JP2004119459A - 光モジュール及び半導体光デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、レーザ発振部と光変調部とを少なくとも有し、前記光変調部の光導波路のコア部が、光軸方向に直交する面内で、その複素屈折率が非対称となるように制御可能となされている半導体光デバイス及びこれを備えた光モジュールである。これにより導波路内を伝播する光が、強度変調に加え出射位置の変調も受けるため、受光用開口を特定の偏向を受けた光を多く受光する位置に設けることにより、光変調強度の消光比を増大することが可能となる。
【選択図】 図17
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光能動機能モジュール及び光源素子に供し得る半導体光デバイスに関するものである。本発明は光通信用途に用いて有用である。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関連する技術として、レーザ光の集光位置を電気的に制御する例があげられる。この例は、例えば、特開平7−058406号(特許文献1)である。この例の断面図を図18に示す。この例は、半導体基板500上に、n型クラッド層510、活性層520、p型クラッド層530が形成される。この上部にブロック層540が設けられ、絶縁用溝560によって、電流通路が二つ形成される。コンタクト層550上に第1及び第2の独立した電極501、502が形成される。半導体レーザ共振器のリッジ状導波構造の上面に並行した2本の電流狭窄構造を形成されている。この電流狭窄構造から流れ込む電流503及び504を個別に制御することにより、導波路内部に非対称な屈折率分布を形成する。そして、この屈折率分布の非対称性によって、レーザプリンタでの半導体レーザ光の集光
位置を電気的に制御するというものであった。
【0003】
本発明に関連する技術の第2として、エレクトロニクスレターズ32巻10号896ページ(非特許文献1)に記載された高速変調レーザ光源があげられる。この光源は、半導体レーザの共振器中に直流電流を流す領域と注入電流を高速で変調する領域の2領域を設け、高速変調領域の光吸収により、光出力を変調するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−058406号
【非特許文献1】
エレクトロニクスレターズ32巻10号、896ページ
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1の技術は、主としてレーザビームプリンタに応用することを目的に提案されたものである。従って、高速で光ファイバなどとの良好な結合が要求される光通信用モジュールに応用することは不可能であった。
【0006】
その理由は、第1にこの技術では、電流狭窄を活性層から1μm以上離れたリッジ状ストライプの上面で行っているため、屈折率分布の境界がぼやけている。従って、高速変調に必要な3μm以下の狭いストライプ幅に対応することができない。この理由と共に、変調器部分の導波路幅が広く、2次以上の次数のモードが導波される。更には、寄生容量の増大を招いていた。
【0007】
上記非特許文献1の技術は、光通信用高速変調光源を目指したものである。しかし、変調器部分の光吸収により共振器全体のレーザ光強度を変化するため、共振周波数fr以降は光変調特性が低下し30GHzでの変調が限界となっていた。それは、注入キャリア及び共振器内の光子の寿命により変調速度が制限される為である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の基本構成は、レーザ素子より光を導出する光導波路の光軸に沿った一部領域にビームの偏向機能を付加し、このビーム偏向機能を用いてレーザ光の変調を行うものである。即ち、光導波路中に光軸に対して軸非対称な複素屈折率の分布を形成する。こうした光導波路では、本来入射光に結合しなかった一次モードが摂動により変形して、入射光と結合するようになる。一次モードと零次モードとの実効屈折率の差の為、両モードの進行速度が異なることとなる。この為、両モード間に位相ずれが発生し、光導波路の出口で両モードを合成すると、光のスポット位置が偏向することとなる。
【0009】
次に、その代表的な具体的構造を詳細に説明する。基板上に次のような光導波路構造が設けられる。この光導波路構造は、光軸に沿って、少なくとも、レーザ発振の為の領域とレーザ光を変調する為の光変調領域を有する。必要に応じて、更に、例えば、光の射出位置を変化させるに有用となす為に、光導波路を有する第3の領域等を付加することも当然可能である。前記光変調領域は、当該光導波路構造の少なくとも一部に、光軸に対して軸非対称な複素屈折率の分布を生み出す手段或いは部材を設けて実現する。即ち、光変調領域のコア部は、当該コア部の光軸に沿って並存する、少なくとも第1領域と第2領域とを有し、この第2領域の存在によって、光変調領域のコア部の複素屈折率を可変となす。尚、第2領域は以下の(3)の項目で説明される。
【0010】
極めて実用的には、例えば前記光変調領域を構成する半導体積層体内の導電性の異なる二つの領域に電極を設けて、この間の層状領域に電圧の印加又は電流の注入する。尚、電流注入或いは電界印加の為の電極は、前記第1領域にのみ設けても良いが、実用的には第1、第2領域を含めて光変調領域に設けている。代表的な例では、実用的な観点から、屈折率、光吸収率、又は光利得の非対称な電気的制御の為の手段は、活性層と同じ位置か活性層から導波路幅の、例えば1/2以内の距離に設けた。このことによって、1次以下のモードのみを導波する細い幅の導波路であっても、光軸に対し非対称な複素屈折率分布を電気的に発生することが出来る。
【0011】
以下、(1)基板面に垂直な方向に光閉じ込め方法、(2)基板面に水平な方向の光閉じ込め方法、及び(3)光変調領域の構成を順次説明する。
(1)基板面に垂直な方向の光閉じ込めは、通例の光導波路と同様である。即ち、第1の半導体層よりなる活性層と、これを挟んで設けた活性層よりも大きな禁制帯幅を有するクラッド層を少なくとも有する積層構造の屈折率の差異によりなされる。尚、前記活性層となる第1の半導体層は、バルク半導体層に加え、特性の要請によって量子井戸構造の層が用いられる。量子井戸構造としては、特性の要請に応じて、例えば、単一量子井戸、多重量子井戸、歪み量子井戸などの各種量子井戸構造を用いることが出来る。
(2)基板面に水平な方向に対する光閉じ込めも、基本的に通例の光導波路で用いられている構造と同様である。例えば、積層構造に加えた加工による導波路内外の実行屈折率の差異によりなされる。即ち、光導波領域の光軸に平行な面が実効屈折率の異なる材料に接するように構成し、レーザ光を前記光導波領域に閉じ込める。その代表的な構造は、いわゆる光閉じ込め領域を、半導体材料などの諸材料によって埋め込む構造である。光学的に光閉じ込めが可能な材料が選択される。
【0012】
この光導波領域の光軸と交差する方向の幅は、零次及び一次のモードを導波し、二次以上のモードを導波しない幅に設定する。
(3)光変調領域は、当該光導波路の光軸に沿った所望の面を軸として、その左右でキャリア濃度の非対称が生まれる構造或いは部材を配置する。このキャリア濃度の非対称の実現は、電流或いは電界を用いる方策が最も実用的であるが、例えば、光を用いる光学的手段なども可能である。即ち、光変調領域の一方の側に光を導入、照射し、この領域のキャリア濃度を制御することによっても、同じような当該光導波路の複素屈折率の分布の制御が可能となる。
【0013】
半導体積層体に電流を流す場合、左右で電流密度が非対称になるようになす。又、半導体積層体に電場を印加する場合、左右で電界強度が非対称になるようになす。このいずれの場合にも、代表的には、光変調領域の所望の軸に対して、半導体積層体中の一方の側に絶縁層、或いは高抵抗層を配置して置くことである。こうして、電流或いは電界強度の非対称を生み出すことが出来る。
【0014】
こうして、光導波路内部の屈折率、光吸収率又は光利得、即ち、複素屈折率を左右非対称となるような制御を可能とする。この屈折率、光吸収率又は光利得などの制御によって、レーザ光の出射位置の制御が可能となる。通例、この射出位置の変化は射出方向の変化をも伴う。尚、この動作原理の詳細は後述される。
【0015】
前記光導波路の光軸に沿った軸となる面は、多くの場合、当該光導波路の中央の面を選択する。
【0016】
この出射方向又は出射位置の変化に伴い、出射される光の強度が所望の強度比で変化する位置に、光ファイバや光導波路等の光入射端を配することによって、実際的な光通信用モジュールを提供することが出来る。
【0017】
尚、この半導体光デバイスには、一般に化合物半導体材料が用いられる。化合物半導体材料として、代表的にはIII−V族化合物半導体やII−VI族化合物半導体をあげることが出来る。
【0018】
光変調領域は導波路中央内部の屈折率、光吸収率、又は光利得を光導波路の中央に対し左右非対称に制御できるが、これによりレーザ光の出射方向又は出射位置を制御することにより、レーザ発振に関与する光反射構造、又は光反射構造間の距離を制御できるレーザ発振装置としても応用可能であった。
【0019】
以上に述べた光変調領域は、少なくとも前記活性層及びクラッド層は、化合物半導体、例えばIII−V族半導体結晶により形成されている。従って、前記光変調領域の電界を印加しない、或いは電流を注入しない領域を、次の方法によって構成することが出来る。即ち、光変調領域を構成する半導体積層体中のクラッド層中に設けられた、主要なIII族材料の一つとしてアルミニウムを含有する層を、当該光導波路外部を起点に所望の位置まで酸化する。こうして、当該クラッド層の、基板面に沿う面内方向の一部を酸化アルミニウムを含む層に変性させることにより、前記前記光変調領域の電界を印加しない、或いは電流を注入しない領域を形成することが可能である。
【0020】
又、前記光変調領域は、光導波路又は光導波路と光導波路該部の領域の境界を起点に、活性層を基板面に水平方向に蝕刻し、当該クラッド層よりも小さい屈折率を有する材料、例えば半導体層により埋め込むことによっても形成できた。
【0021】
更に、光変調領域の電界を印加しない、或いは電流を注入しない領域は、リッジ状の形状を有する光導波構造の一方の側面側からイオン注入を行い、前記活性層及びクラッド層の一部を高抵抗化させることによっても形成可能であった。
【0022】
【発明の実施の形態】
具体的な実施の形態を説明するに先立って、本発明の光変調の動作を、具体例を用いて説明する。
【0023】
前述のように、基板面に水平な方向の光閉じ込めは、平面内に積層する結晶の構造が異なる領域を作り、積層構造の違いによる実効屈折率の差を利用して、実効屈折率の大きい領域に光を閉じ込める。この場合、基板面に垂直な方向の積層構造は光強度分布の最大値をもつモードのみを考慮するのが一般的であり、ここでは主に基板面に水平な方向の光電界分布を考える。
【0024】
光導波路には、導波路内外の実効屈折率の差と導波路の幅によって決まる固有モードが存在する。固有モードとは、その導波路のなかを安定に伝播可能な光電界分布のことで、複数の固有モードが存在する場合には、各固有モードそれぞれが別個の実効屈折率と波長を持つ。一般に、このような固有モードは、導波路内外の屈折率の差が大きいほど、又、導波路の幅が広いほど多数存在する。複数の固有モードを有する光導波路中を導波される光の電界分布は、その導波路の固有モードの線形結合で近似することができる。
【0025】
通常、光電界分布を安定にさせるため、光通信用素子の導波路の幅は、電界強度のピークが一つだけ存在する零次モードのみを導波する狭い幅に設計される。しかし、本発明では、変調器部分の導波路幅を、二つの電界強度ピークを持つ一次モードまで伝播可能に広めの幅に設計した。このような導波路幅の設計はマックスウェル方程式の固有解を計算して得たものである。
【0026】
変調器部分の導波路は、電流の注入又は電圧の印加により導波路内の吸収係数、光利得、屈折率(吸収、利得を屈折率の虚数成分として表記できるので、以下複素屈折率と称する)の分布等を制御できる構造となっている。ここで、通電しない状態で複素屈折率の分布が存在せず、通電すると分布が発生する導波路を例に説明する。図17(A)、17(B)は光導波路10と変調器導波路20の光軸に平行な面での断面図を示す。図17(A)は変調器導波路に通電の無い状態、図17(B)は変調器導波路に通電の有る状態を示す。光変調器20には、第1領域30、第2領域31とに分割されている。点線21、22、23、24、25は当該導波路の各位置での断面を示し、曲線12、13、14、15、16、17、18、19の各々は、各対応位置での光電界強度の分布を示す。
【0027】
図17(A)に示すように、通電しない状態で、通常の光通信用半導体レーザに用いる単一モード導波路10から変調器導波路20の中央に入射する構成とすると、入射した光11は全て変調器導波路の零次モード12に変換されて伝播する。符号13がこの伝搬の状態を示す。これは、光モード間の結合の強さが両モードの電界の積を積分して算出され、1次モード14と零次モード12の結合は零となるためである。
【0028】
次に、図17(B)に基づいて、変調器導波路20の片方の部分30に電流を注入した場合を説明する。電流注入により、前記第1及び第2領域のキャリア濃度に非対称が生じ、このことに基づいて光変調器導波路全体の複素屈折率分布が非対称に変化する。この複素屈折率分布の影響を受けて、変調器20中のモードは変形し、入射した光は零次モードにも一次モードにも結合するようになる。ただし、導波路入り口に置いては、零次モードにも一次モードの電界の和はやはり入射した光に近い分布となっており、この時点でレーザスポットの変位が起きるわけではない。図17(B)に変形一次モード15及び変形零次モード16として示されたのが導波路入り口に近い位置での光電界強度分布である。
【0029】
変調器導波路20に入射した光10は、零次モード及び一次モードとして導波路中20を伝播する。この時、両モードに対する実効屈折率と波長が異なるため伝播に伴いレーザスポット位置の変位が生じる。最も変位が大きくなる位置は、両モードの位相が反転する位置で、例えば零次モードが曲線17、一次モードが曲線18の状態となる。これら両モードが合成された電界分布は図17(B)の曲線19に示すようなものとなる。この曲線19のスポット位置は、光の入射モード11のスポット位置とは変位を有する。このような位相反転に必要な導波路の伝播距離は、両モード間の屈折率及び波長の差によって定められる。本発明の実施例での代表的値は、例えば約30μmであった。
【0030】
このような変位は、ビーム進行方向の変位も伴うので変調器導波路の後に、テーパ状に広がる導波路を設けることにより一層拡大することが可能となる。このテーパ状に広がる導波路は、例えば、課題を解決する手段の欄で説明した、光変調領域における第3の領域に相当する。
【0031】
次に、具体的な発明の実施例を説明する。
【0032】
<実施例1>
本発明の一実施例である超高速光通信用モジュールの構成を説明する。図1は本例の光の進行方向に平行な面での断面図である。第1の実施例は、光変調領域を、Alを含有する化合物半導体層を層の所望領域を横方向から酸化して酸化アルミニウム(Al2O3)に変換した層を用いて構成する例である。
【0033】
分子線エピタキシ法により、n型GaAs基板101上に、次の各層を順次形成する。それらは、シリコンドープAl0.3Ga0.7Asクラッド層102(厚さ1.5μm、n=1×1018cm− 3)と、アンドープ量子井戸活性層103、炭素ドープAl0.3Ga0.7As層104(厚さ50nm、p=1×1018cm− 3) 、炭素ドープAl0.99Ga0.01As選択酸化層105(厚さ50nm、p=1×1018cm− 3)、 炭素ドープAl0.3Ga0.7As層106(厚さ50nm、p=1×1018cm− 3)、炭素ドープGaAs層107(厚さ100nm、p=1×1018cm− 3)である。炭素ドープAl0.3Ga0.7As層106は第1のP型クラッド層、炭素ドープGaAs層107はグレーティング形成層である。尚、前記アンドープ量子井戸活性層103は、膜厚80nmのInGaAs量子井戸層と膜厚150nmGaAs障壁層とで構成される。量子井戸と障壁層を交互に積層し、量子井戸層を3層、障壁層4層を用いて、量子井戸活性層を構成した。
【0034】
次に、電子線リソグラフ法を用いて、GaAs層になるグレーティング形成層107を98nm周期で除去し回折格子を形成する。この上部に、有機金属気相成長法により、炭素ドープGaAs層108(厚さ20nm、p=1×1018cm− 3)、炭素ドープ(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pエッチストップ層120、(厚さ50nm、p=1×1018cm− 3)、炭素ドープAl0.3Ga0.7Asクラッド層109(厚さ1.5μm、p=1×1018cm− 3)炭素ドープGaAsキャップ層110(厚さ200nm、p=1×1019cm− 3)を順次結晶成長した。この段階でのウエハの断面構造が図1である。
【0035】
次に、本発明の半導体光デバイスの各部を形成する。先ず、この半導体光デバイスの各部について略述しておく。図5は本例の概略平面図である。光発光素子40は領域1(41)、領域2(42)、及び領域3(43)を少なくとも有している。領域1はレーザ発振部、領域2は光変調器部、領域3はレーザ出射面に向かって光導波路の幅が広がった領域で、積層構造は前記領域1と同様である。尚、光発光素子40の出力端に対向して光導波路114、例えば光ファイバーが配置される。光ファイバーの配置は通例の光装置のそれと同様であるので、その詳細説明は省略する。光導波路114を通して光は外部に伝達される。符号46は、当該装置がONの場合の射出光、符号47がOFFの場合の射出光である。このように射出光の射出位置の変化によって、当該光モジュールの光のON、OFF、即ち、光変調がなされる。尚、符号44、45は各々領域1(41)、領域2(42)に設けた一方の電極である。電極の引き出し部も含め、当該各領域より幅広に設けられている。
【0036】
さて、前述のように準備したウエハの上面に、プラズマCVD法及びホトリソグラフ技術を用いて、図2(A)及び図2(B)に示すような3本のストライプ状のSiNxマスク(111−1、111−2、111−3、111−4、111−5、111−6)を、回折格子と直交する方向に設ける。このSiNxマスク111−1、111−2及び111−3は、通常の半導体レーザ構造となる領域では、図2(A)のような左右対称な形状となっている。即ち、マスク111−2を中心として、マスク111−1及び111−3とが等間隔、即ち、左右対称に配置される。マスク111−2はレーザ領域の導波路幅を規定するもので、0次モードのみを導波する導波路が得られる幅とする。光変調領域となる領域では、3本のストライプ状マスク中の左側のストライプ状マスク111−4が、右側のストライプ111−6よりも中央のストライプ111−5に近づいた形状となっている。マスク111−5は光変調領域の導波路幅を規定するもので、0次及び1次のモードを導波する導波路が得られる幅とする。この状態が図2(B)である。尚、図2(A)及び2(B)はストライプの配置状態のみを示している。図2(A)、2(B)に示すマスクのストライプ111(尚、以下、マスク全体を呼称する場合、111−1、111−2・・・等をまとめて、マスク111と略称する)と半導体積層体との関係は、図3(A)、3(B)に示す光軸に平行な面での断面図を参酌して十分理解されるであろう。図3(A)は領域1(レーザ発振領域)に対応する断面図、図3(B)は領域2(光変調領域)に対応する断面図である。尚、図3(A)及び図3(B)は図1の半導体積層体における炭素ドープAlGaAs層105以上の各層のみを示している。これより下層は図1と同様で、省略されている。
【0037】
尚、左右のリッジ状の積層体部は選択酸化の起点を与えるためのものである。
【0038】
次に、このSiNxマスク111を用いて、前記半導体積層体のAl0.3Ga0.7Asクラッド層109までの層を、イオンミリング及び燐酸系ウエットエッチングによりエッチングする。更に、CVD法及びホトリソグラフ法により、3本のSiNxマスク111の間の領域を覆うためのSiO2マスク112を形成する。このSiNx及びSiO2をマスクとして、Al0.3Ga0.7Asクラッド層102に達するエッチングを行う。
【0039】
ここで、レーザ発振領域においては、中央のリッジの幅W1は1.6μm、中央のリッジから左右のリッジの外側の端までの距離d1は約10μm、一方、光変調領域においては、中央のリッジの幅W2は2.6μm、中央のリッジから左右のリッジの外側の端までの距離は左右それぞれdlは8μmdrは6.5μmとなっている。
【0040】
次に、このウエハを水蒸気中で400℃に加熱することにより、Al0.99Ga0.01As層105を横方向から8μm酸化してAl2O3113に変化させる。このときレーザ発振領域においては、SiNxマスク111マスクは中央のリッジ状導波路に到達しない位置で停止し、光変調領域においては中央のリッジ状導波路の中央で停止する。この状態は両半導体積層部の横方向の幅の設定によって制御される。図4(A)及び図4(B)の断面図で、この状態が理解される。図4(A)はレーザ発振領域、図4(B)は光変調領域での断面図である。領域1のレーザ発振領域ではクラッドの一部の層106は、光導波路120の全体に存在する。一方、領域2の光変調領域では、光導波路130の一方の側に対してはクラッドの一部の層106が存在し、他方の側に対しては絶縁物層113が存在する。
【0041】
以上のような構造のウエハのSiNxマスク111及びSiO2マスク112を除去し、全面をSiO2膜で覆う。この後、中央のリッジの上面のみをホトリソグラフ技術を用いて露出させる。ホトリソグラフ技術を利用したリフトオフ技術によって、以上の構造にレーザ発振領域と光変調領域で電気的に絶縁された電極114を形成する。図5の上面図では、各々の電極は44及び45に相当する。ここで、レーザ発振領域(図5の領域1)の長さは200μm、光変調領域(図5の領域2)の長さは30μm、領域3の長さは30μmであった。以上のようにして形成された素子の断面図が、図4(A)、図4(B)である。
【0042】
尚、本構造においてはレーザ光の変位をより大きくするために、レーザ出射面においてストライプ幅が3μmから10μmに広がる領域3を設けてある。この領域の形成方法は中央のリッジの幅を除けば領域1と同様である。
【0043】
この素子の領域1のみに電流を流し、変調領域である領域2に電流を流さない場合、領域1で発生したレーザ光は領域2で強い光吸収を受ける。この為、領域3の出射端では領域1の出射光に比べ、約20デシベル光量が低下する。一方、領域2に約0.4ボルトの電圧をかけると、領域2の通電部分には電流注入によるキャリアが流入し、領域1から入射したレーザ光に対する損失がなくなる。この結果、領域1から入射した光が領域2を透過する量は、約十倍に増加する。更に、これと共に、領域2の導波路内部の光利得の分布により、第3領域の出口での光スポットの位置が約3μm移動する。この時、光スポットが移動する位置に光ファイバ115の一端を設置しておけば、光出力の変化と光ファイバと素子との結合強度の変化の分を合計して約40デシベルの消光比を得ることが可能であった。
【0044】
<実施例2>
本発明の第2の実施例である超高速光通信用モジュールの構成を、図6、図7及び図8(A)、8(B)を用いて説明する。第2の実施例は、光変調領域を、当該活性層の一部を高抵抗層に置換して構成する例である。図6は光軸に平行な面の断面図、図7は光変調器部の製造工程の1つの状態を示す断面図、図8(A)は埋め込み層を形成した状態の光変調器部の断面図、図8(B)は埋め込み層を形成した状態のレーザ発振部の断面図である。図7より図8(B)までの各図はいずれもクラッド層202以上の各層を示している。これ以下の構造は図6のそれと同様である。尚、本素子の上面図は図5と同様である。
【0045】
図6に見られるように、有機金属気相成長法により、n型InP基板201上に、次の各層を積層する。これらの層は、シリコンドープInPクラッド層202(厚さ1.5μm、n=1×1018cm− 3)とアンドープ量子井戸活性層203、亜鉛ドープInP層204(厚さ100nm、n=1×1018cm− 3)、亜鉛ドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)層205(厚さ100nm、p=1x1019cm− 3)である。尚、アンドープ量子井戸活性層203は膜厚80nmの(Al0.5Ga0.3)0.5In0.5As量子井戸層3層と膜厚150nmAl0.5In0.5As障壁層4層とを用いて構成される。
【0046】
次に、電子線リソグラフ法を用いて、(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)層205を98nm周期で除去し回折格子を形成する。次に、有機金属気相成長法により、亜鉛ドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)バッファ層206(厚さ20nm、p=1×1018cm− 3)亜鉛ドープInPクラッド層207(厚さ1.5μm、p=1×1018cm− 3) 亜鉛ドープAl0.5In0.5Asキャップ層208(厚さ200nm、p=1×1019cm− 3)を順次結晶成長した。
【0047】
こうして準備したウエハの上面に、プラズマCVD法及びホトリソグラフ技術を用いて、ストライプ状SiNxマスク111を回折格子と直交する方向に設ける。このSiNxマスク111は通常の半導体レーザ構造となる領域1では幅1.6μmとなっているが、変調領域となる領域2では幅2.6μmとなっている。
【0048】
次の工程は図7を参酌する。図7は光変調領域の光軸に垂直な面での断面図である。このSiNxマスク111を用いて、シリコンドープInPクラッド層202(厚さ1.5μm、n=1×1018cm− 3)までの層を、CCl2F2ガスを用いたドライエッチングによりエッチングし、リッジ形の半導体積層体220を得る。次に、熱CVD法及びホトリソグラフ法により、SiNxマスク111の片側を覆うSiO2マスク112を形成する。そして、このSiNx層及びSiO2層をマスクトして、アンドープ量子井戸活性層203を1μmサイドエッチする。この時点での領域2、即ち光変調領域の、光軸に直交する端面構造を図7に示す。図7の221がこのサイドエッチングされた部分である。尚、この時、領域1(レーザ発振部)においては、ストライプ全体がSiO2マスク112に覆われており、サイドエッチは起こらない。従って、領域1の、光軸に直交する断面はメサ状の半導体積層体である。
【0049】
次の工程は図8(A)、8(B)を参酌する。図8(A)、8(B)は図7と同様に光変調領域の光軸に垂直な面での断面図である。フッ酸系エッチング液によるSiO2とSiNxのエッチング速度の差を利用して、この構造からSiO2(層112)のみを除去する。次いで、図8(A)に見られるように、有機金属気相成長法によりSiNx111をマスクとして、鉄ドープInP209を結晶成長する。この時、埋め込み層の結晶成長前の昇温中も、鉄原料ガスを流すことにより、高抵抗層が形成できる。更に、マイグレーションにより活性層203の後に高抵抗層、InP層210が形成される。
【0050】
こうして準備したウエハよりSiNxマスク111を除去する。そして、ホトリソグラフ技術を用いたリフトオフ技術によって、領域1と領域2で電気的に絶縁された電極114を形成する。
【0051】
尚、本構造においては、レーザ光の変位をより大きくするためにレーザ出射面においてストライプ幅が3μmから10μmに広がる領域3を設けてある。この領域3の形成方法は、中央のリッジの幅を除けば領域1と同様である。ここで、領域1の長さは200μm、領域2の長さは30μm、領域3の長さは30μmであった。
【0052】
この素子の領域1のみに電流を流し、変調領域である領域2に電圧を印加しない場合、領域1で発生したレーザ光は、領域2で強い光吸収を受ける。この為、領域3の出射端では、領域1の出射光に比べ約20デシベル光量が低下する。領域2に約マイナス3ボルトの電圧をかけると、領域2の活性層が残っている部分には電界吸収効果により、レーザ光に対する損失がなくなる。この結果、領域1から入射した光が領域2を透過する量は、約十倍に増加する。これと共に、領域2の導波路内部の光利得の分布により第3領域の出口での光スポットの位置が約3μm移動する。この時、光スポットが移動する位置に光ファイバの一端を設置しておけば、光出力の変化と光ファイバと素子との結合強度の変化の分を合計して約40デシベルの消光比を得ることが可能であった。
<実施例3>
本発明の第3の実施例である超高速光通信用モジュールの構成を、図9、図10(A)より図10(C)、図11(A)より図11(B)及び図12を用いて説明する。第3の実施例は、光変調領域を、活性層上部に高抵抗層を部分的に配置して構成する例である。更に、本例は装置の電流をオン(ON)とした時、光信号がオフ(OFF)47となり、一方、電流をOFFとした時、光信号がON46となるように動作する例である。図12は上面図で、この図において、OFFの光信号が光ファイバーに合致するように例示したのはこの意味である。図5及び図15に示す例では、逆にONの光信号が光ファイバーに合致するように例示されている。この場合は、装置の電流をONとした時、光信号がONとなる、電流をOFFとした時、光信号がOFFとなるように動作する例である。図12において、他の部分は図5と同様である。
【0053】
尚、図9は光軸に平行な面の断面図、図10(A)より図10(C)は光変調器部の製造工程中の状態を示す断面図、図11(A)は埋め込み層を形成した状態の光変調器部の断面図、図11(B)は埋め込み層を形成した状態のレーザ発振部の断面図である。
【0054】
先ず、電子線リソグラフ法を用いて、n型InP基板201に、98nm周期で深さ50nmの回折格子を形成する。
【0055】
次に、図9に見られるように、有機金属気相成長法により、シリコンドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)層301、InPクラッド層202(厚さ1.5μm、n=1×1018cm− 3)とアンドープ量子井戸活性層302、亜鉛ドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)303(厚さ100nm、n=1×1018cm− 3)、鉄ドープInP層304(厚さ400nm、p=1×1019cm− 3)を順次成長する。尚、アンドープ量子井戸活性層302は、膜厚80nmの(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)量子井戸層3層と膜厚150nmInP障壁層4層とで構成する。亜鉛ドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)303は第1のクラッド層、鉄ドープInP層304はグレーティングの形成層である。
【0056】
次に、プラズマCVD法及びホトリソグラフ技術を用いて、このウエハの上面にストライプ状SiNxマスク111を回折格子と直交する方向に設ける。このSiNxマスク111は、通常の半導体レーザ構造となる第1の領域では幅1.6μmの単一のストライプとなっているが、変調領域となる第2の領域では幅0.5μmと幅1.5μmの並行した2本のストライプが1μmの間隔を置いて並んでいる。次に、このSiNxマスク111を用いて(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)層303までの層を燐酸系ウエットエッチングによりエッチングする(図10(A))。
【0057】
次に、CVD法及びホトリソグラフ法により2本のSiNxマスク111の間の領域を覆うためのSiO2マスク112を形成し、SiNx及びSiO2をマスクとしてInPクラッド層102に達するエッチングを行う(図10(B))。次に、このSiNxマスク111及びSiO2マスク112を用いて有機金属気相成長法により、埋め込み層として、鉄ドープInP305の選択成長を行った(図10(C))。
【0058】
こうして準備したウエハのSiNxマスク111及びSiO2マスク112を除去し、有機金属気相成長法により亜鉛ドープInP層306を成長する。ホトリソグラフ技術を利用したリフトオフ技術を用いて、領域1と領域2で電気的に絶縁された電極を形成する。以上のようにして作製した光通信用光源の断面形状を図11(A)、図11(B)に示す。図11(A)、図11(B)は各々光変調領域及びレーザ発振部の光軸に直交する面での断面図である。こうして、光変調器部では活性層の電界印加が十分なされる領域310と高抵抗層304が配置された領域311、312の領域が形成される。
【0059】
尚、本構造では、レーザ光の変位をより大きくするためにレーザ出射面において、ストライプ幅が3μmから10μmに広がる領域3を設けてある。この領域の形成方法は、中央のリッジの幅を除けば領域1と同様である。以上のようにして形成した半導体レーザは図13のような上面形状となっている。ここで、領域1の長さは200μm、領域2の長さは30μm、領域3の長さは30μmであった。
【0060】
この素子の領域1のみに電流を流し、変調領域である領域2に電圧を印加しない場合、領域1で発生したレーザ光は領域2で光吸収を受ける。この為、領域3の出射端では領域1の出射光に比べ約5デシベル光量が低下する。領域2に約マイナス3ボルトの電圧をかけると領域2の活性層に電界が印加される部分310には電界吸収効果により、レーザ光に対する損失がなくなる。図11(A)の領域311及び領域312では、高抵抗層304の挿入によって、活性層302への電界印加が実質的に無視出来る。この結果、領域1から入射した光が領域2を透過する量は役十倍に増加するとともに、領域2の導波路内部の光利得の分布により第3領域の出口での光スポットの位置が約3μm移動する。電圧を印可しない状態の時の光スポット位置に光ファイバの一端を設置しておけば、光ファイバと素子との結合強度の変化の分により約20デシベルの消光比を得ることが可能であった。この時、電流をオンとした時に光信号がオフとなるため、光パルスの波長分散が通常のレーザ光源と逆になり光ファイバの波長分散を打ち消し長距離の高速光通信に有利な特性を示した。
【0061】
<実施例4>
本発明の第4の実施例である超高速光通信用モジュールを図13、図14(A)、14(B)及び図15を用いて説明する。第4の実施例はトンネル層を用いて高周波電流を増幅する機能を持たせた例である。又、光変調領域はイオン打ち込みによる半導体層の高抵抗化を用いて構成した。尚、図13は本素子の光の進行方向に平行な面での断面図である。図14(A)は光変調領域の光軸に直交する面での断面図、図14(B)はレーザ発振領域の光軸に直交する面での断面図、図15は本素子の上面図である。
【0062】
図13に示すように、通例の分子線エピタキシ法により、n型GaAs基板101上に、シリコンドープAl0.3Ga0.7Asクラッド層102(厚さ1.5μm、n=1×1018cm− 3)とアンドープ量子井戸活性層103、亜鉛ドープAl0.3Ga0.7As層104(厚さ50nm、p=1×1018cm− 3、亜鉛ドープAl0.99Ga0.01As層105(厚さ50nm、p=1×1018cm− 3)、亜鉛ドープAl0.3Ga0.7As層106(厚さ50nm、p=1×1018cm− 3)、亜鉛ドープGaAs層107(厚さ100nm、p=1×1018cm− 3)を順次成長する。尚、アンドープ量子井戸活性層103は、膜厚80nmのInGaAs量子井戸層3層と膜厚150nmGaAs障壁層4層とで構成した。
【0063】
次に、電子線リソグラフ法を用いて、GaAs層107を98nm周期で除去し回折格子を形成する。
【0064】
次に、有機金属気相成長法により亜鉛ドープGaAs層108(厚さ20nm、p=1×1018cm− 3)、亜鉛ドープ(Al0.5Ga0.5) 0.5In0.5P層によるエッチングストップ層120(厚さ50nm、p=1×1018cm− 3)亜鉛ドープAl0.3Ga0.7Asクラッド層109(厚さ1.5μm、p=1×1018cm− 3)、亜鉛ドープGaAsキャップ層110(厚さ200nm、p=1×1020cm− 3)、シリコンドープGaAsトンネル層401(厚さ200nm、n=1×1020cm− 3)を順次結晶成長した。
【0065】
次に、プラズマCVD法及びホトリソグラフ技術を用いて、このウエハにストライプ状SiNxマスク111を回折格子と直交する方向に設ける。このSiNxマスク111は、通常の半導体レーザ構造となる第1の領域では幅約1.6μm、変調領域となる第2の領域では幅約3μmとなっている。SiNxマスク111を用いてAl0.3Ga0.7Asクラッド層109までの層をイオンミリング及び燐酸系ウエットエッチングによりエッチングする。
【0066】
次に、このウエハの変調器領域に左60度の方向から水素イオンを打ち込み、変調器領域の側面から約1μmを高抵抗領域402とした。この後、ウエハ全面をSiO2膜で覆った後、リッジの上面のみをホトリソグラフ技術を用いて露出させる。更に、領域1のGaAsトンネル層401を除去した後、電極114を形成する。尚、本構造においてはレーザ光の変位をより大きくするためにレーザ出射面においてストライプ幅が3μmから10μmに広がる領域3を設けてあるが、この領域の形成方法は中央のリッジの幅を除けば領域1と同様である。
【0067】
以上のようにして形成した半導体レーザは図15のような上面形状となっている。ここで、領域1の長さは200μm、領域2の長さは30μm、領域3の長さは30μmであった。
【0068】
この素子に直流電流50mAと通信信号である高周波電流10mAを重畳して流すと、亜鉛ドープGaAsキャップ層110とシリコンドープGaAsトンネル層401の接合によるトンネル電流により、変調器領域で高周波電流が増幅される。
【0069】
本構造によれば、レーザスポット位置変化による消光比の改善が単一の電極により実現可能となり、より低コストの光通信モジュールが実現可能であった。
【0070】
<実施例5>
本発明の第5の実施例を図16を用いて説明する。図16は本例の上面図である。本例は、超高速光通信用波長可変光源の例である。
【0071】
本例は、これまでのような、レーザ発振部41(領域1)、光変調部42(領域2)を挟んで、第1と第2の光反射部(具体例としては、回折格子)501、502を配置し、この光反射部間で光帰還を行なうものである。本例は、いわゆる、DBR(Distributed Bragg Refrection)型のレーザ装置である。半導体積層体の断面図は図6と同様である。又、光変調部(領域2)の製造工程及び構造も、図7及び図8(A)、8(B)と同様である。従って、以下の説明では、これらの図面を参酌する。
【0072】
先ず、有機金属気相成長法により、n型InP基板201上に、シリコンドープInPクラッド層202(厚さ1.5μm、n=1×1018cm− 3)とアンドープ量子井戸活性層203、亜鉛ドープInP層204(厚さ100nm、n=1x1018cm− 3)亜鉛ドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)層205(厚さ100nm、p=1×1019cm− 3)を順次成長する。尚、前記アンドープ量子井戸活性層203は、膜厚80nmの(Al0.5Ga0.3)0.5In0.5As量子井戸層3層と膜厚150nmAl0.5In0.5As障壁層4層とで構成した。
【0073】
次に、半導体レーザ構造を形成する領域を挟む二つの回折格子領域501、502に電子線リソグラフ法を用いて回折格子を形成する。この回折格子は(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)層205を98nm周期で除去したものである。この場合、光変調部42に近い回折格子502の周期は、レーザ光の射出位置に従って、90nmから110nmの範囲を有する。尚、回折格子501の周期は100nmとした。
【0074】
次に、有機金属気相成長法により亜鉛ドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)層206(厚さ20nm、p=1×1018cm− 3)亜鉛ドープInPクラッド層207(厚さ1.5μm、p=1×1018cm− 3) 亜鉛ドープAl0.5In0.5Asキャップ層208(厚さ200nm、p=1×1019cm− 3)を順次結晶成長した。
【0075】
次に、プラズマCVD法及びホトリソグラフ技術を用いて、このウエハにストライプ状SiNxマスク111を回折格子と直交する方向に設ける。このSiNxマスク111は通常の半導体レーザ構造となる第1の領域では幅1.6μmとなっているが、変調領域となる第2の領域では幅3μmとなっている。
【0076】
次に、このSiNxマスク111を用いて、シリコンドープInPクラッド層202(厚さ1.5μm、n=1×1018cm− 3)までの層を、CCl2F2ガスを用いたドライエッチングによりエッチングする。次に、熱CVD法及びホトリソグラフ法によりSiNxマスク111の片側を覆うSiO2マスク112を形成し、SiNx及びSiO2をマスクトしてアンドープ量子井戸活性層203を1μmサイドエッチする。領域221がこのサイドエッチの領域である。このとき、領域1においてはストライプ全体がSiO2マスク112に覆われておりサイドエッチは起こらない(図7)。
【0077】
次に、フッ酸系エッチング液によるSiO2とSiNxのエッチング速度の差を利用して、この構造からSiO2のみを除去し、有機金属気相成長法によりSiNx111をマスクとして鉄ドープInP209を結晶成長する。このとき、埋め込み層の結晶成長前の昇温中も鉄原料ガスを流すことにより、マイグレーションにより活性層203の後に形成されるInPそうを含め高抵抗層が形成できる。図8(A)及び図8(B)がこの状態の断面図である。
【0078】
以上のような構造のウエハのSiNxマスク111を除去し、全面をSiO2膜で覆う。そして、リッジの上面のみをホトリソグラフ技術を用いて露出さる。ホトリソグラフ技術を用いたリフトオフ技術を用い、以上の構造に領域1と領域2で電気的に絶縁された電極44、45を形成する。前記回折格子のうち変調領域に対向する領域に設けたもの502は、レーザビームの位置により回折格子の周期が90nmから110nmの範囲で変化しており、変調領域への通電でレーザスポット位置の変化により半導体レーザの発振波長が1.45μmから1.6μmの範囲で変化可能であった。
【0079】
本願において開示される諸発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0080】
本発明によれば、光共振器の発光状態自体を変化させずに光モジュールから出射するレーザ光強度を変調することが可能であり、しかも従来技術で困難であった40デシベルを超える光変調の消光比と40GHz以上の高速変調が実現できる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、レーザ光の極めて高速の光変調を可能とする光モジュール及び半導体光デバイスを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例の縦断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施例でのレーザ発振部のストライプ形成用マスクの例を示す平面配置図及び光変調器部のストライプ形成用マスクの例を示す平面配置図である。
【図3】図3は本発明の第1の実施例のストライプ形成プロセスでのレーザ発振部及び光変調器部の断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施例のレーザ発振部及び光変調器部の断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施例の上面図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施例の縦断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施例のストライプ形成プロセス中の光変調器部の断面図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施例での光変調器部及びレーザ発振部の断面図である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施例の縦断面図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施例のストライプ形成プロセス中の素子の各断面図である。
【図11】図11は本発明の第3の実施例での光変調器部及びレーザ発振部の断面図である。
【図12】図12は、本発明の第4の実施例の上面図である。
【図13】図13は、本発明の第4の実施例の縦断面図である。
【図14】図14は、本発明の第4の実施例での光変調器部及びレーザ発振部の断面図である。
【図15】図15は、本発明の第4の実施例の上面図である。
【図16】図16は、本発明の第5の実施例の上面図である。
【図17】図17は、導波モードを説明する為の説明図である。
【図18】図18は、第1の従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
101…n型GaAs基板、102…Al0.3Ga0.7Asクラッド層、103…アンドープ量子井戸活性層、104…Al0.3Ga0.7As層、105…炭素ドープAl0.99Ga0.01As選択酸化層、106…炭素ドープAl0.3Ga0.7Asの第1のPクラッド層、107…炭素ドープGaAs層、108…炭素ドープGaAs層、120…炭素ドープ(Al0.5Ga0.5) 0.5In0.5Pエッチストップ層、109…炭素ドープAl0.3Ga0.7Asの第2のPクラッド層、110…炭素ドープGaAsキャップ層、111…SiNxマスク、112…SiO2マスク、113…Al2O3、114…電極、115…光ファイバ、201…n型InP基板、202…シリコンドープInPクラッド層、203…アンドープ量子井戸活性層、204…炭素ドープInP層、205…炭素ドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)層、206…炭素ドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0 .5)層、207…炭素ドープInPクラッド層、208…炭素ドープAl0.5In0.5Asキャップ層、209…鉄ドープInP、210…InP層、301…シリコンドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)層、302…アンドープ量子井戸活性層、303…炭素ドープ(Ga0.25In0.75)(As0.5P0.5)、304…鉄ドープInP層、305…鉄ドープInP、306…炭素ドープInP層、401…シリコンドープGaAsトンネル層、402…高抵抗領域、501,502…回折格子領域。
Claims (18)
- 基板上部に形成した活性層を有するレーザ発振領域とコア部を有する光変調領域とを、前記レーザ発振領域の活性層と前記光変調領域のコア部とが光学的に接続されて有し、
前記光変調領域の光軸に直交し、基板面に平行な方向の導波路の幅は、前記レーザ発振領域の光軸に直交し、基板面に平行な方向の導波路の幅より大きく、且つ基本モード及び1次モードを導波しこれ以上の高次モードを導波しない幅であり、且つ
前記光変調領域のコア部は、当該コア部の光軸に沿って並存し、且つ前記光変調領域のコア部の複素屈折率を、部分的に可変となすことを可能とする少なくとも第1領域と第2領域とを有し、
この複素屈折率の変化によって、前記光変調領域のコア部の、光軸に直交する方向の複素屈折率が当該コア部の光軸に対して非対称となし得、且つ
光の射出口を前記光変調領域側に有する光デバイスと、
前記光デバイスの射出口に対向して配置した光導波路とを、有することを特徴とする光モジュール。 - 前記光変調領域は、前記コア部を含む半導体積層体と、当該半導体積層体における導電性の異なる領域に一対の電極を有し、当該一対の電極に電圧の印加、電流の注入のいずれかにより、前記光変調領域のコア部の複素屈折率を可変となし得ることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記光変調領域の前記レーザ発振領域とは反対側に、前記光変調領域のコア層と光学的に接続する光導波路層が存在し、当該光導波路層が前記光の射出口を有することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記光変調領域のコア層に光学的に接続する光導波路層の、光軸と直交し、基板面と平行な方向の幅は、前記光変調領域側の幅より前記光の射出口側の幅が大きいことを特徴とする請求項3に記載の光モジュール。
- 前記光変調領域の複素屈折率の変化によって、前記光変調領域のコア部の光軸に直交し、基板面に平行な方向の複素屈折率が当該コア部の光軸に対して非対称となし得る領域が、前記光変調領域のコア部の光軸に直交し、基板面に平行な方向の幅の1/2以内の距離に設けられることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記光デバイスはレーザ発振の為の光帰還部を、前記レーザ発振領域に有することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記光デバイスはレーザ発振の為の光帰還部を、前記レーザ発振領域と前記光変調領域とを挟んで設けられた一対の光反射部によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記光反射部が回折格子であることを特徴とする請求項7に記載の光モジュール。
- 前記光デバイスはレーザ発振の為の光帰還部を有し、前記複素屈折率の変化によって制御される光の射出位置により、前記光帰還部の光帰還に関する特性が変化することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記光デバイスはレーザ発振の為の光帰還部は、前記レーザ発振領域と前記光変調領域とを挟む一対の光反射部によって構成され、前記複素屈折率の変化によって制御される光の射出位置により、前記一対の光反射部の間の距離が変化することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記光の射出口に対向して配置された光導波路が、光ファイバーであることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 前記光の射出口と当該光の射出口に対向して配置された光導波路との間に光集光部材を有することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
- 基板上に、
第1のクラッドと、
前記第1のクラッド層の屈折率より大きな屈折率のコア層と
前記コア層の屈折率より小さな屈折率の第2のクラッドとを有し、
前記第1のクラッド、前記コア、及び前記第2のクラッドを有する半導体積層体に、前記コア層の光軸方向に沿って、少なくともレーザ発振領域と光変調領域とが光学的に接続されて形成され、
前記レーザ発振領域の前記コア層は、当該レーザ発振の活性層として機能し、前記レーザ発振領域と光変調領域との光軸に平行な側面は、当該レーザ発振領域と光変調領域とを構成する半導体材料と、屈折率を異にする材料によって埋め込まれ、
前記光変調領域のコア層の光軸に直交する幅は、前記レーザ発振領域の活性層の光軸に直交する幅より大きく、且つ基本モード及び1次モードを導波しこれ以上の高次モードを導波しない幅であり、且つ
前記光変調領域のコア層は、当該コア部の光軸に沿って並存する、少なくとも第1領域と第2領域とを有し、前記第2領域での光学特性の制御によって、当該光変調領域のコア層の複素屈折率を可変となすことが可能であり、
この複素屈折率の変化によって、前記光変調領域のコア層の光軸に直交する方向の複素屈折率が当該コア層の光軸に対して非対称となし得、且つ
光の射出口を前記光変調領域側に有することを特徴とする半導体光デバイス。 - 前記第1のクラッド層、コア層、及び第2のクラッド層は、化合物半導体材料によって構成されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体光デバイス。
- 前記光変調領域の第2領域は、前記第2のクラッド中に、少なくとも酸化アルミニウム層が介在することを特徴とする請求項13に記載の半導体光デバイス。
- 前記光変調領域の第2領域は、前記コア層に相当する領域が、前記両クラッドよりも小さい屈折率を有する半導体層が形成されなることを特徴とする請求項13に記載の半導体光デバイス。
- 前記光変調領域はリッジ形を有し、この光変調領域の第2領域は、イオン注入になる高抵抗領域であることを特徴とする請求項13に記載の半導体光デバイス。
- レーザ発振の為の第1の光帰還部と、活性層を有するレーザ発振領域と、コア部を有する光変調領域と、レーザ発振の為の第2の光帰還部とを前記レーザ発振領域の活性層と前記光変調領域のコア部とが光学的に接続されて有し、
前記第1の光帰還部と前記第2の光帰還部とは前記レーザ発振部と前記光変調領域とを挟んで配置され、
前記第2の光帰還部は、前記光変調領域よりの光の射出位置に応じて、帰還する光の波長が変化するようになされており、
前記光変調領域のコア部の、光軸に直交する幅は、前記レーザ発振領域の活性層の、光軸に直交する幅より大きく、且つ基本モード及び1次モードを導波しこれ以上の高次モードを導波しない幅であり、且つ
前記光変調領域のコア部は、当該コア部の光軸に沿って並存し、前記光変調領域のコア部の複素屈折率を、部分的に可変となすことが可能な、少なくとも第1領域と第2領域とを有し、
この複素屈折率の変化によって、前記光変調領域のコア部の、光軸に直交する方向の複素屈折率が当該コア部の光軸に対して非対称となし得、当該半導体光デバイスの発振波長を可変となすことを可能とすることを特徴とする半導体光デバイス。
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