JP2004118107A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Kenichi Komurasaki
小紫 賢一
Takeshi Yamagata
山方 勇志
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Abstract

【課題】ガラス基板上の配線スペースを大きくとることなく、電蝕による断線を防止し、これによって小型化と長寿命化を達成する。
【解決手段】ガラス基板1上の非表示領域にフェースダウンボンディングにてIC4を搭載した液晶表示装置Aにおいて、ガラス基板1上にはIC4へ電源や信号を供給する複数の配線5を有し、この配線5の互いに隣接する外縁に沿ってスリット15が形成されている。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に関し、特にガラス基板上に直接ICを搭載した液晶表示装置の配線構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のTN型またはSTN型の単純マトリックスタイプの液晶表示装置1を図3〜図5により説明する。
【0003】
図3はCOG(チップオングラス)方式の液晶表示装置1の断面図であり、図4はこの液晶表示装置におけるドライバICの配設部分を示す要部平面図である。また、図5と図6はドライバIC(駆動用IC)へ電源や信号を供給する配線の要部拡大平面図である。
【0004】
図3に示す液晶表示装置1において、2枚のガラス基板2、3の間にコモン電極やセグメント電極、さらに配向膜やカラーフィルタなどが基板上に形成され、そして、液晶が封入され、これによって表示領域が配された液晶表示パネルが得られる。また、一方のガラス基板3の非表示領域にはドライバIC4をフェースダウンにより搭載している。
【0005】
図4に示すごとく、ドライバIC4の配設部分において、外部からの電源や信号を供給するための配線5を形成している。
【0006】
このようにガラス基板3上に直接ドライバIC4を搭載し、電源や信号を供給する配線5を形成したことで、低コストの液晶表示装置を実現している。
【0007】
しかしながら、ガラス基板3上に形成した配線5は、各々に供給される電源や信号の電圧値が異なるため、各配線間にはその電位差に起因した電界が発生していた。
【0008】
したがって、この電界強度が強くなると、配線を構成する材料が空気中の酸素などと反応を起こし、これにより、電蝕を起こし、断線するといった課題があった。
【0009】
このような課題を解消するために、図5に示す通り、配線5の間隔を広く開ける技術が提案されている。
【0010】
しかしながら、上記提案によれば、配線スペース部において配線間隔を広くあけたことで、電蝕が解消されたが、その反面、液晶表示装置を小型化できないという問題があった。
【0011】
そこで、図6に示すような配線構造が提案されている。
すなわち、互いに隣接する配線5間の電界強度に応じて配線間隔を可変するというものであって、電位差が大きい配線間6において間隔を広くとり、電位差が小さい配線間7に対しては狭くする構成が提案されている。
【0012】
したがって、このような液晶表示装置1によれば、小さい電位差に応じて配線間7を小さくし、その分、小型化が達成できた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示す液晶表示装置によれば、互いに隣接する配線の間隔を各電位差から決定したにしても、いまだ電位差の大きい配線間は広い間隔となり、これによってデッドスペースが大きくなっていた。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は電蝕が発生しても、それによる弊害を解消し、これによって高品質かつ高信頼性の液晶表示装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、さらに小型化を達成した液晶表示装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、ガラス基板上の非表示領域にフェースダウンボンディングもしくはワイヤボンディングにてICを搭載した装置であって、前記ガラス基板上には前記ICへ電源や信号を供給する複数の配線を有し、前記複数の配線の少なくとも一部は、配線の互いに隣接する外縁に沿ってスリットが形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の他の液晶表示装置は、前記配線は電源供給用と信号供給用に区分したことを特徴とする。
【0017】
本発明のさらに他の液晶表示装置は、前記ICは導電性粒子が絶縁性樹脂に分散してなる異方性導電膜を介して実装するとともに、前記スリットの幅をこの導電性粒子の最大粒径に比べて大きくしたことを特徴とする。
【0018】
【作用】
本発明の液晶表示装置によれば、上記構成のごとく、配線の互いに隣接する外縁に沿ってスリットを形成したことで、その配線において電蝕が発生しても、それが外縁部にて発生し、内部にまで進行しなくなる。
したがって、ガラス基板上の配線スペースを大きくとることなく、電蝕による断線を防止することができ、その結果、小型化を達成した信頼性の高い液晶表示装置を提供できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶表示装置をSTN(スーパーツイストネマッチック)型の単純マトリックスタイプの液晶表示装置を例にして図面にて詳述する。
図1は本発明の液晶表示装置Aの要部断面図であり、図2は本発明の液晶表示装置Aの配線構造を示す要部平面図である。
なお、図3〜図6に示す従来の液晶表示装置1と同一箇所には同一符号を付す。
【0020】
この液晶表示装置Aによれば、走査基板と信号基板との組み合わせ構造であって、2枚のガラス基板2、3の間に液晶が封入されて、表示領域が配された液晶表示パネルとなる。
そして、この液晶表示パネルの一方のガラス基板3において、そのガラス基板3上の非表示領域部に異方性導電膜、すなわちACF(AnisotoropicConductive Film)などを利用してドライバIC4をフェースダウンボンディングでもって搭載する。
【0021】
次に液晶表示パネルについて詳述する。本例では透過型の装置構成でもって示す。
【0022】
走査基板と信号基板をシール部でもって貼り合わせた構造であり、シール部にて囲まれる領域内に液晶が封入されている。シール部はエポキシ系の熱硬化型樹脂からなる。また、走査基板と信号基板の間には樹脂球状体からなるスペーサが多く分散され、これによって両基板2、3間のギャップを一定にして、その内部に液晶が封入されている。
【0023】
さらに具体的には、たとえば走査基板については、下記のとおりである。
ガラス基板の上に、たとえばカラーフィルターとして着色層を形成し、さらに着色層を覆うようにアクリル系樹脂からなるオーバーコート層を被覆し、そして、オーバーコート層の上に多数平行にストライプ状配列したITOから成る透明電極、および一定方向にラビングしたポリイミド樹脂から成る配向膜を順次積層する。なお、透明電極と配向膜との間に樹脂やSiO等から成る絶縁膜を介在させてもよい。
【0024】
着色層であるカラーフィルターは顔料分散方式、すなわちあらかじめ顔料(赤、緑、青)により調合された感光性レジストを基板上に塗布し、フォトリソグラフィにより形成してもよい。この顔料分散方式によれば、そのフォトリソグラフィにおいて同時に形成することができる。
【0025】
なお、着色層であるカラーフィルターを形成するに当り、上記のような顔料分散方式に代えて、染色法を用いてもよい。
【0026】
つぎに信号基板においては、ガラス基板の上には多数平行に配列したITOからなるストライプ状透明電極群とを順次形成し、さらにストライプ状透明電極群上に一定方向にラビングしたポリイミド樹脂からなる配向膜を形成している。
【0027】
ついで、走査基板と信号基板を、たとえば200〜260°の角度でツイストされたカイラルネマチック液晶からなる液晶層を介して、双方のストライプ状透明電極群が交差(直交)するように、シール部材により貼り合わせる。また、走査基板と信号基板の間には液晶層の厚みを一定にするためにスペーサを多数個配している。
【0028】
さらにガラス基板2の外側にポリカーボネートからなる位相差板とヨウ素系の偏光板とを順次積み重ね、ガラス基板3の外側にポリカーボネートからなる位相差板とヨウ素系の偏光板を順次積み重ねている。これらの配設にあたっては、アクリル系の材料からなる粘着材を塗布することで貼り付ける。
【0029】
そして、ガラス基板3側の偏光板に対し、図1に示すごとく、バックライトを密着させて配設する。
同図に示すように、バックライトはアクリル樹脂等の透明材料からなる矩形状の導光板9の端面にLEDや冷陰極管などの光源部10を配置し、半円筒状の光反射性のリフレクタ11でもって、冷陰極管などを覆っている。導光板9の光出射面上に光散乱性の光拡散板12とレンズシート13とを順次積層し、他方の主面には光反射板14を設けている。
【0030】
光拡散板12はPCやPET等の白色シートを用いて、その一面に微細な凹凸(たとえばエンボス加工)が施され、導光板9の出射光を散乱させる。
【0031】
このような構成のバックライトの上に上記構成の液晶表示パネルを配設し、これらバックライトおよび液晶表示パネルを筺体(図示せず)にて支持固定する。
【0032】
そして、本発明の液晶表示装置Aにおいては、さらに図2に示すようにドライバIC4へ電源や信号を供給する複数の配線5を配設している。この配線5は、アルミニウムやITOなどの材料で膜状に形成するが、配線5の互いに隣接する外縁に沿って、スリット15を形成しておく。
【0033】
さらに具体的に述べると、配線5には電源供給用と信号供給用があり、双方に適用できるが、とくに電源供給用に本発明は好適である。また、配線5はアルミニウム金属やITOなどの材料からなるが、とくにアルミニウム金属を用いた場合に、本発明の目的に対し優位に達成できる。
【0034】
たとえば、スリット15は30vの配線と60vの配線が20μmの間隔で近隣している場合、各々の配線外縁において、その外縁から5μm離れた位置に配線材料の無い領域(スリット15)を形成したものである。このときスリット15の幅は配線5の外縁部と中央部の絶縁性が保たれる幅だけあればよいが、ACFが配線5上を覆う場合、ACF中の粒子がスリット15上に存在したときに、その粒子を通して短絡することがあり、かかる要因にて腐蝕が進行することが懸念される。たとえば、ACF中の粒子として、金メッキされたプラスチックボールが用いられた場合、その径は最大にて2〜12μm程度である。したがって、ACFの粒子がスリットによる絶縁効果を損なわない程度がよく、具体的には2μm〜12μmの範囲に、好適には4μm〜10μmの範囲に設定するとよく、これによって本発明の目的は達せられる。
【0035】
以上のとおり、本発明によれば、IC4を導電性粒子が絶縁性樹脂に分散してなる異方性導電膜を介して実装した構成においては、スリット15の幅をこの導電性粒子の最大粒径に比べて大きくするとよい。
【0036】
かくして本発明の液晶表示装置Aによれば、上記構成のごとく、配線5の互いに隣接する外縁に沿ってスリット15を形成したことで、その配線5において電蝕が発生しても、それが外縁部にて発生し、内部にまで進行しなくなった。
したがって、ガラス基板3上の配線スペースを大きくとることなく、電蝕による断線を防止することができた。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改良等はなんら差し支えない。たとえば、本実施例では、フェースダウンボンディングによって例示したが、これに代えてワイヤボンディングでも同じ効果を有する。
【0038】
また、本例では、STN(スーパーツイストネマッチック)型の単純マトリックスタイプの液晶表示装置を例にしたが、これに代えてTFT型やTFD型の液晶表示装置でも同じ作用効果を奏する。
【0039】
さらにまた、本発明においては、スリットを設ける配線において、その線の全長にわたって形成してもよいが、とくに隣接する配線と近接して電腐が発生しやすい部分に限って、そのようなスリットを形成してもよい。
【0040】
【発明の効果】
かくして本発明の液晶表示装置によれば、配線の互いに隣接する外縁に沿ってスリットを形成したことで、その配線において電蝕が発生しても、それが外縁部にて発生し、内部にまで進行しなくなり、これによって、ガラス基板上の配線スペースを大きくとることなく、電蝕による断線を防止することができ、その結果、小型化と長寿命化を達成した信頼性の高い液晶表示装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の要部断面図である。
【図2】本発明の液晶表示装置の配線構造を示す要部平面図である。
【図3】従来の液晶表示装置の要部断面図である。
【図4】従来の液晶表示装置の要部平面図である。
【図5】従来の液晶表示装置の配線構造を示す要部平面図である。
【図6】従来の液晶表示装置の他の配線構造を示す要部平面図である。
【符号の説明】
A、1・・・液晶表示装置
2、3・・・ガラス基板
9・・・導光板
10・・・光源部
12・・・光拡散板
13・・・レンズシート
4・・・ドライバIC
5・・・配線
15・・・スリット

Claims (3)

  1. ガラス基板上の非表示領域にフェースダウンボンディングもしくはワイヤボンディングにてICを搭載した液晶表示装置において、前記ガラス基板上には前記ICへ電源や信号を供給する複数の配線を有し、前記複数の配線の少なくとも一部は、配線の互いに隣接する外縁に沿ってスリットが形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記配線は電源供給用と信号供給用に区分したことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記ICは導電性粒子が絶縁性樹脂に分散してなる異方性導電膜を介して実装するとともに、前記スリットの幅をこの導電性粒子の最大粒径に比べて大きくしたことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009015337A (ja) * 2008-08-12 2009-01-22 Nec Corp 画像表示装置及び携帯端末装置
JP2012168565A (ja) * 2006-05-25 2012-09-06 Samsung Electronics Co Ltd 液晶表示装置

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