JP2004115353A - 無機質板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機質板製品の炭酸化による寸法変化量を抑制させ且つ製造コストが高価になることがない無機質板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】無機質板に特定の鋳物廃砂が混入されていることにより、多孔質状の三次元構造となった無機質板硬化物の細孔に十分に鋳物廃砂が充填されるので、炭酸ガスや硫酸ガスの影響を受けにくくなり、さらに、反応後は未反応分の鋳物珪砂が骨材として機能するので、炭酸化による寸法変化量を効果的に抑制せしめ、さらに原材料費の低減とゼロエミッションを同時に達成した安価格の無機質板を製造することができる。

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、主として外壁材、屋根材等の建築板に使用され、鋳物廃砂を配合原料の一つとして含む無機質板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の建築板としては、セメントなどの無機質原料とパルプなどの補強繊維物質とパーライトなどの軽量骨材を含有する原料混合物を水に分散させてスラリーを調整し、該スラリーを脱水してマットとしプレス成型した後、養生硬化せしめる湿式法による無機質板の製造方法が提供されている。このような無機質板はセメント粉体である無機質原料を用い、水セメント比が大きい湿式法により製造されているので、脱水成型後の基材中に細孔が生じやすく、成型後の無機質板には空気や水蒸気が侵入しやすいために、経時変化による無機質板の寸法変化の影響を受けやすい。そこで、このような湿式法による無機質板には、オートクレーブ養生を行い硬化体中に結晶構造をつくることで細孔を少なくすることや、撥水剤の添加や無機質板の表面塗装などにより、空気や水蒸気の侵入を防いだ処理が施され製品化されている。
また最近は、廃棄物処理の必要性の高まりから、各種廃棄物を添加混合する技術が提供されているが、その中で鋳物製造工程時に発生する鋳物廃砂を混合した気泡コンクリート製品や床板が既に公知資料として提供され、コストパフォーマンスの高い製品を製造する技術がある。
【特許文献1】特開平6−321651
【特許文献2】特開平8−193411
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常セメントなどの無機質原料により硬化反応した無機質板は、オートクレーブ養生をした場合であってもアルカリ性であるセメント水和物が占める割合が多くなり、熱や空気の影響により伸縮を発生しやすい。
それに撥水剤や塗装などの処理をした建築板の場合は、建築板表面に被われる雨水などによって生じる短期間の基材伸縮に対応できるものの、長期間曝されたものは塗膜の耐候性の劣化などにより、原板製造時の脱水により生じるマトリクス内の細孔に空気が除々に侵入し、アルカリ性のセメント水和物が長期間空気に触れることになる。このため、水和物は表層部分から空気中の炭酸ガスや硫酸ガスの作用を受け、徐々に炭酸化によるマトリクスの崩壊現象が起こりやすくなり、基材の収縮反応が生じることになる(いわゆる炭酸化収縮)。その結果、基材の反りやクラックの発生、基材収縮による目地ズレ等の不具合が生じやすくなるという問題があった。
一方、上記炭酸化収縮を抑える目的で、オートクレーブ養生によりトバモライト質のケイ酸カルシウム水和物の微細構造を生成させ、炭酸化による崩壊を起こしにくいマトリクスを形成したり、さらにオートクレーブ条件を強化し炭酸化の耐性を強化したりすることができるが、一方でなるべく安価な建築板の製造技術が要求されるので、製造コストも重視しながら、必要性能を達成することが重要な課題となっていた。
また、さまざまな資源が投入される産業は、製品やサービスの供給と同時に、廃棄物も排出しているが、各種産業間において廃棄物を資源に変換し、廃棄物を排出しないで循環リサイクルさせるゼロエミッションの重要性が増している。これまで特に鋳物廃砂は極僅かの使用に限られていたため、ゼロエミッションへの貢献度合いが低く、それ故、コストの高い製品にならざるを得なかった。
【0004】
そこで本発明者は、鋳物廃砂を原料とした場合にその比表面積や配合比率を特定することで、機械的強度など他物性を維持しながら無機質板の炭酸化収縮を抑制させることを見出し、本発明を完成した。本発明は、上記課題を解決した建築板及びその塗装方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、本請求項1では、セメント系無機材料と補強繊維物質と多孔性物質と鋳物廃砂とを含有する原料混合物を水に分散させたスラリーによって形成されるマットの硬化物であって、該鋳物廃砂は粒子径分布0.5〜300μmかつ平均ブレーン値を3000〜4000cm/gとし、全配合中に15重量%以下含有することを特徴とする無機質板を提供するものである。上記構成によれば、鋳物廃砂原料がマトリクス内の細孔を埋める役割を果たすので、炭酸化収縮の寸法変化量を抑制した無機質板とすることが可能となる。
【0006】
また、本請求項2では、セメント系無機材料と補強繊維物質と多孔性物質と鋳物廃砂とを含有する原料混合物を水に分散させたスラリーによってマットを形成し、該マットを脱水成形した後養生硬化せしめる無機質板の製造方法であって、粒子径分布が0.5〜300μmかつ平均ブレーン値を3000〜4000cm/gとした鋳物廃砂を全配合中に15重量%以下含有した原料混合物を水に分散させスラリーにし、脱水してマットを形成した後該マットを脱水成形後養生硬化せしめることを特徴とする無機質板の製造方法を提供するものである。上記構成によれば、鋳物廃砂を使用することで原料費の低減と共にゼロエミッションへの貢献が可能となり、さらに鋳物廃砂原料がマトリクス内の細孔を埋めた状態で成型されるので、炭酸化収縮の寸法変化量を抑制した無機質板を製造することが可能となる。
【0007】
このとき、鋳物廃砂の粒子径やブレーン値を上記のように特定したのは次の理由による。すなわち、無機質板の細孔径分布は幅広い範囲で分散されているので、鋳物廃砂の粒子径はある程度の幅のある粒子径分布であることが好ましい。粒子径分布が一定の狭い範囲内にあると、一定の範囲内の細孔しか充填することができないが、本発明では上記範囲の粒子径に幅広く分布しているので、粒子間の細孔にも十分に充填されることになる。特に、原料を水に分散させたスラリー状のマットから製造される無機質板においては、鋳物廃砂がマトリクス内の細孔にほぼ均一に入りやすくなり、好結果をもたらす。
また、平均ブレーン値が上記範囲としたのは、未反応分の鋳物廃砂が骨材としての機能を果たすのに有効であるためである。また、鋳物廃砂の配合量を15重量%以下とするのは、鋳物廃砂中に含まれる不純物の混入度合が増しセメントと反発し合うため、セメントの硬化自体に悪影響を及ぼし強度などの他物性の性能を低下させてしまうのを防ぐためである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を以下に詳細に説明する。
本発明に係わる無機質板の製造方法の一実施形態が適用される無機質板の製造装置は、スラリー流込装置、吸引脱水装置、押圧脱水成型装置、可動式の透水性シート、搬送ベルトなどから構成されている。スラリー流込装置はスラリー貯留槽を具備しており、吸引脱水装置は吸引機を具備している。他方、押圧脱水装置は所望によりエンボス型板を付着したプレスを有しており昇降駆動自在に支持されている。これら、スラリー流込装置、吸引脱水装置、押圧脱水成型装置を順次つなぐ形で透水性シートが回転駆動自在に張設されており、この透水性シートの近傍には搬送用のベルトが回転駆動自在に張設されている。
【0009】
一方、スラリーはセメント系無機材料と補強繊維物質と多孔性物質と鋳物廃砂とを主成分とし、これに無機充填材、フィラーなどを適宜配合して混練したものである。
本発明に用いられるセメント類としては、例えばポルトランドセメント、高炉スラグセメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント等がある。また、補強繊維物質としては、例えば木片、木質パルプ、木質繊維束、木毛、木粉、合成繊維等がある。
【0010】
更に本発明では上記成分以外に、例えばケイ砂、ケイ石粉、シリカヒューム、ベントナイト、ケイ藻土等のケイ酸含有物質等の無機質原料、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等の塩化物の無水物あるいは結晶化物、硫酸アルミニウム、ミョウバン、硫酸鉄、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩の無水物あるいは結晶化物、硝酸カルシウム、亜硝酸カルシウム等の硝酸塩、亜硝酸塩の無機物あるいは結晶化物、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム等のギ酸塩、酢酸塩の無水物あるいは結晶化物、アルミン酸ソーダ、水ガラス等のセメント硬化促進剤やワックス、パラフィン、シリコン等の撥水剤、発泡ポリスチレンビーズ等の発泡性熱可塑性プラスチックビーズ等が添加されてもよい。
【0011】
本発明において、補強繊維物質は、セメント硬化物を捕捉してマトリクスを補強し靭性を向上させる目的で混和されるものであり、木質繊維パルプ、木質繊維束、木片、木粉など、従来この種の無機質板への補強材として用いられてきたものと同じものであっても良い。また、その配合割合も従来のものと同様であって良い。さらに、木質材のみならず、竹繊維、麻繊維、バガス、籾殻、などの材料も有効である。
【0012】
また、本発明において多孔性物質としては、シラスバルーン、パーライト、フライアッシュなどが好ましい材料である。例えば、望ましい多孔性物質としては、粒度10〜600μmのシラスバルーンやパーライトがある。
【0013】
本発明では、鋳物廃砂を原料として添加混合して無機質板を製造するが、ここで鋳物砂について説明する。鋳物砂の成分は、一般的に、基材としての珪砂、粘結材としてのベントナイト、クッション的な役割を果たす石炭粉、さらに二次バインダーとして澱粉類等が主である。これに水を必要量注入して、混練機により所定時間混練して鋳物砂型として使用している。この鋳物砂型は脱型後粉砕され繰り返し原料として再利用されるが、鋳物型としての使用限界を超え再利用ができなくなったものは粉砕機や集塵機によって廃棄回収される。その回収物の中には、微粉類や金属粉等が含まれており、これが鋳物廃砂と称されるものである。よって、一般に廃棄対象とされた鋳物廃砂は最終的には微粉類を多く含んだ珪砂を主成分とした砂に、金属粉、耐火物の残渣、その他の不純物が混ざったものとなっている。
【0014】
このような廃棄対象とされる鋳物廃砂の有効な利用方法は、上記のような多くの不純物を含んでいるが故に、粉体のまま使用する方法の他に、例えばペレット状に予備加熱したものを炉に入れて600℃〜800℃程度で加熱焼成し、できあがったものを材料として二次加工することによって再利用することが一般的に行われている。ここで、鋳物廃砂中の成分組成の一例を表1に示す。
【0015】
【表1】
Figure 2004115353
上記の表でも明らかなように、鋳物廃砂にはセメントの硬化に重要なSiOを主成分として含有し、さらにAl、Feなどを含むものであって、従来産業廃棄物として処理されていたものでありながら、SiOが非常に良好な含有量であることが理解される。従って、この珪砂分をセメント中に配合することによって、良質のトバモライト質のケイ酸カルシウム水和物の微細構造を生成させ、炭酸化による崩壊を起こしにくいマトリクス形成を図ることができる。前記鋳物廃砂のかさ比重および粒度は、鋳物廃砂の成分組成や焼成条件により一定ではないが、粒子径分布が0.5〜300μmかつ平均ブレーン値が3000〜4000cm/gである場合には、様々な径の細孔にうまく充填されるので、炭酸化収縮と機械的強度の双方を満足する無機質板を製造することができる。
【0016】
細かくは、上記に述べたように鋳物廃砂の粒子径分布が0.5〜300μmかつ平均ブレーン値は3000〜4000cm/gにしていると、多孔質状の三次元構造となった無機質板硬化物の各種細孔に十分に鋳物廃砂が充填されるようになると共に、鋳物珪砂はセメントとの反応系として寄与し、さらにセメントとの反応後に骨材として機能するため、炭酸化収縮の作用の受けやすい要因となる炭酸ガスや硫酸ガスの通り道を塞ぐことを可能にさせることができる。
この際、粒子径分布が0.5〜300μmとは、0.5μm〜300μmまでに幅広く分布しているという意味であり、上記範囲内の特定の粒子径を指すものではない。
【0017】
本発明において、各原料の主成分の配合割合は、セメント30〜85重量%、ケイ酸含有物質30〜60重量%、補強繊維物質5〜15重量%、多孔性物質5〜15重量%、鋳物廃砂1〜15重量%であることが好ましい。この配合割合の場合には、外壁材、屋根材などの初期の目標強度を確実に発現させることが可能となる。本発明において、上記主成分に対し、さらに、マイカ、発泡ビーズなどを1〜10重量%添加しても良い。また、防水剤や撥水剤など、従来のこの種の無機質板を製造するときに添加されてきた第三成分を任意に添加しても差し支えない。
【0018】
次に、無機質板を製造する手順を以下に示す。
上記原料混合物は水に添加分散されてスラリーとされ、該スラリーを使用して抄造によりマットをフォーミングする。この際該スラリーの抄造に使用される抄造機は、ハチェック式、フローオン式、型枠バッチ式など一般的に使用されている抄造装置のいずれを用いてもよく、マットを押圧成型する際は、透水性シートを通して下面側より、または下面側および上面側より同時に脱水することにより成型されることが望ましい。
【0019】
本発明の実施形態は以上のような構成を有するので、本発明を適用して無機質板を製造する手順は以下のようになる。まず、該スラリーの含水率は通常300〜400%となるよう調整され混合パルパーで混練される。次に、該スラリーをスラリー流込装置のスラリー貯留槽に供給する。
【0020】
次に、型枠にスラリーを流し込んで基材を形成する。それには、スラリー流込装置のスラリー貯留槽の下方で透水性シート上に型枠を載置した後、スラリー貯留槽から型枠内に所定量のスラリーを流し込み、このスラリーを均した後、吸引脱水装置の吸引機を駆動して、スラリーの下面から吸引脱水する。脱水後、スラリーの含水率は保型がなされる程度の含水率に低減しており、通常含水率が150〜200%の平板状のマットが型枠内に形成される。
【0021】
その後、型枠を取り外してマットのみを透水性シート上に残し、透水性シートを回転移動させてマットを押圧脱水成型装置近傍に移送した後、マットが押圧脱水装置に位置決めされた状態でプレスを所定のストロークだけ下降させる。このような押圧脱水成型装置によりプレスされることにより板状に脱水成型され、所望なればエンボス模様が付与した型板によりマット表面に柄模様が付される。
【0022】
次に、プレスを所定のストロークだけ上昇させて解圧し、成形された未硬化のマットを透水性シートの回転により移動させマットが搬送される。このように製造されたマットは養生工程に移行し、無機質板の構成原料であるセメント類は養生中に略完全に硬化され無機質板が製造される。
以上の無機質板は成形層が単一の場合であるが、複層の無機質板であっても可能なのは言うまでもない。
【0023】
このようにして無機質板を製造すれば、上記鋳物廃砂を配合しているので、多孔質状の三次元構造となった無機質板硬化物の細孔に十分に鋳物廃砂が充填され骨材の機能、および無機質板の細孔を塞ぐ閉塞機能を果たすことになる。この機能により炭酸化収縮の作用の受けやすい要因となる炭酸ガスや硫酸ガスの通り道を塞ぎ、機械的強度を満足させた低価格の無機質板を製造することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
表2に示す組成の原料混合物を使用する。
【表2】
Figure 2004115353
上記原料混合物を水と混合して均一攪拌することによって含水率300%になるようにスラリーを調整した。上記原料スラリーを透水性シート上に載置した型枠に流し込み、均し、スラリーの含水率が160%になるように一定時間脱水した後、型枠を取り外した。型枠が取り外されたマットを押圧成形装置に搬送し、脱水を行いながら設定厚みが15mmになるようにプレス成形し、60℃で6時間の一次養生およびオートクレーブ170℃、8時間の二次養生を行って所定の無機質板を得た。
【0025】
また、比較例として、鋳物廃砂を混入せず珪砂のみを配合し、実施例と同じ条件でセメント、木質パルプ、パーライトを混合して原料を調整し水に分散して含水率300%のスラリーを得た。該スラリーから実施例と同じ条件でマットを得、同じ条件で一次養生と二次養生を行い無機質板とした。
【0026】
実施例品及び比較例品の無機質板について、曲げ強さ、かさ比重、吸水伸び率、炭酸化収縮率を測定した。なお、曲げ強さはJIS A−1409、吸水伸び率はJIS A−5422、炭酸化収縮率は、30℃65%RH下において5%濃度の炭酸ガス雰囲気中に7日放置し中性化した後、80℃中に10日放湿させ、中性化と放湿収縮量を測定した。その結果を表3に示す。
【表3】
Figure 2004115353
【0027】
実施例品と比較例品を比較すると、同じ養生条件でありながら、両者はほぼ同じ曲げ強さと吸水伸び率を示し、かつ炭酸化収縮率は実施例ではいずれも小さな値を示している。また、鋳物廃砂の配合比率が極端に多いと、セメントの水和反応が緩慢かつ貧弱になり、初期材令における機械的強度および吸水伸び率が低下することがわかる。
【0028】
このことは鋳物廃砂の粒子径分布を測定した結果である図1および図2から読みとることができる。本発明の鋳物廃砂は図1に示すように、粒子径分布が0.5〜300μmに分散しており、平均ブレーン値が3000〜4000cm/gであるのに対し、一般に使用される珪砂の粒子径分布は図2に示すように、0.2〜54μmの範囲に分布しており、狭い分布範囲になっている。従って、上記範囲の鋳物廃砂を用いることによって、従来よりも無機質板内に存在する各種の細孔を十分充填させることができ、さらに、鋳物廃砂は不純物の存在により完全に反応せずに未反応分はそのまま骨材としてマトリクス内に留まるようになり、炭酸化による寸法安定性を抑制することができる。
また、鋳物廃砂を15重量%以下の配合比率で用いることにより、セメントの硬化自体に悪影響を及ぼすことなく従来の全量の珪砂を配合した無機質板と同等の物性を示し、かつ従来品よりもセメント水和物の炭酸化の影響を受けにくくなるので、炭酸化による寸法安定性に優れた無機質板が得られる。
【0029】
【発明の効果】
したがって本発明によれば、無機質板に特定の鋳物廃砂が混入されていることにより、多孔質状の三次元構造となった無機質板硬化物の細孔に十分に鋳物廃砂が充填されるので、炭酸ガスや硫酸ガスの影響を受けにくくなり、さらに、反応後は未反応分の鋳物珪砂が骨材として機能するので、炭酸化による寸法変化量を効果的に抑制せしめ、さらに原材料費の低減とゼロエミッションを同時に達成した安価格の無機質板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳物廃砂の粒子径分布
【図2】一般の珪砂の粒子径分布

Claims (2)

  1. セメント系無機材料と補強繊維物質と多孔性物質と鋳物廃砂とを含有する原料混合物を水に分散させたスラリーによって形成されるマットの硬化物であって、該鋳物廃砂は粒子径分布を0.5〜300μmかつ平均ブレーン値を3000〜4000cm/gとし、全配合中に15重量%以下含有することを特徴とする無機質板。
  2. セメント系無機材料と補強繊維物質と多孔性物質と鋳物廃砂とを含有する原料混合物を水に分散させたスラリーによってマットを形成し、該マットを脱水成形した後養生硬化せしめる無機質板の製造方法であって、粒子径分布が0.5〜300μmかつ平均ブレーン値を3000〜4000cm/gとした鋳物廃砂を全配合中に15重量%以下添加混合した原料混合物を水に分散させスラリーにし、脱水してマットを形成し、該マットを脱水成形後養生硬化せしめることを特徴とする無機質板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114230247A (zh) * 2021-12-21 2022-03-25 中建五局土木工程有限公司 高性能纳米纤维机制砂混凝土及其制备方法

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