JP2004118992A - 光ディスク再生装置、対物レンズ、保護部材および光ディスク再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスク再生装置において、極めて接近して配置された対物レンズと光ディスクとの接触を防止して、対物レンズおよび光ディスクの損傷による機能障害をなくすとともに、適正なフォーカス制御およびトラッキング制御を行えるようにして信頼性の高いデータの記録、読出を行えるようにする。
【解決手段】対物レンズ103の光ディスクに対向する面に、光ディスク方向に突出するリング状のレンズ保護部116を設けるとともに、レンズ保護部116にリングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部116aを形成した。
【選択図】 図7
【解決手段】対物レンズ103の光ディスクに対向する面に、光ディスク方向に突出するリング状のレンズ保護部116を設けるとともに、レンズ保護部116にリングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部116aを形成した。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク再生装置、対物レンズ、保護部材および光ディスク再生方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
図1(A)に示すように、従来より、レーザ光等により光学的に記録媒体である光ディスク上にデータを記録し、また光ディスクに記録されたデータを読み出して再生する光ディスク記録再生装置1は、半導体レーザ発振器等のレーザ発生装置(図示せず)から発射されたレーザ光を、ピックアップボディ2に配設された対物レンズ3で収束させて光ディスク等の記録媒体4上へ照射してデータを記録し、または記録されたデータを読出すようになっている。
【0003】
ピックアップボディ2は、ガイドシャフト6に案内されて、光ディスク状の記録媒体4の半径方向(矢印AまたはB方向)に移動可能に配設されている。
ピックアップボディ2にはヨーク5が固定されており、ヨーク5には、固定部8が固定されている。
【0004】
図1(B)、図2および図3に示すように、固定部8には、長手状弾性部材である4本の支持ばね9が水平方向に固着されている。4本の支持ばね9の先端には、可動部10が配置され、支持ばね9によって矢印CまたはD方向および矢印EまたはF方向に揺動可能に支持されている。
【0005】
可動部10には、記録媒体4に対向して対物レンズ3が配置されるとともに、対物レンズ3の下方に立上げミラー(図示せず)が配置されており、レーザ発生装置からのレーザ光を立上げミラーで反射させて対物レンズ3に入射させるようになっている。レーザ光は、対物レンズ3によって絞られ、記録媒体4の記録面上に焦点を結ぶようになっている。
【0006】
可動部10の下部には、フォーカシングコイル11aが配置され、また側部にはトラッキングコイル11bが配設されており、フォーカシングコイル11aに通電することによって、可動部10を矢印CまたはD方向に僅かに移動させてフォーカシング制御し、またトラッキングコイル11bに通電することによって、矢印EまたはF方向に僅かに移動させてトラッキング制御するようになっている。
【0007】
図4に示すように、対物レンズ3としては、ガラスまたは透明プラスティック等で製作された単玉のレンズ12(図4(B)参照)や、2枚玉の組レンズ13(図4(A)参照)が用いられている。2枚玉のレンズ13は、金属やプラスティック等で形成された鏡筒14に、2枚のレンズ15A,15Bが組み込まれて構成されている。また、鏡筒14は、構造的にレンズ15Aまたはレンズ15Bと一体になっている場合もある。
【0008】
一般に光ディスク記録再生システムでは、記録密度,システムマージン,製造許容誤差を考慮したビームスポットサイズが要求される。対物レンズにおけるビームスポットサイズは次式であらわされる。
ビームスポット径∝ 波長/NA (NA:対物レンズ開口数)…式1
【0009】
光ディスクを、ディスクサイズ固定で高密度化していくと、記録マークが小さくなるため、必要とされるビームスポットサイズは小さくなる。よって、式1により、ビームスポットサイズを小さくするためには、波長を短くするか、NAを大きくするか、あるいはその両方が必要となる。
【0010】
次に、NAは次式であらわすことができる。
NA=対物レンズ有効半径/対物レンズ焦点距離…式2
式2により、大きいNAを実現するには、対物レンズの有効半径を大きくするか、対物レンズの焦点距離を短くすればよいが、有効半径を大きくすると、必然的に対物レンズ径およびその他の光学部品も大きくなるので、光ピックアップ装置が大きくなってしまい、価格増,重量増による消費電力上昇,コンピュータ用途等の規定サイズに入らない、等のデメリットが出てくるため、焦点距離を短くする方が有利である。
【0011】
また、スポットサイズを小さくするために使用波長を短く決めると、対物レンズ材料においては屈折率が高くなるので、そのため焦点距離が短くなる。
よって、一般に高密度の光ディスク記録再生装置では、波長を短くNAを高くし、対物レンズの焦点距離を短くする。
【0012】
また、対物レンズの光ディスク最近接面から光ディスク表面までの距離を一般にWD(Working Distance)というが、これは完全にレンズ焦点距離に比例しないが、焦点距離が短くなれば短くなる傾向を持つ。よって高密度の光ディスク再生装置では、WDが短くなる傾向を持つ。
もし、同じ波長、同じNAにおいて、さらに光ピックアップ装置を小型化しようとするとき、特にノートパソコン等の薄い製品に搭載するために光ディスク記録再生システムを薄型化しようとしたとき、ビームの有効半径を小さくする必要がある。式2により明らかなように、焦点距離は、有効半径を小さくした比率分だけ小さくなる。このとき、同じ記録密度の光ディスク記録再生システムでありながら、焦点距離が短くなり、WDも短くなる。
【0013】
光ディスク記録再生システムで、光ディスク(記録媒体)を記録・再生するとき、光ディスクから得られる所定の検出信号に応じて、アクチュエータ可動部および対物レンズを、フォーカシング制御およびトラッキング制御している。このとき、記録・再生中の光ディスクに大規模な欠陥等が存在し、検出信号が著しく影響を受けた場合、サーボが外れてアクチュエータ可動部が所定外の方向に所定外の速度で急激に移動する場合がある。このとき、このシステムが高密度あるいは小型薄型の光ピックアップ装置であった場合、対物レンズが光ディスクに衝突する場合がある。
【0014】
光ディスクに大規模な欠陥がない場合でも、光ディスクの幾何学的変形や密度のアンバランスによる振動、装置の設置状況による振動、装置の外から加えられる衝撃や振動の加速度が著しく大きい場合は、同様のことが起こる。
このとき、高速回転している光ディスクに対して対物レンズが衝突すると、対物レンズが傷ついたり、光ディスクの削り粉が対物レンズの表面に付着して、その後の記録・再生に支障をきたす虞れがあった。
【0015】
図2、図3および図4に示すように、従来の光ディスク記録再生装置1の対物レンズ3は、リング状の緩衝材16が鏡筒14の光ディスク4に対向する面に(図4(A))、または対物レンズ12の周辺部上面12aに接着等によって取付けられている。これによって、光ディスク4が対物レンズ3に直接接触することを阻止し、接触しても対物レンズ3のレンズ12やレンズ15Aが傷付いたり、光ディスク4が削られるのを防止するようになっている。緩衝材16をリング状に成形したのは、緩衝材16の取付けが容易であり、また取付け高さの誤差を最小限に抑えてWDを適正に確保できるからである(例えば、特許文献1参照。)。
【0016】
【特許文献1】
特開平5−144041号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
近年、記録されるデータ密度を更に高めるために、例えばレーザ波長が405nmの青色レーザ光を用い、ハイビジョン映像を2時間記録可能な次世代の大容量光ディスク再生装置が検討されている。青色レーザ光に用いる対物レンズのレンズ開口数(NA)は、0.7以上とする必要があり、これに伴なってWDも0.5mm以下(例えば0.24mm)と極めて短くする必要がある。
【0018】
データの記録または読出のために、光ディスクを高速回転させると、光ディスクの回転に伴って光ディスクに隣接する空気が連れ回られ、間隔(WD)の狭い光ディスクと対物レンズの間に高速の空気の流れが生じ、ここの圧力が低下する。
リング状の保護部材を対物レンズの光ディスクに対向する面に配置した従来技術の場合、対物レンズと光ディスクの間隔(WD)が狭いと、光ディスクの回転に伴って狭い部分で空気の流速が速くなり、その結果、減圧されて、対物レンズが光ディスク方向(図4において矢印H方向)に吸い寄せられる場合がある。波長が405nmの青色レーザ光を使用する次世代の大容量光ディスク再生装置は、WDが短く、減圧も大きくなる傾向がある。
【0019】
これによって、適正なフォーカス制御およびトラッキング制御が阻害されたり、光ディスクとの接触回数が増大し、対物レンズが傷付いたり、光ディスク表面が削られて光ディスクにダメージを与え、また削粉が対物レンズに付着して機能障害を起こすという問題が生じる。
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光ディスクに対向して前記光ディスク方向に突出するリング状のレンズ保護部が設けられた対物レンズを介して光学的に前記光ディスク上に記録されたデータを読み取る光ディスク再生装置において、前記レンズ保護部には、前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載の発明は、光ディスクに対向してレンズ保護部が設けられ、光ディスク上に光学的に記録されたデータを読み取るための対物レンズであって、前記レンズ保護部は、前記光ディスク方向に突出するリング状に形成されるとともに前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の発明は、光ディスク上に光学的に記録されたデータを読み取る対物レンズの前記光ディスクに対向する面に設けられ、前記光ディスク方向に突出するリング状に形成されるとともに前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とする。
【0023】
また、請求項7に記載の発明は、光ディスクに対向して前記光ディスク方向に突出するリング状のレンズ保護部が設けられた対物レンズを介して光学的に前記光ディスク上に記録されたデータを読み取る光ディスク再生方法であって、前記レンズ保護部に前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部を形成し、前記リングの内外の圧力を同一として、前記光ディスクと前記対物レンズの接触を防止するようにしたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図5および図8に示すように、本発明の第1実施形態に係る光ディスク再生装置100は、半導体レーザ発振器等のレーザ発生装置(図示せず)から出射された波長405nmの青色レーザ光を、可動部110に配設された対物レンズ103で収束させて光ディスク記録媒体104上へ照射してデータを記録し、または記録したデータを読出すようになっている。
【0025】
図8に示すように、光ディスク再生装置100の基台(図示せず)の略中央には、スピンドルモータ(図示せず)が配設されている。スピンドルモータの回転軸に固定されたディスクテーブル(図示せず)に、光ディスク記録媒体104を装着して所定の回転速度で矢印G方向(またはG‘方向)に回転させるようになっている。
【0026】
基台には、2本のガイドシャフト106が光ディスク記録媒体104の半径方向に向けて平行に配置されている。2本のガイドシャフト106には、ピックアップボディ102が摺動自在に配設され、ガイドシャフト106に案内されて、光ディスク状の光ディスク記録媒体104の半径方向(矢印AまたはB方向)に移動可能になっている。
【0027】
図5および図8に示すように、ピックアップボディ102にはヨーク105が、ヨーク105には固定部108が固定されて、ピックアップボディ102とともに矢印AまたはB方向に移動するようになっている。固定部108には、4本の支持ばね109が水平方向に固着されている。4本の支持ばね109の先端には、可動部110が配置され、支持ばね109によってトラッキング方向(矢印AまたはB方向)およびフォーカシング方向(光ディスク記録媒体104に接近または離間する方向)に揺動可能に支持されている。
【0028】
可動部110には、光ディスク記録媒体104の記録面に対向して対物レンズ103が配置されるとともに、対物レンズ103の下方に立上げミラー(図示せず)が配置されており、レーザ発生装置(図示せず)から出射された例えば青色のレーザ光は、立上げミラーで反射され、対物レンズ103に入射するようになっている。レーザ光の光束は、対物レンズ103によって絞られ、光ディスク記録媒体104の記録面上に焦点を結ぶようになっている。
【0029】
そして、データの記録時には、光ディスク記録媒体104の記録面上にレーザ光を照射して、データをピットとして記録する。また、記録されたデータの読出は、光ディスク記録媒体104の記録面上に形成されたピットにレーザ光を照射し、ピットからの反射光を対物レンズ103、立上げミラーを介して、フォトセンサ(図示せず)で検出し、電気信号に変換することにより行われる。
【0030】
図5に示すように、可動部110の下部にはフォーカシングコイル111aが配置され、また側部には、トラッキングコイル111bが配置されている。必要に応じてフォーカシングコイル111aに通電して、可動部110を光ディスク記録媒体104に接近または離間する方向に僅かに移動させて、光ディスク記録媒体104に形成されたピット上に正確に焦点を結ばせることにより、フォーカシング制御を行うようになっている。また、同様に、トラキングコイル111bに通電して可動部110を光ディスク記録媒体104の半径方向に僅かに移動させて、ピットの幅方向中央に青色レーザ光を照射するようにして、トラッキング制御するようになっている。
【0031】
図6および図7に示すように、対物レンズ103は、金属やプラスティック等で形成された鏡筒114に、透明なガラスまたはプラスティック等で製作された2枚のレンズ115A,115Bが組み込まれて構成されている。
鏡筒114の上面114a(光ディスク記録媒体104に対向する面)には、保護部116が接着等によって固着されている。また、鏡筒114は、構造上、レンズ115Aまたはレンズ115Bと一体となっている場合もある。
【0032】
保護部116は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、光ディスク記録媒体104に対向する面には、直径方向に2ヵ所、凹部116aが形成されている。
従って、リング状の保護部116の内部と外部は、凹部116aによって連通している。
【0033】
図8に示すように、凹部116aは、光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に配置されている。
図6に示すように、保護部116の上面116bは、少なくともレンズ115Aの上面と同一、または高くなっており、対物レンズ103を保護するようになっている。
【0034】
例えば、波長405nmの青色レーザ光を用いた対物レンズ103と、光ディスク記録媒体104との間隔(WD)は、極めて短く、0.24mm程度である。
万一、保護部116と光ディスク記録媒体104とが接触しても、保護部116は、摩擦係数が小さく、また柔らかい材質から形成されているので、光ディスク記録媒体104およびレンズ115Aの損傷を防止することができる。
【0035】
光ディスク記録媒体104にデータを記録し、または記録されたデータを読出すために、光ディスク記録媒体104を回転させると、これに伴って光ディスク記録媒体104の周囲の空気に連れ回りが生じる。これによって、光ディスク記録媒体104と極めて短いWD離間して配置された対物レンズ103の間には、高速の空気流が発生し、負圧が生じる。
しかし、リング状の保護部116には、光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に凹部116aが設けられ、外部と連通しているので、峡間隔部での著しい流速の増加は起こらず、減圧も最小限にとどまり、保護部116の内外の圧力が略同一となる。
【0036】
従って、対物レンズ103が光ディスク記録媒体104方向に吸い寄せられることはなく、対物レンズ103と光ディスク記録媒体104の接触を防止することができる。
また、発生する減圧がフォーカシング制御やトラッキング制御に与える影響を最小限にすることができ、精度の高いデータの記録、再生が可能となる。
【0037】
なお、凹部116aを光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に形成したのは、光ディスク記録媒体104の回転に伴って連れ回られる空気流が、凹部116aを介してリング状の保護部116の外部から内部へ、また内部から外部へ、容易に流動できるようにして、リング状の保護部116の内部と外部の圧力を均一とするためである。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態に係る光ディスク再生について説明する。
なお、以下の説明において、対物レンズ以外の部分は、図5および図8において説明した第1実施形態の光ディスク再生装置100と同様であるので、対物レンズ以外の部分の説明を省略する。
【0039】
図9に示すように、第2実施形態の対物レンズ123は、ガラスまたは透明プラスティック等で形成された単玉レンズとして構成されている。すなわち、対物レンズ122の中央部122aは、所定の曲率半径の曲面形状に形成され、レンズ作用するようになっている。周辺部は、リング状に平面部122bが形成されている。リング状の平面部122bには、リング状の保護部126が接着等により固着されている。
【0040】
保護部126は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、光ディスク記録媒体104に対向する面には、直径方向に2ヵ所の凹部126aが形成されている。従って、リング状の保護部126の上面126bは、凹部126aによって2分割され、リングの内部と外部は、凹部126aによって連通している。凹部126aは、光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて可動部(図示せず)に配置されている。
【0041】
図10に示すように、第3実施形態の対物レンズ133は、セラミック、アルミニウム、マグネシウム、黄銅、亜鉛、ニッケル、あるいはそれらの合金等から形成された鏡筒134に、ガラスまたは透明プラスティク等で成形された2枚のレンズ135A,135Bが組み込まれている。鏡筒134の光ディスク記録媒体104に対向する面134aには、円弧形状の一対の保護部136が、略円形をなすように接着等により固着されている。一対の保護部136の対向する端面136a同士は、互いに離間するように配置され、端面136a間には、2つの隙間138が形成されている。略円形に配置された一対の保護部136の内部と外部は、隙間138を介して連通されている。隙間138の方向は、光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて可動部に配置されている。
【0042】
図11に示すように、第4実施形態の対物レンズ143は、ガラスまたは透明プラスティック等で形成された単玉レンズから構成されている。
すなわち、対物レンズ143の中央部143aは、所定の曲率半径の曲面形状に形成され、レンズ作用するようになっている。周辺部は、リング状の平面部143bが形成されている。リング状の平面部143bには、円弧形状の一対の保護部146が、略円形をなすように接着等により固着されている。一対の保護部146の対向する端面146a同士は、互いに離間して配置され、2つの隙間148が形成されている。略円形とされた一対の保護部146の内部と外部は、隙間148を介して連通されている。隙間148の方向は、光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて可動部に配置されている。
【0043】
図12に示すように、第5実施形態の対物レンズ153は、透明プラスティック等で形成された単玉レンズから構成されている。
すなわち、対物レンズ153の中央部は、所定の曲率半径の曲面形状に形成され、レンズ部153aが形成されている。レンズ部153aの周辺部は、レンズ部153aの高さと同じ高さまでリング状に立ち上げられ、上面はリング状の平面部153bが形成されている。リング状の平面部153bには、直径方向に2ヵ所、略コの字形の凹部153cが形成されている。凹部153cは、光ディスク記録媒体104の接線方向に対して平行、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて可動部に配置されている。本実施形態は、対物レンズと保護部が同一材質によって一体成形されたものであって、リング状の平面部153bが保護部として作用する。また、本実施形態の対物レンズ153は、射出成形等により、大量生産が可能であるので、対物レンズ153を安価に製作できる。
【0044】
図13に示すように、第6実施形態の対物レンズ163は、セラミック、アルミニウム、マグネシウム、黄銅、亜鉛、ニッケル、あるいはそれらの合金等から形成された鏡筒164に、ガラスまたは透明プラスティク等で成形された2枚のレンズ165A,165Bが組み込まれている。鏡筒164の光ディスク記録媒体104に対向する面(上面)164aは、レンズ165Aと同じ高さに設定されており、上面164aには、直径方向に2ヵ所、略コの字形の凹部164bが形成されている。凹部164bは、光ディスク記録媒体104の接線方向に対して平行、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて可動部に配置されている。
本実施形態は、対物レンズ163の鏡筒164の上面164aに、保護部が一体として形成されたものであって、鏡筒164のの上面164aが保護部として作用する。
【0045】
図14に示すように、第7実施形態の保護部176は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、表面(光ディスク記録媒体104に対向する面)176bの一部には、略コの字形の凹部176aが一箇所、形成されており、リング状の保護部176の内部と外部を連通させている。保護部176は、図7または図9に示した保護部116,126と同様に、鏡筒または単玉レンズの周辺部に接着等によって固着される。
【0046】
図15に示すように、第8実施形態の保護部186は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で一箇所に隙間186aが設けられた略C字形に形成されている。隙間186aによって、保護部186の内部と外部が連通している。保護部186は、図7または図9に示した保護部116,126と同様に、鏡筒の上面、または単玉レンズの周辺平面部に接着等によって固着される。
【0047】
図16に示すように、第9実施形態の保護部196は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、表面(光ディスク記録媒体104に対向する面)196bには、略V字形の凹部196aが直径方向に2ヶ所形成され、リング状の保護部196の内部と外部を連通させている。保護部196は、図7または図9に示した保護部116,126と同様に、鏡筒または単玉レンズの周辺部に接着等によって固着される。なお、凹部の形状は、略コの字形やV字形に限定されるものではなく、保護部の内部と外部を効果的に連通させる形状であればよい。
【0048】
図17に示すように、第10実施形態の保護部206は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、表面(光ディスク記録媒体104に対向する面)206bには、略コの字形の凹部206aが90°間隔で4ヶ所形成され、リング状の保護部206の内部と外部を連通させている。保護部206は、図7または図9に示した保護部116,126と同様に、鏡筒または単玉レンズの周辺部に接着等によって固着される。
なお、凹部の個数は、2個または4個の限定されるものではなく、保護部の内部と外部を効果的に連通させるように、適宜増加または減少させることが可能である。
【0049】
図18に示すように、第11実施形態の保護部216は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、表面(光ディスク記録媒体104に対向する面)216bには、略コの字形の凹部216aが径方向に沿って一対、合計4ヶ所形成され、リング状の保護部216の内部と外部を連通させている。保護部216は、図7または図9に示した保護部116,126と同様に、鏡筒または単玉レンズの周辺部に接着等によって固着される。
【0050】
前述した各実施形態の光ディスク再生装置によれば、対物レンズの光ディスク記録媒体に対向する面に、リング状のレンズ保護部が設けられている。レンズ保護部には、リングの内外を連通させるように、光ディスク記録媒体の接線方向に対して平行、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて凹部が形成されている。
このため、リング状のレンズ保護部の内部と外部とは、圧力差が極めて小さい状態となっている。従って、減圧によって、対物レンズが光ディスク記録媒体に吸い寄せられることはない。
【0051】
これによって、光ディスク記録媒体とレンズ保護部との接触を防止することができ、接触によって対物レンズが傷付いたり、光ディスク記録媒体の表面が削られてダメージを与えたり、また削粉が対物レンズに付着して機能障害を起こすという問題を回避することができる。
また、対物レンズのフォーカス制御およびトラッキング制御に与える影響を皆無にできるので、適正なフォーカス制御およびトラッキング制御を容易に行うことができ、信頼性の高いデータの記録および読出を行うことができる。
【0052】
上述した内容を纏めると、光ディスク再生装置100は、光ディスク記録媒体104に対向して光ディスク記録媒体104の方向に突出するリング状のレンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206が設けられた対物レンズ103,123,133,143,153,163を介して光学的に光ディスク記録媒体104上にデータを記録し、また記録されたデータを読み取る光ディスク再生装置100において、レンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216には、リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部116a,126a,138,148,153c,164b,176a,186a,196a,206a,216aが形成されている。
【0053】
また、対物レンズ103,123,133,143,153,163は、光ディスク記録媒体104に対向してレンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216が設けられ、光ディスク記録媒体104上に光学的にデータを記録し、また記録されたデータを読み取るための対物レンズ103,123,133,143,153,163であって、レンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216は、光ディスク記録媒体104の方向に突出するリング状に形成されるとともにリングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部116a,126a,138,148,153c,164b,176a,186a,196a,206a,216aが形成されている。
【0054】
また、レンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216は、光ディスク記録媒体104上に光学的にデータを記録し、また記録されたデータを読み取る対物レンズ103,123,133,143,153,163の光ディスク記録媒体104に対向する面に設けられ、光ディスク記録媒体104の方向に突出するリング状に形成されるとともにリングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部116a,126a,138,148,153c,164b,176a,186a,196a,206a,216aが形成されている。
【0055】
また、本実施形態の光ディスク再生方法は、光ディスク記録媒体104に対向して光ディスク記録媒体104の方向に突出するリング状のレンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216が設けられた対物レンズ103,123,133,143,153,163を介して光学的に光ディスク記録媒体104上にデータを記録し、また記録されたデータを読み取る光ディスク再生方法であって、レンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216にリングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部116a,126a,138,148,153c,164b,176a,186a,196a,206a,216aを形成し、リングの内外の圧力を同一として、光ディスク記録媒体104と対物レンズ103,123,133,143,153,163の接触を防止するようにした光ディスク再生方法である。
【0056】
なお、本発明の光ディスク再生装置、対物レンズ、保護部材および光ディスク再生方法は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、前述した実施形態においては、レンズ保護部はテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で形成されたリング状部材、または対物レンズと一体成形されたものとして説明したが、鏡筒または対物レンズの周辺平面部に印刷または転写等を施して形成するようにしてもよい。
【0057】
その他、前述した実施形態において例示した光ディスク、レンズ保護部、対物レンズ、凹部等の材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図4は従来例に係り、図1(A)は光ディスク再生装置の概略構成を示す要部平面図、図1(B)はアクチュエータの概略構成を示す斜視図である。
【図2】アクチュエータの斜視図である。
【図3】アクチュエータの要部分解斜視図である。
【図4】対物レンズに係り、(A)は鏡筒に2枚のレンズが組み込まれて構成された対物レンズおよびレンズ保護部の縦断面図、(B)は単玉の対物レンズおよびレンズ保護部の縦断面である。
【図5】図5から図8は本発明の第1実施形態に係り、図5はアクチュエータの斜視図である。
【図6】2玉のレンズにより構成された対物レンズおよびレンズ保護部の縦断面図である。
【図7】2玉のレンズにより構成された対物レンズおよびレンズ保護部の斜視図である。
【図8】光ディスク再生装置の概略構成を示す要部平面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係り、単玉の対物レンズおよびレンズ保護部の斜視図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係り、2玉のレンズにより構成された対物レンズおよび一対の円弧状のレンズ保護部の斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係り、単玉の対物レンズおよび一対の円弧状のレンズ保護部の斜視図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係り、(A)は単玉の対物レンズと一体に形成されたレンズ保護部の斜視図、(B)は縦断面図である。
【図13】本発明の第6実施形態に係り、(A)は鏡筒に一体に形成されたレンズ保護部の斜視図、(B)は縦断面図である。
【図14】本発明の第7実施形態に係り、凹部が一箇所に形成されたレンズ保護部の斜視図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係り、一箇所が切り欠かれてC形の形成されたレンズ保護部の斜視図である。
【図16】本発明の第9実施形態に係り、2箇所に略V字形の凹部が形成されたレンズ保護部の斜視図である。
【図17】本発明の第10実施形態に係り、4箇所に凹部が形成されたレンズ保護部の斜視図である。
【図18】本発明の第11実施形態に係り、径方向に沿って一対、合計4箇所に凹部が形成されたレンズ保護部の斜視図である。
【符号の説明】
100 光ディスク再生装置
102 ピックアップボディ
104 光ディスク記録媒体(光ディスク)
103,123,133,143,153,163 対物レンズ
116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216 レンズ保護部
116a,126a,138,148,153c,164b,176a,186a,196a,206a,216a 凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク再生装置、対物レンズ、保護部材および光ディスク再生方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
図1(A)に示すように、従来より、レーザ光等により光学的に記録媒体である光ディスク上にデータを記録し、また光ディスクに記録されたデータを読み出して再生する光ディスク記録再生装置1は、半導体レーザ発振器等のレーザ発生装置(図示せず)から発射されたレーザ光を、ピックアップボディ2に配設された対物レンズ3で収束させて光ディスク等の記録媒体4上へ照射してデータを記録し、または記録されたデータを読出すようになっている。
【0003】
ピックアップボディ2は、ガイドシャフト6に案内されて、光ディスク状の記録媒体4の半径方向(矢印AまたはB方向)に移動可能に配設されている。
ピックアップボディ2にはヨーク5が固定されており、ヨーク5には、固定部8が固定されている。
【0004】
図1(B)、図2および図3に示すように、固定部8には、長手状弾性部材である4本の支持ばね9が水平方向に固着されている。4本の支持ばね9の先端には、可動部10が配置され、支持ばね9によって矢印CまたはD方向および矢印EまたはF方向に揺動可能に支持されている。
【0005】
可動部10には、記録媒体4に対向して対物レンズ3が配置されるとともに、対物レンズ3の下方に立上げミラー(図示せず)が配置されており、レーザ発生装置からのレーザ光を立上げミラーで反射させて対物レンズ3に入射させるようになっている。レーザ光は、対物レンズ3によって絞られ、記録媒体4の記録面上に焦点を結ぶようになっている。
【0006】
可動部10の下部には、フォーカシングコイル11aが配置され、また側部にはトラッキングコイル11bが配設されており、フォーカシングコイル11aに通電することによって、可動部10を矢印CまたはD方向に僅かに移動させてフォーカシング制御し、またトラッキングコイル11bに通電することによって、矢印EまたはF方向に僅かに移動させてトラッキング制御するようになっている。
【0007】
図4に示すように、対物レンズ3としては、ガラスまたは透明プラスティック等で製作された単玉のレンズ12(図4(B)参照)や、2枚玉の組レンズ13(図4(A)参照)が用いられている。2枚玉のレンズ13は、金属やプラスティック等で形成された鏡筒14に、2枚のレンズ15A,15Bが組み込まれて構成されている。また、鏡筒14は、構造的にレンズ15Aまたはレンズ15Bと一体になっている場合もある。
【0008】
一般に光ディスク記録再生システムでは、記録密度,システムマージン,製造許容誤差を考慮したビームスポットサイズが要求される。対物レンズにおけるビームスポットサイズは次式であらわされる。
ビームスポット径∝ 波長/NA (NA:対物レンズ開口数)…式1
【0009】
光ディスクを、ディスクサイズ固定で高密度化していくと、記録マークが小さくなるため、必要とされるビームスポットサイズは小さくなる。よって、式1により、ビームスポットサイズを小さくするためには、波長を短くするか、NAを大きくするか、あるいはその両方が必要となる。
【0010】
次に、NAは次式であらわすことができる。
NA=対物レンズ有効半径/対物レンズ焦点距離…式2
式2により、大きいNAを実現するには、対物レンズの有効半径を大きくするか、対物レンズの焦点距離を短くすればよいが、有効半径を大きくすると、必然的に対物レンズ径およびその他の光学部品も大きくなるので、光ピックアップ装置が大きくなってしまい、価格増,重量増による消費電力上昇,コンピュータ用途等の規定サイズに入らない、等のデメリットが出てくるため、焦点距離を短くする方が有利である。
【0011】
また、スポットサイズを小さくするために使用波長を短く決めると、対物レンズ材料においては屈折率が高くなるので、そのため焦点距離が短くなる。
よって、一般に高密度の光ディスク記録再生装置では、波長を短くNAを高くし、対物レンズの焦点距離を短くする。
【0012】
また、対物レンズの光ディスク最近接面から光ディスク表面までの距離を一般にWD(Working Distance)というが、これは完全にレンズ焦点距離に比例しないが、焦点距離が短くなれば短くなる傾向を持つ。よって高密度の光ディスク再生装置では、WDが短くなる傾向を持つ。
もし、同じ波長、同じNAにおいて、さらに光ピックアップ装置を小型化しようとするとき、特にノートパソコン等の薄い製品に搭載するために光ディスク記録再生システムを薄型化しようとしたとき、ビームの有効半径を小さくする必要がある。式2により明らかなように、焦点距離は、有効半径を小さくした比率分だけ小さくなる。このとき、同じ記録密度の光ディスク記録再生システムでありながら、焦点距離が短くなり、WDも短くなる。
【0013】
光ディスク記録再生システムで、光ディスク(記録媒体)を記録・再生するとき、光ディスクから得られる所定の検出信号に応じて、アクチュエータ可動部および対物レンズを、フォーカシング制御およびトラッキング制御している。このとき、記録・再生中の光ディスクに大規模な欠陥等が存在し、検出信号が著しく影響を受けた場合、サーボが外れてアクチュエータ可動部が所定外の方向に所定外の速度で急激に移動する場合がある。このとき、このシステムが高密度あるいは小型薄型の光ピックアップ装置であった場合、対物レンズが光ディスクに衝突する場合がある。
【0014】
光ディスクに大規模な欠陥がない場合でも、光ディスクの幾何学的変形や密度のアンバランスによる振動、装置の設置状況による振動、装置の外から加えられる衝撃や振動の加速度が著しく大きい場合は、同様のことが起こる。
このとき、高速回転している光ディスクに対して対物レンズが衝突すると、対物レンズが傷ついたり、光ディスクの削り粉が対物レンズの表面に付着して、その後の記録・再生に支障をきたす虞れがあった。
【0015】
図2、図3および図4に示すように、従来の光ディスク記録再生装置1の対物レンズ3は、リング状の緩衝材16が鏡筒14の光ディスク4に対向する面に(図4(A))、または対物レンズ12の周辺部上面12aに接着等によって取付けられている。これによって、光ディスク4が対物レンズ3に直接接触することを阻止し、接触しても対物レンズ3のレンズ12やレンズ15Aが傷付いたり、光ディスク4が削られるのを防止するようになっている。緩衝材16をリング状に成形したのは、緩衝材16の取付けが容易であり、また取付け高さの誤差を最小限に抑えてWDを適正に確保できるからである(例えば、特許文献1参照。)。
【0016】
【特許文献1】
特開平5−144041号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
近年、記録されるデータ密度を更に高めるために、例えばレーザ波長が405nmの青色レーザ光を用い、ハイビジョン映像を2時間記録可能な次世代の大容量光ディスク再生装置が検討されている。青色レーザ光に用いる対物レンズのレンズ開口数(NA)は、0.7以上とする必要があり、これに伴なってWDも0.5mm以下(例えば0.24mm)と極めて短くする必要がある。
【0018】
データの記録または読出のために、光ディスクを高速回転させると、光ディスクの回転に伴って光ディスクに隣接する空気が連れ回られ、間隔(WD)の狭い光ディスクと対物レンズの間に高速の空気の流れが生じ、ここの圧力が低下する。
リング状の保護部材を対物レンズの光ディスクに対向する面に配置した従来技術の場合、対物レンズと光ディスクの間隔(WD)が狭いと、光ディスクの回転に伴って狭い部分で空気の流速が速くなり、その結果、減圧されて、対物レンズが光ディスク方向(図4において矢印H方向)に吸い寄せられる場合がある。波長が405nmの青色レーザ光を使用する次世代の大容量光ディスク再生装置は、WDが短く、減圧も大きくなる傾向がある。
【0019】
これによって、適正なフォーカス制御およびトラッキング制御が阻害されたり、光ディスクとの接触回数が増大し、対物レンズが傷付いたり、光ディスク表面が削られて光ディスクにダメージを与え、また削粉が対物レンズに付着して機能障害を起こすという問題が生じる。
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光ディスクに対向して前記光ディスク方向に突出するリング状のレンズ保護部が設けられた対物レンズを介して光学的に前記光ディスク上に記録されたデータを読み取る光ディスク再生装置において、前記レンズ保護部には、前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載の発明は、光ディスクに対向してレンズ保護部が設けられ、光ディスク上に光学的に記録されたデータを読み取るための対物レンズであって、前記レンズ保護部は、前記光ディスク方向に突出するリング状に形成されるとともに前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の発明は、光ディスク上に光学的に記録されたデータを読み取る対物レンズの前記光ディスクに対向する面に設けられ、前記光ディスク方向に突出するリング状に形成されるとともに前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とする。
【0023】
また、請求項7に記載の発明は、光ディスクに対向して前記光ディスク方向に突出するリング状のレンズ保護部が設けられた対物レンズを介して光学的に前記光ディスク上に記録されたデータを読み取る光ディスク再生方法であって、前記レンズ保護部に前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部を形成し、前記リングの内外の圧力を同一として、前記光ディスクと前記対物レンズの接触を防止するようにしたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図5および図8に示すように、本発明の第1実施形態に係る光ディスク再生装置100は、半導体レーザ発振器等のレーザ発生装置(図示せず)から出射された波長405nmの青色レーザ光を、可動部110に配設された対物レンズ103で収束させて光ディスク記録媒体104上へ照射してデータを記録し、または記録したデータを読出すようになっている。
【0025】
図8に示すように、光ディスク再生装置100の基台(図示せず)の略中央には、スピンドルモータ(図示せず)が配設されている。スピンドルモータの回転軸に固定されたディスクテーブル(図示せず)に、光ディスク記録媒体104を装着して所定の回転速度で矢印G方向(またはG‘方向)に回転させるようになっている。
【0026】
基台には、2本のガイドシャフト106が光ディスク記録媒体104の半径方向に向けて平行に配置されている。2本のガイドシャフト106には、ピックアップボディ102が摺動自在に配設され、ガイドシャフト106に案内されて、光ディスク状の光ディスク記録媒体104の半径方向(矢印AまたはB方向)に移動可能になっている。
【0027】
図5および図8に示すように、ピックアップボディ102にはヨーク105が、ヨーク105には固定部108が固定されて、ピックアップボディ102とともに矢印AまたはB方向に移動するようになっている。固定部108には、4本の支持ばね109が水平方向に固着されている。4本の支持ばね109の先端には、可動部110が配置され、支持ばね109によってトラッキング方向(矢印AまたはB方向)およびフォーカシング方向(光ディスク記録媒体104に接近または離間する方向)に揺動可能に支持されている。
【0028】
可動部110には、光ディスク記録媒体104の記録面に対向して対物レンズ103が配置されるとともに、対物レンズ103の下方に立上げミラー(図示せず)が配置されており、レーザ発生装置(図示せず)から出射された例えば青色のレーザ光は、立上げミラーで反射され、対物レンズ103に入射するようになっている。レーザ光の光束は、対物レンズ103によって絞られ、光ディスク記録媒体104の記録面上に焦点を結ぶようになっている。
【0029】
そして、データの記録時には、光ディスク記録媒体104の記録面上にレーザ光を照射して、データをピットとして記録する。また、記録されたデータの読出は、光ディスク記録媒体104の記録面上に形成されたピットにレーザ光を照射し、ピットからの反射光を対物レンズ103、立上げミラーを介して、フォトセンサ(図示せず)で検出し、電気信号に変換することにより行われる。
【0030】
図5に示すように、可動部110の下部にはフォーカシングコイル111aが配置され、また側部には、トラッキングコイル111bが配置されている。必要に応じてフォーカシングコイル111aに通電して、可動部110を光ディスク記録媒体104に接近または離間する方向に僅かに移動させて、光ディスク記録媒体104に形成されたピット上に正確に焦点を結ばせることにより、フォーカシング制御を行うようになっている。また、同様に、トラキングコイル111bに通電して可動部110を光ディスク記録媒体104の半径方向に僅かに移動させて、ピットの幅方向中央に青色レーザ光を照射するようにして、トラッキング制御するようになっている。
【0031】
図6および図7に示すように、対物レンズ103は、金属やプラスティック等で形成された鏡筒114に、透明なガラスまたはプラスティック等で製作された2枚のレンズ115A,115Bが組み込まれて構成されている。
鏡筒114の上面114a(光ディスク記録媒体104に対向する面)には、保護部116が接着等によって固着されている。また、鏡筒114は、構造上、レンズ115Aまたはレンズ115Bと一体となっている場合もある。
【0032】
保護部116は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、光ディスク記録媒体104に対向する面には、直径方向に2ヵ所、凹部116aが形成されている。
従って、リング状の保護部116の内部と外部は、凹部116aによって連通している。
【0033】
図8に示すように、凹部116aは、光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に配置されている。
図6に示すように、保護部116の上面116bは、少なくともレンズ115Aの上面と同一、または高くなっており、対物レンズ103を保護するようになっている。
【0034】
例えば、波長405nmの青色レーザ光を用いた対物レンズ103と、光ディスク記録媒体104との間隔(WD)は、極めて短く、0.24mm程度である。
万一、保護部116と光ディスク記録媒体104とが接触しても、保護部116は、摩擦係数が小さく、また柔らかい材質から形成されているので、光ディスク記録媒体104およびレンズ115Aの損傷を防止することができる。
【0035】
光ディスク記録媒体104にデータを記録し、または記録されたデータを読出すために、光ディスク記録媒体104を回転させると、これに伴って光ディスク記録媒体104の周囲の空気に連れ回りが生じる。これによって、光ディスク記録媒体104と極めて短いWD離間して配置された対物レンズ103の間には、高速の空気流が発生し、負圧が生じる。
しかし、リング状の保護部116には、光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に凹部116aが設けられ、外部と連通しているので、峡間隔部での著しい流速の増加は起こらず、減圧も最小限にとどまり、保護部116の内外の圧力が略同一となる。
【0036】
従って、対物レンズ103が光ディスク記録媒体104方向に吸い寄せられることはなく、対物レンズ103と光ディスク記録媒体104の接触を防止することができる。
また、発生する減圧がフォーカシング制御やトラッキング制御に与える影響を最小限にすることができ、精度の高いデータの記録、再生が可能となる。
【0037】
なお、凹部116aを光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に形成したのは、光ディスク記録媒体104の回転に伴って連れ回られる空気流が、凹部116aを介してリング状の保護部116の外部から内部へ、また内部から外部へ、容易に流動できるようにして、リング状の保護部116の内部と外部の圧力を均一とするためである。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態に係る光ディスク再生について説明する。
なお、以下の説明において、対物レンズ以外の部分は、図5および図8において説明した第1実施形態の光ディスク再生装置100と同様であるので、対物レンズ以外の部分の説明を省略する。
【0039】
図9に示すように、第2実施形態の対物レンズ123は、ガラスまたは透明プラスティック等で形成された単玉レンズとして構成されている。すなわち、対物レンズ122の中央部122aは、所定の曲率半径の曲面形状に形成され、レンズ作用するようになっている。周辺部は、リング状に平面部122bが形成されている。リング状の平面部122bには、リング状の保護部126が接着等により固着されている。
【0040】
保護部126は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、光ディスク記録媒体104に対向する面には、直径方向に2ヵ所の凹部126aが形成されている。従って、リング状の保護部126の上面126bは、凹部126aによって2分割され、リングの内部と外部は、凹部126aによって連通している。凹部126aは、光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて可動部(図示せず)に配置されている。
【0041】
図10に示すように、第3実施形態の対物レンズ133は、セラミック、アルミニウム、マグネシウム、黄銅、亜鉛、ニッケル、あるいはそれらの合金等から形成された鏡筒134に、ガラスまたは透明プラスティク等で成形された2枚のレンズ135A,135Bが組み込まれている。鏡筒134の光ディスク記録媒体104に対向する面134aには、円弧形状の一対の保護部136が、略円形をなすように接着等により固着されている。一対の保護部136の対向する端面136a同士は、互いに離間するように配置され、端面136a間には、2つの隙間138が形成されている。略円形に配置された一対の保護部136の内部と外部は、隙間138を介して連通されている。隙間138の方向は、光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて可動部に配置されている。
【0042】
図11に示すように、第4実施形態の対物レンズ143は、ガラスまたは透明プラスティック等で形成された単玉レンズから構成されている。
すなわち、対物レンズ143の中央部143aは、所定の曲率半径の曲面形状に形成され、レンズ作用するようになっている。周辺部は、リング状の平面部143bが形成されている。リング状の平面部143bには、円弧形状の一対の保護部146が、略円形をなすように接着等により固着されている。一対の保護部146の対向する端面146a同士は、互いに離間して配置され、2つの隙間148が形成されている。略円形とされた一対の保護部146の内部と外部は、隙間148を介して連通されている。隙間148の方向は、光ディスク記録媒体104の接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて可動部に配置されている。
【0043】
図12に示すように、第5実施形態の対物レンズ153は、透明プラスティック等で形成された単玉レンズから構成されている。
すなわち、対物レンズ153の中央部は、所定の曲率半径の曲面形状に形成され、レンズ部153aが形成されている。レンズ部153aの周辺部は、レンズ部153aの高さと同じ高さまでリング状に立ち上げられ、上面はリング状の平面部153bが形成されている。リング状の平面部153bには、直径方向に2ヵ所、略コの字形の凹部153cが形成されている。凹部153cは、光ディスク記録媒体104の接線方向に対して平行、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて可動部に配置されている。本実施形態は、対物レンズと保護部が同一材質によって一体成形されたものであって、リング状の平面部153bが保護部として作用する。また、本実施形態の対物レンズ153は、射出成形等により、大量生産が可能であるので、対物レンズ153を安価に製作できる。
【0044】
図13に示すように、第6実施形態の対物レンズ163は、セラミック、アルミニウム、マグネシウム、黄銅、亜鉛、ニッケル、あるいはそれらの合金等から形成された鏡筒164に、ガラスまたは透明プラスティク等で成形された2枚のレンズ165A,165Bが組み込まれている。鏡筒164の光ディスク記録媒体104に対向する面(上面)164aは、レンズ165Aと同じ高さに設定されており、上面164aには、直径方向に2ヵ所、略コの字形の凹部164bが形成されている。凹部164bは、光ディスク記録媒体104の接線方向に対して平行、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて可動部に配置されている。
本実施形態は、対物レンズ163の鏡筒164の上面164aに、保護部が一体として形成されたものであって、鏡筒164のの上面164aが保護部として作用する。
【0045】
図14に示すように、第7実施形態の保護部176は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、表面(光ディスク記録媒体104に対向する面)176bの一部には、略コの字形の凹部176aが一箇所、形成されており、リング状の保護部176の内部と外部を連通させている。保護部176は、図7または図9に示した保護部116,126と同様に、鏡筒または単玉レンズの周辺部に接着等によって固着される。
【0046】
図15に示すように、第8実施形態の保護部186は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で一箇所に隙間186aが設けられた略C字形に形成されている。隙間186aによって、保護部186の内部と外部が連通している。保護部186は、図7または図9に示した保護部116,126と同様に、鏡筒の上面、または単玉レンズの周辺平面部に接着等によって固着される。
【0047】
図16に示すように、第9実施形態の保護部196は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、表面(光ディスク記録媒体104に対向する面)196bには、略V字形の凹部196aが直径方向に2ヶ所形成され、リング状の保護部196の内部と外部を連通させている。保護部196は、図7または図9に示した保護部116,126と同様に、鏡筒または単玉レンズの周辺部に接着等によって固着される。なお、凹部の形状は、略コの字形やV字形に限定されるものではなく、保護部の内部と外部を効果的に連通させる形状であればよい。
【0048】
図17に示すように、第10実施形態の保護部206は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、表面(光ディスク記録媒体104に対向する面)206bには、略コの字形の凹部206aが90°間隔で4ヶ所形成され、リング状の保護部206の内部と外部を連通させている。保護部206は、図7または図9に示した保護部116,126と同様に、鏡筒または単玉レンズの周辺部に接着等によって固着される。
なお、凹部の個数は、2個または4個の限定されるものではなく、保護部の内部と外部を効果的に連通させるように、適宜増加または減少させることが可能である。
【0049】
図18に示すように、第11実施形態の保護部216は、例えばテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で略リング状に形成された部材であり、表面(光ディスク記録媒体104に対向する面)216bには、略コの字形の凹部216aが径方向に沿って一対、合計4ヶ所形成され、リング状の保護部216の内部と外部を連通させている。保護部216は、図7または図9に示した保護部116,126と同様に、鏡筒または単玉レンズの周辺部に接着等によって固着される。
【0050】
前述した各実施形態の光ディスク再生装置によれば、対物レンズの光ディスク記録媒体に対向する面に、リング状のレンズ保護部が設けられている。レンズ保護部には、リングの内外を連通させるように、光ディスク記録媒体の接線方向に対して平行、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に向けて凹部が形成されている。
このため、リング状のレンズ保護部の内部と外部とは、圧力差が極めて小さい状態となっている。従って、減圧によって、対物レンズが光ディスク記録媒体に吸い寄せられることはない。
【0051】
これによって、光ディスク記録媒体とレンズ保護部との接触を防止することができ、接触によって対物レンズが傷付いたり、光ディスク記録媒体の表面が削られてダメージを与えたり、また削粉が対物レンズに付着して機能障害を起こすという問題を回避することができる。
また、対物レンズのフォーカス制御およびトラッキング制御に与える影響を皆無にできるので、適正なフォーカス制御およびトラッキング制御を容易に行うことができ、信頼性の高いデータの記録および読出を行うことができる。
【0052】
上述した内容を纏めると、光ディスク再生装置100は、光ディスク記録媒体104に対向して光ディスク記録媒体104の方向に突出するリング状のレンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206が設けられた対物レンズ103,123,133,143,153,163を介して光学的に光ディスク記録媒体104上にデータを記録し、また記録されたデータを読み取る光ディスク再生装置100において、レンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216には、リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部116a,126a,138,148,153c,164b,176a,186a,196a,206a,216aが形成されている。
【0053】
また、対物レンズ103,123,133,143,153,163は、光ディスク記録媒体104に対向してレンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216が設けられ、光ディスク記録媒体104上に光学的にデータを記録し、また記録されたデータを読み取るための対物レンズ103,123,133,143,153,163であって、レンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216は、光ディスク記録媒体104の方向に突出するリング状に形成されるとともにリングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部116a,126a,138,148,153c,164b,176a,186a,196a,206a,216aが形成されている。
【0054】
また、レンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216は、光ディスク記録媒体104上に光学的にデータを記録し、また記録されたデータを読み取る対物レンズ103,123,133,143,153,163の光ディスク記録媒体104に対向する面に設けられ、光ディスク記録媒体104の方向に突出するリング状に形成されるとともにリングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部116a,126a,138,148,153c,164b,176a,186a,196a,206a,216aが形成されている。
【0055】
また、本実施形態の光ディスク再生方法は、光ディスク記録媒体104に対向して光ディスク記録媒体104の方向に突出するリング状のレンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216が設けられた対物レンズ103,123,133,143,153,163を介して光学的に光ディスク記録媒体104上にデータを記録し、また記録されたデータを読み取る光ディスク再生方法であって、レンズ保護部116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216にリングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部116a,126a,138,148,153c,164b,176a,186a,196a,206a,216aを形成し、リングの内外の圧力を同一として、光ディスク記録媒体104と対物レンズ103,123,133,143,153,163の接触を防止するようにした光ディスク再生方法である。
【0056】
なお、本発明の光ディスク再生装置、対物レンズ、保護部材および光ディスク再生方法は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、前述した実施形態においては、レンズ保護部はテフロン(登録商標)、ナイロン、エラストマ、不織布等で形成されたリング状部材、または対物レンズと一体成形されたものとして説明したが、鏡筒または対物レンズの周辺平面部に印刷または転写等を施して形成するようにしてもよい。
【0057】
その他、前述した実施形態において例示した光ディスク、レンズ保護部、対物レンズ、凹部等の材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図4は従来例に係り、図1(A)は光ディスク再生装置の概略構成を示す要部平面図、図1(B)はアクチュエータの概略構成を示す斜視図である。
【図2】アクチュエータの斜視図である。
【図3】アクチュエータの要部分解斜視図である。
【図4】対物レンズに係り、(A)は鏡筒に2枚のレンズが組み込まれて構成された対物レンズおよびレンズ保護部の縦断面図、(B)は単玉の対物レンズおよびレンズ保護部の縦断面である。
【図5】図5から図8は本発明の第1実施形態に係り、図5はアクチュエータの斜視図である。
【図6】2玉のレンズにより構成された対物レンズおよびレンズ保護部の縦断面図である。
【図7】2玉のレンズにより構成された対物レンズおよびレンズ保護部の斜視図である。
【図8】光ディスク再生装置の概略構成を示す要部平面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係り、単玉の対物レンズおよびレンズ保護部の斜視図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係り、2玉のレンズにより構成された対物レンズおよび一対の円弧状のレンズ保護部の斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係り、単玉の対物レンズおよび一対の円弧状のレンズ保護部の斜視図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係り、(A)は単玉の対物レンズと一体に形成されたレンズ保護部の斜視図、(B)は縦断面図である。
【図13】本発明の第6実施形態に係り、(A)は鏡筒に一体に形成されたレンズ保護部の斜視図、(B)は縦断面図である。
【図14】本発明の第7実施形態に係り、凹部が一箇所に形成されたレンズ保護部の斜視図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係り、一箇所が切り欠かれてC形の形成されたレンズ保護部の斜視図である。
【図16】本発明の第9実施形態に係り、2箇所に略V字形の凹部が形成されたレンズ保護部の斜視図である。
【図17】本発明の第10実施形態に係り、4箇所に凹部が形成されたレンズ保護部の斜視図である。
【図18】本発明の第11実施形態に係り、径方向に沿って一対、合計4箇所に凹部が形成されたレンズ保護部の斜視図である。
【符号の説明】
100 光ディスク再生装置
102 ピックアップボディ
104 光ディスク記録媒体(光ディスク)
103,123,133,143,153,163 対物レンズ
116,126,136,146,153b,164a,176,186,196,206,216 レンズ保護部
116a,126a,138,148,153c,164b,176a,186a,196a,206a,216a 凹部
Claims (7)
- 光ディスクに対向して前記光ディスク方向に突出するリング状のレンズ保護部が設けられた対物レンズを介して光学的に前記光ディスク上に記録されたデータを読み取る光ディスク再生装置において、
前記レンズ保護部には、前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とする光ディスク再生装置。 - 前記レンズ保護部の前記凹部は、前記レンズ保護部の前記光ディスクに対向する面を2分割するように前記光ディスクの接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
- 光ディスクに対向してレンズ保護部が設けられ、前記光ディスク上に光学的に記録されたデータを読み取るための対物レンズであって、
前記レンズ保護部は、前記光ディスク方向に突出するリング状に形成されるとともに前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とする対物レンズ。 - 前記レンズ保護部の前記凹部は、前記レンズ保護部の前記光ディスクに対向する面を2分割するように前記光ディスクの接線方向、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の対物レンズ。
- 光ディスク上に光学的に記録されたデータを読み取る対物レンズの前記光ディスクに対向する面に設けられ、前記光ディスク方向に突出するリング状に形成されるとともに前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とするレンズ保護部。
- 前記凹部は、前記レンズ保護部の前記光ディスクに対向する面を2分割するように前記光ディスクの接線方向に対して平行、かつ、トラッキング方向に対して直交する方向に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のレンズ保護部。
- 光ディスクに対向して前記光ディスク方向に突出するリング状のレンズ保護部が設けられた対物レンズを介して光学的に前記光ディスク上に記録されたデータを読み取る光ディスク再生方法であって、
前記レンズ保護部に前記リングの内外を連通させる少なくとも1つの凹部を形成し、前記リングの内外の圧力を同一として、前記光ディスクと前記対物レンズの接触を防止するようにしたことを特徴とする光ディスク再生方法。
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