JP2004115692A - 含フッ素共重合体、それを用いたレジスト材料及び反射防止膜材料 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、含フッ素共重合体、それを用いたレジスト材料及び反射防止膜材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体の微細化に対する要求がますます高まり、より短波長光源を使用しての次世代リソグラフィー技術の開発が活発に行われている(例えば、非特許文献1参照)。そのような次世代リソグラフィーの開発において重要な位置を占めるものの一つとして、レジスト材料の開発がある。現在、レジストの主流タイプは、光照射により発生する酸を触媒とし、その酸による樹脂の化学変化に伴って樹脂のアルカリに対する溶解性を増加させるポジ型レジスト材料である。ところがこのような光の短波長化に対し、現行のレジストに使用されているノボラック樹脂やアクリル樹脂等では透明性が不充分であるといった問題がある。
【0003】
【非特許文献1】
Y. Kamon, et. al, J. Photopolym. Sci. Technol., 15, 535(2002).
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、光の散乱や吸収が少なく、レジスト材料および反射防止材料として有用な透明性の高い含フッ素共重合体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
従来よりレジスト材料に用いられているアクリル系樹脂やスチレン系樹脂の、紫外線、特に真空紫外領域の波長に対する透明性が低い理由は、カルボニル基や芳香族環といったモノマー構造に由来した光吸収が大きいことが、その一つとして挙げられる。これに対して本発明者らは、含フッ素アリルエーテルを主たる成分として重合して得られる含フッ素共重合体が高い透明性を有することを見出した。しかもその含フッ素アリルエーテルは、α−トリフルオロメチルアクリル酸エステル類やアクリル酸エステル類といったレジスト樹脂として有用なモノマー群と共重合可能であり、さらにはそれら含フッ素共重合体が各種の有機溶媒に溶解し、コーティング用途に適するといったことを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち本発明は、下記の1〜4のいずれか1つに記載の含フッ素共重合体、5に記載のレジスト材料、6に記載の反射防止膜材料である。
1:
下記一般式(1)で表されるアリルエーテル(A)に基づく単位と、ビニルモノマー(B)に基づく単位を主としてなる共重合体において、アリルエーテル(A)が、Rに脂環式基を有する含フッ素アリルエーテルであることを特徴とする含フッ素共重合体。
【0007】
【化2】
(式中、Rは、脂環式基を有し、フッ素原子を少なくとも1個含有する有機基を表す。)
2:
上記1に記載の共重合体において、ビニルモノマー(B)がα−トリフルオロメチルアクリル酸エステルであることを特徴とする含フッ素共重合体。
3:
上記1に記載の共重合体において、ビニルモノマー(B)がアクリル酸エステルであることを特徴とする含フッ素共重合体。
4:
上記1〜3のいずれか1つに記載の共重合体において、アリルエーテル(A)とビニルモノマー(B)以外のその他の共重合成分が、ノルボルネン構造を含有することを特徴とする含フッ素共重合体。
5:
上記1〜4のいずれか1つに記載の含フッ素共重合体を使用したレジスト材料。
6:
上記1〜4のいずれか1つに記載の含フッ素共重合体を使用した反射防止膜材料。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用されるアリルエーテル(A)は、一般式(1)で表される。
【0009】
【化3】
【0010】
一般式(1)において、Rは、脂環式基を有し、フッ素原子を少なくとも1個含有する有機基を表す。そのような有機基としては、シクロアルキル基、複素環基、シクロジェニル基、少なくとも1個の窒素、酸素または硫黄をヘテロ原子として含む複素環基等が例示される。またここでの脂環式基は、不飽和結合や酸素等を含むアルキル基やそれらを含まないアルキル基で部分置換されていてもよい。これらアリルエーテルは単独または複数を併用して使用することができる。ここで脂環式構造を有する含フッ素有機基としては、シクロヘキシルやラクトン環のような単環でも、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、アダマンタン等に由来する骨格のような多環でもよく、それらをより具体的に例示するならば、下記構造式のものが挙げられる。
【0011】
【化4】
【0012】
この中でも、シクロヘキシルやノルボルナンのような脂環式構造は、得られた共重合体の耐熱性が良いことから、好ましいものとして挙げられる。
【0013】
本発明の含フッ素アリルエーテルの合成方法としては、各種の既知の方法が採用できる。それらを例示するならば、含フッ素アルコール体にアルカリ金属を作用させ、ハロゲン化アリルと反応させることにより得るウイリアムソン反応が挙げられる。
【0014】
本発明において使用されるビニルモノマー(B)は、アリルエーテル(A)との共重合において、実用にふさわしい分子量を与え、さらには(A)がもたらす高透明性の効果を確実なものとするものである。これは特に限定されずに一般的なビニルモノマーを用いることができ、それらを例示するならば、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類、ノルボルネン、シクロヘキセンなどの環状オレフィン類、ビニルエーテル、ビニルエステル、アクリル酸またはメタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、スチレン、ビニルスルホン酸、ビニルシラン、無水マレイン酸等が挙げられる。そしてそれらはフッ素原子や、酸素等のヘテロ原子や、官能基を含有していてもよく、またアダマンチル基のように環状構造の有機基を有していても、さらには、酸の作用で脱離するような反応性基を含有していても良い。またテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、パーフルオロビニルエーテル、下記一般式(2)で表されるオレフィン等のフルオロオレフィンも使用することができる。R8は炭素数が1から15のアルキル基で酸素等のヘテロ原子を含んでもよい。
【0015】
【化5】
【0016】
これらの中で、α−トリフルオロメチルアクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルは、本発明の含フッ素アリルエーテル(A)との共重合性に優れることから、好ましいものとして挙げられる。それらα−トリフルオロメチルアクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルにおけるエステル部の有機基について例示するならば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、アダマンチル基等の直鎖、分岐状または環状のアルキル基が挙げられ、それらには酸素等のヘテロ原子やフッ素原子を含有しても良い。さらには酸の作用で脱離するような反応性基を含有していても良い。
【0017】
本発明の含フッ素アリルエーテルに基づく単位(A)とビニルモノマー(B)を主成分とする含フッ素共重合体は、透明性を損なわない限りにおいて、ビニルモノマー(B)として使用したもの以外のモノマーを併用することができる。
【0018】
それらは、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類、ノルボルネン、シクロヘキセンなどの環状オレフィン類、ビニルエーテル、ビニルエステル、アクリル酸またはメタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸エステル類、本発明の含フッ素アリルエーテルに含まれないアリルエーテル、スチレン、ビニルシラン、無水マレイン酸等が例示される。それらはフッ素原子や酸素等のヘテロ原子、官能基を含有していてもよく、またアダマンチル基のように環状構造を有していても、さらには酸の作用で脱離するような反応性基を含有していても良い。またテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、パーフルオロビニルエーテル、下記一般式(2)で表されるオレフィン等のフルオロオレフィンも使用することができる。R8は炭素数が1から15のアルキル基で酸素等のヘテロ原子を含んでもよい。
【0019】
【化6】
【0020】
ここでノルボルネンや無水マレイン酸あるいはアダマンチル基等の脂環式構造を含有するモノマーは、本発明の含フッ素共重合体をレジスト材料として使用した場合に耐エッチング性能を向上させることから、好適なものとして挙げることができる。これらのその他共重合モノマーは、本発明の含フッ素共重合体中に単独または複数を併用することができる。
【0021】
本発明の含フッ素共重合体における、含フッ素アリルエーテル(A)およびビニルモノマー(B)の共重合比率は、特に限定されることなく任意の範囲が選択される。但し、本発明の含フッ素共重合体が高い透明性を示すために、本発明の(A)および(B)に基づく単位はそれぞれ、共重合体中に0.1モル%以上含有することが望ましい。より好ましくは1モル%以上である。
【0022】
本発明の含フッ素共重合体の数平均分子量は、通常1,000〜1,000,000、好ましくは2,000〜100,000の範囲が適切である。分子量がそれよりも小さい場合には、高分子化合物としての強度が不充分であったり、レジスト材料として使用した場合の耐熱性に劣る。また、分子量は100,000を超える場合には溶剤への溶解性に劣る。
【0023】
本発明の含フッ素共重合体の製造方法としては、特に限定されるものではないが、アニオン重合、ラジカル重合、カチオン重合、配位重合など公知の方法が採用できる。好ましくはラジカル重合が採用される。その際の重合形態としてはバルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など公知の方法を使用できる。
【0024】
重合反応の温度は、重合方法や重合の形態、重合開始剤の種類等によって適宜選定でき、具体的には20〜200℃が、好ましくは40〜120℃である。
【0025】
ラジカル重合開始剤の例としては、特に限定されるものではないが、例としてアゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物があげられる。
【0026】
本発明の含フッ素共重合体を製造する際の重合反応においては、溶媒を用いて行ってもよい。その溶媒としては特に限定されないが、重合を大きく阻害しないものが望ましく、アセトン等のケトン系溶剤、トルエン等の芳香族系溶剤、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、酢酸ブチル等のエステル系溶剤が例示される。またメルカプタンのような分子量調整剤を併用してもよい。
【0027】
乳化重合を行う際の乳化剤としては、アニオン系やノニオン系乳化剤またはその両方を用いることができる。またその際のラジカル開始剤は、特に限定されないが、過硫酸塩のような水溶性の開始剤が好ましく使用できる。
【0028】
懸濁重合を行う際の懸濁安定剤としては、特に限定されず、メチルセルロース等の一般的に使用されるような水溶性ポリマーが使用できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の含フッ素共重合体は、半導体製造用のレジスト材料および反射防止膜材料として有用となる。また、樹脂光ファイバーや光導波路用のコア材料、クラッド材料、被覆材料、光学用接着剤等としても有用である。
【0030】
本発明によるレジスト用途においては、本発明中の含フッ素共重合体の使用方法は特に限定はされないが、その例として、酸の発生によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が変化する高分子化合物として応用される。その際に使用できる酸不安定性基としては、含フッ素アリルエーテル(A)またはビニルモノマー(B)あるいはその他の共重合成分に導入、あるいはそれらに複合して導入することでその目的が達せられる。
【0031】
その際は、本発明中の含フッ素共重合体に加え、有機溶剤、光酸発生剤、その他添加剤によりレジストを構成することができる。また樹脂をブレンドにて使用すべく、その他の重合体を溶液中に任意の割合で混合させることも可能である。
【0032】
有機溶剤は本発明中の含フッ素共重合体を溶解せしめ、コーティング材料とするものである。その有機溶剤は特に限定はされないが、アセトンやメチルエチルケトンのようなケトン類、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールまたはその誘導体、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤、フロン等のフッ素系溶剤が例示され、これらは単独または併用することができる。
【0033】
光酸発生剤は特に制限はなく、化学増幅型レジストの酸発生剤として用いられるものの中から任意のものを選択して使用することができる。このような酸発生剤の例としては、ビススルホニルジアゾメタン類、ニトロベンジル誘導体類、オニウム塩類、ハロゲン含有トリアジン化合物類、シアノ基含有オキシムスルホネート化合物類、その他のオキシムスルホネート化合物類が挙げられる。これらの酸発生剤は単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、高分子化合物100重量部に対して、通常0.5〜20重量部の範囲で使用される。
【0034】
その他添加剤としては、溶解性抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、光増感剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、密着剤、クェンチャー等が例示される。
【0035】
本発明のレジストの使用は、従来のフォトレジスト技術と同様の方法で行える。例えば本発明の含フッ素共重合体を、酸の発生によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が変化する高分子化合物として応用する場合は、シリコンウエハーにレジスト組成の溶液をスピンコートした後に乾燥および成膜し、これに露光装置によりマスクを介してパターンを照射する。これを加熱、アルカリ現像することで樹脂層に所望のパターンを形成することができる。
【0036】
本発明による反射防止膜材料の用途においては、含フッ素共重合体の溶液を基板上に塗布し、乾燥と必要により加熱し、反射防止性能を示す膜厚および膜構成に成膜することにより達成することができる。
【0037】
【実施例】
次に本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
【0038】
[合成例1] アリルエーテル1の合成
300mLのガラス容器に29.2gの以下に示したアルコール1、14.5gの臭化アリル、100mLの乾燥ジメチルホルムアミドを入れ、水浴での冷却下に攪拌しながら、窒素にて容器内を置換した。その後、窒素気流下で6.0gの60%水素化ナトリウムを徐々に容器に添加した。30分間の攪拌の後、30ccの水を徐々に容器内に入れて反応を終了させた。反応混合液からジエチルエーテルにて有機物を抽出し、飽和食塩水による洗浄、無水硫酸マグネシウムによる乾燥の後に溶媒を留去し、さらに減圧蒸留を行って以下に示した目的のアリルエーテル1を30.2g得た。
【0039】
【化7】
【0040】
[合成例2] アリルエーテル2の合成
300mLのガラス容器に41.6gの以下に示したアルコール2、14.5gの臭化アリル、100mLの乾燥ジメチルホルムアミドを入れ、水浴での冷却下に攪拌しながら、窒素にて容器内を置換した。その後、窒素気流下で6.0gの60%水素化ナトリウムを徐々に容器に添加した。30分間の攪拌の後、合成例1と同様の操作にて以下に示した目的のアリルエーテル2を18.2g得た。
【0041】
【化8】
【0042】
[実施例1]
50mLの耐圧容器に、8.05gのアリルエーテル1、4.90gのα−トリフルオロメチルアクリル酸t−ブチル(以下TFMA−Bと略す)、0.17gのジ−t−ブチルパーオキシピバレート、2.60gの酢酸ブチルを入れ、攪拌しながら窒素にて容器内を置換した。その後、反応容器を60℃に20時間保って反応を行った。反応終了後、冷却した反応液に3gの酢酸ブチルを加えて均一溶液とし、1Lのn−ヘキサンにてポリマーを再沈させ、ろ過、減圧乾燥により6.20gの白色ポリマーを得た。得られたポリマーの、GPC測定により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量は11,000であった。また19F NMRのピーク強度から求めたポリマーのモル組成比は、アリルエーテル1:TFMA−B=44:56%であった。さらに得られたポリマーはプロピレングリコールモノメチルアセテートに可溶であり、その溶液から作製した塗膜の、100nm厚み換算の193nm波長での光透過率は98%であった。
【0043】
[実施例2]
50mLの耐圧容器に、4.19gのアリルエーテル1、7.06gのα−トリフルオロメチルアクリル酸−2−メチル−2−アダマンチル(以下TFMA−MADと略す)、3.43gの3−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−オール(以下BTHB−NBと略す)、0.17gのジ−t−ブチルパーオキシピバレート、2.94gの酢酸ブチルを入れ、攪拌しながら窒素にて容器内を置換した。その後、その後、反応容器を60℃に20時間保って反応を行った。反応終了後、冷却した反応液に3gの酢酸ブチルを加えて均一溶液とし、1Lのメタノール/水(1:1容積比)溶液にてポリマーを再沈させ、ろ過、減圧乾燥により8.70gの白色ポリマーを得た。実施例1と同様の分析より、得られたポリマーの重量平均分子量は7,300、またモル組成比は、アリルエーテル1:TFMA−MAD:BTHB−NB=29:55:16%であった。さらに実施例1と同様に成膜、測定して得られた塗膜の、100nm厚み換算の193nm波長での光透過率は99%であった。
【0044】
[実施例3]
50mLの耐圧容器に、4.56gのアリルエーテル2、4.90gのTFMA−B、4.11gのBTHB−NB、0.25gのα,α’−アゾビスイソブチロニトリル、2.71gの酢酸ブチルを入れ、攪拌しながら窒素にて容器内を置換した。その後、反応容器を70℃に20時間保って反応を行った。反応終了後、実施例2と同様の操作により6.60gの白色ポリマーを得た。実施例1と同様の分析より、得られたポリマーの重量平均分子量は11,000、またモル組成比は、アリルエーテル2:TFMA−B:BTHB−NB=23:52:25%であった。さらに実施例1と同様に成膜、測定して得られた塗膜の、100nm厚み換算の193nm波長での光透過率は99%であった。
【0045】
[実施例4]
50mLの耐圧容器に、6.44gのアリルエーテル1、3.33gのアクリル酸−ヘキサフルオロ−2−プロピル(以下HFIP−Aと略す)、3.51gのメタクリル酸−2−メチル−2−アダマンチル(以下MA−MADと略す)、0.17gのジ−t−ブチルパーオキシピバレート、2.66gの酢酸ブチルを入れ、攪拌しながら窒素にて容器内を置換した。その後、実施例1と同様の操作により8.60gの白色ポリマーを得た。実施例1と同様のGPC分析より、得られたポリマーの重量平均分子量は18,000、また19F NMRのピーク強度および熱重量分析より求めたモル組成比は、アリルエーテル1:HFIP−A:MA−MAD=24:40:36%であった。さらに実施例1と同様に成膜、測定して得られた塗膜の、100nm厚み換算の193nm波長での光透過率は96%であった。
【0046】
[実施例5]
実施例2で得られたポリマーを10重量%の固形分濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、次いでポリマー100重量部に対して、酸発生剤として、みどり化学製トリフェニルスルホニウムトリフレートを2重量部になるように溶解し、0.2ミクロンのメンブランフィルターにてろ過してレジスト溶液を調製した。これをシリコンウェハー上にスピンコートし、膜厚500nmのレジスト膜を得た。110℃でのプリベークの後、KrFエキシマレーザー248nmでの露光を行い、その後120℃でポストエクスポーザーベークを行った。次いで、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像したのち、純水で洗浄し、乾燥した。その結果、レーザー未照射部位がテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に不溶であったのに対し、レーザー照射部は完全に溶解しており、レジストとして必要なポジ型挙動が観測された。
【0047】
[実施例6]
実施例1で得られたポリマーを30重量%の固形分濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解し、スピンコート法にてガラス基板上に膜厚100nmに製膜した。110℃でのベークの後、コーティングされたガラス板の反射率を測定したところ、2.0%であった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の含フッ素共重合体は、光の散乱や吸収が少なく、溶媒への溶解性に優れることから、レジスト材料および光学材料として有用である。
Claims (6)
- 請求項1に記載の共重合体において、ビニルモノマー(B)がα−トリフルオロメチルアクリル酸エステルであることを特徴とする含フッ素共重合体。
- 請求項1に記載の共重合体において、ビニルモノマー(B)がアクリル酸エステル類であることを特徴とする含フッ素共重合体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合体において、アリルエーテル(A)とビニルモノマー(B)以外のその他の共重合成分が、ノルボルネン構造を含有することを特徴とする含フッ素共重合体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素共重合体を使用したレジスト材料。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素共重合体を使用した反射防止膜材料。
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