JP2004116343A - 冷却機コンプレッサー用アキュームレーター - Google Patents
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Abstract
【課題】低騒音の冷媒圧縮用アキュームレーター等を提供する。
【解決手段】円筒形状で密閉型のタンク(8)と、一端部が前記タンク(8)の上部からこのタンク内に挿入され他端が熱交換機(43)に接続するように設けられた吸入管(2)と、一端部が前記タンク(8)の底部からこのタンク内に挿入され他端が圧縮ポンプ(42)に接続するように設けられた排出管(6)とを備えた冷却機コンプレッサー用アキュームレーターにおいて、前記タンク(8)の内部に前記排出管(6)を貫通して設置される孔空き円板型の中板(7)を備え且つ、この中板(7)と前記排出管(6)及び中板(7)とタンク(8)の内壁とがそれぞれ溶接固着され中板(7)を介して三者が一体化されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】円筒形状で密閉型のタンク(8)と、一端部が前記タンク(8)の上部からこのタンク内に挿入され他端が熱交換機(43)に接続するように設けられた吸入管(2)と、一端部が前記タンク(8)の底部からこのタンク内に挿入され他端が圧縮ポンプ(42)に接続するように設けられた排出管(6)とを備えた冷却機コンプレッサー用アキュームレーターにおいて、前記タンク(8)の内部に前記排出管(6)を貫通して設置される孔空き円板型の中板(7)を備え且つ、この中板(7)と前記排出管(6)及び中板(7)とタンク(8)の内壁とがそれぞれ溶接固着され中板(7)を介して三者が一体化されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアーコンディショナー等の冷媒圧縮ポンプに接続する圧力タンク(アキュームレーター)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアキュームレーターの構造について、図5に示す構造図を参照して説明する。従来のアキュームレーター51は、吸入管52、フィルター53、排出管56、上部タンク58aと下部タンク58bからなるタンク58、などから構成される。吸入管52及び排出管56は一般に熱伝導率の良い銅製であるが、タンク58は鉄製であることが好ましい。
【0003】
排出管56はアキュームレーター51内部の気化した冷媒(以下、「気化冷媒」という。)を圧縮ポンプに送る働きをする。排出管56の入口(A部)から液体状の冷媒59が入り込まないようにするため、排出管56は液面から非常に長く飛び出る構造となっている。この長い排出管56は、下部タンク58bの底部の排出管接合部(B部)で溶接されている。特許文献1には、従来のアキュームレータの一般的な構造図が示されている。
【0004】
このような構造の従来のアキュームレータは圧縮機の運転時の振動等により騒音が発生し易かった。この問題を解決するための従来技術として、例えば特許文献2には、アキュームレーターの容器本体にビード部を形成する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−103030号公報(第1図)
【特許文献2】特開平9−151879号公報(第9段落、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように図5に示すような構造の従来のアキュームレーターは固有振動数を持つものが多く、コンプレッサーの運転時の振動に対して共振を起こし騒音を発生しやすかった(第1の課題)。
【0007】
振動による騒音は以下の原因によると考えられる。長い排出管56は下部タンク58bと1点で溶接されているため、振動しやすく騒音を発生しやすい(排出管の振動による騒音)。また、タンク58は内部の気圧が大きく変化するため(約25気圧から30気圧まで変化するといわれる。)、気圧差によりタンクが膨張収縮を繰り返し、伸縮騒音を発生しやすい(タンクの振動による騒音)。
【0008】
ところで、冷媒の循環経路は熱伝導率のよい銅管を用いることが好ましいが、アキュームレーターは、気化した冷媒と液状の冷媒とを分離して気体のみ圧縮ポンプに送るものであるため、銅製でもよいが、低コスト化を図る上では鉄製であることが好ましい。
【0009】
しかし、従来のアキュームレーター51は、タンク58が鉄製であってもタンク内部に長い銅製の排出管56が埋込まれ溶接により固着された構造であるため、廃棄時に鉄と銅とを分別回収できなかった(第2の課題)。なお、特許文献2のアキュームレーターはタンクが銅製であるが鉄製の方がコスト的に有利である。従って第2の課題は鉄製タンクを前提として起こる問題である。
【0010】
本発明は、アキュームレーターの騒音を軽減すること、及び、鉄製タンク廃棄時に、鉄と銅(排出管)とを分別回収することができる冷媒圧縮ポンプ用アキュームレーターを提供することを目的とし、これらの少なくとも一つを実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のアキュームレーター10は、円筒形状で密閉型のタンク8と、一端部が前記タンク8の上部からこのタンク内に挿入され他端が熱交換機43に接続するように設けられた吸入管2と、一端部が前記タンク8の底部からこのタンク内に挿入され他端が圧縮ポンプ42に接続するように設けられた排出管6とを備えた冷却機コンプレッサー用アキュームレーターにおいて、前記タンク8の内部に前記排出管6を貫通して設置される孔空き円板型の中板7を備え且つ、この中板7と前記排出管6及び中板7とタンク8の内壁とがそれぞれ溶接固着され中板7を介して三者が一体化されていることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る第2のアキュームレーター10は、円筒形状で鉄製密閉型のタンク(8)と、一端部が前記タンク(8)の上部からこのタンク内に挿入され他端が熱交換機(43)に接続するように設けられた吸入管(2)と、一端部が前記タンク(8)の底部からこのタンク内に挿入され他端が圧縮ポンプ(42)に接続するように設けられた排出管(6)とを備えた冷却機コンプレッサー用アキュームレーターにおいて、前記排出管(6)が前記タンク内部に挿入された鉄製の内部パイプ(6a)とタンク外部に設けられた銅製の外部パイプ(6b)で構成されると共に内部パイプ(6a)と外部パイプ(6b)とを前記タンク底部の排出管接合部(B)で嵌合接続してなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。図1乃至図4は、本発明の一実施例を説明するための図である。図1は本発明のアキュームレーターの構造図、図2(a)は図1におけるX−X線矢視の横断平面図、(b)はY−Y矢視の断面図である。図3(a)は図1におけるZ−Z線矢視の横断平面図、(b)は中板の縦断面図、図4は全体システム図である。
【0014】
まず、図4を参照して全体のシステムを説明する。コンプレッサー41が圧縮ポンプ42を動かして冷媒を液化させ循環させる。加圧されて液化した冷媒(以下、「液化冷媒」という。)が循環経路45を通り熱交換機43に送られる。ここで冷媒が気化される。この時、気化熱を吸収し冷却された空気がファン44により送り出される。
【0015】
圧縮ポンプから送り出された冷媒は熱交換機で気化されず液状のままのものもある。気化冷媒は気化されなかった冷媒(液化冷媒)と共に気液混合状態でアキュームレーター10に送られ、ここで気体と液体とを分離する。液化冷媒はアキュームレーター10内に残り、気化冷媒は圧縮ポンプ42に送られ、ここで加圧されて再び液化される。
【0016】
このように、冷媒は上記システムの循環経路内を気体と液体との状態変化を繰り返しながら循環する。なお、循環経路内には配管内の金属くず等の異物(ゴミ)が散在しているため、これらの異物は、冷媒が循環する際に一緒にアキュームレーター10に送られる。
【0017】
次に、図1を参照して本発明のアキュームレーターについて説明する。アキュームレーター10は、吸入管2、フィルター3(鉄製の網フィルター等)と鉄製の押え板4とフィルター台5、排出管6(鉄製の内部パイプ6a,銅製の外部パイプ6b)、中板7、上部タンク8aと下部タンク8bからなるタンク8、などから構成される。
【0018】
液化冷媒9は下部タンク8bに蓄えられ、気化冷媒は図の矢印の経路を通り、排出管6を通って圧縮ポンプ42に送られる。冷媒の循環経路内には油が散在し、冷媒の循環と共にアキュームレーター10に集められる。この油はたとえ少量でも、下部タンク底部の液化冷媒の液面上に薄く広がり液化冷媒の気化を阻害する。
【0019】
そこで、液化冷媒9の液面付近には直径1mm〜1.5mmφ程度の小さな孔11が設けられている。この孔は、液面上に浮遊する油を排出管6aの内部に取り入れて液化冷媒の気化障害を軽減する。なお、排出管6の内部は圧縮ポンプの低圧側につながれており、吸引されて気圧が低いため、孔11から少量の液化冷媒が進入してもすぐに気化されポンプ42に送られる。
【0020】
従来のアキュームレーターとは異なるのは、以下の2点である。排出管の振動及びタンクの振動を抑えるため、タンク内に中板7が設けられている点。排出管6が鉄製の内部パイプ6aと銅製の外部パイプ6bとを排出管接合部(B部)で継ぎ足された構造である点。
【0021】
図2はフィルター台5を示したものである。(a)は図1におけるX−X線矢視の横断平面図、(b)はY−Y矢視の断面図である。フィルター台5は鉄製であり、中央部はふさがっていて周辺部には貝殻状の孔15が4つ設けてある。冷媒はこの孔を矢印の方向に通過することができる。
【0022】
なお、孔15を中央部に設けず周辺部に設ける理由は、排出管6には気化冷媒のみが送られなければならないので、液化冷媒が排出管4aの入口(A部)に入らないようにするためである。なお、孔の数、形状、大きさ等は例示したものに限らず適宜設計できる。
【0023】
冷媒は、気液混合の状態で、吸入管2からアキュームレーター10の内部に入る。次に、フィルター3で循環経路内から回収されたゴミが除去される。その後、液化冷媒はフィルター台5に設けられた孔15を通って流れ落ち、下部タンク8bの底部にためられる。気化冷媒は孔15を通過した後タンク側壁に沿って回転しながら下降し、図1の矢印の経路を通り排出管6に送られる。
【0024】
図3は中板7を示したものである。(a)は図1におけるZ−Z線矢視の横断平面図、(b)は中板の縦断面図である。中板7は鉄製であり、中央に排出管6を通すための1つの内周孔16が、周囲に液化冷媒を通すための4つの外周孔17が、それぞれ設けられている。なお、外周孔の数、形状、大きさ等は例示したものに限らず適宜設計できる。
【0025】
内周孔と排出管6との接触面及び中板の外周面と下部タンク8bとの接触面は、ロウ付け溶接により固着されている。内周孔を溶接固着することにより排出管6の振動を防止できる。また、中板7の外周面を溶接固着することによりタンク外壁の振動を防止できる。これらの溶接により、振動による騒音が軽減されると共にタンクの機械的強度が増大する。
【0026】
なお、溶接方法は、溶接用ロウ材をリング上に加工したもの(ロウ材リング)を結合したい部分の円周上にタンク組立と同時に組み込んでおき、このタンクを水素還元式加熱炉に入れる方法が好ましい。このようにすると、水素還元により鉄表面の錆が還元浄化され、ロウ材リングは900℃程度で溶解し組立結合部分隙間に毛細管現象により浸透して全ての溶接箇所が同時に溶接される。また、タンク内側に溶接ロウ材を組み込んでおくと、より高圧となるタンク内側が溶接される為、タンク外側から溶接する方法に比べ気密性の高いタンクを製造できる。
【0027】
中板7は中央部が一番高く周囲はやや傾斜している。傾斜角は約15°である。傾斜を設ける理由は気化冷媒の流れ方向を案内し、スムーズにタンク内を気化冷媒が流れるようにすることで、流体摩擦騒音を防止するためである。もし、傾斜が全くないと気化冷媒と中板が垂直にぶつかるため反射して中板が振動し、中板を設けることが却って騒音の原因となる。逆に、傾斜が大きすぎるとタンクを強化するという目的を達成できない。傾斜角は概ね10°乃至20°が好ましい。
【0028】
上述のように本発明では、排出管6が鉄製の内部パイプ6aと銅製の外部パイプ6bとは排出管接合部(B部)で溶接接続されて継ぎ足されている。このようにすると、タンクから圧縮ポンプ42につながるL字管の部分(タンク外部)は銅製となるが、タンク内の全ての部材は鉄製となるため、廃棄処分する際はこの溶接された排出管接合部(B部)で切り離すことにより鉄と銅とを分別回収することができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る第1のアキュームレーターによると、タンク排出管の振動による騒音とタンクの振動による騒音とを防止することができる。また、第2のアキュームレーターによると、タンク内8の全ての部材が鉄製であるため、廃棄時に鉄と銅とを分別回収することができる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のアキュームレーターの構造図である。
【図2】図2(a)は図1におけるX−X線矢視の横断平面図、(b)はY−Y矢視の断面図である。
【図3】図3(a)は図1におけるZ−Z線矢視の横断平面図、(b)は中板の縦断面図である。
【図4】図4は全体システム図である。
【図5】従来のアキュームレーターの構造図である。
【符号の説明】
2 吸入管
3 フィルター
6 排出管
6a 鉄製の内部パイプ
6b 銅製の外部パイプ
7 中板7
8 タンク
10 アキュームレーター
11 孔
41 コンプレッサー
42 圧縮ポンプ
43 熱交換機
【発明の属する技術分野】
本発明はエアーコンディショナー等の冷媒圧縮ポンプに接続する圧力タンク(アキュームレーター)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアキュームレーターの構造について、図5に示す構造図を参照して説明する。従来のアキュームレーター51は、吸入管52、フィルター53、排出管56、上部タンク58aと下部タンク58bからなるタンク58、などから構成される。吸入管52及び排出管56は一般に熱伝導率の良い銅製であるが、タンク58は鉄製であることが好ましい。
【0003】
排出管56はアキュームレーター51内部の気化した冷媒(以下、「気化冷媒」という。)を圧縮ポンプに送る働きをする。排出管56の入口(A部)から液体状の冷媒59が入り込まないようにするため、排出管56は液面から非常に長く飛び出る構造となっている。この長い排出管56は、下部タンク58bの底部の排出管接合部(B部)で溶接されている。特許文献1には、従来のアキュームレータの一般的な構造図が示されている。
【0004】
このような構造の従来のアキュームレータは圧縮機の運転時の振動等により騒音が発生し易かった。この問題を解決するための従来技術として、例えば特許文献2には、アキュームレーターの容器本体にビード部を形成する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−103030号公報(第1図)
【特許文献2】特開平9−151879号公報(第9段落、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように図5に示すような構造の従来のアキュームレーターは固有振動数を持つものが多く、コンプレッサーの運転時の振動に対して共振を起こし騒音を発生しやすかった(第1の課題)。
【0007】
振動による騒音は以下の原因によると考えられる。長い排出管56は下部タンク58bと1点で溶接されているため、振動しやすく騒音を発生しやすい(排出管の振動による騒音)。また、タンク58は内部の気圧が大きく変化するため(約25気圧から30気圧まで変化するといわれる。)、気圧差によりタンクが膨張収縮を繰り返し、伸縮騒音を発生しやすい(タンクの振動による騒音)。
【0008】
ところで、冷媒の循環経路は熱伝導率のよい銅管を用いることが好ましいが、アキュームレーターは、気化した冷媒と液状の冷媒とを分離して気体のみ圧縮ポンプに送るものであるため、銅製でもよいが、低コスト化を図る上では鉄製であることが好ましい。
【0009】
しかし、従来のアキュームレーター51は、タンク58が鉄製であってもタンク内部に長い銅製の排出管56が埋込まれ溶接により固着された構造であるため、廃棄時に鉄と銅とを分別回収できなかった(第2の課題)。なお、特許文献2のアキュームレーターはタンクが銅製であるが鉄製の方がコスト的に有利である。従って第2の課題は鉄製タンクを前提として起こる問題である。
【0010】
本発明は、アキュームレーターの騒音を軽減すること、及び、鉄製タンク廃棄時に、鉄と銅(排出管)とを分別回収することができる冷媒圧縮ポンプ用アキュームレーターを提供することを目的とし、これらの少なくとも一つを実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のアキュームレーター10は、円筒形状で密閉型のタンク8と、一端部が前記タンク8の上部からこのタンク内に挿入され他端が熱交換機43に接続するように設けられた吸入管2と、一端部が前記タンク8の底部からこのタンク内に挿入され他端が圧縮ポンプ42に接続するように設けられた排出管6とを備えた冷却機コンプレッサー用アキュームレーターにおいて、前記タンク8の内部に前記排出管6を貫通して設置される孔空き円板型の中板7を備え且つ、この中板7と前記排出管6及び中板7とタンク8の内壁とがそれぞれ溶接固着され中板7を介して三者が一体化されていることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る第2のアキュームレーター10は、円筒形状で鉄製密閉型のタンク(8)と、一端部が前記タンク(8)の上部からこのタンク内に挿入され他端が熱交換機(43)に接続するように設けられた吸入管(2)と、一端部が前記タンク(8)の底部からこのタンク内に挿入され他端が圧縮ポンプ(42)に接続するように設けられた排出管(6)とを備えた冷却機コンプレッサー用アキュームレーターにおいて、前記排出管(6)が前記タンク内部に挿入された鉄製の内部パイプ(6a)とタンク外部に設けられた銅製の外部パイプ(6b)で構成されると共に内部パイプ(6a)と外部パイプ(6b)とを前記タンク底部の排出管接合部(B)で嵌合接続してなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。図1乃至図4は、本発明の一実施例を説明するための図である。図1は本発明のアキュームレーターの構造図、図2(a)は図1におけるX−X線矢視の横断平面図、(b)はY−Y矢視の断面図である。図3(a)は図1におけるZ−Z線矢視の横断平面図、(b)は中板の縦断面図、図4は全体システム図である。
【0014】
まず、図4を参照して全体のシステムを説明する。コンプレッサー41が圧縮ポンプ42を動かして冷媒を液化させ循環させる。加圧されて液化した冷媒(以下、「液化冷媒」という。)が循環経路45を通り熱交換機43に送られる。ここで冷媒が気化される。この時、気化熱を吸収し冷却された空気がファン44により送り出される。
【0015】
圧縮ポンプから送り出された冷媒は熱交換機で気化されず液状のままのものもある。気化冷媒は気化されなかった冷媒(液化冷媒)と共に気液混合状態でアキュームレーター10に送られ、ここで気体と液体とを分離する。液化冷媒はアキュームレーター10内に残り、気化冷媒は圧縮ポンプ42に送られ、ここで加圧されて再び液化される。
【0016】
このように、冷媒は上記システムの循環経路内を気体と液体との状態変化を繰り返しながら循環する。なお、循環経路内には配管内の金属くず等の異物(ゴミ)が散在しているため、これらの異物は、冷媒が循環する際に一緒にアキュームレーター10に送られる。
【0017】
次に、図1を参照して本発明のアキュームレーターについて説明する。アキュームレーター10は、吸入管2、フィルター3(鉄製の網フィルター等)と鉄製の押え板4とフィルター台5、排出管6(鉄製の内部パイプ6a,銅製の外部パイプ6b)、中板7、上部タンク8aと下部タンク8bからなるタンク8、などから構成される。
【0018】
液化冷媒9は下部タンク8bに蓄えられ、気化冷媒は図の矢印の経路を通り、排出管6を通って圧縮ポンプ42に送られる。冷媒の循環経路内には油が散在し、冷媒の循環と共にアキュームレーター10に集められる。この油はたとえ少量でも、下部タンク底部の液化冷媒の液面上に薄く広がり液化冷媒の気化を阻害する。
【0019】
そこで、液化冷媒9の液面付近には直径1mm〜1.5mmφ程度の小さな孔11が設けられている。この孔は、液面上に浮遊する油を排出管6aの内部に取り入れて液化冷媒の気化障害を軽減する。なお、排出管6の内部は圧縮ポンプの低圧側につながれており、吸引されて気圧が低いため、孔11から少量の液化冷媒が進入してもすぐに気化されポンプ42に送られる。
【0020】
従来のアキュームレーターとは異なるのは、以下の2点である。排出管の振動及びタンクの振動を抑えるため、タンク内に中板7が設けられている点。排出管6が鉄製の内部パイプ6aと銅製の外部パイプ6bとを排出管接合部(B部)で継ぎ足された構造である点。
【0021】
図2はフィルター台5を示したものである。(a)は図1におけるX−X線矢視の横断平面図、(b)はY−Y矢視の断面図である。フィルター台5は鉄製であり、中央部はふさがっていて周辺部には貝殻状の孔15が4つ設けてある。冷媒はこの孔を矢印の方向に通過することができる。
【0022】
なお、孔15を中央部に設けず周辺部に設ける理由は、排出管6には気化冷媒のみが送られなければならないので、液化冷媒が排出管4aの入口(A部)に入らないようにするためである。なお、孔の数、形状、大きさ等は例示したものに限らず適宜設計できる。
【0023】
冷媒は、気液混合の状態で、吸入管2からアキュームレーター10の内部に入る。次に、フィルター3で循環経路内から回収されたゴミが除去される。その後、液化冷媒はフィルター台5に設けられた孔15を通って流れ落ち、下部タンク8bの底部にためられる。気化冷媒は孔15を通過した後タンク側壁に沿って回転しながら下降し、図1の矢印の経路を通り排出管6に送られる。
【0024】
図3は中板7を示したものである。(a)は図1におけるZ−Z線矢視の横断平面図、(b)は中板の縦断面図である。中板7は鉄製であり、中央に排出管6を通すための1つの内周孔16が、周囲に液化冷媒を通すための4つの外周孔17が、それぞれ設けられている。なお、外周孔の数、形状、大きさ等は例示したものに限らず適宜設計できる。
【0025】
内周孔と排出管6との接触面及び中板の外周面と下部タンク8bとの接触面は、ロウ付け溶接により固着されている。内周孔を溶接固着することにより排出管6の振動を防止できる。また、中板7の外周面を溶接固着することによりタンク外壁の振動を防止できる。これらの溶接により、振動による騒音が軽減されると共にタンクの機械的強度が増大する。
【0026】
なお、溶接方法は、溶接用ロウ材をリング上に加工したもの(ロウ材リング)を結合したい部分の円周上にタンク組立と同時に組み込んでおき、このタンクを水素還元式加熱炉に入れる方法が好ましい。このようにすると、水素還元により鉄表面の錆が還元浄化され、ロウ材リングは900℃程度で溶解し組立結合部分隙間に毛細管現象により浸透して全ての溶接箇所が同時に溶接される。また、タンク内側に溶接ロウ材を組み込んでおくと、より高圧となるタンク内側が溶接される為、タンク外側から溶接する方法に比べ気密性の高いタンクを製造できる。
【0027】
中板7は中央部が一番高く周囲はやや傾斜している。傾斜角は約15°である。傾斜を設ける理由は気化冷媒の流れ方向を案内し、スムーズにタンク内を気化冷媒が流れるようにすることで、流体摩擦騒音を防止するためである。もし、傾斜が全くないと気化冷媒と中板が垂直にぶつかるため反射して中板が振動し、中板を設けることが却って騒音の原因となる。逆に、傾斜が大きすぎるとタンクを強化するという目的を達成できない。傾斜角は概ね10°乃至20°が好ましい。
【0028】
上述のように本発明では、排出管6が鉄製の内部パイプ6aと銅製の外部パイプ6bとは排出管接合部(B部)で溶接接続されて継ぎ足されている。このようにすると、タンクから圧縮ポンプ42につながるL字管の部分(タンク外部)は銅製となるが、タンク内の全ての部材は鉄製となるため、廃棄処分する際はこの溶接された排出管接合部(B部)で切り離すことにより鉄と銅とを分別回収することができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る第1のアキュームレーターによると、タンク排出管の振動による騒音とタンクの振動による騒音とを防止することができる。また、第2のアキュームレーターによると、タンク内8の全ての部材が鉄製であるため、廃棄時に鉄と銅とを分別回収することができる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のアキュームレーターの構造図である。
【図2】図2(a)は図1におけるX−X線矢視の横断平面図、(b)はY−Y矢視の断面図である。
【図3】図3(a)は図1におけるZ−Z線矢視の横断平面図、(b)は中板の縦断面図である。
【図4】図4は全体システム図である。
【図5】従来のアキュームレーターの構造図である。
【符号の説明】
2 吸入管
3 フィルター
6 排出管
6a 鉄製の内部パイプ
6b 銅製の外部パイプ
7 中板7
8 タンク
10 アキュームレーター
11 孔
41 コンプレッサー
42 圧縮ポンプ
43 熱交換機
Claims (2)
- 円筒形状で密閉型のタンク(8)と、一端部が前記タンク(8)の上部からこのタンク内に挿入され他端が熱交換機(43)に接続するように設けられた吸入管(2)と、一端部が前記タンク(8)の底部からこのタンク内に挿入され他端が圧縮ポンプ(42)に接続するように設けられた排出管(6)とを備えた冷却機コンプレッサー用アキュームレーターにおいて、前記タンク(8)の内部に前記排出管(6)を貫通して設置される孔空き円板型の中板(7)を備え且つ、この中板(7)と前記排出管(6)及び中板(7)とタンク(8)の内壁とがそれぞれ溶接固着され中板(7)を介して三者が一体化されていることを特徴とするアキュームレーター。
- 円筒形状で鉄製密閉型のタンク(8)と、一端部が前記タンク(8)の上部からこのタンク内に挿入され他端が熱交換機(43)に接続するように設けられた吸入管(2)と、一端部が前記タンク(8)の底部からこのタンク内に挿入され他端が圧縮ポンプ(42)に接続するように設けられた排出管(6)とを備えた冷却機コンプレッサー用アキュームレーターにおいて、前記排出管(6)が前記タンク内部に挿入された鉄製の内部パイプ(6a)とタンク外部に設けられた銅製の外部パイプ(6b)で構成されると共に内部パイプ(6a)と外部パイプ(6b)とを前記タンク底部の排出管接合部(B)で嵌合接続してなることを特徴とするアキュームレーター。
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