタイム性を要求しないものについては、より低いサービス品質レベルでもかまわない。
【0046】
そこで、図3のノード10のQoS管理部2では、ネットワーク20上で展開される様々なアプリケーションサービスの特性に従って、ネットワークレイヤに要求されるサービス品質レベルQkを規定する。サービス品質レベルQkは、k=1、2、…、NのN段階で規定され、Q1が最も高品質であるものとする。
【0047】
ここで、サービス品質レベルQkの値は、言い換えればノードA10−1とノードB10−2間のエンドツーエンド通信で許容される伝送遅延時間の許容限界値の指標になる。当然、Q1レベルが最もリアルタイム性を要求する通信に相当する。
【0048】
さて、ノードA10−1とノードB10−2間では、送信したデータ50の応答60(本実施形態においては肯定応答(ACK)であるものとする)をとることにより、データ伝達確認及び不達時の伝送エラー処理を行って通信の信頼性を保証している。通常は図4に示すように、ノードA10−1はデータ50の送信後にある規定時間内、即ち応答検出許容時間T1(k)内に、受信側であるノードB10−2から、送信したデータ50に対する応答60が届くことを期待している。もし、届かない場合は伝送エラーが発生したとみなし、再送制御を行うか、上位レイヤに対してデータの不達及び異常を通知する。
【0049】
以上述べたサービス品質レベルQkと応答検出許容時間T1(k)を前提に、図4を参照して、本実施形態の正常通信時の動作について説明する。
【0050】
図4は、本実施形態の正常通信時の動作を説明するタイムチャートである。
【0051】
ネットワークレイヤでは、通信に先立ってノードA10−1とノードB10−2で時刻合わせを行う時刻同期を行う(図4のS1)。ノードA10−1は、送信するデータ50のヘッダ情報部に、データ50の送信時刻(ts)及びデータ50が要求するサービス品質レベル(Qk)を付加してデータ50を送信する(図4のS3)。この時同時に、応答検出許容時間T1(k)を計測する応答検出タイマを起動する(図4のS2)。
【0052】
ノードB10−2はデータ50を受信すると、データ50の受信時刻(tr)とデータ50のヘッダ情報部の送信時刻(ts)との時間差を計算し、伝送遅延時間(ΔT)を求める(図4のS4)。そして、伝送遅延時間(ΔT)の値がサービス品質レベル(Qk)で規定される伝送遅延許容時間(T2(k))を超えていなければ(図4のS5)、応答60をノードA10−1に対して返送する(図4のS6)。
【0053】
ノードA10−1は、応答60を受信すると、ステップS2で起動したタイマを停止し(図4のS7)、データ50が正常に送信されたので以降ノードA10−1での正常処理を継続する(図4のS8)。
【0054】
次に、図4のステップS4において求めた伝送遅延時間(ΔT)の値が、伝送遅延許容時間(T2(k))を超えていた場合の動作について、図5を参照して説明する。
【0055】
図5は、本実施形態の異常通信時の動作を説明するタイムチャートである。
【0056】
図5において、ステップS1〜S3までの動作は、図4と同一であるためその説明を省略する。
【0057】
ノードB10−2がデータ50を受信すると、データ50の受信時刻(tr)とデータ50のヘッダ情報部の送信時刻(ts)との時間差を計算し、伝送遅延時間(ΔT)を求める(図5のS4)。そして、伝送遅延時間(ΔT)の値がサービス品質レベル(Qk)で規定される伝送遅延許容時間(T2(k))を超えている場合は(図5のS10)、そのデータ50を破棄し、ノードA10−1に応答60を返さない。
【0058】
これにより、ノードA10−1ではステップS2で起動した応答検出タイマがタイムアウトするため(図5のS11)、データ50が伝送途中で損失したとみなし、伝送エラー発生時と同様に、再送制御を行うか或いは上位レイヤに対して異常通知を行う(図5のS12)。
【0059】
次に、図4、図5を再度参照すると共に図6を参照して、本実施形態の動作について具体的に説明する。
【0060】
上述したように、ノードA10−1とノードB10−2間では、送信したデータ50の応答60をとることにより、データ伝達確認及び不達時の伝送エラー処理を行って通信の信頼性を保証している。通常は図4に示すように、ノードA10−1はデータ50の送信後にある規定時間内、即ち応答検出許容時間T1(k)内に、受信側であるノードB10−2から、送信したデータ50に対する応答60が届くことを期待している。もし、届かない場合は伝送エラーが発生したとみなし、再送制御を行うか、上位レイヤに対してデータの不達及び異常を通知する。
【0061】
上述の応答検出許容時間T1(k)はネットワーク処理部3に上位レイヤから渡されるデータ50のサービス品質レベルQkによって異なる。つまり、T1(k)は下記の[数1]で表される。
【0062】
【数1】
【0063】
ただし、FはQkの値をとる任意の関数であり、Qkの値が小さいほどT1(k)の値も小さくなるような関数である。例えば、二つの異なるサービス品質レベルQk1、Qk2において、
【0064】
【数2】
【0065】
が成り立つ。
【0066】
ノードA10−1はデータ50を送信する際に、T1(k)時間後にタイムアウトするタイマをかけ(図4、図5のS2)、図4のようにタイムアウトする前にノードB10−2からの応答60を受信すればタイマを停止し(図4のS7)、正常処理を継続する(図4のS8)。
【0067】
しかし、図5のようにノードA10−1でデータ50を送信してからT1(k)時間内にノードB10−2からの応答60を受信しなかった場合は、ノードA10−1からノードB10−2へのデータ伝送途中で、データの損失もしくは何らかの異常が発生したと判断し、再送制御、もしくは上位のアプリケーションサービス処理部1に対するデータの不達及び異常を通知する(図5のS12)。
【0068】
ところで、図4において、ノードB10−2ではノードA10−1からのデータ50を受信後、そのデータ50のサービス品質レベル(Qk)に応じて、ノードA10−1が期待する応答検出許容時間T1(k)内に応答60が届くようにしなければならない。従って、ノードB10−2ではそのデータ50がいつ送信されたか、またノードA10−1で期待する応答検出許容時間T1(k)を知る必要があり、T1(k)の値をもとにそのデータ50に対してどの程度の伝送遅延時間(ΔT)が許容されるかという、伝送遅延許容時間T2(k)を算出する必要がある。このため、次の前提条件が必要となる。
【0069】
まず、ネットワーク20上の各ノード10は、図3の時刻同期処理部4によって、通信を開始する前に他のノード10との時刻同期処理を完了しておく(図4、図5のS1)。時刻同期の方法についてはここでは言及しないが、例えば標準的な標準時刻サービスNTP(Network Time Protocol:RFC(Request for Comments)1305)プロトコルを、ノードA10−1、ノードB10−2が共に使用することにより、これを達成できる。そして、ノードA10−1のネットワーク処理部3はデータ50を送信する際に、図6に示されるようにそのデータパケットのヘッダ情報部(51〜54)に、時刻同期処理部4から得た送信時刻tsと(図6の52)、QoS管理部2から得たそのデータ50に要求されるサービス品質レベルQkを付加する(図6の53)。なお、図6の55には、上位のアプリケーションサービス処理部1からのユーザデータが格納されている。
【0070】
ノードB10−2のネットワーク処理部3は、下位のデータリンク処理部5を通じてノードA10−1からのデータ50を受信すると、ヘッダ情報として付加されたデータの送信時刻tsとサービス品質レベルQkをデータパケットから取得する。そして、サービス品質レベルQkから上記[数1]に従ってノードA10−1がタイマ設定している応答検出許容時間T1(k)を計算し、さらにそのデータ50に対して許容されるべき伝送遅延許容時間T2(k)を次のように決定する。
【0071】
【数3】
【0072】
また、ノードB10−2は自ノード内の時刻同期処理部4を通じて、そのデータの受信時刻trを取得し、データ伝送に要した時間ΔT=tr−tsを算出する。このΔT値が[数3]で求めた伝送遅延許容時間T2(k)よりも小さい場合は、図4のステップS6のように応答60をノードA10−1に返すが、そうでない場合はネットワーク20上で何らかの原因により、許容範囲を超えた伝送遅延が発生したと判断し、そのデータ50を上位のアプリケーションサービス処理部1に渡さずにそのまま破棄し、応答も返さない(図5のS10)。
【0073】
これは、ノードA10−1のアプリケーションサービス処理部1が期待する制限時間内でノードB10−2のアプリケーションサービス処理部1がデータ50を処理するにはもはや手遅れであるためである。こうしておいて、ノードB10−2は、ノードA10−1に伝送途中でデータが損失したと判断させ、伝送エラー発生と同等の処理を期待する。
【0074】
ノードA10−1のネットワーク処理部3では、送信したデータ50に対する応答60がノードB10−2から返らないため、データ送信時に仕掛けておいたタイマがタイムアウトし(図5のS11)、データ伝送途中でデータの損失もしくは何らかの伝送エラーが発生したと判断して、再送制御、もしくは上位のアプリケーションサービス処理部1へデータの不達及び異常を通知する(図5のS12)。通知を受けた上位のアプリケーションサービス処理部1では、選択したサービス品質レベルでの通信はサービス内容に適合しないと判断して、例えば別のサービス品質レベルに変更することもできるし、送受信データをそのサービスに見合うように加工することもできる。
【0075】
図5に示されるように、ノードB10−2が伝送遅延許容時間T2(k)内にデータ50を受信できないのは例えば、途中のセグメントで下位レイヤによる再送処理などによる伝送遅延が発生したり(図5のセグメントY30−2)、セグメント内のトラヒック負荷による輻輳状態が発生してしていたなどの理由があげられる。いずれにしても、ノードA10−1はデータ50を送信してから伝送遅延許容時間T2(k)内にノードB10−2がそのデータ50を受信することを期待しているので、T2(k)より遅れてノードB10−2に到達したデータ50に対してはノードB10−2で処理をする必要性がない。従って、ノードB10−2でそのまま破棄し、途中で損失したものと扱ったとしてもノードA10−1では何ら不都合がなく、むしろ応答検出タイマのタイムアウト時に伝送エラーとして同等に扱えるので処理が簡潔になる。
【0076】
以上、本発明の第1の実施形態について詳細に説明したが、第1の実施形態においては以下に記述するような効果を奏するものとなる。
【0077】
第一の効果は、上位で提供する様々なアプリケーションサービスのサービス品質特性に応じた通信制御がデータ単位で容易に実現できることにある。その理由は、送受信側ノードで時刻を同期しておくことによって個々のデータのヘッダ情報部に付加された送信時刻とサービス品質レベルから伝送遅延許容時間が受信側でデータ単位に決定でき、伝送遅延許容時間と実際のデータ伝送に要した時間の差異を利用して、そのデータに要求されるサービス品質レベルに応じた処理を受信側ノードのネットワークレイヤで行うことができるからである。
【0078】
第二の効果は、前記第一の効果において、送信側ノードでの通信制御処理の実装が容易に行えることである。その理由は送信データの肯定応答をとることでデータの伝達保証を行う送信側ノードにおいて、受信側ノードがサービス品質レベルに対して遅延効果の大きいデータを意図的に破棄するため、送信側ノードでは遅延効果が大きいデータも伝送経路途中でのデータ損失と同等に扱えるようになり、既存の伝送エラー検出機能や再送制御機能などをそのまま利用して処理実装に要するコストを削減できるからである。或いはまた、既存のネットワークレイヤ処理を拡張してサービス品質レベルに応じたQoS制御を後から付加することも容易である。
【0079】
第三の効果は、特に受信側から送信側ノードへの応答データ伝送途中における不必要な帯域使用や再送制御処理をなくすことができ、結果として途中の各セグメントにおける余計なトラヒック負荷を削減できることである。その理由は、受信側ノードで伝送遅延許容時間を超えたデータを意図的に破棄して応答を返さないため、本来ならその応答を送信側へ届けるために生じていたかもしれない、伝送途中セグメントでの下位レイヤによる再送制御処理などが全く不要になるためである。
【0080】
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施形態について詳細に説明する。
【0081】
図7は、第2の実施形態のデータパケットのヘッダ情報部の構成を示す図である。
【0082】
図7を参照すると、第2の実施形態ではノードA10−1がノードB10−2に送信するデータパケットのヘッダ情報部に(図7の51〜54)、図6に示されたサービス品質レベルQk(図6の53)の代わりに、そのデータ50に要求されるサービス品質レベルQkから[数3]によって求められる伝送遅延許容時間T2(k)を付加している点(図7の530)で、第1の実施形態と異なっている。
【0083】
図3において、ノードA10−1のネットワーク処理部3は、上位のアプリケーションサービス処理部1からデータ送信要求を受け付けた際に、そのデータ50に要求されるサービス品質レベルQkをQoS管理部2に問い合わせる。そして、QoS管理部からQkの値を得ると、[数1]、[数3]に従って、データ50がノードB10−2に届くのに許容される伝送遅延許容時間T2(k)の値を計算し、図7のようにヘッダ情報部にQkの代わりにT2(k)を付加して(図7の530)、ノードB10−2へ送信する。
【0084】
ノードB10−2では受信したデータ50のヘッダ情報部から、ノードA10−1での送信時刻ts(図7の52)と伝送遅延許容時間T2(k)(図7の530)の値を取得する。そして自ノード内の時刻同期処理部4からデータ50の受信時刻trを取得し、送信時刻tsとの時間差ΔT=tr−tsを計算する。このΔTの値がヘッダ情報部から得たT2(k)の値よりも小さい場合は、自ノードの上位のアプリケーションサービス処理部1へ受信データを渡し、同時にノードA10−1へ応答60を送信する。逆にΔTの値がT2(k)の値よりも大きい場合は、データ50を破棄し、ノードA10−1に応答60を返さない。
【0085】
このようにして、ノードB10−2がデータ50を破棄してノードA10−1に応答60を返さなかった場合は、図5に示されるように、ノードA10−1においてデータ50を送信した際に設定した応答検出タイマがタイムアウトし(図5のS11)、ノードA10−1はデータ50がノードB10−2に到達する前に何らかの伝送エラーが発生したと判断して、上位のアプリケーションサービス処理部1に対してデータ50の不達及び異常を通知する。
【0086】
第2の実施形態では、ノードA10−1でデータ50を送信する際に、そのデータ50のサービス品質レベルQkから伝送遅延許容時間T2(k)を計算して、その値をデータパケットのヘッダ情報部に付加するため、ノードB10−2では元々ノードA10−1で要求されたサービス品質レベルQkの値を知ることはなく、単にデータ50の送信時刻tsと受信時刻trを元にその時間差ΔTを計算して与えられたT2(k)の値と比較するだけである。したがって、ノードB10−2ではデータ受信の際にQoS管理部2でのQkの値を元にした処理が必要なくなり、ネットワーク20内の全ノード10が同一のサービス品質レベル定義を共有しなくてもよくなる。つまり、あるノード10で提供する個々のアプリケーションサービスに応じて送信側ノードが独自にサービス品質レベルQk、及び[数1]、[数3]の定義を決めることができるので、より多様なアプリケーションサービスに適用しやすいという利点がある。
【0087】
以上、第2の実施形態として送信するデータパケットのヘッダ情報部に伝送遅延許容時間T2(k)を付加する場合について説明したが、ネットワーク20内の全ノード10は通信開始前に時刻同期が完了しているので、T2(k)の値の代わりに、受信制限時刻ty=ts+T2(k)の値を使用することも可能である。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のデータ通信におけるQoS制御方法およびシステムは、予め通信を行う各ノードが時刻を同期しておくことによって、送受信時刻をもとに各データのサービス品質特性として要求される伝送遅延時間の許容値に応じた通信制御を実現することができるので、送信側では、サービス品質レベルに対して伝送遅延効果の大きいものに対しては伝送エラー発生時と同等の処理ができ、処理実装が簡単になる、という効果を有している。また受信側では、送信側にとって不必要な応答を送信しないため、応答データの伝送の際に生じる可能性のある、下位レイヤでの再送などの不要なデータ送信を抑えることができ、データ伝送路上における不必要なトラヒック負荷を低減させる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ通信におけるQoS制御システムを含むデータ通信システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1のデータ通信システムの一例を示す詳細ブロック図である。
【図3】ノードの構成の一例を示す詳細ブロック図である。
【図4】本実施形態の正常通信時の動作を説明するタイムチャートである。
【図5】本実施形態の異常通信時の動作を説明するタイムチャートである。
【図6】本実施形態のデータパケットのヘッダ情報部の構成を示す図である。
【図7】第2の実施形態のデータパケットのヘッダ情報部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 アプリケーションサービス処理部
2 QoS管理部
3 ネットワーク処理部
4 時刻同期処理部
5 データリンク処理部
6 データ送信部
7 データ受信部
10 ノード
10−1 ノードA
10−2 ノードB
11 上位レイヤエンティティ
12 ネットワークレイヤエンティティ
13 下位レイヤエンティティ
20 ネットワーク
30 セグメント
30−1 セグメントX
30−2 セグメントY
30−3 セグメントZ
50 データ
60 応答
Claims (16)
- 第1のノードからネットワークを介して第2のノードにデータパケットを送信するパケットデータ通信において、通信に先立って前記第1のノードと前記第2のノード間で時刻同期を行っておき、前記第1のノードは送信するデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの送信時刻及び該データパケットが要求するサービス品質レベルを付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信した前記第2のノードは、該データパケットの受信時刻と前記ヘッダ情報部の前記送信時刻との時間差を計算し、前記時間差の値が前記サービス品質レベルで規定される伝送遅延許容時間を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、ことを特徴とするデータ通信におけるQoS制御方法。
- 前記第1のノードが前記データパケットを送信すると同時に、前記第1のノードは応答信号の検出許容時間を計測するタイマを起動し、前記タイマがタイムアウトする前に前記第2のノードからの応答信号を受信した場合は、前記データパケットが正常に前記第2のノードに送信されたと判定して前記タイマを停止し、前記タイマがタイムアウトした場合は、前記データパケットが前記第2のノードに受信されなかったと判定して通信異常の処理を行う、ことを特徴とする請求項1に記載のデータ通信におけるQoS制御方法。
- 前記応答信号の検出許容時間は、前記データパケットが要求する前記サービス品質レベルの関数により算出される、ことを特徴とする請求項2に記載のデータ通信におけるQoS制御方法。
- 前記伝送遅延許容時間は、前記応答信号の検出許容時間の関数により算出される、ことを特徴とする請求項3に記載のデータ通信におけるQoS制御方法。
- 第1のノードからネットワークを介して第2のノードにデータパケットを送信するパケットデータ通信において、通信に先立って前記第1のノードと前記第2のノード間で時刻同期を行っておき、前記第1のノードは送信するデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの送信時刻及び該データパケットが要求するサービス品質レベルで規定される伝送遅延許容時間を付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信した前記第2のノードは、該データパケットの受信時刻と前記ヘッダ情報部の前記送信時刻との時間差を計算し、前記時間差の値が前記ヘッダ情報部の前記伝送遅延許容時間を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、ことを特徴とするデータ通信におけるQoS制御方法。
- 前記伝送遅延許容時間は、前記データパケットが要求する前記サービス品質レベルの関数により算出される、ことを特徴とする請求項5に記載のデータ通信におけるQoS制御方法。
- 第1のノードからネットワークを介して第2のノードにデータパケットを送信するパケットデータ通信において、通信に先立って前記第1のノードと前記第2のノード間で時刻同期を行っておき、前記第1のノードは送信するデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの受信制限時刻を付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信した前記第2のノードは、該データパケットの受信時刻が前記ヘッダ情報部の前記受信制限時刻を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、ことを特徴とするデータ通信におけるQoS制御方法。
- 前記受信制限時刻は、前記データパケットが要求するサービス品質レベルの関数により算出される伝送遅延許容時間と、前記データパケットの送信時刻とを加えることにより算出される、ことを特徴とする請求項7に記載のデータ通信におけるQoS制御方法。
- 通信アプリケーションサービスを提供し上位レイヤとして動作するアプリケーションサービス処理部と、前記アプリケーションサービス処理部からの要求によりデータの送受信を行いネットワークレイヤとして動作するネットワーク処理部と、前記ネットワーク処理部からの要求により前記データをネットワーク上へ送受信し下位レイヤとして動作するデータリンク処理部と、を備えるノード間で、前記データをパケット化して送受信するパケットデータ通信システムにおいて、
前記ノードの各々が、前記ノード間の時刻同期を行うと共に前記ネットワーク処理部へ前記データの送受信時刻を提供する時刻同期処理手段と、前記アプリケーションサービス処理部から送信要求されたデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの送信時刻及び該データパケットが要求するサービス品質レベルを付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信すると、該データパケットの受信時刻と前記ヘッダ情報部の前記送信時刻との時間差を計算し、前記時間差の値が前記サービス品質レベルで規定される伝送遅延許容時間を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、Qos管理手段と、を更に備えることを特徴とするデータ通信におけるQoS制御システム。 - 前記データパケットを送信するノードは、前記データパケットを送信すると同時に応答信号の検出許容時間を計測するタイマを起動し、前記タイマがタイムアウトする前に前記データパケットを受信するノードからの応答信号を受信した場合は、前記データパケットが正常に前記データパケットを受信するノードに送信されたと判定して前記タイマを停止し、前記タイマがタイムアウトした場合は、前記データパケットが前記データパケットを受信するノードに受信されなかったと判定して通信異常の処理を行う、ことを特徴とする請求項9に記載のデータ通信におけるQoS制御システム。
- 前記応答信号の検出許容時間は、前記データパケットが要求する前記サービス品質レベルの関数により算出される、ことを特徴とする請求項10に記載のデータ通信におけるQoS制御システム。
- 前記伝送遅延許容時間は、前記応答信号の検出許容時間の関数により算出される、ことを特徴とする請求項11に記載のデータ通信におけるQoS制御システム。
- 通信アプリケーションサービスを提供し上位レイヤとして動作するアプリケーションサービス処理部と、前記アプリケーションサービス処理部からの要求によりデータの送受信を行いネットワークレイヤとして動作するネットワーク処理部と、前記ネットワーク処理部からの要求により前記データをネットワーク上へ送受信し下位レイヤとして動作するデータリンク処理部と、を備えるノード間で、前記データをパケット化して送受信するパケットデータ通信システムにおいて、
前記ノードの各々が、前記ノード間の時刻同期を行うと共に前記ネットワーク処理部へ前記データの送受信時刻を提供する時刻同期処理手段と、前記アプリケーションサービス処理部から送信要求されたデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの送信時刻及び該データパケットが要求するサービス品質レベルで規定される伝送遅延許容時間を付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信すると、該データパケットの受信時刻と前記ヘッダ情報部の前記送信時刻との時間差を計算し、前記時間差の値が前記ヘッダ情報部の前記伝送遅延許容時間を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、Qos管理手段と、を更に備えることを特徴とするデータ通信におけるQoS制御システム。 - 前記伝送遅延許容時間は、前記データパケットが要求する前記サービス品質レベルの関数により算出される、ことを特徴とする請求項13に記載のデータ通信におけるQoS制御システム。
- 通信アプリケーションサービスを提供し上位レイヤとして動作するアプリケーションサービス処理部と、前記アプリケーションサービス処理部からの要求によりデータの送受信を行いネットワークレイヤとして動作するネットワーク処理部と、前記ネットワーク処理部からの要求により前記データをネットワーク上へ送受信し下位レイヤとして動作するデータリンク処理部と、を備えるノード間で、前記データをパケット化して送受信するパケットデータ通信システムにおいて、
前記ノードの各々が、前記ノード間の時刻同期を行うと共に前記ネットワーク処理部へ前記データの送受信時刻を提供する時刻同期処理手段と、前記アプリケーションサービス処理部から送信要求されたデータパケットのヘッダ情報部に前記データパケットの受信制限時刻を付加して前記データパケットを送信し、前記データパケットを受信すると、該データパケットの受信時刻が前記ヘッダ情報部の前記受信制限時刻を超えているか否かを判定し、超えていない場合は前記データパケットを受信して応答信号を返送し、超えている場合は前記データパケットを破棄して応答信号を返送しない、Qos管理手段と、を更に備えることを特徴とするデータ通信におけるQoS制御システム。 - 前記受信制限時刻は、前記データパケットが要求するサービス品質レベルの関数により算出される伝送遅延許容時間と、前記データパケットの送信時刻とを加えることにより算出される、ことを特徴とする請求項15に記載のデータ通信におけるQoS制御システム。
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JP2007258817A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-10-04 | Fujitsu Ltd | パケット伝送装置 |
JP2007324706A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Nec Corp | 映像配信品質測定システム、装置および方法 |
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WO2014103014A1 (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-03 | 株式会社日立製作所 | 中継装置、及び中継方法 |
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