JP2004118133A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】混色を抑制し、表示色域の広い多原色表示装置を得る。
【解決手段】異なる波長選択性を有するカラーフィルタ410(420R,420G,420B)と、カラーフィルタを透過する発光波長特性を有する光源A(411A)、光源B(411B)と、複数の副画素からなる画素と、該カラーフィルタと画素毎に組み合わせて、所定波長の光の透過率または反射率を画像情報に応じて制御するライトバルブ430とを具備し、カラーフィルタ410を透過する発光波長特性を有する光源410の点灯時には、少なくとも1種類のカラーフィルタと組合せるライトバルブ430の副画素を光遮断状態とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広い色再現性を実現する画像表示装置に係り、特に多原色表示に好適な画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像を表示するために、カラーCRTを初めとして液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置など、様々な表示方式の画像表示装置が実用化されているが、ここでは、広く用いられている液晶表示装置を例として説明する。液晶表示装置では、白色光源または赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に発光の極大値を有する3原色光源と、赤、緑、青のカラーフィルタにより選択的に色光を通過させる副画素を各カラー画素に配置し、それぞれの副画素を構成する画素電極と対向電極間に封入した液晶に画像情報に応じた電圧を印加することにより、各色毎の透過率または反射率を制御してカラー画像を表示する。
【0003】
このような表示方式により実現できる色度図上の範囲(色再現範囲)は、主に3原色の光源の発光波長特性とカラーフィルタの波長選択特性の積により決定される3角形の内側の範囲に限定される。このため、自然界に存在する全ての色を再現することはできず、色合い、質感、光沢といった人間の感性に迫る表示を必要とする場合には、その要求に充分答えられない場合があった。
【0004】
このような要求に答える取組みとして例えば「特許文献1」および「非特許文献1」に提案されている多原色画像表示装置のように、色を3原色により撮影し、表示するのではなく、4原色以上の多原色により撮影、変換、伝送、表示するナチュラルビジョンシステムと称するものが提案されている。この中で、表示装置としては異なる3原色特性の2台の液晶プロジェクタの投影像を合成することによる6原色表示装置についての開示がある。この6原色表示装置では、それぞれのプロジェクタの光学系において、赤、緑、青の光路に相互に干渉しない透過波長帯域の異なる狭帯域3原色カラーフィルタを挿入し、色純度を高めると共に、色再現範囲の異なる2種類のプロジェクタ構成として、これら2種類のプロジェクタの組合せにより6原色表示を実現している。
【0005】
上記以外の画像表示方式として、回転する円盤に多原色のカラーフィルタを配置して時分割で各色を表示する時分割方式、空間画素配列方式、面分割方式、あるいはこれらを組合せた方式が提案されている。薄型の液晶表示装置により時分割方式を実現する方法については、「非特許文献2」に詳細が開示されている。
【0006】
画像表示装置としては、多原色化により色再現範囲を拡大することにより、多くの画像に対して忠実な色再現を実現することがきるが、従来の3原色表示においても、より色純度の高い3原色を表示できれば色再現範囲の拡大とこれによる表示の忠実性を向上できることは言うまでもない。広い色再現範囲を可能とする画像表示装置は、電子美術館や高臨場感シアター用途の如く、スクリーンを用いて多人数を対象として高画質画像を鑑賞する用途に適しているほかに、小型軽量化を実現することにより可搬性を高めたパーソナルコンピュータや携帯情報端末を用いた電子商取引への応用などが期待される。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−172649号公報
【0008】
【非特許文献1】
電子情報通信学会発行 電子情報通信学会技術報告 EID2000−228(2000−11)
【0009】
【非特許文献2】
平成13年 カラーフォーラムJAPAN2001(pp.93−96)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
小型軽量化に適した直視型の液晶表示装置により広い色再現性を可能とする画像表示装置を実現する場合の課題を明らかにするため、従来の液晶表示装置の色再現方式について説明する。
【0011】
従来の直視型の液晶表示装置の色再現方式としては、カラーフィルタを用いる副画素方式と、カラーフィルタを用いず3色の点光源を用いるカラーフィールドシーケンシャル方式がある。副画素方式は、赤、緑、青の各色に発光ピークを持つ常時点灯の白色光源を光源として用い、通常、正方形をなす1画素の領域を3つの副画素に等分し、それぞれに赤、緑、青のカラーフィルタと画素電極を設け、アクティブ・マトリクス型の場合にはさらに、非晶質、多結晶、あるいは単結晶の半導体を能動層とした薄膜トランジスタを電圧書込み用のスイッチング素子として信号配線(データ線)と画素電極間に設ける。
【0012】
副画素方式における色再現範囲について説明する。色再現範囲は波長軸上で隣接するカラーフィルタの色分離性能と、光源の色純度、光源とカラーフィルタ相互の波長特性により決定される。波長軸上で隣接する色のカラーフィルタの色分離性能が不十分でその透過波長特性に相互に透過する混色領域が存在するとともに、この混色領域に光源の波長領域が重複すると、所望の光源以外の光源の光が両者のカラーフィルタを通過していくことから光源の色純度が低下した状態と同様に、色再現範囲が著しく狭くなる場合があった。
【0013】
原色数を増やして色再現範囲を拡大するためには、光透過域の幅の狭い高色純度のカラーフィルタ(狭帯域カラーフィルタ)を用いることが有効であるが、この場合には透過率の低下による輝度の低下をきたすことと、輝度を向上するために強力な光源が必要となり、消費電力の増大や、不要な発熱を招く恐れがある。現存する緑色と青色のカラーフィルタ用の色材の制約から、色分離性能と高い透過率とが両立する緑と青のカラーフィルタの組み合わせは存在せず、両色間ではある程度の混色が発生することからテレビの標準色再現範囲を越えるような忠実再生を目指す表示装置にカラーフィルタを用いた表示方式を用いることが難しかった。
【0014】
一方、カラーフィールドシーケンシャル方式は、カラーフィルタを用いずに、高速にオン・オフ可能な赤、緑、青の3原色光源を時系列に点灯させ、これに同期した信号電圧を各画素の液晶に印加することによって画素の透過率を制御する方式である。この方式は、高速応答性を有する液晶表示モードと3原色光源が必要であるが、カラーフィルタや副画素を用いないことから、明るさと高精細な表示を両立できることが特徴である。
【0015】
カラーフィールドシーケンシャル方式により多原色の画像表示装置を実現する場合には、原色数の増加に応じてより一層高速に動作する液晶表示モードが必要となる。従来の3原色表示の場合では、画素への書込み時間と通常の光源に用いられる蛍光灯(冷陰極蛍光ランプ等)のスイッチング時間を差し引いた時間内に応答することが必要となることから、2ミリ秒から3ミリ秒の液晶応答が必要である。この方式を多原色の画像表示装置に適用する場合、例えば、6原色による表示を考えると、表示周波数をフリッカが発生しない60Hzとすると、1色あたりの電圧書込み、液晶の応答および光源点灯時間の合計時間が約2.8ミリ秒となる。
【0016】
この場合、従来の駆動方式によれば、画素への電圧書込みと光源のスイッチング時間だけで、割当てられる殆どの時間を使ってしまうため、1ミリ秒以下での高速応答が中間調表示も含めて必要となる。このことから、従来のカラーフィールドシーケンシャル方式を多原色の表示装置に適用することは難しい。
【0017】
本発明の目的は、これらの状況に鑑み、混色を抑制して広い色再現性を実現した画像表示装置、特に多原色表示に好適な画像表示装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、2種類以上の異なる波長選択性を有するカラーフィルタと、2種類以上のカラーフィルタを透過する発光波長特性を有する光源を少なくとも1種類以上有する複数の光源と、複数の副画素からなる画素と、該カラーフィルタと画素毎に組み合わせて、所定波長の光の透過率または反射率を画像情報に応じて制御するライトバルブとを具備し、2種類以上のカラーフィルタを透過する発光波長特性を有する光源の点灯時には、少なくとも1種類のカラーフィルタと組合せるライトバルブの副画素を光遮断状態とした。
【0019】
上記の点灯タイミングについては、1種類のカラーフィルタを透過する光が1種類の光源からの光だけを透過する場合には特に制約はないが、異なる発光波長特性を有する複数の光源が1種類のカラーフィルタを透過できる場合は、この2種類以上の発光波長特性を有する光源をそれぞれ異なる時刻に点灯させることが望ましい。
【0020】
また、用いる光源の種類としては、ある程度のカラーフィルタの隣接色間の混色を許容する場合には4原色または5原色の光源で構成することが、色再現範囲拡大の観点から好ましい。
【0021】
なお、本発明は、上記の構成および後述する実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱するとなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施例〕
本発明の第1実施例を図1〜図7を参照して説明する。本実施例は5原色の光源と3原色のカラーフィルタを用いて色再現領域の広い5原色表示を実現するものである。本実施例では、ライトバルブとして液晶パネルを用いた液晶表示装置を用いているが、カラーフィルタと複数の光源を組合せて用いる表示方式であれば、ライトバルブの表示方式としては静電気力により金属箔と導光体の接触を制御するファプロペロー型の表示方式や投射型液晶表示装置を含み、いかなる表示方式にも適用できる。この内、液晶の表示モードとしては特定の表示モードに制限されるものではなく、ある程度以上の高速応答性を有する表示モードであれば、ノーマリブラックのイン・プレーン・スイッチングモードを始めとして、TN(ツイステッドネマチック)表示モードや垂直配向表示モードなど、多くの表示モードに適用できる。
【0023】
図1は本発明による画像表示装置の第1実施例を説明する液晶表示装置の構成図、図2は図1における光源部の構成を説明する正面図、図3は図1における光源とカラーフィルタの発光波長特性と分光透過率を示す分光波長特性図、図4は本実施例の駆動シーケンスの説明図、図5は本発明による画像表示装置の第1実施例における分光透過特性の説明図であり、図5(a)は第1サブフレームにおける光源の発光波長特性とカラーフィルタの分光透過特性、図5(b)は第2サブフレームにおける光源の発光波長特性とカラーフィルタの分光透過特性を示す。
【0024】
図6と図7は本発明の第1実施例における光源とカラーフィルタの組合せで得られる光源とカラーフィルタおよび出力光の発光波長特性と分光透過率を示す特性図である。図6は本発明による画像表示装置の第1実施例における第1サブフレームの光源とカラーフィルタの組合せで得られる分光透過特性の説明図であり、図6(a)は青色のカラーフィルタ、図6(b)は緑色のカラーフィルタ、図6(c)は赤色のカラーフィルタに対応する。また、図7は本発明による画像表示装置の第1実施例における第2サブフレームの光源とカラーフィルタの組合せで得られる分光透過特性の説明図であり、図7(a)は赤色のカラーフィルタ、図7(b)は緑色のカラーフィルタに対応する。
【0025】
まず、図1と図2を参照して本実施例の透過型の液晶表示装置の構成を説明する。光源としては色純度の高いLED(発光ダイオード)アレイ光源を用い、このLEDアレイ光源としてそれぞれ3色の発光波長特性を有する第1の光源(光源A)411Aと、2色の発光波長特性を有する第2の光源(光源B)411Bを用い、画像データの書込みをこの2種類の光源411Aと411Bの発光波長特性に合わせた2つのサブフレームに分割して駆動する。そして、サブフレーム毎の液晶パネル(以下、液晶表示部とも称する)の表示タイミングに同期して光源を時分割点灯させると共に、液晶表示部の副画素の内、混色の恐れがあるサブフレームでは該当の副画素を黒表示とする。
【0026】
画像に応じた2次元の光スイッチの役割を果たす液晶表示部430の基本構成は従来の液晶表示装置のそれと同様で、ガラス基板を好適とする2枚の透明基板403の外側にクロスニコル配置した2枚の偏光板406を貼付し、一方の透明基板の内側に3色のカラーフィルタ410を副画素に位置合わせして形成してある。これにより、一つの画素は赤の副画素420R、緑の副画素420G、青の副画素420Bの3色の副画素で構成される。
【0027】
これら2枚の透明基板406の貼り合わせ間隙を一定とするため、一方の透明基板に図示していない感光性の樹脂からなる柱状スペーサを副画素の間隔と等しいピッチ、かつ画素の透過性を損なわない程度の面積で設置する。柱状スペーサは、具体的には、数マイクロメータ(μm)の直径を有する円筒状である。柱状スペーサで規制される2枚の透明基板の間には液晶組成物が挟持され、液晶の層を形成している。スペーサの方式としては柱状スペーサに限定されるものではなく、ビーズ状のスペーサや周辺のみのスペーサ方式が使用可能であることは言うまでもない。
【0028】
液晶への電圧印加は、図示していないが、一方の透明基板の内面上に設けた薄膜トランジスタ等のアクティブ素子を有するアクティブ・マトリクス回路を用いる。アクティブ・マトリクス駆動とすることにより、高精細かつ大画面表示に対する液晶表示モードの選択幅を広げることが可能で、高速応答が可能な捩じれネマチックモードや広視野角を特徴とするイン・プレーン・スイッチングモードを選択することができる。
【0029】
液晶表示部430の背面には、光源からの光を均一にかつ高効率に液晶表示部に照射する目的で、透明なアクリル板を楔形に成型し、液晶表示部430側に出射する光が均一となるように、下面に拡散性の部材をパターン印刷した導光体412とLEDアレイ光源411を組み合わせた光源部431が配置される。光源部431は2種類の発光波長特性を有する第1の光源(光源A)411Aと第2の光源(光源B)411Bを切り替えて点灯するため、2つの楔形の導光体(第1の導光体412A、第2の412B)を積層し、それぞれの端部に近接させて第1の光源(光源A)411Aと第2の光源(光源B)411Bを配置した。
【0030】
図2に図1におけるLEDアレイ光源の平面構成を示す。図2に示した2つの光源411Aと411Bは異なる発光分布を有する。光源411Aには3種類のLEDが搭載され、光源411Bには2種類のLEDが搭載されている。それぞれの光源は3色と2色のピーク波長を発光する。これらの光源により最大5色の発光ピーク波長を持たせることができる。本実施例では1個のLEDのピーク波長が単一である単体のLEDをそれぞれ用いたが、1つのLEDの中に複数のピーク波長を有するタイプのLEDを用いることで光源を薄型化することもできる。但し、この場合は発光制御の自由度を確保するため、それぞれの色毎に発光シーケンスを制御できるものを用いる。
【0031】
次に、図3を用いて上記したカラーフィルタの分光透過率とLEDの発光波長特性の関係を説明する。3色のカラーフィルタの分光透過率432R(赤色)、432G(緑色)、432B(青色)は従来の液晶表示部の透過率分布とほぼ同様で、赤色と緑色のカラーフィルタの透過特性432Rと432Gには大きなオーバーラップは無く、それぞれのカラーフィルタの透過波長範囲に含まれる光源を用いた場合には、より高い色純度での色分離が可能であるが、緑色と青色のカラーフィルタの透過特性432G、432Bについては大幅なオーバーラップが存在する。
【0032】
このため、液晶表示部の全ての副画素を透過状態にすると、青に近い発光波長特性を有する緑色LED421G2による発光が緑色のカラーフィルタだけでなく青色のカラーフィルタも透過することから、光源の高色純度特性を生かした表示ができない。青色のカラーフィルタの分光透過率の特性を短波長側にシフトして緑色のカラーフィルタとのオーバーラップによる混色を防止することは可能であるが、緑色のカラーフィルタと青色のカラーフィルタの混色を完全に抑制できるほどの透過特性のシフトは難しいことと、光の利用効率を向上させて明るい表示を実現するためにはLEDの発光波長ピークとカラーフィルタの透過波長ピークを一致させることが必要であることから、混色のあるカラーフィルタを用いて多原色化することが望まれている。
【0033】
以上のようなカラーフィルタの分光透過率において、本発明の第1実施例を適用することにより多原色を表示できる仕組みについて図2を参照して説明する。本実施例では、発光波長特性の組合せとして5種類の発光波長特性が異なるLEDアレイの内、隣接する発光波長特性を持つLEDを別のタイミングで発光するLEDアレイ光源に配置した点に特徴を有する。例えば、図2における第1の光源(光源A)411Aを構成するLEDの発光波長特性として、赤色LED421R1を図3の発光波長特性433R1に、緑色LED421G1を発光波長特性433G1に、青色LED421Bを発光波長特性433Bに選択した。さらに、第2の光源(光源B)411Bを構成するLEDの発光波長特性として、赤色LED421R2を図3の発光波長特性433R2に、緑色LED421G2を発光波長特性433G2にに選択した。
【0034】
上記の選択をカラーフィルタの分光透過率との関係で説明する。赤色のカラーフィルタの分光透過特性432Rに対して、選択したLED421R1と421R2はほぼ赤色のカラーフィルタの分光透過率が含まれる発光波長特性を有していることと、他のカラーフィルタとの混色がほとんど無いことから、これらLEDのサブフレーム毎に時系列で切り替えることにより1つの副画素により高色純度の2原色を表示できる。同様に、緑のカラーフィルタの分光透過特性432Gに対しは、LEDとして発光波長特性433G1と433G2を組み合わせる。但し、青のカラーフィルタの分光透過率432Bは、緑のカラーフィルタの透過波長領域まで広がっているため、短波長側の緑のLED421G2点灯時には、青色用の副画素を遮断状態として混色を防止した。
【0035】
本実施例では、青色のLEDを1色構成としたが、緑のカラーフィルタを通過する光源を1種類として、青色を2種類としても問題ない。また本実施例では、LEDのピーク波長として、440ナノメートル(nm、以下同じ)、505ナノメートル、550ナノメートル、620ナノメートル、660ナノメートルの5種類のLEDを用いたが、この他の組合せも可能である。
【0036】
本実施例で光源として用いたLEDの発光波長特性はカラーフィルタに比較すると、通常、半値幅で20から30ナノメートルと狭帯域であり、また1色のカラーフィルタの透過波長幅の中に2〜3色のLEDを割当てることが可能である。これにより、さらに原色数を増やすことや、マルチスペクトル化による忠実な色再現を可能とした画像表示装置を実現できる。
【0037】
更に、色純度を上げたり、1色のカラーフィルタを透過する光源の数を増やし、表示に用いる総原色数を増やすためには、狭帯域な発光波長特性を持つ半導体レーザチップを用いて光源を構成することが有効である。レーザ光源を用いることにより1画素を構成する副画素の数を低減することができるので、解像度や開口率を上げることもできる。
【0038】
本実施例では、3色のカラーフィルタを用いているが、3色に限定したものでなく、2色でも4色でも光源との組合せにより実現可能である。2色のカラーフィルタを用い、それぞれ2色の光源からの光を通過させる場合には、副画素の数を4副画素から2副画素に低減出来るため、4原色表示を従来の2倍の高解像度で実現することができる。
【0039】
液晶を用いてコントラスト比を付与する具体的な構成としては、上下の透明基板との界面における液晶の分子配向方向がほぼ平行な状態を利用するモード(複屈折位相差による干渉光を利用するので、ここでは複屈折モードと呼ぶ)と、上下の透明基板との界面における液晶の分子配向方向が交差してセル(単位画素)内での配向方向が捩じれた螺旋状態を利用するモード(液晶の層内では偏光面が回転する旋光性を利用するので、ここでは旋光性モードと呼ぶ)とがある。
【0040】
複屈折モードでは、電圧印加により液晶分子の長軸(光軸)方向が基板界面にほぼ平行なまま面内でその方位を変え、所定角度に設定された偏光板の光学軸(吸収軸または透過軸)とのなす角を変えて光透過率を変える。旋光性モードでも同様に、電圧印加により液晶分子の長軸方向の方位のみを変えるが、こちらの場合は螺旋がほどけることによる旋光性の変化を利用する。また、複屈折モードの中でも、液晶分子の長軸を基板と常にほぼ平行に維持して表示することができるイン・プレーン・スイッチングモードは、白黒、中間調を含む全ての表示状態において液晶分子が立ち上がることがなく、視角方向を変えた時の明るさの変化が小さいので、視角依存性がなく、視角特性が大幅に向上する。
【0041】
すなわち、従来のように電圧印加で複屈折位相差をほぼ0にすることで暗状態を得るものでなく、液晶分子の長軸と偏光板の光学軸とのなす角を変えるもので、従来のTN型の複屈折モードとは動作原理が根本的に異なる。従来のTN型のように、液晶分子の長軸を基板の界面に垂直に立ち上がらせる場合では、複屈折位相差が0となる視野角方向は正面、即ち基板の界面に垂直な方向のみであり、液晶分子の長軸が基板の界面に対して僅かでも傾斜すると複屈折位相差が現れる。
【0042】
ノーマリオープン型では、光漏れがあり、コントラスト比の低下や階調レベルの反転を引き起こす。本実施例では、見る方向を正面に限定すれば、以上説明した液晶の表示モードを始めとする多くの液晶表示モードの使用が可能であるが、広い視野から多人数で見ることを想定して、イン・プレーン・スイッチングモードを採用した。
【0043】
本実施例の画像表示装置を用いたシステムは、多原色表示に対応した画像源、この画像源の多原色画像データを本実施例の画像表示装置の駆動シーケンスに沿った画像データに並び替える画像変換回路、時分割駆動の表示タイミングに合わせるための複数のバッファメモリ等を備えることにより容易に実現することができる。画像源の画像信号から表示装置用の画像データでる原色信号への変換は、ルック・アップ・テーブル形式の変換回路を用いた。変換後の画像データはバッファメモリに一旦記憶する構成とし、画像源とバッファメモリの出力タイミングを非同期とすることで、任意の周波数で変換後の画像データを取り出すことができる。このため、原色変換処理がサブフレームにおいて信号処理を行う処理時間に入らない構成として回路の動作速度の負担軽減を図った。
【0044】
本実施例では、液晶表示部をアクティブ・マトリクス型駆動回路としている。このため、図1に示した液晶表示部には図示しない複数の走査配線と信号配線(データ線)に電圧を供給するための走査回路と信号回路を設け、タイミング制御回路により画像データに基づく信号電圧を受けて画素への電圧書込みを行っている。原色信号へ変換する前の画像信号としては、多原色表示に合わせた原色数の色座標データ形式や、3原色の輝度情報に環境光の情報を付加した形式、あるいは全ての可視領域の色情報を有するX,Y,Z表色系での表示データ形式などが採用できる。さらに、従来の画像表示装置との間の画像データの互換性を考慮し、3原色の輝度情報のみの情報も画像源として用いることができる構成とした。
【0045】
図4に本実施例の駆動シーケンスを、図5および図6に本実施例で同時発光させる光源の組合せとカラーフィルタの分光波長特性を示す。なお、図5は第1サブフレームにおける光源の組合せとカラーフィルタの分光波長特性、図6は第2サブフレームにおける光源の組合せとカラーフィルタの分光波長特性を示す。本実施例では、1色のカラーフィルタにより最大2色の原色を選択することから、1フレームを2つのサブフレームに分割し、第1サブフレームと第2サブフレームとした。夫々のサブフレームにおいて、液晶表示部と光源による一連の表示を完結させる。原色変換後の画像信号はゲートクロック122と図示しない高速のデータクロックにより表示画面上の最上行から最下行まで、線順次の駆動シーケンスにより各画素に書き込まれる。その外、光源のシーケンスとしては、最初に画素へ電圧を書込み、液晶が光学応答した後に光源を点灯させる構成とした。
【0046】
本実施例ではフレーム周波数を60Hzとしたため、サブフレーム時間は約8.3ミリ秒である。書込時間は1行につき5マイクロ秒を要し、全行数を480行で構成したため、書込みに要する時間は2.4ミリ秒、液晶の応答時間は白から黒あるいは黒から白の応答がいずれも約3ミリ秒となる電極構成および液晶材料を選択した。その結果、サブフレーム時間から書込み時間と液晶の応答時間を差し引いた光源点灯時間として、夫々のサブフレームにおいて2.6ミリ秒が得られた。
【0047】
第1サブフレームでは、5原色の内の画像データR1(121R1)、画像データG1(121G1)、画像データB1(121B1)の3原色を表示し、第2サブフレームでは、残りの画像データR2(121R2)と画像データG2(121G2)および青色副画素に黒データを書き込んだ。液晶表示部の構成をアクティブ・マトリクスとしているため、各副画素にはメモリ機能があり、青色の副画素を第2サブフレームで黒データにより書き換えることは肝要である。これにより、緑色カラーフィルタと青色カラーフィルタの両者を透過可能な光源421G2を緑色のカラーフィルタを備えた副画素のみから出力可能となり、第2サブフレームにおける緑色の副画素と青色の副画素のクロストークを完全に防止することができる。
【0048】
図6および図7に本発明による画像表示装置の第1実施例における各原色単独入力時の分光透過特性を各カラーフィルタの分光透過特性の比較して示す。図6には第1サブフレームにおいて光源433R2,433G1,433Bを点灯させたときに、単一色のカラーフィルタに対応する副画素のみを通過するように液晶表示部に電圧を書き込んだ場合の出力光434B、出力光434G1、および出力光434R1を示す。また、図7には第2サブフレームにおいて光源433R1,433G2を点灯させたときに、単一色のカラーフィルタに対応する副画素のみを通過するように液晶表示部に電圧を書き込んだ場合の出力光434R1、出力光434G2を示す。
【0049】
本実施例では、図5の(a)および(b)に示したように、第1サブフレームにおいては、各光源の発光波長特性とカラーフィルタの分光透過率のオーバーラップによる混色を極力避ける組合せと発光、透過の波長特性を選択した。すなわち、青色と緑色の光源の発光波長差が最大となる青色光源433Bと緑色光源433G1を組合せ、第2サブフレームにおいては青色カラーフィルタと組み合わせる副画素を非透過状態とした。これにより、光源の発光波長特性に近い分光透過特性が得られ、広い色再現域と高い色純度の表示を実現することができた。
【0050】
〔第1実施例の比較例〕
図8は本発明の第1実施例の比較例の説明図であり、図8(a)は各カラーフィルタの分光透過特性と第1サブフレームにおける光源の発光波長特性の説明図、図8(b)は青色の単色表示信号入力時に対応する分光透過特性の説明図である。この比較例では、図8(a)に示したように、光源433R2,433G2,433Bを点灯させると共に、5原色の内の画像データR2(121R2),画像データRG(121G2),画像データB1(121B)の3原色データを用いて表示した。すなわち、緑色の光源と画像データを長波長側の光源433G1から青色カラーフィルタとの混色の多い短波長側の光源433G2に変更すると共に、この光源の変更に伴い画像データG1(121G1)から画像データG2(121G2)に変更したものである。
【0051】
この結果として、図8(b)の青色の単色表示信号入力時に対応する分光透過特性435Bに示したように、500nm付近に不要な透過光のピークが出現し、色純度を大幅に悪化した。これ以外にも、緑色の分光透過特性にも同様に不要な透過光のピークが出現した。
【0052】
図9は本発明の第1実施例の表色範囲と比較例の表色範囲の相違をu’v’表色系色度図上に併記した説明図である。図9における黒点は光源単独の点灯により得られる表示色である。画像表示装置全体としては、これら黒点で示した5点の光源表示色と3色のカラーフィルタ及び表示用の液晶表示装置のオン・オフによる光シャッタ作用との組合せで作られる5角形の内側が本実施例による表示色範囲となる。最も外側の表色範囲451は人間の視覚で得られる全色域を表している。
【0053】
また、本実施例の比較例として説明した液晶表示装置の表色範囲は図9の参照符号453で示し、本実施例の液晶表示装置の色域の範囲は参照符号452で示した。図9から明らかなように、本実施例の液晶表示装置の表色範囲452は比較例の表色範囲453に比較して大幅に広いことが分かる。図9についてさらに詳細に説明すると、青色については本実施例においても、同一のサブフレームにおいて光源433G1が光源433Bと同時発光することから、光源色と比較すると多少の色域の縮小が見られるが、光源との色域の差は僅かで、良好な表色範囲が実現されている。
【0054】
一方、比較例においては、図8の(b)に示すとおり、青色表示の色純度が大幅に低下する外に、短波長側の緑色表示においても、青色光源による混色が発生する。
【0055】
このように、本実施例によれば、3色のカラーフィルタと5色光源を時系列に点灯させると共に、液晶表示部を黒書込みを組合せ、これをかつ光源に同期して書換えることにより、広い表色範囲の液晶表示装置を実現できる。
【0056】
〔第2実施例〕
次に、本発明の第2実施例を説明する。第2実施例は前記した第1実施例における光源の種類を従来と同様の3種類に限定した構成としたものである。本実施例では、特に、色再現範囲の拡大等の観点から、2種類以上のカラーフィルタを透過する発光波長特性を有する光源を用いる場合に、この光源を発光させる時に、カラーフィルタによりクロストークする副画素を光遮断状態とする点に特徴を有する。これにより、副画素間のクロストークを抑制して、広い色再現を実現する。
【0057】
本実施例による画像表示装置の全体構成、光源の構成、カラーフィルタの分光透過特性、駆動シーケンスについては、光源の色数が3原色と少ないことを除いて図1〜図8に示した第1実施例とほぼ同様である。したがって、詳細な説明は省略しり。光源の組合せとしては、図3で説明した5種類の光源のうち、赤色光源433R1、緑色光源433G2、青色光源433Bの3原色を用いる。また、駆動シーケンスとして、第1サブフレームにおいて赤色光源433R1と緑色光源433G2を点灯させると共に、液晶表示部には赤色と緑色の副画素が光遮断となる電圧を書き込む。
【0058】
さらに、第2サブフレームでは青色の副画素のみを画像データに応じて透過率制御すると共に、他の赤色と緑色の副画素には光遮断状態となる電圧を書き込む。実際には、液晶表示装置の表示モードとして電圧ゼロで光遮断状態となるノーマリクローズ型のイン・プレーン・スイッチング表示モードを用いることから、黒表示ではほぼゼロ電圧を各副画素に書込み、その外の副画素については所定の電圧−透過率曲線に則った電圧を画像データに応じて印加する。本実施例では、カラーフィルタ間のクロストークが存在する緑色と青色を異なる表示時間のサブフレームに分離したことにより、原色の光源の発光波長特性に近く広い表示特性を得ることができた。従来の水銀蛍光灯を用いた光源を常時点灯し、フレームをサブフレームに分割しない駆動と比較しても大幅に色域の改善を図ることができた。
【0059】
〔第2実施例の比較例〕
ここで、本発明の第2実施例の比較例を説明する。この比較例では、第2実施例と全く同様の光源とカラーフィルタ、液晶表示部を用い、フレームをサブフレームに分割しないで光源を一括点灯して表示した。図10は本発明の第2実施例の表示色域と比較例の表示色域の相違をu’v’表色系色度図上に併記した説明図である。この比較例では、緑色と青色の光源の組合せが第2実施例の第1サブフレームと全く同一であるため、3原色表示であるにもかかわらずに図8(b)に示した青色単色表示信号入力時に対応する分光透過特性の光源433G1と同様、500nm付近に不要な透過光のピークが出願し、色純度が大幅に悪化する。
【0060】
この結果、図10に示すように、第2実施例では、良好な広い色再現範囲を実現できたが、図示していないが、本比較例では従来の水銀蛍光灯よりも色域が狭い表示となった。
【0061】
以上の説明では、主としてイン・プレーン・スイッチング方式の液晶表示装置を例としたが、本発明はこれに限るものではなく、他の方式の液晶表示装置、あるいは液晶表示装置と同様のライトバルブ機能で表示を行う他の形式の画像表示装置にも適用できる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スクリーンを用いない直視型の液晶表示装置等において、2種類以上の異なる波長選択性を有するカラーフィルタと、2種類以上のカラーフィルタを透過する発光波長特性を有する光源を少なくとも1種類以上有する複数の光源と、複数の副画素からなる画素と、該カラーフィルタと画素毎に組み合わせて、所定波長の光の透過率または反射率を画像情報に応じて制御するライトバルブとを用い、2種類以上のカラーフィルタを透過する発光波長特性を有する光源の点灯時には、少なくとも1種類のカラーフィルタと組合せるライトバルブの副画素を光遮断状態とする駆動により、光源の持つ色再現範囲の低下をもたらすことなく、多原色表示に好適な画像表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像表示装置の第1実施例を説明する液晶表示装置の構成図である。
【図2】図1における光源部の構成を説明する正面図である。
【図3】図1における光源部とカラーフィルタの発光波長特性と分光透過率を示す分光波長特性図である。
【図4】本発明による画像表示装置の第1実施例における駆動シーケンスの説明図である。
【図5】本発明による画像表示装置の第1実施例における分光透過特性の説明図である。
【図6】本発明による画像表示装置の第1実施例における第1サブフレームの光源とカラーフィルタの組合せで得られる分光透過特性の説明図である。
【図7】本発明による画像表示装置の第1実施例における第2サブフレームの光源とカラーフィルタの組合せで得られる分光透過特性の説明図である。
【図8】本発明の第1実施例の比較例の説明図である。
【図9】本発明の第1実施例の表示色範囲と比較例の表示色範囲の相違をu’v’表色系色度図上に併記した説明図である。
【図10】本発明の第2実施例の表示色域と比較例の表示色域の相違をu’v’表色系色度図上に併記した説明図である。
【符号の説明】
121・・・・画像データ波形
122・・・・ゲートクロック波形
123・・・・液晶応答波形
124・・・・光源点灯シーケンス波形
403・・・・透明基板
406・・・・偏光板
410・・・・カラーフィルタ
411・・・・LEDアレイ
412・・・・導光体
421・・・・カラーフィルタの副画素
430・・・・液晶表示部
431・・・・光源
432・・・・カラーフィルタの分光透過率
433・・・・光源の発光波長特性
434・・・・液晶表示装置の分光表示特性
435・・・・比較例の液晶表示装置の分光表示特性
451・・・・u’v’表色系における可視領域
452・・・・第1実施例の多原色表示装置の表色範囲
453・・・・第1実施例の比較例における表色範囲
454・・・・第2実施例の多原色表示装置の表色範囲
455・・・・第2実施例の比較例における表色範囲。

Claims (8)

  1. 2種類以上の異なる波長選択性を有するカラーフィルタと、
    前記2種類以上のカラーフィルタを透過する発光波長特性を有する光源を少なくとも1種類以上有する複数の光源と、
    複数の副画素からなる画素と、前記カラーフィルタと画素毎に組み合わせて、所定波長の光の透過率または反射率を画像情報に応じて制御するライトバルブとを具備し、
    前記2種類以上のカラーフィルタを透過する発光波長特性を有する光源の点灯時には、少なくとも1種類のカラーフィルタと組合せるライトバルブの副画素を光遮断状態としたことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記ライトバルブが液晶表示装置であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記光源の種類が4種類以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 前記光源の種類が3種類であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
  5. 2種類以上の異なる波長選択性を有するカラーフィルタと、
    2種類以上の発光波長特性を有する複数の光源と、
    複数の副画素からなる画素と、前記カラーフィルタと画素毎に組み合わせて、所定波長の光の透過率または反射率を画像情報に応じて制御するライトバルブとを具備し、
    任意のカラーフィルタを透過する発光波長特性を有する光源が複数存在する場合には、該複数の光源をそれぞれ異なる時刻に点灯させることを特徴とする画像表示装置。
  6. 前記ライトバルブが液晶表示装置であることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
  7. 前記光源の種類が4種類以上であることを特徴とする請求項5または6に記載の画像表示装置。
  8. 前記光源の種類が3種類であることを特徴とする請求項5または6に記載の画像表示装置。
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