JP2004115890A - 高靱性を有する高クロム鋼及びその製造方法 - Google Patents

高靱性を有する高クロム鋼及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適切な強度と十分な靭性を有し、さらには2MPa以上の高CO環境下での使用に適するとともに、経済性にも優れた高クロム鋼およびその製造方法を提供する。
【解決手段】重量%で、C:0.05%以下、Si:0.5%以下、Mn:2.0%以下、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:10〜12.5%、Ni:1.5〜3.0%、N:0.02%以下、Al:0.01〜0.1%、を含有し、残部が実質的に鉄からなる。また、その鋼材を熱間成形後冷却し、780〜960℃の範囲で加熱後焼入れを行い、600〜750℃で焼戻しを行う。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油井またはガス井に使用される油井用材料で、高CO環境下での使用に適し、80ksi(552〜655MPa)グレードの降伏強度で高靭性を有する、安価な高クロム鋼およびそれを用いた継目無鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高深度の井戸、高温・高圧ガス田、あるいは寒冷地などさまざまな環境の油井・ガス井の開拓が進んでいる。これに伴い、高CO分圧下による腐食、さらにHSが含まれる油井の場合にはHSに起因する腐食割れ(SSC)も大きな問題となるため、これらの過酷な腐食環境に耐え、かつ深層用の油井管に必要な80ksi(552MPa)以上の強度、高靭性を併せ持つ鋼管の需要が高まってきた。
【0003】
従来、油井用材料にはAISI(米国鉄鋼協会)の410鋼または420鋼が使用されており、これらは比較的安価で、80ksi以上の降伏強度が熱処理により得られる材料であるが、十分な耐食性を示すとは言えない。また製造過程で水冷を行うことができず、製造効率を阻害している。
これまでに、上述の強度、高靭性、高耐食性を有するマルテンサイト系ステンレス鋼、およびその製造方法の提案がいくつかなされている。
【0004】
【特許文献1】
特許2665009号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特許2091532号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特許2995524号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特許文献1には、C:0.005〜0.04%、Cr:12〜17%、Ni:1・5〜6・0%を含む鋼およびその製造方法が提案されているが、強度範囲が80〜110kgf/mm(784〜1078MPa)で、汎用の80ksi(552〜655MPa)グレードより高強度であり、かかる高強度のものにおいては高CO環境下での耐食性には問題がある。
特許文献2には、C:0・15%以下、Cr:9.0〜16.0%、Ni:0.2〜2.5%を含む鋼およびその製造方法が提案されているが、制御圧延を要するため、製造工程の効率に問題があり、また製造設備上の制約もある。
特許文献3には、C:0.03%以下、Cr:11〜17%、Ni:3.5〜7.0%を含む鋼ならびにその製造方法が提案されているが、3.5%以上のNi添加を必要とするため経済性に難点がある。
このように従来技術においては、2MPa以上の高CO環境下での使用に適し、80ksi(552〜655MPa)グレードの降伏強度で高靭性を有し、かつ経済性に優れた油井管は得られていない。
【0006】
本発明者らは、これらの従来技術の問題点を解決すべく種々検討した結果、適切な強度と十分な靭性を有し、さらには2MPa以上の高CO環境下での使用に適するとともに、経済性にも優れた高クロム鋼を見い出したものである。したがって、本発明は、かかる知見に基づき、80ksi(552〜655MPa)グレードの降伏強度で高靱性を有する高クロム鋼およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、C量を低く制限して炭化物の析出を抑制することで、耐食性を改善し、製造時の水冷も可能とした。C量の制限に伴い、Cr量を420鋼など従来材の添加量13%より低くしても同等の耐食性を持つことを見い出し、さらにCr量の制限に伴いNi量を2%程度に抑えてコスト低減を図った。溶製したインゴットを熱間成形した後、加熱後焼入れ、焼戻しの温度範囲を変化させ、適切な強度−靭性の相関を検討した。
本発明はこのような知見に基づいて構成されたものであって、その要旨は以下のとおりである。
【0008】
第1の発明に係る高靱性を有する高クロム鋼は、重量%で、C:0.05%以下、Si:0.5%以下、Mn:2.0%以下、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:10〜12.5%、Ni:1.5〜3.0%、N:0.02%以下、Al:0.01〜0.1%、を含有し、残部が実質的に鉄からなるものである。
【0009】
第2の発明に係る高靱性を有する高クロム鋼は、請求項1に記載の化学成分に加えて、重量%で、Mo:0.5%以下、Nb:0.02%以下、Ti:0.03%以下、B:0.005%以下、Cu:0.5%以下、V:0.1%以下、Ca:0.005%以下のうちl種以上を含有し、残部が実質的に鉄からなるものである。
【0010】
第3の発明に係る高靱性を有する高クロム鋼は、請求項1に記載の化学成分に加えて、重量%で、Mo:0.1〜0.5%、Ti:0.08%以下を含有し、残部が実質的に鉄からなるものである。
【0011】
第4の発明に係る高靱性を有する高クロム鋼は、請求項3に記載の化学成分に加えて、重量%で、Nb:0.02%以下、B:0.005%以下、Cu:0.5%以下、V:0.1%以下、Ca:0.005%以下のうち1種以上を含有し、残部が実質的に鉄からなるものである。
【0012】
また、本発明の第1の製造方法は、重量%で、C:0.05%以下、Si:0.5%以下、Mn:2.0%以下、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:10〜12.5%、Ni:1.5〜3.0%、N:0.02%以下、Al:0.01〜0.1%、を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼材を熱間成形後冷却し、780〜960℃の範囲で加熱後焼入れを行い、600〜750℃で焼戻しを行うことを特徴としている。
【0013】
本発明の第2の製造方法は、請求項5に記載の化学成分に加えて、重量%で、Mo:0.5%以下、Nb:0.02%以下、Ti:0.03%以下、B:0.005%以下、Cu:0.5%以下、V:0.1%以下、Ca:0.005%以下のうちl種以上を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼材を熱間成形後冷却し、780〜960℃の範囲で加熱後焼入れを行い、600〜750℃で焼戻しを行うことを特徴としている。
【0014】
本発明の第3の製造方法は、請求項5に記載の化学成分に加えて、重量%で、Mo:0.1〜0.5%、Ti:0.08%以下を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼材を熱間成形後冷却し、780〜960℃の範囲で加熱後焼入れを行い、600〜750℃で焼戻しを行うことを特徴としている。
【0015】
本発明の第4の製造方法は、請求項7に記載の化学成分に加えて、重量%で、Nb:0.02%以下、B:0.005%以下、Cu:0.5%以下、V:0.1%以下、Ca:0.005%以下のうち1種以上を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼材を熱間成形後冷却し、780〜960℃の範囲で加熱後焼入れを行い、600〜750℃で焼戻しを行うことを特徴としている。
【0016】
本発明の開発過程において、化学成分ならびに熱処理条件を変化させて、強度、靭性、高CO環境下での耐食性、HS環境下での耐SSC性、および熱間加工性を調査した。その結果、本発明の化学成分ならびに熱処理条件の範囲に制御することにより、高CO頻境下で使用されるのに適した、552MPa以上の降伏強度を有する高クロム鋼を得ることを見い出した。
【0017】
以下、本発明において化学成分を前記の範囲に限定した理由について説明する。
【0018】
C:0.05%以下
Cは、固溶強化および析出強化により強度を上昇させる。含有量が0.05%を超えると、靭性ならびに耐食性が劣化する。従って、C量を0.05%以下とする。
【0019】
Si:0.5%以下
Siは、脱酸の効果がある。含有量が0.5%を超えると靭性が劣化する。従って、Si量は0・5%以下に制限する。
【0020】
Mn:2.0%以下
Mnは、Siと同様に脱酸の効果がある。含有量が2.0%を超えると靭性が劣化する。従って、Mn量は2.0%以下に制限する。
【0021】
P:0.05%以下
Pは、不純物元素で、靭性の劣化を招くため、なるべく低い方が好ましい。含有量が0.05%を超えると靱性の劣化が著しいので、P量は0.05%以下に制限する。
【0022】
S:0.005%以下
Sは、Pと同様に不純物元素で、靭性の劣化を招き、熱間加工性も低下させるため、なるべく低い方が好ましい。従って、S量は0.005%以下に制限する。
【0023】
Cr:10〜12.5%
Crは、耐食性を向上させる効果がある。添加量が10%未満では十分な耐食性が得られない。また12・5%を超えて添加しても効果は飽和する。従って、Cr量は10〜12・5%の範囲に制限する。
【0024】
Ni:1.5〜3.0%
Niは、耐食性ならびに靭性を向上させる効果がある。1.5%未満ではδフェライトが生成しやすくなり、熱間加工性が低下する。また3.0%を超えて添加しても効果は飽和する。従って、Ni量は1.5〜3.0%の範囲に制限する。
【0025】
N:0.02%以下
Nは、固溶強化および析出強化により強度を上昇させるが、V、Nb、Tiなどと結合して粗大な析出物を形成し、靭性を劣化させ、熱間加工性を低下させる。従って、N量は0.02%以下に制限する。
【0026】
Al:0.01〜0.1%
Alは、脱酸の効果がある。添加量が0.01%未満では十分な効果が得られない。0.1%を超えて添加すると、窒化によりAlNを形成するなどして、粒界強度を低下させ靭性を劣化させる。従って、Alの添加量は0.0l〜0.1%に制限する。
なお、残部は実質的に鉄である。
【0027】
本発明では、前記第1の発明の化学成分にさらに次の化学成分を加えて強度、靭性、耐食性、耐SSC性ならびに熱間加工性の向上を図るものである。以下、化学成分の限定理由について説明する。
【0028】
Cu:0.5%以下
Cuは、耐食性を向上させる効果がある。0.5%を超えて添加すると熱間加工性が劣化する。従って、Cu量は0.5%以下に制限する。
【0029】
V:0.1%以下
Vは、Nと窒化物を形成し強度を上昇させる効果がある。0.1%を超えて添加しても効果は飽和し、析出物の粗大化により靭性が劣化する。従って、V量は0.1%以下に制限する。
【0030】
Ca:0.005%以下
Caは、硫化物の形態を制御し、靭性ならびに耐食性を向上させる効果がある。0.005%を超えて添加すると、Ca系介在物の増加により靭性、耐食性の劣化を招く。従って、Ca量は0.005%以下に制限する。
【0031】
Mo:0.5%以下
Moは、耐SSC性向上の効果がある。0.5%を超えて添加すると、熱間加工性が低下する。従って、Moの添加量は0.5%以下に制限する。
【0032】
Nb:0.02%以下
Nbは、焼戻し時に析出する微細なNb炭化物により強度を上昇させるとともに、焼入れ時に析出するNb炭化物によりオーステナイト粒を微細化し靭性を向上させる。0.02%を超えて添加すると、高強度となり、適切な強度範囲に制御できない。従って、Nbの添加量は0.02%以下に制限する。
【0033】
Ti:0.03%以下、0.08%以下(Mo添加時)
Tiは、炭化物、窒化物として析出することで鋼中のC、Nの固溶量を低減させ、強度を低下させる。0.03%を超えて添加しても効果が飽和し、かつ粗大な析出物、介在物を形成して耐SSC性を低下させる。従って、Ti添加量は0.03%以下とする。
ただし、0.1〜0.5%のMoと同時に添加すると、成長速度の遅いTiMoCを形成し、粒の粗大化を抑制する。
Mo添加量との関係から、0.08%までの添加は効果があるが、0.08%を超えて添加しても効果が飽和し、耐SSC性を低下させる。従って、Tiの添加量は0.08%以下とする。
【0034】
B:0.005%以下
Bは、粒界強化の効果がある。0.005%を超えて含有すると、粒界に低融点の化合物を生じやすくなり、熱間加工性が劣化する。従って、Bの添加量は0.005%以下とする。
【0035】
次に、本発明における製造条件について説明する。
【0036】
焼入れ加熱温度:780〜960℃
焼入れ時の加熱温度が780℃未満では、加熱時に完全なオーステナイト単相組織とならないため、その後冷却してもマルテンサイト一相組織が得られず不安定な組織となる。一方、960℃を超えて加熱すると、オーステナイト粒が粗大化し靭性が劣化する。従って、焼入れ加熱温度は780〜960℃の範囲とする。
【0037】
焼戻し温度:600〜750℃
本発明が対象とする鋼は、焼入れままでは強度が高く、靭性も十分でないため、適正な焼戻しをする必要がある。焼戻し温度が600℃未満では所望の強度が得られない。また750℃を超えると靭性が低下する。従って、焼戻し温度は600〜750℃の範囲とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の鋼の溶製は、転炉、電気炉、その他、化学成分を発明の範囲内に制御できる製造方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。溶製された鋼は、主として油井用鋼管として用いるため、鋳造あるいは圧延でビレット等の形状とする。その後、押出型穿孔機もしくは傾斜ロール型穿孔圧延機による穿孔等のプロセス、圧延プロセス等を経て継目無鋼管とし、所定の熱処理を施す。
【0039】
【実施例】
表1〜2は本発明鋼(No.1〜29)、表3〜4は比較鋼(No.30〜55)の化学成分、熱処理温度、および特性評価の結果を示したものである。
【0040】
【表1】
Figure 2004115890
【0041】
【表2】
Figure 2004115890
【0042】
【表3】
Figure 2004115890
【0043】
【表4】
Figure 2004115890
【0044】
各鋼は実験炉にて真空溶解し、得られた鋼塊を熱間加工により銅板(板厚12mm)とした。これらに熱処理を施し、強度、靭性、耐食性、耐SSC性および熱間加工性を調べた。強度は、板厚中央部からJIS14B号丸棒試験片(6mm)を採取し、引張試験を行い降伏強度で評価した。靱性は、板厚中央部からフルサイズのVノッチシヤルピー試験片を切り出し、試験温度−40℃にて衝撃試験を行い評価した。耐食性は、炭酸ガス飽和の人工海水中(10%NaCl+CO溶液、pH=4.0、PCO=30atm)にて100℃×336hrの腐食試験を行い評価した。耐SSC性は、10%NaCl十0・5%CHCOOH溶液(pH=4.0、PHS=0.035atm)中、各鋼の降伏応力の90%を荷重として負荷し、30日間放置後の破断の有無を調べた。熱間加工性は、鋳造ままのインゴットから捩り試験片を採取し、1200℃で熱間捩り試験を行い評価した。
目標値として、強度は降伏強度が80ksi(552〜655MPa)、靭性は−40℃での吸収エネルギー(vE−40)が100J以上、耐食性は腐食速度が0.2mm/year以下、耐SSC性は30日間の試験期間中に破断なし、熱間加工性は熱間捩り試験での破断までの回転数が10回転以上を良好とした。
【0045】
表1〜4において、化学成分、製造条件とも発明範囲を満たす本発明鋼No.l〜29は、十分な強度、靭性、耐食性、耐SSC性、熱間加工性を示すことが確認された。
また、図1は、所定の焼入れ温度から焼戻したときの本発明鋼No.1とNo.6の降伏強度とvE−40の関係を示したものである。この図から、本発明鋼は降伏強度が80ksi(552〜655MPa)グレードで極めて高い靱性を有していることが分かる。
一方、製造条件は発明範囲内であるが、化学成分が発明範囲を外れている比較鋼No.30〜51は、強度、靭性、耐食性、耐SSC性、熱間加工性のいずれかが目標値に到達していない。また、化学成分は発明範囲内であるが、製造条件が発明範囲を外れている比較鋼No.52〜55は、強度もしくは靭性のいずれかが目標値に到達していない。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、80ksi(552〜655MPa)グレードの降伏強度で高靱性を有する高クロム鋼を得ることができる。そして、その高クロム鋼は適切な熱処理を施すことにより、高CO環境下での耐食性、HS環境下での耐SSC性、および熱間加工性に優れており、かつ安価に製造することができる。したがって、高CO環境下で使用されるのに適したラインパイプ用の継目無鋼管を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高クロム鋼の強度と靱性の相関を示す図である。

Claims (8)

  1. 重量%で、C:0.05%以下、Si:0.5%以下、Mn:2.0%以下、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:10〜12.5%、Ni:1.5〜3.0%、N:0.02%以下、Al:0.01〜0.1%、を含有し、残部が実質的に鉄からなることを特徴とする高靱性を有する高クロム鋼。
  2. 請求項1に記載の化学成分に加えて、重量%で、Mo:0.5%以下、Nb:0.02%以下、Ti:0.03%以下、B:0.005%以下、Cu:0.5%以下、V:0.1%以下、Ca:0.005%以下のうちl種以上を含有し、残部が実質的に鉄からなることを特徴とする高靱性を有する高クロム鋼。
  3. 請求項1に記載の化学成分に加えて、重量%で、Mo:0.1〜0.5%、Ti:0.08%以下を含有し、残部が実質的に鉄からなることを特徴とする高靱性を有する高クロム鋼。
  4. 請求項3に記載の化学成分に加えて、重量%で、Nb:0.02%以下、B:0.005%以下、Cu:0.5%以下、V:0.1%以下、Ca:0.005%以下のうち1種以上を含有し、残部が実質的に鉄からなることを特徴とする高靱性を有する高クロム鋼。
  5. 重量%で、C:0.05%以下、Si:0.5%以下、Mn:2.0%以下、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:10〜12.5%、Ni:1.5〜3.0%、N:0.02%以下、Al:0.01〜0.1%、を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼材を熱間成形後冷却し、780〜960℃の範囲で加熱後焼入れを行い、600〜750℃で焼戻しを行うことを特徴とする高靱性を有する高クロム鋼の製造方法。
  6. 請求項5に記載の化学成分に加えて、重量%で、Mo:0.5%以下、Nb:0.02%以下、Ti:0.03%以下、B:0.005%以下、Cu:0.5%以下、V:0.1%以下、Ca:0.005%以下のうちl種以上を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼材を熱間成形後冷却し、780〜960℃の範囲で加熱後焼入れを行い、600〜750℃で焼戻しを行うことを特徴とする高靱性を有する高クロム鋼の製造方法。
  7. 請求項5に記載の化学成分に加えて、重量%で、Mo:0.1〜0.5%、Ti:0.08%以下を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼材を熱間成形後冷却し、780〜960℃の範囲で加熱後焼入れを行い、600〜750℃で焼戻しを行うことを特徴とする高靱性を有する高クロム鋼の製造方法。
  8. 請求項7に記載の化学成分に加えて、重量%で、Nb:0.02%以下、B:0.005%以下、Cu:0.5%以下、V:0.1%以下、Ca:0.005%以下のうち1種以上を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼材を熱間成形後冷却し、780〜960℃の範囲で加熱後焼入れを行い、600〜750℃で焼戻しを行うことを特徴とする高靱性を有する高クロム鋼の製造方法。
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