JP2004118046A - レンズ及び鏡枠 - Google Patents
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Abstract
【課題】円柱面状のコバを有するとともに作用特性に方向性を有するレンズであって、所定作用を及ぼす向きを鏡枠内の所定の径方向へ簡単に且つ正確に向けられ得るレンズと、このようなレンズを保持する鏡枠とを、提供する。
【解決手段】円柱面状のコバの中心軸に対して回転対称軸Ax2が傾く第2面R2における最も第1面R1に近接する位置に、だぼ1aが突出形成されるように、レンズ1を構成する。また、レンズ1を嵌め込み可能な大きさを有する大径部2aと、大径部2aよりも小さい内径を有するとともに大径部2aと同軸に配置される小径部2bとの境界に、中心軸方向に対して傾く輪帯状の被当付面2cが形成されるように、鏡枠2を構成する。また、被当付面2cにおいて、中心軸方向における最も大径部2a寄りの位置に、だぼ穴2dが穿たれているように、鏡枠2を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】円柱面状のコバの中心軸に対して回転対称軸Ax2が傾く第2面R2における最も第1面R1に近接する位置に、だぼ1aが突出形成されるように、レンズ1を構成する。また、レンズ1を嵌め込み可能な大きさを有する大径部2aと、大径部2aよりも小さい内径を有するとともに大径部2aと同軸に配置される小径部2bとの境界に、中心軸方向に対して傾く輪帯状の被当付面2cが形成されるように、鏡枠2を構成する。また、被当付面2cにおいて、中心軸方向における最も大径部2a寄りの位置に、だぼ穴2dが穿たれているように、鏡枠2を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学面を囲む外周面(コバ)が円柱面であるレンズと、このレンズを保持する鏡枠とに、関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、投影用や撮影用のレンズの多くは、回転対称な光学面をその両面に有しており、また、円筒状の鏡枠内に保持され得るために、光学面を囲む外周面(コバ)が、円柱面状に形成されている。このようなレンズは、どの径方向においても光への作用特性が均一であるため、通常、鏡枠の中心軸上にコバの中心軸(すなわち光軸)が一致する状態で鏡枠内に取り付けられてさえすれば良い。つまり、レンズが鏡枠内において回転してしまっていても、透過する光に及ぼす作用に違いはない。
【0003】
これに対し、特殊な用途に使われるレンズのなかには、コバの中心軸と一方の光学面の回転対称軸とが共通の軸上にあって他方の光学面の回転対称軸がこの共通軸に対して傾いているレンズや、回転非対称非球面を有するレンズが、存在する。このようなレンズも、円柱面状のコバを有しているので、円筒状の鏡枠に嵌め込まれた場合には、回転方向の自由度を有してしまう。しかし、これらのレンズは、入射してきた光への作用特性に方向性を有するので、これらのレンズが鏡枠に保持される際には、設計時に指定された方向へ向けられる必要がある。
【0004】
従来、このような作用特性に方向性を有するレンズの鏡枠内での回転方向における向きを決定する方法として、レンズの外周縁の一部と鏡枠の内周縁の一部とに、それぞれ、取付向き決定用の印を付ける(線状や点状の指標を罫書き、或いは、切削加工により凸状や凹状のガイドを形成する)というものがある(特許文献1参照)。その概要を説明すると、作業者は、まず、製造段階において、光学面における特定の径方向を示す印をレンズに付しておくとともに、その印が示す径方向が向けられるべき方向を示す印を鏡枠に付しておき、次に、組立段階において、このレンズを鏡枠に嵌め込んだ後、このレンズを鏡枠内で回転させることにより、レンズの印と鏡枠の印とを対向させる。このような作業が行われることにより、鏡枠内において、設計時に指定された径方向へ、レンズが向けられる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−311804号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような取付向き決定方法によると、レンズや鏡枠の一つ一つに対して印を付ける作業が行われるため、作業ミスなどに因りその印が正確な位置からずれた位置に付けられしまうことがある。すると、後の組立作業において印同士を正確に対向させたとしても、当該レンズが、設計時に指定された径方向を向かなくなってしまうという問題がある。
【0007】
また、レンズや鏡枠において印が正確な位置に付けられている場合であっても、レンズの印と鏡枠の印とを対向させる作業が目視によってなされるため、その作業には、多少の手間と時間が掛かるという問題もある。然も、印同士が正確に対向していると作業者が判断したとしても、実際には、僅かながらずれている場合が多い。
【0008】
そこで、本発明の課題は、円柱面状のコバを有するとともに作用特性に方向性を有するレンズであって、所定作用を及ぼす向きを鏡枠内の所定の径方向へ簡単に且つ正確に向けられ得るレンズと、このようなレンズを保持する鏡枠とを、提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明によるレンズは、以下のような構成を採用した。
【0010】
すなわち、本発明によるレンズは、略円筒状の鏡枠に嵌め込み可能な大きさの円柱面状のコバを有するとともに、前記鏡枠内での回転方向における向きに依って光への作用が異なるレンズであって、何れかの前記光学面に連続する面には、前記鏡枠の所定位置に形成されている嵌合部に対して嵌め合い可能な被嵌合部が、形成されていることを、特徴としている。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本発明による鏡枠は、以下のような構成を採用した。
【0012】
すなわち、本発明による鏡枠は、円柱面状のコバを有するレンズを嵌め込み可能な大きさの大径部と、前記大径部よりも小さい内径を有するとともに前記大径部と同軸に配置される小径部と、前記大径部と前記小径部との境界に形成される輪帯状の被当付面とを有する鏡枠であって、前記被当付面には,前記レンズの一方の光学面の所定位置に形成されている被嵌合部に対して嵌め合い可能な嵌合部が、形成されていることを、特徴としている。
【0013】
これらのように構成されると、作用特性に方向性を有するレンズを鏡枠の大径部に嵌め入れつつ、鏡枠内でレンズを回転させれば、嵌合部を被嵌合部に嵌め合わすことができる。そして、このように嵌合部と被嵌合部とが嵌め合わされると、当該レンズが光に対して所定作用を及ぼす向きが、鏡枠内の所定の径方向へ向けられるとともに、鏡枠内において当該レンズの回転が規制される。従って、作業者は、当該レンズが光に対して所定作用を及ぼす向きを、鏡枠内の所定の径方向へ簡単に且つ正確に向けることができる。
【0014】
なお、当該レンズは、作用特性に方向性を有するものであって円柱面状のコバを有するものであれば、どのようなレンズであっても良く、例えば、少なくとも一方の光学面が回転対称な形状に形成されていてその回転対称軸がコバの中心軸に対して傾いているレンズであっても良いし、両面の光学面が回転対称な形状に形成されていて両方の回転対称軸がコバの中心軸に対して傾いているレンズであっても良いし、回転非対称な光学面を少なくとも一面有するレンズであっても良いし、光を屈折させるとともに偏光する偏光レンズであっても良い。
【0015】
また、嵌合部と被嵌合部は、互いに嵌め合わされることによって鏡枠内でのレンズの回転を規制できるものであれば何でも良く、例えば、円柱状又は多角柱状のだぼとだぼ穴や、V字状の突起とV字溝であっても良いし、その他の組み合わせであっても良い。また、嵌合部と被嵌合部は、一組とは限らず、レンズと鏡枠とに複数組形成されていても良い。
【0016】
さらに、本発明によるレンズの材質は、ガラスであっても良いし、樹脂などのプラスチックであっても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、図1は、本実施形態のレンズ1及び鏡枠2の縦断面図であり、図2は、図1の右側から見たときのレンズ1の背面図であり、図3は、図1の左側から見たときの鏡枠2の正面図である。
【0018】
レンズ1は、回転対称な光学面をその両側に有するガラスレンズである。このレンズ1には、前側の第1面R1の回転対称軸Ax1と中心軸が同軸である円柱面状のコバ面が、形成されている。但し、他方の第2面R2の回転対称軸Ax2は、第1面R1の回転対称軸Ax1と交差するように、傾斜している。以下、便宜上、第1面R1の回転対称軸Ax1を、このレンズ1の光軸として説明する。そして、このレンズ1の第2面R2において、最も第1面R1に近接している位置には、円柱状のだぼ1aが、光軸Ax1方向へ突出するように、形成されている。
【0019】
鏡枠2は、略円筒状に形成されており、その内面は、段状に形成されている。この鏡枠2の内面は、具体的には、レンズ1を嵌め込み可能な大きさの内径を有する大径部2aと、この大径部2aよりも小さい内径を有するとともにこの大径部2aと同軸に配置される小径部2bとに、区分される。この大径部2aと小径部2bとの境界には、輪帯状の被当付面2cが、形成されており、この被当付面2cは、レンズ1の第2光学面R2の回転対称軸Ax2が光軸Ax1に対して傾く角度と同じ角度だけ、鏡枠2の中心軸に直交する方向から、傾けられている。そして、この被当付面2cにおいて、鏡枠2の中心軸方向における最も大径部2a寄りの位置には、上記だぼ1aを嵌め込み可能な大きさを有する円柱状のだぼ穴2dが、穿たれている。
【0020】
本実施形態のレンズ1及び鏡枠2が、以上のように構成されるので、鏡枠2に対してレンズ1を取り付ける際には、まず、第2面R2を被当付面2cに向けた状態で、レンズ1を大径部2aに嵌め入れて奥へ押し込み、次に、レンズ1を鏡枠2内で回転させることによって、だぼ1aをだぼ穴2dに対向させ、最後に、だぼ1aをだぼ穴2dに嵌め込みつつ、レンズ1を被当付面2cに当て付ける。
【0021】
このように、本実施形態によれば、だぼ1aをだぼ穴2dに嵌め込みつつ、レンズ1を鏡枠2内へ押し込むだけで、第2面R2の回転対称軸Ax2の傾斜方向を、鏡枠2内の所定の径方向(図1乃至図3における上方)へ簡単に且つ正確に向けることができ、然も、鏡枠2内においてレンズ1の回転を規制することができる。
【0022】
なお、本実施形態においては、レンズ1にだぼ1aが形成され、鏡枠2にだぼ穴2dが形成されているとしたが、これとは逆に、レンズ1にだぼ穴が形成され、鏡枠2にだぼが形成されていても良い。但し、このレンズ1がモールド成型によって成形される場合には、レンズ1にだぼが形成されている方が好ましい。これは、金型に対し、だぼ穴成型用の突起を残しつつ第2光学面R2成型用の穴を掘り込むよりも、第2光学面R2成型用の穴を掘り込んだ後にだぼ成型用の穴を掘り込む方が、加工が容易だからである。
【0023】
また、本実施形態においては、第2面R2にだぼ1aが形成されているとしたが、第1面R1にだぼ1aが形成されていても良い。後者の場合、鏡枠2の被当付面2cには、第1面R1が当て付けられることとなるので、この被当付面2cは、鏡枠2の中心軸方向に対して直交するように、形成される必要がある。
【0024】
さらに、本実施形態においては、第2面R2にだぼ1aが形成されているとしたが、第2面R2の周囲にこの第2面R2と連続する当付面(レンズ1が鏡枠2に嵌め入れられた際に被当付面2cに当て付けられるとともに光学面としての作用を奏しない部分)が用意されている場合には、この当付面にだぼ1aが形成されていても良い。
【0025】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、円柱面状のコバを有するとともに作用特性に方向性を有するレンズであっても、所定作用を及ぼす向きを鏡枠内の所定の径方向へ簡単に且つ正確に向けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるレンズ及び鏡枠の縦断面図
【図2】レンズの背面図
【図3】鏡枠の正面図
【符号の説明】
1 レンズ
1a だぼ
2 鏡枠
2a 大径部
2b 小径部
2c 被当付面
2d だぼ穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学面を囲む外周面(コバ)が円柱面であるレンズと、このレンズを保持する鏡枠とに、関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、投影用や撮影用のレンズの多くは、回転対称な光学面をその両面に有しており、また、円筒状の鏡枠内に保持され得るために、光学面を囲む外周面(コバ)が、円柱面状に形成されている。このようなレンズは、どの径方向においても光への作用特性が均一であるため、通常、鏡枠の中心軸上にコバの中心軸(すなわち光軸)が一致する状態で鏡枠内に取り付けられてさえすれば良い。つまり、レンズが鏡枠内において回転してしまっていても、透過する光に及ぼす作用に違いはない。
【0003】
これに対し、特殊な用途に使われるレンズのなかには、コバの中心軸と一方の光学面の回転対称軸とが共通の軸上にあって他方の光学面の回転対称軸がこの共通軸に対して傾いているレンズや、回転非対称非球面を有するレンズが、存在する。このようなレンズも、円柱面状のコバを有しているので、円筒状の鏡枠に嵌め込まれた場合には、回転方向の自由度を有してしまう。しかし、これらのレンズは、入射してきた光への作用特性に方向性を有するので、これらのレンズが鏡枠に保持される際には、設計時に指定された方向へ向けられる必要がある。
【0004】
従来、このような作用特性に方向性を有するレンズの鏡枠内での回転方向における向きを決定する方法として、レンズの外周縁の一部と鏡枠の内周縁の一部とに、それぞれ、取付向き決定用の印を付ける(線状や点状の指標を罫書き、或いは、切削加工により凸状や凹状のガイドを形成する)というものがある(特許文献1参照)。その概要を説明すると、作業者は、まず、製造段階において、光学面における特定の径方向を示す印をレンズに付しておくとともに、その印が示す径方向が向けられるべき方向を示す印を鏡枠に付しておき、次に、組立段階において、このレンズを鏡枠に嵌め込んだ後、このレンズを鏡枠内で回転させることにより、レンズの印と鏡枠の印とを対向させる。このような作業が行われることにより、鏡枠内において、設計時に指定された径方向へ、レンズが向けられる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−311804号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような取付向き決定方法によると、レンズや鏡枠の一つ一つに対して印を付ける作業が行われるため、作業ミスなどに因りその印が正確な位置からずれた位置に付けられしまうことがある。すると、後の組立作業において印同士を正確に対向させたとしても、当該レンズが、設計時に指定された径方向を向かなくなってしまうという問題がある。
【0007】
また、レンズや鏡枠において印が正確な位置に付けられている場合であっても、レンズの印と鏡枠の印とを対向させる作業が目視によってなされるため、その作業には、多少の手間と時間が掛かるという問題もある。然も、印同士が正確に対向していると作業者が判断したとしても、実際には、僅かながらずれている場合が多い。
【0008】
そこで、本発明の課題は、円柱面状のコバを有するとともに作用特性に方向性を有するレンズであって、所定作用を及ぼす向きを鏡枠内の所定の径方向へ簡単に且つ正確に向けられ得るレンズと、このようなレンズを保持する鏡枠とを、提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明によるレンズは、以下のような構成を採用した。
【0010】
すなわち、本発明によるレンズは、略円筒状の鏡枠に嵌め込み可能な大きさの円柱面状のコバを有するとともに、前記鏡枠内での回転方向における向きに依って光への作用が異なるレンズであって、何れかの前記光学面に連続する面には、前記鏡枠の所定位置に形成されている嵌合部に対して嵌め合い可能な被嵌合部が、形成されていることを、特徴としている。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本発明による鏡枠は、以下のような構成を採用した。
【0012】
すなわち、本発明による鏡枠は、円柱面状のコバを有するレンズを嵌め込み可能な大きさの大径部と、前記大径部よりも小さい内径を有するとともに前記大径部と同軸に配置される小径部と、前記大径部と前記小径部との境界に形成される輪帯状の被当付面とを有する鏡枠であって、前記被当付面には,前記レンズの一方の光学面の所定位置に形成されている被嵌合部に対して嵌め合い可能な嵌合部が、形成されていることを、特徴としている。
【0013】
これらのように構成されると、作用特性に方向性を有するレンズを鏡枠の大径部に嵌め入れつつ、鏡枠内でレンズを回転させれば、嵌合部を被嵌合部に嵌め合わすことができる。そして、このように嵌合部と被嵌合部とが嵌め合わされると、当該レンズが光に対して所定作用を及ぼす向きが、鏡枠内の所定の径方向へ向けられるとともに、鏡枠内において当該レンズの回転が規制される。従って、作業者は、当該レンズが光に対して所定作用を及ぼす向きを、鏡枠内の所定の径方向へ簡単に且つ正確に向けることができる。
【0014】
なお、当該レンズは、作用特性に方向性を有するものであって円柱面状のコバを有するものであれば、どのようなレンズであっても良く、例えば、少なくとも一方の光学面が回転対称な形状に形成されていてその回転対称軸がコバの中心軸に対して傾いているレンズであっても良いし、両面の光学面が回転対称な形状に形成されていて両方の回転対称軸がコバの中心軸に対して傾いているレンズであっても良いし、回転非対称な光学面を少なくとも一面有するレンズであっても良いし、光を屈折させるとともに偏光する偏光レンズであっても良い。
【0015】
また、嵌合部と被嵌合部は、互いに嵌め合わされることによって鏡枠内でのレンズの回転を規制できるものであれば何でも良く、例えば、円柱状又は多角柱状のだぼとだぼ穴や、V字状の突起とV字溝であっても良いし、その他の組み合わせであっても良い。また、嵌合部と被嵌合部は、一組とは限らず、レンズと鏡枠とに複数組形成されていても良い。
【0016】
さらに、本発明によるレンズの材質は、ガラスであっても良いし、樹脂などのプラスチックであっても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、図1は、本実施形態のレンズ1及び鏡枠2の縦断面図であり、図2は、図1の右側から見たときのレンズ1の背面図であり、図3は、図1の左側から見たときの鏡枠2の正面図である。
【0018】
レンズ1は、回転対称な光学面をその両側に有するガラスレンズである。このレンズ1には、前側の第1面R1の回転対称軸Ax1と中心軸が同軸である円柱面状のコバ面が、形成されている。但し、他方の第2面R2の回転対称軸Ax2は、第1面R1の回転対称軸Ax1と交差するように、傾斜している。以下、便宜上、第1面R1の回転対称軸Ax1を、このレンズ1の光軸として説明する。そして、このレンズ1の第2面R2において、最も第1面R1に近接している位置には、円柱状のだぼ1aが、光軸Ax1方向へ突出するように、形成されている。
【0019】
鏡枠2は、略円筒状に形成されており、その内面は、段状に形成されている。この鏡枠2の内面は、具体的には、レンズ1を嵌め込み可能な大きさの内径を有する大径部2aと、この大径部2aよりも小さい内径を有するとともにこの大径部2aと同軸に配置される小径部2bとに、区分される。この大径部2aと小径部2bとの境界には、輪帯状の被当付面2cが、形成されており、この被当付面2cは、レンズ1の第2光学面R2の回転対称軸Ax2が光軸Ax1に対して傾く角度と同じ角度だけ、鏡枠2の中心軸に直交する方向から、傾けられている。そして、この被当付面2cにおいて、鏡枠2の中心軸方向における最も大径部2a寄りの位置には、上記だぼ1aを嵌め込み可能な大きさを有する円柱状のだぼ穴2dが、穿たれている。
【0020】
本実施形態のレンズ1及び鏡枠2が、以上のように構成されるので、鏡枠2に対してレンズ1を取り付ける際には、まず、第2面R2を被当付面2cに向けた状態で、レンズ1を大径部2aに嵌め入れて奥へ押し込み、次に、レンズ1を鏡枠2内で回転させることによって、だぼ1aをだぼ穴2dに対向させ、最後に、だぼ1aをだぼ穴2dに嵌め込みつつ、レンズ1を被当付面2cに当て付ける。
【0021】
このように、本実施形態によれば、だぼ1aをだぼ穴2dに嵌め込みつつ、レンズ1を鏡枠2内へ押し込むだけで、第2面R2の回転対称軸Ax2の傾斜方向を、鏡枠2内の所定の径方向(図1乃至図3における上方)へ簡単に且つ正確に向けることができ、然も、鏡枠2内においてレンズ1の回転を規制することができる。
【0022】
なお、本実施形態においては、レンズ1にだぼ1aが形成され、鏡枠2にだぼ穴2dが形成されているとしたが、これとは逆に、レンズ1にだぼ穴が形成され、鏡枠2にだぼが形成されていても良い。但し、このレンズ1がモールド成型によって成形される場合には、レンズ1にだぼが形成されている方が好ましい。これは、金型に対し、だぼ穴成型用の突起を残しつつ第2光学面R2成型用の穴を掘り込むよりも、第2光学面R2成型用の穴を掘り込んだ後にだぼ成型用の穴を掘り込む方が、加工が容易だからである。
【0023】
また、本実施形態においては、第2面R2にだぼ1aが形成されているとしたが、第1面R1にだぼ1aが形成されていても良い。後者の場合、鏡枠2の被当付面2cには、第1面R1が当て付けられることとなるので、この被当付面2cは、鏡枠2の中心軸方向に対して直交するように、形成される必要がある。
【0024】
さらに、本実施形態においては、第2面R2にだぼ1aが形成されているとしたが、第2面R2の周囲にこの第2面R2と連続する当付面(レンズ1が鏡枠2に嵌め入れられた際に被当付面2cに当て付けられるとともに光学面としての作用を奏しない部分)が用意されている場合には、この当付面にだぼ1aが形成されていても良い。
【0025】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、円柱面状のコバを有するとともに作用特性に方向性を有するレンズであっても、所定作用を及ぼす向きを鏡枠内の所定の径方向へ簡単に且つ正確に向けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるレンズ及び鏡枠の縦断面図
【図2】レンズの背面図
【図3】鏡枠の正面図
【符号の説明】
1 レンズ
1a だぼ
2 鏡枠
2a 大径部
2b 小径部
2c 被当付面
2d だぼ穴
Claims (10)
- 略円筒状の鏡枠に嵌め込み可能な大きさの円柱面状のコバを有するとともに、前記鏡枠内での回転方向における向きに依って光への作用が異なるレンズであって、
何れかの前記光学面に連続する面には、前記鏡枠の所定位置に形成されている嵌合部に対して嵌め合い可能な被嵌合部が、形成されている
ことを特徴とするレンズ。 - 前記光学面のうちの少なくとも一方は、その面形状を式で表現するときに設定される原点を通る基準軸が前記コバの中心軸に対して傾けられている光学面である
ことを特徴とする請求項1記載のレンズ。 - 前記基準軸が前記コバの中心軸に対して傾いている光学面は、回転対称な面形状に形成されているとともに、前記基準軸は、その面形状の回転対称軸である
ことを特徴とする請求項2記載のレンズ。 - 前記被嵌合部は、前記基準軸が前記コバの中心軸に対して傾けられている光学面に連続する面に、形成されている
ことを特徴とする請求項2又は3記載のレンズ。 - 前記被嵌合部は、だぼであり、
前記嵌合部は、だぼ穴である
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のレンズ。 - 材質がガラスである
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のレンズ。 - モールド成型されることによって成形されている
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のレンズ。 - 円柱面状のコバを有するレンズを嵌め込み可能な大きさの大径部と、前記大径部よりも小さい内径を有するとともに前記大径部と同軸に配置される小径部と、前記大径部と前記小径部との境界に形成される輪帯状の被当付面とを有する鏡枠であって、
前記被当付面には、前記レンズの一方の光学面の所定位置に形成されている被嵌合部に対して嵌め合い可能な嵌合部が、形成されている
ことを特徴とする鏡枠。 - 前記被当付面は、中心軸方向に直交する方向から、傾けられている
ことを特徴とする請求項8記載の鏡枠。 - 前記被嵌合部は、だぼであり、
前記嵌合部は、だぼ穴である
ことを特徴とする請求項8又は9記載の鏡枠。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283664A JP2004118046A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | レンズ及び鏡枠 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283664A JP2004118046A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | レンズ及び鏡枠 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004118046A true JP2004118046A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32277467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002283664A Withdrawn JP2004118046A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | レンズ及び鏡枠 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004118046A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007086190A1 (ja) * | 2006-01-25 | 2007-08-02 | Konica Minolta Opto, Inc. | レンズ保持構造体 |
JP2011007860A (ja) * | 2009-06-23 | 2011-01-13 | Hoya Corp | ガラスモールドレンズ及びその支持枠 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283664A patent/JP2004118046A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007086190A1 (ja) * | 2006-01-25 | 2007-08-02 | Konica Minolta Opto, Inc. | レンズ保持構造体 |
JP2011007860A (ja) * | 2009-06-23 | 2011-01-13 | Hoya Corp | ガラスモールドレンズ及びその支持枠 |
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