JP2004118751A - 電子商取引方法、電子商取引システム、中央装置、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】売手側が実際に存在する在庫の一部を自ら予約することにより、オンライン問い合わせによる在庫の回答画面では見えないようにして買手側には在庫量を実際のそれよりも少なく見せることにより、売手側が自ら予約した在庫については発注できない状態にして買占めを防止する。
【解決手段】商品コードと買手コードとの組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を予約情報データベース124に記憶させておき、商品在庫データベース121から抽出された在庫情報の内の在庫量からそれに対応する予約量、たとえば予約情報データベース124が記憶している予約量を差し引き、残りの量を買手側の端末装置2に在庫量として表示する。
【選択図】 図1
【解決手段】商品コードと買手コードとの組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を予約情報データベース124に記憶させておき、商品在庫データベース121から抽出された在庫情報の内の在庫量からそれに対応する予約量、たとえば予約情報データベース124が記憶している予約量を差し引き、残りの量を買手側の端末装置2に在庫量として表示する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子商取引方法及び電子商取引システムに関し、またそのようなシステムの中央装置、及びそのコンピュータプログラムに関する。特に、本発明は、鋼材等のような比較的単位重量が大きく、そのために輸送コストが嵩む商品の販売の支援に適した電子商取引技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼材等のような比較的単位重量が大きく、従って輸送コストが嵩む商品の取引においては従来は、「(鉄鋼)メーカ」→「商社」→「(鋼材)問屋(特約店)」→「需要家」という流通経路が一般的であった。
【0003】
また、鋼材等のような商品の取引形態は、紐付取引(受注生産販売方法)と店売取引(在庫販売方法)とに大別される。ここで、紐付取引とは、需要家が商品の仕様(鋼種、サイズ、強度、加工性等)を指定して発注し、製造者がその需要家専用として受注生産する形態の商取引であり、この場合にはたとえ少量であってもその輸送コストは無視できない。また、店売取引とは、需要量を予測して予め定められた規格に基づいた商品を製造し、製造された商品を船舶等を利用して大量輸送して個々の問屋等に在庫品として保管しておき、需要家からの注文があった場合に納品する形態の商取引である。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−91540号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前者の紐付取引では、需要家が特定の目的に合わせて特定の仕様の商品を発注するのであるから、その輸送費に関しても商品価格に含まれると見なせるが、後者の店売取引では、需要家が望む商品の在庫が近くの問屋にない場合には、たとえ少量であっても遠くの問屋、または製造所から別途輸送する必要が生じる。しかし、鋼材のような比較的単位重量が大きく、従って輸送コストが嵩む商品をその都度、少量輸送することは経費を要することは勿論のことであるが、大型トラック、大型トレーラ等を使用する必要があるため、環境問題の面からも問題がある。
【0006】
このような事情に鑑みて、店売取引を対象として、商品の在庫を、提供可能地域をそれぞれ限定した複数の保管場所に保管しておき、インターネット等のネットワークを介して行なわれる買手側からの在庫状況問い合わせに対して、その買手に対して商品を提供することが可能な領域の保管場所のみを対象として在庫商品の情報を提示するという従来技術が知られている(特許文献1参照)。
【0007】
この従来技術においては、地域毎の需要予測に基づいて商品を製造し、更に製造後の商品を地域毎の需要予測に基づいて各保管場所ヘ輸送して保管するという、商品の提供地域を限定した在庫保管を行なっているため、個々の地域に絞って需要予測を行なうことが可能になり、需要予測が比較的的中し易いという利点がある。
【0008】
しかし、上述の従来技術では、特定の買手による買占めが行なわれた場合にそれを防止することができないという問題がある。具体的には、商取引においては一般的に買手側の財務状況等に応じて買手毎に取引限度額が定められている場合が多い。また、特に取引限度額が定まっていなくても、代金の支払い方法によっては必然的に商品の購入数が限定される場合もある。買手が仲介業者である場合、典型的には、規模の小さい仲介業者ほど一度の注文で購入できる商品の数量が少なく、規模が大きい仲介業者ほど一度の注文で購入できる商品の数量が多くなる。このため、全国を対象とした在庫量に比して個々の地域での在庫量が少なくなることは当然のことであるため、個々の地域において規模の大きい仲介業者による在庫商品の買占めが、たとえ故意ではなくとも行なわれる可能性があり、規模の小さい仲介業者は商品を購入することができなくなる虞が生じる。
【0009】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、売手側が実際に存在する在庫の一部を自ら予約すること(以下、売手側予約機能と言う)により、オンライン問い合わせによる在庫の回答画面では見えないようにして買手側には在庫量を実際のそれよりも少なく見せることにより、売手側が自ら予約した在庫については発注できない状態にして買占めを防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子商取引方法は、商品を特定する情報及び各商品の在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置にアクセス可能な中央装置に対して、複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介して商品の在庫検索及び/又は発注を行なえるようにした電子商取引方法であって、前記中央装置によるアクセスが可能であり、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶する予約情報記憶装置に、前記中央装置が予約量を記憶させるステップと、買手の端末装置から送信された在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを前記中央装置が受信するステップと、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置に対して前記中央装置が送信するステップと、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を前記中央装置が受信するステップと、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から前記中央装置が抽出するステップと、前記抽出された在庫情報に対応する予約量を前記抽出された在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ前記中央装置が送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
このような本発明の電子商取引方法では、商品を特定する情報及び各商品の在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置にアクセス可能な中央装置に対して、複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介して商品の在庫検索及び/又は発注を行なえるようにした電子商取引方法であって、まず商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量が予約情報記憶装置に記憶される。そして、買手の端末装置から送信された在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを中央装置が受信する。次に、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求を送信した端末装置に対して中央装置が送信するので、その画面情報を端末装置が表示する。そして、端末装置から検索及び/又は発注する商品の条件を中央装置が受信すると、中央装置は受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を商品在庫データベース装置から抽出する。中央装置は、このようにして抽出された在庫情報に対応する予約量を抽出された在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を端末装置へ送信する。
【0012】
また、本発明の電子商取引方法は、商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることによりそれぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置とにアクセス可能な中央装置に対して、各地域内に所在する複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介してそれぞれが所在する地域に配置されている保管場所にある商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を行なえるようにした電子商取引方法であって、前記中央装置によるアクセスが可能であり、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶する予約情報記憶装置に、前記中央装置が予約量を記憶させるステップと、買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを前記中央装置が受信するステップと、受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から前記中央装置が読み出して一時記憶手段に記憶させるステップと、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置に対して前記中央装置が送信するステップと、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を前記中央装置が受信するステップと、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び前記一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から前記中央装置が抽出するステップと、前記抽出された在庫情報に対応する予約量を前記抽出された在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ前記中央装置が送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電子商取引システムは、商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、各地域内に所在する複数の買手それぞれが端末装置から通信回線を介して中央装置に対してそれぞれが所在する地域に配置されている保管場所に保管されている商品の在庫検索及び/又は発注を行なうための電子商取引システムであって、前記中央装置によるアクセスが可能であり、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶した予約情報記憶装置と、前記中央装置によるアクセスが可能であり、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、前記中央装置によるアクセスが可能であり、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることにより、それぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置とを含み、各端末装置は、通信回線を介して前記中央装置に対して、買手を特定する情報と、前記商品在庫データベース装置に記憶されている在庫情報の検索及び/又は在庫商品の発注の要求とを送信する手段を備え、前記中央装置は、受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から読み出して一時記憶手段に記憶させる手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び前記一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手段と、前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
以上のような本発明の電子商取引方法及びシステムでは、商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることによりそれぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置とにアクセス可能な中央装置に対して、各地域内に所在する複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介してそれぞれが所在する地域に配置されている保管場所にある商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を行なうようにした電子商取引方法及びシステムであって、まず商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量が予約情報記憶装置に記憶される。そして、買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを中央装置が受信する。この受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を買手−保管場所対応情報記憶装置から中央装置が読み出して一時記憶手段に記憶させ、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を端末装置に対して中央装置が送信するので、その画面情報を端末装置が表示する。そして、端末装置から検索及び/又は発注する商品の条件を中央装置が受信すると、中央装置は受信した条件に対応する商品を特定する情報及び一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を商品在庫データベース装置から抽出する。中央装置は、このようにして抽出された在庫情報に対応する予約量を抽出された在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を端末装置へ送信する。
【0015】
本発明の中央装置は、通信回線を介して商品の在庫検索及び/又は発注を受け付ける中央装置であって、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を送信する手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を記憶装置から抽出する手段と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応して予め記憶装置が記憶している予約量を読み出す手段と、前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を送信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
このような本発明の中央装置では、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求を受信すると、受信した検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を送信する。そして、検索及び/又は発注する商品の条件を受信すると、受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を記憶装置から抽出すると共に、受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応して予め記憶装置が記憶している予約量を読み出す。中央装置は、このようにして抽出した在庫情報に対応する予約量を抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を端末装置へ送信する。
【0017】
また本発明の中央装置は、買手の端末装置から通信回線を介して送信される商品の在庫検索及び/又は発注を受け付ける中央装置であって、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶した予約情報記憶装置と、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置とにアクセスすることが可能であり、買手の端末装置から送信された在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手段と、前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
このような本発明の中央装置では、買手の端末装置から送信された在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信すると、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求を送信した端末装置へ送信する。そして、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信すると、受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する。中央装置は、このようにして抽出した在庫情報に対応する予約量を予約情報記憶装置から読み出して在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を端末装置へ送信する。
【0019】
更に本発明の中央装置は、商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、各地域内に所在する複数の買手それぞれが端末装置から通信回線を介して、それぞれが所在する地域に配置されている保管場所から商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を受け付ける中央装置であって、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶した予約情報記憶装置と、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることにより、それぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置とにアクセスすることが可能であり、買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手段と、受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から読み出して一時記憶手段に記憶させる手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び前記一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手段と、前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
このような本発明の中央装置では、買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信すると、受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を複数の保管場所から特定する情報を記憶装置から読み出して一時記憶し、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を送信する。そして、検索及び/又は発注する商品の条件を受信すると、受信した条件に対応する商品を特定する情報及び一時記憶している保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を記憶装置から抽出する。中央装置は、このようにして抽出した在庫情報に対応する予約量を予約情報記憶装置から読出し、抽出した在庫情報の内の在庫量から予約量を差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を端末装置へ送信する。
【0021】
本発明のコンピュータプログラムは、複数の地域にそれぞれ配置された保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることによりそれぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置と、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶する予約情報記憶装置とにアクセス可能であり、各地域内に所在する複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介してそれぞれが所在する地域に配置されている商品の保管場所にある商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を受け付けるコンピュータのためのコンピュータプログラムであって、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を前記予約情報記憶装置に記憶させる手順と、買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手順と、受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から読み出して一時記憶する手順と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手順と、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手順と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び一時記憶してある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手順と、前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手順とをコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とする。
【0022】
以上のような本発明のコンピュータプログラムでは、記録媒体に記録されているコンピュータプログラムを汎用のコンピュータシステムに読み取らせてインストールことにより、前述のような本発明の電子商取引システムの中央装置が実現される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0024】
なお、本発明において売手とは、対象となる商品を製造し、それを消費者または仲介業者等に販売する製造業者自身が基本的には相当するが、そのような製造業者から商品を大量に購入してそれを消費者または下位の仲介業者等に販売する商社等のような上位の仲介業者等も売手となる場合がある。また、本発明において買手とは、上述のような種々の売手から商品を購入する消費者または商社・問屋等の仲介業者、更には販売業者が相当する。
【0025】
また、以下の実施の形態においては、鋼管を取引対象の商品とし、鉄鋼メーカ(鉄鋼製造業者)が売手であり、この鉄鋼メーカと予め契約している商社または特約店等の仲介業者が買手である場合を例として説明する。更に、以下の実施の形態においては、基本的には売手が日本国内の各地に在庫商品を保管するための保管ヤードを保持して管理しており、中央装置も売手が管理しているものとする。
【0026】
但し、取引対象の商品が鋼管であることは一例であって、他の種々の商品に関しても、本発明を適用することが可能である。また、中央装置の管理に関しても、必ずしも売手が行なう必要はなく、中立的な第三者が行なってもよい。
【0027】
図1は本発明のシステム構成の全体を概略的に示すブロック図である。本発明のシステムは、売手側の中央装置1と、複数の買手側の端末装置2とが通信回線としてのインターネットINで接続されている。なお、通信回線はインターネットに限らず、専用回線等であってもよい。
【0028】
中央装置1には、演算装置10と、一時記憶メモリ11と、大容量のハードディスク装置等を利用した補助記憶装置12と、CD−ROM等の記録媒体からソフトウェアプログラム、データ等を読取るためのCD−ROMドライブ(CDD)等の再生装置13と、CRTディスプレイ等の表示装置14と、キーボード15及びマウス16等の入力装置とが含まれる。
【0029】
演算装置10は一般的な汎用コンピュータを使用することが可能であることは勿論であるが、補助記憶装置12を内蔵した専用のコンピュータシステムとして構成されていてもよいし、補助記憶装置12は中央装置1とはLANまたはインターネット等でネットワーク接続されていてもよい。要するに、演算装置10が補助記憶装置12にアクセス可能であれば、補助記憶装置12が中央装置1に内蔵されていて演算装置10と直接接続されている形態であってもよいし、補助記憶装置12が中央装置1には内蔵されておらず、ネットワーク接続されているような形態であってもよい。
【0030】
一時記憶メモリ11は、演算装置10による処理の過程で必要な情報を一時的に記憶するためのメモリであり、演算装置10に内蔵されているRAM,フラッシュメモリ等が利用可能であるが、ハードディスク装置である補助記憶装置12が演算装置10に直接接続されているような場合にはその一部の領域を利用してもよいし、専用のハードディスク装置であってもよい。
【0031】
補助記憶装置12は以下のような種々のデータベース、テーブルを記憶している。補助記憶装置12には、商品在庫データベース121(図2参照)、ユーザ管理データベース122(図4参照)、買手−保管場所対応テーブル123(図5参照)、予約情報データベース124(図6参照)等が適宜の領域に登録されている。
【0032】
また、補助記憶装置12には、この演算装置10用のプログラムが詳細は後述するがプログラムファイル125の形態で格納されており、必要に応じて演算装置10により読み出されて実行される。
【0033】
CD−ROMドライブ13は、CD−ROM17が装入された場合にそれに記録されているコンピュータプログラムを演算装置10に読み込ませるためのものである。CD−ROMドライブ13から読み込まれたコンピュータプログラムは前述したように補助記憶装置12にプログラムファイル125の形態で格納される。
【0034】
一方、買手である仲介業者にはそれぞれ端末装置2が備えられている。この買手側の端末装置2も、インターネットのブラウザソフトウェアがインストールされていればパーソナルコンピュータ等の一般的なコンピュータシステムが使用可能である。従って、各端末装置には、通常のコンピュータシステムと同様に、表示装置であるディスプレイ24、入力装置であるキーボード25及びマウス26等が備えられている。
【0035】
なお、買手である仲介業者にはそれぞれ複数のユーザ(端末装置の利用者、具体的にはその業者の資材購入担当者等)A,B…が存在することが一般的である。従って、仲介業者が使用する端末装置2は、ユーザA,B…毎に権限を変えるようにしてもよい。たとえば、同じ買手側の企業内のユーザであっても、ユーザAは在庫確認及び発注が可能であるが、ユーザBは在庫確認のみ可能である、というようにしてもよいし、また同じ買手側の企業内に複数の端末装置を備えておき、端末装置毎にそれを中央装置1側で特定することにより、ある端末装置は在庫確認及び発注が可能であるが、他の端末装置は在庫確認のみ可能である、というようにしてもよい。
【0036】
図2は商品在庫データベース121の内容を示す模式図である。この商品在庫データベース121に登録されている在庫情報としては、(1)商品を特定する情報、(2)在庫量に関する情報、(3)保管場所を特定する情報が含まれている。商品を特定する情報(1)としては、品種名、品種コード、外径、長さがそれぞれ登録されている。在庫量に関する情報(2)としては、各商品に関して、その保管場所に実際に保管されている商品の在庫量が重量、本数等でそれぞれ登録されており、また予約量もそれぞれ登録されている。保管場所を特定する情報(3)としては、保管場所名とそのコード(保管場所コード)とが登録されている。
【0037】
なお、商品在庫データベース121に登録されている品種名において「ガス管」はガス用の配管を、「白」/「黒」はメッキの有無を、「付」/「無」は管端部のネジの有無をそれぞれ示している。従って、たとえば「ガス管白無」とは、メッキを施したガス管であって、管端部にネジ切りが施されていないものを指す。
【0038】
また、保管場所を特定する情報の内の場所名として「ヤード」と「製造所」とがある。ここで、ヤードとは、在庫商品を保管するために各地に配置されている保管場所である。また、製造所とは、製造所内に設置されている保管場所であり、その製造所で製造された商品をそのまま保管している。各ヤードには、各製造所で製造された商品が船舶等の大量輸送機関を用いて一括して安価に大量輸送され、保管されている。
【0039】
更に、予約量とは予約情報データベース124に登録されている現時点における予約量(予約残量)のことであり、在庫量が買手側の端末装置2に開示される際には実際の在庫量からこの予約量が差し引かれた量が開示される。なお、この予約量に関しては必ずしも商品在庫データベース121に登録しておく必要はなく、予約情報データベース124に登録されている予約量と対応付けられていればよい。
【0040】
図3は上述の保管場所の配置例を示す模式図である。在庫商品を保管する保管場所として本実施の形態では、関東と関西との2箇所の製造所M1、M2(実際の保管場所としては、各製造所内の倉庫が使用される)と、北海道、東北、関東、東海、関西及び九州に各地域にそれぞれ配置された6箇所の保管ヤード(北海道ヤードY1、東北ヤードY2、関東ヤードY3、東海ヤードY4、近畿ヤードY5及び九州ヤードY6)とが用意されている。そして、各保管ヤードの商品提供地域としては図3にそれぞれハッチングで示すように、北海道ヤードY1には北海道地域が、東北ヤードY2には東北地域が、関東ヤードY3には関東地域が、東海ヤードY4には東海地域が、近畿ヤードY5には近畿地域が、九州ヤードY6には九州地域がそれぞれ他の保管ヤードとは重複しないように設定されている。
【0041】
また、これらのいずれの保管ヤードの商品提供地域にも含まれない白地で示した地域、具体的には甲信越地域、北陸地域、中国地域、四国地域も存在している。これらのいずれの保管ヤードの商品提供地域にも含まれない各地域に対しては、各製造所M1、M2がそれぞれ商品の提供を行なう。なお、原則的には、関東製造所M1が甲信越地域及び北陸地域に、関西製造所M2が中国地域及び四国地域に商品の提供を行なう。
【0042】
このような各ヤードと商品提供地域との関係は、たとえば、北海道地域内に存在する買手は、原則として北海道ヤードY1に保管されている在庫商品のみを購入することができるように予め取り決められている。また、各製造所(関東製造所M1、関西製造所M2)に保管されている在庫商品は、原則としては上述した如く各保管ヤードの商品提供地域に含まれない地域に存在する買手用であるが、余剰在庫等が含まれている場合もある。図3に示す例では、北陸地域、甲信越地域、中国地域、四国地域には保管ヤードが配置されていないため、これらの地域に存在する買手は関西製造所または関東製造所に保管されている在庫商品を購入するように予め取り決められている。
【0043】
図4はユーザ管理データベース122の内容を示す模式図である。このユーザ管理データベース122に登録されている情報は、個々のユーザに関して、付与されているユーザID、ユーザ名、パスワード、買手コード(買手の企業それぞれに付与されているコード)、買手名(買手の企業の名称)等である。なお、複数のユーザが同一の買手に含まれる場合がある。またその他にこのユーザ管理データベース122には、売手側企業の従業員もユーザとして登録されており(図4に示す例では、ユーザIDが「C10005」のユーザ)、これに対しては買手コード及び買手名は登録されておらず、代わりに売手側企業での部署コードが登録されている。この売手側のユーザは売手側予約機能を利用して予約の設定を行なうため、及び在庫状況の確認を行なうため等の目的で登録されている。
【0044】
なお、図4には示されていないが、ユーザが発注権限を有するか否かを区別する必要がある場合には、各ユーザに対応して発注権限を有するか否かを区別する情報をこのユーザ管理データベース122に登録しておけばよい。
【0045】
図5は買手−保管場所対応テーブル123の内容を示す模式図である。この買手−保管場所対応テーブル123に登録されている情報は、上述のユーザ管理データベース122に登録されている買手コードと、前述の商品在庫データベース121に登録されている保管場所コードとを対応付けたテーブルである。従って、ユーザ管理データベース122からユーザコードと買手コードとを対応を調べ、この買手−保管場所対応テーブル123に登録されている買手コードと保管場所コードとの対応関係に従って、各買手側企業に対して保管場所が限定されることになる。
【0046】
図6は予約情報データベース124の内容を示す模式図である。この予約情報データベース124に登録されている情報は、予約番号(予約No.)、買手コード、買手名、品種コード、外径、長さ、当初予約量(予約時点での量)、既発注量、予約残量(現時点における予約量、即ち当初予約量から既発注量を差し引いた残量)等である。
【0047】
図7は本発明方法の基本概念を示すための、中央装置1による概略の処理手順を示すフローチャートである。中央装置1は基本的には、在庫情報の登録・更新の処理と、売手側予約の設定の処理と、買手側の端末装置2からのログインに応対する処理とを、随時行なうことができる。具体的には以下のようになる。
【0048】
中央装置1は、在庫情報の登録・更新の処理が要求されると(ステップS01でYES)、所定の在庫情報の登録・更新の処理を実行し(ステップS02)、売手側予約の設定の処理が要求されると(ステップS03でYES)、後述するような所定の売手側予約の設定の処理を実行し(ステップS04)、買手側の端末装置2からのログインがあると(ステップS05でYES)、ログインした買手側の端末装置2に応対する処理を実行する(ステップS06)。
【0049】
なお、ステップS02の在庫情報の登録・更新の処理は従来公知の一般的な在庫情報を登録するための処理及び登録済のデータを更新するための処理である。ステップS04の「売手側予約の設定」の処理は本発明を特徴付ける処理であり、売手側において、ある買手のために商品を予め確保しておくことにより、他の買手による商品の買占めを防止することを目的とした処理である。ステップS06のログインした買手側の端末装置2に応対する処理は、基本的には従来公知の電子商取引の処理である。
【0050】
図8は上述のステップS06のログインした買手側の端末装置2に応対する処理の手順を示すための、売手側と買手側との間で行なわれる処理手順を示すフローチャートである。なお、図1に示されているように、売手側には中央装置1が、買手側には売手側の中央装置1とインターネットINで接続された端末装置2が備えられている。従って、本発明方法は基本的には売手側の中央装置1と買手側の端末装置2との間でインターネットINを介して行なわれる電子商取引である。
【0051】
買手側が端末装置2からログインすると(ステップS11)、売手側の中央装置1では前述したステップS06の買手側の端末装置2に応対する処理を開始し、まずログインした端末装置2の買手が商品を購入することが出来るヤードを特定する(ステップS12)。
【0052】
この買手が商品を購入することが出来るヤードを特定することにより、買手側からはある限定されたヤード、具体的にはその買手の所在地に対応するヤードの在庫に関してのみ在庫情報のオンラインによる照会を行なうこと、及びその在庫商品をオンラインにより発注することが可能な状態になる。但し、後述するように、製造所の在庫に関しては買手の所在地には拘わらずにオンラインによる在庫情報の照会が可能である。
【0053】
中央装置1は次に買手の端末装置2にメニュー画面を表示させるための画面情報を送信する(ステップS13)。これに応じて、ユーザ端末装置2には図14に示すようなメニュー画面が表示されるので(ステップS14)、買手側のユーザはここでいずれかの処理を選択することができる。たとえば、売手が予約してくれている予約分の商品を買手が発注すること(「予約発注」)、商品の在庫を検索すること及び/又は発注すること(「在庫検索・発注」)等である。「予約発注」が選択された場合(ステップS15でYES)、中央装置1では所定の受注処理を行なう(ステップS16)。なお、上述のステップS12とS13とは、その処理順序が逆であってもよい。
【0054】
買手側のユーザが端末装置2で在庫検索を選択すると(ステップS17でYES)、売手側の中央装置1は、製造所の在庫と、その買手に特定されているヤードの在庫との内から買手の端末装置2から送信された検索条件に見合う在庫情報を商品在庫データベース121から抽出し(ステップS18)、買手側の端末装置2に表示させる。但しこの際、在庫量として買手側の端末装置2に表示される量は、実際の在庫量から売手側が予約してある予約量を差し引いた量である。
【0055】
このようにして買手側の端末装置2にはその買手の要求に見合う製造所の在庫と、特定されたヤードの在庫とが表示される(ステップS19)。これによって、買手はヤードの在庫を発注することができる(ステップS20でYES)。買手が端末装置2でヤードの在庫を発注した場合(ステップS20でYES)、売手側の中央装置1では所定の受注処理を行なう(ステップS16)。
【0056】
一方、買手がヤードの在庫を発注せず(ステップS20でNO)、製造所の在庫を発注したい場合は、端末装置2によるオンライン処理ではなく、オフライン処理が行なわれる(ステップS21)。
【0057】
本発明の電子商取引方法は基本的な概念としては上述のような手順で実行されるが、それを本発明の電子商取引システムにより実行される具体的な処理手順について説明する。
【0058】
まず、本発明を特徴付ける機能の内の売手側予約機能について説明する。商品販売に際しての予約とは通常は買手側が事前に購入意志を表明することにより実在しない商品を購入する権利、または既に存在する商品を実際に購入可能になるまで確保しておくことを意味する。しかし、本発明における売手側予約機能は、買手側ではなく売手側が買手側の将来の購買意志を予測または確認して予め商品を確保しておくということが特徴である。以下、この売手側予約機能について具体的に説明する。
【0059】
本発明のシステムでは、中央装置1を使用して売手側が在庫の一部又は全部を事前に予約できる売手側予約機能を有している。この売手側予約機能により、特定の買手による買占めを防止することができる。
【0060】
商取引においては一般的に、買手側の財務状況等に応じて買手毎に取引限度額が定められている場合が多い。また、特に取引限度額が定まっていない場合においても、代金の支払い方法によっては必然的に商品の購入数が限定されることもある。買手が仲介業者である場合、典型的には、規模の小さい仲介業者ほど一度に購入できる商品の数量が少なく、規模が大きい仲介業者ほど一度に購入できる商品の数量が多い。このため、意図するとしないとには拘わらず、規模の大きい仲介業者による在庫商品の買占めが行なわれる虞がある。
【0061】
このような事情に鑑み、実際に存在する在庫の一部を売手側が自ら予約することにより、在庫の一部または全部をオンラインでの在庫情報の問い合わせによる回答画面には見えないようにして買手側には実際の在庫量よりも少ない在庫量が提示されるようにする。このような処理により、実際の在庫量の内の売手側で予約された分については通常の発注はできなくなるため、買占めを防止することが可能になるという機能が本発明の売手側予約機能である。
【0062】
具体的には、買手側の過去の購入実績に基づく予測、または買手側からの要望に基づいて売手側が予約量を設定する。たとえば、買手であるX特約店が過去の3ケ月間、2週毎に約100本ずつ鋼管を購入しており、X特約店の担当者からの連絡により今後も少なくとも1年間はこのペースで鋼管を必要としている、と売手側が把握している場合を考える。しかし、X特約店はその財務状況等(取引限度額)の理由により、将来必要とする分の鋼管を事前に注文して購入することできない場合(たとえば、2ケ月先を見込んで現在必要な本数に加えて更に400本を確保しておきたいが、取引限度額を超えるため現在必要な本数分しか注文できない場合)、大手のY特約店によりその商品が買占められるような事態になると、X特約店が購入可能となった時点では必要な在庫がない可能性がある。
【0063】
このような場合、X特約店は大手のY特約店からある程度のマージンを上乗せして再購入するか、または他の売手から購入するか、等の対策を採らざるを得なくなる。しかし、このような購入行為はコストアップを招来する可能性が高く、また過去に取引がなかった売手からの比較的少量の新規の購入は通常は困難である。一方、一定の期間内であれば注文の取消も通常は可能であるため、大手のY特約店が一旦買占めた商品を後日キャンセルした場合等には、売手側はX特約店等の中小の特約店に本来販売することができたはずの商品の販売機会を失する等の不利益を蒙るのみならず、X特約店に対しては商品を安定的に供給することができなかったため、結果的には信用を失うことになる。
【0064】
以上のように、特定の買手による在庫商品の買占め行為は、売手側にも買手側にも不利益を生じる虞があり、延いてはコストアップ、納品遅れ等に伴う工期の遅延を招来し、公共工事である場合には公共の利益を失う可能性すら考えられる。
【0065】
ところが、コンピュータシステムを用いたオンラインによる自動発注処理の場合、意図的な買占め行為であるのか、実際に必要とする量の発注であるのかを自動的に判断することは困難である。また、コンピュータを用いて自動処理する場合は、時間的に先に受信した注文処理が通常は優先して受け付けられるため、大手特約店の意図的な買占め行為による当面使用しない商品の発注処理が、中小の特約店が直ちに必要とする商品の発注処理に優先される場合もあり得る。
【0066】
本発明を特徴付ける売手側予約機能は、コンピュータ処理を用いたオンラインによる自動受発注処理においても、上記のような買占め行為を防止することができるようにすることを目的としている。具体的な例で説明すると、前述のような過去の実績及び買手からの情報により2週毎に約100本ずつ鋼管の購入を希望している買手がたとえば財務上の理由等により将来必要な商品を一括して注文できないような場合に、売手側で予めその買手のために、その買手が将来必要とするであろう量の商品を予約するという機能が本発明の売手側予約機能である。このような本発明の売手側予約機能により、オンラインによる在庫問い合わせ時には実際の在庫量から売手側が予約した量を差し引いた量が在庫情報として提示されることになる。そして、買手はその商品を実際に購入することが可能となった時点で、売手が予約してあった商品を通常の在庫検索発注画面ではなく、予約発注画面により正式に発注するようにする。
【0067】
このような本発明のシステムの売手側予約機能の処理について、中央装置1の演算装置10による処理手順を示す図9乃至図12のフローチャート、及び図13乃至図22の中央装置1及び買手側の端末装置2の表示画面の模式図を参照して具体的に説明する。
【0068】
まず、売手側予約処理について図9に示すフローチャート、及び中央装置1の表示画面を示す図13の模式図を参照して説明する。
【0069】
売手側の中央装置1において売手側のユーザ(たとえば営業担当者等)が、図13に示すように、予約対象の特約店のコード(買手コード)、商品(品種コード、サイズ等の商品を特定する情報)及びその数量(本数等)を入力する(ステップS31、S32)。なお、同一の買手であれば同時に複数種の商品の予約が可能である。
【0070】
中央装置1は予約を特定するための予約番号(No.)を自動インクリメント等で採番し(ステップS33)、この予約番号と入力された予約情報とを対応付けて予約情報データベース124(図6参照)に登録する(ステップS34)。買手側は、この予約番号を買手側の端末装置2において後述するメニュー画面(図14参照)上で「予約No.一覧」を選択することにより確認できる(図15参照)。
【0071】
なお、予約番号の買手への提供方法はこれに限らず、自動的に電子メールで送信するようにしてもよく、また電話、FAXにより直接担当者に通知してもよい。
【0072】
なお、予約情報データベース124に上述のようにして登録された予約情報は、中央装置1の演算装置10がその予約の対象となっている買手コードに対応する保管場所コードを買手−保管場所対応テーブル123から読み出し (ステップS35)、この読み出した保管場所コードに対応する商品在庫データベース121の保管場所の該当商品の予約量を具体的には加算することにより更新する (ステップS36)。
【0073】
次に、図10のフローチャートを参照して、ある買手のユーザが在庫検索・発注及び予約分の発注を行なう際の中央装置1の演算装置10の処理手順を説明する。
【0074】
たとえば北海道地域内に存在する特約店(買手)のユーザが在庫検索・発注及び予約分の発注を行なうとすると、まず、ユーザ側の端末装置2にログイン画面(図16参照)が表示されるので、ユーザ側でユーザIDとパスワードとを入力すると、それらが中央装置1へ送信される。中央装置1の演算装置10はこのユーザIDとパスワードとを受信し(ステップS41)、それらをユーザ管理データベース122に登録されている情報と照合し(ステップS42)、認証処理を行なう(ステップS43)。照合結果が一致しない場合、即ち認証に失敗した場合は(ステップS43でNO)、たとえば「ユーザID又はパスワードが間違っています」等の警告メッセージを端末装置2へ送信し(ステップS44)、再度ユーザIDとパスワードとを受信する(ステップS41)。
【0075】
一方、ステップS43での照合結果が一致した場合、即ち認証に成功した場合は(ステップS43でYES)、中央装置1の演算装置10がユーザ管理データベース122に記憶されている情報に基づいて、そのユーザが属する特約店(買手)を特定し、そのコード(買手コード)を一時記憶メモリ11に一時記憶し(ステップS45)、買手側の端末装置2にメニュー画面(図14参照)を表示させるための画面情報を送信する処理を行なう(ステップS46)。
【0076】
これにより買手側の端末装置2には図14に示すようなメニュー画面が表示されるので、買手側のユーザはこのメニュー画面上において、いずれかの処理を選択することができる。従って、これ以降は中央装置1は端末装置2のメニュー画面で選択された処理、即ち買手側のユーザが選択した項目に対応する処理を行なうために、端末装置から送信される要求の受信待ち状態になる(ステップS47)。この待ち時間の間に、中央装置1の演算装置10は一時記憶メモリ11に一時記憶してある買手コードに対応する保管場所コード(この例では、北海道ヤードを示すコード「11」)を買手−保管場所対応テーブル123から読み出して一時記憶メモリ11に一時記憶させる(ステップS48)。これは、一時記憶メモリ11に一時記憶されている買手コードに基づいてその特約店(買手)に商品を提供することが可能な保管ヤードを限定するためである。なお、ステップS48における処理は、ステップS46の処理以前に行なってもよい。
【0077】
これ以降の処理は、買手側が選択したメニューにより異なる処理が行なわれることになるが、以下においては「在庫検索・発注」が選択された場合の在庫情報の検索及びその在庫商品の発注処理と、「予約発注」が選択された場合の予約商品の発注処理について詳細に説明する。
【0078】
まず、買手側の端末装置2にてユーザがメニュー画面上で「在庫検索・発注」を選択して要求すると、中央装置1の演算装置10はその要求を受信する(ステップS49でYES)。これに応じて中央装置1の演算装置10は、各製造所と一時記憶メモリ11に記憶されている保管場所コード(この例では「11」)に対応する保管ヤード(この例では「北海道ヤード」)とのみを在庫情報の検索対象として選択可能とした検索条件入力画面(図17参照)を買手側の端末装置2に表示させる処理を行なう(ステップS50)。
【0079】
なお、本実施の形態においては、製造所に保管されている商品に関する在庫情報は全ての地域(全国)の買手(特約店等)に開示されるようになっているが、製造所が複数存在する場合には、買手の所在地に応じてそれぞれの製造所の商品開示地域を限定してもよい。たとえば、製造所が図3に示したように、関東製造所と関西製造所との2個所存在する場合、北海道、東北及び関東地域の買手には関東製造所で保管されている商品の在庫情報のみを開示するようにしてもよい。
【0080】
また、各製造所に保管されている在庫商品は、前述の如く、基本的にはいずれのヤードの商品提供地域にも含まれない地域(図3に示す例では、甲信越地域、北陸地域、中国地域、四国地域等)の買手向けの商品である。従って、前述のように、保管場所に応じて提供地域を限定し、買手の所在地に対応して限定した保管ヤードの在庫情報のみを提供するという基本的な方針に従えば、製造所に保管されている商品の在庫情報を全買手に提供するのではなく、いずれのヤードの商品提供地域にも含まれない地域の買手にのみ提供することになる。但し、製造所の在庫情報を全買手に提供する場合には別の利点があるため、本発明においては製造所の在庫情報を全買手に提供するようにしているが、これについては後述する。
【0081】
次に、買手側の端末装置2の検索条件入力画面(図17参照)上でユーザが問い合わせ希望の商品及び保管場所にたとえばマウスのクリック等によりチェックを入れることにより(図18参照)、検索条件が設定されて中央装置1へ送信される。
【0082】
中央装置1の演算装置10はこの検索条件を受信すると(ステップS51)、受信した検索条件に見合う在庫情報を商品在庫データベース121に登録されている在庫情報から検索・抽出する(ステップS52)。
【0083】
次に、中央装置1の演算装置10は、抽出した実際の在庫量から予約量を差し引いた量を在庫量として買手側の端末装置2に表示させる(ステップS53)。この状態は図19に示されている。ここで、図19に示されている在庫量は、実際の在庫量から予約量を差し引いた量が表示されることになる。従って、端末装置2の表示を見ている買手側のユーザが、表示されている在庫量の全てを発注したとしても、予約情報データベース124に登録されている予約量は発注の対象外となって確保されることになるので、実際の在庫の全てを買い占められるという事態は防止される。
【0084】
このようにして、買手側の端末装置2に表示される図19に示す画面には、北海道ヤードと関東製造所とにある在庫情報が表示されている。なお、画面の右欄に発注量を入力するための入力欄が用意されており、ヤードにある在庫商品であれば、ユーザが発注権限を有する場合(このユーザが発注権限を有するか否かは、たとえばユーザ管理データベース122に予め登録しておき、受信したユーザIDに基づいて判定することにより容易に可能である)、この発注欄に必要とする数量等を入力して中央装置1へ送信することにより発注を行なうことができる。
【0085】
このようにして買手側の端末装置2から送信された発注の情報は受注情報として中央装置1に受信されるので(ステップS54)、中央装置1の演算装置10は商品在庫データベース121に登録されている情報を受信した受注情報で更新する(ステップS55)。この処理は、具体的には在庫量から受注量を差し引くことにより行なわれる。
【0086】
なお、製造所に保管されている在庫商品については、買手側の端末装置2では在庫情報を確認することのみを可能としてあり、買手側の端末装置2の図19に示す画面からの発注はできないようにしてある。従って、製造所に保管されている在庫商品の発注を買手側のユーザが希望する場合はオフライン処理による必要がある。その理由に関しては後述する。
【0087】
なお、上述の実施の形態では、予約情報データベース124に登録されている予約量に関する情報を商品在庫データベース121にも反映させるようにしている。具体的には、商品在庫データベース121に登録されている在庫情報の中に在庫量に関する情報として現時点における予約量も含まれている。これは、予約情報データベース124に買手毎に登録されている予約残量の保管場所単位の総和に相当する。従って、中央装置1は商品在庫データベース121にアクセスすることにより、実際の在庫量と共に予約量をも抽出することができるので、買手側の端末装置2に検索条件に見合う商品の在庫量として、実際の在庫量から予約量を差し引いた量を表示させることができる。
【0088】
しかし、上述のような構成に代えて、商品在庫データベース121には予約量に関する情報を登録しておかない構成としてもよい。この場合、中央装置1は、買手側の端末装置2からの検索条件を受信すると、受信した検索条件に見合う在庫情報を商品在庫データベース121から検索して抽出すると共に、同一の検索条件に対応する予約情報(現時点における予約量の情報)を予約情報データベース124から抽出する。
【0089】
ここで、商品在庫データベース121には保管場所単位で在庫量が登録されているが、予約情報データベース124には買手単位で予約情報(当初予約量、既発注量、予約残量等)が登録されている。従って、予約情報の抽出の際には、当該保管場所に対応する全買手分の予約情報(当該保管場所に対応する全買手分の予約残量の総和)を抽出する必要がある。そして、商品在庫データベース121から抽出された在庫情報中の在庫量(実際の在庫量)から予約情報データベース124から抽出された予約残量を差し引いた量を在庫量として買手側の端末装置2に表示させるようにすればよい。
【0090】
次に、先のステップS46の処理により端末装置2に表示されるメニュー画面において買手が「予約発注」を選択した場合、即ち中央装置1が「予約発注」要求を受信した場合(ステップS49でNO、S56でYES)について、中央装置1の演算装置10による処理手順を示す図12のフローチャートを参照して説明する。
【0091】
売手側で予め買手を指定して予約してある、即ち売手側予約機能により予約してある商品を買手側が注文する場合は、まずメニュー画面(図14参照)上で「予約発注」を買手側のユーザがたとえばマウスのクリック等で選択して中央装置1へ送信する。この「予約発注」要求を受信することにより(ステップS56)、中央装置1の演算装置10は予約発注画面(図20参照)を買手側の端末装置2に表示させる(ステップS61)。この予約発注画面上でユーザが予約番号を入力すると、それが送信され、中央装置1に受信される(ステップS62)。なお、買手側の端末装置2においては、予約番号は前述した如く、メニュー画面(図14参照)上で「予約No.一覧」を選択することにより確認できる(図15参照)。予約番号を受信した中央装置1の演算装置10は、受信した予約番号の予約情報を予約情報データベース124から読み出し、買手側の端末装置2へ送信して予約情報(図21参照)を表示させる(ステップS63)。
【0092】
ここで、ユーザが発注権限を有する場合は画面の右欄に用意されている発注欄に必要とする数量等を入力して中央装置1へ送信することにより発注することができる。この買手側の端末装置2から送信された発注を中央装置1は受注情報として受信する(ステップS64)。この受注情報を受信すると中央装置1の演算装置10は予約情報データベース124に登録されている予約情報を受信した受注情報で更新する(ステップS65)。この処理は、具体的には既発注量に受注量を加算することにより行なわれる。この際、当然のことながら、予約残量の値も更新される。
【0093】
また、中央装置1の演算装置10は、この予約情報データベース124に登録されている予約情報が更新された結果に従って商品在庫データベース121の該当する予約量を更新する(ステップS66)。この処理は、具体的には商品在庫データベース121に登録されている予約量の値を予約情報データベース124に登録されている予約残量の値に置き換えることにより行なわれる。
【0094】
なお、予約情報データベース124に登録された後に一定期間が経過しても受注がない予約情報に関しては、自動的に取り消されるようにしてもよい。この場合も、取り消された予約情報に従って商品在庫データベース121の該当する予約量が更新される。
【0095】
なお、先のステップS46での処理で表示されるメニュー画面において上述した「在庫検索・発注」及び「予約発注」以外の他の項目が選択された場合は、中央装置1は選択された項目に対応する処理を行なう(ステップS57)。そのような処理としてはたとえば、「注文変更・取消」の機能がある。この機能は注文内容の変更、たとえば注文本数の増減、納期の変更、または注文の取消しを行なうための機能である。更に他の処理としては「注文照会」の機能がある。この機能は、既発注分の内容を確認するための機能である。また更に「予約No.一覧」の機能がある。この機能は、前述したように、買手側が自身向けの予約番号を確認するための機能である。
【0096】
また更に「在庫検索・発注」及び「予約発注」以外の他の機能として「予約進捗照会」の機能がある。この機能は、当初予約量、具体的には予約時の予約量と、その予約に対する既発注量及び予約残量を確認するための機能である。この機能が選択された場合、図22に示すような当初予約量、既発注量及び予約残量が示された「予約進捗照会」の画面が端末装置2に表示される。
【0097】
具体的には、端末装置2から送信された「予約進捗照会」要求を中央装置1が受信すると、中央装置1は予約番号を入力させるための画面を「予約進捗照会」要求を送信した端末装置2に表示させる。そして、この画面上の上半部に入力された予約番号を受信すると、中央装置1は予約情報データベース124にアクセスし、先に受信している予約番号に対応する当初予約量、既発注量及び予約残量に関する情報を抽出し、この抽出した情報に基づいて図22の下半部に示すように、予約分の発注進捗状況を作成して端末装置2に表示させる。
【0098】
このような「予約進捗照会」の機能により、ユーザ(買手側ユーザ及び売手側ユーザ共に)は、現時点における予約残量のみならず最初の予約量、即ち予約時の予約量と既発注量とを確認することが可能になるので、たとえば次回の予約の設定の際の参考、または需要状況の確認等に利用することができる。
【0099】
なお、本実施の形態においては上述のような効果を奏するため、予約情報データベース124に予約量に関する情報として、予約時の予約量(当初予約量)、既発注量、現時点における予約量(予約残量)の3種類のデータが登録されるようにしてあるが、予約時の予約量(当初予約量)及び既発注量に関する情報は必ずしも予約情報データベース124に登録しておく必要はない。具体的には、予約情報データベース124には少なくとも、現時点における予約量のデータが登録されていれば(そして、予約分についての発注がある都度、そのデータが更新されるようにしておけば)、本発明は実現可能である。
【0100】
本発明の電子商取引システムの中央装置1の演算装置10は補助記憶装置12にプログラムファイル125の形態で格納されているコンピュータプログラムを演算装置10が実行することにより上述のような動作を実行することができる。なお、この補助記憶装置12にプログラムファイル125の形態で格納されているコンピュータプログラムはCD−ROMドライブ13によってCD−ROM17から読み込むことができる。
【0101】
図23はそのようなCD−ROM17に記録されているコンピュータプログラムの内容(実質的には補助記憶装置12に格納されているプログラムファイル125の内容と同一)を示す模式図である。
【0102】
CD−ROM17に記録されているコンピュータプログラムの内容は、商品在庫データベース121と、買手−保管場所対応テーブル123と、商品を特定する情報と買手とを特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を登録しておくことができる予約情報データベース124とにアクセス可能であり、各地域内に所在する複数の買手それぞれの端末装置2からインターネットを介してそれぞれが所在する地域に配置されている商品の保管場所から商品を購入するための発注を受け付ける演算装置10を汎用コンピュータで実現するためのコンピュータプログラムである。
【0103】
具体的には、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を予約情報データベース124に記憶させる手順(P01)と、端末装置2から買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は当該在庫商品の発注の要求とを受信する手順(P02)と、受信した買手を特定する情報を一時記憶メモリ11に記憶する手順(P03)と、一時記憶メモリ11に記憶してある買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を買手−保管場所対応テーブル123から読み出して一時記憶メモリ11に記憶する手順(P04)と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を要求を送信した端末装置2へ送信する手順(P05)と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置2から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手順(P06)と、受信した条件に対応する商品を特定する情報及び一時記憶メモリ11に記憶してある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を商品在庫データベース121から抽出する手順(P07)と、抽出した在庫情報に対応する予約量を、抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引いた残りの量を在庫量として表示させるための情報を要求を送信した端末装置2へ送信する手順(P08)とを含んでいる。
【0104】
ところで、上述のように、本実施の形態においては、在庫商品を各地の保管ヤードに保管し、原則として買手の所在地に応じて購入可能な保管ヤードを限定することにより、換言すれば各保管ヤードにはたとえばトラック輸送による一日工程の範囲内等の条件に応じて提供地域が設定されており、原則として地域内の買手に対してのみ商品を提供することにより、輸送コストの低減を図っている。
【0105】
このように本実施の形態において、それぞれの買手に対して商品を供給する保管ヤードを限定することにより、以下のような利点がある。
【0106】
(1)輸送コストを低減できると共に、需要家(買手)への納品に要する時間を短縮できる。
【0107】
具体的には、各ヤードに対して定期的にそれぞれのヤードの提供地域内の全買手向けの商品(その期間におけるその地域の予測需要量)を、船舶輸送等の低コストの輸送手段により製造所から一括して大量輸送することが可能になるため、輸送コストを低減できる。また、各保管ヤードから各買手までの間の輸送は比較的短距離であるため、受注から納品までの時間も短縮できる。
【0108】
これに対してたとえば製造所内又はその近傍等の一箇所において全ての在庫商品を保管するようにした場合は、買手から注文を受ける都度、たとえどれほど少量であっても受注した商品を配送する必要が生じる。このため、トラック等を用いて長距離を少量輸送することになるため輸送コストが嵩むと共に、輸送時間も長時間になるため、より輸送コストが嵩むことになる。たとえば、関東製造所M1で保管している商品を青森まで配送する場合を考えると、東北ヤードY2へ予め需要予測に基づいて船舶により大量輸送してある商品を東北ヤードY2から青森へ配送する方が全体としての輸送コストが格段に低廉であることは明らかである。
【0109】
(2)それぞれの地域に対する需要予測に基づいて商品を製造すること、又は製造された商品をそれぞれの地域に対する需要予測に基づいて輸送・保管することが可能になる。
【0110】
具体的には、本実施の形態においては、商品の提供地域をそれぞれのヤード単位で限定しているため、それぞれのヤードの商品の提供地域に絞って需要予測を行なえばよいようになる。このため、需要予測が比較的容易であり、しかも的中する可能性が高い。
【0111】
更に本実施の形態においては前述の如く、各製造所に保管されている在庫商品は、基本的には商品を提供する保管ヤードが存在しない地域(図3に示す例では、甲信越地域、北陸地域、中国地域、四国地域)に所在の買手向けの在庫商品であり、それらの地域毎の需要予測に基づいて製造・保管されている。しかし、本実施の形態において対象としている鋼管等のような鉄鋼製品では1乃至2ケ月程度のタイムラグは一般的である。このため、そのようなタイムラグの間に、実際の需要状況が当初の需要予測とは異なってしまい、予測した程度には実際の需要がない場合も十分にありうる。
【0112】
従って、各製造所で保管されている在庫の中には、その製造所が商品供給の対象としている地域では当分の間は需要が見込めない、換言すれば注文される可能性が低い在庫も含まれていることがある。逆に、他の地域に対する需要予測が実際の需要よりも少なかった場合には、その地域に商品を供給する保管ヤードに保管されている在庫のみでは当面の需要に応じきれないという事態が生じる可能性もある。
【0113】
しかし上述のような本実施の形態によれば、各製造所の在庫情報を、その製造所が商品の提供対象としている地域のみならず他の地域の買手にも提供可能にすることにより、当面は需要が望めない製造所に保管されている在庫商品をその時点で必要としている他の地域の買手に振当てることができるため、個々の保管ヤードでの在庫不足による販売機会の逸失を防止できることになる。
【0114】
ところで、上述のような需要予測の見込み違いにより発生する在庫商品の過不足は、製造所での在庫に限らず他の全ての保管ヤードにおいても発生する可能性がある。たとえば、北海道地域の需要予測を実際の需要より多く見込んだために北海道ヤードY1では当面は必要のない商品が在庫しており、逆に東海地域の需要予測を実際の需要より少なくしたために東海ヤードY4での在庫が当面の需要に対し不足している場合が生じたとする。この場合、製造所の在庫情報のみならず他の保管ヤードの在庫情報も買手に提供することにより、ある保管ヤードの在庫をその保管ヤードの商品供給地域とは異なる他の地域の買手に提供するということ(以下、「ヤード間融通」という)も可能ではある。このような在庫操作を行なうことにより、在庫不足による販売機会の逸失を防止することが可能になり、上述の製造所在庫を他の地域の買手にも提供する場合と同様の効果を期待することが可能である。
【0115】
しかし、買手に対して本来の商品供給地域ではない他のヤードの在庫情報を開示し、その在庫を他の地域(地域外)の買手に振当てるヤード間融通は、商品の長距離輸送を複数回行なう必要があるため、輸送コストが嵩むという問題が生じる。たとえば、前述のように、関東製造所M1で製造されて一旦北海道ヤードY1へ輸送されたものの当面は需要が望めない在庫商品を東海地域の買手に供給する場合について考えると、その商品の物流経路は、関東製造所M1から北海道ヤードY1まで一旦輸送されたものを、その後に北海道ヤードY1から東海地域まで再度輸送する必要が生じる、即ち長距離輸送を2回行なう必要があり、コストアップの原因となる。
【0116】
これに対して、製造所で保管されている在庫商品は、一度も長距離輸送されていない商品であるため、上述のような余分な輸送コストは発生しない。
【0117】
また、一般的には、各保管ヤードにはそのヤードが商品を提供する地域内に所在する全ての買手向けの商品を一括して、しかも定期的に大量に船舶等で輸送すればよいので、輸送効率がよく、従って輸送コストも軽減できる。しかし、ある買手が一回の注文で必要とする商品の量は、上述したような製造所から保管ヤードへの定期的な大量輸送の際の量に比してはるかに少量であるため、効率が悪く、しかも単位量あたりの輸送コストも大きくなる。具体的には、上述した例のように、北海道ヤードY1の在庫商品を東海地域へ再輸送する場合、関東製造所M1から北海道ヤードY1までの間は船舶等による大量輸送が可能であるが、北海道ヤードY1から東海地域の買手までの配送はトラックによる少量輸送を行なわざるを得ないため、輸送コストが更に嵩むことになる。
【0118】
これに対して、製造所の在庫を東海地域の買手に振当てて配送する場合を考えると、タイミングが合えば、関東製造所M1から東海ヤードY4までの定期輸送に便乗して輸送することも可能である(通常の製造所からヤードヘの定期輸送量に比して個々の買手の注文量ははるかに少ないため、このような便乗輸送は十分に可能である)。従って、東海ヤードY4から買手の所在地までの比較的短距離のみをトラック等による少量輸送すればよいことになるため、更に輸送コストを軽減することが可能になる。
【0119】
以上のように、ある特定の地域の買手を対象として保管している在庫商品を他の地域の買手に振当てる場合であっても、製造所で保管されている在庫商品を他の地域の買手に振当てる場合と、あるヤードで保管されている在庫商品を他の地域の買手に振当てる場合とでは輸送コストの面で格段の差が生じることになる。従って、本実施の形態においては、製造所で保管されている在庫の情報をその製造所の商品供給地域以外の買手に対しても、オンラインによる提供を行なうようにしている。
【0120】
但し、本実施の形態において、一切のヤード間融通を排除する必要はない。ヤード間融通は上述のような問題点があるため、本実施の形態の基本的なオンライン処理においては行なわないことが望ましいということであり、このためオンラインでの在庫情報問い合わせに対しては他の地域のヤードに保管されている在庫の情報を提供しないこととしている。しかし、上述のような問題点があることを承知の上でそれでもなお商品を必要とする場合、たとえば緊急にある商品がどうしても必要であるというような輸送コストの負担があっても構わない場合等においては、売手及び買手側の担当者間の交渉により、即ちオフライン処理によりヤード間融通を行なうことに関しては問題はない。特に、本実施の形態において対象としたガス管等のような災害時にその復旧のために大量に必要になるような商品を対象とするような場合には、オフライン処理によるヤード間融通が必然的に必要になることもありうる。
【0121】
次に、本実施の形態において、製造所で保管している在庫商品をオンラインで即時発注できないようにしている理由について説明する。
【0122】
製造所で保管されている在庫商品は前述した如く、基本的には特定の地域に所在する買手向けに需要予測して製造・保管している商品である。従って、このような在庫商品を他の地域の買手が自由に発注できるようにした場合、以下のような不具合が生じる。
【0123】
たとえば、ある買手がその買手の対象保管ヤードに必要とする商品在庫が存在するにも拘わらず製造所の在庫を発注した場合、ヤード間融通に比して小さいとはいえ余分な輸送コストが発生し、また輸送に時間を要することになるため、買手側に商品が納品されるまでに時間を要することになる。
【0124】
従って本実施の形態では、各製造所で保管されている在庫商品については、どこの製造所にどの商品がどれだけ在庫しているかという在庫情報のみをオンラインで提供することとし、その情報に基づいてオンラインによる即時発注はできないようにしている。各製造所で保管されている在庫情報をみて希望する商品が存在する場合には、オフライン処理により、即ち買手側の担当者が売手側の担当者に電話、FAX、電子メール等の別の手投を用いて一旦買手側に連絡するようにしている。この場合、連絡を受けた売手側担当者の判断により発注の可否を決定すればよい。
【0125】
なお、上述のようなオフライン処理ではなく、本実施の形態のシステムに問い合わせ機能を持たせ、この問い合わせ機能を利用して買手側と売手側とで連絡をするようにしてもよい。
【0126】
更に上述の実施の形態においては、北海道、東北、関東、東海、近畿及び九州の6地域に、それぞれの地域を商品提供地域とする保管ヤードを配置している。そして、保管ヤードが配置されている各地域内に所在する買手には、それぞれが所在する地域を商品提供地域とする保管ヤードに保管されている商品を提供し、保管ヤードが配置されている地域外に所在する買手には製造所保管されている商品を提供するようにしている。このため、各保管ヤードの在庫情報はそれぞれの保管ヤードの商品提供地域内の買手に限定し、また製造所の在庫情報については全ての地域の買手に対してそれぞれオンラインで提供している。
【0127】
しかし、本発明はこのような実施の形態に限定される必要はなく、保管ヤードが配置される地域は任意に設定可能であり、また保管ヤードが配置される地域の数も任意に設定可能である。更に、製造所に保管されている商品についてもその提供地域を限定し、その限定された地域内に所在する買手に対してのみ在庫情報をオンラインで提供するようにしてもよい。
【0128】
更に、本実施の形態では保管ヤードが商品提供の対象としない地域が存在しているが、全ての地域をいずれかの保管ヤードの商品提供地域として漏れなくカバーするようにしてもよい。この場合には、製造所に在庫を保管せずに各保管ヤードの在庫情報をそれぞれの保管ヤードの商品提供地域内に所在する買手に限定してオンラインで提供するようにしてもよい。全ての地域をいずれかの保管ヤードの商品提供地域とするか、または上述した本実施の形態のような保管ヤードが商品提供の対象としない地域を存在させるかは、それぞれの地域における商品の需要状況(予想される売上高等)と、それぞれの地域に保管ヤードを配置し、維持するための経費との兼ね合い、即ち費用対効果の観点から決定してもよいし、需要予測には係わらず長期的な営業戦略上の観点から決定してもよい。いずれにしろ、全ての地域をいずれかの保管ヤードの商品提供地域とするか、または上述した本実施の形態のような保管ヤードが商品提供の対象としない地域を存在させるかは本発明の本質とは関係がなく、いずれの場合に対しても本発明を有効に適用することが可能であることはいうまでもない。
【0129】更に、上述の実施の形態では日本全国を対象としているが、ある特定の地域、たとえば北海道内に所在し、製造所も北海道内に有している売手が北海道内のみを対象として本発明を適用することも勿論可能である。この場合には、商品提供地域として北海道を、道南地域、道北地域、道央地域、道東地域等に分割し、それぞれの地域に保管ヤードを配置するようにすればよい。逆に、全世界を対象とし、各国を商品提供地域として主要な国に保管ヤードを配置するようにしてもよい。
【0130】
いずれにしても、本発明において商品が提供される対象となる地域は特定の地域を意味するものではなく、たとえば国を単位としてもよいし、1国を複数に分割したそれぞれを単位としてもよい。たとえば、日本国内を対象とする場合であれば、都道府県単位、市町村単位、更には同一市町村内で複数の商品提供地域を設定してよい。商品提供地域の単位は、提供される商品に応じて、またその商品の従来の供給形態、商習慣等に応じて決定すればよい。
【0131】
また更に本実施の形態においては、各商品供給地域が相互に重複しないようにしているが、隣接する商品供給地域が部分的に重複するようにそれぞれの商品供給地域を設定してもよい。たとえば、東北ヤードの商品供給地域とこれに隣接する関東ヤードの商品供給地域とを一部重複させて設定し、福島県の南部に所在する買手と茨城県の北部に所在する買手とは東北ヤードと関東ヤードとのいずれからも商品の提供を受けられるようにすると共に、双方のヤードの在庫情報がオンラインにより提供されるようにしてもよい。
【0132】
更に、商品提供地域がより数多く設定されており、換言すれば個々の商品提供地域がより細分化されており、従って保管ヤードの数もより多数である場合であっても、また逆に商品提供地域がより数少なく設定されており、換言すれば個々の商品提供地域がより大きく設定されており、従って保管ヤードの数もより少数である場合であっても本発明は適用可能である。但し、商品提供地域の大小は、商品の輸送面でのコストを考慮した場合に面積が重要な要因となるが、それのみで規定されるものではなく、市場規模等も加味して決定されるべきである。
【0133】
なお更に、商品保管場所が1箇所しか設定されていないような場合であっても本発明は適用可能である。即ち、全ての商品提供対象地域に一箇所の商品保管場所から商品を供給するような場合であっても、本発明を適用することが可能であり、特定の買手による商品の買占めを本発明の売手側予約機能により防止することができる。但し、商品保管場所が多数の地点にあって一つの商品提供地域が小さい場合の方が、一つの商品保管場所での在庫の絶対量が少量になると一般的には考えられる。従ってそのような場合には特定の買手による買占めがより容易になると考えられるため、本発明の売手側予約機能がより効果的に機能すると考えられる。
【0134】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明の電子商取引方法、そのシステム及び中央装置によれば、予め売手側において、買手側の需要予測に対応する分を予約して通常の在庫検索では表示されないようにしているため、小規模で財力がない買手に対してもある程度までの将来にわたる需要を確保しておくことが可能になるので、売手側は販売機会を失する等の不利益を蒙ることはなく、また商品の安定供給の観点からの信用を失うことも回避することが可能になる。
【0135】
また本発明のコンピュータプログラムによれば、上述のような本発明の電子商取引システムの中央装置を汎用コンピュータで実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成の全体を概略的に示すブロック図である。
【図2】商品在庫データベースの内容を示す模式図である。
【図3】保管場所の配置例を示す模式図である。
【図4】ユーザ管理データベースの内容を示す模式図である。
【図5】買手−保管場所対応テーブルの内容を示す模式図である。
【図6】予約情報データベースの内容を示す模式図である。
【図7】本発明方法の基本概念を示すための、中央装置による概略の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明方法の基本概念を示すための、売手側と買手側との間で行なわれる処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明のシステムの売手側予約機能の処理を説明するための中央装置の演算装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明のシステムの売手側予約機能の処理を説明するための中央装置の演算装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明のシステムの売手側予約機能の処理を説明するための中央装置の演算装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明のシステムの売手側予約機能の処理を説明するための中央装置の演算装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図13】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図14】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図15】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図16】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図17】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図18】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図19】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図20】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図21】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図22】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図23】本発明の記録媒体に記録されているコンピュータプログラムの内容示す模式図である。
【符号の説明】
1 中央装置
2 端末装置
10 演算装置
11 一時記憶メモリ
12 補助記憶装置
121 商品在庫データベース
122 ユーザ管理データベース
123 買手−保管場所対応テーブル
124 予約情報データベース
125 プログラムファイル
17 CD−ROM
【発明の属する技術分野】
本発明は電子商取引方法及び電子商取引システムに関し、またそのようなシステムの中央装置、及びそのコンピュータプログラムに関する。特に、本発明は、鋼材等のような比較的単位重量が大きく、そのために輸送コストが嵩む商品の販売の支援に適した電子商取引技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼材等のような比較的単位重量が大きく、従って輸送コストが嵩む商品の取引においては従来は、「(鉄鋼)メーカ」→「商社」→「(鋼材)問屋(特約店)」→「需要家」という流通経路が一般的であった。
【0003】
また、鋼材等のような商品の取引形態は、紐付取引(受注生産販売方法)と店売取引(在庫販売方法)とに大別される。ここで、紐付取引とは、需要家が商品の仕様(鋼種、サイズ、強度、加工性等)を指定して発注し、製造者がその需要家専用として受注生産する形態の商取引であり、この場合にはたとえ少量であってもその輸送コストは無視できない。また、店売取引とは、需要量を予測して予め定められた規格に基づいた商品を製造し、製造された商品を船舶等を利用して大量輸送して個々の問屋等に在庫品として保管しておき、需要家からの注文があった場合に納品する形態の商取引である。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−91540号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前者の紐付取引では、需要家が特定の目的に合わせて特定の仕様の商品を発注するのであるから、その輸送費に関しても商品価格に含まれると見なせるが、後者の店売取引では、需要家が望む商品の在庫が近くの問屋にない場合には、たとえ少量であっても遠くの問屋、または製造所から別途輸送する必要が生じる。しかし、鋼材のような比較的単位重量が大きく、従って輸送コストが嵩む商品をその都度、少量輸送することは経費を要することは勿論のことであるが、大型トラック、大型トレーラ等を使用する必要があるため、環境問題の面からも問題がある。
【0006】
このような事情に鑑みて、店売取引を対象として、商品の在庫を、提供可能地域をそれぞれ限定した複数の保管場所に保管しておき、インターネット等のネットワークを介して行なわれる買手側からの在庫状況問い合わせに対して、その買手に対して商品を提供することが可能な領域の保管場所のみを対象として在庫商品の情報を提示するという従来技術が知られている(特許文献1参照)。
【0007】
この従来技術においては、地域毎の需要予測に基づいて商品を製造し、更に製造後の商品を地域毎の需要予測に基づいて各保管場所ヘ輸送して保管するという、商品の提供地域を限定した在庫保管を行なっているため、個々の地域に絞って需要予測を行なうことが可能になり、需要予測が比較的的中し易いという利点がある。
【0008】
しかし、上述の従来技術では、特定の買手による買占めが行なわれた場合にそれを防止することができないという問題がある。具体的には、商取引においては一般的に買手側の財務状況等に応じて買手毎に取引限度額が定められている場合が多い。また、特に取引限度額が定まっていなくても、代金の支払い方法によっては必然的に商品の購入数が限定される場合もある。買手が仲介業者である場合、典型的には、規模の小さい仲介業者ほど一度の注文で購入できる商品の数量が少なく、規模が大きい仲介業者ほど一度の注文で購入できる商品の数量が多くなる。このため、全国を対象とした在庫量に比して個々の地域での在庫量が少なくなることは当然のことであるため、個々の地域において規模の大きい仲介業者による在庫商品の買占めが、たとえ故意ではなくとも行なわれる可能性があり、規模の小さい仲介業者は商品を購入することができなくなる虞が生じる。
【0009】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、売手側が実際に存在する在庫の一部を自ら予約すること(以下、売手側予約機能と言う)により、オンライン問い合わせによる在庫の回答画面では見えないようにして買手側には在庫量を実際のそれよりも少なく見せることにより、売手側が自ら予約した在庫については発注できない状態にして買占めを防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子商取引方法は、商品を特定する情報及び各商品の在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置にアクセス可能な中央装置に対して、複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介して商品の在庫検索及び/又は発注を行なえるようにした電子商取引方法であって、前記中央装置によるアクセスが可能であり、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶する予約情報記憶装置に、前記中央装置が予約量を記憶させるステップと、買手の端末装置から送信された在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを前記中央装置が受信するステップと、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置に対して前記中央装置が送信するステップと、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を前記中央装置が受信するステップと、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から前記中央装置が抽出するステップと、前記抽出された在庫情報に対応する予約量を前記抽出された在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ前記中央装置が送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
このような本発明の電子商取引方法では、商品を特定する情報及び各商品の在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置にアクセス可能な中央装置に対して、複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介して商品の在庫検索及び/又は発注を行なえるようにした電子商取引方法であって、まず商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量が予約情報記憶装置に記憶される。そして、買手の端末装置から送信された在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを中央装置が受信する。次に、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求を送信した端末装置に対して中央装置が送信するので、その画面情報を端末装置が表示する。そして、端末装置から検索及び/又は発注する商品の条件を中央装置が受信すると、中央装置は受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を商品在庫データベース装置から抽出する。中央装置は、このようにして抽出された在庫情報に対応する予約量を抽出された在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を端末装置へ送信する。
【0012】
また、本発明の電子商取引方法は、商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることによりそれぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置とにアクセス可能な中央装置に対して、各地域内に所在する複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介してそれぞれが所在する地域に配置されている保管場所にある商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を行なえるようにした電子商取引方法であって、前記中央装置によるアクセスが可能であり、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶する予約情報記憶装置に、前記中央装置が予約量を記憶させるステップと、買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを前記中央装置が受信するステップと、受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から前記中央装置が読み出して一時記憶手段に記憶させるステップと、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置に対して前記中央装置が送信するステップと、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を前記中央装置が受信するステップと、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び前記一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から前記中央装置が抽出するステップと、前記抽出された在庫情報に対応する予約量を前記抽出された在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ前記中央装置が送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電子商取引システムは、商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、各地域内に所在する複数の買手それぞれが端末装置から通信回線を介して中央装置に対してそれぞれが所在する地域に配置されている保管場所に保管されている商品の在庫検索及び/又は発注を行なうための電子商取引システムであって、前記中央装置によるアクセスが可能であり、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶した予約情報記憶装置と、前記中央装置によるアクセスが可能であり、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、前記中央装置によるアクセスが可能であり、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることにより、それぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置とを含み、各端末装置は、通信回線を介して前記中央装置に対して、買手を特定する情報と、前記商品在庫データベース装置に記憶されている在庫情報の検索及び/又は在庫商品の発注の要求とを送信する手段を備え、前記中央装置は、受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から読み出して一時記憶手段に記憶させる手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び前記一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手段と、前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
以上のような本発明の電子商取引方法及びシステムでは、商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることによりそれぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置とにアクセス可能な中央装置に対して、各地域内に所在する複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介してそれぞれが所在する地域に配置されている保管場所にある商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を行なうようにした電子商取引方法及びシステムであって、まず商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量が予約情報記憶装置に記憶される。そして、買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを中央装置が受信する。この受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を買手−保管場所対応情報記憶装置から中央装置が読み出して一時記憶手段に記憶させ、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を端末装置に対して中央装置が送信するので、その画面情報を端末装置が表示する。そして、端末装置から検索及び/又は発注する商品の条件を中央装置が受信すると、中央装置は受信した条件に対応する商品を特定する情報及び一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を商品在庫データベース装置から抽出する。中央装置は、このようにして抽出された在庫情報に対応する予約量を抽出された在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を端末装置へ送信する。
【0015】
本発明の中央装置は、通信回線を介して商品の在庫検索及び/又は発注を受け付ける中央装置であって、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を送信する手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を記憶装置から抽出する手段と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応して予め記憶装置が記憶している予約量を読み出す手段と、前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を送信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
このような本発明の中央装置では、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求を受信すると、受信した検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を送信する。そして、検索及び/又は発注する商品の条件を受信すると、受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を記憶装置から抽出すると共に、受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応して予め記憶装置が記憶している予約量を読み出す。中央装置は、このようにして抽出した在庫情報に対応する予約量を抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を端末装置へ送信する。
【0017】
また本発明の中央装置は、買手の端末装置から通信回線を介して送信される商品の在庫検索及び/又は発注を受け付ける中央装置であって、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶した予約情報記憶装置と、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置とにアクセスすることが可能であり、買手の端末装置から送信された在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手段と、前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
このような本発明の中央装置では、買手の端末装置から送信された在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信すると、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求を送信した端末装置へ送信する。そして、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信すると、受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する。中央装置は、このようにして抽出した在庫情報に対応する予約量を予約情報記憶装置から読み出して在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を端末装置へ送信する。
【0019】
更に本発明の中央装置は、商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、各地域内に所在する複数の買手それぞれが端末装置から通信回線を介して、それぞれが所在する地域に配置されている保管場所から商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を受け付ける中央装置であって、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶した予約情報記憶装置と、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることにより、それぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置とにアクセスすることが可能であり、買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手段と、受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から読み出して一時記憶手段に記憶させる手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び前記一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手段と、前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
このような本発明の中央装置では、買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信すると、受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を複数の保管場所から特定する情報を記憶装置から読み出して一時記憶し、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を送信する。そして、検索及び/又は発注する商品の条件を受信すると、受信した条件に対応する商品を特定する情報及び一時記憶している保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を記憶装置から抽出する。中央装置は、このようにして抽出した在庫情報に対応する予約量を予約情報記憶装置から読出し、抽出した在庫情報の内の在庫量から予約量を差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を端末装置へ送信する。
【0021】
本発明のコンピュータプログラムは、複数の地域にそれぞれ配置された保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることによりそれぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置と、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶する予約情報記憶装置とにアクセス可能であり、各地域内に所在する複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介してそれぞれが所在する地域に配置されている商品の保管場所にある商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を受け付けるコンピュータのためのコンピュータプログラムであって、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を前記予約情報記憶装置に記憶させる手順と、買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手順と、受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から読み出して一時記憶する手順と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手順と、前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手順と、前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び一時記憶してある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手順と、前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手順とをコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とする。
【0022】
以上のような本発明のコンピュータプログラムでは、記録媒体に記録されているコンピュータプログラムを汎用のコンピュータシステムに読み取らせてインストールことにより、前述のような本発明の電子商取引システムの中央装置が実現される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0024】
なお、本発明において売手とは、対象となる商品を製造し、それを消費者または仲介業者等に販売する製造業者自身が基本的には相当するが、そのような製造業者から商品を大量に購入してそれを消費者または下位の仲介業者等に販売する商社等のような上位の仲介業者等も売手となる場合がある。また、本発明において買手とは、上述のような種々の売手から商品を購入する消費者または商社・問屋等の仲介業者、更には販売業者が相当する。
【0025】
また、以下の実施の形態においては、鋼管を取引対象の商品とし、鉄鋼メーカ(鉄鋼製造業者)が売手であり、この鉄鋼メーカと予め契約している商社または特約店等の仲介業者が買手である場合を例として説明する。更に、以下の実施の形態においては、基本的には売手が日本国内の各地に在庫商品を保管するための保管ヤードを保持して管理しており、中央装置も売手が管理しているものとする。
【0026】
但し、取引対象の商品が鋼管であることは一例であって、他の種々の商品に関しても、本発明を適用することが可能である。また、中央装置の管理に関しても、必ずしも売手が行なう必要はなく、中立的な第三者が行なってもよい。
【0027】
図1は本発明のシステム構成の全体を概略的に示すブロック図である。本発明のシステムは、売手側の中央装置1と、複数の買手側の端末装置2とが通信回線としてのインターネットINで接続されている。なお、通信回線はインターネットに限らず、専用回線等であってもよい。
【0028】
中央装置1には、演算装置10と、一時記憶メモリ11と、大容量のハードディスク装置等を利用した補助記憶装置12と、CD−ROM等の記録媒体からソフトウェアプログラム、データ等を読取るためのCD−ROMドライブ(CDD)等の再生装置13と、CRTディスプレイ等の表示装置14と、キーボード15及びマウス16等の入力装置とが含まれる。
【0029】
演算装置10は一般的な汎用コンピュータを使用することが可能であることは勿論であるが、補助記憶装置12を内蔵した専用のコンピュータシステムとして構成されていてもよいし、補助記憶装置12は中央装置1とはLANまたはインターネット等でネットワーク接続されていてもよい。要するに、演算装置10が補助記憶装置12にアクセス可能であれば、補助記憶装置12が中央装置1に内蔵されていて演算装置10と直接接続されている形態であってもよいし、補助記憶装置12が中央装置1には内蔵されておらず、ネットワーク接続されているような形態であってもよい。
【0030】
一時記憶メモリ11は、演算装置10による処理の過程で必要な情報を一時的に記憶するためのメモリであり、演算装置10に内蔵されているRAM,フラッシュメモリ等が利用可能であるが、ハードディスク装置である補助記憶装置12が演算装置10に直接接続されているような場合にはその一部の領域を利用してもよいし、専用のハードディスク装置であってもよい。
【0031】
補助記憶装置12は以下のような種々のデータベース、テーブルを記憶している。補助記憶装置12には、商品在庫データベース121(図2参照)、ユーザ管理データベース122(図4参照)、買手−保管場所対応テーブル123(図5参照)、予約情報データベース124(図6参照)等が適宜の領域に登録されている。
【0032】
また、補助記憶装置12には、この演算装置10用のプログラムが詳細は後述するがプログラムファイル125の形態で格納されており、必要に応じて演算装置10により読み出されて実行される。
【0033】
CD−ROMドライブ13は、CD−ROM17が装入された場合にそれに記録されているコンピュータプログラムを演算装置10に読み込ませるためのものである。CD−ROMドライブ13から読み込まれたコンピュータプログラムは前述したように補助記憶装置12にプログラムファイル125の形態で格納される。
【0034】
一方、買手である仲介業者にはそれぞれ端末装置2が備えられている。この買手側の端末装置2も、インターネットのブラウザソフトウェアがインストールされていればパーソナルコンピュータ等の一般的なコンピュータシステムが使用可能である。従って、各端末装置には、通常のコンピュータシステムと同様に、表示装置であるディスプレイ24、入力装置であるキーボード25及びマウス26等が備えられている。
【0035】
なお、買手である仲介業者にはそれぞれ複数のユーザ(端末装置の利用者、具体的にはその業者の資材購入担当者等)A,B…が存在することが一般的である。従って、仲介業者が使用する端末装置2は、ユーザA,B…毎に権限を変えるようにしてもよい。たとえば、同じ買手側の企業内のユーザであっても、ユーザAは在庫確認及び発注が可能であるが、ユーザBは在庫確認のみ可能である、というようにしてもよいし、また同じ買手側の企業内に複数の端末装置を備えておき、端末装置毎にそれを中央装置1側で特定することにより、ある端末装置は在庫確認及び発注が可能であるが、他の端末装置は在庫確認のみ可能である、というようにしてもよい。
【0036】
図2は商品在庫データベース121の内容を示す模式図である。この商品在庫データベース121に登録されている在庫情報としては、(1)商品を特定する情報、(2)在庫量に関する情報、(3)保管場所を特定する情報が含まれている。商品を特定する情報(1)としては、品種名、品種コード、外径、長さがそれぞれ登録されている。在庫量に関する情報(2)としては、各商品に関して、その保管場所に実際に保管されている商品の在庫量が重量、本数等でそれぞれ登録されており、また予約量もそれぞれ登録されている。保管場所を特定する情報(3)としては、保管場所名とそのコード(保管場所コード)とが登録されている。
【0037】
なお、商品在庫データベース121に登録されている品種名において「ガス管」はガス用の配管を、「白」/「黒」はメッキの有無を、「付」/「無」は管端部のネジの有無をそれぞれ示している。従って、たとえば「ガス管白無」とは、メッキを施したガス管であって、管端部にネジ切りが施されていないものを指す。
【0038】
また、保管場所を特定する情報の内の場所名として「ヤード」と「製造所」とがある。ここで、ヤードとは、在庫商品を保管するために各地に配置されている保管場所である。また、製造所とは、製造所内に設置されている保管場所であり、その製造所で製造された商品をそのまま保管している。各ヤードには、各製造所で製造された商品が船舶等の大量輸送機関を用いて一括して安価に大量輸送され、保管されている。
【0039】
更に、予約量とは予約情報データベース124に登録されている現時点における予約量(予約残量)のことであり、在庫量が買手側の端末装置2に開示される際には実際の在庫量からこの予約量が差し引かれた量が開示される。なお、この予約量に関しては必ずしも商品在庫データベース121に登録しておく必要はなく、予約情報データベース124に登録されている予約量と対応付けられていればよい。
【0040】
図3は上述の保管場所の配置例を示す模式図である。在庫商品を保管する保管場所として本実施の形態では、関東と関西との2箇所の製造所M1、M2(実際の保管場所としては、各製造所内の倉庫が使用される)と、北海道、東北、関東、東海、関西及び九州に各地域にそれぞれ配置された6箇所の保管ヤード(北海道ヤードY1、東北ヤードY2、関東ヤードY3、東海ヤードY4、近畿ヤードY5及び九州ヤードY6)とが用意されている。そして、各保管ヤードの商品提供地域としては図3にそれぞれハッチングで示すように、北海道ヤードY1には北海道地域が、東北ヤードY2には東北地域が、関東ヤードY3には関東地域が、東海ヤードY4には東海地域が、近畿ヤードY5には近畿地域が、九州ヤードY6には九州地域がそれぞれ他の保管ヤードとは重複しないように設定されている。
【0041】
また、これらのいずれの保管ヤードの商品提供地域にも含まれない白地で示した地域、具体的には甲信越地域、北陸地域、中国地域、四国地域も存在している。これらのいずれの保管ヤードの商品提供地域にも含まれない各地域に対しては、各製造所M1、M2がそれぞれ商品の提供を行なう。なお、原則的には、関東製造所M1が甲信越地域及び北陸地域に、関西製造所M2が中国地域及び四国地域に商品の提供を行なう。
【0042】
このような各ヤードと商品提供地域との関係は、たとえば、北海道地域内に存在する買手は、原則として北海道ヤードY1に保管されている在庫商品のみを購入することができるように予め取り決められている。また、各製造所(関東製造所M1、関西製造所M2)に保管されている在庫商品は、原則としては上述した如く各保管ヤードの商品提供地域に含まれない地域に存在する買手用であるが、余剰在庫等が含まれている場合もある。図3に示す例では、北陸地域、甲信越地域、中国地域、四国地域には保管ヤードが配置されていないため、これらの地域に存在する買手は関西製造所または関東製造所に保管されている在庫商品を購入するように予め取り決められている。
【0043】
図4はユーザ管理データベース122の内容を示す模式図である。このユーザ管理データベース122に登録されている情報は、個々のユーザに関して、付与されているユーザID、ユーザ名、パスワード、買手コード(買手の企業それぞれに付与されているコード)、買手名(買手の企業の名称)等である。なお、複数のユーザが同一の買手に含まれる場合がある。またその他にこのユーザ管理データベース122には、売手側企業の従業員もユーザとして登録されており(図4に示す例では、ユーザIDが「C10005」のユーザ)、これに対しては買手コード及び買手名は登録されておらず、代わりに売手側企業での部署コードが登録されている。この売手側のユーザは売手側予約機能を利用して予約の設定を行なうため、及び在庫状況の確認を行なうため等の目的で登録されている。
【0044】
なお、図4には示されていないが、ユーザが発注権限を有するか否かを区別する必要がある場合には、各ユーザに対応して発注権限を有するか否かを区別する情報をこのユーザ管理データベース122に登録しておけばよい。
【0045】
図5は買手−保管場所対応テーブル123の内容を示す模式図である。この買手−保管場所対応テーブル123に登録されている情報は、上述のユーザ管理データベース122に登録されている買手コードと、前述の商品在庫データベース121に登録されている保管場所コードとを対応付けたテーブルである。従って、ユーザ管理データベース122からユーザコードと買手コードとを対応を調べ、この買手−保管場所対応テーブル123に登録されている買手コードと保管場所コードとの対応関係に従って、各買手側企業に対して保管場所が限定されることになる。
【0046】
図6は予約情報データベース124の内容を示す模式図である。この予約情報データベース124に登録されている情報は、予約番号(予約No.)、買手コード、買手名、品種コード、外径、長さ、当初予約量(予約時点での量)、既発注量、予約残量(現時点における予約量、即ち当初予約量から既発注量を差し引いた残量)等である。
【0047】
図7は本発明方法の基本概念を示すための、中央装置1による概略の処理手順を示すフローチャートである。中央装置1は基本的には、在庫情報の登録・更新の処理と、売手側予約の設定の処理と、買手側の端末装置2からのログインに応対する処理とを、随時行なうことができる。具体的には以下のようになる。
【0048】
中央装置1は、在庫情報の登録・更新の処理が要求されると(ステップS01でYES)、所定の在庫情報の登録・更新の処理を実行し(ステップS02)、売手側予約の設定の処理が要求されると(ステップS03でYES)、後述するような所定の売手側予約の設定の処理を実行し(ステップS04)、買手側の端末装置2からのログインがあると(ステップS05でYES)、ログインした買手側の端末装置2に応対する処理を実行する(ステップS06)。
【0049】
なお、ステップS02の在庫情報の登録・更新の処理は従来公知の一般的な在庫情報を登録するための処理及び登録済のデータを更新するための処理である。ステップS04の「売手側予約の設定」の処理は本発明を特徴付ける処理であり、売手側において、ある買手のために商品を予め確保しておくことにより、他の買手による商品の買占めを防止することを目的とした処理である。ステップS06のログインした買手側の端末装置2に応対する処理は、基本的には従来公知の電子商取引の処理である。
【0050】
図8は上述のステップS06のログインした買手側の端末装置2に応対する処理の手順を示すための、売手側と買手側との間で行なわれる処理手順を示すフローチャートである。なお、図1に示されているように、売手側には中央装置1が、買手側には売手側の中央装置1とインターネットINで接続された端末装置2が備えられている。従って、本発明方法は基本的には売手側の中央装置1と買手側の端末装置2との間でインターネットINを介して行なわれる電子商取引である。
【0051】
買手側が端末装置2からログインすると(ステップS11)、売手側の中央装置1では前述したステップS06の買手側の端末装置2に応対する処理を開始し、まずログインした端末装置2の買手が商品を購入することが出来るヤードを特定する(ステップS12)。
【0052】
この買手が商品を購入することが出来るヤードを特定することにより、買手側からはある限定されたヤード、具体的にはその買手の所在地に対応するヤードの在庫に関してのみ在庫情報のオンラインによる照会を行なうこと、及びその在庫商品をオンラインにより発注することが可能な状態になる。但し、後述するように、製造所の在庫に関しては買手の所在地には拘わらずにオンラインによる在庫情報の照会が可能である。
【0053】
中央装置1は次に買手の端末装置2にメニュー画面を表示させるための画面情報を送信する(ステップS13)。これに応じて、ユーザ端末装置2には図14に示すようなメニュー画面が表示されるので(ステップS14)、買手側のユーザはここでいずれかの処理を選択することができる。たとえば、売手が予約してくれている予約分の商品を買手が発注すること(「予約発注」)、商品の在庫を検索すること及び/又は発注すること(「在庫検索・発注」)等である。「予約発注」が選択された場合(ステップS15でYES)、中央装置1では所定の受注処理を行なう(ステップS16)。なお、上述のステップS12とS13とは、その処理順序が逆であってもよい。
【0054】
買手側のユーザが端末装置2で在庫検索を選択すると(ステップS17でYES)、売手側の中央装置1は、製造所の在庫と、その買手に特定されているヤードの在庫との内から買手の端末装置2から送信された検索条件に見合う在庫情報を商品在庫データベース121から抽出し(ステップS18)、買手側の端末装置2に表示させる。但しこの際、在庫量として買手側の端末装置2に表示される量は、実際の在庫量から売手側が予約してある予約量を差し引いた量である。
【0055】
このようにして買手側の端末装置2にはその買手の要求に見合う製造所の在庫と、特定されたヤードの在庫とが表示される(ステップS19)。これによって、買手はヤードの在庫を発注することができる(ステップS20でYES)。買手が端末装置2でヤードの在庫を発注した場合(ステップS20でYES)、売手側の中央装置1では所定の受注処理を行なう(ステップS16)。
【0056】
一方、買手がヤードの在庫を発注せず(ステップS20でNO)、製造所の在庫を発注したい場合は、端末装置2によるオンライン処理ではなく、オフライン処理が行なわれる(ステップS21)。
【0057】
本発明の電子商取引方法は基本的な概念としては上述のような手順で実行されるが、それを本発明の電子商取引システムにより実行される具体的な処理手順について説明する。
【0058】
まず、本発明を特徴付ける機能の内の売手側予約機能について説明する。商品販売に際しての予約とは通常は買手側が事前に購入意志を表明することにより実在しない商品を購入する権利、または既に存在する商品を実際に購入可能になるまで確保しておくことを意味する。しかし、本発明における売手側予約機能は、買手側ではなく売手側が買手側の将来の購買意志を予測または確認して予め商品を確保しておくということが特徴である。以下、この売手側予約機能について具体的に説明する。
【0059】
本発明のシステムでは、中央装置1を使用して売手側が在庫の一部又は全部を事前に予約できる売手側予約機能を有している。この売手側予約機能により、特定の買手による買占めを防止することができる。
【0060】
商取引においては一般的に、買手側の財務状況等に応じて買手毎に取引限度額が定められている場合が多い。また、特に取引限度額が定まっていない場合においても、代金の支払い方法によっては必然的に商品の購入数が限定されることもある。買手が仲介業者である場合、典型的には、規模の小さい仲介業者ほど一度に購入できる商品の数量が少なく、規模が大きい仲介業者ほど一度に購入できる商品の数量が多い。このため、意図するとしないとには拘わらず、規模の大きい仲介業者による在庫商品の買占めが行なわれる虞がある。
【0061】
このような事情に鑑み、実際に存在する在庫の一部を売手側が自ら予約することにより、在庫の一部または全部をオンラインでの在庫情報の問い合わせによる回答画面には見えないようにして買手側には実際の在庫量よりも少ない在庫量が提示されるようにする。このような処理により、実際の在庫量の内の売手側で予約された分については通常の発注はできなくなるため、買占めを防止することが可能になるという機能が本発明の売手側予約機能である。
【0062】
具体的には、買手側の過去の購入実績に基づく予測、または買手側からの要望に基づいて売手側が予約量を設定する。たとえば、買手であるX特約店が過去の3ケ月間、2週毎に約100本ずつ鋼管を購入しており、X特約店の担当者からの連絡により今後も少なくとも1年間はこのペースで鋼管を必要としている、と売手側が把握している場合を考える。しかし、X特約店はその財務状況等(取引限度額)の理由により、将来必要とする分の鋼管を事前に注文して購入することできない場合(たとえば、2ケ月先を見込んで現在必要な本数に加えて更に400本を確保しておきたいが、取引限度額を超えるため現在必要な本数分しか注文できない場合)、大手のY特約店によりその商品が買占められるような事態になると、X特約店が購入可能となった時点では必要な在庫がない可能性がある。
【0063】
このような場合、X特約店は大手のY特約店からある程度のマージンを上乗せして再購入するか、または他の売手から購入するか、等の対策を採らざるを得なくなる。しかし、このような購入行為はコストアップを招来する可能性が高く、また過去に取引がなかった売手からの比較的少量の新規の購入は通常は困難である。一方、一定の期間内であれば注文の取消も通常は可能であるため、大手のY特約店が一旦買占めた商品を後日キャンセルした場合等には、売手側はX特約店等の中小の特約店に本来販売することができたはずの商品の販売機会を失する等の不利益を蒙るのみならず、X特約店に対しては商品を安定的に供給することができなかったため、結果的には信用を失うことになる。
【0064】
以上のように、特定の買手による在庫商品の買占め行為は、売手側にも買手側にも不利益を生じる虞があり、延いてはコストアップ、納品遅れ等に伴う工期の遅延を招来し、公共工事である場合には公共の利益を失う可能性すら考えられる。
【0065】
ところが、コンピュータシステムを用いたオンラインによる自動発注処理の場合、意図的な買占め行為であるのか、実際に必要とする量の発注であるのかを自動的に判断することは困難である。また、コンピュータを用いて自動処理する場合は、時間的に先に受信した注文処理が通常は優先して受け付けられるため、大手特約店の意図的な買占め行為による当面使用しない商品の発注処理が、中小の特約店が直ちに必要とする商品の発注処理に優先される場合もあり得る。
【0066】
本発明を特徴付ける売手側予約機能は、コンピュータ処理を用いたオンラインによる自動受発注処理においても、上記のような買占め行為を防止することができるようにすることを目的としている。具体的な例で説明すると、前述のような過去の実績及び買手からの情報により2週毎に約100本ずつ鋼管の購入を希望している買手がたとえば財務上の理由等により将来必要な商品を一括して注文できないような場合に、売手側で予めその買手のために、その買手が将来必要とするであろう量の商品を予約するという機能が本発明の売手側予約機能である。このような本発明の売手側予約機能により、オンラインによる在庫問い合わせ時には実際の在庫量から売手側が予約した量を差し引いた量が在庫情報として提示されることになる。そして、買手はその商品を実際に購入することが可能となった時点で、売手が予約してあった商品を通常の在庫検索発注画面ではなく、予約発注画面により正式に発注するようにする。
【0067】
このような本発明のシステムの売手側予約機能の処理について、中央装置1の演算装置10による処理手順を示す図9乃至図12のフローチャート、及び図13乃至図22の中央装置1及び買手側の端末装置2の表示画面の模式図を参照して具体的に説明する。
【0068】
まず、売手側予約処理について図9に示すフローチャート、及び中央装置1の表示画面を示す図13の模式図を参照して説明する。
【0069】
売手側の中央装置1において売手側のユーザ(たとえば営業担当者等)が、図13に示すように、予約対象の特約店のコード(買手コード)、商品(品種コード、サイズ等の商品を特定する情報)及びその数量(本数等)を入力する(ステップS31、S32)。なお、同一の買手であれば同時に複数種の商品の予約が可能である。
【0070】
中央装置1は予約を特定するための予約番号(No.)を自動インクリメント等で採番し(ステップS33)、この予約番号と入力された予約情報とを対応付けて予約情報データベース124(図6参照)に登録する(ステップS34)。買手側は、この予約番号を買手側の端末装置2において後述するメニュー画面(図14参照)上で「予約No.一覧」を選択することにより確認できる(図15参照)。
【0071】
なお、予約番号の買手への提供方法はこれに限らず、自動的に電子メールで送信するようにしてもよく、また電話、FAXにより直接担当者に通知してもよい。
【0072】
なお、予約情報データベース124に上述のようにして登録された予約情報は、中央装置1の演算装置10がその予約の対象となっている買手コードに対応する保管場所コードを買手−保管場所対応テーブル123から読み出し (ステップS35)、この読み出した保管場所コードに対応する商品在庫データベース121の保管場所の該当商品の予約量を具体的には加算することにより更新する (ステップS36)。
【0073】
次に、図10のフローチャートを参照して、ある買手のユーザが在庫検索・発注及び予約分の発注を行なう際の中央装置1の演算装置10の処理手順を説明する。
【0074】
たとえば北海道地域内に存在する特約店(買手)のユーザが在庫検索・発注及び予約分の発注を行なうとすると、まず、ユーザ側の端末装置2にログイン画面(図16参照)が表示されるので、ユーザ側でユーザIDとパスワードとを入力すると、それらが中央装置1へ送信される。中央装置1の演算装置10はこのユーザIDとパスワードとを受信し(ステップS41)、それらをユーザ管理データベース122に登録されている情報と照合し(ステップS42)、認証処理を行なう(ステップS43)。照合結果が一致しない場合、即ち認証に失敗した場合は(ステップS43でNO)、たとえば「ユーザID又はパスワードが間違っています」等の警告メッセージを端末装置2へ送信し(ステップS44)、再度ユーザIDとパスワードとを受信する(ステップS41)。
【0075】
一方、ステップS43での照合結果が一致した場合、即ち認証に成功した場合は(ステップS43でYES)、中央装置1の演算装置10がユーザ管理データベース122に記憶されている情報に基づいて、そのユーザが属する特約店(買手)を特定し、そのコード(買手コード)を一時記憶メモリ11に一時記憶し(ステップS45)、買手側の端末装置2にメニュー画面(図14参照)を表示させるための画面情報を送信する処理を行なう(ステップS46)。
【0076】
これにより買手側の端末装置2には図14に示すようなメニュー画面が表示されるので、買手側のユーザはこのメニュー画面上において、いずれかの処理を選択することができる。従って、これ以降は中央装置1は端末装置2のメニュー画面で選択された処理、即ち買手側のユーザが選択した項目に対応する処理を行なうために、端末装置から送信される要求の受信待ち状態になる(ステップS47)。この待ち時間の間に、中央装置1の演算装置10は一時記憶メモリ11に一時記憶してある買手コードに対応する保管場所コード(この例では、北海道ヤードを示すコード「11」)を買手−保管場所対応テーブル123から読み出して一時記憶メモリ11に一時記憶させる(ステップS48)。これは、一時記憶メモリ11に一時記憶されている買手コードに基づいてその特約店(買手)に商品を提供することが可能な保管ヤードを限定するためである。なお、ステップS48における処理は、ステップS46の処理以前に行なってもよい。
【0077】
これ以降の処理は、買手側が選択したメニューにより異なる処理が行なわれることになるが、以下においては「在庫検索・発注」が選択された場合の在庫情報の検索及びその在庫商品の発注処理と、「予約発注」が選択された場合の予約商品の発注処理について詳細に説明する。
【0078】
まず、買手側の端末装置2にてユーザがメニュー画面上で「在庫検索・発注」を選択して要求すると、中央装置1の演算装置10はその要求を受信する(ステップS49でYES)。これに応じて中央装置1の演算装置10は、各製造所と一時記憶メモリ11に記憶されている保管場所コード(この例では「11」)に対応する保管ヤード(この例では「北海道ヤード」)とのみを在庫情報の検索対象として選択可能とした検索条件入力画面(図17参照)を買手側の端末装置2に表示させる処理を行なう(ステップS50)。
【0079】
なお、本実施の形態においては、製造所に保管されている商品に関する在庫情報は全ての地域(全国)の買手(特約店等)に開示されるようになっているが、製造所が複数存在する場合には、買手の所在地に応じてそれぞれの製造所の商品開示地域を限定してもよい。たとえば、製造所が図3に示したように、関東製造所と関西製造所との2個所存在する場合、北海道、東北及び関東地域の買手には関東製造所で保管されている商品の在庫情報のみを開示するようにしてもよい。
【0080】
また、各製造所に保管されている在庫商品は、前述の如く、基本的にはいずれのヤードの商品提供地域にも含まれない地域(図3に示す例では、甲信越地域、北陸地域、中国地域、四国地域等)の買手向けの商品である。従って、前述のように、保管場所に応じて提供地域を限定し、買手の所在地に対応して限定した保管ヤードの在庫情報のみを提供するという基本的な方針に従えば、製造所に保管されている商品の在庫情報を全買手に提供するのではなく、いずれのヤードの商品提供地域にも含まれない地域の買手にのみ提供することになる。但し、製造所の在庫情報を全買手に提供する場合には別の利点があるため、本発明においては製造所の在庫情報を全買手に提供するようにしているが、これについては後述する。
【0081】
次に、買手側の端末装置2の検索条件入力画面(図17参照)上でユーザが問い合わせ希望の商品及び保管場所にたとえばマウスのクリック等によりチェックを入れることにより(図18参照)、検索条件が設定されて中央装置1へ送信される。
【0082】
中央装置1の演算装置10はこの検索条件を受信すると(ステップS51)、受信した検索条件に見合う在庫情報を商品在庫データベース121に登録されている在庫情報から検索・抽出する(ステップS52)。
【0083】
次に、中央装置1の演算装置10は、抽出した実際の在庫量から予約量を差し引いた量を在庫量として買手側の端末装置2に表示させる(ステップS53)。この状態は図19に示されている。ここで、図19に示されている在庫量は、実際の在庫量から予約量を差し引いた量が表示されることになる。従って、端末装置2の表示を見ている買手側のユーザが、表示されている在庫量の全てを発注したとしても、予約情報データベース124に登録されている予約量は発注の対象外となって確保されることになるので、実際の在庫の全てを買い占められるという事態は防止される。
【0084】
このようにして、買手側の端末装置2に表示される図19に示す画面には、北海道ヤードと関東製造所とにある在庫情報が表示されている。なお、画面の右欄に発注量を入力するための入力欄が用意されており、ヤードにある在庫商品であれば、ユーザが発注権限を有する場合(このユーザが発注権限を有するか否かは、たとえばユーザ管理データベース122に予め登録しておき、受信したユーザIDに基づいて判定することにより容易に可能である)、この発注欄に必要とする数量等を入力して中央装置1へ送信することにより発注を行なうことができる。
【0085】
このようにして買手側の端末装置2から送信された発注の情報は受注情報として中央装置1に受信されるので(ステップS54)、中央装置1の演算装置10は商品在庫データベース121に登録されている情報を受信した受注情報で更新する(ステップS55)。この処理は、具体的には在庫量から受注量を差し引くことにより行なわれる。
【0086】
なお、製造所に保管されている在庫商品については、買手側の端末装置2では在庫情報を確認することのみを可能としてあり、買手側の端末装置2の図19に示す画面からの発注はできないようにしてある。従って、製造所に保管されている在庫商品の発注を買手側のユーザが希望する場合はオフライン処理による必要がある。その理由に関しては後述する。
【0087】
なお、上述の実施の形態では、予約情報データベース124に登録されている予約量に関する情報を商品在庫データベース121にも反映させるようにしている。具体的には、商品在庫データベース121に登録されている在庫情報の中に在庫量に関する情報として現時点における予約量も含まれている。これは、予約情報データベース124に買手毎に登録されている予約残量の保管場所単位の総和に相当する。従って、中央装置1は商品在庫データベース121にアクセスすることにより、実際の在庫量と共に予約量をも抽出することができるので、買手側の端末装置2に検索条件に見合う商品の在庫量として、実際の在庫量から予約量を差し引いた量を表示させることができる。
【0088】
しかし、上述のような構成に代えて、商品在庫データベース121には予約量に関する情報を登録しておかない構成としてもよい。この場合、中央装置1は、買手側の端末装置2からの検索条件を受信すると、受信した検索条件に見合う在庫情報を商品在庫データベース121から検索して抽出すると共に、同一の検索条件に対応する予約情報(現時点における予約量の情報)を予約情報データベース124から抽出する。
【0089】
ここで、商品在庫データベース121には保管場所単位で在庫量が登録されているが、予約情報データベース124には買手単位で予約情報(当初予約量、既発注量、予約残量等)が登録されている。従って、予約情報の抽出の際には、当該保管場所に対応する全買手分の予約情報(当該保管場所に対応する全買手分の予約残量の総和)を抽出する必要がある。そして、商品在庫データベース121から抽出された在庫情報中の在庫量(実際の在庫量)から予約情報データベース124から抽出された予約残量を差し引いた量を在庫量として買手側の端末装置2に表示させるようにすればよい。
【0090】
次に、先のステップS46の処理により端末装置2に表示されるメニュー画面において買手が「予約発注」を選択した場合、即ち中央装置1が「予約発注」要求を受信した場合(ステップS49でNO、S56でYES)について、中央装置1の演算装置10による処理手順を示す図12のフローチャートを参照して説明する。
【0091】
売手側で予め買手を指定して予約してある、即ち売手側予約機能により予約してある商品を買手側が注文する場合は、まずメニュー画面(図14参照)上で「予約発注」を買手側のユーザがたとえばマウスのクリック等で選択して中央装置1へ送信する。この「予約発注」要求を受信することにより(ステップS56)、中央装置1の演算装置10は予約発注画面(図20参照)を買手側の端末装置2に表示させる(ステップS61)。この予約発注画面上でユーザが予約番号を入力すると、それが送信され、中央装置1に受信される(ステップS62)。なお、買手側の端末装置2においては、予約番号は前述した如く、メニュー画面(図14参照)上で「予約No.一覧」を選択することにより確認できる(図15参照)。予約番号を受信した中央装置1の演算装置10は、受信した予約番号の予約情報を予約情報データベース124から読み出し、買手側の端末装置2へ送信して予約情報(図21参照)を表示させる(ステップS63)。
【0092】
ここで、ユーザが発注権限を有する場合は画面の右欄に用意されている発注欄に必要とする数量等を入力して中央装置1へ送信することにより発注することができる。この買手側の端末装置2から送信された発注を中央装置1は受注情報として受信する(ステップS64)。この受注情報を受信すると中央装置1の演算装置10は予約情報データベース124に登録されている予約情報を受信した受注情報で更新する(ステップS65)。この処理は、具体的には既発注量に受注量を加算することにより行なわれる。この際、当然のことながら、予約残量の値も更新される。
【0093】
また、中央装置1の演算装置10は、この予約情報データベース124に登録されている予約情報が更新された結果に従って商品在庫データベース121の該当する予約量を更新する(ステップS66)。この処理は、具体的には商品在庫データベース121に登録されている予約量の値を予約情報データベース124に登録されている予約残量の値に置き換えることにより行なわれる。
【0094】
なお、予約情報データベース124に登録された後に一定期間が経過しても受注がない予約情報に関しては、自動的に取り消されるようにしてもよい。この場合も、取り消された予約情報に従って商品在庫データベース121の該当する予約量が更新される。
【0095】
なお、先のステップS46での処理で表示されるメニュー画面において上述した「在庫検索・発注」及び「予約発注」以外の他の項目が選択された場合は、中央装置1は選択された項目に対応する処理を行なう(ステップS57)。そのような処理としてはたとえば、「注文変更・取消」の機能がある。この機能は注文内容の変更、たとえば注文本数の増減、納期の変更、または注文の取消しを行なうための機能である。更に他の処理としては「注文照会」の機能がある。この機能は、既発注分の内容を確認するための機能である。また更に「予約No.一覧」の機能がある。この機能は、前述したように、買手側が自身向けの予約番号を確認するための機能である。
【0096】
また更に「在庫検索・発注」及び「予約発注」以外の他の機能として「予約進捗照会」の機能がある。この機能は、当初予約量、具体的には予約時の予約量と、その予約に対する既発注量及び予約残量を確認するための機能である。この機能が選択された場合、図22に示すような当初予約量、既発注量及び予約残量が示された「予約進捗照会」の画面が端末装置2に表示される。
【0097】
具体的には、端末装置2から送信された「予約進捗照会」要求を中央装置1が受信すると、中央装置1は予約番号を入力させるための画面を「予約進捗照会」要求を送信した端末装置2に表示させる。そして、この画面上の上半部に入力された予約番号を受信すると、中央装置1は予約情報データベース124にアクセスし、先に受信している予約番号に対応する当初予約量、既発注量及び予約残量に関する情報を抽出し、この抽出した情報に基づいて図22の下半部に示すように、予約分の発注進捗状況を作成して端末装置2に表示させる。
【0098】
このような「予約進捗照会」の機能により、ユーザ(買手側ユーザ及び売手側ユーザ共に)は、現時点における予約残量のみならず最初の予約量、即ち予約時の予約量と既発注量とを確認することが可能になるので、たとえば次回の予約の設定の際の参考、または需要状況の確認等に利用することができる。
【0099】
なお、本実施の形態においては上述のような効果を奏するため、予約情報データベース124に予約量に関する情報として、予約時の予約量(当初予約量)、既発注量、現時点における予約量(予約残量)の3種類のデータが登録されるようにしてあるが、予約時の予約量(当初予約量)及び既発注量に関する情報は必ずしも予約情報データベース124に登録しておく必要はない。具体的には、予約情報データベース124には少なくとも、現時点における予約量のデータが登録されていれば(そして、予約分についての発注がある都度、そのデータが更新されるようにしておけば)、本発明は実現可能である。
【0100】
本発明の電子商取引システムの中央装置1の演算装置10は補助記憶装置12にプログラムファイル125の形態で格納されているコンピュータプログラムを演算装置10が実行することにより上述のような動作を実行することができる。なお、この補助記憶装置12にプログラムファイル125の形態で格納されているコンピュータプログラムはCD−ROMドライブ13によってCD−ROM17から読み込むことができる。
【0101】
図23はそのようなCD−ROM17に記録されているコンピュータプログラムの内容(実質的には補助記憶装置12に格納されているプログラムファイル125の内容と同一)を示す模式図である。
【0102】
CD−ROM17に記録されているコンピュータプログラムの内容は、商品在庫データベース121と、買手−保管場所対応テーブル123と、商品を特定する情報と買手とを特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を登録しておくことができる予約情報データベース124とにアクセス可能であり、各地域内に所在する複数の買手それぞれの端末装置2からインターネットを介してそれぞれが所在する地域に配置されている商品の保管場所から商品を購入するための発注を受け付ける演算装置10を汎用コンピュータで実現するためのコンピュータプログラムである。
【0103】
具体的には、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を予約情報データベース124に記憶させる手順(P01)と、端末装置2から買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は当該在庫商品の発注の要求とを受信する手順(P02)と、受信した買手を特定する情報を一時記憶メモリ11に記憶する手順(P03)と、一時記憶メモリ11に記憶してある買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を買手−保管場所対応テーブル123から読み出して一時記憶メモリ11に記憶する手順(P04)と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を要求を送信した端末装置2へ送信する手順(P05)と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置2から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手順(P06)と、受信した条件に対応する商品を特定する情報及び一時記憶メモリ11に記憶してある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を商品在庫データベース121から抽出する手順(P07)と、抽出した在庫情報に対応する予約量を、抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引いた残りの量を在庫量として表示させるための情報を要求を送信した端末装置2へ送信する手順(P08)とを含んでいる。
【0104】
ところで、上述のように、本実施の形態においては、在庫商品を各地の保管ヤードに保管し、原則として買手の所在地に応じて購入可能な保管ヤードを限定することにより、換言すれば各保管ヤードにはたとえばトラック輸送による一日工程の範囲内等の条件に応じて提供地域が設定されており、原則として地域内の買手に対してのみ商品を提供することにより、輸送コストの低減を図っている。
【0105】
このように本実施の形態において、それぞれの買手に対して商品を供給する保管ヤードを限定することにより、以下のような利点がある。
【0106】
(1)輸送コストを低減できると共に、需要家(買手)への納品に要する時間を短縮できる。
【0107】
具体的には、各ヤードに対して定期的にそれぞれのヤードの提供地域内の全買手向けの商品(その期間におけるその地域の予測需要量)を、船舶輸送等の低コストの輸送手段により製造所から一括して大量輸送することが可能になるため、輸送コストを低減できる。また、各保管ヤードから各買手までの間の輸送は比較的短距離であるため、受注から納品までの時間も短縮できる。
【0108】
これに対してたとえば製造所内又はその近傍等の一箇所において全ての在庫商品を保管するようにした場合は、買手から注文を受ける都度、たとえどれほど少量であっても受注した商品を配送する必要が生じる。このため、トラック等を用いて長距離を少量輸送することになるため輸送コストが嵩むと共に、輸送時間も長時間になるため、より輸送コストが嵩むことになる。たとえば、関東製造所M1で保管している商品を青森まで配送する場合を考えると、東北ヤードY2へ予め需要予測に基づいて船舶により大量輸送してある商品を東北ヤードY2から青森へ配送する方が全体としての輸送コストが格段に低廉であることは明らかである。
【0109】
(2)それぞれの地域に対する需要予測に基づいて商品を製造すること、又は製造された商品をそれぞれの地域に対する需要予測に基づいて輸送・保管することが可能になる。
【0110】
具体的には、本実施の形態においては、商品の提供地域をそれぞれのヤード単位で限定しているため、それぞれのヤードの商品の提供地域に絞って需要予測を行なえばよいようになる。このため、需要予測が比較的容易であり、しかも的中する可能性が高い。
【0111】
更に本実施の形態においては前述の如く、各製造所に保管されている在庫商品は、基本的には商品を提供する保管ヤードが存在しない地域(図3に示す例では、甲信越地域、北陸地域、中国地域、四国地域)に所在の買手向けの在庫商品であり、それらの地域毎の需要予測に基づいて製造・保管されている。しかし、本実施の形態において対象としている鋼管等のような鉄鋼製品では1乃至2ケ月程度のタイムラグは一般的である。このため、そのようなタイムラグの間に、実際の需要状況が当初の需要予測とは異なってしまい、予測した程度には実際の需要がない場合も十分にありうる。
【0112】
従って、各製造所で保管されている在庫の中には、その製造所が商品供給の対象としている地域では当分の間は需要が見込めない、換言すれば注文される可能性が低い在庫も含まれていることがある。逆に、他の地域に対する需要予測が実際の需要よりも少なかった場合には、その地域に商品を供給する保管ヤードに保管されている在庫のみでは当面の需要に応じきれないという事態が生じる可能性もある。
【0113】
しかし上述のような本実施の形態によれば、各製造所の在庫情報を、その製造所が商品の提供対象としている地域のみならず他の地域の買手にも提供可能にすることにより、当面は需要が望めない製造所に保管されている在庫商品をその時点で必要としている他の地域の買手に振当てることができるため、個々の保管ヤードでの在庫不足による販売機会の逸失を防止できることになる。
【0114】
ところで、上述のような需要予測の見込み違いにより発生する在庫商品の過不足は、製造所での在庫に限らず他の全ての保管ヤードにおいても発生する可能性がある。たとえば、北海道地域の需要予測を実際の需要より多く見込んだために北海道ヤードY1では当面は必要のない商品が在庫しており、逆に東海地域の需要予測を実際の需要より少なくしたために東海ヤードY4での在庫が当面の需要に対し不足している場合が生じたとする。この場合、製造所の在庫情報のみならず他の保管ヤードの在庫情報も買手に提供することにより、ある保管ヤードの在庫をその保管ヤードの商品供給地域とは異なる他の地域の買手に提供するということ(以下、「ヤード間融通」という)も可能ではある。このような在庫操作を行なうことにより、在庫不足による販売機会の逸失を防止することが可能になり、上述の製造所在庫を他の地域の買手にも提供する場合と同様の効果を期待することが可能である。
【0115】
しかし、買手に対して本来の商品供給地域ではない他のヤードの在庫情報を開示し、その在庫を他の地域(地域外)の買手に振当てるヤード間融通は、商品の長距離輸送を複数回行なう必要があるため、輸送コストが嵩むという問題が生じる。たとえば、前述のように、関東製造所M1で製造されて一旦北海道ヤードY1へ輸送されたものの当面は需要が望めない在庫商品を東海地域の買手に供給する場合について考えると、その商品の物流経路は、関東製造所M1から北海道ヤードY1まで一旦輸送されたものを、その後に北海道ヤードY1から東海地域まで再度輸送する必要が生じる、即ち長距離輸送を2回行なう必要があり、コストアップの原因となる。
【0116】
これに対して、製造所で保管されている在庫商品は、一度も長距離輸送されていない商品であるため、上述のような余分な輸送コストは発生しない。
【0117】
また、一般的には、各保管ヤードにはそのヤードが商品を提供する地域内に所在する全ての買手向けの商品を一括して、しかも定期的に大量に船舶等で輸送すればよいので、輸送効率がよく、従って輸送コストも軽減できる。しかし、ある買手が一回の注文で必要とする商品の量は、上述したような製造所から保管ヤードへの定期的な大量輸送の際の量に比してはるかに少量であるため、効率が悪く、しかも単位量あたりの輸送コストも大きくなる。具体的には、上述した例のように、北海道ヤードY1の在庫商品を東海地域へ再輸送する場合、関東製造所M1から北海道ヤードY1までの間は船舶等による大量輸送が可能であるが、北海道ヤードY1から東海地域の買手までの配送はトラックによる少量輸送を行なわざるを得ないため、輸送コストが更に嵩むことになる。
【0118】
これに対して、製造所の在庫を東海地域の買手に振当てて配送する場合を考えると、タイミングが合えば、関東製造所M1から東海ヤードY4までの定期輸送に便乗して輸送することも可能である(通常の製造所からヤードヘの定期輸送量に比して個々の買手の注文量ははるかに少ないため、このような便乗輸送は十分に可能である)。従って、東海ヤードY4から買手の所在地までの比較的短距離のみをトラック等による少量輸送すればよいことになるため、更に輸送コストを軽減することが可能になる。
【0119】
以上のように、ある特定の地域の買手を対象として保管している在庫商品を他の地域の買手に振当てる場合であっても、製造所で保管されている在庫商品を他の地域の買手に振当てる場合と、あるヤードで保管されている在庫商品を他の地域の買手に振当てる場合とでは輸送コストの面で格段の差が生じることになる。従って、本実施の形態においては、製造所で保管されている在庫の情報をその製造所の商品供給地域以外の買手に対しても、オンラインによる提供を行なうようにしている。
【0120】
但し、本実施の形態において、一切のヤード間融通を排除する必要はない。ヤード間融通は上述のような問題点があるため、本実施の形態の基本的なオンライン処理においては行なわないことが望ましいということであり、このためオンラインでの在庫情報問い合わせに対しては他の地域のヤードに保管されている在庫の情報を提供しないこととしている。しかし、上述のような問題点があることを承知の上でそれでもなお商品を必要とする場合、たとえば緊急にある商品がどうしても必要であるというような輸送コストの負担があっても構わない場合等においては、売手及び買手側の担当者間の交渉により、即ちオフライン処理によりヤード間融通を行なうことに関しては問題はない。特に、本実施の形態において対象としたガス管等のような災害時にその復旧のために大量に必要になるような商品を対象とするような場合には、オフライン処理によるヤード間融通が必然的に必要になることもありうる。
【0121】
次に、本実施の形態において、製造所で保管している在庫商品をオンラインで即時発注できないようにしている理由について説明する。
【0122】
製造所で保管されている在庫商品は前述した如く、基本的には特定の地域に所在する買手向けに需要予測して製造・保管している商品である。従って、このような在庫商品を他の地域の買手が自由に発注できるようにした場合、以下のような不具合が生じる。
【0123】
たとえば、ある買手がその買手の対象保管ヤードに必要とする商品在庫が存在するにも拘わらず製造所の在庫を発注した場合、ヤード間融通に比して小さいとはいえ余分な輸送コストが発生し、また輸送に時間を要することになるため、買手側に商品が納品されるまでに時間を要することになる。
【0124】
従って本実施の形態では、各製造所で保管されている在庫商品については、どこの製造所にどの商品がどれだけ在庫しているかという在庫情報のみをオンラインで提供することとし、その情報に基づいてオンラインによる即時発注はできないようにしている。各製造所で保管されている在庫情報をみて希望する商品が存在する場合には、オフライン処理により、即ち買手側の担当者が売手側の担当者に電話、FAX、電子メール等の別の手投を用いて一旦買手側に連絡するようにしている。この場合、連絡を受けた売手側担当者の判断により発注の可否を決定すればよい。
【0125】
なお、上述のようなオフライン処理ではなく、本実施の形態のシステムに問い合わせ機能を持たせ、この問い合わせ機能を利用して買手側と売手側とで連絡をするようにしてもよい。
【0126】
更に上述の実施の形態においては、北海道、東北、関東、東海、近畿及び九州の6地域に、それぞれの地域を商品提供地域とする保管ヤードを配置している。そして、保管ヤードが配置されている各地域内に所在する買手には、それぞれが所在する地域を商品提供地域とする保管ヤードに保管されている商品を提供し、保管ヤードが配置されている地域外に所在する買手には製造所保管されている商品を提供するようにしている。このため、各保管ヤードの在庫情報はそれぞれの保管ヤードの商品提供地域内の買手に限定し、また製造所の在庫情報については全ての地域の買手に対してそれぞれオンラインで提供している。
【0127】
しかし、本発明はこのような実施の形態に限定される必要はなく、保管ヤードが配置される地域は任意に設定可能であり、また保管ヤードが配置される地域の数も任意に設定可能である。更に、製造所に保管されている商品についてもその提供地域を限定し、その限定された地域内に所在する買手に対してのみ在庫情報をオンラインで提供するようにしてもよい。
【0128】
更に、本実施の形態では保管ヤードが商品提供の対象としない地域が存在しているが、全ての地域をいずれかの保管ヤードの商品提供地域として漏れなくカバーするようにしてもよい。この場合には、製造所に在庫を保管せずに各保管ヤードの在庫情報をそれぞれの保管ヤードの商品提供地域内に所在する買手に限定してオンラインで提供するようにしてもよい。全ての地域をいずれかの保管ヤードの商品提供地域とするか、または上述した本実施の形態のような保管ヤードが商品提供の対象としない地域を存在させるかは、それぞれの地域における商品の需要状況(予想される売上高等)と、それぞれの地域に保管ヤードを配置し、維持するための経費との兼ね合い、即ち費用対効果の観点から決定してもよいし、需要予測には係わらず長期的な営業戦略上の観点から決定してもよい。いずれにしろ、全ての地域をいずれかの保管ヤードの商品提供地域とするか、または上述した本実施の形態のような保管ヤードが商品提供の対象としない地域を存在させるかは本発明の本質とは関係がなく、いずれの場合に対しても本発明を有効に適用することが可能であることはいうまでもない。
【0129】更に、上述の実施の形態では日本全国を対象としているが、ある特定の地域、たとえば北海道内に所在し、製造所も北海道内に有している売手が北海道内のみを対象として本発明を適用することも勿論可能である。この場合には、商品提供地域として北海道を、道南地域、道北地域、道央地域、道東地域等に分割し、それぞれの地域に保管ヤードを配置するようにすればよい。逆に、全世界を対象とし、各国を商品提供地域として主要な国に保管ヤードを配置するようにしてもよい。
【0130】
いずれにしても、本発明において商品が提供される対象となる地域は特定の地域を意味するものではなく、たとえば国を単位としてもよいし、1国を複数に分割したそれぞれを単位としてもよい。たとえば、日本国内を対象とする場合であれば、都道府県単位、市町村単位、更には同一市町村内で複数の商品提供地域を設定してよい。商品提供地域の単位は、提供される商品に応じて、またその商品の従来の供給形態、商習慣等に応じて決定すればよい。
【0131】
また更に本実施の形態においては、各商品供給地域が相互に重複しないようにしているが、隣接する商品供給地域が部分的に重複するようにそれぞれの商品供給地域を設定してもよい。たとえば、東北ヤードの商品供給地域とこれに隣接する関東ヤードの商品供給地域とを一部重複させて設定し、福島県の南部に所在する買手と茨城県の北部に所在する買手とは東北ヤードと関東ヤードとのいずれからも商品の提供を受けられるようにすると共に、双方のヤードの在庫情報がオンラインにより提供されるようにしてもよい。
【0132】
更に、商品提供地域がより数多く設定されており、換言すれば個々の商品提供地域がより細分化されており、従って保管ヤードの数もより多数である場合であっても、また逆に商品提供地域がより数少なく設定されており、換言すれば個々の商品提供地域がより大きく設定されており、従って保管ヤードの数もより少数である場合であっても本発明は適用可能である。但し、商品提供地域の大小は、商品の輸送面でのコストを考慮した場合に面積が重要な要因となるが、それのみで規定されるものではなく、市場規模等も加味して決定されるべきである。
【0133】
なお更に、商品保管場所が1箇所しか設定されていないような場合であっても本発明は適用可能である。即ち、全ての商品提供対象地域に一箇所の商品保管場所から商品を供給するような場合であっても、本発明を適用することが可能であり、特定の買手による商品の買占めを本発明の売手側予約機能により防止することができる。但し、商品保管場所が多数の地点にあって一つの商品提供地域が小さい場合の方が、一つの商品保管場所での在庫の絶対量が少量になると一般的には考えられる。従ってそのような場合には特定の買手による買占めがより容易になると考えられるため、本発明の売手側予約機能がより効果的に機能すると考えられる。
【0134】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明の電子商取引方法、そのシステム及び中央装置によれば、予め売手側において、買手側の需要予測に対応する分を予約して通常の在庫検索では表示されないようにしているため、小規模で財力がない買手に対してもある程度までの将来にわたる需要を確保しておくことが可能になるので、売手側は販売機会を失する等の不利益を蒙ることはなく、また商品の安定供給の観点からの信用を失うことも回避することが可能になる。
【0135】
また本発明のコンピュータプログラムによれば、上述のような本発明の電子商取引システムの中央装置を汎用コンピュータで実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成の全体を概略的に示すブロック図である。
【図2】商品在庫データベースの内容を示す模式図である。
【図3】保管場所の配置例を示す模式図である。
【図4】ユーザ管理データベースの内容を示す模式図である。
【図5】買手−保管場所対応テーブルの内容を示す模式図である。
【図6】予約情報データベースの内容を示す模式図である。
【図7】本発明方法の基本概念を示すための、中央装置による概略の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明方法の基本概念を示すための、売手側と買手側との間で行なわれる処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明のシステムの売手側予約機能の処理を説明するための中央装置の演算装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明のシステムの売手側予約機能の処理を説明するための中央装置の演算装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明のシステムの売手側予約機能の処理を説明するための中央装置の演算装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明のシステムの売手側予約機能の処理を説明するための中央装置の演算装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図13】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図14】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図15】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図16】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図17】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図18】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図19】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図20】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図21】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図22】買手側の端末装置の表示画面の模式図である。
【図23】本発明の記録媒体に記録されているコンピュータプログラムの内容示す模式図である。
【符号の説明】
1 中央装置
2 端末装置
10 演算装置
11 一時記憶メモリ
12 補助記憶装置
121 商品在庫データベース
122 ユーザ管理データベース
123 買手−保管場所対応テーブル
124 予約情報データベース
125 プログラムファイル
17 CD−ROM
Claims (7)
- 商品を特定する情報及び各商品の在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置にアクセス可能な中央装置に対して、複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介して商品の在庫検索及び/又は発注を行なえるようにした電子商取引方法において、
前記中央装置によるアクセスが可能であり、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶する予約情報記憶装置に、前記中央装置が予約量を記憶させるステップと、
買手の端末装置から送信された在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを前記中央装置が受信するステップと、
検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置に対して前記中央装置が送信するステップと、
前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を前記中央装置が受信するステップと、
前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から前記中央装置が抽出するステップと、
前記抽出された在庫情報に対応する予約量を前記抽出された在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ前記中央装置が送信するステップと
を含むことを特徴とする電子商取引方法。 - 商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることによりそれぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置とにアクセス可能な中央装置に対して、各地域内に所在する複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介してそれぞれが所在する地域に配置されている保管場所にある商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を行なえるようにした電子商取引方法において、
前記中央装置によるアクセスが可能であり、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶する予約情報記憶装置に、前記中央装置が予約量を記憶させるステップと、
買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを前記中央装置が受信するステップと、 受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から前記中央装置が読み出して一時記憶手段に記憶させるステップと、
検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置に対して前記中央装置が送信するステップと、
前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を前記中央装置が受信するステップと、
前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び前記一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から前記中央装置が抽出するステップと、
前記抽出された在庫情報に対応する予約量を前記抽出された在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ前記中央装置が送信するステップと
を含むことを特徴とする電子商取引方法。 - 商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、各地域内に所在する複数の買手それぞれが端末装置から通信回線を介して中央装置に対してそれぞれが所在する地域に配置されている保管場所に保管されている商品の在庫検索及び/又は発注を行なうための電子商取引システムにおいて、
前記中央装置によるアクセスが可能であり、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶した予約情報記憶装置と、
前記中央装置によるアクセスが可能であり、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、
前記中央装置によるアクセスが可能であり、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることにより、それぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置と
を含み、
各端末装置は、通信回線を介して前記中央装置に対して、買手を特定する情報と、前記商品在庫データベース装置に記憶されている在庫情報の検索及び/又は在庫商品の発注の要求とを送信する手段を備え、
前記中央装置は、
受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から読み出して一時記憶手段に記憶させる手段と、
検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と、
前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、
前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び前記一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手段と、
前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と
を備えたこと
を特徴とする電子商取引システム。 - 通信回線を介して商品の在庫検索及び/又は発注を受け付ける中央装置であって、
在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手段と、検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を送信する手段と、
検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、
前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を記憶装置から抽出する手段と、
前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応して予め記憶装置が記憶している予約量を読み出す手段と、
前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を送信する手段と
を備えたことを特徴とする中央装置。 - 買手の端末装置から通信回線を介して送信される商品の在庫検索及び/又は発注を受け付ける中央装置であって、
商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶した予約情報記憶装置と、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置とにアクセスすることが可能であり、
買手の端末装置から送信された在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手段と、
検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と、
前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、
前記受信した条件に対応する商品を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手段と、
前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と
を備えたことを特徴とする中央装置。 - 商品の保管場所が複数の地域にそれぞれ配置されており、各地域内に所在する複数の買手それぞれが端末装置から通信回線を介して、それぞれが所在する地域に配置されている保管場所から商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を受け付ける中央装置であって、
商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶した予約情報記憶装置と、前記複数の保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることにより、それぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置とにアクセスすることが可能であり、
買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手段と、
受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から読み出して一時記憶手段に記憶させる手段と、
検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と、
前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手段と、
前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び前記一時記憶手段に記憶させてある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手段と、
前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手段と
を備えたことを特徴とする中央装置。 - 複数の地域にそれぞれ配置された保管場所に保管されている商品に関して商品を特定する情報及び各商品の各保管場所での在庫量に関する情報を含む在庫情報を記憶した商品在庫データベース装置と、買手を特定する情報と保管場所を特定する情報とを対応付けることによりそれぞれの買手に商品を販売することが可能な保管場所を限定するための買手−保管場所対応情報を記憶した買手−保管場所対応情報記憶装置と、商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を記憶する予約情報記憶装置とにアクセス可能であり、各地域内に所在する複数の買手それぞれの端末装置から通信回線を介してそれぞれが所在する地域に配置されている商品の保管場所にある商品を購入するために商品の在庫検索及び/又は発注を受け付けるコンピュータのためのコンピュータプログラムであって、
商品を特定する情報と買手を特定する情報との組み合せ毎に売手側が予め定めた予約量を前記予約情報記憶装置に記憶させる手順と、
買手の端末装置から送信された買手を特定する情報と、在庫情報の検索の要求及び/又は在庫商品の発注の要求とを受信する手順と、
受信した買手を特定する情報に対応する保管場所を特定する情報を前記買手−保管場所対応情報記憶装置から読み出して一時記憶する手順と、
検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手順と、
前記検索及び/又は発注する商品の条件を入力させるための画面情報を受信した端末装置から送信された検索及び/又は発注する商品の条件を受信する手順と、
前記受信した条件に対応する商品を特定する情報及び一時記憶してある保管場所を特定する情報に対応する在庫情報を前記商品在庫データベース装置から抽出する手順と、
前記抽出した在庫情報に対応する予約量を前記抽出した在庫情報の内の在庫量から差し引き、残りの量を在庫量として表示させるための情報を前記要求を送信した端末装置へ送信する手順と
をコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とするコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002284560A JP2004118751A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 電子商取引方法、電子商取引システム、中央装置、及びコンピュータプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002284560A JP2004118751A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 電子商取引方法、電子商取引システム、中央装置、及びコンピュータプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004118751A true JP2004118751A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32278072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002284560A Withdrawn JP2004118751A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 電子商取引方法、電子商取引システム、中央装置、及びコンピュータプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004118751A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112950839A (zh) * | 2019-12-10 | 2021-06-11 | 威海新北洋数码科技有限公司 | 商品售卖方法 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002284560A patent/JP2004118751A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112950839A (zh) * | 2019-12-10 | 2021-06-11 | 威海新北洋数码科技有限公司 | 商品售卖方法 |
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