JP2004115187A - コンクリートブロック吊り具 - Google Patents
コンクリートブロック吊り具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004115187A JP2004115187A JP2002279867A JP2002279867A JP2004115187A JP 2004115187 A JP2004115187 A JP 2004115187A JP 2002279867 A JP2002279867 A JP 2002279867A JP 2002279867 A JP2002279867 A JP 2002279867A JP 2004115187 A JP2004115187 A JP 2004115187A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete block
- rod
- lifted
- lifting
- hanging
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Retaining Walls (AREA)
- Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)
Abstract
【課題】L型断面などの非対称型のコンクリートブロック用の吊り具において、吊り上げ時のコンクリートブロックの姿勢を規制するための機器を採用して安全な吊り上げ作業を可能とする。
【解決手段】吊り具10は、吊りビーム1と、この吊りビーム1に垂下された門型フレーム3と、この門型フレーム3の両縦部材4の中間部にそれぞれ進退可能に設けられ先端のボール5dが吊り上げ対象のコンクリートブロックCに当接する当接部材5と、両縦部材4の下端部にそれぞれ設けられ吊り上げ対象のコンクリートブロックCに形成された貫通孔Hに挿入される棒状体6と、この棒状体6の先端に係止される抜け止め部材7とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】吊り具10は、吊りビーム1と、この吊りビーム1に垂下された門型フレーム3と、この門型フレーム3の両縦部材4の中間部にそれぞれ進退可能に設けられ先端のボール5dが吊り上げ対象のコンクリートブロックCに当接する当接部材5と、両縦部材4の下端部にそれぞれ設けられ吊り上げ対象のコンクリートブロックCに形成された貫通孔Hに挿入される棒状体6と、この棒状体6の先端に係止される抜け止め部材7とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリートブロックの吊り具、とくに断面L型のコンクリートブロックの搬送、移動に好適に使用される吊り具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリートブロックの搬送や移動に際して、コンクリートブロック全体にワイヤを掛け回し、このワイヤをクレーンで吊り上げたり、コンクリートブロックの適所に設けられた貫通孔に金属棒を差し込み、その両側をチェーンブロックで保持して吊り上げたりしていた。
【0003】
しかしながら、ワイヤ掛けによる吊り上げは、ワイヤがコンクリートブロックから外れてしまう危険性があり、その操作も面倒であり、また、貫通孔利用の方法は、吊り上げる際の重心位置がわかりにくく、バランスが取りにくいという問題がある。
【0004】
このような問題を解消するものとして、図4に示すような吊り具が提案されている。この吊り具は、倒立L字形の吊り具本体51と、吊り具本体51の支柱部52下端に固定した、コンクリートブロック61に設けた貫通孔62に差し込むフック棒53と、フック棒53の先端に着脱自在に設けた抜け止め用ガイド54と、吊り具本体51上部のアーム部55に所定の間隔で配設した複数の重心調節孔56および支柱部52上端に設けた第1のターンバックル取付孔57と、重心調節孔56に着脱自在に取り付けられ、上部に第2のターンバックル取付孔72を形成した吊り上げ手段71と、各ターンバックル取付孔間を連結するターンバックル73とを有する吊り具50である。
【0005】
この吊り具50によれば、吊り具50がコンクリートブロック61から外れることがなく、その取扱いや操作がしやすい。また、コンクリートブロック61を吊り上げる際に重心位置を簡単に調整することができ、バランスが取りやすくて積み上げや移動、搬送、荷積みなどが迅速に行える、とされている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−133661号公報(請求項1,段落番号0024,0025、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コンクリートブロックには各種の形状があり、一般に建築関係には板状のコンクリートブロックをはじめ上下左右が対称型のものが多く、土木関係には非対称型のものも多く含まれる。左右対称の形状をしている板状のコンクリートブロックの場合は、吊り上げ方向とコンクリートブロックの重心位置とのずれが小さいので、図4に記載の吊り具50でもコンクリートブロックを安全に吊り上げることができる。
【0008】
一方、非対称型のコンクリートブロックの場合は、吊り上げ方向とコンクリートブロックの重心位置とのずれが大きく、たとえば断面L型のコンクリートブロックの場合は、図4に記載の吊り具50では、コンクリートブロックが吊り具本体51に対していずれかの方向に倒れて吊り上げ作業ができなくなる。そこで従来は、図5に示すように、コンクリートブロック81に設けられた貫通孔82にワイヤ91を係止し、ワイヤ91とコンクリートブロック81の上部との間に角材92を挟んでコンクリートブロック81の重心の移動による傾きを規制しながら、クレーンなどでワイヤ91を引き上げることでコンクリートブロック81を吊り上げる方法が採られていた。
【0009】
しかしながら、このような方法では、ワイヤ91を引き上げたときにコンクリートブロック81が所定の姿勢(ほぼ垂直な姿勢あるいは設置面の傾斜に応じた傾斜姿勢)で吊り上げられるように角材92の大きさや個数を調整することは厄介な作業であり、しかも吊り上げたときに角材92が外れやすく、危険を伴う作業であった。
【0010】
本発明が解決すべき課題は、非対称型のコンクリートブロック、とくに断面L型のコンクリートブロック用の吊り具において、吊り上げ時のコンクリートブロックの姿勢を規制するための機器を採用して安全な吊り上げ作業を可能とすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンクリートブロック吊り具は、吊りビームと、この吊りビームに垂下された門型フレームと、この門型フレームの両縦部材の中間部にそれぞれ進退可能に設けられ先端が吊り上げ対象のコンクリートブロックに当接する当接部材と、両縦部材の下端部にそれぞれ設けられ吊り上げ対象のコンクリートブロックに形成された貫通孔に挿入される棒状体と、この棒状体の先端に係止される抜け止め部材とを備えた吊り具である。
【0012】
このような構成とすることによって、L型ブロックのような非対称型のコンクリートブロックであっても、コンクリートブロックに当接する当接部材の進退調節により、コンクリートブロックを安定した状態で吊り上げることができる。
【0013】
ここで、当接部材を、基端部に雄ねじを形成した棒状体とし、門型フレームの縦部材に設けた雌ねじ部に螺合させることによって縦部材から進退可能とする構成とすることができる。当接部材の進退調節は、図5で説明した従来法における角材の大きさや個数を調整することに相当するが、本発明の吊り具においては、当接部材は基端部が門型フレームの縦部材に固定されているので、当接部材をコンクリートブロックに当接させてコンクリートブロックを吊り上げた状態で当接部材が外れることはなく、安全にコンクリートブロックを吊り上げることができる。とくに、種々の寸法形状のコンクリートブロックを取り扱うときに、当接部材の進退を調節できるので、吊り上げ時のコンクリートブロックの微妙な姿勢調節も容易に行うことができる。
【0014】
コンクリートブロックの貫通孔に挿入される棒状体は、コンクリートブロックを吊り上げるときにコンクリートブロックの2個の貫通孔に挿入し、先端に抜け止め部材を取り付ける。棒状体の抜け止め手段としては、たとえば、棒状体の先端部に雄ねじを形成し、抜け止め部材に雌ねじを形成して、コンクリートブロックの貫通孔に挿入した棒状体の先端から抜け止め部材を螺合させて締め付けることにより、棒状体が抜けないようにすることができる。
【0015】
吊りビームから門型フレームを垂下させるには、ねじ付きロッドとターンバックルを組合せた吊り下げ用ロッドを用いるのが望ましい。吊りビームの両端部に設けた吊り下げ用ロッドの両方またはいずれか一方のターンバックルの調節により吊り下げ用ロッドの長さを調節することができるので、門型フレームを水平に、あるいは任意の傾きをもたせて姿勢を調節することができ、これによって吊り上げるときのコンクリートブロックがほぼ垂直な姿勢あるいは設置面の傾斜に応じた任意の傾斜姿勢となるように姿勢を調節して安定した状態で吊り上げることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態における吊り具の構造を示す正面図、図2は同吊り具の側面図であり、図3はコンクリートブロックの吊り上げ状態を示す図である。
【0017】
本実施形態の吊り具10は、クレーンの吊り金具などからワイヤWにより吊り下げられる吊り具であり、吊りビーム1と、この吊りビーム1に吊り下げ用ロッド2を介して垂下された門型フレーム3と、この門型フレーム3の縦部材4の中間部に設けられた当接部材5と、縦部材4の下端部に設けられた棒状体6と、この棒状体6の先端に係止された抜け止め部材7とを備えた吊り具である。
【0018】
吊りビーム1は、ビーム本体11の両端部にそれぞれボルト・ナット12a,12bに吊り下げ用ロッド2を係止する。吊り下げ用ロッド2は、ターンバックル21とねじ付きロッド22a,22bとからなり、吊りビーム1と門型フレーム3の間隔(吊り具10の全体高さ)を調節可能としたものである。
【0019】
門型フレーム3は、横部材31の両端部にそれぞれ縦部材4を固定したもので、この縦部材4の中間部に、先端が吊り上げ対象のコンクリートブロックC(図3参照)に当接する当接部材5を進退可能に設け、縦部材4の下端部に、吊り上げ対象のコンクリートブロックCに形成された貫通孔H(図3参照)に挿入する棒状体6を設けている。
【0020】
当接部材5は、吊り具10において重要な部材であり、本実施形態では当接部材5を、基端部に雄ねじを形成した棒状体5aとして、門型フレーム3の縦部材4に設けた雌ねじ部5bに螺合させることによって縦部材4から進退可能とする構造としている。棒状体5aの先端部5cは、棒状体5aを回動5させるための把持部であり、コンクリートブロックCと当接する最先端にはボール5dを回転自在に取り付けて、コンクリートブロックCの立面Caとの接触と互いの移動が円滑になるようにしている。当接部材5の進退調節は、図5で説明した従来法における角材の大きさや個数を調整することに相当するが、吊り具10においては、当接部材5は棒状体5aが門型フレーム3の縦部材4に固定されているので、当接部材5の最先端のボール5dをコンクリートブロックCに当接させてコンクリートブロックCを吊り上げた状態で当接部材5が外れることはなく、安全にコンクリートブロックCを吊り上げることができる。とくに、種々の寸法形状のコンクリートブロックCを取り扱うときに、当接部材5の進退を調節できるので、吊り上げ時のコンクリートブロックCの微妙な姿勢調節も容易に行うことができる。
【0021】
棒状体6は、先端部6aに雄ねじを形成し、コンクリートブロックCを吊り上げるときに、コンクリートブロックCの貫通孔Hに挿入した棒状体6の先端から抜け止め部材7の鍔付きナット7aを螺合させて締め付けることにより、棒状体6が貫通孔Hから抜けないようにしている。鍔付きナット7aには、ナット回動のための把手7bが設けられている。
【0022】
コンクリートブロックCには通常、水抜き用に複数個の貫通孔Hが設けられており、吊り具10の吊りビーム1の横幅および門型フレーム3の横幅を2個の貫通孔Hの間隔に対応した横幅とすることにより、コンクリートブロックCを安全に吊り上げることができる。
【0023】
この吊り具10でコンクリートブロックCを吊り上げたときのコンクリートブロックCの姿勢は、吊り下げ用ロッド2の長さを揃えたときは、コンクリートブロックCの横方向は水平となり、ターンバックルウ21を操作して左右の吊り下げ用ロッド2の長さを変えた場合は、コンクリートブロックCは横方向に傾斜した姿勢となる。吊り上げ時にコンクリートブロックCを傾斜させるのは、コンクリートブロックCの設置面が傾斜している場合に、傾斜面にコンクリートブロックCを静かに降ろすことができるようにするためである。
【0024】
吊り上げ時のコンクリートブロックCの側面から見た姿勢は図3に示すように、当接部材5の進出量を調節することにより、底面Cbが水平で背面Cdが垂直となる姿勢に保持することができる。コンクリートブロックCがL型の場合は、図3に示すような姿勢で吊り上げた場合は、コンクリートブロックCは貫通孔Hの位置を中心として反時計方向に回動する力が働くが、立面Caが当接部材5の最先端のボール5dに当接し、このときの互いの作用力のバランスにより、コンクリートブロックCは一定の姿勢を維持することになる。
【0025】
【発明の効果】
吊りビームと、この吊りビームに垂下された門型フレームと、この門型フレームの両縦部材の中間部にそれぞれ進退可能に設けられ先端が吊り上げ対象のコンクリートブロックに当接する当接部材と、両縦部材の下端部にそれぞれ設けられ吊り上げ対象のコンクリートブロックに形成された貫通孔に挿入される棒状体と、この棒状体の先端に係止される抜け止め部材とを備えた構成の吊り具とすることによって、L型ブロックのような非対称型のコンクリートブロックであっても、コンクリートブロックに当接する当接部材の進退調節により、コンクリートブロックを安定した状態で吊り上げることができる
【0026】
前記の当接部材を、基端部に雄ねじを形成した棒状体とし、門型フレームの縦部材に設けた雌ねじ部に螺合させることによって縦部材から進退可能とする構成とすることにより、コンクリートブロックを吊り上げた状態で当接部材が外れることはなく、また、吊り上げ時のコンクリートブロックの微妙な姿勢調節も容易に行うことができる。
【0027】
ねじ付きロッドとターンバックルを組合せた吊り下げ用ロッドを用いて吊りビームから門型フレームを垂下させる構成とすることにより、ターンバックルの調節によって吊り下げ用ロッドの長さを調節し、門型フレームを水平に、あるいは任意の傾きをもたせて姿勢を調節することができ、これによって吊り上げるときのコンクリートブロックがほぼ垂直な姿勢あるいは設置面の傾斜に応じた任意の傾斜姿勢となるように姿勢を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における吊り具の構造を示す正面図である。
【図2】図1の吊り具の側面図である。
【図3】図1の吊り具によるコンクリートブロックの吊り上げ状態を示す図である。
【図4】従来の吊り具の一例を示す図である。
【図5】非対称型ブロックの吊り上げ方法の説明図である。
【符号の説明】
1 吊りビーム
11 ビーム本体
12a,12b ボルト・ナット
2 吊り下げ用ロッド
21 ターンバックル
22a,22b ねじ付きロッド
3 門型フレーム
31 横部材
4 縦部材
5 当接部材
5a 棒状体
5b 雌ねじ部
5c 把持部
5d ボール
6 棒状体
6a 先端部
7 抜け止め部材
7a 鍔付きナット
7b 把手
10 吊り具
11 ビーム本体
12a,12b 吊り輪
C コンクリートブロック
Ca 立面
Cb 底面
Cd 背面
H 貫通孔
W ワイヤ
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリートブロックの吊り具、とくに断面L型のコンクリートブロックの搬送、移動に好適に使用される吊り具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリートブロックの搬送や移動に際して、コンクリートブロック全体にワイヤを掛け回し、このワイヤをクレーンで吊り上げたり、コンクリートブロックの適所に設けられた貫通孔に金属棒を差し込み、その両側をチェーンブロックで保持して吊り上げたりしていた。
【0003】
しかしながら、ワイヤ掛けによる吊り上げは、ワイヤがコンクリートブロックから外れてしまう危険性があり、その操作も面倒であり、また、貫通孔利用の方法は、吊り上げる際の重心位置がわかりにくく、バランスが取りにくいという問題がある。
【0004】
このような問題を解消するものとして、図4に示すような吊り具が提案されている。この吊り具は、倒立L字形の吊り具本体51と、吊り具本体51の支柱部52下端に固定した、コンクリートブロック61に設けた貫通孔62に差し込むフック棒53と、フック棒53の先端に着脱自在に設けた抜け止め用ガイド54と、吊り具本体51上部のアーム部55に所定の間隔で配設した複数の重心調節孔56および支柱部52上端に設けた第1のターンバックル取付孔57と、重心調節孔56に着脱自在に取り付けられ、上部に第2のターンバックル取付孔72を形成した吊り上げ手段71と、各ターンバックル取付孔間を連結するターンバックル73とを有する吊り具50である。
【0005】
この吊り具50によれば、吊り具50がコンクリートブロック61から外れることがなく、その取扱いや操作がしやすい。また、コンクリートブロック61を吊り上げる際に重心位置を簡単に調整することができ、バランスが取りやすくて積み上げや移動、搬送、荷積みなどが迅速に行える、とされている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−133661号公報(請求項1,段落番号0024,0025、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コンクリートブロックには各種の形状があり、一般に建築関係には板状のコンクリートブロックをはじめ上下左右が対称型のものが多く、土木関係には非対称型のものも多く含まれる。左右対称の形状をしている板状のコンクリートブロックの場合は、吊り上げ方向とコンクリートブロックの重心位置とのずれが小さいので、図4に記載の吊り具50でもコンクリートブロックを安全に吊り上げることができる。
【0008】
一方、非対称型のコンクリートブロックの場合は、吊り上げ方向とコンクリートブロックの重心位置とのずれが大きく、たとえば断面L型のコンクリートブロックの場合は、図4に記載の吊り具50では、コンクリートブロックが吊り具本体51に対していずれかの方向に倒れて吊り上げ作業ができなくなる。そこで従来は、図5に示すように、コンクリートブロック81に設けられた貫通孔82にワイヤ91を係止し、ワイヤ91とコンクリートブロック81の上部との間に角材92を挟んでコンクリートブロック81の重心の移動による傾きを規制しながら、クレーンなどでワイヤ91を引き上げることでコンクリートブロック81を吊り上げる方法が採られていた。
【0009】
しかしながら、このような方法では、ワイヤ91を引き上げたときにコンクリートブロック81が所定の姿勢(ほぼ垂直な姿勢あるいは設置面の傾斜に応じた傾斜姿勢)で吊り上げられるように角材92の大きさや個数を調整することは厄介な作業であり、しかも吊り上げたときに角材92が外れやすく、危険を伴う作業であった。
【0010】
本発明が解決すべき課題は、非対称型のコンクリートブロック、とくに断面L型のコンクリートブロック用の吊り具において、吊り上げ時のコンクリートブロックの姿勢を規制するための機器を採用して安全な吊り上げ作業を可能とすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンクリートブロック吊り具は、吊りビームと、この吊りビームに垂下された門型フレームと、この門型フレームの両縦部材の中間部にそれぞれ進退可能に設けられ先端が吊り上げ対象のコンクリートブロックに当接する当接部材と、両縦部材の下端部にそれぞれ設けられ吊り上げ対象のコンクリートブロックに形成された貫通孔に挿入される棒状体と、この棒状体の先端に係止される抜け止め部材とを備えた吊り具である。
【0012】
このような構成とすることによって、L型ブロックのような非対称型のコンクリートブロックであっても、コンクリートブロックに当接する当接部材の進退調節により、コンクリートブロックを安定した状態で吊り上げることができる。
【0013】
ここで、当接部材を、基端部に雄ねじを形成した棒状体とし、門型フレームの縦部材に設けた雌ねじ部に螺合させることによって縦部材から進退可能とする構成とすることができる。当接部材の進退調節は、図5で説明した従来法における角材の大きさや個数を調整することに相当するが、本発明の吊り具においては、当接部材は基端部が門型フレームの縦部材に固定されているので、当接部材をコンクリートブロックに当接させてコンクリートブロックを吊り上げた状態で当接部材が外れることはなく、安全にコンクリートブロックを吊り上げることができる。とくに、種々の寸法形状のコンクリートブロックを取り扱うときに、当接部材の進退を調節できるので、吊り上げ時のコンクリートブロックの微妙な姿勢調節も容易に行うことができる。
【0014】
コンクリートブロックの貫通孔に挿入される棒状体は、コンクリートブロックを吊り上げるときにコンクリートブロックの2個の貫通孔に挿入し、先端に抜け止め部材を取り付ける。棒状体の抜け止め手段としては、たとえば、棒状体の先端部に雄ねじを形成し、抜け止め部材に雌ねじを形成して、コンクリートブロックの貫通孔に挿入した棒状体の先端から抜け止め部材を螺合させて締め付けることにより、棒状体が抜けないようにすることができる。
【0015】
吊りビームから門型フレームを垂下させるには、ねじ付きロッドとターンバックルを組合せた吊り下げ用ロッドを用いるのが望ましい。吊りビームの両端部に設けた吊り下げ用ロッドの両方またはいずれか一方のターンバックルの調節により吊り下げ用ロッドの長さを調節することができるので、門型フレームを水平に、あるいは任意の傾きをもたせて姿勢を調節することができ、これによって吊り上げるときのコンクリートブロックがほぼ垂直な姿勢あるいは設置面の傾斜に応じた任意の傾斜姿勢となるように姿勢を調節して安定した状態で吊り上げることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態における吊り具の構造を示す正面図、図2は同吊り具の側面図であり、図3はコンクリートブロックの吊り上げ状態を示す図である。
【0017】
本実施形態の吊り具10は、クレーンの吊り金具などからワイヤWにより吊り下げられる吊り具であり、吊りビーム1と、この吊りビーム1に吊り下げ用ロッド2を介して垂下された門型フレーム3と、この門型フレーム3の縦部材4の中間部に設けられた当接部材5と、縦部材4の下端部に設けられた棒状体6と、この棒状体6の先端に係止された抜け止め部材7とを備えた吊り具である。
【0018】
吊りビーム1は、ビーム本体11の両端部にそれぞれボルト・ナット12a,12bに吊り下げ用ロッド2を係止する。吊り下げ用ロッド2は、ターンバックル21とねじ付きロッド22a,22bとからなり、吊りビーム1と門型フレーム3の間隔(吊り具10の全体高さ)を調節可能としたものである。
【0019】
門型フレーム3は、横部材31の両端部にそれぞれ縦部材4を固定したもので、この縦部材4の中間部に、先端が吊り上げ対象のコンクリートブロックC(図3参照)に当接する当接部材5を進退可能に設け、縦部材4の下端部に、吊り上げ対象のコンクリートブロックCに形成された貫通孔H(図3参照)に挿入する棒状体6を設けている。
【0020】
当接部材5は、吊り具10において重要な部材であり、本実施形態では当接部材5を、基端部に雄ねじを形成した棒状体5aとして、門型フレーム3の縦部材4に設けた雌ねじ部5bに螺合させることによって縦部材4から進退可能とする構造としている。棒状体5aの先端部5cは、棒状体5aを回動5させるための把持部であり、コンクリートブロックCと当接する最先端にはボール5dを回転自在に取り付けて、コンクリートブロックCの立面Caとの接触と互いの移動が円滑になるようにしている。当接部材5の進退調節は、図5で説明した従来法における角材の大きさや個数を調整することに相当するが、吊り具10においては、当接部材5は棒状体5aが門型フレーム3の縦部材4に固定されているので、当接部材5の最先端のボール5dをコンクリートブロックCに当接させてコンクリートブロックCを吊り上げた状態で当接部材5が外れることはなく、安全にコンクリートブロックCを吊り上げることができる。とくに、種々の寸法形状のコンクリートブロックCを取り扱うときに、当接部材5の進退を調節できるので、吊り上げ時のコンクリートブロックCの微妙な姿勢調節も容易に行うことができる。
【0021】
棒状体6は、先端部6aに雄ねじを形成し、コンクリートブロックCを吊り上げるときに、コンクリートブロックCの貫通孔Hに挿入した棒状体6の先端から抜け止め部材7の鍔付きナット7aを螺合させて締め付けることにより、棒状体6が貫通孔Hから抜けないようにしている。鍔付きナット7aには、ナット回動のための把手7bが設けられている。
【0022】
コンクリートブロックCには通常、水抜き用に複数個の貫通孔Hが設けられており、吊り具10の吊りビーム1の横幅および門型フレーム3の横幅を2個の貫通孔Hの間隔に対応した横幅とすることにより、コンクリートブロックCを安全に吊り上げることができる。
【0023】
この吊り具10でコンクリートブロックCを吊り上げたときのコンクリートブロックCの姿勢は、吊り下げ用ロッド2の長さを揃えたときは、コンクリートブロックCの横方向は水平となり、ターンバックルウ21を操作して左右の吊り下げ用ロッド2の長さを変えた場合は、コンクリートブロックCは横方向に傾斜した姿勢となる。吊り上げ時にコンクリートブロックCを傾斜させるのは、コンクリートブロックCの設置面が傾斜している場合に、傾斜面にコンクリートブロックCを静かに降ろすことができるようにするためである。
【0024】
吊り上げ時のコンクリートブロックCの側面から見た姿勢は図3に示すように、当接部材5の進出量を調節することにより、底面Cbが水平で背面Cdが垂直となる姿勢に保持することができる。コンクリートブロックCがL型の場合は、図3に示すような姿勢で吊り上げた場合は、コンクリートブロックCは貫通孔Hの位置を中心として反時計方向に回動する力が働くが、立面Caが当接部材5の最先端のボール5dに当接し、このときの互いの作用力のバランスにより、コンクリートブロックCは一定の姿勢を維持することになる。
【0025】
【発明の効果】
吊りビームと、この吊りビームに垂下された門型フレームと、この門型フレームの両縦部材の中間部にそれぞれ進退可能に設けられ先端が吊り上げ対象のコンクリートブロックに当接する当接部材と、両縦部材の下端部にそれぞれ設けられ吊り上げ対象のコンクリートブロックに形成された貫通孔に挿入される棒状体と、この棒状体の先端に係止される抜け止め部材とを備えた構成の吊り具とすることによって、L型ブロックのような非対称型のコンクリートブロックであっても、コンクリートブロックに当接する当接部材の進退調節により、コンクリートブロックを安定した状態で吊り上げることができる
【0026】
前記の当接部材を、基端部に雄ねじを形成した棒状体とし、門型フレームの縦部材に設けた雌ねじ部に螺合させることによって縦部材から進退可能とする構成とすることにより、コンクリートブロックを吊り上げた状態で当接部材が外れることはなく、また、吊り上げ時のコンクリートブロックの微妙な姿勢調節も容易に行うことができる。
【0027】
ねじ付きロッドとターンバックルを組合せた吊り下げ用ロッドを用いて吊りビームから門型フレームを垂下させる構成とすることにより、ターンバックルの調節によって吊り下げ用ロッドの長さを調節し、門型フレームを水平に、あるいは任意の傾きをもたせて姿勢を調節することができ、これによって吊り上げるときのコンクリートブロックがほぼ垂直な姿勢あるいは設置面の傾斜に応じた任意の傾斜姿勢となるように姿勢を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における吊り具の構造を示す正面図である。
【図2】図1の吊り具の側面図である。
【図3】図1の吊り具によるコンクリートブロックの吊り上げ状態を示す図である。
【図4】従来の吊り具の一例を示す図である。
【図5】非対称型ブロックの吊り上げ方法の説明図である。
【符号の説明】
1 吊りビーム
11 ビーム本体
12a,12b ボルト・ナット
2 吊り下げ用ロッド
21 ターンバックル
22a,22b ねじ付きロッド
3 門型フレーム
31 横部材
4 縦部材
5 当接部材
5a 棒状体
5b 雌ねじ部
5c 把持部
5d ボール
6 棒状体
6a 先端部
7 抜け止め部材
7a 鍔付きナット
7b 把手
10 吊り具
11 ビーム本体
12a,12b 吊り輪
C コンクリートブロック
Ca 立面
Cb 底面
Cd 背面
H 貫通孔
W ワイヤ
Claims (3)
- 吊りビームと、この吊りビームに垂下された門型フレームと、この門型フレームの両縦部材の中間部にそれぞれ進退可能に設けられ先端が吊り上げ対象のコンクリートブロックに当接する当接部材と、両縦部材の下端部にそれぞれ設けられ吊り上げ対象のコンクリートブロックに形成された貫通孔に挿入される棒状体と、この棒状体の先端に係止される抜け止め部材とを備えたコンクリートブロック吊り具。
- 前記当接部材を、基端部に雄ねじを形成した棒状体とし、前記門型フレームの縦部材に設けた雌ねじ部に螺合させることによって縦部材から進退可能とする構成とした請求項1記載のコンクリートブロック吊り具。
- ねじ付きロッドとターンバックルを組合せた吊り下げ用ロッドを用いて前記吊りビームから前記門型フレームを垂下させる構成とした請求項1または2記載のコンクリートブロック吊り具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002279867A JP2004115187A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | コンクリートブロック吊り具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002279867A JP2004115187A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | コンクリートブロック吊り具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004115187A true JP2004115187A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32274748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002279867A Pending JP2004115187A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | コンクリートブロック吊り具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004115187A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011094455A (ja) * | 2009-11-02 | 2011-05-12 | Ohbayashi Corp | 吊り治具及び揚重方法 |
KR20130001841U (ko) * | 2011-09-08 | 2013-03-18 | 대우조선해양 주식회사 | 천정 크레인용 리프팅 장치 |
CN110127506A (zh) * | 2019-05-23 | 2019-08-16 | 徐其兵 | 钢材辅助吊装装置 |
KR102091940B1 (ko) * | 2018-10-18 | 2020-03-20 | 박정만 | 화물 인양용 지그 |
CN111302199A (zh) * | 2019-11-27 | 2020-06-19 | 武汉工程大学 | 一种用于试验水池中拖曳系统的吊放辅助装置 |
CN111704022A (zh) * | 2020-05-26 | 2020-09-25 | 长光卫星技术有限公司 | 一种适用于各种类型卫星的多功能吊装及其工作方法 |
KR20210052910A (ko) * | 2019-11-01 | 2021-05-11 | 주식회사 포스코 | 고정장치 및 이를 이용한 밸런스 레버 |
KR102366998B1 (ko) * | 2021-02-02 | 2022-02-24 | 주식회사 파워엠엔씨 | 크레인용 리프팅 장치 |
-
2002
- 2002-09-25 JP JP2002279867A patent/JP2004115187A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011094455A (ja) * | 2009-11-02 | 2011-05-12 | Ohbayashi Corp | 吊り治具及び揚重方法 |
KR20130001841U (ko) * | 2011-09-08 | 2013-03-18 | 대우조선해양 주식회사 | 천정 크레인용 리프팅 장치 |
KR200481514Y1 (ko) * | 2011-09-08 | 2016-10-13 | 대우조선해양 주식회사 | 천정 크레인용 리프팅 장치 |
KR102091940B1 (ko) * | 2018-10-18 | 2020-03-20 | 박정만 | 화물 인양용 지그 |
CN110127506A (zh) * | 2019-05-23 | 2019-08-16 | 徐其兵 | 钢材辅助吊装装置 |
KR20210052910A (ko) * | 2019-11-01 | 2021-05-11 | 주식회사 포스코 | 고정장치 및 이를 이용한 밸런스 레버 |
KR102375567B1 (ko) * | 2019-11-01 | 2022-03-16 | 주식회사 포스코 | 고정장치 및 이를 이용한 밸런스 레버 |
CN111302199A (zh) * | 2019-11-27 | 2020-06-19 | 武汉工程大学 | 一种用于试验水池中拖曳系统的吊放辅助装置 |
CN111704022A (zh) * | 2020-05-26 | 2020-09-25 | 长光卫星技术有限公司 | 一种适用于各种类型卫星的多功能吊装及其工作方法 |
KR102366998B1 (ko) * | 2021-02-02 | 2022-02-24 | 주식회사 파워엠엔씨 | 크레인용 리프팅 장치 |
WO2022169006A1 (ko) * | 2021-02-02 | 2022-08-11 | 주식회사 파워엠엔씨 | 크레인용 리프팅 장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10125507B2 (en) | Fall protection system | |
JP6907214B2 (ja) | 風力タービンブレードの輸送フレーム | |
JP2004115187A (ja) | コンクリートブロック吊り具 | |
JP3853780B2 (ja) | 親綱支柱 | |
US20150197411A1 (en) | Clasp-and-lug system | |
JP5571041B2 (ja) | 揚重装置 | |
US20180186615A1 (en) | Bi-pod Rescue Strut System | |
JP6215422B1 (ja) | 連節ブロック用吊り具 | |
KR101635454B1 (ko) | 물류운반용 도킹지그이동형 안전곤돌라 | |
US3299628A (en) | Master link for suspension device and manufacture thereof | |
JP6309224B2 (ja) | 吊り下げ構造体及び吊り下げ構造体の使用方法 | |
JP2020045689A (ja) | 鉄筋落下防止治具、鉄筋吊り下げ治具、及び鉄筋落下防止方法 | |
US5417406A (en) | Method and apparatus for lifting objects | |
JP2011219099A (ja) | コンテナの連結用金具 | |
JPH11292457A (ja) | 鋼矢板吊り上げ具 | |
JP2002284480A (ja) | コンクリートブロック吊り具 | |
JP2004108080A (ja) | パネル用吊り具 | |
JP2017214732A (ja) | 脚立倒れ防止用具 | |
JP6833595B2 (ja) | 吊上げ装置およびその吊上げ方法 | |
JP2005027530A (ja) | サンゴの切り離し横持ち方法、及び、この方法に使用する吊上用架台 | |
JPH052744Y2 (ja) | ||
KR200257800Y1 (ko) | 통스 크레인 리프터의 하향 개방용 치구 | |
JP6508795B1 (ja) | 鉄筋支持構造、鉄筋支持モジュール、及び鉄筋支持治具 | |
TWI668354B (zh) | 鋼柱之對位差異修正用輔助具 | |
JP2003159671A (ja) | 重量物セット用支持具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040510 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20061121 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070313 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |