JP2004120186A - 車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラム - Google Patents
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Abstract
【目的】ユーザーのＩＤに基づくオーディオ環境を自動的に設定する車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムを提供する。
【構成】ＣＤ再生システム５０におけるコントロールユニット３内のマイクロコンピュータ９のプログラムであって、ユーザーの設定するＩＤ情報ｉｄをマイクロコンピュータ９内蔵のメモリ装置に記録するＩＤ情報記録手段と、ユーザーの設定するオーディオ出力信号Ｓｏｕｔの出力制御設定情報ｉｃをＩＤ情報ｉｄと対応させてメモリ装置に記録する出力制御設定情報記録手段と、システムが起動すると自動的にユーザーのＩＤ情報ｉｄの入力受付状態になるＩＤ情報入力受付手段と、入力されたユーザーのＩＤ情報ｉｄからメモリ装置の当該ＩＤ情報ｉｄに対応する出力制御設定情報ｉｃを読み出してオーディオ出力信号Ｓｏｕｔをその出力制御設定状態にする出力制御設定手段として機能させる構成である。
【選択図】 図１
【構成】ＣＤ再生システム５０におけるコントロールユニット３内のマイクロコンピュータ９のプログラムであって、ユーザーの設定するＩＤ情報ｉｄをマイクロコンピュータ９内蔵のメモリ装置に記録するＩＤ情報記録手段と、ユーザーの設定するオーディオ出力信号Ｓｏｕｔの出力制御設定情報ｉｃをＩＤ情報ｉｄと対応させてメモリ装置に記録する出力制御設定情報記録手段と、システムが起動すると自動的にユーザーのＩＤ情報ｉｄの入力受付状態になるＩＤ情報入力受付手段と、入力されたユーザーのＩＤ情報ｉｄからメモリ装置の当該ＩＤ情報ｉｄに対応する出力制御設定情報ｉｃを読み出してオーディオ出力信号Ｓｏｕｔをその出力制御設定状態にする出力制御設定手段として機能させる構成である。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用オーディオ装置の技術分野に関し、特に、コンパクトディスク（ＣＤ）やミニディスク（ＭＤ）のプレーヤーやＦＭラジオ受信装置におけるスピーカーへ出力されるオーディオ出力信号の音質、音場等の制御を行うマイクロコンピュータの制御プログラムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
車載用オーディオ装置（ＦＭ／ＡＭラジオチューナ、ＣＤプレーヤー、ＭＤプレーヤー等の車載用オーディオシステム全般を意味する。）は高機能化が進展しており、スピーカーに出力されるステレオのオーディオ出力信号の制御もきめ細かにユーザーが設定できるようになっている。
【０００３】
例えば、重低音の効いた音、中高音が強調された音といった音質調整（トーンコントロール）、ノイズリダクションのＯＮ／ＯＦＦ、前後左右のスピーカーの音量バランス調整（バランスコントロール）、各種サラウンド効果の選択といった音場調整等多数のユーザーによるオーディオ出力信号設定機能が備わっているのである。
【０００４】
そして上記車載用オーディオ装置におけるオーディオ出力信号の制御は、装置に内蔵された制御用のマイクロコンピュータのＲＯＭ等にＣ言語等の記述言語で書き込まれたプログラムの実行によってマイクロコンピュータから各設定調整ブロック回路への制御信号の授受で実現している。
【０００５】
例えば、図２の車載用オーディオ装置の一例としてＣＤ再生システム５０の簡略化したブロック図に示されるように、ＣＤプレーヤー１から出力されるアナログオーディオ信号は、Ａ／Ｄ変換回路２でデジタル信号になり、ＳＲＡＭ等のメモリ装置５に一時格納され、ＤＳＰ４で音場処理されたデジタル信号はデジタルフィルタ７で各種濾波操作され、Ｄ／Ａ変換回路８でアナログ信号に変換されてコントロールアンプ１０に入力される。
【０００６】
そして、コントロールユニット３内のマイクロコンピュータ９からの制御信号でコントロールアンプ１０とＤＳＰコントロールユニット６を制御するシステム構成となっている。
【０００７】
ユーザーは操作パネル１７に設けられた多数のスイッチボタンの操作で音質、音量バランス、音場等のオーディオ出力信号設定を行ってスピーカー１６から出力される音声を好みの音声とするのである。
【０００８】
なお、図２中のＤＳＰ４はデジタル信号入力をＤＳＰコントロールユニット６の命令に従って遅延処理、振幅処理、波形処理等の演算処理を行うＬＳＩチップで構成され、前後左右のスピーカーの音を時間的にずらし、音量を変化させ、波形処理によって残響効果を生ぜしめ、劇場ホールや屋外スタジアムの臨場感が生み出される。
【０００９】
また、前記ＤＳＰコントロールユニット６中には、複数の音場のアルゴリズムを書き込んだＲＯＭチップとマイコンチップが含まれている。
【００１０】
また、パワーアンプ（メインアンプ）１５の前に置かれた前記コントロールアンプ（電子ボリューム乃至プリアンプとも称される。）１０は、各種オーディオ信号源の入力信号の切換回路１１とボリュームコントロール回路１２、バランスコントロール回路１３、トーンコントロール回路１４、更にはグラフィックイコライザ等で構成されていて、種々のオーディオ信号源の信号入力を整理統合して、ユーザー好みの音質やバランスに調整したオーディオ出力信号を作りあげる役目を果たす。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような自動車に搭載された車載用オーディオ装置は、一人のユーザーが常に使用する場合は少なく、会社の複数の従業員や家族の複数人がユーザーとなって共用する場合が多いと考えられるが、個々のユーザーのオーディオに対する嗜好はまさに十人十色である。
【００１２】
この点、オーディオ装置の高機能化はオーディオ出力信号のきめ細かな設定が可能である点でユーザーフレンドリーなものであるが、設定が繁雑すぎる面も顕在化している。別のユーザーが前に乗ってオーディオ出力信号の各種設定を変えていた場合には、新たにユーザー自身の好みの設定にするために音質の設定値（ＢＡＳＳ、ＴＲＥＢＬＥ、ＤＳＰ等）等を逐一個々のボタンで調整する必要があり、好みの音を再現するまでにかなりの時間を要していた。
【００１３】
一方、個人主義的傾向が強まる中、個人のオーディオに対する嗜好もプライバシー的な一面を有すると認識されるので、ユーザーは自分だけが享有する自己に最適のオーディオ出力信号の設定条件を把握して常に最適の状態でオーディオを楽しむ利益を望むことが今後予想される。一台の自動車のユーザーが多人数となる場合は、特にその傾向が強いと考えられる。
【００１４】
以上の観点から、現行の車載用オーディオ装置のオーディオ出力信号の制御プログラムを見ると、ユーザーを特定して音質、音量バランス、音場等のオーディオ出力信号の設定条件を切り換える機能は現在のところ無い。
【００１５】
本発明は、上記車載用オーディオ装置の複数のユーザーに対して、個々のユーザーに快適な音場をプライベートに簡単に設定することができる車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムを提供するものである。
【００１６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、
（１）車載用オーディオ装置におけるオーディオ出力信号の制御を行うマイクロコンピュータのプログラムであって、
前記マイクロコンピュータを、ユーザーの設定するユーザー固有のＩＤ情報をメモリ装置に記録するＩＤ情報記録手段と、ユーザーの設定するオーディオ出力信号の出力制御設定情報を前記ＩＤ情報と対応させて前記メモリ装置に記録する出力制御設定情報記録手段と、前記車載用オーディオ装置が使用可能状態に起動すると自動的にユーザーのＩＤ情報の入力受付状態になるＩＤ情報入力受付手段と、入力されたユーザーのＩＤ情報から前記メモリ装置に予め記録された当該ＩＤ情報に対応する出力制御設定情報を読み出してオーディオ出力信号をその出力制御設定状態にする出力制御設定手段と、前記ＩＤ情報入力受付状態でＩＤ情報の入力が行われない場合に直前の出力制御設定状態を維持する手段として機能させるための車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムを提供する。
（２）また、前記マイクロコンピュータを、前記ＩＤ情報入力受付状態でＩＤ情報の入力が所定時間行われない場合に、直前の出力制御設定状態を維持する手段として機能させるための上記（１）に記載の車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムを提供する。
（３）また、前記出力制御設定情報が、オーディオ出力信号の左右スピーカーのバランス調整情報、音場の設定情報、音質調整の設定情報の少なくとも一つを含むことを特徴とする上記（１）又は（２）に記載の車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムを提供する。
【００１７】
【発明の実施の形態】
本発明に係るオーディオ装置の出力制御設定プログラムの実施の形態について前述の図２のようなＣＤ再生システム５０を例に、図１のプログラムのフロー図を基に詳述する。
【００１８】
本発明は直裁に言えば、個々のユーザーをＩＤ情報で識別するようにして、先に設定しておいたユーザーの好みの音場設定をＩＤ入力することにより、自動的にオーディオ再生の始めに設定する機能をプログラムで実行させるものである。
【００１９】
即ち、図２のブロック図のＣＤ再生システム５０におけるオーディオ出力信号Ｓｏｕｔの制御を行うコントロールユニット３内のマイクロコンピュータ９のプログラムであって、前記マイクロコンピュータ９を、ユーザーの設定するユーザー固有のＩＤ情報ｉｄをマイクロコンピュータ９内蔵のメモリ装置又は外部メモリ装置に記録するＩＤ情報記録手段と、ユーザーの設定するオーディオ出力信号Ｓｏｕｔの出力制御設定情報ｉｃを前記ＩＤ情報ｉｄと対応させて前記メモリ装置に記録する出力制御設定情報記録手段と、自動車のアクセサリーキー（ＡＣＣキー）がオンとなって前記ＣＤ再生システム５０が使用可能状態に起動すると自動的にユーザーのＩＤ情報ｉｄの入力受付状態になるＩＤ情報入力受付手段と、入力されたユーザーのＩＤ情報ｉｄから前記メモリ装置に予め記録された当該ＩＤ情報ｉｄに対応する出力制御設定情報ｉｃを読み出してオーディオ出力信号Ｓｏｕｔをその出力制御設定状態にする出力制御設定手段として機能させるためのＣＤ再生システム５０の出力制御設定プログラムである。
【００２０】
図１の左側の縦のフローが上記ＣＤ再生システム５０のマイクロコンピュータ９にＣ言語等の記述言語で記録された出力制御設定プログラムの処理手順である。
【００２１】
ＩＤ情報ｉｄは、所定のキー操作でＩＤ情報記録受付状態にして、例えば操作パネル１７の６つのプリセットキー２０で１桁乃至３桁の数字で入力する。
【００２２】
また、出力制御設定情報ｉｃは上記ＩＤ情報ｉｄの入力の直後又は直前に通常のキー操作でユーザーの最適な出力制御設定状態に調整してその状態を出力制御設定情報ｉｃとして記録する。
【００２３】
以上の設定作業が済んだ後、ユーザーが自動車のキーをオンしてアクセサリーキーがオンになると、プログラムがスタートして、操作パネル１７の表示画面１８に「ＩＤ ＩＮ？」等の表示が為されてＩＤ情報入力受付状態となり、ＩＤ情報ｉｄが正しく入力されると（正しく入力されないと以後の設定が行われず、ＣＤは再生しない。）対応する出力制御設定情報ｉｃを読み出してＤＳＰコントロールユニット６及びコントロールアンプ１０のバランスコントロール回路１３、トーンコントロール回路１４等を前記出力制御設定情報ｉｃに従ってオーディオ出力信号Ｓｏｕｔをその出力制御設定状態に制御する。
【００２４】
次に、前記マイクロコンピュータ９を、前記ＩＤ情報入力受付状態でＩＤ情報ｉｄの入力が所定時間行われない場合には、直前の出力制御設定状態を維持する手段として機能させることも採り得る。
【００２５】
ユーザーが殆ど一人の場合やオーディオに関心が薄いユーザーのためには、上記フローも有益である。即ち、図１の左側のフローに加えて、右側のフローを付加したプログラムとする。このフローではＩＤ情報入力受付状態が例えば８秒間何も入力されない場合又は登録されていない（正しくない）ＩＤ情報が入力された場合にはＩＤ情報入力受付状態を解除して直前の出力制御設定情報をメモリ装置から読み出してこれに従って同様にＤＳＰコントロールユニット６及びコントロールアンプ１０のバランスコントロール回路１３、トーンコントロール回路１４等を制御する。
【００２６】
以上のように、本発明のプログラムではユーザー固有のＩＤ情報によって自動的にプライベートなユーザーに最適のオーディオ環境が設定されるのであるが、特に、前記出力制御設定情報ｉｃとして、オーディオ出力信号Ｓｏｕｔの左右スピーカーのバランス調整情報、所謂サラウンド効果である音場の設定情報、音質調整の設定情報は重要なファクターであり、この少なくとも一つのファクターを含むことが肝要である。好ましくはノイズリダクションの有無等の他のファクターを含めて多くのファクターを含むことが望ましい。
【００２７】
なお、本プログラムは既存のオーディオ装置におけるマイクロコンピュータ９のプログラム追加というソフトウェアによりアドインでき、低コストで実現できることは言うまでもない。
【００２８】
【発明の効果】
本発明に係る車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムは、上記のように構成されているため、
（１）ユーザーのＩＤ情報に対応させてオーディオ出力信号の各種出力制御設定が自動的に為されるので操作の手間を省くことができる。
（２）ＩＤ情報による制御なので、プライベートなオーディオ環境が実現できる。
（３）オーディオ出力信号の左右スピーカーのバランス調整情報、音場の設定情報、音質調整の設定情報がユーザー固有の最適状態に自動的に設定される。
（４）同一ユーザーについてはユーザーＩＤを入力しなくても自動的に前の設定が維持されるので、手間が省けるという利便性がある。
（５）既存のオーディオ装置で低コストに実現できる。
【００２９】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムのフロー図例である。
【図２】ＣＤ再生システムの簡略化したブロック構成図である。
【符号の説明】
１ ＣＤプレーヤー
２ Ａ／Ｄ変換回路
３ コントロールユニット
４ ＤＳＰ
５ メモリ装置
６ ＤＳＰコントロールユニット
７ デジタルフィルタ
８ Ｄ／Ａ変換回路
９ マイクロコンピュータ
１０ コントロールアンプ（プリアンプ）
１１ 切換回路
１２ ボリュームコントロール回路
１３ バランスコントロール回路
１４ トーンコントロール回路
１５ パワーアンプ（メインアンプ）
１６ スピーカー
１７ 操作パネル
１８ 表示画面
２０ プリセットキー
５０ ＣＤ再生システム
Ｓｏｕｔ オーディオ出力信号
ｉｄ ＩＤ情報
ｉｃ 出力制御設定情報
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用オーディオ装置の技術分野に関し、特に、コンパクトディスク（ＣＤ）やミニディスク（ＭＤ）のプレーヤーやＦＭラジオ受信装置におけるスピーカーへ出力されるオーディオ出力信号の音質、音場等の制御を行うマイクロコンピュータの制御プログラムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
車載用オーディオ装置（ＦＭ／ＡＭラジオチューナ、ＣＤプレーヤー、ＭＤプレーヤー等の車載用オーディオシステム全般を意味する。）は高機能化が進展しており、スピーカーに出力されるステレオのオーディオ出力信号の制御もきめ細かにユーザーが設定できるようになっている。
【０００３】
例えば、重低音の効いた音、中高音が強調された音といった音質調整（トーンコントロール）、ノイズリダクションのＯＮ／ＯＦＦ、前後左右のスピーカーの音量バランス調整（バランスコントロール）、各種サラウンド効果の選択といった音場調整等多数のユーザーによるオーディオ出力信号設定機能が備わっているのである。
【０００４】
そして上記車載用オーディオ装置におけるオーディオ出力信号の制御は、装置に内蔵された制御用のマイクロコンピュータのＲＯＭ等にＣ言語等の記述言語で書き込まれたプログラムの実行によってマイクロコンピュータから各設定調整ブロック回路への制御信号の授受で実現している。
【０００５】
例えば、図２の車載用オーディオ装置の一例としてＣＤ再生システム５０の簡略化したブロック図に示されるように、ＣＤプレーヤー１から出力されるアナログオーディオ信号は、Ａ／Ｄ変換回路２でデジタル信号になり、ＳＲＡＭ等のメモリ装置５に一時格納され、ＤＳＰ４で音場処理されたデジタル信号はデジタルフィルタ７で各種濾波操作され、Ｄ／Ａ変換回路８でアナログ信号に変換されてコントロールアンプ１０に入力される。
【０００６】
そして、コントロールユニット３内のマイクロコンピュータ９からの制御信号でコントロールアンプ１０とＤＳＰコントロールユニット６を制御するシステム構成となっている。
【０００７】
ユーザーは操作パネル１７に設けられた多数のスイッチボタンの操作で音質、音量バランス、音場等のオーディオ出力信号設定を行ってスピーカー１６から出力される音声を好みの音声とするのである。
【０００８】
なお、図２中のＤＳＰ４はデジタル信号入力をＤＳＰコントロールユニット６の命令に従って遅延処理、振幅処理、波形処理等の演算処理を行うＬＳＩチップで構成され、前後左右のスピーカーの音を時間的にずらし、音量を変化させ、波形処理によって残響効果を生ぜしめ、劇場ホールや屋外スタジアムの臨場感が生み出される。
【０００９】
また、前記ＤＳＰコントロールユニット６中には、複数の音場のアルゴリズムを書き込んだＲＯＭチップとマイコンチップが含まれている。
【００１０】
また、パワーアンプ（メインアンプ）１５の前に置かれた前記コントロールアンプ（電子ボリューム乃至プリアンプとも称される。）１０は、各種オーディオ信号源の入力信号の切換回路１１とボリュームコントロール回路１２、バランスコントロール回路１３、トーンコントロール回路１４、更にはグラフィックイコライザ等で構成されていて、種々のオーディオ信号源の信号入力を整理統合して、ユーザー好みの音質やバランスに調整したオーディオ出力信号を作りあげる役目を果たす。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような自動車に搭載された車載用オーディオ装置は、一人のユーザーが常に使用する場合は少なく、会社の複数の従業員や家族の複数人がユーザーとなって共用する場合が多いと考えられるが、個々のユーザーのオーディオに対する嗜好はまさに十人十色である。
【００１２】
この点、オーディオ装置の高機能化はオーディオ出力信号のきめ細かな設定が可能である点でユーザーフレンドリーなものであるが、設定が繁雑すぎる面も顕在化している。別のユーザーが前に乗ってオーディオ出力信号の各種設定を変えていた場合には、新たにユーザー自身の好みの設定にするために音質の設定値（ＢＡＳＳ、ＴＲＥＢＬＥ、ＤＳＰ等）等を逐一個々のボタンで調整する必要があり、好みの音を再現するまでにかなりの時間を要していた。
【００１３】
一方、個人主義的傾向が強まる中、個人のオーディオに対する嗜好もプライバシー的な一面を有すると認識されるので、ユーザーは自分だけが享有する自己に最適のオーディオ出力信号の設定条件を把握して常に最適の状態でオーディオを楽しむ利益を望むことが今後予想される。一台の自動車のユーザーが多人数となる場合は、特にその傾向が強いと考えられる。
【００１４】
以上の観点から、現行の車載用オーディオ装置のオーディオ出力信号の制御プログラムを見ると、ユーザーを特定して音質、音量バランス、音場等のオーディオ出力信号の設定条件を切り換える機能は現在のところ無い。
【００１５】
本発明は、上記車載用オーディオ装置の複数のユーザーに対して、個々のユーザーに快適な音場をプライベートに簡単に設定することができる車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムを提供するものである。
【００１６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、
（１）車載用オーディオ装置におけるオーディオ出力信号の制御を行うマイクロコンピュータのプログラムであって、
前記マイクロコンピュータを、ユーザーの設定するユーザー固有のＩＤ情報をメモリ装置に記録するＩＤ情報記録手段と、ユーザーの設定するオーディオ出力信号の出力制御設定情報を前記ＩＤ情報と対応させて前記メモリ装置に記録する出力制御設定情報記録手段と、前記車載用オーディオ装置が使用可能状態に起動すると自動的にユーザーのＩＤ情報の入力受付状態になるＩＤ情報入力受付手段と、入力されたユーザーのＩＤ情報から前記メモリ装置に予め記録された当該ＩＤ情報に対応する出力制御設定情報を読み出してオーディオ出力信号をその出力制御設定状態にする出力制御設定手段と、前記ＩＤ情報入力受付状態でＩＤ情報の入力が行われない場合に直前の出力制御設定状態を維持する手段として機能させるための車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムを提供する。
（２）また、前記マイクロコンピュータを、前記ＩＤ情報入力受付状態でＩＤ情報の入力が所定時間行われない場合に、直前の出力制御設定状態を維持する手段として機能させるための上記（１）に記載の車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムを提供する。
（３）また、前記出力制御設定情報が、オーディオ出力信号の左右スピーカーのバランス調整情報、音場の設定情報、音質調整の設定情報の少なくとも一つを含むことを特徴とする上記（１）又は（２）に記載の車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムを提供する。
【００１７】
【発明の実施の形態】
本発明に係るオーディオ装置の出力制御設定プログラムの実施の形態について前述の図２のようなＣＤ再生システム５０を例に、図１のプログラムのフロー図を基に詳述する。
【００１８】
本発明は直裁に言えば、個々のユーザーをＩＤ情報で識別するようにして、先に設定しておいたユーザーの好みの音場設定をＩＤ入力することにより、自動的にオーディオ再生の始めに設定する機能をプログラムで実行させるものである。
【００１９】
即ち、図２のブロック図のＣＤ再生システム５０におけるオーディオ出力信号Ｓｏｕｔの制御を行うコントロールユニット３内のマイクロコンピュータ９のプログラムであって、前記マイクロコンピュータ９を、ユーザーの設定するユーザー固有のＩＤ情報ｉｄをマイクロコンピュータ９内蔵のメモリ装置又は外部メモリ装置に記録するＩＤ情報記録手段と、ユーザーの設定するオーディオ出力信号Ｓｏｕｔの出力制御設定情報ｉｃを前記ＩＤ情報ｉｄと対応させて前記メモリ装置に記録する出力制御設定情報記録手段と、自動車のアクセサリーキー（ＡＣＣキー）がオンとなって前記ＣＤ再生システム５０が使用可能状態に起動すると自動的にユーザーのＩＤ情報ｉｄの入力受付状態になるＩＤ情報入力受付手段と、入力されたユーザーのＩＤ情報ｉｄから前記メモリ装置に予め記録された当該ＩＤ情報ｉｄに対応する出力制御設定情報ｉｃを読み出してオーディオ出力信号Ｓｏｕｔをその出力制御設定状態にする出力制御設定手段として機能させるためのＣＤ再生システム５０の出力制御設定プログラムである。
【００２０】
図１の左側の縦のフローが上記ＣＤ再生システム５０のマイクロコンピュータ９にＣ言語等の記述言語で記録された出力制御設定プログラムの処理手順である。
【００２１】
ＩＤ情報ｉｄは、所定のキー操作でＩＤ情報記録受付状態にして、例えば操作パネル１７の６つのプリセットキー２０で１桁乃至３桁の数字で入力する。
【００２２】
また、出力制御設定情報ｉｃは上記ＩＤ情報ｉｄの入力の直後又は直前に通常のキー操作でユーザーの最適な出力制御設定状態に調整してその状態を出力制御設定情報ｉｃとして記録する。
【００２３】
以上の設定作業が済んだ後、ユーザーが自動車のキーをオンしてアクセサリーキーがオンになると、プログラムがスタートして、操作パネル１７の表示画面１８に「ＩＤ ＩＮ？」等の表示が為されてＩＤ情報入力受付状態となり、ＩＤ情報ｉｄが正しく入力されると（正しく入力されないと以後の設定が行われず、ＣＤは再生しない。）対応する出力制御設定情報ｉｃを読み出してＤＳＰコントロールユニット６及びコントロールアンプ１０のバランスコントロール回路１３、トーンコントロール回路１４等を前記出力制御設定情報ｉｃに従ってオーディオ出力信号Ｓｏｕｔをその出力制御設定状態に制御する。
【００２４】
次に、前記マイクロコンピュータ９を、前記ＩＤ情報入力受付状態でＩＤ情報ｉｄの入力が所定時間行われない場合には、直前の出力制御設定状態を維持する手段として機能させることも採り得る。
【００２５】
ユーザーが殆ど一人の場合やオーディオに関心が薄いユーザーのためには、上記フローも有益である。即ち、図１の左側のフローに加えて、右側のフローを付加したプログラムとする。このフローではＩＤ情報入力受付状態が例えば８秒間何も入力されない場合又は登録されていない（正しくない）ＩＤ情報が入力された場合にはＩＤ情報入力受付状態を解除して直前の出力制御設定情報をメモリ装置から読み出してこれに従って同様にＤＳＰコントロールユニット６及びコントロールアンプ１０のバランスコントロール回路１３、トーンコントロール回路１４等を制御する。
【００２６】
以上のように、本発明のプログラムではユーザー固有のＩＤ情報によって自動的にプライベートなユーザーに最適のオーディオ環境が設定されるのであるが、特に、前記出力制御設定情報ｉｃとして、オーディオ出力信号Ｓｏｕｔの左右スピーカーのバランス調整情報、所謂サラウンド効果である音場の設定情報、音質調整の設定情報は重要なファクターであり、この少なくとも一つのファクターを含むことが肝要である。好ましくはノイズリダクションの有無等の他のファクターを含めて多くのファクターを含むことが望ましい。
【００２７】
なお、本プログラムは既存のオーディオ装置におけるマイクロコンピュータ９のプログラム追加というソフトウェアによりアドインでき、低コストで実現できることは言うまでもない。
【００２８】
【発明の効果】
本発明に係る車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムは、上記のように構成されているため、
（１）ユーザーのＩＤ情報に対応させてオーディオ出力信号の各種出力制御設定が自動的に為されるので操作の手間を省くことができる。
（２）ＩＤ情報による制御なので、プライベートなオーディオ環境が実現できる。
（３）オーディオ出力信号の左右スピーカーのバランス調整情報、音場の設定情報、音質調整の設定情報がユーザー固有の最適状態に自動的に設定される。
（４）同一ユーザーについてはユーザーＩＤを入力しなくても自動的に前の設定が維持されるので、手間が省けるという利便性がある。
（５）既存のオーディオ装置で低コストに実現できる。
【００２９】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラムのフロー図例である。
【図２】ＣＤ再生システムの簡略化したブロック構成図である。
【符号の説明】
１ ＣＤプレーヤー
２ Ａ／Ｄ変換回路
３ コントロールユニット
４ ＤＳＰ
５ メモリ装置
６ ＤＳＰコントロールユニット
７ デジタルフィルタ
８ Ｄ／Ａ変換回路
９ マイクロコンピュータ
１０ コントロールアンプ（プリアンプ）
１１ 切換回路
１２ ボリュームコントロール回路
１３ バランスコントロール回路
１４ トーンコントロール回路
１５ パワーアンプ（メインアンプ）
１６ スピーカー
１７ 操作パネル
１８ 表示画面
２０ プリセットキー
５０ ＣＤ再生システム
Ｓｏｕｔ オーディオ出力信号
ｉｄ ＩＤ情報
ｉｃ 出力制御設定情報
Claims (3)
- 車載用オーディオ装置におけるオーディオ出力信号の制御を行うマイクロコンピュータのプログラムであって、
前記マイクロコンピュータを、ユーザーの設定するユーザー固有のＩＤ情報をメモリ装置に記録するＩＤ情報記録手段と、ユーザーの設定するオーディオ出力信号の出力制御設定情報を前記ＩＤ情報と対応させて前記メモリ装置に記録する出力制御設定情報記録手段と、前記車載用オーディオ装置が使用可能状態に起動すると自動的にユーザーのＩＤ情報の入力受付状態になるＩＤ情報入力受付手段と、入力されたユーザーのＩＤ情報から前記メモリ装置に予め記録された当該ＩＤ情報に対応する出力制御設定情報を読み出してオーディオ出力信号をその出力制御設定状態にする出力制御設定手段として機能させるための車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラム。 - 前記マイクロコンピュータを、前記ＩＤ情報入力受付状態でＩＤ情報の入力が所定時間行われない場合に、直前の出力制御設定状態を維持する手段として機能させるための請求項１に記載の車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラム。
- 前記出力制御設定情報が、オーディオ出力信号の左右スピーカーのバランス調整情報、音場の設定情報、音質調整の設定情報の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の車載用オーディオ装置の出力制御設定プログラム。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071203 |