JP2020128077A - 積層フィルム、エッジクリーニング装置、及び、クリーニングされた積層フィルムの製造方法 - Google Patents

積層フィルム、エッジクリーニング装置、及び、クリーニングされた積層フィルムの製造方法 Download PDF

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桂也 ▲徳▼田
桂也 ▲徳▼田
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全広 山下
Masahiro Yamashita
全広 山下
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【課題】 耐熱高分子フィルムを支持体に貼り合わせた際に、耐熱高分子フィルムの外周付近において支持体との間にブリスターが発生することを抑制することが可能な積層フィルムを提供すること。【解決手段】 基材、及び、基材上に設けられた粘着剤層を有する保護フィルムと、粘着剤層上に積層された耐熱高分子フィルムとを有し、側面における高さ10μm以上の突起であって、粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来するものの数が10個/cm以下である積層フィルム。【選択図】 図1

Description

本発明は、積層フィルム、エッジクリーニング装置、及び、クリーニングされた積層フィルムの製造方法に関する。
近年、半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子、偏光素子など機能素子の軽量化、小型・薄型化、フレキシビリティ化を目的として、高分子フィルム上にこれらの素子を形成する技術開発が活発に行われている。すなわち、情報通信機器(放送機器、移動体無線、携帯通信機器等)、レーダーや高速情報処理装置などといった電子部品の基材の材料としては、従来、耐熱性を有し且つ情報通信機器の信号帯域の高周波数化(GHz帯に達する)にも対応し得るセラミックが用いられていたが、セラミックはフレキシブルではなく薄型化もしにくいので、適用可能な分野が限定されるという欠点があったため、最近は高分子フィルムが基板として用いられている。
半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子などの機能素子を高分子フィルム表面に形成するにあたっては、高分子フィルムの特性であるフレキシビリティを利用した、いわゆるロール・ツー・ロールプロセスにて加工することが理想とされている。しかしながら、半導体産業、MEMS産業、ディスプレイ産業等の業界では、これまでウエハベースまたはガラス基板ベース等のリジッドな平面基板を対象としたプロセス技術が構築されてきた。そこで、既存インフラを利用して機能素子を高分子フィルム上に形成するために、高分子フィルムを、例えばガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属板などの無機物からなるリジッドな支持体に貼り合わせ、その上に所望の素子を形成した後に支持体から剥離するというプロセスが用いられている。
ところで、高分子フィルムと無機物からなる支持体とを貼り合わせた積層体に所望の機能素子を形成するプロセスにおいては、該積層体は高温に曝されることが多い。例えば、ポリシリコンや酸化物半導体などの機能素子の形成においては200℃〜600℃程度の温度域での工程が必要である。また、水素化アモルファスシリコン薄膜の作製においては200〜300℃程度の温度がフィルムに加わる場合あり、さらにアモルファスシリコンを加熱、脱水素化して低温ポリシリコンとするためには450℃〜600℃程度の加熱が必要になる場合がある。したがって、積層体を構成する高分子フィルムには耐熱性が求められるが、現実問題としてかかる高温域にて実用に耐える高分子フィルムは限られている。
上記の用途で使用される高分子フィルムは、支持体に貼り合わせる際に支持体と高分子フィルムとの間にゴミ等が入り込まないようにするために、使用する直前まで両面又は片面が保護フィルムで覆われている(例えば、特許文献1参照)。保護フィルムとしては、粘着剤層付のPETフィルムやオレフィンフィルム等が用いられる。
国際公開第2016/031746号
しかしながら、高分子フィルムを使用する直前まで保護フィルムで覆っているにも関わらず、支持体に貼り合わせた際に、高分子フィルムの外周付近において支持体との間にブリスターが発生する場合があった。このようなブリスターは、高分子フィルムと支持体との間に部分的に接着していない箇所を生じさせることになる。そのため、高分子フィルムと支持体との間の貼り合わせ力(剥離強度)が低下し、工程中に高分子フィルムが剥離するトラブルが発生するおそれがある。
本発明者らは、ブリスターが発生する原因について鋭意検討を行った。その結果、保護フィルムを構成する粘着剤が高分子フィルムの側面にはみ出しており、支持体に貼り合わせる際に、高分子フィルムの側面に残存した粘着剤が支持体と高分子フィルムとの間に噛み込み、ブリスター発生の原因となっていることを突き止めた。
本発明者らは、保護フィルムと耐熱高分子フィルムとが積層された積層フィルムについて鋭意検討を行った。その結果、積層フィルムの側面への粘着剤層のはみ出しが少なければ、支持体に貼り合わせた際のブリスター発生を抑制することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る積層フィルムは、
基材、及び、前記基材上に設けられた粘着剤層を有する保護フィルムと、
前記粘着剤層上に積層された耐熱高分子フィルムと
を有し、
側面における高さ10μm以上の突起であって、前記粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来するものの数が10個/cm以下であることを特徴とする。
前記構成によれば、側面における高さ10μm以上の突起が10個/cm以下であるため、粘着剤層を構成する粘着剤のはみ出しが抑制され、且つ、外部からの付着物も少ないといえる。従って、前記積層フィルムを用い、保護フィルムを剥がして耐熱高分子フィルムを支持体に貼り合わせれば、ブリスター発生を抑制することができる。
前記構成においては、前記基材の25℃での引張弾性率が0.3GPa以上であり、
前記耐熱高分子フィルムの25℃での引張弾性率が2GPa以上であることが好ましい。
前記基材の25℃での引張弾性率0.3GPa以上であり、前記耐熱高分子フィルムの25℃での引張弾性率が2GPa以上であると、トムソン刃等の刃による切断により、柔らかい粘着剤層が積層フィルムの側面にはみ出す可能性が高い。しかしながら、このような引張弾性率を有する積層フィルムであっても、側面における高さ10μm以上の突起が10個/cm以下であるため、粘着剤層を構成する粘着剤のはみ出しが抑制されているといえる。
前記構成において、前記保護フィルムは、前記耐熱高分子フィルムの両面に設けられていることが好ましい。
前記保護フィルムが、前記耐熱高分子フィルムの両面に設けられていると、記耐熱高分子フィルムの両面を、使用する直前まで保護することができる。
また、本発明に係るエッジクリーニング装置は、
フィルムを固定するフィルム固定部と、
払拭用シートを搬送する搬送部と、
前記フィルム固定部に固定されるフィルムの側面と、前記搬送部により搬送される払拭用シートとを接触させた状態で前記フィルムと前記払拭用シートとを相対的に移動させる駆動部とを備えることを特徴とする。
前記構成によれば、フィルムの側面を払拭用シートにより拭くことができる。例えば、前記積層フィルムの側面から粘着剤がはみ出している場合、前記側面を払拭用シートにより拭くことにより、これを拭き取り、清浄な状態にすることができる。その結果、側面がクリーニングされた積層フィルムが得られる。
前記構成においては、前記払拭用シートに溶剤を供給する溶剤供給部を備えることが好ましい。
フィルムの側面を汚すと予想される物質に応じて溶剤を選択し、払拭用シートに供給すれば、フィルムの側面をより清浄な状態にできる。
また、本発明に係るクリーニングされた積層フィルムの製造方法は、
基材、及び、前記基材上に設けられた粘着剤層を有する保護フィルムと、前記粘着剤層上に積層された耐熱高分子フィルムとを有する積層フィルムを準備する工程Aと、
前記積層フィルムの側面と、払拭用シートとを接触させた状態で前記積層フィルムと前記払拭用シートとを相対的に移動させて、前記側面を拭く工程Bとを有することを特徴とする。
前記構成によれば、前記積層フィルムの側面を払拭用シートにより拭くことにより、側面から粘着剤がはみ出している場合、これを拭き取り、清浄な状態にすることができる。その結果、側面がクリーニングされた積層フィルムが得られる。
前記構成において、前記工程Bの後の積層フィルムは、側面における高さ10μm以上の突起であって、前記粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来するものの数が10個/cm以下であることが好ましい。
側面における高さ10μm以上の突起が10個/cm以下であれば、粘着剤層を構成する粘着剤のはみ出しが抑制され、且つ、外部からの付着物も少ないといえる。従って、前記積層フィルムを用い、保護フィルムを剥がして耐熱高分子フィルムを支持体に貼り合わせれば、ブリスター発生を抑制することができる。
本発明によれば、耐熱高分子フィルムを支持体に貼り合わせた際に、耐熱高分子フィルムの外周付近において支持体との間にブリスターが発生することを抑制することが可能な積層フィルムを提供することができる。また、当該積層フィルムを製造するためのエッジクリーニング装置を提供することができる。また、当該積層フィルムの製造方法を提供することができる。
本実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的斜視図である。 図1に示したエッジクリーニング装置の側面図である。 他の実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的平面図である。 図3に示したエッジクリーニング装置の横断面図である。 他の実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的平面図である。 図5に示した回転ローラーの平面図である。 図5に示した回転ローラーの側面図である。 他の実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的平面図である。 他の実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的平面図である。 他の実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的平面図である。 図9に示したクリーニングヘッド治具の平面図、及び、側面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る積層フィルムは、
基材、及び、前記基材上に設けられた粘着剤層を有する保護フィルムと、
前記粘着剤層上に積層された耐熱高分子フィルムと
を有し、
側面における高さ10μm以上の突起であって、前記粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来するものの数が10個/cm以下である。
<積層フィルム>
前記積層フィルムは、側面における高さ10μm以上の突起の数が10個/cm以下であり、好ましくは、7個/cm以下、より好ましくは、2個/cm以下である。前記突起は、粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来する突起をいい、基材や耐熱高分子フィルムに由来する突起を含まない。つまり、基材や耐熱高分子フィルムに由来する突起は、前記突起の数としてカウントしない。前記突起の数のカウント方法は、実施例記載の方法による。
前記積層フィルムは、側面における高さ10μm以上の突起が10個/cm以下であるため、粘着剤層を構成する粘着剤のはみ出しが抑制され、且つ、外部からの付着物も少ないといえる。従って、前記積層フィルムを用い、保護フィルムを剥がして耐熱高分子フィルムを支持体に貼り合わせれば、ブリスター発生を抑制することができる。
本明細書において、側面における突起の数が10個/cm以下であるとは、積層フィルムのすべての辺(4辺)において、突起の数が10個/cm以下であることをいう。
前記突起が10個/cm以下である積層フィルムは、特に限定されないが、例えば、後に説明するクリーニングされた積層フィルムの製造方法により、製造することができる。
前記積層フィルムは、耐熱高分子フィルムの少なくとも一方の面に保護フィルムが積層された構成である。前記積層フィルムは、保護フィルムが、耐熱高分子フィルムの一方の面にのみ設けられた構成であってもよく、耐熱高分子フィルムの両面に設けられた構成であってもよい。
なお、保護フィルムが耐熱高分子フィルムの両面に設けられた構成である場合、前記突起の数は、一方の保護フィルムの粘着剤層に由来する突起と、他方の保護フィルムの粘着剤層に由来する突起と含む合計の突起数をいう。
前記積層フィルムは、1辺が300〜350mm程度(より好ましくは1辺が2000〜1500mm程度)の矩形シート状(ロール状に巻回されていない平面シート状)であることが好ましい。矩形シート状の前記積層フィルムは、前記保護フィルムと前記耐熱高分子フィルムとを積層した長尺のフィルムをトムソン刃等の刃により切断して得ることができる。トムソン刃等の刃による切断を行うと、柔らかい粘着剤層が積層フィルムの側面にはみ出している可能性が高いが、後に説明するクリーニングされた積層フィルムの製造方法等により、最終的な製品としての矩形シート状の前記積層フィルムは、前記突起が10個/cm以下とすることができる。
<保護フィルム>
前記保護フィルムは、基材、及び、前記基材上に設けられた粘着剤層を有する。前記保護フィルムは、前記基材、及び、前記粘着剤層以外の他の層を有していてもよい。ただし、前記粘着剤層は、耐熱高分子フィルムと接触する態様で積層されることが好ましい。従って、前記粘着剤層は、前記保護フィルムの最表面に位置することが好ましい。
<基材>
前記基材は、前記保護フィルムの強度母体となるものである。
前記基材としては、特に限定されないが、25℃での引張弾性率が0.3GPa以上であることが好ましく、1GPa以上であることがより好ましく、2GPa以上であることがさらに好ましい。前記基材の25℃での引張弾性率が0.3GPa以上であると、好適に前記耐熱高分子フィルムの表面を保護することができる。また、前記基材の25℃での引張弾性率は、前記保護フィルムを前記耐熱高分子フィルムから剥離する際に撓ませることができる観点から、例えば、10GPa以下、5GPa以下等とすることができる。
本明細書において、25℃での前記基材の引張弾性率は、前記基材を100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とし、引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で測定した値をいう。
前記基材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂が挙げられる。これらは、混用使用しても構わない前記ポリエステル樹脂は、共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分などを共重合したポリエステル樹脂であってもよい。なかでも、機械的強度、耐薬品性、耐熱性の点からポリエステル樹脂が好ましい。
前記ポリエステル樹脂の中でも、物性とコストのバランスからポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。
前記基材は、二軸延伸されていることが好ましい。二軸延伸されていると、耐薬品性、耐熱性、機械的強度などを向上させることができる。
前記基材は、単層であっても複層であってもかまわない。
前記基材は、必要に応じて、前記樹脂中に各種添加剤を含有させることができる。前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光剤、ゲル化剤、有機湿潤剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、帯電防止剤などが挙げられる。前記帯電防止剤としては、従来公知のものを採用することができる。前記基材に帯電防止剤が添加されていると、埃などが吸いよせられることによる汚染を防止することができる。
前記基材は、透明であってもよいし、着色されていてもよい。前記基材を着色する方法としては、特に限定されないが顔料や染料を含有させて着色することができる。例えば、酸化チタンなどの白色顔料を混合することで白色フィルムとすることも視認性を向上させることができるため好適である。
前記基材は、ハンドリング性および生産性を確保するため、基材中に粒子径が10〜1000nm程度の滑材(粒子)を、0.03〜3質量%程度、添加・含有させて、基材表面に微細な凹凸を付与して滑り性を確保することが好ましい。
前記基材の厚さは、特に限定されないが、例えば、12〜500μmの範囲で使用する規格に応じて任意に決めることができる。前記基材の厚さは、350μm以下がより好ましい。前記基材の厚さが350μm以下であれば、生産性やハンドリング性の低下を抑制できる。また、前記基材の厚さは、25μm〜50μmの範囲がより好ましい。前記基材の厚さが25μm以上であれば、前記基材の機械的な強度不足を低減でき、剥離時に破断することを防止することができる。
前記基材は、従来公知の製膜方法により製膜することができる。前記製膜方法としては、例えばカレンダー製膜法、有機溶媒中でのキャスティング法、密閉系でのインフレーション押出法、Tダイ押出法、共押出し法、ドライラミネート法等が例示できる。
<粘着剤層>
前記粘着剤層は、一般的に、前記基材や前記耐熱高分子フィルムと比較して、低弾性率である(例えば、基材や耐熱高分子フィルムと比較して、引張弾性率が2桁又はそれ以上低い)。
前記粘着剤層としては、アクリル系、シリコーン系、ゴム系、ポリエステル系など、特に制限されるものではなく公知のものが用いることが出来る。取り扱い性の観点で好ましくはアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂である。
前記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の単量体を重合することにより得られる。前記単量体の具体的な例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。これらは、必要に応じて複数を共重合することもできる。
前記粘着剤層は、帯電防止機能を有していてもよい。例えば、前記粘着剤層は、帯電防止剤を含有していてもよい。前記粘着剤層に帯電防止剤が添加されていると、埃などが吸いよせられることによる汚染を防止することができる。
前記粘着剤層は、通常、前記基材の全面に設けられる。ただし、本発明においては、この例に限定されず、前記基材の表面のうち粘着剤層が設けられていない箇所が存在していてもよい。例えば、前記基材の表面の幅方向の両端辺近傍は、粘着剤層が設けられていない構成としてもよい。
前記粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、通常3〜200μmであればよく、好ましくは5〜30μmである。
前記粘着剤層は、前記基材上に粘着剤組成物溶液を塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させることにより得られる。前記塗布方法としては特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等が挙げられる。また、乾燥条件としては、例えば乾燥温度80〜150℃、乾燥時間0.5〜5分間の範囲内で行われる。また、セパレータ上に粘着剤組成物を塗布して塗布膜を形成した後、前記乾燥条件で塗布膜を乾燥させて粘着剤層を形成してもよい。その後、前記基材上に前記粘着剤層をセパレータと共に貼り合わせる。以上により、保護フィルムが得られる。
<その他の層>
前記保護フィルムは、前記基材、前記粘着剤層以外の層を有していてもよい。例えば、前記基材の前記粘着剤層が設けられている面とは反対側の面に、剥離処理層を有していてもよい。前記剥離処理層を有していると、例えば、耐熱高分子フィルムに貼り合わせる前に、前記保護フィルムをロール状に巻回しておくことができる。つまり、前記保護フィルムをロール状に巻回しても、前記粘着剤層が前記基材の裏面に直接触れずに、前記剥離処理層に触れることになるため、前記粘着剤層が前記基材の裏面に貼り付く(転写する)ことを防止できる。また、例えば、前記基材の前記粘着剤層が設けられている面、又は、反対側の面に、帯電防止層を有していてもよい。前記帯電防止層を有していれば、埃などが吸いよせられることによる汚染を防止することができる。前記帯電防止層としては、特に経限定されないが、例えば、帯電防止剤を含有し、かつ、基材と同様の組成を有する層が挙げられる。
前記剥離処理層としては、シリコーン樹脂およびフッ素樹脂の中から選ばれた1種以上を主成分として含有することが好ましい。前記シリコーン樹脂としては、一般に剥離処理剤に利用されているシリコーン樹脂を用いることができ、「シリコーン材料ハンドブック」(東レダウコーニング編、1993.8)などに記載の当該分野で一般に使用されるシリコーン樹脂の中から選んで使用することができる。一般的には、熱硬化型または電離放射線硬化型のシリコーン樹脂(樹脂および樹脂組成物を包含して言う)が用いられる。熱硬化型シリコーン樹脂としては、例えば縮合反応型および付加反応型のシリコーン樹脂、電離放射線硬化型シリコーン樹脂としては、紫外線もしくは電子線硬化型のシリコーン樹脂などを用いることができる。これらを、前記基材上に塗布し、乾燥または硬化させることにより前記剥離処理層を形成することができる。
<耐熱高分子フィルム>
本明細書において、耐熱高分子とは、融点が400℃以上、好ましくは500℃以上であり、ガラス転移温度が250℃以上、好ましくは320℃以上、さらに好ましくは380℃以上の高分子である。以下、煩雑さを避けるために単に高分子とも称する。本明細書において、融点、及び、ガラス転移温度は、示差熱分析(DSC)により求めるものである。なお、融点が500℃を越える場合には、該当温度にて加熱した際の熱変形挙動を目し観察することで融点に達しているか否かを判断して良い。
前記耐熱高分子フィルム(以下、単に高分子フィルムとも称する)としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、フッ素化ポリイミドといったポリイミド系樹脂(例えば、芳香族ポリイミド樹脂、脂環族ポリイミド樹脂);ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートといった共重合ポリエステル(例えば、全芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル);ポリメチルメタクリレートに代表される共重合(メタ)アクリレート;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリスルフォン;ポリエーテルスルフォン;ポリエーテルケトン;酢酸セルロース;硝酸セルロース;芳香族ポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリフェノール;ポリアリレート;ポリフェニレンスルフィド;ポリフェニレンオキシド;ポリスチレン等のフィルムを例示できる。
ただし、前記高分子フィルムは、450℃以上の熱処理を伴うプロセスに用いられることが前提であるため、例示された高分子フィルムの中から実際に適用できる物は限られる。前記高分子フィルムのなかでも好ましくは、所謂スーパーエンジニアリングプラスチックを用いたフィルムであり、より具体的には、芳香族ポリイミドフィルム、芳香族アミドフィルム、芳香族アミドイミドフィルム、芳香族ベンゾオキサゾールフィルム、芳香族ベンゾチアゾールフィルム、芳香族ベンゾイミダゾールフィルム等が挙げられる。
前記高分子フィルムは、機能素子を好適に搭載できる観点から25℃での引張弾性率が2GPa以上であることが好ましく、4GPa以上であることがより好ましく、7GPa以上であることがさらに好ましい。また、前記高分子フィルムの25℃での引張弾性率は、フレキシブルとする観点から、例えば、15GPa以下、10GPa以下等とすることができる。
本明細書において、25℃での前記高分子フィルムの引張弾性率は、前記高分子フィルムを100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とし、引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で測定した値をいう。
以下に前記高分子フィルムの一例であるポリイミド系樹脂フィルムについての詳細を説明する。一般にポリイミド系樹脂フィルムは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を、ポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥してグリーンフィルム(以下では「ポリアミド酸フィルム」ともいう)とし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、あるいは該支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを高温熱処理して脱水閉環反応を行わせることによって得られる。
ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液の塗布は、例えば、スピンコート、ドクターブレード、アプリケーター、コンマコーター、スクリーン印刷法、スリットコート、リバースコート、ディップコート、カーテンコート、スリットダイコート等従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
ポリアミド酸を構成するジアミン類としては、特に制限はなく、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族ジアミン類、脂肪族ジアミン類、脂環式ジアミン類等を用いることができる。耐熱性の観点からは、芳香族ジアミン類が好ましく、芳香族ジアミン類の中では、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類がより好ましい。ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類を用いると、高い耐熱性とともに、高弾性率、低熱収縮性、低線膨張係数を発現させることが可能になる。ジアミン類は、単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、特に限定はなく、例えば、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2,2’−p−フェニレンビス(5−アミノベンゾオキサゾール)、2,2’−p−フェニレンビス(6−アミノベンゾオキサゾール)、1−(5−アミノベンゾオキサゾロ)−4−(6−アミノベンゾオキサゾロ)ベンゼン、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール等が挙げられる。
上述したベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類以外の芳香族ジアミン類としては、例えば、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスアニリン)、1,4−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル、および前記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
前記脂肪族ジアミン類としては、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオタン等が挙げられる。
前記脂環式ジアミン類としては、例えば、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
芳香族ジアミン類以外のジアミン(脂肪族ジアミン類および脂環式ジアミン類)の合計量は、全ジアミン類の20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。換言すれば、芳香族ジアミン類は全ジアミン類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸類としては、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂肪族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂環族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)を用いることができる。中でも、芳香族テトラカルボン酸無水物類、脂環族テトラカルボン酸無水物類が好ましく、耐熱性の観点からは芳香族テトラカルボン酸無水物類がより好ましく、光透過性の観点からは脂環族テトラカルボン酸類がより好ましい。これらが酸無水物である場合、分子内に無水物構造は1個であってもよいし2個であってもよいが、好ましくは2個の無水物構造を有するもの(二無水物)がよい。テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
脂環族テトラカルボン酸類としては、例えば、シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸等の脂環族テトラカルボン酸、およびこれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも、2個の無水物構造を有する二無水物(例えば、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物等)が好適である。なお、脂環族テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
脂環式テトラカルボン酸類は、透明性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
芳香族テトラカルボン酸類としては、特に限定されないが、ピロメリット酸残基(すなわちピロメリット酸由来の構造を有するもの)であることが好ましく、その酸無水物であることがより好ましい。このような芳香族テトラカルボン酸類としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸無水物等が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸類は、耐熱性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
前記高分子フィルムの厚さは3μm以上が好ましく、より好ましくは11μm以上であり、さらに好ましくは24μm以上であり、より一層好ましくは45μm以上である。前記高分子フィルムの厚さの上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには250μm以下であることが好ましく、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは90μm以下である。
前記高分子フィルムの30℃から500℃の間の平均のCTEは、好ましくは、−5ppm/℃〜+20ppm/℃であり、より好ましくは−5ppm/℃〜+15ppm/℃であり、さらに好ましくは1ppm/℃〜+10ppm/℃である。CTEが前記範囲であると、一般的な支持体(無機基板)との線膨張係数の差を小さく保つことができ、熱を加えるプロセスに供しても高分子フィルムと無機基板とが剥がれることを回避できる。ここにCTEとは温度に対して可逆的な伸縮を表すファクターである。
前記高分子フィルムの30℃から500℃の間の熱収縮率は、±0.9%であることが好ましく、さらに好ましくは±0.6%である。熱収縮率は温度に対して非可逆的な伸縮を表すファクターである。
前記高分子フィルムの引張破断強度は、60MPa以上が好ましく、より好ましくは120MP以上であり、さらに好ましくは240MPa以上である。引張破断強度の上限は特に制限されないが、事実上1000MPa程度未満である。なお、前記高分子フィルムの引張破断強度とは、高分子フィルムの流れ方向(MD方向)の引張破断強度及び幅方向(TD方向)の引張破断強度の平均値を指す。
前記高分子フィルムの厚さ斑は、20%以下であることが好ましく、より好ましくは12%以下、さらに好ましくは7%以下、特に好ましくは4%以下である。厚さ斑が20%を超えると、狭小部へ適用し難くなる傾向がある。なお、フィルムの厚さ斑は、例えば接触式の膜厚計にて被測定フィルムから無作為に10点程度の位置を抽出してフィルム厚を測定し、下記式に基づき求めることができる。
フィルムの厚さ斑(%)
=100×(最大フィルム厚−最小フィルム厚)÷平均フィルム厚
前記積層フィルムにする前の前記高分子フィルムは、その製造時において幅が300mm以上、長さが10m以上の長尺高分子フィルムとして巻き取られた形態で得られるものが好ましく、巻取りコアに巻き取られたロール状高分子フィルムの形態のものがより好ましい。
前記高分子フィルムにおいては、ハンドリング性および生産性を確保する為、高分子フィルム中に粒子径が10〜1000nm程度の滑材(粒子)を、0.03〜3質量%程度、添加・含有させて、高分子フィルム表面に微細な凹凸を付与して滑り性を確保することが好ましい。
<高分子フィルムの表面活性化処理>
前記高分子フィルムは表面活性化処理されていることが好ましい。高分子フィルムに表面活性化処理を行うことによって、高分子フィルムの表面は官能基が存在する状態(いわゆる活性化した状態)に改質され、無機基板に対する接着性が向上する。
本明細書において表面活性化処理とは、乾式又は湿式の表面処理である。乾式の表面処理としては、例えば、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、紫外線・電子線・X線などの活性エネルギー線を表面に照射する処理、コロナ処理、火炎処理、イトロ処理等を挙げることができる。湿式の表面処理としては、例えば、高分子フィルム表面を酸ないしアルカリ溶液に接触させる処理を挙げることができる。
前記表面活性化処理は、複数を組み合わせて行っても良い。かかる表面活性化処理は高分子フィルム表面を清浄化し、さらに活性な官能基を生成する。生成された官能基は、後述するシランカップリング剤層と水素結合や化学反応などにより結びつき、高分子フィルムとシランカップリング剤層とを強固に接着することが可能となる。
<シランカップリング剤層>
前記高分子フィルム上には、シランカプッリング剤を含有するシランカプッリング剤層が設けられていてもよい。この場合、積層フィルムは、少なくとも、基材、粘着剤層、シランカプッリング剤層、高分子フィルムがこの順で積層された構成を有する。
なお、シランカップリング剤層を高分子フィルム上に設けない構成とする場合、無機基板として、シランカップリング剤層が積層されたものを用いることが好ましい。
前記シランカップリング剤は、無機基板と高分子フィルムとの間に物理的ないし化学的に介在し、両者間の接着力を高める作用を有する。
前記カップリング剤は、特に限定されるものではないが、アミノ基あるいはエポキシ基を持ったシランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤の好ましい具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、クロロメチルフェネチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、前記のほかに、n−プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ドデシルリクロロシラン、ドデシルトリメトキシラン、エチルトリクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリクロロシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ペンチルトリクロロシラン、トリアセトキシメチルシラン、トリクロロヘキシルシラン、トリクロロメチルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、トリクロロプロピルシラン、トリクロロテトラデシルシラン、トリメトキシプロピルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、トリクロロ−2−シアノエチルシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランなどを使用することもできる。
前記シランカップリング剤のなかでも、1つの分子中に1個のケイ素原子を有するシランカップリング剤が特に好ましく、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランなどが挙げられる。プロセスで特に高い耐熱性が要求される場合、Siとアミノ基の間を芳香族基でつないだものが望ましい。
前記カップリング剤としては、前記のほかに、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプト−2−ブタノール、3−メルカプトプロピオン酸ブチル、3−(ジメトキシメチルシリル)−1−プロパンチオール、4−(6−メルカプトヘキサロイル)ベンジルアルコール、11−アミノ−1−ウンデセンチオール、11−メルカプトウンデシルホスホン酸、11−メルカプトウンデシルトリフルオロ酢酸、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、11−メルカプトウンデシトリ(エチレングリコール)、(1−メルカプトウンデイック−11−イル)テトラ(エチレングリコール)、1−(メチルカルボキシ)ウンデック−11−イル)ヘキサ(エチレングリコール)、ヒドロキシウンデシルジスルフィド、カルボキシウンデシルジスルフィド、ヒドロキシヘキサドデシルジスルフィド、カルボキシヘキサデシルジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート)、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムトリブトキシモノステアレート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、2,3−ブタンジチオール、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、シクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール、1−デカンチオール、1−ドデカンチオール、3−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸エチル、1−ヘプタンチオール、1−ヘキサデカンチオール、ヘキシルメルカプタン、イソアミルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸−3−メトキシブチル、2−メチル−1−ブタンチオール、1−オクタデカンチオール、1−オクタンチオール、1−ペンタデカンチオール、1−ペンタンチオール、1−プロパンチオール、1−テトラデカンチオール、1−ウンデカンチオール、1−(12−メルカプトドデシル)イミダゾール、1−(11−メルカプトウンデシル)イミダゾール、1−(10−メルカプトデシル)イミダゾール、1−(16−メルカプトヘキサデシル)イミダゾール、1−(17−メルカプトヘプタデシル)イミダゾール、1−(15−メルカプト)ドデカン酸、1−(11−メルカプト)ウンデカン酸、1−(10−メルカプト)デカン酸などを使用することもできる。
<シランカップリング剤層の形成方法>
シランカップリング剤層の形成方法としては、シランカップリング剤溶液を前記高分子フィルムに塗布する方法や蒸着法などを用いることが出来る。シランカップリング剤層の形成は高分子フィルムのいずれの表面に行っても良く、両方の表面に行っても良い。
シランカップリング剤溶液を塗布する方法としては、シランカップリング剤をアルコールなどの溶媒で希釈した溶液を用いて、スピンコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、グラビアコート法、バーコート法、コンマコート法、アプリケーター法、スクリーン印刷法、スプレーコート法等の従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
また、シランカップリング剤層を蒸着法によって形成することもでき、具体的には、前記高分子フィルムをシランカップリング剤の蒸気、すなわち実質的に気体状態のシランカップリング剤に暴露して形成する。シランカップリング剤の蒸気は、液体状態のシランカップリング剤を40℃〜シランカップリング剤の沸点程度までの温度に加温することによって得ることが出来る。シランカップリング剤の沸点は、化学構造によって異なるが、概ね100〜250℃の範囲である。ただし200℃以上の加熱は、シランカップリング剤の有機基側の副反応を招く恐れがあるため好ましくない。
シランカップリング剤を加温する環境は、加圧下、常圧下、減圧下のいずれでも構わないが、シランカップリング剤の気化を促進する場合には常圧下ないし減圧下が好ましい。多くのシランカップリング剤は可燃性液体であるため、密閉容器内にて、好ましくは容器内を不活性ガスで置換した後に気化作業を行うことが好ましい。
前記高分子フィルムをシランカップリング剤に暴露する時間は特に制限されないが、20時間以内が好ましく、より好ましくは60分以内、さらに好ましくは15分以内、最も好ましくは1分以内である。
前記高分子フィルムをシランカップリング剤に暴露する間の前記高分子フィルムの温度は、シランカップリング剤の種類と、求めるシランカップリング剤層の厚さにより−50℃から200℃の間の適正な温度に制御することが好ましい。
シランカップリング剤層の膜厚は、無機基板、高分子フィルム等と比較しても極めて薄く、機械設計的な観点からは無視される程度の厚さであり、原理的には最低限、単分子層オーダーの厚さがあれば十分である。一般には400nm未満であり、200nm以下が好ましく、さらに実用上は100nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは10nm以下である。ただし、計算上5nm以下の領域になるとシランカップリング剤層が均一な塗膜としてではなく、クラスター状に存在するおそれがある。なお、シランカップリング剤層の膜厚は、エリプソメトリー法または塗布時のシランカップリング剤溶液の濃度と塗布量から計算して求めることができる。
<その他の薄膜層>
前記シランカップリング剤層上には、さらに、無機基板との接着力を向上させるための薄膜層(例えば、金属薄膜)が形成されていてもよい。
<クリーニングされた積層フィルムの製造方法>
次に、側面における高さ10μm以上の突起であって、前記粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来するものの数が10個/cm以下である積層フィルム(クリーニングされた積層フィルム)の製造方法について説明する。
本実形態に係るクリーニングされた積層フィルムの製造方法においては、まず、基材、及び、前記基材上に設けられた粘着剤層を有する保護フィルムと、前記粘着剤層上に積層された耐熱高分子フィルムとを有する積層フィルム(クリーニングする前の積層フィルム)を準備する(工程A)。
クリーニングする前の積層フィルムとしては、長尺の積層フィルムをトムソン刃等の刃により切断した状態の矩形シート状のフィルムが挙げられる。長尺の積層フィルムは、長尺の保護フィルムの粘着剤層と長尺の耐熱高分子フィルム(高分子フィルム)とを貼り合わせることで得られる。
次に、切断した矩形シート状のフィルムの側面と、払拭用シートとを接触させた状態で前記矩形シート状のフィルムと前記払拭用シートとを相対的に移動させて、前記側面を拭く(工程B)。工程Bは、以下に説明するエッジクリーニング装置により行うことができる。
<エッジクリーニング装置>
図1は、本実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的斜視図であり、図2は、その側面図である。
エッジクリーニング装置20は、フィルムを固定する載置台22と、払拭用シート24を搬送する搬送部(図示せず)と、載置台22を移動させるための駆動部(図示せず)とを備える。載置台22は、本発明のフィルム固定部に相当する。
載置台22は、真空チャックによってフィルムを吸着保持することができる。載置台22の載置面には、例えば、真空チャック用の孔が等間隔で複数配設されている。真空チャック用の孔に接続された真空路から真空排気することによって、フィルムを載置面に吸着する。
払拭用シート24としては、ロール状のものを使用する。ガイドローラ26及び図示しない張力付与機構により払拭用シート24を緊張状態に保持する。
払拭用シート24としては、積層フィルム10の側面を拭くことができるものであれば特に制限されず、PET長繊維、セルロース長繊維、セルロース短繊維、PET長繊維とパルプの混合、レーヨンとPETの長繊維の混合、ポリプロピレン繊維などから構成される織布、編物、不織布、漉紙、等を用いることができる。払拭用シートの目付量としては20.0〜150g/m2、厚さ0.1〜1.0mm程度のものが使われる。
払拭用シート24としては、クリーン環境での使用に対応している織布や不織布を用いるのが好ましく、積層フィルム10の側面を拭き取る際、その摩擦によって発塵が少ないものが好ましい。払拭用シート24として織布や不織布を用いれば、積層フィルム10の側面の高さ10μm以上の突起を容易に取り除くことができる。また、払拭用シート24から生じた異物が積層フィルム10に付着し、支持体に貼り合わせた際にブリスター発生因となることを抑制することができる。
払拭用シート24としては、10mm角ピアノワイヤに対しての摩擦係数が0.3以下が好ましく、さらに好ましくは0.2以下である。詳細な測定方法は実施例記載の方法による。
払拭用シート24としては、積層フィルム10の側面を拭き取る際、積層フィルム10の側面および表面を傷つけないものが望ましい。積層フィルム10の側面または表面に傷がつくと、側面の変形によって貼り付けた支持体との間に浮きが生じたり、フィルムくずがブリスター発生因となる。
払拭用シート24としては、弾性ロール間、或いは回転ローラーの溝に沿わせることができ、かつある程度の弾力でフィルムを押し返せるものが好ましい。具体的には、30gf/cmの圧力をかけた際の変形量(圧縮特性)が圧縮前の厚みの20%以上70%以下となるものが好ましく、更に好ましくは25%以上60%以下である。詳細な測定方法は実施例記載の方法による。
工程Bでは、まず、積層フィルム10を載置台22に固定する。次に、前記駆動部により載置台22を払拭用シート24の方向(図2では左方向)に移動させて、積層フィルム10を払拭用シート24に所定の圧力となるように押し当てる。
次に、積層フィルム10を払拭用シート24に所定の圧力で押し当てたままの状態で、前記駆動部により載置台22を払拭用シート24面に対して平行に移動させる。これにより、積層フィルム10の側面が払拭用シート24により拭かれる。このときの押つけ力としては、積層フィルム10が曲がらない程度であればよく、その一例として、例えば、1〜4N等とすることができる。なお、この値の範囲でもフィルムの保持方法が悪いと、曲がってしまう場合があるため、フィルム保持を良好に行う必要がある。これにより、好適に積層フィルム10の側面を拭くことができる。
その後、載置台22の真空を解除し、クリーニングされた積層フィルム10を得る。以上により、クリーニングされた積層フィルム10を製造することができる。
次に、前記搬送部により払拭用シート24を搬送する。これにより、ロール部分から新たな払拭用シート24が繰り出されるとともに、クリーニングに使用された部分はロール部分に巻き取られる。これにより、次の積層フィルム10を拭くことが可能になる。
上述した実施形態では、フィルム固定部としての載置台22が移動することにより、積層フィルム10の側面を拭く場合について説明した。しかしながら、本発明はこの例に限定されず、フィルム固定部は移動せず、払拭用シートが移動することにより、積層フィルムの側面を拭くこととしてもよい。ただし、上述した実施形態のように、クリーニング中は、払拭用シートの繰り出しがない方が、払拭用シートの使用量を抑えることができる点で好ましい。
また、上述した実施形態では、フィルムの側面をエッジクリーニング装置を用いて拭く場合について説明した。しかしながら、本発明においてフィルムの側面を拭く工程(工程B)は、この例(装置を用いる例)に限定されず、例えば、作業者が払拭用シートを用いて前記矩形シート状のフィルムの側面を拭く工程であってよい。
上記のようにして得られた、側面が拭かれた積層フィルム10(クリーニングされた積層フィルム10)は、側面が清浄な状態となる。従って、側面における高さ10μm以上の突起であって、粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来するものの数を、10個/cm以下とすることができる。
エッジクリーニング装置20は、払拭用シート24に溶剤を供給する溶剤供給部を備えていてもよい。積層フィルム10の側面を汚すと予想される物質に応じて溶剤を選択し、払拭用シート24に供給すれば、フィルムの側面をより清浄な状態にできる。
積層フィルム10の角部をクリーニングする際、角部では積層フィルム10と払拭用シート24との接触面積が減り、角部に強い力がかかるおそれがある。そこで、積層フィルム10の角部が払拭用シート24と接触する寸前の位置で、払拭用シート24が、積層フィルム10から離れる公知の機構を備えることしてもよい。
また、積層フィルム10の角部の保護の観点から、積層フィルム10の角部ではなく、辺の途中からクリーニングを開始し、そこから往復動作することにより全体をクリーニングする構成であってもよい。
また、積層フィルム10の角部の保護の観点から、積層フィルム10と払拭用シート24とが、積層フィルム10の平面と払拭用シートの平面とを直角にあてるのではなく、払拭用シート24を湾曲させるか、又は、払拭用シート24の平面を積層フィルム10の平面に対して直角とならないように角度を持たせて接触させてもよい。
また、生産効率向上の観点から、積層フィルム10の2辺以上を同時にクリーニングできる構成としてもよい。
また、払拭用シート24の幅方向の上側と下側との2カ所を用いてクリーニングすることとしてもよい。例えば、払拭用シート24を幅方向(図4の上下方向)に移動させる機構を持たせる方法が考えられる。
図3は、他の実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的平面図であり、図4は、図3に示したエッジクリーニング装置の横断面図である。
エッジクリーニング装置40は、フィルムを固定する載置台42と回転ローラー52とを備える。
載置台42には、載置台42上を一方向(図3では上下方向)に延びるガイド44が設けられている。なお、ガイド44よりも一方側(図3では右側)が積層フィルム10の搬送位置となる。載置台42の前記搬送位置下面には、複数の回転ローラーを有する搬送部48が備えられている。また、搬送部48の上部には、押さえローラー46が設けられている。
回転ローラー52には、2つのリング状の弾性ローラー54が取り付けられている。巻出し側ロール28から巻き出された払拭用シート24は、回転ローラー52の側面に約半周分巻き付けられ、巻き取り側ロール29に巻き取られる。
回転ローラー52は、バー部56を介して床面に軸支されている。バー部56には、シリンダー58から圧力を加えることが可能となっている。シリンダー58からバー部56に対して圧力が加えられると、回転ローラー52は、載置台42上の積層フィルム10の方向に押圧されることとなる。このとき、積層フィルム10の側面が、2つの弾性ローラー54の間に位置するように、載置台42の高さ、回転ローラー52の高さ、2つの弾性ローラー54の間隔等が設定されている。
エッジクリーニング装置に用いられるシリンダーは、単純にエアーにより加圧を実施するエアーシリンダーであっても良いし、さらにばねなどの機構を組み合わせたものでもよい。
以上の構成により、積層フィルム10は、一辺がガイド44に押さえつけられ、且つ、搬送部48と押さえローラー46とにより高さ方向に固定された状態で、載置台42をガイド44に沿って移動させることができる。また、積層フィルム10の側面を払拭用シート24により拭くことができる。
ガイド44、搬送部48及び押さえローラー44は、フィルムを固定するフィルム固定部に相当する。また、搬送部48及び押さえローラー44は、本発明の駆動部に相当する。
次に、エッジクリーニング装置40の動作の一例について説明する。
まず、積層フィルム10を搬送部48と押さえローラー46とにより載置台42に固定する。このときは、シリンダー58には圧力を加えない。次に、積層フィルム10を搬送し、積層フィルム10の第1の角(図3では、右上の角)が回転ローラー52と接触する位置まで移動させる。次に、シリンダー58に圧力を加える。これにより、回転ローラー52に巻き付けられている払拭用シート24が積層フィルム10に押し当てられる。
この状態で、積層フィルム10をさらに搬送し、積層フィルム10の第2の角(図3では、右下の角)が回転ローラー52と接触する位置まで移動させる。これにより、積層フィルム10の側面が払拭用シート24により拭かれる。
この動作の際、払拭用シート24を同時に搬送してもよい。払拭用シート24の搬送方向は、積層フィルム10の搬送方向と反対方向が好ましい。同時に搬送する場合、払拭用シート24の新しい面が繰り出されながら拭き取りを行える点で優れる。
次に、シリンダー58の圧力を開放し、積層フィルム10を送る。以上により、1枚の積層フィルム10の拭き取りを終える。次に、図示しない搬送部により払拭用シート24を搬送する。これにより、ロール部分から新たな払拭用シート24が繰り出されるとともに、クリーニングに使用された部分はロール部分に巻き取られる。ただし、積層フィルム10の側面の拭き取り時に払拭用シート24を同時に搬送する構成とする場合は、拭き取り後のり払拭用シート24の搬送を行わないこととしてもよい。
以上、他の実施形態に係るエッジクリーニング装置40について説明した。
図5は、他の実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的平面図である。なお、図3、図4を用いて説明したエッジクリーニング装置40と共通する部分については、同一の符号を用い、その説明を簡略化するか又は省略することとする。
エッジクリーニング装置60は、フィルムを固定する載置台42と2つの回転ローラー62とを備える。
図6Aは、図5に示した回転ローラーの平面図であり、図6Bは、その側面図である。図6A、図6Bに示すように、回転ローラー62は、円柱方向中央部に溝64が形成されたプーリー形状を有する。また、回転ローラー62は、平面視中央に回転軸66が設けられている。図5に示すように、2つの回転ローラー62は、回転軸66を介して板状部材68に回転可能に軸支されている。板状部材68は、バー部材70の一端に回転可能に軸支されている。また、バー部材70の他端は、エッジクリーニング装置60の本体61に回転可能に軸支されている。
バー部材70には、シリンダー72から圧力を加えることが可能となっている。シリンダー72からバー部材70に対して圧力が加えられると、2つの回転ローラー62は、載置台42上の積層フィルム10の方向に押圧されることとなる。このとき、積層フィルム10の側面が、回転ローラー62の溝64に位置するように、載置台42の高さ、回転ローラー62の高さ等が設定されている。
エッジクリーニング装置60には、ガイド44、押さえローラー46、搬送部48が設けられている。ガイド44、押さえローラー46、搬送部48の構成、及び、機能についてはすでに説明したので、ここでの説明は省略する。
以上の構成により、積層フィルム10は、一辺がガイド44に押さえつけられ、且つ、搬送部48と押さえローラー46とにより高さ方向に固定された状態で、載置台42をガイド44に沿って移動させることができる。また、積層フィルム10の側面を払拭用シート24により拭くことができる。
なお、エッジクリーニング装置60の動作は、エッジクリーニング装置40と同様とすることができる。
以上、他の実施形態に係るエッジクリーニング装置60について説明した。
図7は、他の実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的平面図である。なお、図5を用いて説明したエッジクリーニング装置60と共通する部分については、同一の符号を用い、その説明を簡略化するか又は省略することとする。
エッジクリーニング装置80は、フィルムを固定する載置台42と2つの回転ローラー62とを備える。回転ローラー62の構成については、すでに説明したので、ここでの説明は省略する。
2つの回転ローラー62の間には、積層フィルム10と接触する部分に溝を有する板状の押さえ部材82が設けられている。押さえ部材82と2つの回転ローラー62とは、それぞれ、2つのバー部からなるV字状部材84を介して接続されている。具体的に、2つの回転ローラー62は、それぞれ、回転軸66(図6A参照)を介してV字状部材84の一端に回転可能に軸支され、V字状部材84の他端は、押さえ部材82に回転可能に軸支されている。
2つのV字状部材84には、それぞれ独立に設けられた2つのシリンダー86から圧力を加えることが可能となっている。シリンダー86からV字状部材84に対して圧力が加えられると、押さえ部材82と2つの回転ローラー62とは、載置台42上の積層フィルム10の方向に押圧されることとなる。このとき、積層フィルム10の側面が、回転ローラー62の溝64及び押さえ部材82の溝に位置するように、載置台42の高さ、押さえ部材82の高さ、回転ローラー62の高さ等が設定されている。
エッジクリーニング装置80には、ガイド44、押さえローラー46、搬送部48が設けられている。ガイド44、押さえローラー46、搬送部48の構成、及び、機能についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
以上の構成により、積層フィルム10は、一辺がガイド44に押さえつけられ、且つ、搬送部48と押さえローラー46とにより高さ方向に固定された状態で、載置台42をガイド44に沿って移動させることができる。また、積層フィルム10の側面を払拭用シート24により拭くことができる。
なお、エッジクリーニング装置80の動作は、エッジクリーニング装置40と同様とすることができる。
以上、他の実施形態に係るエッジクリーニング装置80について説明した。
図8は、他の実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的平面図である。なお、図5を用いて説明したエッジクリーニング装置60と共通する部分については、同一の符号を用い、その説明を簡略化するか、又は省略することにする。
エッジクリーニング装置100は、フィルムを固定する載置台42と、3つの回転ローラー62とを備える。回転ローラー62の構成については、すでに説明したので、ここでの説明は省略する。
図8に示すように、3つの回転ローラー62は、回転軸66を介して板状部材68に回転可能に軸支されている。
回転ローラー62には、シリンダー72から圧力を加えることが可能となっている。シリンダー72から回転ローラー62に対して圧力が加えられると、3つの回転ローラー62は、載置台42上の積層フィルム10の方向に押圧されることとなる。このとき、積層フィルム10の側面が、回転ローラー62の溝64に位置するように、載置台42の高さ、回転ローラー62の高さ等が設定されている。
エッジクリーニング装置100には、払拭用シート24を介して回転ローラーにかかる張力を緩和するためのバー63が設けられている。
エッジクリーニング装置100には、ガイド44、押さえローラー46、搬送部48が設けられている。ガイド44、押さえローラー46、搬送部48の構成、及び、機能についてはすでに説明したので、ここでの説明は省略する。
以上の構成により、積層フィルム10は、一辺がガイド44に押さえつけられ、且つ、搬送部48と押さえローラー46とにより高さ方向に固定された状態で、載置台42をガイド44に沿って移動させることができる。また、積層フィルム10の側面を払拭用シート24により拭くことができる。
なお、エッジクリーニング装置100の動作は、エッジクリーニング装置40と同様とすることができる。
以上、他の実施形態に係るエッジクリーニング装置100について説明した。
図9は、他の実施形態に係るエッジクリーニング装置を説明するための模式的平面図である。なお、図5を用いて説明したエッジクリーニング装置60と共通する部分については、同一の符号を用い、その説明を簡略化するか、又は省略することにする。
エッジクリーニング装置120は、フィルムを固定する載置台42と、クリーニングヘッド治具91とを備える。
図10は図9に示したクリーニングヘッド治具の平面図、及び、側面図である。図10(図10上側の側面図)に示すように、クリーニングヘッド治具91は、積層フィルム10と接触する面の厚み方向中央部に溝92が形成された形状を有する。また、図9、及び、図10下側の平面図に示すように、クリーニングヘッド治具91は、平面視で矩形形状を有する。図9に示すように、クリーニングヘッド治具91の長手方向の1辺が積層フィルム10と接触する。また、クリーニングヘッド治具91は、積層フィルム10と接触する辺の両端部が、なだらかな曲線となっている。クリーニングヘッド治具91の積層フィルム10と接触する辺の両端部がなだらかな曲線となっているため、払拭用シート24の送りをスムーズとすることができる。
クリーニングヘッド治具91には、シリンダー72から圧力を加えることが可能となっている。シリンダー72からクリーニングヘッド治具91に対して圧力が加えられると、クリーニングヘッド治具91は、載置台42上の積層フィルム10の方向に押圧されることとなる。このとき、積層フィルム10の側面が、クリーニングヘッド治具91の溝92に位置するように、載置台42の高さ、クリーニングヘッド治具91の高さ等が設定されている。
エッジクリーニング装置120には、ガイド44、押さえローラー46、搬送部48が設けられている。ガイド44、押さえローラー46、搬送部48の構成、及び、機能についてはすでに説明したので、ここでの説明は省略する。
以上の構成により、積層フィルム10は、一辺がガイド44に押さえつけられ、且つ、搬送部48と押さえローラー46とにより高さ方向に固定された状態で、載置台42をガイド44に沿って移動させることができる。また、積層フィルム10の側面を払拭用シート24により拭くことができる。
なお、エッジクリーニング装置120の動作は、エッジクリーニング装置40と同様とすることができる。
以上、他の実施形態に係るエッジクリーニング装置120について説明した。
エッジクリーニング装置でフィルムエッジを清掃する際、クリーニングヘッドにフィルムを強く押し付けすぎるとフィルムが折れるなどのダメージが生じる一方、押しつけが弱すぎると異物が除去できない場合がある。そこで、上述したようなエッジクリーニング装置を使用する際、使用する払拭用布の種類とクリーニングヘッドの押し付け圧を最適条件にすれば、フィルムとクリーニングヘッドの相対的位置が変化しても、フィルムにダメージを与えることなく異物を除去することが容易となる。
<無機基板と高分子フィルムとが貼り合わされた積層体の製造方法>
次に、前記積層フィルムを用いた、無機基板と高分子フィルムとが貼り合わされた積層体の製造方法について説明する。
まず、支持体としての無機基板と前記積層フィルム(クリーニングされた積層フィルム)とを準備する。
<無機基板>
前記無機基板としては無機物からなる基板として用いることのできる板状のものであればよく、例えば、ガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属等を主体としているもの、および、これらガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属の複合体として、これらを積層したもの、これらが分散されているもの、これらの繊維が含有されているものなどが挙げられる。
前記ガラス板としては、石英ガラス、高ケイ酸ガラス(96%シリカ)、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標))、ホウケイ酸ガラス(無アルカリ)、ホウケイ酸ガラス(マイクロシート)、アルミノケイ酸塩ガラス等が含まれる。これらの中でも、線膨張係数が5ppm/K以下のものが望ましく、市販品であれば、液晶用ガラスであるコーニング社製の「コーニング(登録商標)7059」や「コーニング(登録商標)1737」、「EAGLE」、旭硝子社製の「AN100」、日本電気硝子社製の「OA10」、SCHOTT社製の「AF32」などが望ましい。
前記半導体ウエハとしては、特に限定されないが、シリコンウエハ、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、アルミニウム−ガリウム−インジウム、窒素−リン−ヒ素−アンチモン、SiC、InP(インジウム燐)、InGaAs、GaInNAs、LT、LN、ZnO(酸化亜鉛)やCdTe(カドミウムテルル)、ZnSe(セレン化亜鉛)などのウエハが挙げられる。なかでも、好ましく用いられるウエハはシリコンウエハであり、特に好ましくは8インチ以上のサイズの鏡面研磨シリコンウエハである。
前記金属としては、W、Mo、Pt、Fe、Ni、Auといった単一元素金属や、インコネル、モネル、ニモニック、炭素銅、Fe−Ni系インバー合金、スーパーインバー合金、といった合金等が含まれる。また、これら金属に、他の金属層、セラミック層を付加してなる多層金属板も含まれる。この場合、付加層との全体の線膨張係数(CTE)が低ければ、主金属層にCu、Alなども用いられる。付加金属層として使用される金属としては、高分子フィルムとの密着性を強固にするもの、拡散がないこと、耐薬品性や耐熱性が良いこと等の特性を有するものであれば限定されるものではないが、Cr、Ni、TiN、Mo含有Cuなどが好適な例として挙げられる。
前記無機基板の平面部分は、充分に平坦である事が望ましい。具体的には、表面粗さのP−V値が50nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。これより粗いと、高分子フィルム層と無機基板との剥離強度が不充分となる場合がある。
前記無機基板の厚さは特に制限されないが、取り扱い性の観点より10mm以下の厚さが好ましく、3mm以下がより好ましく、1.3mm以下がさらに好ましい。厚さの下限については特に制限されないが、好ましくは0.07mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上である。
なお、前記高分子フィルムにシランカプッリング剤層を設けない場合は、無機基板上にシランカプッリング剤層を設けてもよい。シランカプッリング剤層の形成方法は、高分子フィルム上へのシランカプッリング剤層の形成と同様にすることができる。
次に、準備した前記積層フィルム(クリーニングされた積層フィルム)から保護フィルムを剥がし、表出した高分子フィルムの表面と、前記無機基板とを加圧加熱して、貼り合わせる。これにより、積層体が得られる。この際、前記積層フィルムは、側面における高さ10μm以上の突起であって、前記粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来するものの数が10個/cm以下である。そのため、粘着剤層を構成する粘着剤のはみ出しが抑制され、且つ、外部からの付着物も少ないといえる。従って、高分子フィルムを無機基板に貼り合わせた際のブリスター発生を抑制することができる。
加圧加熱処理は、例えば、大気圧雰囲気下あるいは真空中で、プレス、ラミネート、ロールラミネート等を、加熱しながら行えばよい。またフレキシブルなバッグに入れた状態で加圧加熱する方法も応用できる。生産性の向上や、高い生産性によりもたらされる低加工コスト化の観点からは、大気雰囲気下でのプレスまたはロールラミネートが好ましく、特にロールを用いて行う方法(ロールラミネート等)が好ましい。
加圧加熱処理の際の圧力としては、1MPa〜20MPaが好ましく、さらに好ましくは3MPa〜10MPaである。20MPa以下であると、無機基板を破損することを抑制できる。また、1MPa以上であると、密着しない部分が生じることや、接着が不充分になることを防止できる。加圧加熱処理の際の温度としては、好ましくは150℃〜400℃、より好ましくは250℃〜350℃である。高分子フィルムがポリイミドフィルムである場合には、温度が高すぎると、ポリイミドフィルムにダメージを与える虞があり、温度が低すぎると、密着力が弱くなる傾向がある。
また加圧加熱処理は、上述のように大気圧雰囲気中で行うこともできるが、全面の安定した剥離強度を得る為には、真空下で行うことが好ましい。このとき真空度は、通常の油回転ポンプによる真空度で充分であり、10Torr以下程度あれば充分である。
加圧加熱処理に使用することができる装置としては、真空中でのプレスを行うには、例えば井元製作所製の「11FD」等を使用でき、真空中でのロール式のフィルムラミネーターあるいは真空にした後に薄いゴム膜によりガラス全面に一度に圧力を加えるフィルムラミネーター等の真空ラミネートを行うには、例えば名機製作所製の「MVLP」等を使用できる。
前記加圧加熱処理は加圧プロセスと加熱プロセスとに分離して行うことが可能である。この場合、まず、比較的低温(例えば120℃未満、より好ましくは95℃以下の温度)で高分子フィルムと無機基板とを加圧(好ましくは0.2〜50MPa程度)して両者の密着確保し、その後、低圧(好ましくは0.2MPa未満、より好ましくは0.1MPa以下)もしくは常圧にて比較的高温(例えば120℃以上、より好ましくは120〜250℃、さらに好ましくは150〜230℃)で加熱することにより、密着界面の化学反応が促進されて高分子フィルムと無機基板とを積層できる。
以上により、無機基板と高分子フィルムとが貼り合わされた積層体を得ることが出来る。
<フレキシブル電子デバイスの製造方法>
前記積層体を用いると、既存の電子デバイス製造用の設備、プロセスを用いて積層体の高分子フィルム上に電子デバイスを形成し、積層体から高分子フィルムごと剥離することで、フレキシブルな電子デバイスを作製することができる。
本明細書において電子デバイスとは、電気配線を担う片面、両面、あるいは多層構造を有する配線基板、トランジスタ、ダイオードなどの能動素子や、抵抗、キャパシタ、インダクタなどの受動デバイスを含む電子回路、他、圧力、温度、光、湿度などをセンシングするセンサー素子、バイオセンサー素子、発光素子、液晶表示、電気泳動表示、自発光表示などの画像表示素子、無線、有線による通信素子、演算素子、記憶素子、MEMS素子、太陽電池、薄膜トランジスタなどをいう。
本明細書におけるデバイス構造体の製造方法では、上述した方法で作製された積層体の高分子フィルム上にデバイスを形成した後、該高分子フィルムを前記無機基板から剥離する。
デバイス付きの高分子フィルムを無機基板から剥離する方法としては、特に制限されないが、ピンセットなどで端から捲る方法、高分子フィルムに切り込みを入れ、切り込み部分の1辺に粘着テープを貼着させた後にそのテープ部分から捲る方法、高分子フィルムの切り込み部分の1辺を真空吸着した後にその部分から捲る方法等が採用できる。なお、剥離の際に、高分子フィルムの切り込み部分に曲率が小さい曲がりが生じると、その部分のデバイスに応力が加わることになりデバイスを破壊するおそれがあるため、極力曲率の大きな状態で剥がすことが望ましい。例えば、曲率の大きなロールに巻き取りながら捲るか、あるいは曲率の大きなロールが剥離部分に位置するような構成の機械を使って捲ることが望ましい。
前記高分子フィルムに切り込みを入れる方法としては、刃物などの切削具によって高分子フィルムを切断する方法や、レーザーと積層体を相対的にスキャンさせることにより高分子フィルムを切断する方法、ウォータージェットと積層体を相対的にスキャンさせることにより高分子フィルムを切断する方法、半導体チップのダイシング装置により若干ガラス層まで切り込みつつ高分子フィルムを切断する方法などがあるが、特に方法は限定されるものではない。例えば、上述した方法を採用するにあたり、切削具に超音波を重畳させたり、往復動作や上下動作などを付け加えて切削性能を向上させる等の手法を適宜採用することもできる。
また、剥離する部分に予め別の補強基材を貼りつけて、補強基材ごと剥離する方法も有用である。剥離するフレキシブル電子デバイスが、表示デバイスのバックプレーンである場合、あらかじめ表示デバイスのフロントプレーンを貼りつけて、無機基板上で一体化した後に両者を同時に剥がし、フレキシブルな表示デバイスを得ることも可能である。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<基材の25℃での引張弾性率の測定>
下記基材(ベースフィルムA、ベースフィルムB)の25℃での引張弾性率を、基材に粘着剤層が積層された状態で測定した。本実施例では、基材の25℃での引張弾性率が粘着剤層の25℃での引張弾性率よりも2桁以上高いものを使用しているため(目安として、基材の25℃での引張弾性率が4GPa(4000MPa)前後であり、粘着剤層の25℃での引張弾性率が10MPa以下である)、基材に粘着剤層が積層された状態での測定値を、基材の25℃での引張弾性率とした。
25℃での基材の引張弾性率は、基材を100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とし、引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で測定した。
その結果、ベースフィルムAの25℃での引張弾性率は、4.1GPaであった。また、ベースフィルムBの25℃での引張弾性率は、4.2GPaであった。
<耐熱高分子フィルムの25℃での引張弾性率の測定>
下記耐熱高分子フィルム(PI(ポリイミド)フィルムC〜E)の25℃での引張弾性率を測定した。
25℃での耐熱高分子フィルムの引張弾性率は、耐熱高分子フィルムを100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とし、引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で測定した。
その結果、PIフィルムCの25℃での引張弾性率は、8.2GPaであった。また、PIフィルムDの25℃での引張弾性率は、8.1GPaであった。また、PIフィルムEの25℃での引張弾性率は、8.3GPaであった。
<払拭用シートの摩擦係数測定>
払拭用シートの摩擦係数測定には、カトーテック株式会社製、摩擦感試験機KES-SEを用いた。摩擦子は10mm角ピアノワイヤを用い、荷重25g/cm、速度1mm/sとし、20℃65%RHの環境で実施した。
<払拭用シートの圧縮特性測定>
払拭用シートの圧縮特性測定には、カトーテック株式会社製、自動化圧縮試験機KED−FB3−AUTO−Aを用いた。圧縮速度は50s/mm、圧縮荷重は50gf/cm、加圧板2cmとした。圧縮前の厚みに対する、30gf/cmの圧力をかけた際の変形量(%)を求めた。
<積層フィルムの製造>
実施例で使用したフィルムについて説明する。
保護フィルムA:PET(ポリエチレンテレフタレート)ベースフィルムA(38μm厚)上に粘着剤層A(25μm厚)が形成されたフィルム(フジコピアン社製、製品名:HG1)。なお、粘着剤層の主成分は、シリコーンである。
保護フィルムB:PET(ポリエチレンテレフタレート)ベースフィルムB(50μm厚)上に粘着剤層B(10μm厚)が形成されたフィルム(パナック株式会社製、製品名:パナプロテクト ET)。なお、粘着剤層の主成分は、アクリル系である。
PI(ポリイミド)フィルムC(38μm厚):東洋紡社製、製品名:XENOMAX F38
PI(ポリイミド)フィルムD(25μm厚):東洋紡社製、製品名:XENOMAX F25
PI(ポリイミド)フィルムE(16μm厚):東洋紡社製、製品名:XENOMAX F16
なお、PETベースフィルムA、PETベースフィルムBは、本発明の基材に相当する。また、PIフィルムC〜Eは、本発明の耐熱高分子フィルムに相当する。
(実施例1)
幅730mmである保護フィルムAを準備した。また、PIフィルムCを準備し、幅734mm幅にスリットした。次に、保護フィルムAとPIフィルムCとを貼り合わせた。貼り合わせは、粘着剤層AとPIフィルムCとを貼り合わせ面とした。また、貼り合わせは、PIフィルムCの両端2mmがそれぞれ保護フィルムAと重ならないように行った。PIフィルムCの両面に対して保護フィルムAを貼り合わせた。その後、貼合体をトムソン刃によって720×910mmに裁断した。トムソン刃として、両側30°の角度を持った両刃を使用した。裁断は一枚ずつ行った。裁断は、サンプルの下に250μm厚のPETフィルムを敷いて行った。以上により、清掃前の積層フィルム1得た。
次に、下記「突起の数の測定」に記載のエッジクリーニング方法により、トムソンカット部をクリーニングした。以上により、本実施例1に係る積層フィルム1(清掃後の積層フィルム1)得た。
なお、表1の「積層構成」の項目において、「A/C/A」との記載は、保護フィルムA、PIフィルムC、保護フィルムAがこの順で積層されていることを示している。
(実施例2〜6)
表1の「積層構成」の項目に示すように、保護フィルム、及び、PIフィルムの種類を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム2〜6を作製した。また、実施例1と同様にして、トムソンカット部をクリーニングを行い、実施例2〜6に係る積層フィルム2〜6(清掃後の積層フィルム2〜6)得た。
(実施例7)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。次に、下記「突起の数の測定」に記載のエッジクリーニング方法により、トムソンカット部をクリーニングした。以上により、本実施例7に係る積層フィルム1(清掃後の積層フィルム1)を得た。
(実施例8)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。次に、下記「突起の数の測定」に記載のエッジクリーニング方法により、トムソンカット部をクリーニングした。
以上により、本実施例8に係る積層フィルム1(清掃後の積層フィルム1)を得た。
(実施例9)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。次に、下記「突起の数の測定」に記載のエッジクリーニング方法により、トムソンカット部をクリーニングした。以上により、本実施例9に係る積層フィルム1(清掃後の積層フィルム1)得た。
(実施例10)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。次に、下記「突起の数の測定」に記載のエッジクリーニング方法により、トムソンカット部をクリーニングした。以上により、本実施例10に係る積層フィルム1(清掃後の積層フィルム1)得た。
(実施例11)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。また、払拭用シートに溶剤を噴射しないこと以外は、実施例1と同様にして、トムソンカット部をクリーニングを行い、実施例11に係る積層フィルム1(清掃後の積層フィルム1)得た。
(実施例12)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。次に、下記「突起の数の測定」に記載のエッジクリーニング方法により、トムソンカット部をクリーニングした。以上により、本実施例12に係る積層フィルム1(清掃後の積層フィルム1)得た。
(実施例13)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。次に、下記「突起の数の測定」に記載のエッジクリーニング方法により、トムソンカット部をクリーニングした。以上により、本実施例13に係る積層フィルム1(清掃後の積層フィルム1)得た。
(実施例14)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。次に、下記「突起の数の測定」に記載のエッジクリーニング方法により、トムソンカット部をクリーニングした。以上により、本実施例12に係る積層フィルム1(清掃後の積層フィルム1)得た。
<突起の数の測定>
(実施例1〜6)
実施例1〜6にて作製した清掃前の積層フィルムをカッターにて6cm×4cmの矩形に切り取った。この際、6cmの1辺がトムソンカット部になるように切り取った。つまり、6cmの1辺を残す3辺をカッターで切り取り、1辺がトムソンカット部であり、3辺がカッターによるカット部である6cm×4cmの観察用サンプルを作製した。
同軸落射光源を備えた光学顕微鏡を用いて、作製した観察用サンプルのトムソンカット部を観察した。なお、この観察によって裁断辺の4cm部分を観察したことになる。
観察された異物を以下に分類して、カウントした。結果を表1の「清掃前」の欄に示す。
付着(大):エッジに認められた高さ100μm以上の異物
付着(エッジ):エッジに認められた高さ10μm以上100μm未満の異物
なお、「付着(大)」及び「付着(エッジ)」が、本発明における「側面における高さ10μm以上の突起」のカウント対象である。
清掃前の観察用サンプルの観察の後、エッジクリーニング操作の前に、保護フィルム面を上下面同時にクリーニングローラーにてクリーニングを行った。
その後、エッジクリーニングを行った。エッジクリーニングは、図3、図4を用いて説明したエッジクリーニング装置を用いて行った。払拭用シートと積層フィルムと間の押圧圧力は、フィルムを2N程度の力で押しても、フィルムに曲り、変形などは生じず、クリーニングに適していた。クロスとの間で圧力のかかる領域を5mmと仮定すると4N/10mmであった。なお、シリンダーの圧力は、0.2MPaとした。また、払拭用シートとしては、PET長繊維ワイパー(未来コーセン社製、製品名:マルチワイプ、不織布)を用いた。また、払拭用シートに溶剤として、2プロパノールを噴射した(噴射量:0.1cc/回)。拭き取りは、清掃対象部分の長さの移動(本実施例では6cm)を1往復とした。以上により、清掃後の観察用サンプルを得た。清掃後の観察用サンプルについて、異物をカウントした。異物のカウント方法は、清掃前の観察用サンプルの異物のカウント方法と同様とした。結果を表1の「清掃後」の欄に示す。
なお、本実施例において、押圧圧力とは、クリーニングされるフィルムが払拭用シートを介して受ける、ガイド方向に押される力を指す。本実施例において、払拭用シートと積層フィルムとの間の押圧圧力の測定にはテンションゲージ(ケニス株式会社)を用い、テンションゲージのフック部分をエッジクリーニング装置の回転ローラー部分に固定して測定した値を用いた。
<突起の数の測定>
(実施例7)
実施例1と同様にして観察用サンプルを作製し、トムソンカット部の異物をカウントした。結果を表1の「清掃前」の欄に示す。
清掃前の観察用サンプルの観察の後、エッジクリーニング操作の前に、実施例1と同様にして、保護フィルム面のクリーニングを行った。
その後、エッジクリーニングを行った。エッジクリーニングは、図3、4を用いて説明したエッジクリーニング装置を用いて行った。押圧圧力は3.7Nとした。この時、シリンダーの圧力は0.3MPaであった。なお、押圧圧力を4N以上にするとフィルムの曲がり、変形が生じた。このことから、本実施例で使用したエッジクリーニング装置では、押圧圧力は4N未満が好ましいことがわかる。このように、エッジクリーニング装置を使用するにあたっては、適切な押圧圧力が必要である。押圧圧力を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムエッジを清掃し、異物のカウントを実施した。結果を表1「清掃後」の欄に示す。
<突起の数の測定>
(実施例8)
押圧圧力を2.3Nとした以外は実施例7と同様に実施した。この時、シリンダー圧力は0.2MPaであった。結果を表1「清掃前」、「清掃後」に示す。
<突起の数の測定>
(実施例9)
実施例9にて作製した清掃前の積層フィルムをカッターにて6cm×3.7cmの矩形に切り取った。この際、6cmの1辺がトムソンカット部になるように切り取った。つまり、6cmの1辺を残す3辺をカッターで切り取り、1辺がトムソンカット部であり、3辺がカッターによるカット部である6cm×3.7cmの観察用サンプルを作製した。
以上の6cm×3.7cmの観察用サンプルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、作製した観察用サンプルのトムソンカット部を観察し、観察された異物をカウントした。結果を表1の「清掃前」の欄に示す。
また、清掃前の観察用サンプルの観察の後、実施例1の突起の数の測定と同様にして、エッジクリーニングを行い、清掃後の観察用サンプルを得た。清掃後の観察用サンプルについて、実施例1の突起の数の測定と同様にして、異物をカウントした。結果を表1の「清掃後」の欄に示す。
<突起の数の測定>
(実施例10)
実施例10にて作製した清掃前の積層フィルムをカッターにて6cm×4.3cmの矩形に切り取った。この際、6cmの1辺がトムソンカット部になるように切り取った。つまり、6cmの1辺を残す3辺をカッターで切り取り、1辺がトムソンカット部であり、3辺がカッターによるカット部である6cm×4.3cmの観察用サンプルを作製した。
以上の6cm×4.3cmの観察用サンプルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、作製した観察用サンプルのトムソンカット部を観察し、観察された異物をカウントした。結果を表1の「清掃前」の欄に示す。
また、清掃前の観察用サンプルの観察の後、実施例1の突起の数の測定と同様にして、エッジクリーニングを行い、清掃後の観察用サンプルを得た。清掃後の観察用サンプルについて、実施例1の突起の数の測定と同様にして、異物をカウントした。結果を表1の「清掃後」の欄に示す。
<突起の数の測定>
(実施例11)
払拭用シートに溶剤を噴射しなかったこと以外は、実施例1の突起の数の測定と同様にして、異物をカウントした。結果を表1の「清掃前」、「清掃後」の欄に示す。
<突起数の測定>
(実施例12)
払拭用シートとしてTS−507(東和化成、不織布)を用いたこと以外は、実施例1の突起の数の測定と同様にして、異物をカウントした。結果を表1の「清掃前」「清掃後」の欄に示す。
<突起数の測定>
(実施例13)
払拭用シートとしてTS−100(東和化成、不織布)を用いたこと以外は、実施例1の突起の数の測定と同様にして、異物をカウントした。結果を表1の「清掃前」「清掃後」の欄に示す。
<突起数の測定>
(実施例14)
払拭用シートとしてSD−40(東和化成、不織布)を用いた以外は、実施例1の突起の数の測定と同様にして、異物をカウントした。結果を表1の「清掃前」「清掃後」の欄に示す。
(参考例1)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。次に、払拭用シートとしてPP(ポリプロピレン)不織布(ANVIET製)を用いたこと以外は、実施例1の突起の数の測定と同様にして、トムソンカット部をクリーニングしようとしたが、PP不織布が弾性ローラーの溝に積層フィルム1が入らなかった。この状態でフィルムを押し付けて清掃を実施しようとすると、フィルムに折れが生じた。
(参考例2)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。次に、払拭用シートとしナイロン不織布(ワコーグループ製)を用いたこと以外は、実施例1の突起の数の測定と同様にして、トムソンカット部をクリーニングしたところ、不織布とフィルム側面が擦れることでフィルムにキズが発生したため、清掃を中止した。
(参考例3)
実施例1と同様にして、清掃前の積層フィルム1を作製した。次に、払拭用シートとしセルロース不織布(クリーン環境非対応、TRUSCO)を用いたこと以外は、実施例1の突起の数の測定と同様にして、トムソンカット部をクリーニングしたところ、払拭用布から積層フィルムに異物の転写が多く見られたため、清掃を中止した。
Figure 2020128077
<積層フィルムを用いた積層体の製造、及び、ブリスター発生評価>
180mm×230mmサイズに切断した厚さ0.7mmのOA10Gガラス(NEG社製、無アルカリガラス基板)を準備した。
次に、前記ガラス基板をスピンコーターに設置し、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM903)の1%IPA溶液(イソプロピルアルコール溶液)を回転中央部に滴下させた後、500rpmにて回転させ、次いで2000rpmにて回転させた。これをクリーンベンチでに1分間放置して、IPAを乾燥させ、シランカップリング剤層を備えるガラス基板を得た。
次に、実施例にて準備した清掃後の積層フィルムを、130mm×200mmに切り出した。このとき、1辺はトムソンカット端でありその他の辺はカッターによって切り出した。次に、切り出した積層フィルムから保護フィルムを剥がし、PIフィルムを表出させた。その後、表出させたPIフィルムと、上記で準備したシランカップリング剤層を備えるガラス基板とを貼り合わせた。
貼り合わせは、ラミネーター(MCK社製MRK−1000)を用い、クリーンルーム内、22℃、55%RH、大気圧下にて、エアシリンダーによってローラーに圧力をかけて実施した。ローラーのエアー元圧力は、0.55MPaとした。このとき、感圧フィルム(富士フィルム社プレスケールLLW)によって、1MPaの圧力がかかっていることを確認した。貼り合わせ後に、110℃のオーブンに50分間入れて加熱し、ガラス基板とPIフィルムとが貼り合わされた積層体を得た。
得られた積層体を、ガラス基板側から目視観察し、トムソンカット端から30mm以内の範囲について直径500μm以上の気泡(ブリスター)の数をカウントした。カウントは、トムソンカット端60cm部分全体について行った。結果を表3に示す。なお、カウント対象の気泡は、ガラス基板とPIフィルムとの間に発生した気泡とした。この気泡は、異物(粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来する異物)が原因となって発生するものであるからである。気泡の数が8個以下の場合をA9個以上15個以下の場合をB、16個以上をCと評価した。結果を表2に示す。
Figure 2020128077
10 積層フィルム
20、40、60、80、100、120 エッジクリーニング装置
22 載置台
24 払拭用シート
26 ガイドローラ
91 クリーニングヘッド治具

Claims (7)

  1. 基材、及び、前記基材上に設けられた粘着剤層を有する保護フィルムと、
    前記粘着剤層上に積層された耐熱高分子フィルムと
    を有し、
    側面における高さ10μm以上の突起であって、前記粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来するものの数が10個/cm以下であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記基材の25℃での引張弾性率が0.3GPa以上であり、
    前記耐熱高分子フィルムの25℃での引張弾性率が2GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記保護フィルムは、前記耐熱高分子フィルムの両面に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. フィルムを固定するフィルム固定部と、
    払拭用シートを搬送する搬送部と、
    前記フィルム固定部に固定されるフィルムの側面と、前記搬送部により搬送される払拭用シートとを接触させた状態で前記フィルムと前記払拭用シートとを相対的に移動させる駆動部とを備えることを特徴とするエッジクリーニング装置。
  5. 前記払拭用シートに溶剤を供給する溶剤供給部
    を備えることを特徴とする請求項4に記載のエッジクリーニング装置。
  6. 基材、及び、前記基材上に設けられた粘着剤層を有する保護フィルムと、前記粘着剤層上に積層された耐熱高分子フィルムとを有する積層フィルムを準備する工程Aと、
    前記積層フィルムの側面と、払拭用シートとを接触させた状態で前記積層フィルムと前記払拭用シートとを相対的に移動させて、前記側面を拭く工程Bとを有することを特徴とするクリーニングされた積層フィルムの製造方法。
  7. 前記工程Bの後の積層フィルムは、側面における高さ10μm以上の突起であって、前記粘着剤層に由来する又は外部からの付着物に由来するものの数が10個/cm以下であることを特徴とする請求項6に記載のクリーニングされた積層フィルムの製造方法。
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