JP2004117021A - 圧力検出装置用パッケージ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方の主面に半導体素子3が搭載される絶縁基体1の他方の主面に静電容量形成用の第一電極7を設けるとともに、内側主面に第一電極7と対向する第二電極9を有する絶縁板2を絶縁基体1の他方の主面との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で絶縁基体1と接合させた圧力検出装置用パッケージであって、第一電極7は他方の主面が密閉空間内に露出する領域の中心部に、領域の直径に対して50〜80%の直径を有する略円形の形状に被着形成されており、第二電極9は絶縁板2の内側主面が密閉空間内に露出する領域の全面に被着形成されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を検出するための圧力検出装置に使用される圧力検出装置用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧力を検出するための圧力検出装置として静電容量型の圧力検出装置が知られている。この静電容量型の圧力検出装置は、図4に断面図で示すように、セラミックス材料や樹脂材料から成る配線基板21上に、静電容量型の感圧素子22と、パッケージ28に収容された演算用の半導体素子29とを備えている(特許文献1参照)。
【0003】
そして、感圧素子22は、例えばセラミックス材料等の電気絶縁材料から成り、上面中央部に静電容量形成用の一方の電極23が被着された凹部を有する絶縁基体24と、この絶縁基体24の上面に絶縁基体24との間に密閉空間を形成するようにして可撓な状態で接合され、下面に静電容量形成用の他方の電極25が被着された絶縁板26と、各静電容量形成用の電極23・25をそれぞれ外部に電気的に接続するための外部リード端子27とから構成されており、外部の圧力に応じて絶縁板26が撓むことにより各静電容量形成用の電極23・25間に形成される静電容量が変化する。そして、この静電容量の変化を演算用の半導体素子29により演算処理することにより外部の圧力を検出することができる。
【0004】
しかしながら、この従来の圧力検出装置によると、感圧素子22と半導体素子29とを配線基板21上に個別に実装していることから、圧力検出装置が大型化してしまうとともに圧力検出用の電極23・25と半導体素子29との間の配線が長いものとなり、この長い配線間に不要な静電容量が形成されるため感度が低いという問題点を有していた。
【0005】
そこで、上記特許文献1の図3に示すように、一方の主面に半導体素子13が搭載される搭載部11bを有する絶縁基体11と、この絶縁基体11の表面および内部に配設され、半導体素子13の各電極が電気的に接続される複数の配線導体15と、絶縁基体11の他方の主面の中央部に被着され、配線導体15の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第一電極17と、絶縁基体11の他方の主面に、この主面の中央部との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で接合された絶縁板12と、この絶縁板12の内側主面に第一電極17と対向して被着され、配線導体15の他の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第二電極19とを具備する圧力検出装置用パッケージを提案した。この圧力検出用パッケージによると、一方の主面に半導体素子13が搭載される搭載部11bを有する絶縁基体11の他方の主面に静電容量形成用の第一電極17を設けるとともに、この第一電極17に対向する静電容量形成用の第二電極19を内側面に有する絶縁板12を、絶縁基体15の他方の主面との間に密閉空間を形成するようにして可撓な状態で接合させたことから、半導体素子13を収容するパッケージに感圧素子が一体に形成され、その結果、圧力検出装置を小型とすることができるとともに圧力検出用の電極と半導体素子13とを接続する配線を短いものとして、これらの配線間に発生する不要な静電容量を小さなものとすることができる。
【0006】
なお、上記特許文献1の圧力検出装置用パッケージによると、第一電極17、第二電極19が、それぞれ絶縁基体11の他方の主面および絶縁板12の内側主面が密閉空間内に露出する領域の略全面にわたって被着形成されていた。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−356064号公報(第2頁、図3、図4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の圧力検出装置用パッケージによると、第一電極17、第二電極19が、それぞれ絶縁基体11の他方の主面および絶縁板12の内側主面が密閉空間内に露出する領域の略全面にわたって被着形成されていることから、第一電極17と第二電極19との間に形成される静電容量は大きくなり、このパッケージに圧力が印加された場合に絶縁板12の密閉空間に対応する領域の中央部は大きく変位するものの外周部の変位は極めて小さいので、第一電極17および第二電極19の外周部は静電容量の変化にはあまり寄与することが無く、むしろ第一電極17と第二電極19との間の静電容量の変化率が小さいものとなり、圧力の検出感度が低下してしまうという問題点を有していた。
【0009】
本発明はかかる上述の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、小型でかつ感度が高く、外部の圧力を正確に検出することが可能な圧力検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧力検出装置用パッケージは、一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する絶縁基体と、該絶縁基体の表面および内部に配設され、前記半導体素子の各電極が電気的に接続される複数の配線導体と、前記絶縁基体の他方の主面との間に略円板形状の密閉空間を形成するように可撓な状態で前記絶縁基体に接合された絶縁板と、前記密閉空間内の前記絶縁基体の前記他方の主面に被着され、前記配線導体の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第一電極と、前記絶縁板の内側主面に前記第一電極と対向するように被着され、前記配線導体の他の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第二電極とを具備する圧力検出装置用パッケージであって、前記第一電極は、前記他方の主面が前記密閉空間内に露出する領域の中心部に、該領域の直径に対して50〜80%の直径を有する略円形の形状に被着形成されており、前記第二電極は、前記内側主面が前記密閉空間内に露出する前記領域の全面に被着形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、第一電極は絶縁基体の他方の主面が密閉空間内に露出する領域の中心部に、その領域の直径に対して50〜80%の直径を有する略円形の形状に被着形成されており、第二電極は絶縁板の内側主面が密閉空間内に露出する領域の全面に被着形成されていることから、第一電極と第二電極の外周部に第一電極と第二電極の重なりから成る圧力検出部はなく、そのため第一電極と第二電極の外周部に静電容量の変化にあまり寄与することのない余計な静電容量が形成されることはない。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の圧力検出装置用パッケージを添付の図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の圧力検出装置用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図であり、図中、1は絶縁基体、2は絶縁板、3は半導体素子である。
【0013】
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・炭化珪素質焼結体・窒化珪素質焼結体・ガラス−セラミックス等の電気絶縁材料から成る積層体であり、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクタブレード法を採用してシート状に成形することにより複数枚のセラミックグリーンシートを得、しかる後、これらのセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工・積層加工・切断加工を施すことにより絶縁基体1用の生セラミック成形体を得るとともにこの生セラミック成形体を約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0014】
絶縁基体1は、その下面中央部に半導体素子3を収容するための凹部1aが形成されており、これにより半導体素子3を収容する容器として機能する。そして、この凹部1aの底面中央部が半導体素子3が搭載される搭載部1bとなっており、この搭載部1bに半導体素子3を搭載するとともに凹部1a内に例えばエポキシ樹脂等の樹脂製封止材4を充填することにより半導体素子3が封止される。なお、この例では半導体素子3は樹脂製封止材4を凹部1a内に充填することにより封止されるが、半導体素子3は絶縁基体1の下面に金属やセラミックスから成る蓋体を凹部1aを塞ぐように接合させることにより封止されてもよい。
【0015】
また、搭載部1bには半導体素子3の各電極と接続される複数の配線導体5が導出しており、この配線導体5と半導体素子3の各電極を半田バンプ6等の導電性材料から成る導電性接合部材を介して接合することにより半導体素子3の各電極と各配線導体5とが電気的に接続されるとともに半導体素子3が搭載部1bに固定される。なお、この例では、半導体素子3の電極と配線導体5とは半田バンプ6を介して接続されるが、半導体素子3の電極と配線導体5とはボンディングワイヤ等の他の種類の電気的接続手段により接続されてもよい。
【0016】
配線導体5は、半導体素子3の各電極を外部電気回路および後述する第一電極7・第二電極9に電気的に接続するための導電路として機能し、その一部は絶縁基体1の外周下面に導出し、別の一部は第一電極7・第二電極9に電気的に接続されている。そして、半導体素子3の各電極をこれらの配線導体5に導電性接合材6を介して電気的に接続するとともに半導体素子3を樹脂製封止材4で封止した後、配線導体5の絶縁基体1外周下面に導出した部位を外部電気回路基板の配線導体に半田等の導電性接合材を介して接合することにより、内部に収容する半導体素子3が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0017】
このような配線導体5は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤等を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに所定のパターンに印刷塗布し、これを絶縁基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁基体1の内部および表面に所定のパターンに形成される。なお、配線導体5の露出表面には、配線導体5が酸化腐食するのを防止するとともに配線導体5と半田等の導電性接合材との接合を良好なものとするために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚みが0.1〜3μm程度の金めっき層とが順次被着されている。
【0018】
また、絶縁基体1の上面外周部には高さが0.01〜5mm程度の枠状の突起部1cが設けられており、それにより上面中央部に底面が略平坦な凹部1dが形成されている。この凹部1dは、後述するように、絶縁板2との間に密閉空間を形成するためのものであり、この凹部1dの底面には静電容量形成用の第一電極7が被着されている。
【0019】
この第一電極7は、後述する第二電極9とともに感圧素子用の静電容量を形成するためのものであり、例えば略円形のパターンに形成されている。そして、この第一電極7には配線導体5の一つ5aが接続されており、それによりこの配線導体5aに半導体素子3の電極を半田バンプ6等の導電性接合材を介して接続すると半導体素子3の電極と第一電極7とが電気的に接続されるようになっている。
【0020】
このような第一電極7は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これを絶縁基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁基体1の凹部1d底面に所定のパターンに形成される。なお、第一電極7の露出表面には、第一電極7が酸化腐食するのを防止するために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0021】
また、絶縁基体1の突起部1cの上面にはその全周にわたり枠状の接合用メタライズ層8が被着されており、この接合用メタライズ層8には、下面に第二電極9を有する絶縁板2がこの第二電極9と接合用メタライズ層8とを銀−銅ろう材等の導電性接合材を介して接合することにより取着されている。
【0022】
この接合用メタライズ層8には配線導体5の一つ5bが接続されており、それによりこの配線導体5bに半導体素子3の電極を半田バンプ6等の導電性接合材を介して電気的に接続すると接合用メタライズ層8に接続された第二電極9と半導体素子3の電極とが電気的に接続されるようになっている。
【0023】
接合用メタライズ層8は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これを絶縁基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁基体1の突起部1c上面に枠状の所定のパターンに形成される。なお、接合用メタライズ層8の露出表面には、接合用メタライズ層8が酸化腐食するのを防止するとともに接合用メタライズ層8と導電性接合材との接合を強固なものとするために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0024】
また、絶縁基体1の上面に取着された絶縁板2は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体・ガラス−セラミックス等の電気絶縁材料から成る厚みが0.01〜5mmの略平板であり、外部の圧力に応じて絶縁基体1側に撓むいわゆる圧力検出用のダイアフラムとして機能する。
【0025】
なお、絶縁板2は、その厚みが0.01mm未満では、その機械的強度が小さいものとなってしまうため、これに大きな外部圧力が印加された場合に破壊されてしまう危険性が大きなものとなり、他方、5mmを超えると、小さな圧力では撓みにくくなり、圧力検出用のダイアフラムとしては不適となってしまう。したがって、絶縁板2の厚みは0.01〜5mmの範囲が好ましい。
【0026】
このような絶縁板2は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクタブレード法を採用してシート状に成形することによりセラミックグリーンシートを得、しかる後、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工や切断加工を施すことにより絶縁板2用の生セラミック成形体を得るとともにこの生セラミック成形体を約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0027】
また、絶縁板2の下面の略全面には静電容量形成用の第二電極9が被着されている。この第二電極9は、前述の第一電極7とともに感圧素子用の静電容量を形成するための電極として機能するとともに絶縁板2を絶縁基体1に接合するための接合用下地金属層として機能する。
【0028】
このような第二電極9は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁板2用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これを絶縁板2用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁板2の下面の略全面に所定のパターンに形成される。なお、第二電極9の露出表面には、第二電極9が酸化腐食するのを防止するとともに第二電極9と導電性接合材との接合を良好とするために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0029】
この第二電極9と接合用メタライズ層8とは銀−銅ろう材等の導電性接合材を介して接合されており、それにより、絶縁基体1上面と絶縁板2下面との間に密閉空間が形成されるとともに接合用メタライズ層8と第二電極9とが電気的に接続される。
【0030】
このとき、第一電極7と第二電極9とは、絶縁基体1と絶縁板2との間に形成された空間を挟んで対向しており、これらの間には、第一電極7や第二電極9の面積および第一電極7と第二電極9との間隔に応じて所定の静電容量が形成される。そして、絶縁板2の上面に外部の圧力が印加されると、その圧力に応じて絶縁板2が絶縁基体1側に撓んで第一電極7と第二電極9との間隔が変わり、それにより第一電極7と第二電極9との間の静電容量が変化するので、外部の圧力の変化を静電容量の変化として感知する感圧素子として機能する。そして、この静電容量の変化を凹部1a内に収容した半導体素子3に配線導体5a・5bを介して伝達し、これを半導体素子3で演算処理することによって外部の圧力の大きさを知ることができる。
【0031】
そして、本発明においては、第一電極7は図2(a)に平面図で示すように、絶縁基体1の他方の主面が密閉空間内に露出する領域の中心部に、その領域の直径に対して50〜80%の直径を有する略円形の形状に被着形成されており、また第二電極9は図2(b)に平面図で示すように、絶縁板2の内側主面が密閉空間内に露出する領域の全面に被着形成されており、そのことが重要である。このように第一電極7は絶縁基体1の他方の主面が密閉空間内に露出する領域の中心部に、その領域の直径に対して50〜80%の直径を有する略円形の形状に被着形成され、第二電極9は絶縁板2の内側主面が密閉空間内に露出する領域の全面に被着形成されていることから、第一電極7はパッケージに圧力が印加された場合に、絶縁板2の変位が大きな中心部領域にのみ配設されることとなり、第一電極7と第二電極9の外周部に第一電極7と第二電極9の重なりから成る圧力検出部はなく、そのため第一電極7と第二電極9の外周部に静電容量の変化にあまり寄与しない余計な静電容量が形成されることはない。また、第二電極9が絶縁板2の内側主面が密閉空間内に露出する領域の全面に被着形成されており、それにより絶縁板2の機械的強度が大きくなるため絶縁板2へ外部からの大きな圧力が印加されたとしてもその絶縁板2に欠けや割れが発生することもなくなる。したがって、本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、第一電極7と第二電極9との間に形成される静電容量の変化率が高い、小型・高感度で外部の圧力を正確に検出することができる圧力検出装置とすることができる。
【0032】
なお、第一電極7の直径が絶縁基体1の他方の主面が密閉空間内に露出する領域の直径の50%未満であると、第一電極7と第二電極9との間に形成される静電容量が小さいものとなってしまい圧力を良好に検出することが困難となり、他方、80%を超えると、第一電極7と第二電極9との間に静電容量の変化に寄与しない余計な静電容量が形成されてしまい静電容量の変化率が低下するので圧力検出感度が低くなってしまう。したがって、第一電極7の直径は絶縁基体1の他方の主面が密閉空間内に露出する領域の直径の50〜80%の範囲に特定される。
【0033】
このように、本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、一方の主面に半導体素子3が搭載される絶縁基体1の他方の主面に静電容量形成用の第一電極7を設けるとともに、この第一電極7に対向する静電容量形成用の第二電極9を内側面に有する絶縁板2を絶縁基体1との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で絶縁基体1に接合させたことから、半導体素子3を収容する容器と感圧素子とが一体となり、その結果、圧力検出装置を小型化することができる。また、静電容量形成用の第一電極7および第二電極9を、絶縁基体1に設けた配線導体5a・5bを介して半導体素子3に接続することから、第一電極7および第二電極9を短い距離で半導体素子3に接続することができ、その結果、これらの配線導体5a・5b間に発生する不要な静電容量を小さなものとして感度の高い圧力検出装置を提供することができる。
【0034】
かくして、上述の圧力検出装置用パッケージによれば、搭載部1bに半導体素子3を搭載するとともに半導体素子3の各電極と配線導体5とを電気的に接続し、しかる後、半導体素子3を封止することによって小型でかつ感度の高く、外部の圧力を正確に検出することが可能な圧力検出装置となる。
【0035】
【実施例】
本発明の圧力検出装置用パッケージの実施例を以下に説明する。図2(a)の平面図で示すような、密閉空間内に露出する領域の直径に対して30〜100%の範囲内で異なる直径の第一電極7が形成された絶縁基体1を作成し、図2(b)に平面図で示すような、密閉空間内に露出する領域の全面に第二電極9が形成された絶縁板2を前述の絶縁基体1毎に作成しそれぞれ接合した8種類の評価用試料を作成した。
【0036】
また、絶縁基体1および絶縁板2の密閉空間内に露出する領域の直径は7.0mmとし、絶縁基体1および絶縁板2を第一電極7と第二電極9との距離が50μmとなるように銀−銅ろう材にて接合させた。
【0037】
そして、各8種類の試料において、絶縁板1の上面に1気圧(101KPa)および1800KPaの圧力を印加して、その圧力毎に各試料における第一電極7と第二電極9との間の静電容量を測定し、その測定値より各試料の1800KPa印加された時の静電容量の変化量を求めた。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1より、静電容量の変化量は80%を超えると変化量が減少することが判った。また、50%未満では変化量の値が3.0pFより小さくなっており、圧力変化に対する静電容量の検出が困難となることが判った。この評価結果より、密閉空間の領域の直径に対して第一電極7の直径を50〜80%とするのが好ましいことがわかった。
【0040】
なお、本発明は、上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば上述の実施の形態の一例では、絶縁基体1と絶縁板2とをろう付けにより接合したが、絶縁基体1と絶縁板2とは焼結一体化させることにより接合してもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、一方の主面に半導体素子が搭載される絶縁基体の他方の主面に静電容量形成用の第一電極を設けるとともに、この第一電極と対向する静電容量形成用の第二電極を有する絶縁板を絶縁基体の他方の主面との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で接合したことから、半導体素子を収容する容器と感圧素子とが一体となり、その結果、圧力検出装置を小型化することができるとともに圧力検出用の電極と半導体素子とを接続する配線の短いものとして、これらの配線間に発生する不要な静電容量を小さいものとすることができる。さらに、第一電極が絶縁基体の他方の主面が密閉空間内に露出する領域の中心部に、その領域の直径に対して50〜80%の直径を有する略円形の形状に被着形成され、第二電極が絶縁板の内側主面が密閉空間内に露出する領域の全面に被着形成されていることから、第一電極と第二電極の外周部に第一電極と第二電極の重なりから成る圧力検出部はなく、そのため第一電極と第二電極の外周部に静電容量の変化にあまり寄与しない余計な静電容量が形成されることはない。したがって第一電極と第二電極との間に形成される静電容量の変化率が高いものとなり、その結果、外部の圧力を正確かつ感度よく検出することが可能な圧力検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力検出装置用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】(a)・(b)はそれぞれ図1に示す圧力検出装置用パッケージの第一電極7および第二電極9を示す平面図である。
【図3】従来の圧力検出装置用パッケージの断面図である。
【図4】従来の圧力検出装置用パッケージの断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・絶縁基体
2・・・・・・・・・・・絶縁板
3・・・・・・・・・・・半導体素子
5、5a、5b・・・・・配線導体
7・・・・・・・・・・・第一電極
9・・・・・・・・・・・第二電極
Claims (1)
- 一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する絶縁基体と、該絶縁基体の表面および内部に配設され、前記半導体素子の各電極が電気的に接続される複数の配線導体と、前記絶縁基体の他方の主面との間に略円板形状の密閉空間を形成するように可撓な状態で前記絶縁基体に接合された絶縁板と、前記密閉空間内の前記絶縁基体の前記他方の主面に被着され、前記配線導体の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第一電極と、前記絶縁板の内側主面に前記第一電極と対向するように被着され、前記配線導体の他の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第二電極とを具備する圧力検出装置用パッケージであって、前記第一電極は、前記他方の主面が前記密閉空間内に露出する領域の中心部に該領域の直径に対して50〜80%の直径を有する略円形の形状に被着形成されており、前記第二電極は、前記内側主面が前記密閉空間内に露出する領域の全面に被着形成されていることを特徴とする圧力検出装置用パッケージ。
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