JP2004116915A - 脱気器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の第1の目的は、従来のような付加的な制御をせずに、単純構造で急激な減圧沸騰を抑制できる単胴式の脱気器を提供することにある。
本発明の第2の目的は、2胴式の脱気器における圧力変動をより一層緩和して、急激な減圧沸騰の可能性をさらに低減できる脱気器を提供することにある。
【解決手段】復水を脱気する脱気トレイと、前記脱気トレイを流下した復水を貯水する復水貯水部を備え、タービン抽気管から導入した蒸気により前記脱気トレイを流下する復水を加熱するように構成された脱気器において、前記復水貯水部に復水の沸騰を促進する沸騰促進体を設ける。
【選択図】 図1
本発明の第2の目的は、2胴式の脱気器における圧力変動をより一層緩和して、急激な減圧沸騰の可能性をさらに低減できる脱気器を提供することにある。
【解決手段】復水を脱気する脱気トレイと、前記脱気トレイを流下した復水を貯水する復水貯水部を備え、タービン抽気管から導入した蒸気により前記脱気トレイを流下する復水を加熱するように構成された脱気器において、前記復水貯水部に復水の沸騰を促進する沸騰促進体を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電プラントの脱気器に関する。
【0002】
【従来の技術】
脱気器は、発電プラントの復水に溶存する酸素を脱気する機器である。脱気器には脱気トレイが設置され、脱気トレイ上に復水が散布される。散布された復水が脱気トレイ上を流下するときに、復水中から酸素を含む空気が脱気され、空気は別に設けられた真空ポンプにより排気される。
【0003】
特にプラントの起動時には、多くの酸素が含まれるため、脱気特性を向上する必要があり、流下する復水に補助蒸気が導かれ、復水温度を上昇させる方式がとられる。通常運転時には、給水加熱器で加熱された復水が流入する。何れの時も、加熱された復水が脱気器の下部に溜まる。脱気器の下部に溜まる復水量はプラント規模に応じて設定され、さらに水位制御されることにより、プラント中の水量を十分確保する施策がとられる。これらの結果として、脱気器には高温で多量の復水が保持されることになる。
【0004】
最近の発電プラントでは、負荷変動に追従して発電出力を変動する方式がとられ、復水器で生じる復水量と給水加熱器での加熱がバランスするとは限らない。また、送電系統の事故などにより発電を急に停止するとき、ボイラーの停止に続き、給水加熱器に抽気される蒸気量が急激に減少する。このため、脱気器に入る復水温度は急激に低下し、飽和状態にある蒸気圧力が低下する。一方、脱気器の下部に保持された復水は高温に保たれているため、蒸気圧力の低下に伴い、減圧沸騰を開始する。急激な沸騰は、給水ポンプにキャビテーションなどのダメージを与え、機器の信頼性を損なう。
【0005】
これまで、高温の貯水タンクと脱気トレイを分離し、連通管でつないだ2胴式の脱気器が用いられてきた。近年、小型化を追求するために貯水タンクと脱気トレイを一体とした単胴式が用いられるようになってきた。2胴式は高温の貯水タンクと脱気トレイが分離されているので、両者の圧力が均一になるのに時間がかかるので、単胴式に比べて急激な減圧沸騰は起こり難い。一方で、単胴式は蒸気圧力の低下が器内全体に伝わり、前述したメカニズムにより、急激な減圧沸騰が生じ易い構造となっている。
【0006】
単胴式の脱気器の減圧沸騰を抑制するための従来技術として、加熱された復水溜まりを冷却水で冷却する構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−211007号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、復水溜まりの冷却により減圧沸騰を抑制できるが、冷却用の冷却管,冷却水を通水するためのポンプ及び配管系などの多くの付帯設備が必要となる。更に、上記従来技術では冷却水を通水するための付加的な切替え制御が必要であり、加熱された領域へ冷却水を通水させたときの熱衝撃の緩和等も考慮する必要がある。
【0009】
本発明の第1の目的は、従来のような付加的な制御をせずに、単純構造で急激な減圧沸騰を抑制できる単胴式の脱気器を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、2胴式の脱気器における圧力変動をより一層緩和して、急激な減圧沸騰の可能性をさらに低減できる脱気器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、脱気器の復水溜まり(復水貯水部)に、復水の沸騰を促進する沸騰促進体を設ける。沸騰促進体としては、銅、黄銅またはステンレス等の熱伝導率が高い金属を用いることができる。熱伝導率が高い金属とは、温度範囲0〜200℃における熱伝導率が20W/(m・K)(メートル・ケルビン)以上の金属をいう。
【0012】
減圧沸騰は、復水の過熱度、即ち圧力で決まる飽和温度からの復水温度の上昇が一定値を超えると生じる。熱伝導率が高い金属を沸騰促進体として設けることにより、小さな過熱度でも復水は沸騰を開始する。この沸騰による潜熱は復水溜まりの温度を下げると共に、この沸騰により生じた蒸気は脱気トレイを流下する復水を加熱する。この結果、脱気器内の温度が均一化され、圧力の低下が緩和される。
【0013】
従って、前記した急激な減圧沸騰を抑制できる。この場合、沸騰促進体は単に設置するだけで良く、従来の冷却水切替えのような付加的な制御は必要ない。この結果、脱気器のコストを低減し、運転時の信頼性を向上できる。
【0014】
また、沸騰は液体と接する固体表面で発生する沸騰核を起点に生じる。固体の表面粗さを粗くすると沸騰核が生成され易くなるので、上記沸騰促進体の表面粗さを粗くすることにより、本発明の沸騰促進効果はより高くなる。表面粗さが粗いとは、表面における凹凸の高さ(深さ)が1〜100μm、凹凸の凸部(又は凹部)先端の間隔が1〜500μmである状態をいう。
【0015】
さらに、水頭圧の低い復水溜まりの表層近傍に上記沸騰促進体を設けることにより、脱気器内の圧力が下がり始める早い時期に、沸騰促進体の近傍でのみ沸騰が開始する。表層近傍とは、例えば、復水溜まりの水深Lのうち上端の0.3L以上の上部領域を指す。この作用は沸騰促進体の少なくとも一部が復水溜まりの表層近傍に設置されていれば得られるが、沸騰促進体の全体を表層近傍に設置する方がより好ましい。また、沸騰促進体を微細な構造に区分して沸騰により生じる蒸気泡を微細化することにより、機器に与えるダメージを抑制できる。微細な構造とは、例えば後述する図3に示すような円管などにより区分された流路が形成されるような構造をいう。
【0016】
【発明の実施の形態】
初めに、図5を用いて、本発明の脱気器を適用した発電プラントの概略系統図を説明する。1は脱気器、2はボイラー、3はタービン、4は復水器、5は給水加熱器である。脱気器1は給水加熱器5の後段に配置され、給水加熱器5により約150℃まで加熱された復水が脱気器1に流入する。復水は、脱気器1の脱気トレイを流下する過程で、タービン抽気管301から導かれた補助蒸気により約180℃まで加熱され、脱気器下部の復水溜まり(復水貯水部)に貯水される。復水溜まりの復水は、通常の運転時には降水管102から排水される。
【0017】
次に、本発明による脱気器の一実施例を、図1および図2を用いて説明する。図1は本発明による単胴式脱気器の一実施例を示す概略縦断面図、図2は図1のA−A矢視図である。
【0018】
脱気器1は水平方向に横長の円筒状の脱気器容器1aを有する。脱気器容器
1aは、例えば直径100cm,長さ500cm程度の円筒状容器である。複数段の脱気トレイ11が、支持板21により脱気器容器1aに吊り下げられている。脱気トレイ11はその周りを支持板21に囲まれて、副室21aが形成されている。沸騰促進体10は脱気器容器1aの下部側面に固定されている。復水溜まりでの復水の対流を妨げないように、沸騰促進体10は脱気器容器1a底面から離して設置され、沸騰促進体10と脱気器容器1a底面の間に形成される空間15は開口10aに連通する。尚、図1では、簡単のために沸騰促進体10の一部のみを模式的に表示している。
【0019】
復水管501で導かれた復水は、スプレー弁12で微粒化され、脱気トレイ
11に散布される。散布された復水が脱気トレイ11上を流下するときに、酸素を含む空気が復水中から脱気され、真空排気管13から排気される。また、タービン抽気管301から導かれた補助蒸気が、脱気トレイ11を流下する復水を加熱して、脱気を促進する。
【0020】
図3は、沸騰促進体10の一例を示す概略部分構成図である。10cは円管、10dは支持板である。鉛直方向に設置された複数の円管10cが、水平方向に設置された支持板10dで保持される。支持板10dは、脱気器容器1aの円筒側面に接する線上で脱気器容器1aに固定される。支持板10dには、支持板10dの下側と円管10cの内部とを連通させる開口(穴)10aを設け、復水溜まりでの対流を促す構造としている。
【0021】
円管10cとして径の小さな管を多数本用いることにより、沸騰促進体の表面積を大きくして、復水の沸騰促進効果をより効果的にできる。このためには、例えば内径10〜30mm,長さ(高さ)50cm程度の大きさの円管10cを、間隔15〜60mmで50〜500本程度配置すれば良い。さらに、多数の円管10cで区分した構造とすることにより、円管10cの内部で発生する蒸気泡の大きさを微細にできる。これにより、微細な沸騰核が生成され易くなるので、沸騰促進効果はより効果的になる。
【0022】
図4は、脱気トレイ11の一例を示す概略部分構成図である。脱気トレイ11は、平板状の本体11cの一部を突出させた複数の突出部11aを備え、突出部11aの下側に開口(穴)11bを備える。突出部11aとしては、例えば幅3mm,突出高さ1mm程度の微細な板状の突出部を用いることができる。
【0023】
このような脱気トレイを備えることにより、スプレー弁12からスプレーされた復水は、一旦、脱気トレイ11全体で保持され、開口11bを通って下の脱気トレイに流下する。また、タービン抽気管301から導かれた補助蒸気は、副室21a内で脱気トレイ11の開口11bを下から上に向かって流れる。この際、突出部11aは蒸気を水平方向に拡げる役割も果たす。このようなトレイ構造により、復水の脱気トレイ上での滞留時間を長くし、蒸気がトレイ全体に拡がって復水を均一に加熱することができるので、脱気特性を向上できる。
【0024】
復水溜まりにおける復水の水位は図1の水位計14によりモニターされ、復水管501からの復水流量を増減して、所定の復水水位を保つように制御される。具体的には、例えば、水位計14で計測した復水の水位が下限水位よりも低い場合には降水管102に設置した弁(図示せず)を絞って復水の流出量を減らすように、水位計14で計測した復水の水位が上限水位よりも高い場合には降水管102に設置した弁を開いて復水の流出量を増やすように制御する。下限水位は、システム上必要な保持水量により決まる水位であり、上限水位は、脱気トレイ11を水没させないように決まる水位である。これにより、脱気器1内に十分な復水量を保持して、システムの安定化に寄与できる。
【0025】
図5において、負荷変動時やプラントの緊急停止時などには、まず、タービン抽気管301及び305を通して脱気器1及び給水加熱器5に流入する蒸気量が減少する。復水流量が一定に保たれると、脱気器1に流入する復水の温度が低下する。脱気トレイ11の周囲では、蒸気は流下する復水と平衡となる飽和状態にあるため、復水の温度低下に伴って飽和蒸気圧力が低下する。この圧力低下は復水溜まりにも伝わるが、復水溜まりの温度は高く保たれている。復水の過熱度が一定値を超えると、沸騰が開始する。沸騰には、沸騰の核が必要であり、沸騰促進体10を中心に沸騰が始まる。水深が深い所では、水頭圧により沸騰が抑えられるので、沸騰促進体10の中でも特に復水溜まりの表層近傍(水深の浅い領域)が沸騰の中心となる。
【0026】
このことから、沸騰促進体10の上端を復水溜まりの表層近傍に配置する。また、沸騰を継続するために、沸騰促進体10は、沸騰で生じた蒸気泡を上部から逃がし、その周囲から復水が供給される構造とする。
【0027】
図3の沸騰促進体10を用いた場合、円管10cの内側では、発生した蒸気泡は円管10cの上端から鉛直上方に放出され、円管10cの下端からは復水が流入する。蒸気泡は復水に比べ密度が遥かに低く、円管10cを鉛直方向に設置しているので、上記した流れ(蒸気泡の放出及び復水の流入)は自然対流として維持される。沸騰による潜熱によって復水溜まりが冷却されるとともに、沸騰によって生じる蒸気は脱気トレイ11を流下する復水を加熱するので、脱気器内の温度が均一化され、圧力の低下を緩和できる。
【0028】
図3の沸騰促進体10では、支持板10dを下部にのみ設けているため、円管外側でも沸騰し、生じた蒸気泡は上方に放出されるので、円管内側と同様の対流が生じる。ただし、円管外側の場合、円管内側を通過する対流に比べて円管近傍に限定された局所的な対流であるため、脱気器内の温度均一化の効果は若干小さい。円管10cの内側,外側の何れで沸騰が生じても、蒸気泡は十分に小さいため、蒸気泡の上昇に伴い巻き込まれる液体の質量が小さく、液体の衝突により構成機器に与えるダメージは小さい。
【0029】
図6は、沸騰促進体10の他の一例を示す概略部分構成図である。本例は、図3の沸騰促進体の上側にも支持板10dを設けた例である。上記した自然対流を保つために、支持板10dには、支持板10dの下側と円管10cの内部とを連通させる開口(穴)10a及び支持板10dの上側と円管10cの内部とを連通させる開口(穴)10bを設ける。更に、沸騰促進体10を脱気器容器1aの底面から離した位置に設置することにより、円管10cの内部を通して下側から上側への自然対流が流れ易い構造とする。図6の場合、円管10cの外側における蒸気泡の上昇は上側の支持板10dで遮られるため、継続した沸騰は円管10c内を中心として起こる。この構造では、円管10cを上下の両端で支持することにより、図3よりも機械的な強度を増すことができる。
【0030】
図3及び図6の沸騰促進体10において、図7に示すように、円管10cの側面に多数のノズル穴(小孔)10eを設けても良い。この場合、円管10cの側面の外側から内側に復水の流入を促す効果がある。
【0031】
図8は、沸騰促進体10の他の一例を示す概略部分構成図である。本例は、図3の円管10cに代えて、中実棒(円柱構造物,ピン)10fを設けた例である。中実棒10fの大きさ,設置間隔,本数などは、円筒の場合と同等である。この場合、沸騰は中実棒10fの外表面で生じるが、下側の支持板10dのみで支持されるので、蒸気泡の上昇を妨げることはなく、沸騰が継続される。
【0032】
図9は、沸騰促進体10の他の一例を示す概略部分構成図である。本例は、複数の平板10gで仕切られた複数の矩形流路10hを有する例である。格子状に形成された1つのマス目が1つの矩形流路10hに対応する。円管の場合にならって、矩形流路10hの幅は15〜60mm、長さは50cm、数は50〜500とすれば良い。このような構造を用いても、鉛直方向に長く伸びた複数の矩形流路10hを通して、下側から上側への自然対流が流れ易くなる。
【0033】
図10は、沸騰促進体10の表面20の部分拡大断面図である。表面20の微細な凹凸が沸騰核となり、さらに沸騰を促進する。特に、銅,黄銅またはステンレス等の熱伝導率が高い金属で且つ表面粗さが粗いときに、特に沸騰核が生成され易く、沸騰を促進する効果が高い。微細な凹凸の代表長さとしては、例えば図10に示す凹部の幅を100μm程度とする。微細な凹凸の大きさについては、前述したようなサイズであれば、沸騰促進効果が得られる。このような表面構造を有する沸騰促進体10を用いることにより、小さな過熱度でも復水の沸騰が開始する。
【0034】
ここまでは沸騰促進体10についてのみ説明したが、脱気器容器1aが復水と接する内壁表面でも沸騰核が生成されるので、前述した沸騰による温度均一化の効果が若干はある。実用的には、沸騰促進体10を設けたことによる効果が、脱気器容器1aの内壁が有する効果を上回ることが好ましい。このためには、沸騰促進体10の表面積を、脱気器容器1aの内壁が復水と接する面積と同等以上にすることが好ましい。沸騰促進体10の表面積とは、円管を用いた図3及び図6の場合、円管10cの内側表面積と外側表面積の和,中実棒を用いた図8の場合、中実棒10fの外側表面積,格子を構成する図9の場合、平板10gの内側表面積と外側表面積の和である。
【0035】
以上説明した実施例によれば、従来の冷却水切替えのような付加的な制御をせずに、単に沸騰促進体を設置するだけで、単胴式脱気器の急激な減圧沸騰を抑制できる。
【0036】
次に、本発明による脱気器の他の実施例を図11を用いて説明する。図11は、本発明による2胴式脱気器の一実施例を示す概略縦断面図である。本脱気器1は、脱気室1bと貯水室1cに分離され、連通管101により接続される。この場合、スプレー弁12から脱気トレイ11に散布された復水は、脱気トレイ11上を流下するときに酸素を含む空気が脱気され、連通管101を通して、貯水室1cの復水溜まりに貯水される。図3,図6〜図9に示した沸騰促進体10が、貯水室1cの復水溜まりに設置される。その他の構成は図1の実施例と同じであるので、ここでは説明を省略する。このような2胴式の場合、単胴式に比べて減圧沸騰の危険性は小さいが、沸騰促進体10を用いることにより圧力変動をより一層緩和できるので、脱気器の運転範囲を更に広められる利点がある。
【0037】
本実施例によれば、2胴式脱気器において圧力変動をより一層緩和できるので、急激な減圧沸騰の可能性を極めて小さくでき、機器の信頼性をさらに高めることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、単胴式の脱気器において、従来の冷却水切替えのような付加的な制御をせずに、単純構造で急激な減圧沸騰を抑制できる。
【0039】
また、2胴式の脱気器において、圧力変動をより一層緩和して、急激な減圧沸騰の可能性をさらに低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による単胴式脱気器の一実施例を示す概略縦断面図。
【図2】図1のA−A矢視図。
【図3】沸騰促進体の一例を示す概略部分構成図。
【図4】脱気トレイ11の一例を示す概略部分構成図。
【図5】本発明の脱気器を適用した発電プラントの概略系統図。
【図6】沸騰促進体の他の一例を示す概略部分構成図。
【図7】図3及び図6における円管の概略構成図。
【図8】沸騰促進体の他の一例を示す概略部分構成図。
【図9】沸騰促進体の他の一例を示す概略部分構成図。
【図10】沸騰促進体の表面の部分拡大断面図。
【図11】本発明による2胴式脱気器の一実施例を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
1…脱気器、1a…脱気器容器、1b…脱気室、1c…貯水室、10…沸騰促進体、10a,10b,11b…開口、10c…円管、10d…支持板、10e…ノズル穴、10f…中実棒、10g…平板、10h…矩形流路、11…脱気トレイ、11a…突出部、11c…本体、12…スプレー弁、13…真空排気管、14…水位計、15…空間、101…連通管、102…降水管、301,305…タービン抽気管。
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電プラントの脱気器に関する。
【0002】
【従来の技術】
脱気器は、発電プラントの復水に溶存する酸素を脱気する機器である。脱気器には脱気トレイが設置され、脱気トレイ上に復水が散布される。散布された復水が脱気トレイ上を流下するときに、復水中から酸素を含む空気が脱気され、空気は別に設けられた真空ポンプにより排気される。
【0003】
特にプラントの起動時には、多くの酸素が含まれるため、脱気特性を向上する必要があり、流下する復水に補助蒸気が導かれ、復水温度を上昇させる方式がとられる。通常運転時には、給水加熱器で加熱された復水が流入する。何れの時も、加熱された復水が脱気器の下部に溜まる。脱気器の下部に溜まる復水量はプラント規模に応じて設定され、さらに水位制御されることにより、プラント中の水量を十分確保する施策がとられる。これらの結果として、脱気器には高温で多量の復水が保持されることになる。
【0004】
最近の発電プラントでは、負荷変動に追従して発電出力を変動する方式がとられ、復水器で生じる復水量と給水加熱器での加熱がバランスするとは限らない。また、送電系統の事故などにより発電を急に停止するとき、ボイラーの停止に続き、給水加熱器に抽気される蒸気量が急激に減少する。このため、脱気器に入る復水温度は急激に低下し、飽和状態にある蒸気圧力が低下する。一方、脱気器の下部に保持された復水は高温に保たれているため、蒸気圧力の低下に伴い、減圧沸騰を開始する。急激な沸騰は、給水ポンプにキャビテーションなどのダメージを与え、機器の信頼性を損なう。
【0005】
これまで、高温の貯水タンクと脱気トレイを分離し、連通管でつないだ2胴式の脱気器が用いられてきた。近年、小型化を追求するために貯水タンクと脱気トレイを一体とした単胴式が用いられるようになってきた。2胴式は高温の貯水タンクと脱気トレイが分離されているので、両者の圧力が均一になるのに時間がかかるので、単胴式に比べて急激な減圧沸騰は起こり難い。一方で、単胴式は蒸気圧力の低下が器内全体に伝わり、前述したメカニズムにより、急激な減圧沸騰が生じ易い構造となっている。
【0006】
単胴式の脱気器の減圧沸騰を抑制するための従来技術として、加熱された復水溜まりを冷却水で冷却する構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−211007号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、復水溜まりの冷却により減圧沸騰を抑制できるが、冷却用の冷却管,冷却水を通水するためのポンプ及び配管系などの多くの付帯設備が必要となる。更に、上記従来技術では冷却水を通水するための付加的な切替え制御が必要であり、加熱された領域へ冷却水を通水させたときの熱衝撃の緩和等も考慮する必要がある。
【0009】
本発明の第1の目的は、従来のような付加的な制御をせずに、単純構造で急激な減圧沸騰を抑制できる単胴式の脱気器を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、2胴式の脱気器における圧力変動をより一層緩和して、急激な減圧沸騰の可能性をさらに低減できる脱気器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、脱気器の復水溜まり(復水貯水部)に、復水の沸騰を促進する沸騰促進体を設ける。沸騰促進体としては、銅、黄銅またはステンレス等の熱伝導率が高い金属を用いることができる。熱伝導率が高い金属とは、温度範囲0〜200℃における熱伝導率が20W/(m・K)(メートル・ケルビン)以上の金属をいう。
【0012】
減圧沸騰は、復水の過熱度、即ち圧力で決まる飽和温度からの復水温度の上昇が一定値を超えると生じる。熱伝導率が高い金属を沸騰促進体として設けることにより、小さな過熱度でも復水は沸騰を開始する。この沸騰による潜熱は復水溜まりの温度を下げると共に、この沸騰により生じた蒸気は脱気トレイを流下する復水を加熱する。この結果、脱気器内の温度が均一化され、圧力の低下が緩和される。
【0013】
従って、前記した急激な減圧沸騰を抑制できる。この場合、沸騰促進体は単に設置するだけで良く、従来の冷却水切替えのような付加的な制御は必要ない。この結果、脱気器のコストを低減し、運転時の信頼性を向上できる。
【0014】
また、沸騰は液体と接する固体表面で発生する沸騰核を起点に生じる。固体の表面粗さを粗くすると沸騰核が生成され易くなるので、上記沸騰促進体の表面粗さを粗くすることにより、本発明の沸騰促進効果はより高くなる。表面粗さが粗いとは、表面における凹凸の高さ(深さ)が1〜100μm、凹凸の凸部(又は凹部)先端の間隔が1〜500μmである状態をいう。
【0015】
さらに、水頭圧の低い復水溜まりの表層近傍に上記沸騰促進体を設けることにより、脱気器内の圧力が下がり始める早い時期に、沸騰促進体の近傍でのみ沸騰が開始する。表層近傍とは、例えば、復水溜まりの水深Lのうち上端の0.3L以上の上部領域を指す。この作用は沸騰促進体の少なくとも一部が復水溜まりの表層近傍に設置されていれば得られるが、沸騰促進体の全体を表層近傍に設置する方がより好ましい。また、沸騰促進体を微細な構造に区分して沸騰により生じる蒸気泡を微細化することにより、機器に与えるダメージを抑制できる。微細な構造とは、例えば後述する図3に示すような円管などにより区分された流路が形成されるような構造をいう。
【0016】
【発明の実施の形態】
初めに、図5を用いて、本発明の脱気器を適用した発電プラントの概略系統図を説明する。1は脱気器、2はボイラー、3はタービン、4は復水器、5は給水加熱器である。脱気器1は給水加熱器5の後段に配置され、給水加熱器5により約150℃まで加熱された復水が脱気器1に流入する。復水は、脱気器1の脱気トレイを流下する過程で、タービン抽気管301から導かれた補助蒸気により約180℃まで加熱され、脱気器下部の復水溜まり(復水貯水部)に貯水される。復水溜まりの復水は、通常の運転時には降水管102から排水される。
【0017】
次に、本発明による脱気器の一実施例を、図1および図2を用いて説明する。図1は本発明による単胴式脱気器の一実施例を示す概略縦断面図、図2は図1のA−A矢視図である。
【0018】
脱気器1は水平方向に横長の円筒状の脱気器容器1aを有する。脱気器容器
1aは、例えば直径100cm,長さ500cm程度の円筒状容器である。複数段の脱気トレイ11が、支持板21により脱気器容器1aに吊り下げられている。脱気トレイ11はその周りを支持板21に囲まれて、副室21aが形成されている。沸騰促進体10は脱気器容器1aの下部側面に固定されている。復水溜まりでの復水の対流を妨げないように、沸騰促進体10は脱気器容器1a底面から離して設置され、沸騰促進体10と脱気器容器1a底面の間に形成される空間15は開口10aに連通する。尚、図1では、簡単のために沸騰促進体10の一部のみを模式的に表示している。
【0019】
復水管501で導かれた復水は、スプレー弁12で微粒化され、脱気トレイ
11に散布される。散布された復水が脱気トレイ11上を流下するときに、酸素を含む空気が復水中から脱気され、真空排気管13から排気される。また、タービン抽気管301から導かれた補助蒸気が、脱気トレイ11を流下する復水を加熱して、脱気を促進する。
【0020】
図3は、沸騰促進体10の一例を示す概略部分構成図である。10cは円管、10dは支持板である。鉛直方向に設置された複数の円管10cが、水平方向に設置された支持板10dで保持される。支持板10dは、脱気器容器1aの円筒側面に接する線上で脱気器容器1aに固定される。支持板10dには、支持板10dの下側と円管10cの内部とを連通させる開口(穴)10aを設け、復水溜まりでの対流を促す構造としている。
【0021】
円管10cとして径の小さな管を多数本用いることにより、沸騰促進体の表面積を大きくして、復水の沸騰促進効果をより効果的にできる。このためには、例えば内径10〜30mm,長さ(高さ)50cm程度の大きさの円管10cを、間隔15〜60mmで50〜500本程度配置すれば良い。さらに、多数の円管10cで区分した構造とすることにより、円管10cの内部で発生する蒸気泡の大きさを微細にできる。これにより、微細な沸騰核が生成され易くなるので、沸騰促進効果はより効果的になる。
【0022】
図4は、脱気トレイ11の一例を示す概略部分構成図である。脱気トレイ11は、平板状の本体11cの一部を突出させた複数の突出部11aを備え、突出部11aの下側に開口(穴)11bを備える。突出部11aとしては、例えば幅3mm,突出高さ1mm程度の微細な板状の突出部を用いることができる。
【0023】
このような脱気トレイを備えることにより、スプレー弁12からスプレーされた復水は、一旦、脱気トレイ11全体で保持され、開口11bを通って下の脱気トレイに流下する。また、タービン抽気管301から導かれた補助蒸気は、副室21a内で脱気トレイ11の開口11bを下から上に向かって流れる。この際、突出部11aは蒸気を水平方向に拡げる役割も果たす。このようなトレイ構造により、復水の脱気トレイ上での滞留時間を長くし、蒸気がトレイ全体に拡がって復水を均一に加熱することができるので、脱気特性を向上できる。
【0024】
復水溜まりにおける復水の水位は図1の水位計14によりモニターされ、復水管501からの復水流量を増減して、所定の復水水位を保つように制御される。具体的には、例えば、水位計14で計測した復水の水位が下限水位よりも低い場合には降水管102に設置した弁(図示せず)を絞って復水の流出量を減らすように、水位計14で計測した復水の水位が上限水位よりも高い場合には降水管102に設置した弁を開いて復水の流出量を増やすように制御する。下限水位は、システム上必要な保持水量により決まる水位であり、上限水位は、脱気トレイ11を水没させないように決まる水位である。これにより、脱気器1内に十分な復水量を保持して、システムの安定化に寄与できる。
【0025】
図5において、負荷変動時やプラントの緊急停止時などには、まず、タービン抽気管301及び305を通して脱気器1及び給水加熱器5に流入する蒸気量が減少する。復水流量が一定に保たれると、脱気器1に流入する復水の温度が低下する。脱気トレイ11の周囲では、蒸気は流下する復水と平衡となる飽和状態にあるため、復水の温度低下に伴って飽和蒸気圧力が低下する。この圧力低下は復水溜まりにも伝わるが、復水溜まりの温度は高く保たれている。復水の過熱度が一定値を超えると、沸騰が開始する。沸騰には、沸騰の核が必要であり、沸騰促進体10を中心に沸騰が始まる。水深が深い所では、水頭圧により沸騰が抑えられるので、沸騰促進体10の中でも特に復水溜まりの表層近傍(水深の浅い領域)が沸騰の中心となる。
【0026】
このことから、沸騰促進体10の上端を復水溜まりの表層近傍に配置する。また、沸騰を継続するために、沸騰促進体10は、沸騰で生じた蒸気泡を上部から逃がし、その周囲から復水が供給される構造とする。
【0027】
図3の沸騰促進体10を用いた場合、円管10cの内側では、発生した蒸気泡は円管10cの上端から鉛直上方に放出され、円管10cの下端からは復水が流入する。蒸気泡は復水に比べ密度が遥かに低く、円管10cを鉛直方向に設置しているので、上記した流れ(蒸気泡の放出及び復水の流入)は自然対流として維持される。沸騰による潜熱によって復水溜まりが冷却されるとともに、沸騰によって生じる蒸気は脱気トレイ11を流下する復水を加熱するので、脱気器内の温度が均一化され、圧力の低下を緩和できる。
【0028】
図3の沸騰促進体10では、支持板10dを下部にのみ設けているため、円管外側でも沸騰し、生じた蒸気泡は上方に放出されるので、円管内側と同様の対流が生じる。ただし、円管外側の場合、円管内側を通過する対流に比べて円管近傍に限定された局所的な対流であるため、脱気器内の温度均一化の効果は若干小さい。円管10cの内側,外側の何れで沸騰が生じても、蒸気泡は十分に小さいため、蒸気泡の上昇に伴い巻き込まれる液体の質量が小さく、液体の衝突により構成機器に与えるダメージは小さい。
【0029】
図6は、沸騰促進体10の他の一例を示す概略部分構成図である。本例は、図3の沸騰促進体の上側にも支持板10dを設けた例である。上記した自然対流を保つために、支持板10dには、支持板10dの下側と円管10cの内部とを連通させる開口(穴)10a及び支持板10dの上側と円管10cの内部とを連通させる開口(穴)10bを設ける。更に、沸騰促進体10を脱気器容器1aの底面から離した位置に設置することにより、円管10cの内部を通して下側から上側への自然対流が流れ易い構造とする。図6の場合、円管10cの外側における蒸気泡の上昇は上側の支持板10dで遮られるため、継続した沸騰は円管10c内を中心として起こる。この構造では、円管10cを上下の両端で支持することにより、図3よりも機械的な強度を増すことができる。
【0030】
図3及び図6の沸騰促進体10において、図7に示すように、円管10cの側面に多数のノズル穴(小孔)10eを設けても良い。この場合、円管10cの側面の外側から内側に復水の流入を促す効果がある。
【0031】
図8は、沸騰促進体10の他の一例を示す概略部分構成図である。本例は、図3の円管10cに代えて、中実棒(円柱構造物,ピン)10fを設けた例である。中実棒10fの大きさ,設置間隔,本数などは、円筒の場合と同等である。この場合、沸騰は中実棒10fの外表面で生じるが、下側の支持板10dのみで支持されるので、蒸気泡の上昇を妨げることはなく、沸騰が継続される。
【0032】
図9は、沸騰促進体10の他の一例を示す概略部分構成図である。本例は、複数の平板10gで仕切られた複数の矩形流路10hを有する例である。格子状に形成された1つのマス目が1つの矩形流路10hに対応する。円管の場合にならって、矩形流路10hの幅は15〜60mm、長さは50cm、数は50〜500とすれば良い。このような構造を用いても、鉛直方向に長く伸びた複数の矩形流路10hを通して、下側から上側への自然対流が流れ易くなる。
【0033】
図10は、沸騰促進体10の表面20の部分拡大断面図である。表面20の微細な凹凸が沸騰核となり、さらに沸騰を促進する。特に、銅,黄銅またはステンレス等の熱伝導率が高い金属で且つ表面粗さが粗いときに、特に沸騰核が生成され易く、沸騰を促進する効果が高い。微細な凹凸の代表長さとしては、例えば図10に示す凹部の幅を100μm程度とする。微細な凹凸の大きさについては、前述したようなサイズであれば、沸騰促進効果が得られる。このような表面構造を有する沸騰促進体10を用いることにより、小さな過熱度でも復水の沸騰が開始する。
【0034】
ここまでは沸騰促進体10についてのみ説明したが、脱気器容器1aが復水と接する内壁表面でも沸騰核が生成されるので、前述した沸騰による温度均一化の効果が若干はある。実用的には、沸騰促進体10を設けたことによる効果が、脱気器容器1aの内壁が有する効果を上回ることが好ましい。このためには、沸騰促進体10の表面積を、脱気器容器1aの内壁が復水と接する面積と同等以上にすることが好ましい。沸騰促進体10の表面積とは、円管を用いた図3及び図6の場合、円管10cの内側表面積と外側表面積の和,中実棒を用いた図8の場合、中実棒10fの外側表面積,格子を構成する図9の場合、平板10gの内側表面積と外側表面積の和である。
【0035】
以上説明した実施例によれば、従来の冷却水切替えのような付加的な制御をせずに、単に沸騰促進体を設置するだけで、単胴式脱気器の急激な減圧沸騰を抑制できる。
【0036】
次に、本発明による脱気器の他の実施例を図11を用いて説明する。図11は、本発明による2胴式脱気器の一実施例を示す概略縦断面図である。本脱気器1は、脱気室1bと貯水室1cに分離され、連通管101により接続される。この場合、スプレー弁12から脱気トレイ11に散布された復水は、脱気トレイ11上を流下するときに酸素を含む空気が脱気され、連通管101を通して、貯水室1cの復水溜まりに貯水される。図3,図6〜図9に示した沸騰促進体10が、貯水室1cの復水溜まりに設置される。その他の構成は図1の実施例と同じであるので、ここでは説明を省略する。このような2胴式の場合、単胴式に比べて減圧沸騰の危険性は小さいが、沸騰促進体10を用いることにより圧力変動をより一層緩和できるので、脱気器の運転範囲を更に広められる利点がある。
【0037】
本実施例によれば、2胴式脱気器において圧力変動をより一層緩和できるので、急激な減圧沸騰の可能性を極めて小さくでき、機器の信頼性をさらに高めることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、単胴式の脱気器において、従来の冷却水切替えのような付加的な制御をせずに、単純構造で急激な減圧沸騰を抑制できる。
【0039】
また、2胴式の脱気器において、圧力変動をより一層緩和して、急激な減圧沸騰の可能性をさらに低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による単胴式脱気器の一実施例を示す概略縦断面図。
【図2】図1のA−A矢視図。
【図3】沸騰促進体の一例を示す概略部分構成図。
【図4】脱気トレイ11の一例を示す概略部分構成図。
【図5】本発明の脱気器を適用した発電プラントの概略系統図。
【図6】沸騰促進体の他の一例を示す概略部分構成図。
【図7】図3及び図6における円管の概略構成図。
【図8】沸騰促進体の他の一例を示す概略部分構成図。
【図9】沸騰促進体の他の一例を示す概略部分構成図。
【図10】沸騰促進体の表面の部分拡大断面図。
【図11】本発明による2胴式脱気器の一実施例を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
1…脱気器、1a…脱気器容器、1b…脱気室、1c…貯水室、10…沸騰促進体、10a,10b,11b…開口、10c…円管、10d…支持板、10e…ノズル穴、10f…中実棒、10g…平板、10h…矩形流路、11…脱気トレイ、11a…突出部、11c…本体、12…スプレー弁、13…真空排気管、14…水位計、15…空間、101…連通管、102…降水管、301,305…タービン抽気管。
Claims (8)
- 復水を脱気する脱気トレイと、前記脱気トレイを流下した復水を貯水する復水貯水部を備え、タービン抽気管から導入した蒸気により前記脱気トレイを流下する復水を加熱するように構成された脱気器において、
前記復水貯水部に復水の沸騰を促進する沸騰促進体を設けた脱気器。 - 請求項1において、前記沸騰促進体として、熱伝導率が高い金属を用いた脱気器。
- 請求項1又は2において、前記沸騰促進体の少なくとも一部を前記復水貯水部の表層近傍に設けた脱気器。
- 請求項1乃至3の何れかにおいて、前記沸騰促進体がその表面で発生した蒸気泡を鉛直上方に放出するように構成されている脱気器。
- 請求項4において、前記沸騰促進体が、その表面で発生した蒸気泡を鉛直上方に放出する開口をその上端部に有し、前記復水貯水部内の復水が流入する開口をその下端部に有する脱気器。
- 請求項5において、前記沸騰促進体が、その側面に前記復水貯水部内の復水が流入する開口を有する脱気器。
- 請求項1乃至6の何れかにおいて、前記沸騰促進体が、その表面で復水の沸騰核を生成し易くするように、その表面粗さが粗くされている脱気器。
- 請求項1乃至7の何れかにおいて、前記沸騰促進体は、その表面積が少なくとも脱気器の内壁が復水と接する面積以上に構成されている脱気器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101963343A (zh) * | 2010-10-27 | 2011-02-02 | 上海理工大学 | 超临界锅炉启动疏水回收装置 |
CN107250667A (zh) * | 2015-02-26 | 2017-10-13 | 三菱日立电力系统株式会社 | 喷雾嘴及脱气器 |
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