JP2004115897A - 耐摩耗性部材 - Google Patents

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Katsunori Tsuzuki
都築 克典
Hideki Moriguchi
森口 秀樹
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Abstract

【課題】従来の硬質材料に超硬質粒子を含有させた材料は、超硬質粒子の含有量の上限が20体積%であったが、耐摩耗性が不足していた。
【解決手段】超硬質粒子と硬質材料とを含む焼結体において、超硬質粒子の含有量が20〜50体積%でそのうち粒度3μm以上〜20μm未満の微粒を体積でA%と粒度20μm以上〜100μm以下の粗粒を体積でB%含有している。それぞれの超硬質粒子が互いに独立していて、AとBの値が1≦B÷A≦10の関係をもっている。この耐摩耗性部材と鋼の熱膨張係数の中間にある熱膨張係数を持つものとの二層構造とすることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩摺動部材や治工具などに適した、耐摩耗性部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐摩材料には超硬合金、サーメット、ダイヤモンド焼結体、立方晶窒化硼素焼結体といった材料が用いられている。この中で、超硬合金やサーメットは安価に製造することができるので、一般的に使用されている材料である。ダイヤモンド焼結体や立方晶窒化硼素焼結体は、超高圧発生装置を用いて製造される耐摩耗性に優れた材料である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、近年では低圧下での気相成長法によるダイヤモンド膜などを被覆した硬質炭素被膜耐摩耗性部材は比較的安価で耐摩耗性にも優れる(例えば、特許文献2参照)。
さらに、超硬合金やサーメットなどの硬質材料の中にダイヤモンドや立方晶窒化硼素粒子などの超硬質粒子を分散させた新しい材料が発明されている。この材料は、超高圧焼結法を用いることなく製造される(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭61−56067号公報(第2−3頁)
【特許文献2】
特開平9−124394号公報(第4−5頁)
【特許文献3】
特開平9−194978号公報(第4−6、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
超硬合金やサーメットは製造コストが安価であるが、耐摩耗性は低い。また、ダイヤモンド焼結体などは、超高圧焼結装置を用いるので高価な材料である。一方、気相成長法による被覆膜は、膜厚が薄く難加工性なので一度摩耗してしまうと再研磨して使用できない。硬質材料のなかに超硬質粒子を分散させた材料は、20Vol%以上の超硬質粒子を含有させると硬度が低下する。本発明はこれらの課題を解決するもので、耐摩耗性に優れ、安価で、再研磨できしかも研削性を高めた耐摩耗性部材を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、超硬質粒子と硬質材料とを含む耐摩耗性部材において、前記超硬質粒子の含有量が耐摩耗性部材中で粒度3μm以上〜20μm未満の微粒を体積でA%、粒度20μm以上〜100μm以下の粗粒を体積でB%、合計して20〜50体積%であり、A%とB%の値が式1≦B÷A≦10の関係をもち、それぞれの超硬質粒子が互いに独立している耐摩耗性部材である。ここで硬質粒子が互いに独立とは、超硬質粒子が互いに直接結合していないことを意味する。従って、本発明の耐摩耗部材を酸で溶解したとき、超硬質粒子はばらばらになる。
【0007】
上記耐摩耗性部材において粒度3μm以上〜20μm未満の微粒超硬質粒子と粒度20μm以上〜100μm以下の粗粒超硬質粒子の関係は、1≦B÷A≦10とすることが好ましい。1よりも小さいと粗粒の超硬質粒子の隙間以上に微粒の超硬質粒子が存在するため微粒の超硬質粒子間の焼結性が悪くなり局所的に焼結不足の箇所が発生する。微粒硬質粒子の平均粒度は20μm未満であり、粗粒硬質粒子の平均粒度は20μmを越えることが重要である。
【0008】
また10より大きいと粗粒の超硬質粒子の隙間が微粒の超硬質粒子で埋め尽くすことができないため、粗粒の超硬質粒子間の焼結性が悪くなり局所的に焼結不足の箇所が発生する。特に好ましいのは2〜6で、これによって焼結性の低下を抑制しつつ優れた耐摩耗性を持たせることができる。
【0009】
上記耐摩耗性部材において微粒の超硬質粒子の粒度は3μm以上〜20μm未満にすることが好ましい。20μm以上であると粗粒の超硬質粒子の間に入り込みにくいし、3μm未満であると超硬質粒子に脱落が生じやすく、また粗粒の超硬質粒子の間に入り込んでも焼結性の低下を抑制させる効果は低い。
【0010】
また粗粒の超硬質粒子の粒度は20μm以上〜100μm以下にすることが好ましい。20μm未満であると粗粒の超硬質粒子間に微粒の超硬質粒子が入りづらくなり、100μmを越えると部材の加工性が著しく低下する。特に好ましいのは20μm以上〜80μm以下であり、これによって優れた加工性と耐摩耗性を引き出すことができる。さらに粒度を20μm以上〜30μm以下と限定することによって被削材の表面粗さを向上することができる。
【0011】
上記耐摩耗性部材において超硬質粒子の含有量は20〜50体積%であることが好ましい。超硬質粒子の含有量が50体積%を越えると加工性および焼結性が悪くなり、20体積%以下であると耐摩耗性の向上が見られない。特に好ましいのは25〜40体積%でこれによって加工性および焼結性を低下させることなく優れた耐摩耗性を引き出すことができる。さらに超硬質粒子が互いに直接結合していると加工性が著しく低下することから、超硬質粒子は互いに直接結合していないことを限定する。
【0012】
上記耐摩耗性部材において、下層には超硬質粒子を5体積%以下含む一層以上の層を設けることが好ましい。5体積%以下の層を一層以上設けることによって、最上層との熱膨張係数の差を低減しつつ、鋼などの熱膨張係数の大きな材料とロウ付け性をよくすることができる。特に、下層を一層とすると粉末を積層する手間を省くことができて好ましい。
【0013】
超硬質粒子を含む層のマトリックスには超硬合金が好ましいが、鋼加工の際には鋼材との親和性の低いサーメットをもちいることが好ましい。超硬合金もしくはサーメットをマトリックスの主体となるように用いることにより、耐摩材料の剛性率を高めることできる。なおかつ、従来のダイヤモンド焼結体や立方晶窒化硼素焼結体で問題であった突発的な欠損がなくなり、耐摩耗性と耐欠損性が両立できた材料となっている。
【0014】
なお、耐食性を向上させたい場合には結合相金属としてNiやCrを用いたり、IVa、Va、VIa族元素の炭化物、窒化物または炭窒化物を添加し、用途により、マトリックスを変更すればよい。特に超硬合金をマトリックスの主体とする場合、Cr、Ni、Moから選ばれた少なくとも一種を0.5質量%以上添加させると耐食性の向上が著しい。
【0015】
本発明では最下層の熱膨張係数を4.8×10−6/℃以上とすることが好ましい。4.8×10−6/℃以上にすることによって、本部材を鋼などの熱膨張係数の大きな材料とロウ付けする際、熱膨張係数の差によって生じる熱亀裂を抑制することができる。
【0016】
焼結体における超硬質粒子には、被覆しておくことが好ましい。高温で焼結している際に超硬質粒子と硬質材料におけるマトリックスとの反応を防止して超硬質粒子の劣化を抑制する効果がある。被覆材料としては、耐熱性金属、炭化物、窒化物、酸化物、硼化物、珪化物から選択される少なくとも一種が望ましい。より具体的には、Ir、Os、Pt、Re、Rh、Cr、Mo、W、SiC、TiC、TiN、Alなどが挙げられる。
【0017】
この被覆膜の厚さは0.5μmよりも薄くすることが好ましい。これは、0.5μmよりも被覆膜が厚いと超硬質粒子と被覆の熱膨張係数、熱伝導率、ヤング率の違いから被覆膜の剥離が生じやすくなり、焼結体の特性が不安定になる。この結果、耐摩、切削、掘削工具用材料として使用した際に被覆膜が破壊や摩耗しやすく、超硬質粒子の脱落しやすくなるためである。また、被覆膜の形成方法としては、CVD法やPVD法やめっき法が利用できる。なお、本発明において、この被覆膜は必須ではないが、例えばダイヤモンド粒子を超硬合金やサーメット中に分散した焼結体を作製する場合などには、被覆したほうが好ましい。
【0018】
本発明では超硬質粒子をダイヤモンドや立方晶窒化硼素とすることが好ましい。これは、上記耐摩耗性部材の耐摩耗性を高めるためであり、Hv硬度で40GPa以下の硬質粒子を添加しても超硬合金およびサーメットに対して耐摩耗性の優位性がでないからである。なお、このような超硬質粒子同士が直接結合していない材料は、超硬質粒子が安定な条件で製造するよりも超硬質粒子が準安定な条件で製造したほうが製造しやすく、コスト面でも超高圧発生容器を用いずに製造できるので好ましい。ダイヤモンドや立方晶窒化硼素を常圧で加熱すると、ダイヤモンドは炭素に変換し、立方晶窒化硼素は硼素と窒素に分解する。しかしながら本発明は準安定な条件で焼結するので、出発原料の組成と焼結体中の組成はほとんど変わらない。
【0019】
また、超硬質粒子同士が直接結合しているかどうか、体積A%、B%がいくらかは焼結体を溶解して判断する。密閉容器中で濃度60〜65%の硝酸を二倍希釈したものを40mlと、濃度45〜50%のフッ化水素酸10mlを混合したフッ硝酸により、140℃で3時間の溶解処理を行って超硬合金もしくはサーメットを溶解した。WCとCoはフッ硝酸に溶けるが、残った超硬質粒子を走査型電子顕微鏡にて観察することによって判断することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
平均粒径3μmのWC粉末、平均粒径1μmのCo粉末、WをPVD法により0.1μm被覆した粒度0.5〜2μm、8〜16μm、20〜30μm、40〜60μm、80〜100μm、125〜150μmのダイヤモンド粉末、粒度8〜16μm、40〜60μmの立方晶窒化硼素粉末、粒度8〜16μm、40〜60μmの窒化チタン粉末を準備し、表1の組成に配合後、ボールミルを用いて混合し、焼結用粉末を用意した。ここで試料No.1−4〜1−6、1−9〜1−11、1−12と試料No.1−13については、用いた原料は同じだが超硬質粒子A%とB%の混合割合を変化させている。なお、ダイヤモンド粉末に被覆したWの膜厚についてはダイヤモンド粉末を樹脂に埋め込んで研磨し、走査型電子顕微鏡にて研磨面を観察して測定した。
【0021】
【表1】
Figure 2004115897
【0022】
このようにして準備した粉末を焼結後の構造が表2、3、4に示す構造となるように内径50mmの黒鉛型に充填し、1.33Pa(0.01Torr)以下の真空中で圧力20MPaを付加しながら、パルス電流を流して通電加圧焼結し、径50mm厚さ5mmの焼結体を作製した。昇温パターンは20分間で1330℃まで昇温、その温度で1分間保持して、20℃/minの速度で冷却した。
【0023】
【表2】
Figure 2004115897
【0024】
【表3】
Figure 2004115897
【0025】
【表4】
Figure 2004115897
【0026】
このようにして得られた試料No.2−1〜2−22の下層側から幅1.5mm、長さ5mm、厚み1.5mmの試料を切り出し、0〜400℃間で加熱して試料の最下層の熱膨張係数を求めた。
【0027】
次に焼結体2−1〜2−22からワイヤカット装置を用いて径30mm、厚み5mmの試料を切り出した。これらを径30mm、厚み10mmのSCM440製鋼材に銀ロウ(住友電気工業(株)製SA3)とフラックス(硝酸25%、硼砂30%、酸性フッ化カリ45%)を用いて、高周波炉で大気中、500℃以上に加熱しながら最下層と鋼材のロウ付け接合した。接合状態を評価した結果を表2、3、4に示す。
【0028】
次に試料No.2−1〜2−22からワイヤカット装置を用いて長さ11mm、幅3mm、厚み5mmのチップを切り出し、全面を♯200のダイヤモンド砥石を用いて研削した。研削の際に研削抵抗を測定したのでその結果を表2、3、4に示す。なお、研削抵抗の値は試料No.2−22の測定値を100としたときの相対値である。
【0029】
その後、さらに♯400のダイヤモンド砥石を用いて研削し、これらのチップに対して、長さ11mm、幅3mmの面の耐摺動摩耗特性を津谷式(二線式)トライボメーターにより評価した。摺動試験の条件は室温、研削油中、荷重25N、摺動速度20m/min、2時間で行った。相手材である回転試験片は表面を♯800で仕上げたヴィッカース硬度17GPaの超硬合金を用いた。摺動試験後の試料の摩耗深さと回転試験片の摩耗箇所におけるRmaxを触針式表面粗さ計により測定したのでその結果を表2、3、4に示す。
【0030】
また、ダイヤモンド粒子同士の直接接合の有無、粗粒の占める体積B%、微粒の占める体積A%がいくらかを調べた。各焼結体を、密閉容器中で、濃度60〜65%の硝酸を2倍希釈したもの40mlと、濃度45〜50%のフッ化水素酸10mlを混合したフッ硝酸により、140℃で3時間の溶解処理した。超硬合金、サーメット成分が溶解され、残った超硬質粒子の状態を走査型電子顕微鏡を用いて調べた。本発明で得た耐摩耗性部材のなかの微粒超硬質粒子と粗粒超硬質粒子の割合は、出発原料の配合組成と測定誤差の範囲で一致した。
【0031】
表2、3、4からもわかるように、試料No.2−3〜2−5、2−7〜2−11、2−13、2−14、2−17、2−20は本発明の範囲に属する。すなわち、これらの試料は、超硬質粒子としてダイヤモンド、立方晶窒化硼素を使用し、粒度3〜20μmの超硬質粒子を微粒としてA%、粒度20〜100μmの超硬質粒子を粗粒としてB%であり合計20〜50体積%を含み、B÷Aが1〜10の間で超硬質粒子同士の直接結合がないなど本発明の要件を満たす。従って、優れた研削性および耐摩耗性を示した。さらに最下層の熱膨張係数が4.8×10−6/℃以上なので鋼との接合状態も良い。試料No.2−19は、鋼との接合界面で割れているが、ロウ付けすることなく使用できることは言うまでもない。
【0032】
特に、試料No.2−4、2−5、2−7、2−13は粗粒の超硬質粒子の粒度が20〜80μmの範囲に入るため研削性と耐摩耗性のバランスに優れている。中でも試料No.2−7は粗粒の超硬質粒子の粒度が20〜30μmのため試料No.2−4、2−5に比べて研削性と耐摩耗性のバランスに優れ、試料No.2−14は超硬質粒子として立方晶窒化硼素を使用しているため研削性が非常に優れている。さらに、試料No.2−9〜2−11はB÷Aの値が2〜6のため、試料No.2−3、2−20に比べて研削性に優れている。
【0033】
実施例1では、多層のもののみ示した。しかしながら、実施例1のうち、下層を省略して上層のみにして、実施例1と同じ焼結条件などで焼結すると単層の耐摩耗性部材を得ることができる。機械的に保持するなどの手段をとることにより種々な分野に使用できる。
【0034】
(実施例2)
平均粒径3μmのWC粉末、平均粒径1μmのCo、Ni粉末、平均粒径2μmのCr、Mo、VC粉末、粒度8〜16μm、40〜60μmのダイヤモンド粉末を準備した。ダイヤモンド粉末の表面にPVD法によって膜厚を変えてTiNを被覆した。その後、表5の組成に配合し、ボールミルを用いて混合し、焼結用粉末を用意した。なお、ダイヤモンド粉末については樹脂に埋め込んで研磨し、走査型電子顕微鏡にて研磨面を観察してTiNの膜厚を測定した。結果は表5に示す。このようにして準備した粉末を焼結後の構造が表6に示す構造となるように実施例1と同様の焼結条件で製作した。
【0035】
【表5】
Figure 2004115897
【0036】
【表6】
Figure 2004115897
【0037】
このようにして得られた試料No.4−1〜4−3を実施例1と同様、下層の熱膨張係数、鋼材とのロウ付け性、研削抵抗、耐摩耗性、ダイヤモンド粒子同士の直接結合の有無、B÷Aの値を評価した。
【0038】
次に試料No.4−1〜4−3から切り出した摺動試験後の試料をPH4.0の酸性溶液に96時間浸した後、側面(11mm×5mmの面)を鏡面研磨して光学顕微鏡にて500倍で観察し、上層の表面からの腐食の深さを測定したので表6に示す。
【0039】
表6から見てもわかるように、試料No.4−1、4−2はダイヤモンドに被覆したTiNの膜厚が0.5μm以下であるため、膜の剥離がなく試料No.4−3に比べて耐摩耗性に優れる。さらに、試料No.4−2はCr、Mo、Niから選ばれる少なくとも一種を0.5wt%以上含むため試料No.4−1に比べて腐食にも強いことがわかる。
【0040】
【発明の効果】
硬質材料中に微粒の超硬質粒子と粗粒の超硬質粒子を混合・焼結することによって超硬質粒子を20Vol%以上含有させても十分焼結されていて、耐摩耗性に優れしかも研削抵抗の小さな耐摩耗性部材を提供することができる。耐摩耗性と研削性は相反する性質であるが、本発明により、この相反する性質を併せ持つ、優れた耐摩耗性部材を完成することができる。

Claims (9)

  1. 超硬質粒子と硬質材料とを含む耐摩耗性部材において、前記超硬質粒子の含有量が耐摩耗性部材中で粒度3μm以上〜20μm未満の微粒を体積でA%、粒度20μm以上〜100μm以下の粗粒を体積でB%、合計して20〜50体積%であり、A%とB%の値が式1≦B÷A≦10の関係をもち、それぞれの超硬質粒子が互いに独立していることを特徴とする耐摩耗性部材。
  2. 前記A%、B%の関係が2≦B÷A≦6であることを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗性部材。
  3. 前記粗粒の粒度が20μm以上〜30μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐摩耗性部材。
  4. 前記超硬質粒子の含有量が25〜40体積%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗性部材。
  5. 前記超硬質粒子は、ダイヤモンド粒子または立方晶窒化硼素粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐摩耗性部材。
  6. 前記超硬質粒子はダイヤモンドを主体とし、表面には耐熱性金属、炭化物、窒化物、硼化物、珪化物から選択される少なくとも一種の被覆膜が形成され、この被覆膜の厚みが0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐摩耗性部材。
  7. 前記耐摩耗性部材が超硬質粒子を20〜50体積%含む層を最上層とし、その下層に超硬質粒子の含有量が5体積%以下でかつ含有量の異なる層を1層以上配置させた積層構造であり、最下層の熱膨張係数が4.8×10−6/℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐摩耗性部材。
  8. 前記硬質材料が超硬合金およびサーメットの少なくとも一方を主体とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の耐摩耗性部材。
  9. 前記超硬合金は、Cr、Ni、Moから選ばれた少なくとも一種を0.5質量%以上含むことを特徴とする請求項8に記載の耐摩耗性部材。
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