JP2004116745A - トラニオン型ボール弁のハードカーボンシート構造 - Google Patents
トラニオン型ボール弁のハードカーボンシート構造 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】トラニオン型ボール弁のボディとボールの間をシールするシート構造において、カーボン製のシートをシートリテーナに嵌装し、該シートリテーナをスプリングによってボール弁側に押圧してシートとボールとを密着接合させた構成である。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、トラニオン型ボール弁に用いられる密封シートの構造に関し、特に高温、高圧の流体の使用に耐える構造のシート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2000−291813号公報
【0003】
トラニオン型ボール弁は、流路を開閉するボール型の弁の上下に回転軸であるステムを設けた構造のボール弁である。ボールの上方のみにステムを有するフローティングタイプのボール弁と比べて、高圧下でも弁体を容易に回転し得るという利点がある。一般にボール弁は流量が多い場合や流速が速い場合には操作性がよく小型化にできる利点があるという理由で使用されている。
【0004】
トラニオン型ボール弁において、ボールと流路とを密封シールする構造として、例えばバネで押圧したシートリテーナによりシートをボールに押圧する構造が知られている。特開2000−291813号公報で開示されている「トラニオン型三方弁」がその一例である。この発明では、流れを切り替える際に弁体(シート)の封止すべき箇所のみを作動して封止するので、小さな回転トルクで回転させることが可能な三方弁が開示されている。しかし、この発明を含めて従来の技術では高温、高圧の流体に対して確実なシール性を有するための技術が開示されていない。高温、高圧の流体を扱うについては、確実なシール性を有する技術を開発しなければならなかった。一方、高温、高圧の流体に対して確実な密封シール性を有するシート及びシートの保持構造は従来技術としては知られていないのが実状であった。
また、高温、高圧流体に対して、ボール弁で流路を封鎖した際にロアーステムとロアーステムベアリングとの摺動が不完全であったり、耐えられないなどの問題により弁の回転が悪くなるという問題も生じていた。
そこで、上記問題を解決するトラニオン型ボール弁の開発が待たれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シートの材料としてカーボンを用いることにより、高温、高圧の流体にも使用できるトラニオン型ボール弁のハードカーボンシート構造を提供することを目的とする。また、ロアーステムとロアカバーフランジに段差を設けることにより回転が悪くなること防止するトラニオン型ボール弁を提供する事も目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明のトラニオン型ボール弁のハードカーボンシート構造は、トラニオン型ボール弁のボディとボールの間をシールするシート構造であって、カーボン製のシートをシートリテーナに嵌装し、該シートリテーナをスプリングによってボール弁側に押圧してシートとボールとを密着接合させた構成である。また、前記シート構造は、流路の上流及び下流の両側に設置される構成でもある。
また、前記シート構造を有するトラニオン型ボール弁は、ロアーステムとロアカバーフランジとの接合面に段差を設けた構成でもある。
【0007】
【作用】
本発明のトラニオン型ボール弁のハードカーボンシート構造は、シートリテーナに嵌装するシートを高温、高圧そして耐摩擦性に優れるカーボン製にすることによりボール弁を確実に密封することが可能となる。また、流路の上流及び下流の両側にシート構造を配置することにより効果覿面である。
さらに、ロアーステムとロアカバーフランジの接合面に段差を設けることにより、ロアーステムの回転を防止して弁の耐圧性を高めることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係るトラニオン型ボール弁のハードカーボンシート構造を図面を用いて詳細に説明する。図1はトラニオン型ボール弁の断面図であり、図2は図1のAで示されたシート構造の拡大図であり、さらに、図3はボール弁のロアステム構造の拡大図である。
図1で示すように本発明のトラニオン型ボール弁1は、ボディ2と内部に貫通孔を有する回転可能なボール3とから構成されており、ボディ2とボール3とのシール性を保つためにシート構造10が設けられている。
【0009】
ボディ2は、ボール3を内包する弁本体であり、本発明のシート構造10はボディ2に設置される。
ボール3は、中空の流路を設けた回転可能な球状体でありアッパーステム4とロアーステム5によってトラニオン型ボール弁本体に回転可能に支持される構造である。
ボディ2とボール3の間には、流路の上流側及び下流側に一対のシート構造10が設けられている。
トラニオン型ボール弁10は、上記アッパーステム4とロアーステム5を回転させることによりボール3を回動してボール内の中空流路の位置を水平に回転変化させる事により流路の巾を調節して弁を開閉する構造である。
【0010】
シート構造10は、図2に示すように、シート12と、シートリテーナ14と、ガスケット16と、シート押え18と、六角穴付ボルト20と、インナーリング22と、スプリング24と、シールパッキン26と、バックアップシールリング28と、シールアダプター30とからなる。
【0011】
シート12はカーボン製の環状体から成りシートリテーナ14に嵌装されている。シート12は、シート押え18と六角穴付ボルト20によってシートリテーナ14に固定されている。シートリテーナ14は上方のシールアダプタ30と下方のインナーリング22によって挟持され、スプリング24の付勢力によりボール側に押圧されている。これにより、嵌装されているシート12もボール側に押圧された状態でボール周面に密着当接する。ガスケット16、シールパッキン26、バックアップシールリング28は、それぞれの個所をシールする役割を担っている。
【0012】
シート12の材料として高温、高圧に耐え耐摩擦性にも優れているカーボンが用いられている。カーボン製であるために、ボール弁の適用温度、圧力の範囲を広げることができる。また、高温、高圧に耐え、更に耐摩擦性に優れる他の素材であれば、カーボン以外の素材であっても本発明の構造により同等の効果を得ることも可能である。
【0013】
なお、ボール弁の耐圧性をさらに高めるために、図3に示すようなロアステム構造を付加してもよい。ボール3はロアーステム5に回転可能に支持されているが、ボール3にかかる圧力が高まるとボール3とロアーステム5との間の摩擦が増加し、ボール3の回転につられてロアーステム5も一緒に回転するおそれがある。そこで、図3に示すようにロアーステム5とロアカバーフランジ6との接合面に段差7を設ける構成とすることにより、ロアーステムの回転を防止して弁の耐圧性を高めることができる。段差は1箇所に設けるだけで十分であるが、複数箇所設けることも可能である。
【0014】
【発明の効果】
1.シートの材料として高温、高圧に耐える事が可能であり、耐摩擦性に優れるカーボンを用いることにより、高温、高圧の流体にも使用し得るトラニオン型ボール弁を得ることができる。
2.流路の両側に配置されるので確実な密封シート性を有することが可能である。
3.ロアーステムとロアカバーフランジとの接合面に段差を設ける構成としたため、ボールにかかる流体による圧力が大きくなっても確実な回転動作を確保でき、耐圧性を高める事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトラニオン型ボール弁の断面図
【図2】シート構造の拡大図
【図3】ロアステム構造の拡大図
【符号の説明】
1 トラニオン型ボール弁
2 ボディ
3 ボール
4 アッパーステム
5 ロアーステム
6 ロアカバーフランジ
7 段差
10 シート構造
12 シート
14 シートリテーナ
16 ガスケット
18 シート押え
20 六角穴付ボルト
22 インナーリング
24 スプリング
26 シールパッキン
28 バックアップシールリング
30 シールアダプター
Claims (3)
- トラニオン型ボール弁のボディとボールの間をシールするシート構造において、カーボン製のシートをシートリテーナに嵌装し、該シートリテーナをスプリングによってボール弁側に押圧してシートとボールとを密着接合させたことを特徴とするトラニオン型ボール弁のハードカーボンシート構造
- 前記シート構造は、流路の上流及び下流の両側に設置されることを特徴とする請求項1記載のトラニオン型ボール弁のハードカーボンシート構造
- 前記シート構造を有するトラニオン型ボール弁は、ロアーステムとロアカバーフランジとの接合面に段差を設けたことを特徴とする請求項1記載のトラニオン型ボール弁のハードカーボンシート構造
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CN101936407A (zh) * | 2010-09-10 | 2011-01-05 | 上海高中压阀门股份有限公司 | 一种改进型球阀 |
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- 2002-09-27 JP JP2002284513A patent/JP3895653B2/ja not_active Expired - Fee Related
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