JP2004114585A - 可撓性フィルムのラミネート方法およびラミネート装置 - Google Patents
可撓性フィルムのラミネート方法およびラミネート装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】応力が加わると変形をきたすプラスチックフィルムを低応力で歪みなく補強板に貼り合わせることを可能とするラミネート方法およびラミネート装置を提供する。
【解決手段】吸着ステージとフィルム押圧部材で可撓性フィルムを挟み、押圧した状態のまま、吸着ステージで可撓性フィルムを吸着した後、フィルム押圧部材を可撓性フィルムから引き離し、次いで、吸着ステージに吸着保持された可撓性フィルムにフィルム保持用シート状物を接触させ、フィルム保持用シート状物で可撓性フィルムを吸着した後、吸着ステージの吸着を解除し、吸着ステージを可撓性フィルムから引き離し、次いで、フィルム保持用シート状物に吸着保持された可撓性フィルムを有機物層の形成された補強板にラミネートすることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート方法。
【選択図】図1
【解決手段】吸着ステージとフィルム押圧部材で可撓性フィルムを挟み、押圧した状態のまま、吸着ステージで可撓性フィルムを吸着した後、フィルム押圧部材を可撓性フィルムから引き離し、次いで、吸着ステージに吸着保持された可撓性フィルムにフィルム保持用シート状物を接触させ、フィルム保持用シート状物で可撓性フィルムを吸着した後、吸着ステージの吸着を解除し、吸着ステージを可撓性フィルムから引き離し、次いで、フィルム保持用シート状物に吸着保持された可撓性フィルムを有機物層の形成された補強板にラミネートすることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート方法。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性フィルムを低応力で歪みなく枚葉基板に高精度にラミネートする方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラミネート方法は、しわや気泡の発生を防止することと、可撓性フィルムを補強板上の所定位置に高精度に位置決めしてラミネートすることに主眼が置かれており、ラミネート時の応力により発生する可撓性フィルムの伸縮や数百μm程度のひずみは、基材の保護等を目的とする通常のラミネートでは実害を及ぼすことがないこともあり、無視されてきた。
【0003】
しかるに、可撓性フィルムを補強板に貼り合わせることで、微細な回路パターンを形成することが提案されている。回路パターン形成後の可撓性フィルム基板は、補強板から剥離され使用されるので、補強板から剥離するときの回路パターンの寸法変化をミクロンオーダーに抑えることが望まれる。したがって、可撓性フィルムを貼り合わせる際に、可撓性フィルムに極力応力を加えることなく、可撓性フィルムの寸法変化を0.01%以下にして、補強板に貼り合わせることが求められる。また、将来、電子回路パターンの配線間隔がさらに狭くなった場合、この寸法変化の許容値はさらに厳しくなると予想される。
【0004】
ところが、従来のロールラミネート方式(例えば、特許文献1参照)では、基板の厚みムラなどを吸収するために、上下両側または上下の片側のロールをゴム被覆にするが、ゴム被覆部は押圧と基板走行による応力で変形し、この変形により、ラミネート条件を最適にしたとしても、可撓性フィルムが0.02〜0.04%程度寸法変化してラミネートされてしまう。
【0005】
また、プレス方式では、基板の凹凸を吸収するためにゴム等弾性変形可能な材料をプレス面に使用するため、これによって上述のロールラミネートと同様に、最適条件下でも、可撓性フィルムを0.02〜0.04%程度寸法変化させてしまう。
【0006】
一方、上記のような問題点を解決し、可撓性フィルムの寸法変化を0.01%以下に抑えて高精度でラミネートする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これは、フィルム保持用シート状物の面に可撓性フィルムを保持し、該可撓性フィルムを、補強板の有機物層を有する面と一定間隙をもって対面させた後に、フィルム保持用シート状物と可撓性フィルムを同時に補強板に押圧することにより、可撓性フィルムを補強板に移し替える、いわゆるスクリーン印刷方式のラミネート方法である。
【0007】
このラミネート方法においては、フィルム保持用シート状物への可撓性フィルムの保持に先立ち、枚葉の可撓性フィルムを吸着ステージ上に置くが、張力が加えられていない可撓性フィルムは、幅方向、厚さ方向の厚みむらや延伸むらのために、平坦でないことが多い。そのため、フィルムを吸着ステージに吸着する際に、波打っているフィルムの吸着ステージと接している部分が、吸着ステージから浮いている部分よりも先に吸着されるため、フィルムの面方向に応力が加わり変形が生じる。したがって、スクリーン印刷方式ラミネートにおいて可撓性フィルムの寸法変化を0.01%以下に抑えるためには、フィルムの吸着ステージへの吸着の際の変形を抑えることが必要不可欠である。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−52610号公報(第3−8頁、図1)。
【0009】
【特許文献2】
特開2001−228470号公報(第4−11頁、図16)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、可撓性フィルムのラミネートにおいて、ラミネートに先立ち枚葉の可撓性フィルムを保持する際に生じる可撓性フィルムの変形を抑え、可撓性フィルムの寸法変化を0.01%以下に抑えてラミネートすることが可能なラミネート方法およびラミネート装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的を達成するために、本発明は以下の方法および装置からなる。
(1)吸着ステージとフィルム押圧部材で可撓性フィルムを挟み、押圧した状態のまま、吸着ステージで可撓性フィルムを吸着した後、フィルム押圧部材を可撓性フィルムから引き離し、次いで、吸着ステージに吸着保持された可撓性フィルムにフィルム保持用シート状物を接触させ、フィルム保持用シート状物で可撓性フィルムを吸着した後、吸着ステージの吸着を解除し、吸着ステージを可撓性フィルムから引き離し、次いで、フィルム保持用シート状物に吸着保持された可撓性フィルムを有機物層の形成された補強板にラミネートすることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート方法。
(2)フィルム保持用シート状物と吸着ステージで可撓性フィルムを挟み、押圧した状態のまま、フィルム保持用シート状物で可撓性フィルムを吸着した後、吸着ステージを可撓性フィルムから引き離し、次いで、フィルム保持用シート状物に吸着保持された可撓性フィルムを有機物層の形成された補強板にラミネートすることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート方法。
(3)フィルム保持用シート状物と、フィルム押圧部材と、フィルム押圧部材を吸着ステージに押圧させる押圧ユニットと、フィルム保持用シート状物に可撓性フィルムを吸着保持させる保持機構と、フィルム保持用シート状物と可撓性フィルムを同時に補強板に押圧して可撓性フィルムを補強板に移し替える押圧機構と、を有することを特徴とする可撓性フィルムのラミネート装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の可撓性フィルムのラミネート方法および装置の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明になるラミネート装置1の一例を示す中央部の概略正面図(断面部は塗りつぶしと斜線で表示)、図2は図1のX−X方向矢視図である。
【0014】
ラミネート装置1は、補強板である基板6を保持するステージ3、基板6の真上に配置されているフィルム4を保持するフィルム保持用シート状物2、フィルム保持用シート状物2とフィルム4を同時に基板6に圧力を加えて押しつけるスキージ8、フィルム4にフィルム保持用シート状物2への静電吸着力を与える静電気帯電装置12、ステージ3に載置されたフィルム4を平坦にするためにフィルム4を押さえつける押さえ板14より構成される。なお、本説明における”押さえ板”は請求項での”フィルム押圧部材”に相当する。ここで、フィルム4は薄く、可撓性を有するものである。
【0015】
さらにステージ3の上面には吸着孔が配置されていて、図示されない真空源の作用によりフィルム4および基板6を吸着保持できるようになっている。また、基台9上中央に一対配置されているレール25とそれに係合するガイド24の案内作用により、ガイド24上部に取り付けられているステージ3は図1の左右方向に水平移動可能となる。ステージ3の下部にはナット26も取り付けられており、このナット26とブラケット22、16に回転自在に保持されているボールねじ20が係合し、さらにボールねじ20は、基台9の側面にブラケット16を介して取り付けられているモータ18と直結されているので、モータ18の回転により、ステージ3は任意の速度で、往復動自在となっている。
【0016】
フィルム保持用シート状物2は、可撓性の織物もしくは、薄い膜状物を枠体10に固定したもので、ステージ3の幅方向(走行方向の直交方向)の両端で、ステージ3走行方向にわたって伸びている保持体44a、44bに支持されている。保持体44a、44bは昇降可能な一対のリニアシリンダー46に連結されているので、フィルム保持用シート状物2はリニアシリンダー46の動作によって上下往復動が可能であり、フィルム保持用シート状物2に保持するフィルム4と基板6を略平行に対面させて、両者の間隔を任意に設定することが可能であるようにしている。なお両者の間隔の設定は、リニアシリンダー46に内蔵されているリニアスケールで位置をモニタリングすることにより行える。
【0017】
フィルム保持用シート状物2を支える保持体44a、44b上には、ステージ3の走行方向に伸びている一対のレール38がステージ3を間に挟むようにして取り付けられている。また、一対のレール38のそれぞれの上部にはガイド36a、36bがレール38の長手方向に移動自在に配置されている。ガイド36a、36bには軸受け32a、32bが取り付けられており、さらに軸受け32a、32bには、スキージ保持体28が回転自在に取り付けられているので、スキージ保持体28に締結されているスキージ8も回転自在となっている。またガイド36aには、リニアモータ43の一方を構成する可動体40が、可動体40に対面する下部には、リニアモータ43のもう一方を構成するステータ42が保持体44aに取り付けられているので、リニアモータ43による駆動と、レール38とガイド36a、36bの案内作用により、ステージ3の走行方向にスキージ保持体28とスキージ8を、往復動自在とすることができる。さらに軸受け32a、32bに回転自在に支持されているスキージ保持体28は、ロータリーシリンダー34に直結しているので、スキージ保持体28に締結されているスキージ8を、矢印方向の回転動作により、フィルム保持用シート状物2に押しつけたり、逆に押しつけを解除することができる。スキージ8のフィルム保持用シート状物2との接触部分はエッジ形状が好ましい。なお、スキージ8は、結局は保持体44a、44bに支持されているので、リニアシリンダー46の上下動作により、フィルム保持用シート状物2と同時に上下方向に昇降できるようになっている。
【0018】
静電気帯電装置12は、ステージ3の幅方向にわたって、ステージ3の幅方向長さより長い範囲にわたって伸びており、基台9上の支柱13に保持されている。静電気帯電装置12は、正または負に帯電したイオン風を直下にあるものにステージ3の幅にわたって吹き付けるもので、ステージ3上に吸着したフィルム4を静電気帯電装置12の真下に通過させることで、フィルム4に静電気帯電による付着力を付与できる。また、支柱13は基台9上のリニアモータ(図示していない)により図1の左右方向および上下方向に移動可能であり、フィルム保持用シート状物2上を通過させることで、フィルム保持用シート状物2に静電気帯電による付着力を付与することも可能である。
【0019】
また、押さえ板14は昇降可能な一対のリニアシリンダー15に連結されており、上下往復動が可能であり、真下にステージ3とその上に載置されたフィルム4があるときに降下させ、フィルム4をステージ3に押しつけることができる。
【0020】
なお基板6の上面には、粘着性を有する有機物層7があらかじめ付与されている。
【0021】
次にラミネート装置1を用いたラミネート方法について、図3を用いて説明する。図3は、本発明になるラミネート方法の手順の一例を示す概略正面図である。
【0022】
まず、ステージ3を図1の破線で示す左端の位置に移動させて停止させ、搬送装置(図示していない)により、フィルム4をステージ3上に載置する。次いでリニアシリンダー15を下降するように駆動して、押さえ板14をフィルム4の上からステージ3に押しつけた状態で、フィルム4を吸着固定する(図3(a))。フィルム4を押さえ板14でステージ3に押しつけると、フィルム4とステージ3間およびフィルム4と押さえ板14間の空気層が潤滑剤となり、フィルム4に面方向の力が加えられることなく、フィルム4は平坦化されるので、フィルム4の吸着の際の変形を軽減できる。フィルム4の吸着方法としては吸着のオン/オフが可能である真空吸着、静電吸着等が適用できるが、気泡を除去できる点や吸着のオン/オフがスムーズにできる点で真空吸着が好ましい。
【0023】
次いで、押さえ板14を上昇駆動してステージ3に吸着されたフィルム4から引き離し、ステージ3を右方向に向かって一定速度にて移動させつつ、正に帯電したイオン風を下向きに吹き付ける静電気帯電装置12の下をフィルム4を通過させて、フィルム4を正に帯電させる。ステージ3がフィルム保持用シート状物2のちょうど真下にきたらステージ3を停止させ、フィルム4の吸着を解除する。それからリニアシリンダー46を下降するように駆動して、フィルム保持用シート状物2をステージ3上の可撓性フィルム4に接触させる。ついで負に帯電したイオン風を下向きに吹き付ける静電気帯電装置12をステージ3、フィルム4およびフィルム保持用シート状物2上を通過させ、フィルム保持用シート状物2を負に帯電させる(図3(b))。この時、正に帯電していたフィルム4と負に帯電したフィルム保持用シート状物2が静電気力により引き合うので、リニアシリンダー46を上昇駆動してフィルム保持用シート状物2を上方に移動することにより、フィルム4をフィルム保持用シート状物2に移し替えることができる(図3(c))。
【0024】
ついで、モータ18を駆動してステージ3を再び左端に移動させ停止させ、搬送装置(図示していない)により、上部に粘着性のある有機物層7があらかじめ付与されている基板6を、ステージ3上に載置して、吸着固定する(図3(d))。吸着固定後ステージ3を右方向に移動させて、基板6をフィルム保持用シート状物2に保持された可撓性フィルム4の真下に来るところで停止させる(図3(e))。この時のステージ3の停止位置は、フィルム4が基板6のあらかじめ定められた位置にラミネートできるように定める。
【0025】
そして、リニアシリンダー46を駆動して、フィルム保持用シート状物2をステージ3上の基板6に近接させ、フィルム4と基板6とが所定の隙間となるところで停止させる。フィルム4と基板6との隙間は5mm以下が好ましいが、1mm以下であるとさらに好ましい。続いてロータリーシリンダー34を駆動して、回転によりスキージ8をフィルム保持用シート状物2の上側から押しあてて、フィルム保持用シート状物2に保持されているフィルム4をステージ3の基板6に押し当てる。そして、リニアモーター43を駆動してスキージ8をフィルム4の左端の位置から右端の位置まで移動させ、フィルム保持用シート状物2に保持されているフィルム4を、ステージ3上の基板6に移し替える(図3(f))。
【0026】
この動作により、可撓性フィルム4は基板6にラミネートされ、有機物層7の粘着力により、しっかり保持される。スキージ8が右端までいって停止したら、ロータリーシリンダー34を逆方向に回転して、スキージ8をフィルム保持用シート状物2より遠ざける。続いてリニアシリンダー46を上昇方向に駆動してフィルム保持用シート状物2を上昇させ、ステージ3の吸着を解除後、搬出装置(図示していない)により、ステージ3上のフィルム4がラミネートされた基板6を次の工程に搬出する。以下、同じ動作を繰り返して、次のフィルム4、基板6に対してラミネートを行う。
【0027】
なお、スキージ8としては、線状に押圧できるように、押圧部となる先端部はエッジ形状であるものが好ましいが、アール形状にしてアール5mm以下にしてもよい。先端部材質は、金属、セラミック、合成樹脂等の硬質のものであってもよいが、均等に加圧するために、ショア硬度50〜90のゴムを使用してもよい。また、スキージ8を可撓性面状体2に押圧して移動させるときの滑りを良くし、発塵を抑制するために、スキージ8、可撓性面状体2に、フッ素系樹脂などをコーティングすることも好ましい。さらに、発塵をより抑制するために、スキージ8は回転自由な加圧ロールであってもよい。加圧するロールとしては、金属ロール、ゴム被覆ロールいずれであってもよいが、なるべく線状に押圧することと、気泡発生を避けるために、直径30mm以下の小径のロールを採用することが好ましい。なおスキージによる押圧の大きさとしては、好ましくは5〜500N/m、より好ましくは10〜100N/mである。ラミネート時のスキージの移動速度は好ましくは0.1〜50m/分、より好ましくは5〜15m/分である。
【0028】
フィルム保持用シート状物2としては、面内で弾性変形できるものであり、可撓性の織物、厚みの薄い膜状物であること好ましい。また、フィルム保持用シート状物を支える枠体10は、十分な強度と平坦性を持つことが望ましく、金属、合成樹脂、繊維強化樹脂等を用いることが好ましい。
【0029】
上記の可撓性の織物としては、ポリエステル、ポリプロピレン、液晶ポリマーまたはステンレス繊維をメッシュ状に織ったものが好適に採用できる。また、織物に感光性塗膜等を使用して開口部と閉口部を形成することは適宜許される。また、膜状物としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイドなどのプラスチックフィルムを挙げることができる。また、これらのプラスチックフィルムをカッティングして、開口部を形成することは適宜許される。さらに硬質のゴムを採用することも可能である。
【0030】
ステージ3および押さえ板14は、金属、ガラス、セラミック、硬質プラスチック、硬質ゴム等フィルムとの接触面が平坦性に優れており、フィルムに押圧しても変形の少ない剛性の大きなものであれば特に限定されない。剛性の小さい材質を用いた場合、ステージ3もしくは押さえ板14の変形によりフィルム4の面方向に応力が加わり、フィルム4が変形してしまう。ステージ3および押さえ板14の好ましい平坦性としては、500×500の面で50μm以下である。上記の実施態様では、フィルム4をステージ3上に固定するために、真空吸着機構を備えていたが、この他に静電気吸着できるよう、導電性でかつ、静電気の付与の仕方に応じて接地電位や任意の電圧が印加できる構造になっていることが好ましい。押さえ板14のフィルム4との接触面に複数の微小な貫通孔を設けておくと、押さえ板14をフィルム4から引き離す際に、押さえ板14とフィルム4との接触面に外部から空気が供給されるので、両者を低応力で引き離すことが可能であり、好ましい。
【0031】
フィルム保持用シート状物2にフィルム4を保持させる手段としては、上記の静電気吸着の他に、液体の表面張力、有機物の粘着力もしくは真空吸着等が挙げられるが、液体の表面張力、有機物の粘着力もしくは有機物の粘着力を利用することが、保持力と剥離力とのバランスが取りやすく、また、装置が大がかりにならない点で好ましい。液体の表面張力、静電気吸着を利用する方法は、有機物の粘着力を利用する方法に比べて、耐久性や繰り返し再現性の点で優れており好ましい。
【0032】
静電気吸着を利用する方法としては、フィルム保持用シート状物2とフィルム4の一方を帯電させるか、互いに逆極性に帯電させることができれば特に限定されない。具体的にフィルム保持用シート状物2またはフィルム4を帯電させる方法としては、上述したように正または負のイオン風を当てる方法の他、フィルム保持用シート状物2が導電性である場合は、高電圧を印加することでフィルム4を貼り合わせることができる。さらに、フィルム4の表面に金属膜が形成されている場合は、該金属膜に高電圧を印加してフィルム保持用シート状物2とフィルム4とを貼り合わせて保持することができる。
【0033】
液体の表面張力を利用する方法の例としては、保持に先立ってフィルム4の表面やフィルム保持用シート状物2に塗布や噴霧、あるいは結露によって液体を付着させ、次いで、両者を重ね合わせて、両者間に液体の薄層を形成する方法が挙げられる。可撓性面状体2とフィルム4の接触面にあらかじめ液体を散布し、両者を重ね合わせた後、両者の接触面とは反対側でスキージを移動させてしごくことにより、フィルム保持用シート状物2とフィルム4間の液体層を薄層化することも有効である。また、可撓性の織物等開口部を有するフィルム保持用シート状物2とフィルム4をドライ状態で接触させた後に、フィルム保持用シート状物2の両者の接触部とは反対側から液体を散布し、スキージによってフィルム保持用シート状物の開口部を介して、液体をフィルム保持用シート状物2とフィルム4の間に供給することも可能であり、液体の供給とスキージとが同時に行われるためタクトタイム短縮ができ好ましい。以上の接着力を付与する液体としては、比較的表面張力が大きい点や後工程に対して不純物になりにくい点で、水が好適に採用できる。また、表面張力を調整するために、水にアルコールなどを添加することは適宜許される。
【0034】
有機物の粘着力を利用する方法の例としては、フィルム保持用シート状物2とフィルム4の貼り合わせ面に粘着性の粘着層を設けることがある。粘着剤として用いられる有機物は、ゴム系、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系樹脂等が挙げられる。この時、弱粘着性から強粘着性の粘着剤をドット状、ストライプ状などに形成して、粘着力を小さくして、フィルム保持用シート状物2からフィルム4を剥離しやすくする方法が、粘着力と剥離力のバランスを取りやすく、また繰り返し耐久性を改善することができ好ましい。ドットは、直径が0.1〜2mmで、1〜10mm間隔で配置されていることが、粘着力と剥離のバランスが取れ、また、可撓性フィルムの保持力が充分確保できる点で好ましい。
【0035】
なお、本発明の別の例は、押さえ板14を用いず、ステージ3上に置かれたフィルム4にフィルム保持用シート状物2を接触させ、押圧したまま、静電吸着、真空吸着等によりフィルム4をフィルム保持用シート状物2に保持するものである。ただし、この場合のフィルム保持用シート状物2の剛性は可能な限り大きい方が、上記理由により好ましい。
【0036】
本発明において、フィルム4は、プラスチックフィルムであり、ポリカーボネート、ポリエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマーなどのフィルムを採用することができる。中でもポリイミドフィルムは、耐熱性に優れるとともに耐薬品性にも優れているので好適に採用される。また、低誘電損失など電気的特性が優れている点や低吸湿性の点で、液晶ポリマーが好適に採用される。可撓性のガラス繊維補強樹脂板を採用することも可能である。また、これらのフィルムが積層されていてもよい。
【0037】
上記ガラス繊維補強樹脂板の樹脂としては、エポキシ、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、マレイミド(共)重合樹脂、ポリアミド、ポリイミドなどが挙げられる。可撓性フィルムの厚さは、軽量化、小型化、あるいは微細なビアホール形成のためには薄い方が好ましく、一方、機械的強度を確保するためや平坦性を維持するためには厚い方が好ましい点から、4μmから125μmの範囲が好ましい。
【0038】
これらの可撓性フィルムには、基板6とのラミネートに先立って、片面もしくは両面に金属層が形成されていても良い。該金属層は、銅箔などの金属箔を接着剤層で貼り付けて形成することができる他、スパッタやメッキ、あるいはこれらの組合せで形成することができる。また、銅などの金属箔の上に可撓性フィルムの原料樹脂あるいはその前駆体を塗布、乾燥、キュアすることで、金属層付き可撓性フィルムを作り、これを利用することもできる。
【0039】
また上記の実施態様では、基板6にあらかじめ粘着性を有する有機物層7を設けておいたが、この有機物層7はフィルム4側にあらかじめ設けておいてもよい。ただし、該有機物層7がフィルム4から剥離可能な有機物層7とする場合は、該有機物層7は基板6上に設けられていることが好ましい。これによって、フィルム4の基板6からの剥離後、該有機物層が基板6に残存し、フィルム4には残存せず、フィルム4を後工程で処理するときに好都合となるからである。また、フィルム4を基板から剥離することを考慮すると、有機物層7と基板6との粘着力の方が、有機物層7とフィルム4の粘着力よりも大きいことが好ましい。このように両側の粘着力を制御する方法として、粘着剤の熟成を利用する方法がある。すなわち、粘着力を強くする側に粘着剤を塗布してから、酸素を遮断した状態で所定の期間架橋を進行させることで、粘着力が低下した表面を得ることができる。
【0040】
また、ラミネート装置1の中に、有機物層7を基板6に付与するユニットを設けてもよい。
【0041】
さらに上記実施態様では、ステージ3に配置されたフィルム4をフィルム保持用シート状物2に保持させた後、同じステージに基板6を配置したが、別のステージを備えて、それに基板6を配置することも可能である。タクトタイムを短縮するためには、フィルム4を搬送するステージと、基板6を搬送するステージは別にして、フィルム保持用シート状物2にフィルム4を保持させる作業と、基板6をステージに配置、搬送する作業を並行して実施させるることが好ましい。
【0042】
本発明に使用する基板6は、ソーダライムガラス、ホウケイ酸系ガラス、石英ガラスなどの無機ガラス類、アルミナ、窒化シリコン、ジルコニアなどのセラミックス、ステンレススチール、インバー合金、チタンなどの金属やガラス繊維補強樹脂板などが採用でき、いずれも線膨張係数や吸湿膨張係数が小さい点で好ましい。耐熱性、耐薬品性に優れている点、大面積で表面平滑性が高く基板が安価に入手しやすい点、塑性変形しにくい点、あるいは搬送装置などとの接触によりパーティクルを発生しにくい点、で無機ガラス類が好ましい。中でもアルミノホウケイ酸塩ガラスに代表されるホウケイ酸系ガラスは、高弾性率でかつ線膨張係数が小さいため特に好ましい。
【0043】
基板にガラス基板を用いる場合、ガラス基板のヤング率が小さかったり、厚みが小さいと可撓性フィルムの膨張・収縮力で反りやねじれが大きくなり、平坦なステージ上に真空吸着したときにガラス基板が割れることがある。また、真空吸着・脱着で可撓性フィルムが変形することになり位置精度の確保が難しくなる傾向がある。一方、ガラス基板が厚いと、肉厚ムラにより平坦性が悪くなることがあり、露光精度が悪くなる傾向がある。また、ロボット等によるハンドリングに負荷が大きくなり素早い取り回しが難しくなって生産性が低下する要因になる他、運搬コストも増大する傾向がある。これらの点から、枚葉基板であるガラス基板のヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積が、850kg・mm以上860000kg・mm以下の範囲であることが好ましく、1500kg・mm以上190000kg・mm以下が更に好ましく、2400kg・mm以上110000kg・mm以下の範囲が最も好ましい。なお、本発明においてガラスのヤング率は、JIS R1602によって求められる値とする。
【0044】
基板に金属基板を用いる場合、金属基板のヤング率が小さかったり、厚みが小さいと可撓性フィルムの膨張・収縮力で反りやねじれが大きくなり、平坦なステージ上に真空吸着できなくなったり、金属基板の反りやねじれ分、可撓性フィルムが変形することにより、位置精度の確保が難しくなる。また、折れがあるとその時点で不良品になる。枠状または略格子状の基板の場合は機械的強度を確保することに留意しなければならない。一方、金属基板が厚いと、肉厚ムラにより平坦性が悪くなることがあり、露光精度が悪くなる。また、ロボット等によるハンドリングに負荷が大きくなり素早い取り回しが難しくなって生産性が低下する要因になる他、運搬コストも増大する。したがって、枚葉基板である金属基板のヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積が、2kg・mm以上162560kg・mm以下の範囲であることが好ましい。金属基板のヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積が、10kg・mm以上30000kg・mm以下であることがさらに好ましく、15kg・mm以上20500kg・mm以下の範囲であることが最も好ましい。
【0045】
本発明に用いられる有機物層7は接着剤または粘着剤である。可撓性フィルムを加工後、基板から剥離して用いる場合には、剥離可能な接着剤または粘着剤であることが好ましい。このような接着剤または粘着剤としては、アクリル系またはウレタン系の再剥離剤と呼ばれる粘着剤を挙げることができる。可撓性フィルム加工中は十分な接着力があり、剥離時は容易に剥離でき、可撓性フィルム基板に歪みを生じさせないために、弱粘着から中粘着と呼ばれる領域の粘着力のものが好ましい。シリコーン樹脂膜は本発明では離型剤として用いられることがあるが、タック性があるシリコーン樹脂は再剥離粘着剤として使用することもできる。また、タック性があるエポキシ系樹脂膜を再剥離粘着剤として使用することも可能である。
【0046】
本発明において粘着力は、有機物層を介して基板と貼り合わせた1cm幅の可撓性フィルムを剥離するときの180°方向ピール強度で測定される。本発明における弱粘着領域とは、上記の条件で測定したときの粘着力が0.1g/cmから100g/cmの範囲にあるものである。低温領域で接着力、粘着力が減少するもの、紫外線照射で接着力、粘着力が減少するものや加熱処理で接着力、粘着力が減少するものも好適に用いられる。これらの中でも紫外線照射によるものは、接着力、粘着力の変化が大きく好ましい。紫外線照射で接着力、粘着力が減少するものの例としては、2液架橋型のアクリル系粘着剤が挙げられる。また、低温領域で接着力、粘着力が減少するものの例としては、結晶状態と非結晶状態間を可逆的に変化するアクリル系粘着剤が挙げられる。有機物層の厚みは、薄すぎると平面性が悪くなる他、剥離力が大きく低下するために膜厚のむらによる剥離力の強度むらが発生する。一方、厚すぎると接着剤または粘着剤の可撓性フィルムへの投錨性がよくなるために粘着力が強くなりすぎる。有機物層端部での可撓性フィルムの変形を抑制するためには有機物層厚みは薄い方が好ましい。この点から有機物層の厚みは、0.1μmから30μmまでの範囲であることが好ましく、0.3μmから20μmまでの範囲であることがさらに好ましい。
【0047】
本発明の製造方法で得られた回路基板は、電子機器の配線板、ICパッケージ用インターポーザーウエハレベルバーンインソケット用配線板などに使用される。特に、ICなどの電子部品を接続する際の電極パッドと回路基板パターンとの位置合わせ精度に関わる位置精度の改善に効果が大きい。回路パターンに抵抗素子や容量素子を入れ込むことは適宜許される。また、可撓性フィルム基板の少なくとも一方の面に絶縁層と配線層を積層し、多層化することも可能である。
【0048】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明においてガラスのヤング率は、JIS R1602によって求められる値とする。
【0049】
実施例1
可撓性フィルムとして、厚さ25μm、290mm角のポリイミドフィルム(”ユーピレックス”25S宇部興産(株)製)を準備した。測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、290mm角に切り出したポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定した。
【0050】
基板として準備した厚さ0.7mm、300mm角のアルミノホウケイ酸塩ガラスにダイコーターで、弱粘着性再剥離剤”オリバイン”EXK01−257(東洋インキ(株)製)と硬化剤BXX5134(東洋インキ(株)製)を7:1で混合したものを塗布し、100℃で30秒乾燥した。乾燥後の再剥離剤厚みを5μmとした。次いで再剥離剤層に、ポリエステルフィルム上に離型容易なシリコーン樹脂層を設けたフィルムからなる空気遮断用フィルムを貼り付けて1週間おいた。ガラス基板のヤング率は、7140kg/mm2であり、ヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積は、2449kg・mmであった。
【0051】
図1に示した真空吸着機構付きステージ3に上記ポリイミドフィルム4を置き、押さえ板14でフィルムを押さえつけた状態でフィルムをステージに真空吸着した。次いで、ステージ3を移動させつつ静電気帯電装置12の下を通過させる。このとき、静電気帯電装置12から正イオン風を吹き付け、ポリイミドフィルムを正に帯電させた。ポリエステル製100メッシュのスクリーン紗2を降下させ、ポリイミドフィルム4と接触させた。次いで、負イオン風吹き出しに切り換えた静電気帯電装置12をスクリーン紗2上を通過するように駆動し、スクリーン紗2を負に帯電させた。ステージ3の真空吸着を停止し、スクリーン紗2を上昇させ、ポリイミドフィルム4をスクリーン紗2に移し取った。
【0052】
上記の再剥離剤層7を設けたガラス板6を図1に示した真空吸着機構付きステージ3に配置した。再剥離剤層上の空気遮断用フィルムはあらかじめ剥離しておいた。ガラス板を吸着したステージ3をポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2の真下に移動した。
【0053】
スクリーン紗2を降下させ、ポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2とガラス板を0.7mmの間隔をおいて平行に配置した。次いで、ショア硬度50のゴム板8でスクリーン紗2のポリイミドフィルム当接面とは逆の面をスキージし、再剥離剤層7にポリイミドフィルム4を押し当て、ポリイミドフィルム4をガラス板上に移し取った。正負イオン吹き出しに切り換えた静電気帯電装置12をスクリーン紗上を通過させ、スクリーン紗を除電した。測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±5μm以内にあり、歪みは非常に小さく良好であった。
【0054】
実施例2
実施例1と同様にポリイミドフィルム4と再剥離剤層7を設けたガラス板6を用意した。ステージ3上にポリイミドフィルム4を置きその上からポリエステル製100メッシュのスクリーン紗2でフィルムを押さえつけた状態で、フィルム4をスクリーン紗2に真空吸着した。なお、真空吸着機構は図示していないが、スクリーン紗上部を真空引きするものである。スクリーン紗2を上昇させ、ポリイミドフィルム4をスクリーン紗2に移し取った。
【0055】
上記の再剥離剤層7を設けたガラス板6を図2に示した真空吸着機構付きステージ3に配置した。再剥離剤層上の空気遮断用フィルムはあらかじめ剥離しておいた。
【0056】
スクリーン紗2を降下させ、ポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2とガラス板を0.7mmの間隔をおいて平行に配置した。次いで、ショア硬度50のゴム板8でスクリーン紗2のポリイミドフィルム当接面とは逆の面をスキージし、再剥離剤層7にポリイミドフィルム4を押し当て、ポリイミドフィルム4をガラス板上に移し取った。スクリーン紗の真空を解除し、フィルム4を解放した。測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±7μm以内にあり、歪みは非常に小さく良好であった。
【0057】
比較例1
実施例1において、押さえ板14を使用しない以外は同様にして、ポリイミドフィルム3をガラス板6上に移し取った。測長機SNIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は最大100μmであり、実施例に比べて非常に大きな歪みがあった。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、応力が加わると変形をきたすプラスチックフィルムを低応力で歪みなく枚葉基板に貼り合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるラミネート装置1の一例を示す中央部の概略正面図である。
【図2】図1のX−X方向矢視図である。
【図3】本発明になるラミネート方法の手順の一例を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1:ラミネート装置
2:フィルム保持用シート状物
3:ステージ
4:フィルム
6:基板
7:有機物層
8:スキージ
9:基台
10:枠体
12:静電気帯電装置
13:支柱
14:押さえ板
15:リニアシリンダー
16:ブラケット
18:モータ
20:ボールねじ
22:ブラケット
24:ガイド
26:ナット
28:スキージ保持体
32a、b:軸受け
34:ロータリーシリンダー
36a、b:ガイド
38:レール
40:可動体
42:ステータ
43:リニアモータ
44a、b:保持体
46:リニアシリンダー
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性フィルムを低応力で歪みなく枚葉基板に高精度にラミネートする方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラミネート方法は、しわや気泡の発生を防止することと、可撓性フィルムを補強板上の所定位置に高精度に位置決めしてラミネートすることに主眼が置かれており、ラミネート時の応力により発生する可撓性フィルムの伸縮や数百μm程度のひずみは、基材の保護等を目的とする通常のラミネートでは実害を及ぼすことがないこともあり、無視されてきた。
【0003】
しかるに、可撓性フィルムを補強板に貼り合わせることで、微細な回路パターンを形成することが提案されている。回路パターン形成後の可撓性フィルム基板は、補強板から剥離され使用されるので、補強板から剥離するときの回路パターンの寸法変化をミクロンオーダーに抑えることが望まれる。したがって、可撓性フィルムを貼り合わせる際に、可撓性フィルムに極力応力を加えることなく、可撓性フィルムの寸法変化を0.01%以下にして、補強板に貼り合わせることが求められる。また、将来、電子回路パターンの配線間隔がさらに狭くなった場合、この寸法変化の許容値はさらに厳しくなると予想される。
【0004】
ところが、従来のロールラミネート方式(例えば、特許文献1参照)では、基板の厚みムラなどを吸収するために、上下両側または上下の片側のロールをゴム被覆にするが、ゴム被覆部は押圧と基板走行による応力で変形し、この変形により、ラミネート条件を最適にしたとしても、可撓性フィルムが0.02〜0.04%程度寸法変化してラミネートされてしまう。
【0005】
また、プレス方式では、基板の凹凸を吸収するためにゴム等弾性変形可能な材料をプレス面に使用するため、これによって上述のロールラミネートと同様に、最適条件下でも、可撓性フィルムを0.02〜0.04%程度寸法変化させてしまう。
【0006】
一方、上記のような問題点を解決し、可撓性フィルムの寸法変化を0.01%以下に抑えて高精度でラミネートする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これは、フィルム保持用シート状物の面に可撓性フィルムを保持し、該可撓性フィルムを、補強板の有機物層を有する面と一定間隙をもって対面させた後に、フィルム保持用シート状物と可撓性フィルムを同時に補強板に押圧することにより、可撓性フィルムを補強板に移し替える、いわゆるスクリーン印刷方式のラミネート方法である。
【0007】
このラミネート方法においては、フィルム保持用シート状物への可撓性フィルムの保持に先立ち、枚葉の可撓性フィルムを吸着ステージ上に置くが、張力が加えられていない可撓性フィルムは、幅方向、厚さ方向の厚みむらや延伸むらのために、平坦でないことが多い。そのため、フィルムを吸着ステージに吸着する際に、波打っているフィルムの吸着ステージと接している部分が、吸着ステージから浮いている部分よりも先に吸着されるため、フィルムの面方向に応力が加わり変形が生じる。したがって、スクリーン印刷方式ラミネートにおいて可撓性フィルムの寸法変化を0.01%以下に抑えるためには、フィルムの吸着ステージへの吸着の際の変形を抑えることが必要不可欠である。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−52610号公報(第3−8頁、図1)。
【0009】
【特許文献2】
特開2001−228470号公報(第4−11頁、図16)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、可撓性フィルムのラミネートにおいて、ラミネートに先立ち枚葉の可撓性フィルムを保持する際に生じる可撓性フィルムの変形を抑え、可撓性フィルムの寸法変化を0.01%以下に抑えてラミネートすることが可能なラミネート方法およびラミネート装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的を達成するために、本発明は以下の方法および装置からなる。
(1)吸着ステージとフィルム押圧部材で可撓性フィルムを挟み、押圧した状態のまま、吸着ステージで可撓性フィルムを吸着した後、フィルム押圧部材を可撓性フィルムから引き離し、次いで、吸着ステージに吸着保持された可撓性フィルムにフィルム保持用シート状物を接触させ、フィルム保持用シート状物で可撓性フィルムを吸着した後、吸着ステージの吸着を解除し、吸着ステージを可撓性フィルムから引き離し、次いで、フィルム保持用シート状物に吸着保持された可撓性フィルムを有機物層の形成された補強板にラミネートすることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート方法。
(2)フィルム保持用シート状物と吸着ステージで可撓性フィルムを挟み、押圧した状態のまま、フィルム保持用シート状物で可撓性フィルムを吸着した後、吸着ステージを可撓性フィルムから引き離し、次いで、フィルム保持用シート状物に吸着保持された可撓性フィルムを有機物層の形成された補強板にラミネートすることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート方法。
(3)フィルム保持用シート状物と、フィルム押圧部材と、フィルム押圧部材を吸着ステージに押圧させる押圧ユニットと、フィルム保持用シート状物に可撓性フィルムを吸着保持させる保持機構と、フィルム保持用シート状物と可撓性フィルムを同時に補強板に押圧して可撓性フィルムを補強板に移し替える押圧機構と、を有することを特徴とする可撓性フィルムのラミネート装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の可撓性フィルムのラミネート方法および装置の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明になるラミネート装置1の一例を示す中央部の概略正面図(断面部は塗りつぶしと斜線で表示)、図2は図1のX−X方向矢視図である。
【0014】
ラミネート装置1は、補強板である基板6を保持するステージ3、基板6の真上に配置されているフィルム4を保持するフィルム保持用シート状物2、フィルム保持用シート状物2とフィルム4を同時に基板6に圧力を加えて押しつけるスキージ8、フィルム4にフィルム保持用シート状物2への静電吸着力を与える静電気帯電装置12、ステージ3に載置されたフィルム4を平坦にするためにフィルム4を押さえつける押さえ板14より構成される。なお、本説明における”押さえ板”は請求項での”フィルム押圧部材”に相当する。ここで、フィルム4は薄く、可撓性を有するものである。
【0015】
さらにステージ3の上面には吸着孔が配置されていて、図示されない真空源の作用によりフィルム4および基板6を吸着保持できるようになっている。また、基台9上中央に一対配置されているレール25とそれに係合するガイド24の案内作用により、ガイド24上部に取り付けられているステージ3は図1の左右方向に水平移動可能となる。ステージ3の下部にはナット26も取り付けられており、このナット26とブラケット22、16に回転自在に保持されているボールねじ20が係合し、さらにボールねじ20は、基台9の側面にブラケット16を介して取り付けられているモータ18と直結されているので、モータ18の回転により、ステージ3は任意の速度で、往復動自在となっている。
【0016】
フィルム保持用シート状物2は、可撓性の織物もしくは、薄い膜状物を枠体10に固定したもので、ステージ3の幅方向(走行方向の直交方向)の両端で、ステージ3走行方向にわたって伸びている保持体44a、44bに支持されている。保持体44a、44bは昇降可能な一対のリニアシリンダー46に連結されているので、フィルム保持用シート状物2はリニアシリンダー46の動作によって上下往復動が可能であり、フィルム保持用シート状物2に保持するフィルム4と基板6を略平行に対面させて、両者の間隔を任意に設定することが可能であるようにしている。なお両者の間隔の設定は、リニアシリンダー46に内蔵されているリニアスケールで位置をモニタリングすることにより行える。
【0017】
フィルム保持用シート状物2を支える保持体44a、44b上には、ステージ3の走行方向に伸びている一対のレール38がステージ3を間に挟むようにして取り付けられている。また、一対のレール38のそれぞれの上部にはガイド36a、36bがレール38の長手方向に移動自在に配置されている。ガイド36a、36bには軸受け32a、32bが取り付けられており、さらに軸受け32a、32bには、スキージ保持体28が回転自在に取り付けられているので、スキージ保持体28に締結されているスキージ8も回転自在となっている。またガイド36aには、リニアモータ43の一方を構成する可動体40が、可動体40に対面する下部には、リニアモータ43のもう一方を構成するステータ42が保持体44aに取り付けられているので、リニアモータ43による駆動と、レール38とガイド36a、36bの案内作用により、ステージ3の走行方向にスキージ保持体28とスキージ8を、往復動自在とすることができる。さらに軸受け32a、32bに回転自在に支持されているスキージ保持体28は、ロータリーシリンダー34に直結しているので、スキージ保持体28に締結されているスキージ8を、矢印方向の回転動作により、フィルム保持用シート状物2に押しつけたり、逆に押しつけを解除することができる。スキージ8のフィルム保持用シート状物2との接触部分はエッジ形状が好ましい。なお、スキージ8は、結局は保持体44a、44bに支持されているので、リニアシリンダー46の上下動作により、フィルム保持用シート状物2と同時に上下方向に昇降できるようになっている。
【0018】
静電気帯電装置12は、ステージ3の幅方向にわたって、ステージ3の幅方向長さより長い範囲にわたって伸びており、基台9上の支柱13に保持されている。静電気帯電装置12は、正または負に帯電したイオン風を直下にあるものにステージ3の幅にわたって吹き付けるもので、ステージ3上に吸着したフィルム4を静電気帯電装置12の真下に通過させることで、フィルム4に静電気帯電による付着力を付与できる。また、支柱13は基台9上のリニアモータ(図示していない)により図1の左右方向および上下方向に移動可能であり、フィルム保持用シート状物2上を通過させることで、フィルム保持用シート状物2に静電気帯電による付着力を付与することも可能である。
【0019】
また、押さえ板14は昇降可能な一対のリニアシリンダー15に連結されており、上下往復動が可能であり、真下にステージ3とその上に載置されたフィルム4があるときに降下させ、フィルム4をステージ3に押しつけることができる。
【0020】
なお基板6の上面には、粘着性を有する有機物層7があらかじめ付与されている。
【0021】
次にラミネート装置1を用いたラミネート方法について、図3を用いて説明する。図3は、本発明になるラミネート方法の手順の一例を示す概略正面図である。
【0022】
まず、ステージ3を図1の破線で示す左端の位置に移動させて停止させ、搬送装置(図示していない)により、フィルム4をステージ3上に載置する。次いでリニアシリンダー15を下降するように駆動して、押さえ板14をフィルム4の上からステージ3に押しつけた状態で、フィルム4を吸着固定する(図3(a))。フィルム4を押さえ板14でステージ3に押しつけると、フィルム4とステージ3間およびフィルム4と押さえ板14間の空気層が潤滑剤となり、フィルム4に面方向の力が加えられることなく、フィルム4は平坦化されるので、フィルム4の吸着の際の変形を軽減できる。フィルム4の吸着方法としては吸着のオン/オフが可能である真空吸着、静電吸着等が適用できるが、気泡を除去できる点や吸着のオン/オフがスムーズにできる点で真空吸着が好ましい。
【0023】
次いで、押さえ板14を上昇駆動してステージ3に吸着されたフィルム4から引き離し、ステージ3を右方向に向かって一定速度にて移動させつつ、正に帯電したイオン風を下向きに吹き付ける静電気帯電装置12の下をフィルム4を通過させて、フィルム4を正に帯電させる。ステージ3がフィルム保持用シート状物2のちょうど真下にきたらステージ3を停止させ、フィルム4の吸着を解除する。それからリニアシリンダー46を下降するように駆動して、フィルム保持用シート状物2をステージ3上の可撓性フィルム4に接触させる。ついで負に帯電したイオン風を下向きに吹き付ける静電気帯電装置12をステージ3、フィルム4およびフィルム保持用シート状物2上を通過させ、フィルム保持用シート状物2を負に帯電させる(図3(b))。この時、正に帯電していたフィルム4と負に帯電したフィルム保持用シート状物2が静電気力により引き合うので、リニアシリンダー46を上昇駆動してフィルム保持用シート状物2を上方に移動することにより、フィルム4をフィルム保持用シート状物2に移し替えることができる(図3(c))。
【0024】
ついで、モータ18を駆動してステージ3を再び左端に移動させ停止させ、搬送装置(図示していない)により、上部に粘着性のある有機物層7があらかじめ付与されている基板6を、ステージ3上に載置して、吸着固定する(図3(d))。吸着固定後ステージ3を右方向に移動させて、基板6をフィルム保持用シート状物2に保持された可撓性フィルム4の真下に来るところで停止させる(図3(e))。この時のステージ3の停止位置は、フィルム4が基板6のあらかじめ定められた位置にラミネートできるように定める。
【0025】
そして、リニアシリンダー46を駆動して、フィルム保持用シート状物2をステージ3上の基板6に近接させ、フィルム4と基板6とが所定の隙間となるところで停止させる。フィルム4と基板6との隙間は5mm以下が好ましいが、1mm以下であるとさらに好ましい。続いてロータリーシリンダー34を駆動して、回転によりスキージ8をフィルム保持用シート状物2の上側から押しあてて、フィルム保持用シート状物2に保持されているフィルム4をステージ3の基板6に押し当てる。そして、リニアモーター43を駆動してスキージ8をフィルム4の左端の位置から右端の位置まで移動させ、フィルム保持用シート状物2に保持されているフィルム4を、ステージ3上の基板6に移し替える(図3(f))。
【0026】
この動作により、可撓性フィルム4は基板6にラミネートされ、有機物層7の粘着力により、しっかり保持される。スキージ8が右端までいって停止したら、ロータリーシリンダー34を逆方向に回転して、スキージ8をフィルム保持用シート状物2より遠ざける。続いてリニアシリンダー46を上昇方向に駆動してフィルム保持用シート状物2を上昇させ、ステージ3の吸着を解除後、搬出装置(図示していない)により、ステージ3上のフィルム4がラミネートされた基板6を次の工程に搬出する。以下、同じ動作を繰り返して、次のフィルム4、基板6に対してラミネートを行う。
【0027】
なお、スキージ8としては、線状に押圧できるように、押圧部となる先端部はエッジ形状であるものが好ましいが、アール形状にしてアール5mm以下にしてもよい。先端部材質は、金属、セラミック、合成樹脂等の硬質のものであってもよいが、均等に加圧するために、ショア硬度50〜90のゴムを使用してもよい。また、スキージ8を可撓性面状体2に押圧して移動させるときの滑りを良くし、発塵を抑制するために、スキージ8、可撓性面状体2に、フッ素系樹脂などをコーティングすることも好ましい。さらに、発塵をより抑制するために、スキージ8は回転自由な加圧ロールであってもよい。加圧するロールとしては、金属ロール、ゴム被覆ロールいずれであってもよいが、なるべく線状に押圧することと、気泡発生を避けるために、直径30mm以下の小径のロールを採用することが好ましい。なおスキージによる押圧の大きさとしては、好ましくは5〜500N/m、より好ましくは10〜100N/mである。ラミネート時のスキージの移動速度は好ましくは0.1〜50m/分、より好ましくは5〜15m/分である。
【0028】
フィルム保持用シート状物2としては、面内で弾性変形できるものであり、可撓性の織物、厚みの薄い膜状物であること好ましい。また、フィルム保持用シート状物を支える枠体10は、十分な強度と平坦性を持つことが望ましく、金属、合成樹脂、繊維強化樹脂等を用いることが好ましい。
【0029】
上記の可撓性の織物としては、ポリエステル、ポリプロピレン、液晶ポリマーまたはステンレス繊維をメッシュ状に織ったものが好適に採用できる。また、織物に感光性塗膜等を使用して開口部と閉口部を形成することは適宜許される。また、膜状物としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイドなどのプラスチックフィルムを挙げることができる。また、これらのプラスチックフィルムをカッティングして、開口部を形成することは適宜許される。さらに硬質のゴムを採用することも可能である。
【0030】
ステージ3および押さえ板14は、金属、ガラス、セラミック、硬質プラスチック、硬質ゴム等フィルムとの接触面が平坦性に優れており、フィルムに押圧しても変形の少ない剛性の大きなものであれば特に限定されない。剛性の小さい材質を用いた場合、ステージ3もしくは押さえ板14の変形によりフィルム4の面方向に応力が加わり、フィルム4が変形してしまう。ステージ3および押さえ板14の好ましい平坦性としては、500×500の面で50μm以下である。上記の実施態様では、フィルム4をステージ3上に固定するために、真空吸着機構を備えていたが、この他に静電気吸着できるよう、導電性でかつ、静電気の付与の仕方に応じて接地電位や任意の電圧が印加できる構造になっていることが好ましい。押さえ板14のフィルム4との接触面に複数の微小な貫通孔を設けておくと、押さえ板14をフィルム4から引き離す際に、押さえ板14とフィルム4との接触面に外部から空気が供給されるので、両者を低応力で引き離すことが可能であり、好ましい。
【0031】
フィルム保持用シート状物2にフィルム4を保持させる手段としては、上記の静電気吸着の他に、液体の表面張力、有機物の粘着力もしくは真空吸着等が挙げられるが、液体の表面張力、有機物の粘着力もしくは有機物の粘着力を利用することが、保持力と剥離力とのバランスが取りやすく、また、装置が大がかりにならない点で好ましい。液体の表面張力、静電気吸着を利用する方法は、有機物の粘着力を利用する方法に比べて、耐久性や繰り返し再現性の点で優れており好ましい。
【0032】
静電気吸着を利用する方法としては、フィルム保持用シート状物2とフィルム4の一方を帯電させるか、互いに逆極性に帯電させることができれば特に限定されない。具体的にフィルム保持用シート状物2またはフィルム4を帯電させる方法としては、上述したように正または負のイオン風を当てる方法の他、フィルム保持用シート状物2が導電性である場合は、高電圧を印加することでフィルム4を貼り合わせることができる。さらに、フィルム4の表面に金属膜が形成されている場合は、該金属膜に高電圧を印加してフィルム保持用シート状物2とフィルム4とを貼り合わせて保持することができる。
【0033】
液体の表面張力を利用する方法の例としては、保持に先立ってフィルム4の表面やフィルム保持用シート状物2に塗布や噴霧、あるいは結露によって液体を付着させ、次いで、両者を重ね合わせて、両者間に液体の薄層を形成する方法が挙げられる。可撓性面状体2とフィルム4の接触面にあらかじめ液体を散布し、両者を重ね合わせた後、両者の接触面とは反対側でスキージを移動させてしごくことにより、フィルム保持用シート状物2とフィルム4間の液体層を薄層化することも有効である。また、可撓性の織物等開口部を有するフィルム保持用シート状物2とフィルム4をドライ状態で接触させた後に、フィルム保持用シート状物2の両者の接触部とは反対側から液体を散布し、スキージによってフィルム保持用シート状物の開口部を介して、液体をフィルム保持用シート状物2とフィルム4の間に供給することも可能であり、液体の供給とスキージとが同時に行われるためタクトタイム短縮ができ好ましい。以上の接着力を付与する液体としては、比較的表面張力が大きい点や後工程に対して不純物になりにくい点で、水が好適に採用できる。また、表面張力を調整するために、水にアルコールなどを添加することは適宜許される。
【0034】
有機物の粘着力を利用する方法の例としては、フィルム保持用シート状物2とフィルム4の貼り合わせ面に粘着性の粘着層を設けることがある。粘着剤として用いられる有機物は、ゴム系、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系樹脂等が挙げられる。この時、弱粘着性から強粘着性の粘着剤をドット状、ストライプ状などに形成して、粘着力を小さくして、フィルム保持用シート状物2からフィルム4を剥離しやすくする方法が、粘着力と剥離力のバランスを取りやすく、また繰り返し耐久性を改善することができ好ましい。ドットは、直径が0.1〜2mmで、1〜10mm間隔で配置されていることが、粘着力と剥離のバランスが取れ、また、可撓性フィルムの保持力が充分確保できる点で好ましい。
【0035】
なお、本発明の別の例は、押さえ板14を用いず、ステージ3上に置かれたフィルム4にフィルム保持用シート状物2を接触させ、押圧したまま、静電吸着、真空吸着等によりフィルム4をフィルム保持用シート状物2に保持するものである。ただし、この場合のフィルム保持用シート状物2の剛性は可能な限り大きい方が、上記理由により好ましい。
【0036】
本発明において、フィルム4は、プラスチックフィルムであり、ポリカーボネート、ポリエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマーなどのフィルムを採用することができる。中でもポリイミドフィルムは、耐熱性に優れるとともに耐薬品性にも優れているので好適に採用される。また、低誘電損失など電気的特性が優れている点や低吸湿性の点で、液晶ポリマーが好適に採用される。可撓性のガラス繊維補強樹脂板を採用することも可能である。また、これらのフィルムが積層されていてもよい。
【0037】
上記ガラス繊維補強樹脂板の樹脂としては、エポキシ、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、マレイミド(共)重合樹脂、ポリアミド、ポリイミドなどが挙げられる。可撓性フィルムの厚さは、軽量化、小型化、あるいは微細なビアホール形成のためには薄い方が好ましく、一方、機械的強度を確保するためや平坦性を維持するためには厚い方が好ましい点から、4μmから125μmの範囲が好ましい。
【0038】
これらの可撓性フィルムには、基板6とのラミネートに先立って、片面もしくは両面に金属層が形成されていても良い。該金属層は、銅箔などの金属箔を接着剤層で貼り付けて形成することができる他、スパッタやメッキ、あるいはこれらの組合せで形成することができる。また、銅などの金属箔の上に可撓性フィルムの原料樹脂あるいはその前駆体を塗布、乾燥、キュアすることで、金属層付き可撓性フィルムを作り、これを利用することもできる。
【0039】
また上記の実施態様では、基板6にあらかじめ粘着性を有する有機物層7を設けておいたが、この有機物層7はフィルム4側にあらかじめ設けておいてもよい。ただし、該有機物層7がフィルム4から剥離可能な有機物層7とする場合は、該有機物層7は基板6上に設けられていることが好ましい。これによって、フィルム4の基板6からの剥離後、該有機物層が基板6に残存し、フィルム4には残存せず、フィルム4を後工程で処理するときに好都合となるからである。また、フィルム4を基板から剥離することを考慮すると、有機物層7と基板6との粘着力の方が、有機物層7とフィルム4の粘着力よりも大きいことが好ましい。このように両側の粘着力を制御する方法として、粘着剤の熟成を利用する方法がある。すなわち、粘着力を強くする側に粘着剤を塗布してから、酸素を遮断した状態で所定の期間架橋を進行させることで、粘着力が低下した表面を得ることができる。
【0040】
また、ラミネート装置1の中に、有機物層7を基板6に付与するユニットを設けてもよい。
【0041】
さらに上記実施態様では、ステージ3に配置されたフィルム4をフィルム保持用シート状物2に保持させた後、同じステージに基板6を配置したが、別のステージを備えて、それに基板6を配置することも可能である。タクトタイムを短縮するためには、フィルム4を搬送するステージと、基板6を搬送するステージは別にして、フィルム保持用シート状物2にフィルム4を保持させる作業と、基板6をステージに配置、搬送する作業を並行して実施させるることが好ましい。
【0042】
本発明に使用する基板6は、ソーダライムガラス、ホウケイ酸系ガラス、石英ガラスなどの無機ガラス類、アルミナ、窒化シリコン、ジルコニアなどのセラミックス、ステンレススチール、インバー合金、チタンなどの金属やガラス繊維補強樹脂板などが採用でき、いずれも線膨張係数や吸湿膨張係数が小さい点で好ましい。耐熱性、耐薬品性に優れている点、大面積で表面平滑性が高く基板が安価に入手しやすい点、塑性変形しにくい点、あるいは搬送装置などとの接触によりパーティクルを発生しにくい点、で無機ガラス類が好ましい。中でもアルミノホウケイ酸塩ガラスに代表されるホウケイ酸系ガラスは、高弾性率でかつ線膨張係数が小さいため特に好ましい。
【0043】
基板にガラス基板を用いる場合、ガラス基板のヤング率が小さかったり、厚みが小さいと可撓性フィルムの膨張・収縮力で反りやねじれが大きくなり、平坦なステージ上に真空吸着したときにガラス基板が割れることがある。また、真空吸着・脱着で可撓性フィルムが変形することになり位置精度の確保が難しくなる傾向がある。一方、ガラス基板が厚いと、肉厚ムラにより平坦性が悪くなることがあり、露光精度が悪くなる傾向がある。また、ロボット等によるハンドリングに負荷が大きくなり素早い取り回しが難しくなって生産性が低下する要因になる他、運搬コストも増大する傾向がある。これらの点から、枚葉基板であるガラス基板のヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積が、850kg・mm以上860000kg・mm以下の範囲であることが好ましく、1500kg・mm以上190000kg・mm以下が更に好ましく、2400kg・mm以上110000kg・mm以下の範囲が最も好ましい。なお、本発明においてガラスのヤング率は、JIS R1602によって求められる値とする。
【0044】
基板に金属基板を用いる場合、金属基板のヤング率が小さかったり、厚みが小さいと可撓性フィルムの膨張・収縮力で反りやねじれが大きくなり、平坦なステージ上に真空吸着できなくなったり、金属基板の反りやねじれ分、可撓性フィルムが変形することにより、位置精度の確保が難しくなる。また、折れがあるとその時点で不良品になる。枠状または略格子状の基板の場合は機械的強度を確保することに留意しなければならない。一方、金属基板が厚いと、肉厚ムラにより平坦性が悪くなることがあり、露光精度が悪くなる。また、ロボット等によるハンドリングに負荷が大きくなり素早い取り回しが難しくなって生産性が低下する要因になる他、運搬コストも増大する。したがって、枚葉基板である金属基板のヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積が、2kg・mm以上162560kg・mm以下の範囲であることが好ましい。金属基板のヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積が、10kg・mm以上30000kg・mm以下であることがさらに好ましく、15kg・mm以上20500kg・mm以下の範囲であることが最も好ましい。
【0045】
本発明に用いられる有機物層7は接着剤または粘着剤である。可撓性フィルムを加工後、基板から剥離して用いる場合には、剥離可能な接着剤または粘着剤であることが好ましい。このような接着剤または粘着剤としては、アクリル系またはウレタン系の再剥離剤と呼ばれる粘着剤を挙げることができる。可撓性フィルム加工中は十分な接着力があり、剥離時は容易に剥離でき、可撓性フィルム基板に歪みを生じさせないために、弱粘着から中粘着と呼ばれる領域の粘着力のものが好ましい。シリコーン樹脂膜は本発明では離型剤として用いられることがあるが、タック性があるシリコーン樹脂は再剥離粘着剤として使用することもできる。また、タック性があるエポキシ系樹脂膜を再剥離粘着剤として使用することも可能である。
【0046】
本発明において粘着力は、有機物層を介して基板と貼り合わせた1cm幅の可撓性フィルムを剥離するときの180°方向ピール強度で測定される。本発明における弱粘着領域とは、上記の条件で測定したときの粘着力が0.1g/cmから100g/cmの範囲にあるものである。低温領域で接着力、粘着力が減少するもの、紫外線照射で接着力、粘着力が減少するものや加熱処理で接着力、粘着力が減少するものも好適に用いられる。これらの中でも紫外線照射によるものは、接着力、粘着力の変化が大きく好ましい。紫外線照射で接着力、粘着力が減少するものの例としては、2液架橋型のアクリル系粘着剤が挙げられる。また、低温領域で接着力、粘着力が減少するものの例としては、結晶状態と非結晶状態間を可逆的に変化するアクリル系粘着剤が挙げられる。有機物層の厚みは、薄すぎると平面性が悪くなる他、剥離力が大きく低下するために膜厚のむらによる剥離力の強度むらが発生する。一方、厚すぎると接着剤または粘着剤の可撓性フィルムへの投錨性がよくなるために粘着力が強くなりすぎる。有機物層端部での可撓性フィルムの変形を抑制するためには有機物層厚みは薄い方が好ましい。この点から有機物層の厚みは、0.1μmから30μmまでの範囲であることが好ましく、0.3μmから20μmまでの範囲であることがさらに好ましい。
【0047】
本発明の製造方法で得られた回路基板は、電子機器の配線板、ICパッケージ用インターポーザーウエハレベルバーンインソケット用配線板などに使用される。特に、ICなどの電子部品を接続する際の電極パッドと回路基板パターンとの位置合わせ精度に関わる位置精度の改善に効果が大きい。回路パターンに抵抗素子や容量素子を入れ込むことは適宜許される。また、可撓性フィルム基板の少なくとも一方の面に絶縁層と配線層を積層し、多層化することも可能である。
【0048】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明においてガラスのヤング率は、JIS R1602によって求められる値とする。
【0049】
実施例1
可撓性フィルムとして、厚さ25μm、290mm角のポリイミドフィルム(”ユーピレックス”25S宇部興産(株)製)を準備した。測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、290mm角に切り出したポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定した。
【0050】
基板として準備した厚さ0.7mm、300mm角のアルミノホウケイ酸塩ガラスにダイコーターで、弱粘着性再剥離剤”オリバイン”EXK01−257(東洋インキ(株)製)と硬化剤BXX5134(東洋インキ(株)製)を7:1で混合したものを塗布し、100℃で30秒乾燥した。乾燥後の再剥離剤厚みを5μmとした。次いで再剥離剤層に、ポリエステルフィルム上に離型容易なシリコーン樹脂層を設けたフィルムからなる空気遮断用フィルムを貼り付けて1週間おいた。ガラス基板のヤング率は、7140kg/mm2であり、ヤング率(kg/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積は、2449kg・mmであった。
【0051】
図1に示した真空吸着機構付きステージ3に上記ポリイミドフィルム4を置き、押さえ板14でフィルムを押さえつけた状態でフィルムをステージに真空吸着した。次いで、ステージ3を移動させつつ静電気帯電装置12の下を通過させる。このとき、静電気帯電装置12から正イオン風を吹き付け、ポリイミドフィルムを正に帯電させた。ポリエステル製100メッシュのスクリーン紗2を降下させ、ポリイミドフィルム4と接触させた。次いで、負イオン風吹き出しに切り換えた静電気帯電装置12をスクリーン紗2上を通過するように駆動し、スクリーン紗2を負に帯電させた。ステージ3の真空吸着を停止し、スクリーン紗2を上昇させ、ポリイミドフィルム4をスクリーン紗2に移し取った。
【0052】
上記の再剥離剤層7を設けたガラス板6を図1に示した真空吸着機構付きステージ3に配置した。再剥離剤層上の空気遮断用フィルムはあらかじめ剥離しておいた。ガラス板を吸着したステージ3をポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2の真下に移動した。
【0053】
スクリーン紗2を降下させ、ポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2とガラス板を0.7mmの間隔をおいて平行に配置した。次いで、ショア硬度50のゴム板8でスクリーン紗2のポリイミドフィルム当接面とは逆の面をスキージし、再剥離剤層7にポリイミドフィルム4を押し当て、ポリイミドフィルム4をガラス板上に移し取った。正負イオン吹き出しに切り換えた静電気帯電装置12をスクリーン紗上を通過させ、スクリーン紗を除電した。測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±5μm以内にあり、歪みは非常に小さく良好であった。
【0054】
実施例2
実施例1と同様にポリイミドフィルム4と再剥離剤層7を設けたガラス板6を用意した。ステージ3上にポリイミドフィルム4を置きその上からポリエステル製100メッシュのスクリーン紗2でフィルムを押さえつけた状態で、フィルム4をスクリーン紗2に真空吸着した。なお、真空吸着機構は図示していないが、スクリーン紗上部を真空引きするものである。スクリーン紗2を上昇させ、ポリイミドフィルム4をスクリーン紗2に移し取った。
【0055】
上記の再剥離剤層7を設けたガラス板6を図2に示した真空吸着機構付きステージ3に配置した。再剥離剤層上の空気遮断用フィルムはあらかじめ剥離しておいた。
【0056】
スクリーン紗2を降下させ、ポリイミドフィルム4を貼り合わせたスクリーン紗2とガラス板を0.7mmの間隔をおいて平行に配置した。次いで、ショア硬度50のゴム板8でスクリーン紗2のポリイミドフィルム当接面とは逆の面をスキージし、再剥離剤層7にポリイミドフィルム4を押し当て、ポリイミドフィルム4をガラス板上に移し取った。スクリーン紗の真空を解除し、フィルム4を解放した。測長機SMIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は±7μm以内にあり、歪みは非常に小さく良好であった。
【0057】
比較例1
実施例1において、押さえ板14を使用しない以外は同様にして、ポリイミドフィルム3をガラス板6上に移し取った。測長機SNIC−800(ソキア(株))にて、ガラス板に貼り合わされたポリイミドフィルムの四つの角の相対位置を測定し、貼り合わせ前と比較したところ、四つの角の互いの距離の変化は最大100μmであり、実施例に比べて非常に大きな歪みがあった。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、応力が加わると変形をきたすプラスチックフィルムを低応力で歪みなく枚葉基板に貼り合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるラミネート装置1の一例を示す中央部の概略正面図である。
【図2】図1のX−X方向矢視図である。
【図3】本発明になるラミネート方法の手順の一例を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1:ラミネート装置
2:フィルム保持用シート状物
3:ステージ
4:フィルム
6:基板
7:有機物層
8:スキージ
9:基台
10:枠体
12:静電気帯電装置
13:支柱
14:押さえ板
15:リニアシリンダー
16:ブラケット
18:モータ
20:ボールねじ
22:ブラケット
24:ガイド
26:ナット
28:スキージ保持体
32a、b:軸受け
34:ロータリーシリンダー
36a、b:ガイド
38:レール
40:可動体
42:ステータ
43:リニアモータ
44a、b:保持体
46:リニアシリンダー
Claims (3)
- 吸着ステージとフィルム押圧部材で可撓性フィルムを挟み、押圧した状態のまま、吸着ステージで可撓性フィルムを吸着した後、フィルム押圧部材を可撓性フィルムから引き離し、次いで、吸着ステージに吸着保持された可撓性フィルムにフィルム保持用シート状物を接触させ、フィルム保持用シート状物で可撓性フィルムを吸着した後、吸着ステージの吸着を解除し、吸着ステージを可撓性フィルムから引き離し、次いで、フィルム保持用シート状物に吸着保持された可撓性フィルムを有機物層の形成された補強板にラミネートすることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート方法。
- フィルム保持用シート状物と吸着ステージで可撓性フィルムを挟み、押圧した状態のまま、フィルム保持用シート状物で可撓性フィルムを吸着した後、吸着ステージを可撓性フィルムから引き離し、次いで、フィルム保持用シート状物に吸着保持された可撓性フィルムを有機物層の形成された補強板にラミネートすることを特徴とする可撓性フィルムのラミネート方法。
- フィルム保持用シート状物と、フィルム押圧部材と、フィルム押圧部材を吸着ステージに押圧させる押圧ユニットと、フィルム保持用シート状物に可撓性フィルムを吸着保持させる保持機構と、フィルム保持用シート状物と可撓性フィルムを同時に補強板に押圧して可撓性フィルムを補強板に移し替える押圧機構と、を有することを特徴とする可撓性フィルムのラミネート装置。
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